JP5485570B2 - 光照射装置及び光照射方法 - Google Patents

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本発明は光照射装置及び光照射方法に係り、特に、半導体ウエハ等に貼付された光反応型の接着剤層を有する接着シートに光を照射することのできる光照射装置及び光照射方法に関する。
半導体ウエハ(以下、単に、「ウエハ」と称する)の処理装置においては、ウエハの回路面に保護用の接着シートを貼付して裏面研削を行ったり、ダイシングテープを貼付して複数のチップに個片化したりする処理が行われる。このような処理に使用される接着シートには、接着剤に紫外線硬化型(光反応型)のものが採用されており、上記のような処理の後、紫外線照射装置(光照射装置)により紫外線(光)を接着シートに照射することで、当該接着シートの接着剤を硬化させて接着力を弱め、ウエハの破損を防止して容易に剥離できるようになっている。
前記紫外線照射装置としては、例えば、特許文献1に開示されている。同文献における紫外線照射装置は、複数の紫外線発光ダイオードを直線上に並設して構成される発光手段と、接着シートが貼付されたウエハとを平面内で相対移動させることによって接着シートの接着剤層に紫外線を照射する構成となっている。
特開2007−329300号公報
しかしながら、特許文献1に開示された紫外線照射装置は、接着シートが貼付されたウエハが、複数の紫外線発光ダイオードが並設された直線を横切るように相対移動する構成であるため、発光ダイオード間に対応する接着シート部分への光照射が相対的に不足し、接着シートに接着剤の未硬化部分が残されてしまい、当該接着シートの剥離不良が発生する、という不都合がある。
この場合、発光ダイオード間の間隔を狭めることで光照射不足に伴う接着剤の未硬化を解消し得るが、かかる構成とした場合には、発光手段に用いる発光ダイオードの使用量が増大してコスト高になる、という不都合を招来する。
[発明の目的]
本発明は、このような不都合に着目して案出されたものであり、その目的は、発光源の使用量を節減して、発光源間に対応する被照射体の部分に対する光照射不足を解消可能な光照射手段及び光照射方法を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明は、被照射体に相対配置されるとともに、直線上に所定間隔を隔てて設けられた、複数の発光源を有する発光手段と、前記直線を横切る第1の方向に前記被照射体と発光手段とを相対移動させる移動手段と、前記直線に直交する方向を横切る第2の方向に前記被照射体と発光手段とを相対変位させる変位手段とを含み、
前記被照射体と発光手段とは、前記第1の方向に沿って往復移動可能に設けられ、往移動の完了後に前記第2の方向に相対変位した状態で復移動又は、前記第1の方向に沿う往復動作の最中に前記第2の方向に相対変位する、という構成を採っている。
本発明において、前記被照射体と発光手段とは、前記発光源間の間隔を等分した距離を前記変位量とし、当該等分回数に応じて往復移動を繰り返すように設定されている
また、本発明は、請求項1記載の光照射装置を用いて被照射体に光を照射する光照射方法であって、
前記被照射体と発光手段とが前記第1の方向に沿って往復移動可能に設けられ、往移動の完了後に前記第2の方向に相対変位した状態で復移動又は、前記第1の方向に沿う往復動作の最中に前記第2の方向に相対変位する、という手法を採っている。
本発明によれば、発光源を直線上に設け、この直線を被照射体が横切るように相対移動した後、又は相対移動する際に、この相対移動する方向を横切る方向に被照射体と支持手段とを相対変位させる構成としているため、発光源間に対応する被照射体の部分への光照射不足を回避することができる。従って、発光源の使用量を節減して発光手段を構成することができる。
また、発光源間の間隔を等分した距離を発光手段と被照射体との変位量とし、この等分回数に応じて往復移動を繰り返すように設定した場合には、発光源間に対応する被照射体の部分への光照射不足を回避した上で、光量分布のばらつきも少なくすることができる。
実施形態に係る光照射装置の概略正面図。 図1の左側面図。 被照射体が往移動する状態を示す概略平面図。 被照射体が相対変位して復移動する状態を示す概略平面図。 (A)〜(C)は、発光手段と被照射体とが相対変位する際の軌跡を示す説明図。 (A)、(B)は、発光手段と被照射体とが相対変位する動作の説明図。
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1ないし図4において、光照射装置10は、被照射体としての接着シートSが貼付されたウエハWを支持する支持手段11と、接着シートSに相対配置されるとともに、直線L(図3参照)上に所定間隔Pを隔てて設けられた複数の発光源としての複数の発光ダイオード12を有する発光手段14と、直線Lを横切る第1の方向D1に支持手段11と発光手段14とを相対移動させる移動手段15と、直線Lに直交する方向を横切る第2の方向D2に支持手段11と発光手段14とを相対変位させる変位手段16とを備えて構成されている。なお、接着シートSは、基材シートの一方の面に紫外線硬化型の接着剤層が積層され、当該接着剤層によってウエハWに貼付されている。また、発光ダイオード12は、紫外線を発光可能なものとする。
前記支持手段11は、ウエハWを支持する上部テーブル11Aと、変位手段16を介して上部テーブル11Aの下方に設けられた下部テーブル11Bとを含んで構成されている。上部テーブル11Aは、図示しない複数の吸引孔を介して吸引を行うことで、その上面に載置されたウエハWを支持するようになっている。
前記発光手段14は、発光ダイオード12と、当該発光ダイオード12を支持する基板20とを含む。発光ダイオード12は、相互に等しい間隔Pを隔てて複数配置されることでその使用量が節減されている。ここで、図2に示されるように、各発光ダイオード12から発光された照射光は、所定の指向角度で発せられるため、ダイオード12を節減した代償として、発光ダイオード12間に対応する接着シートS部分への光照射が相対的に不足している。つまり、発光ダイオード12は、接着シートSに照度が不足する領域が発生するまで、それらの間隔が広げられて配置されている。なお、発光手段14は、図示しない保持部材を介して所定の高さ位置に保持される。また、発光ダイオード12は、図示しない制御手段を介して個別的若しくは所定数の単位で点灯のON−OFF制御が可能とされている。
前記移動手段15は、第1の方向D1に沿って延設された単軸ロボット22と、当該単軸ロボット22と平行に延設されたガイド部材23とにより構成されている。単軸ロボット22は、ベースBに固定された本体22Aと下部テーブル11に固定されたスライダ22Bとにより構成され、ガイド部材23は、ベースBに固定されたガイドレール23Aと、下部テーブル11Bに固定されたスライダ23Bとにより構成されている。これにより支持手段11は、接着シートSが貼付されたウエハWを載置して第1の方向D1に相対移動可能となっている。
前記変位手段16は、図1に示されるように、上部、下部テーブル11A、11Bの間に配置された直動モータ30と、当該直動モータ30の両側にそれぞれ配置されたガイド部材31とからなる。直動モータ30は、下部テーブル11Bに固定された本体部30Aと上部テーブル11Aに固定されたスライダ30Bとにより構成され、ガイド部材31は、下部テーブル11Bにそれぞれ固定されたガイドレール31Aと、上部テーブル11Aにそれぞれ固定されたスライダ31Bとにより構成されている。これにより、上部テーブル11Aに載置されたウエハWを第2の方向D2に相対変位可能となっている。
次に、本実施形態に係る紫外線照射方法について、図3ないし図6をも参照しながら説明する。
接着シートSが貼付されたウエハWが図示しない搬送アームを介して上部テーブル11Aの上面に移載されると、図示しない吸引孔を介して当該ウエハWを吸着保持するとともに、発光ダイオード12が照射を開始する。その後、支持手段11は、移動手段15を介して直線Lを横切る第1の方向D1に往復動作する。支持手段11が往移動するとき、すなわち、図3中実線で示される位置から二点鎖線で示される位置に移動するときにおいて、前述のようにダイオード12を節減したため、発光ダイオード12間に対応する接着シートS部分への光照射が相対的に不足した状態となっている。なお、発光ダイオード12は、接着シートSに照度が不足する領域が発生するまで、それらの間隔が広げられて配置されているとともに、発光ダイオード12によって接着シートSに照射される光の有効照射領域(照射径)は、発光ダイオード12の間隔Pの半分よりも広くなるように設定されていることとする。また、相対移動する段階に応じて、接着シートSに光照射しない発光ダイオード12は消灯されるように制御される。
往移動によって接着シートSが直線Lを通り過ぎると、変位手段16を構成する直動モータ30が駆動し、下部テーブル11Bに対して上部テーブル11Aが所定量変位する。これにより、上部テーブル11A上のウエハWに貼付された接着シートSが、直線Lに直交する方向を横切る第2の方向D2に相対変位する。本実施形態における変位量dは、図5(A)に示されるように、発光ダイオード12の間隔Pを2等分した距離とされ、この変位が行われた後に、支持手段11が復移動を開始する。この復移動時に発光ダイオード12間に対応する接着シートS部分へ光照射が行われ、接着シートSの全域に紫外線が照射されることで、接着シートに接着剤の未硬化部分が残されてしまうといった不都合を解消することができる。
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上説明した実施形態に対し、形状、位置若しくは配置等に関し、必要に応じて当業者が様々な変更を加えることができるものである。
例えば、前記実施形態では、支持手段11が往移動した後に、変位量dだけ支持手段11を変位させて復移動させる場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、移動手段15の駆動と変位手段16の駆動とを同期させて、往復動作の最中に上部テーブル11Aが第2の方向D2に相対変位するように構成してもよい。この場合、図5(B)、(C)に示されるように、上部テーブル11Aの往移動軌跡と復移動軌跡とが第1の方向D1を基準とした線対称軌跡となるジグザグ方向に相対変位させる往復移動としてもよい。更に、前記実施形態では、発光ダイオード12の間隔Pを2等分した距離を変位量dとしたため、往移動と復移動とを1回ずつ行うように設定したが、間隔Pを3等分した距離を変位量dとした場合には、往移動と復移動とを合計で3回行えばよく、つまり、往移動と復移動とを1回ずつ行った後に更に往移動を1回行えばよく、発光ダイオード12の間隔Pを等分した距離を変位量dとした場合、この等分回数に応じて往復移動を繰り返すように設定すればよい。
また、前記実施形態では、発光手段14を固定して支持手段11を第1の方向D1に相対移動させる構成としたが、発光手段14と支持手段11との少なくとも一方を第1の方向D1に移動させる構成としてよい。更に、前記実施形態では、発光手段14を固定して支持手段11を第2の方向D2に相対変位させる構成としたが、発光手段14と支持手段11との少なくとも一方を第2の方向D2に変位させる構成としてよい。
また、紫外線を照射することによって接着シートSの接着剤を硬化させる場合を説明したが、ウエハWに仮着された感熱接着性の接着シートをウエハに強固に貼付するシート貼付装置等に適用することもできる。この場合、発光源が発光する光としては、赤外線等が例示できる。
更に、図6に示されるように、直線Lに対する第1の方向D1が横切る角度に限定はなく、直線Lと第1の方向D1とが平行でなければよい。また、直線Lに直交する方向に対する第2の方向D2が横切る角度に限定はなく、直線Lに直交する方向と第2の方向D2とが平行でなければよい。更に第1の方向D1と第2の方向D2とは、平行でなければどのような方向関係であってもよい。
また、接着シートSが貼付される被着体はウエハWに限定されることなく、ガラス板、鋼板、または、樹脂板等、その他のものも対象とすることができ、半導体ウエハは、シリコンウエハや化合物ウエハであってもよい。
10 光照射装置
12 発光ダイオード(発光源)
14 発光手段
15 移動手段
16 変位手段
D1 第1の方向
D2 第2の方向
L 直線
S 接着シート(被照射体)
P 間隔

Claims (3)

  1. 被照射体に相対配置されるとともに、直線上に所定間隔を隔てて設けられた、複数の発光源を有する発光手段と、前記直線を横切る第1の方向に前記被照射体と発光手段とを相対移動させる移動手段と、前記直線に直交する方向を横切る第2の方向に前記被照射体と発光手段とを相対変位させる変位手段とを含み、
    前記被照射体と発光手段とは、前記第1の方向に沿って往復移動可能に設けられ、往移動の完了後に前記第2の方向に相対変位した状態で復移動又は、前記第1の方向に沿う往復動作の最中に前記第2の方向に相対変位することを特徴とする光照射装置。
  2. 前記被照射体と発光手段とは、前記発光源間の間隔を等分した距離を前記変位量とし、当該等分回数に応じて往復移動を繰り返すように設定されていることを特徴とする請求項1記載の光照射装置。
  3. 請求項1記載の光照射装置を用いて被照射体に光を照射する光照射方法であって、
    前記被照射体と発光手段とが前記第1の方向に沿って往復移動可能に設けられ、往移動の完了後に前記第2の方向に相対変位した状態で復移動又は、前記第1の方向に沿う往復動作の最中に前記第2の方向に相対変位することを特徴とする光照射方法。
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