JP5906291B2 - 光照射装置及び光照射方法 - Google Patents

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本発明は光照射装置及び光照射方法に係り、特に、半導体ウエハ等に貼付された光反応型の接着剤層を有する接着シートに光を照射することのできる光照射装置及び光照射方法に関する。
半導体ウエハ(以下、単に、「ウエハ」と称する)の処理装置においては、ウエハの回路面に保護用の接着シートを貼付して裏面研削を行ったり、ダイシングテープを貼付して複数のチップに個片化したりする処理が行われる。このような処理に使用される接着シートには、接着剤に紫外線硬化型(光反応型)のものが採用されており、上記のような処理の後、紫外線照射装置(光照射装置)により紫外線(光)を接着シートに照射することで、当該接着シートの接着剤を硬化させて接着力を弱め、ウエハの破損を防止して容易に剥離できるようになっている。
前記紫外線照射装置としては、例えば、特許文献1に開示されている。同文献における紫外線照射装置は、複数の紫外線発光ダイオードからなる発光手段と、接着シートが貼付されたウエハとを平面内で相対移動させることによって接着シートの接着剤層に紫外線を照射する構成となっている。
特開2007−329300号公報
しかしながら、特許文献1に開示されるように、接着シートが貼付されたウエハと発光手段とを相対移動させる構成にあっては、一般的には、以下の不都合がある。
すなわち、図5(A)に示されるように、紫外線硬化型の接着シートSが貼付されたウエハWをテーブル50に支持する一方、テーブル50の上方に発光手段51を配置し、テーブル50を図中左方向に移動させて紫外線照射を行う場合、ウエハWの直径をDとすると、テーブル50の移動スペースは、ウエハWの直径の約2倍2D以上必要となり、装置が大型化する。
また、図5(B)に示されるように、テーブル50を移動させることなく発光手段51を移動させる構成の場合、接着シートSへ照射する光の積算光量(光量×時間)を考慮すると、単位時間当たりにウエハWを処理する能力は、自ずと決まってしまう。
更に、図5(C)に示されるように、テーブル50と発光手段51を相反する方向にそれぞれ移動させる構成とすれば、テーブル50の移動スペースは、図5(A)に示される構成に対して半減できるものの、単位時間当たりのウエハWの処理能力は変わらない上、テーブル50と発光手段51とをそれぞれ移動させる手段が必要になり、構成が複雑化する、という不都合を招来する。
このような不都合は、接着シートSに紫外線を一括照射できる発光手段を採用することで解消可能となる。しかしながら、接着シートの大きさに対応して大容量の発光手段を用いなければならず、設備コストが上昇する他、消費電力も大きくなってしまう、という不都合を招来する。
[発明の目的]
本発明は、このような不都合に着目して案出されたものであり、その目的は、発光手段と被照射体との相対移動量を抑制して小型化を図るとともに、光照射時間を短縮化して照射効率も飛躍的に向上させることのできる光照射装置及び光照射方法を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明は、被照射体に相対配置されて当該被照射体に光を照射する発光手段と、前記被照射体と発光手段とを相互に平行な面内で定点を中心に相対回転させる移動手段とを有する光照射装置において、
前記発光手段は、前記定点を中心とした放射方向に沿うライン光を前記被照射体の被照射面上に形成するとともに、1周角度を発光手段の数で等分した相互角度を隔てて前記相対回転方向に沿って複数配置され、
前記移動手段は、前記被照射体と発光手段とを相対回転させる角度を前記相互角度と同一に設定し、前記被照射面全面に光照射を行う、という構成を採っている。
更に、本発明は、被照射体に相対配置された発光手段で当該被照射体に光を照射する光照射工程と、前記被照射体と発光手段とを相互に平行な面内で定点を中心に相対回転させる相対回転工程とを有する光照射方法において、
前記発光手段は、前記定点を中心とした放射方向に沿うライン光を前記被照射体の被照射面上に形成するとともに、1周角度を発光手段の数で等分した相互角度を隔てて前記相対回転方向に沿って複数配置され、
前記相対回転工程において、前記被照射体と発光手段とを相対回転させる角度を前記相互角度と同一に設定し、前記被照射面全面に光照射を行う、という手法を採っている。
本発明によれば、発光手段がライン光を形成し、被照射体との相対移動方向に沿って所定間隔を隔てて複数配置されているため、ライン光が被照射面を走査する距離が短縮できる。従って、発光手段と被照射体との相対移動量と光照射時間との双方が短縮化され、装置をコンパクトに形成できる他、光照射効率も向上することができる。
また、発光手段は、被照射体の一周角度を等分した間隔であるため、発光手段の間隔に対応した長さ若しくは角度の相対移動で被照射面全域に光照射を等しく行うことができる。
参考例を示す光照射装置の概略正面図。 参考例における発光手段の概略斜視図。 前記光照射装置の概略平面図。 本発明の実施実施形態を示す光照射装置の概略平面図。 (A)〜(C)は、従来の紫外線照射装置の不都合を説明するための概略正面図。
以下、本発明に係る実施形態について、参考例を説明した後に、図面を参照しながら説明する。
参考例を示す図1において、光照射装置10は、紫外線硬化型の接着シートS(被照射体)が貼付された略円形のウエハWを支持するテーブル11と、当該テーブル11の上方に相対配置されて接着シートSに光を照射する発光手段12と、テーブル11と発光手段12とを相互に平行な面内で図1中左右方向に相対移動させる移動手段13とを備えて構成されている。
前記接着シートは、基材シートと紫外線硬化型の接着剤層からなり、当該接着剤層が被照射面S1となる。なお、接着剤層は、厳密には厚みを有するため面ではないが、その厚みは極薄なため、面として表現する。
前記発光手段12は、複数すなわち第1ないし第6の発光手段12a〜12fを含んで構成されている。これら発光手段12a〜12fは、テーブル11と発光手段12との相対移動方向における接着シートSの最大長さ、すなわち直径を発光手段12の数で等分した相互間隔Pxを隔てて相互に平行に併設されている。
各発光手段12a〜12fは、図2に示されるように、基板20に取り付けられるとともに、接着シートSの被照射面S1に沿って一定間隔を隔てて延設された発光源としての複数の発光ダイオード21と、これら発光ダイオード21から発せられる光を集光して被照射面S1上にライン光Lを形成するライン光形成部材としてのレンズ22とを含む。レンズ22は、発光ダイオード21の延設方向に沿って延び、基板20とレンズ22は、図示しない保持部材を介して一体的に保持されるようになっている。
前記移動手段13は、直動モータMにより構成され、当該直動モータMの2つのスライダ25にテーブル11が固定されている。この移動手段13は、発光手段12a〜12fの相互間隔Pxと同じ距離Px分だけテーブル11を移動させるようになっている。なお、第1〜第3の発光手段12a〜12cは、図3中二点差線で示されるように、ウエハWが距離Px移動したときに、当該ウエハWがライン光Lからはみ出ることがないように、その長さが設定されているとともに、第4〜第6の発光手段12d〜12fは、距離Px移動する前のウエハWがライン光Lからはみ出ることがないようにその長さが設定されている。
前記紫外線照射装置10を用いて紫外線を照射する場合には、図1に示されるように、接着シートSの左端位置の上方に第1の発光手段12aが位置する状態で紫外線照射を開始する。そして、直動モータMの駆動により、テーブル11が第1ないし第6の発光ダイオード12a〜12fの相互間隔Pxと同じ距離Px分移動することで、ライン光Lによる走査が行われ、これによって、被照射面S1の全ての領域に紫外線を照射することができる。
従って、このような構成によれば、接着シートSの全領域に対応して発光ダイオードを密集するように配置する必要性を無くし、当該発光ダイオードの使用数を低減できる一方、相対移動量、すなわち、テーブル11の移動距離も第1ないし第6の発光手段12a〜12fの相互間隔Pxに応じた長さに設定することができ、装置の小型化と紫外線の照射時間の短縮化とが実現できる、という効果を得る。
次に、本発明の実施形態について、図4を参照しながら説明する。
この実施形態は、テーブル11と発光手段12とを平行な面内で相対回転させるように設けたところに特徴を有する。
すなわち、発光手段12は、移動手段13を構成するモータM2の図示しない回転軸に支持され、この回転軸は、円形の接着シートSの中心を回転中心として回転可能に設けられている。また、発光手段12は、モータM2の回転軸上にある定点Pを中心として放射方向に延設された8個の基板20に取り付けられるとともに、被照射面S1に沿って一定角度を隔てて延設された発光源としての複数の発光ダイオード21と、図示しないライン光形成部材としてのレンズとによって構成されており、実質的に、第1実施形態で示したものと同一であり、それらのライン光Lを被照射面S1に対して周方向に沿って走査させることで紫外線を照射できるように構成されている。
各発光手段12a〜12hの間隔をなす相互角度θは1周角度(360度)を発光手段の数で等分した角度つまり45度に設定され、当該相互角度θは、接着シートSの周方向に沿って各発光手段12a〜12hが回転する角度と同一となっている。
従って、発光手段12が45度回転することにより、接着シートSの全周に紫外線を照射することができる。
なお、図示例では、各発光手段12a〜12hにおける発光ダイオード21は、放射方向に沿って相互に等間隔を隔てた配置に表しているが、放射方向外側に向かうに従って基板20の単位長さあたりの発光ダイオード21の数を増大させたり、或いは、外側の発光ダイオード21の光量が次第に大きくなるタイプのものを用いたりすることもできる。
従って、このような実施形態によっても、テーブル11と発光ダイオード12a〜12hとを平面内で回転させるだけであるため、装置の小型化と紫外線の照射時間の短縮化を実現できる、という効果を得る。
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上説明した実施形態に対し、形状、位置若しくは配置等に関し、必要に応じて当業者が様々な変更を加えることができるものである。
例えば、前記実施形態では、発光源としての発光ダイオード21が基板20に複数配置された場合を図示、説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、管状をなす単数の紫外線ランプを用いることもできる。
また、紫外線を照射することによって接着シートSの接着剤層を硬化させる場合を説明したが、ウエハWに仮着された感熱接着性の接着シートをウエハに強固に貼付するシート貼付装置等に適用することもできる。この場合、発光源が発光する光としては、赤外線等が例示できる。
また、実施形態では、発光手段12が移動することなくテーブル11が回転する構成としてもよいし、発光手段12とテーブル11との両方が回転する構成でもよい。
更に、ライン光形成部材はレンズ22に替えて反射板等を用いることもできる。
また、接着シートSが貼付される被着体はウエハWに限定されることなく、ガラス板、鋼板、または、樹脂板等、その他のものも対象とすることができ、半導体ウエハは、シリコンウエハや化合物ウエハであってもよい。
10 光照射装置
12、12a〜12h 発光手段
13 移動手段
21 発光ダイオード(発光源)
22 レンズ(ライン光形成部材)
L ライン光
S 接着シート(被照射体)
S1 被照射面
P 定点
Px 相互間隔(距離)
θ 相互角度(角度)

Claims (2)

  1. 被照射体に相対配置されて当該被照射体に光を照射する発光手段と、前記被照射体と発光手段とを相互に平行な面内で定点を中心に相対回転させる移動手段とを有する光照射装置において、
    前記発光手段は、前記定点を中心とした放射方向に沿うライン光を前記被照射体の被照射面上に形成するとともに、1周角度を発光手段の数で等分した相互角度を隔てて前記相対回転方向に沿って複数配置され、
    前記移動手段は、前記被照射体と発光手段とを相対回転させる角度を前記相互角度と同一に設定し、前記被照射面全面に光照射を行うことを特徴とする光照射装置。
  2. 被照射体に相対配置された発光手段で当該被照射体に光を照射する光照射工程と、前記被照射体と発光手段とを相互に平行な面内で定点を中心に相対回転させる相対回転工程とを有する光照射方法において、
    前記発光手段は、前記定点を中心とした放射方向に沿うライン光を前記被照射体の被照射面上に形成するとともに、1周角度を発光手段の数で等分した相互角度を隔てて前記相対回転方向に沿って複数配置され、
    前記相対回転工程において、前記被照射体と発光手段とを相対回転させる角度を前記相互角度と同一に設定し、前記被照射面全面に光照射を行うことを特徴とする光照射方法。
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