JP6859398B2 - 除湿ローターの省エネ制御システム及びその方法 - Google Patents

除湿ローターの省エネ制御システム及びその方法 Download PDF

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Description

本発明は、除湿剤が含浸された回転可能な除湿ローターを通過する処理空気から水分を吸着して除湿し、低湿度の環境を提供する除湿ローターの省エネ制御システム及びその方法に関する。
一般に、ドライルーム用の除湿機には、シリカゲルやゼオライトなどの吸着材を添着した除湿ローターが搭載されることが多い。除湿ローターは低速で回転し、除湿と再生が繰り返されることで、ドライルームへ連続的に低露点の空気が供給される。除湿機では、除湿ローターから水分を脱着するエネルギー(以降、「再生エネルギー」と言う。)が非常に大きく、除湿機の消費エネルギーの50%以上を占める。
例えば、全外気方式で給気露点温度が低露点(−50℃DP以下)の除湿機の場合、一般的に除湿ローターは直列に二段設置される。この場合、後段のローターは、除湿・再生・パージの3セクションを備えている(以降、「3分割ローター」と言う。)が、前段の除湿ローターはイニシャルコストやランニングコストの面で除湿と再生の2セクションを備えている(以降、「2分割ローター」と言う。)ことが多い。
このような除湿機では、前段の2分割ローターへの潜熱負荷が大きいため、再生エネルギーが非常に大きいが、ドライルーム用の除湿機の再生エネルギーは、潜熱負荷が最大となる夏期設計条件で設計される。そのため、潜熱負荷の小さい冬期や無人時には再生エネルギーを削減する余地がある。
そこで、従来、再生エネルギーを制御するシステムとして、除湿セクション出口側に設置された露点計の測定値が所定の露点温度になるように、再生エネルギーを制御するシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、除湿セクション入口側に設置された露点計の測定値から、除湿セクション出口の露点温度を予測し、この露点温度が所定の露点温度となるよう再生エネルギーを制御するシステムも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特許第3266326号公報 特開2007−260506号公報
上記した特許文献1や特許文献2に記載のシステムの場合、露点温度の測定に静電容量式露点計や鏡面冷却式露点計が用いられている。静電容量式露点計の場合、測定誤差が大きく応答速度も遅いために、本来の露点温度と異なった露点温度で再生エネルギーの制御が行われ、設定値を大幅に超えてしまう可能性がある。また、鏡面冷却式露点計の場合、静電容量式露点計と比べて、測定誤差が小さく応答速度も速いが、鏡面の汚れなどにより測定誤差や応答速度が著しく低下するために、日常的なメンテナンスが必要となる。さらに、鏡面冷却式露点計は静電容量式露点計と比べてイニシャルコストが高いという問題もある。
本発明は、上記した課題を解決すべくなされたものであり、測定精度が良く、応答速度が速く、制御性が良く、メンテナンス性に優れ、イニシャルコストが安価な除湿ローターの省エネ制御システム及びその方法を提供することを目的とするものである。
上記した目的を達成するため、本発明は、通過する処理空気から水分を吸着して該処理空気を除湿する除湿セクションと、通過する高温空気により加熱されて水分が脱着される再生セクションと、に分割された回転可能な除湿ローターの省エネ制御システムであって、前記除湿ローターの回転方向において、前記再生セクションの下流側に隣接する前記除湿セクションの一部分を擬似パージセクションの領域に設定し、前記再生セクションを通過する高温空気が損失した顕熱エネルギーと前記擬似パージセクションの領域を通過する低温空気が取得した顕熱エネルギーとの差分のエネルギーを前記除湿セクションを通過する処理空気の風量で除して得たエネルギー収支値に基づき、前記除湿ローターの再生風量比又は再生温度を制御する制御装置を備えていることを特徴とする。
本発明に係る除湿ローターの省エネ制御システムにおいて、前記制御装置は、前記除湿ローターの回転数をR(rph)、前記除湿セクションの面風速をV(m/s)、a及びbを再生条件によって異なる定数とした場合に、各再生条件における前記擬似パージセクションの領域の中心角度を、a×exp(b×R/V)の式に従って算出し、各再生条件における前記擬似パージセクションの領域の中心角度のうちの最小角度を該擬似パージセクションの領域の中心角度に設定するのが良い。
本発明に係る除湿ローターの省エネ制御システムにおいて、前記擬似パージセクションの領域の出口温度を検出する温度センサーを備え、前記温度センサーは、最大潜熱負荷時における前記除湿セクションの出口温度と最小潜熱負荷時における前記除湿セクションの出口温度との温度差が最大であって、前記除湿セクションの表面から50mm以内且つ該除湿セクションに接触しない位置に設置されるのが良い。
本発明は、通過する処理空気から水分を吸着して該処理空気を除湿する除湿セクションと、通過する高温空気により加熱されて水分が脱着される再生セクションと、に分割された回転可能な除湿ローターの省エネ制御方法であって、前記除湿ローターの回転方向において、前記再生セクションの下流側に隣接する前記除湿セクションの一部分を擬似パージセクションの領域に設定し、前記再生セクションを通過する高温空気が損失した顕熱エネルギーと前記擬似パージセクションの領域を通過する低温空気が取得した顕熱エネルギーとの差分のエネルギーを前記除湿セクションを通過する処理空気の風量で除して得たエネルギー収支値に基づき、前記除湿ローターの再生風量比又は再生温度を制御することを特徴とする。
本発明によれば、測定精度が良く、応答速度が速く、制御性が良く、メンテナンス性に優れ、イニシャルコストが安価な省エネ除湿システムを提供することができる等、種々の優れた効果を得ることができる。
本発明の実施の形態に係る除湿ローターの省エネ制御システムを示す説明図である。 本発明の実施の形態に係る除湿ローターの省エネ制御システムにおいて、除湿セクションの出口温度と擬似パージセクションの領域の中心角度との関係を示す図である。 本発明の実施の形態に係る除湿ローターの省エネ制御システムにおいて、擬似パージセクションの領域の中心角度と除湿セクションの面風速に対する除湿ローターの回転数の比との関係を示す図である。 本発明の実施の形態に係る除湿ローターの省エネ制御システムにおいて、エネルギー収支値と再生風量比との関係を示す図である。 本発明の実施の形態に係る除湿ローターの省エネ制御システムにおいて、エネルギー収支値と再生温度との関係を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態に係る除湿ローターの省エネ制御システムを全外気方式のシステムに適用した場合について例示して説明する。
図1に示されているように、本発明の実施の形態に係る除湿ローターの省エネ制御システム10には、シリカゲルやゼオライトなどの除湿剤がガラス繊維ペーパーやセラミックペーパーに含浸されて円筒状に成形された除湿ローター20,30が前後二段に亘って直列に設置されており、各除湿ローター20,30はモータ等の駆動手段(図示省略)によって所定の速度で回転される。
前段の除湿ローター20は、仕切板などによって、通過する処理空気から水分を吸着して除湿する除湿セクション21と、通過する高温空気により加熱されて水分が脱着される再生セクション22と、に分割された2分割ローターである。
一方、後段の除湿ローター30は、仕切板などによって、通過する処理空気から水分を吸着して該処理空気を除湿する除湿セクション31と、通過する高温空気により加熱されて水分が脱着される再生セクション32と、通過する低温空気により冷却されるパージセクション33と、に分割された3分割ローターである。
前段の除湿ローター20の回転方向において、再生セクション22の下流側に隣接する除湿セクション21の一部分の領域23は、後段の除湿ローター30のような3分割ローターのパージセクション33と同様に、ローターの温度が高く、出口空気の温度が高いため、除湿能力がほとんど無い。そこで、我々は、この領域23を、擬似パージセクションの領域23に設定することを考えた。この擬似パージセクションの領域23の出口側には、この出口温度T2を検出する第2の温度センサー24が設けられている。なお、擬似パージセクションの領域23の詳細については、後述する。
外部と前段の除湿ローター20の除湿セクション21の入口側部分とは第1のダクト40により接続されている。第1のダクト40には、外部側から空気の流れ方向に沿って順に、プレクーラー41、第1の風量調整ダンパ(VD)42がそれぞれ設けられている。第1のダクト40の除湿セクション21の近傍には除湿セクション21の入口側の空気の温度T1を測定する第1の温度センサー43が設けられている。
前段の除湿ローター20の除湿セクション21の出口側部分と後段の除湿ローター30の除湿セクション31の入口側部分とは第2のダクト44により接続され、第2のダクト44には給気ファン45が設けられている。給気ファン45の下流側には第2のダクト44から第3のダクト46が分岐接続されており、第3のダクト46は後段の除湿ローター30のパージセクション33の入口側部分に接続されている。
後段の除湿ローター30の除湿セクション31の出口側と低湿度の環境が要求される空間(例えば、ドライルーム)とは第4のダクト47により接続され、第4のダクト47には第2の風量調整ダンパ(VD)48が設けられている。
後段の除湿ローター30のパージセクション33の出口側部分と後段の除湿ローター30の再生セクション32の入口側部分とは第5のダクト49により接続され、第5のダクト49には再生ヒーター50が設けられている。
後段の除湿ローター30の再生セクション32の出口側部分と前段の除湿ローター20の再生セクション22の入口部分とは第6のダクト51により接続され、第6のダクト51には再生ヒーター52が設けられている。第6のダクト51の再生セクション22の近傍には再生セクション22の入口側の空気の温度T3を測定する第3の温度センサー53が設けられている。
再生ヒーター52の上流側には第6のダクト51に第7のダクト54が接続され、第7のダクト54には可変風量装置(VAV)55が設けられている。
前段の除湿ローター20の再生セクション22の出口側部分と外部とは第8のダクト56により接続されている。第8のダクト56の再生セクション22の近傍には再生セクション22の出口側の空気の温度T4を測定する第4の温度センサー57が設けられている。また、第8のダクト56には排気ファン58及び第3の風量調整ダンパ(VD)59が設けられている。
上記した除湿ローターの省エネ制御システム10には、制御装置60が設けられている。制御装置60は、第1〜第4の温度センサー43,24,53,57、再生ヒーター52、可変風量装置(VAV)55、排気ファン58などと電気的に接続されている。
除湿ローターの省エネ制御システム10において、計測対象は、前段の除湿ローター20の除湿セクション21の入口温度T1、擬似パージセクションの領域23の出口温度T2、前段の除湿ローター20の再生セクション22の入口温度T3、前段の除湿ローター20の再生セクション22の出口温度T4、前段の除湿ローター20の除湿セクション21における差圧ΔP1、前段の除湿ローター20の再生セクション22における差圧ΔP2、外気再生風量Q4である。各温度の測定は、それぞれ、第1〜第4の温度センサー43,24,53,57によって行われ、第1〜第4の温度センサー43,24,53,57には熱電対や白金測温抵抗体などが使用される。また、前段の除湿ローター20の各セクション21(23),22の通過風量Q1(Q2),Q3は除湿ローター20の差圧計(図示省略)により測定される差圧ΔP1,ΔP2から算出される。さらに、外気再生風量Q4は、可変風量装置(VAV)55などの風量測定器を備えたダンパからの測定値が用いられる。
このような構成を備えた除湿ローターの省エネ制御システム10において、第1のダクト40を介して外部から処理空気として導入された外気(OA)はプレクーラー41で予冷除湿され、前段の除湿ローター20の除湿セクション21を通過する。その後、前段の除湿ローター20に供給された処理空気のうち、所定風量の処理空気は第2のダクト44を介して後段の除湿ローター30の除湿セクション31を通過し、残りの風量の処理空気は第3のダクト46を介して後段の除湿ローター30のパージセクション33を通過する。
前段の除湿ローター20及び後段の除湿ローター30は、それぞれの除湿セクション21,31を通過する処理空気から水分を吸着して除湿し、該除湿された処理空気は低湿度の環境が要求される空間に供給される。
一方、後段の除湿ローター30のパージセクション33を通過した処理空気は低温空気として後段の除湿ローター30を冷却した後、第5のダクト49を通り、再生ヒーター50により加熱されて高温空気となる。そして、この高温空気は、後段の除湿ローター30の再生セクション32を通過し、第6のダクト51を通って、第7のダクト54からの外気(OA)と合流する。
第6のダクト51において合流した空気は、再生ヒーター52により加熱された後、前段の除湿ローター20の再生セクション22を通過し、排気ファン58によって排気(EA)として外部に排出される。
次に、上記した擬似パージセクションの領域23について、詳細に説明する。
我々は、前段の除湿ローター20のような2分割ローターにおいて、除湿セクション21の出口空気の温度分布が潜熱負荷により異なることに着眼した。図2は、高負荷条件(除湿機の設計における最大の潜熱負荷であり、夏期設計条件を意味し、露点温度で+5℃DP〜+12℃DP程度であることが多い。)と低負荷条件(除湿機の設計における最小の潜熱負荷であり、冬期設計条件を意味し、露点温度で−20℃DP〜−15℃DP程度であることが多い。)とにおける、除湿セクション21の出口温度と擬似パージセクションの領域23の再生セクション22からの中心角度θ1(図1参照)との関係を示す図である。
図2によれば、除湿セクション21のうちの再生セクション22から近い領域(角度の小さい領域)では、潜熱負荷が大きいほど除湿セクション21の出口温度が低く、再生セクション22から遠い領域(角度の大きい領域)では、吸着熱により逆の傾向になっていることが分かる。そこで、我々は、図2中の低負荷条件の出口温度と高負荷条件の出口温度とが逆転しない領域で、なるべく風量が大きい(すなわち、角度が大きい)交点xの角度(図2中の35°)を擬似パージセクションの領域23の中心角度θ1とした。
また、我々の実験により、擬似パージセクションの領域23の角度θ1は、再生条件ごとに次式(2)よって推定できることを見出した。なお、次式(1)の定数a及びbは再生条件によって異なる。
θ1=a×exp(b×α)・・・(1)
θ1:擬似パージセクションの中心角度(°)
R:除湿ローターの回転数(rph)
V:除湿セクションの面風速(m/s)
α:除湿ローター回転数と除湿セクションの面風速との比(=R/V)
a,b:定数
擬似パージセクションの領域23の出口温度T2の測定点については、低負荷条件と高負荷条件との間で温度差が大きい箇所で測定することが望ましい。図2によれば、角度が25°の点がその温度差が最大の点であるため、この付近に第2の温度センサー24を設置して測定すると制御性が良い。また、第2の温度センサー24は、除湿セクション21の出口の空気が混合する前の温度を測定するために、除湿ローター20の表面から50mm以内で除湿ローター20には接触しない位置に配置するのが好ましい。
また、擬似パージセクションの領域23の顕熱エネルギー収支は、次式(2)により表すことができる。
擬似パージセクションの顕熱エネルギー収支=(T2−T1)×Q1×θ1/θ×ρ×Cp・・・(2)
T1::除湿セクションの入口温度(℃)
T2:擬似パージセクションの出口温度(℃)
Q1:除湿セクションの風量(m/h)
θ1:擬似パージセクションの領域の中心角度(°)
θ :除湿セクションの角度(°)
ρ:空気密度(kg/m
Cp:定圧比熱(kJ/℃・kg)
図3に示されているように、擬似パージセクションの領域23の中心角度θ1は再生条件によって異なるため、各再生条件における角度θ1の最小中心角度を、制御時の中心角度θ1とする。
上記したように、前段の除湿ローター20の回転方向において、再生セクション22の下流側に隣接する除湿セクション21の一部分の領域23を、擬似パージセクションの領域23に設定することにより、我々は、本出願人による特許第5654960号に記載の発明と同様に、次式(3)により算出される顕熱エネルギー収支値(kJ/m)を用いることで、前段の除湿ローター20の再生エネルギーを制御することが可能になると考えた。
顕熱エネルギー収支値=(再生セクションの顕熱エネルギー収支−擬似パージセクションの領域の顕熱エネルギー収支÷除湿風量={(T3−T4)×Q3×ρ×Cp}−{(T2−T1)×Q1×θ1/θ×ρ×Cp}÷Q1・・・・・(3)
T3:再生セクションの入口温度(℃)
T4:再生セクションの出口温度(℃)
Q3:再生セクションの風量(m3/h)
Cp:定圧比熱(kJ/℃・kg)
上記式(3)において、顕熱エネルギー収支値が潜熱負荷によって大きく変化するほど、制御性は高くなる。潜熱負荷が小さい領域では、再生セクション22の顕熱エネルギー収支の変化が小さくなるため、擬似パージセクションの領域23の顕熱エネルギー収支が重要になる。
以下、図1に示されている全外気方式の2段ローターを備えた本制御システム10において、外気風量Q1が1,900m/h、設計給気露点温度が−60℃DP、前段の除湿ローター20の回転数が8rph、除湿セクション21の面速が2.9m/s、再生温度が130℃DBの場合の実施例について説明する。
前段の除湿ローター20の実験結果から、図3に示されているように、再生条件(定格、下限再生風量比、下限再生温度)毎に、擬似パージセクションの領域23の中心角度と除湿ローターの回転数と除湿セクションの面速との関係式が求められる。この関係式と、回転数と除湿面速の比の2.76から、擬似パージセクションの領域23の中心角度は、定格再生風量比で32.0°、下限再生風量比で35.0°、下限再生温度で30.0°となる。その中で最小の角度である30.0°を制御時の擬似パージセクションの領域23の中心角度θ1とする。
なお、図3において、定格とは定格運転時の再生風量比と再生温度を含み、下限再生風量比とは省エネ制御運転時の最小の再生風量比を意味し、下限再生温度とは省エネ制御運転時の最小の再生温度を意味する。また、再生風量比は、再生セクション22の風量Q3を除湿セクション21の風量Q1で除した値を意味し、再生温度は、除湿ローター20の再生セクション22を通過する空気の入口温度T3を意味する。
上記したように第2の温度センサー24の設置位置を擬似パージセクションの領域23の中心角度以下で、低負荷条件と高負荷条件の間で温度差が大きい箇所とした上で、除湿ローター20の入口の潜熱負荷を変動させ、乾球温度、露点温度、風量のデータを取得した。図4には、それらの結果から得た再生風量比(再生風量÷除湿風量)の制御式が示されている。
本制御システム10では、除湿ローターの運転時に算出された顕熱エネルギー収支値と、その時の再生風量比から、運転点が決定される。例えば、測定された再生風量比および顕熱エネルギー収支値から図中でa点にプロットされたとすると、前段の除湿ローター20の設定露点温度を−18℃DPとした時に、再生風量比がb点の位置に運転点が移動される。再生風量比の制御下限値以下より負荷が小さい場合には、図5に示されているように、再生温度による制御に切り替わり、負荷に応じてc点からd点に運転点が移動される。
このように、制御装置60は、外気潜熱負荷に合わせて、可変風量装置(VAV)55や再生ヒーター52を制御することで、前段の除湿ローター20の再生エネルギー(再生風量比、再生温度)を制御する。
上記した本発明の実施の形態に係る除湿ローターの制御システム10によれば、全外気方式の直列2段の除湿ローター20,30で構成した場合、前段の2分割ローターの再生エネルギーを潜熱負荷に合わせて最適に制御することで、ランニングコストを年間で約25%削減することができる。
また、前段の除湿ローター20を制御することにより、外気潜熱負荷の変動に早く応答できるため、ドライルームへ供給する空気の露点温度の制御性を向上させることができる。
さらに、露点計を用いずに、温度センサーと差圧計を用いて露点温度を推定するため、制御性及び応答速度を向上させることができる。また、露点計と比べてメンテナンス性に優れており、イニシャルコストも削減することができる。
なお、上記した本発明の実施の形態の説明では、本発明の実施の形態に係る除湿ローターの省エネ制御システムを、全外気方式の直列2段の除湿ローター20,30を備えたシステムに適用した場合について説明したが、これは単なる例示に過ぎず、本発明は、全外気方式以外の他のシステムや、2分割ローターが1段で設けられるシステムにも適用可能である。
また、上記した本発明の実施の形態の説明は、本発明に係る除湿ローターの省エネ制御システム及びその方法における好適な実施の形態を説明しているため、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限り、これらの態様に限定されるものではない。さらに、上記した本発明の実施の形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、かつ、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能であり、上記した本発明の実施の形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
10 除湿ローターの省エネ制御システム
20 前段の除湿ローター
21 除湿セクション
22 再生セクション
23 擬似パージセクションの領域
24 第2の温度センサー
30 後段の除湿ローター
31 除湿セクション
32 再生セクション
33 パージセクション
60 制御装置

Claims (3)

  1. 通過する処理空気から水分を吸着して該処理空気を除湿する除湿セクションと、通過する高温空気により加熱されて水分が脱着される再生セクションと、に分割された回転可能な除湿ローターの省エネ制御システムであって、
    前記除湿ローターの回転方向において、前記再生セクションの下流側に隣接する前記除湿セクションの一部分であって、該再生セクションから所定の中心角度回転した領域を擬似パージセクションの領域に設定し、
    前記再生セクションを通過する高温空気が損失した顕熱エネルギーと前記擬似パージセクションの領域を通過する低温空気が取得した顕熱エネルギーとの差分のエネルギーを前記除湿セクションを通過する処理空気の風量で除して得たエネルギー収支値に基づき、前記除湿ローターの再生風量比による制御と再生温度による制御とを切り替えて制御する制御装置を備えていることを特徴とする除湿ローターの省エネ制御システム。
  2. 前記擬似パージセクションの領域の出口温度を検出する温度センサーを備え、
    前記温度センサーは、最大潜熱負荷時における前記除湿セクションの出口温度と最小潜熱負荷時における前記除湿セクションの出口温度との温度差が最大であって、前記除湿セクションの表面から50mm以内且つ該除湿セクションに接触しない位置に設置される請求項1に記載の除湿ローターの省エネ制御システム。
  3. 通過する処理空気から水分を吸着して該処理空気を除湿する除湿セクションと、通過する高温空気により加熱されて水分が脱着される再生セクションと、に分割された回転可能な除湿ローターの省エネ制御方法であって、
    前記除湿ローターの回転方向において、前記再生セクションの下流側に隣接する前記除湿セクションの一部分であって、該再生セクションから所定の中心角度回転した領域を擬似パージセクションの領域に設定し、
    前記再生セクションを通過する高温空気が損失した顕熱エネルギーと前記擬似パージセクションの領域を通過する低温空気が取得した顕熱エネルギーとの差分のエネルギーを前記除湿セクションを通過する処理空気の風量で除して得たエネルギー収支値に基づき、前記除湿ローターの再生風量比による制御と再生温度による制御とを切り替えて制御することを特徴とする除湿ローターの省エネ制御方法。
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