JP2003077852A - 熱処理装置および熱処理方法 - Google Patents

熱処理装置および熱処理方法

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JP2003077852A
JP2003077852A JP2001265374A JP2001265374A JP2003077852A JP 2003077852 A JP2003077852 A JP 2003077852A JP 2001265374 A JP2001265374 A JP 2001265374A JP 2001265374 A JP2001265374 A JP 2001265374A JP 2003077852 A JP2003077852 A JP 2003077852A
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substrate
heat treatment
light source
treatment apparatus
light
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JP2001265374A
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English (en)
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Toshimitsu Funayoshi
俊充 船吉
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板に加熱を伴う処理を行う熱処理装置にお
いて基板を効率よく加熱する。 【解決手段】 本体部12および窓部材13により構成
されるチャンバ内で基板9に光を照射することにより基
板9に加熱を伴う処理を行う熱処理装置1において、半
導体レーザが配列配置された高出力の光源ユニット2を
複数設ける。窓部材13にはレーザ光が透過する領域以
外に反射膜が形成される。これにより、高出力のレーザ
光を用いた効率のよい加熱を行うことができるととも
に、基板9からの反射光を反射膜で反射させて基板9に
戻すことが実現される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板に加熱を伴う
処理を行う熱処理装置および熱処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体基板(以下、「基板」
という。)に対して酸化、拡散、CVD(Chemical Vapo
r Deposition)等を施すために基板を加熱する熱処理装
置が用いられる。このような装置のうち、基板を高速か
つ高温に加熱するものはRTP(Rapid Thermal Process
ing)装置と呼ばれ、多くのRTP装置ではハロゲンラン
プ(以下、「ランプ」という。)が加熱源として用いら
れる。
【0003】ランプを用いたRTP装置の一例として
は、装置の内部空間が板状の石英部材により上下に仕切
られ、上部の空間にランプが配置され、下部の空間に基
板が配置される。基板の周囲の雰囲気は処理の種類に応
じて適宜設定され、石英部材を介してランプからの光が
基板に照射されることにより基板に加熱を伴う処理が施
される。また、基板に光を効率よく照射するためにチャ
ンバの内面は鏡面とされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】RTP装置では基板の
温度が所定の温度プロファイルに従って高速かつ均一に
制御されることが必要となる。したがって、基板に効率
よく光を照射することが重要となり、加熱時には光電型
放射温度計を用いて基板の温度計測を行うことも必要と
なる。しかしながら、ランプからは光が様々な方向に出
射され、直接基板に照射される光は必ずしも多いとはい
えない。また、チャンバ内の様々な場所で反射した後の
光が迷光として放射温度計に入射してしまう可能性があ
り、ランプを用いたRTP装置では迷光対策が必須とな
る。
【0005】さらに、ランプの寿命は装置の寿命に比べ
て短いため、ランプを用いたRTP装置ではランプ交換
を伴うメンテナンス作業も必要となる。
【0006】本発明は、ランプを用いた熱処理装置が有
する様々な課題に鑑みてなされたものであり、基板の加
熱効率を高めることを主たる目的とし、迷光対策の容易
化、光源の長寿命化も目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、基板に加熱を伴う処理を行う熱処理装置であって、
基板を支持する支持手段と、前記支持手段に支持される
基板に向けて半導体レーザからの光を照射する複数の光
源ユニットとを備え、前記複数の光源ユニットのそれぞ
れが、配列配置された複数の半導体レーザと、前記複数
の半導体レーザを支持するユニット本体とを有する。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の熱処理装置であって、前記支持手段を回転させること
により基板を主面に平行な面内にて回転させる回転手段
をさらに備える。
【0009】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載の熱処理装置であって、前記複数の光源ユニッ
トからの光が基板上に放射状に並ぶ複数の線状領域に照
射される。
【0010】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の熱処理装置であって、前記複数の光源ユニットが複数
の同心円に沿って配置され、前記複数の同心円における
光源ユニットの個数が互いに相違する。
【0011】請求項5に記載の発明は、請求項1ないし
3のいずれかに記載の熱処理装置であって、前記複数の
光源ユニットの複数の出力値に、互いに異なる2つの出
力値が含まれる。
【0012】請求項6に記載の発明は、請求項1ないし
5のいずれかに記載の熱処理装置であって、前記複数の
光源ユニットのそれぞれの光軸が、基板の主面に対して
傾斜している。
【0013】請求項7に記載の発明は、請求項1ないし
6のいずれかに記載の熱処理装置であって、前記複数の
光源ユニットと基板とを隔離する窓部材と、前記窓部材
とともに前記支持手段に支持された基板を収容するチャ
ンバを構成する本体部とをさらに備え、前記チャンバ内
にガスを導入する導入口およびガスを排気する排気口が
前記本体部に設けられる。
【0014】請求項8に記載の発明は、請求項7に記載
の熱処理装置であって、前記複数の光源ユニットと基板
との間に配置されて基板からの光を反射する反射部材を
さらに備え、前記反射部材が前記複数の光源ユニットに
対応した複数の開口を有する。
【0015】請求項9に記載の発明は、請求項1ないし
8のいずれかに記載の熱処理装置であって、半導体レー
ザを用いて基板の外縁部の外側に向けて補助光を出射す
る複数の補助光照射手段をさらに備え、前記支持手段
が、基板の外縁部に沿って存在するとともに前記補助光
が照射される補助部材を有する。
【0016】請求項10に記載の発明は、請求項1ない
し9のいずれかに記載の熱処理装置であって、基板から
放射される光の所定の波長の成分を利用して前記基板の
温度を計測する温度計測手段をさらに備え、前記複数の
光源ユニットから出射される光の波長が、前記所定の波
長と異なる。
【0017】請求項11に記載の発明は、基板に加熱を
伴う処理を行う熱処理方法であって、基板を所定位置に
配置する工程と、配列配置された複数の半導体レーザ、
および、前記複数の半導体レーザを支持するユニット本
体を有する複数の光源ユニットから出射された光を前記
基板に照射する工程とを有する。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一の実施の形態に
係る熱処理装置1の構成を示す縦断面図である。なお、
細部の断面については平行斜線を省略している。熱処理
装置1は半導体の基板9を急速に加熱するRTP装置と
なっており、酸化、拡散、CVD等の加熱を伴う処理を
行う。
【0019】熱処理装置1は、上側の蓋部11と下側の
本体部12とを重ね合わせることにより内部に空間を形
成する構造となっている。内部空間は石英等の窓部材1
3により上下に仕切られ、上側の空間には熱伝導性の高
い取付板111を介して複数の光源ユニット2が取り付
けられ、下側の空間には基板9が配置される。換言すれ
ば、窓部材13により複数の光源ユニット2と基板9と
が隔離され、本体部12と窓部材13とにより基板9を
収容するチャンバが構成される。これにより、基板9が
外気と隔離可能とされる。
【0020】光源ユニット2からの光は窓部材13に対
して透過性の高い波長の光とされ、基板9に向けて照射
される。蓋部11の内部には冷却水用の流路110が多
数形成され、光源ユニット2にて発生する熱は取付板1
11を介して冷却水により除去される。
【0021】本体部12の下部には、所定のガスを導入
するガス導入口121およびチャンバ内のガスを排気す
るためのガス排気口122が設けられている。基板9に
処理を施す際にはガスの導入および排気を行うことによ
り、基板9の周囲が所定のガスによる所定圧の雰囲気と
される。さらに、チャンバ内には処理中の基板9を支持
するために基板9を下方から接触支持する均熱リング3
1および均熱リング31を支持する支持部材32が配置
される。
【0022】支持部材32は本体部12の下面の周縁部
に沿う大口径のベアリング331により支持され、装置
中央(均熱リング31の中央)にて鉛直方向を向く軸を
中心に回転可能とされる。支持部材32の下部には磁石
341が取り付けられ、磁石341に対向するように本
体部12の下面側にも磁石342が配置される。磁石3
42も大口径のベアリング332により装置中央にて鉛
直方向を向く軸を中心に回転可能に支持され、磁石34
2はモータ35により回転する。これにより、磁石34
2が回転すると磁気的吸引力を利用して磁石341およ
び支持部材32も装置の中央を中心に回転し、その結
果、均熱リング31に支持された基板9も主面に平行な
面内にて回転する。
【0023】本体部12の下部には複数の放射温度計4
が取り付けられ、基板9から放射されて放射温度計4に
入射する光(電磁波)の所定の波長の成分を利用して基
板9の温度が計測される。本体部12の内部にも蓋部1
1と同様に冷却水用の流路120が多数形成される。
【0024】図2は1つの光源ユニット2の外観を示す
斜視図であり、図1に示す状態における底面および2つ
の側面を示している。また、図2ではZ方向に出射され
るレーザ光21Lの様子も示している。光源ユニット2
はX方向に長い複数のレーザユニット21をY方向に配
列配置した構造をしており、各レーザユニット21は半
導体レーザ(正確には、半導体レーザの発光面)をX方
向に配列配置した半導体レーザアレイ211とシリンド
リカルレンズ212とを組み合わせた構造をしている。
半導体レーザアレイ211およびシリンドリカルレンズ
212はユニット本体22に取り付けられる。各半導体
レーザアレイ211はバータイプと呼ばれ、バータイプ
の半導体レーザアレイ211を段積みしたものはスタッ
クアレイと呼ばれる。このような構造により、光源ユニ
ット2からは数十〜数百Wクラスの高出力のレーザ光が
出射される。また、半導体レーザアレイ211の段数を
変更することにより、出力の異なる光源ユニット2を容
易に製作することができる。
【0025】半導体レーザアレイ211の各発光面は、
例えば、活性層の短軸方向(fast軸とも呼ばれ、図2中
のY方向に相当する。)に幅1μm、活性層の長軸方向
(slow軸とも呼ばれ、図2中のX方向に相当する。)に
長さ数十μmの楕円ビームとしてレーザ光を出射する。
半導体レーザアレイ211では発光面が長軸方向に配列
配置され、出射直後のレーザ光の光軸に垂直な断面は幅
1μm、長さ数百μm程度となる。
【0026】レーザ光の広がり角は、例えば、短軸方向
に半角が30〜40°、長軸方向に半角が5〜10°と
なっている。レーザ光のY方向の広がり角はシリンドリ
カルレンズ212により調整されるが、各半導体レーザ
アレイ211からのレーザ光はY方向に大きく広がって
基板9に照射される。また、レーザ光が基板9に照射さ
れる際のY方向に広がりは複数の半導体レーザアレイ2
11がY方向に配列配置される幅に比べて十分に大き
く、レーザ光が基板9に照射される領域は、例えば、X
方向に数百μm〜数十mmの幅となり、Y方向には数十
mm〜数百mmの長さとなる。
【0027】半導体レーザアレイ211からのレーザ光
は特定の方向に対して大きな角度にて広がるように出射
されるため、シリンドリカルレンズ212としては開口
数の大きなものが利用される。したがって、半導体レー
ザアレイ211とシリンドリカルレンズ212との相対
的位置関係において許容される誤差は僅かとなる。そこ
で、熱処理装置1では、半導体レーザアレイ211およ
びシリンドリカルレンズ212の相対的位置関係が調整
された光源ユニット2を予め準備した上で取付板111
への光源ユニット2の取り付けが行われる。
【0028】以上のように熱処理装置1では、光源ユニ
ット2において半導体レーザアレイ211およびシリン
ドリカルレンズ212がユニット本体22に取り付けら
れる(すなわち、直接的または間接的に支持される)こ
とから、万一、半導体レーザが破損したとしても一体的
な光源ユニット2の交換により半導体レーザを容易に交
換することが可能とされている。また、光源ユニット2
を交換するという手法により、レーザ光の照射方向の再
現性も高くなる。
【0029】光源ユニット2が取り付けられる取付板1
11内部には、光源ユニット2を取り付けるためのソケ
ットが設けられており、ソケットからの電力供給配線は
取付板111内を経由して外部の電力制御部に接続され
る。したがって、光源ユニット2を取付板111に取り
付けることにより、光源ユニット2に対する配線接続も
完了する。
【0030】図1に示すように、光源ユニット2は取付
板111上の傾斜面に取り付けられる。したがって、光
源ユニット2のシリンドリカルレンズ212の光軸は基
板9の主面に垂直ではなく、基板9の主面に垂直な方向
に対して傾斜した状態とされる。これにより、基板9に
て反射したレーザ光が半導体レーザアレイ211に戻っ
てモードホッピングが生じてしまうことが防止され、出
力の不安定化や半導体レーザアレイ211の破損が防止
される。なお、レーザ光を基板9の主面に対して傾斜し
て入射させる手法としてレーザ光の方向を光学部品によ
り変更する手法も考えられるが、熱処理装置1では取付
板111に傾斜面を形成することにより、多数の光源ユ
ニット2からのレーザ光を安価に傾斜させることを実現
している。
【0031】図3は基板9に照射されるレーザ光の様子
の一例を示す図である。なお、図3に示す多数の線状の
照射領域91のそれぞれは1つの光源ユニット2からの
レーザ光が照射される領域を模式的に示しているにすぎ
ず、正確には、各光源ユニット2からの光は線状の各照
射領域91の中心線から離れるほど光強度が漸次減少す
る分布となる。
【0032】光源ユニット2は図3に示す照射領域91
の配置に対応するように複数の同心円に沿って配置され
る。取付板111の各傾斜面も同心円状に形成される。
【0033】図3において、波線にて分割された領域R
1,R2,R3は、領域R1の半径をrとして半径r,
2r,3rの同心円の間の領域であり、中央からn番目
の領域Rnは半径nrの円と半径(n−1)rの円とに
囲まれる領域となる。各領域Rnには、8個の照射領域
91が配置され、これらの線状の照射領域91は、基板
9上に(または、基板9および均熱リング31上に)放
射状に配置される。なお、領域Rnの個数は4以上であ
ってもよく、加熱する範囲(基板9または基板9と均熱
リング31とを合わせた範囲)の半径がnr以下となる
ように領域Rnの個数が決定される。
【0034】表1は、照射領域91が図3に示すように
配置される際の領域Rnと、各領域Rnに対応する光源
ユニット2の出力の比との関係を示す表である。
【0035】
【表1】
【0036】領域Rnの面積はπ(nr×nr−(n−
1)r×(n−1)r)、すなわち、πr(2n−
1)となることから、各領域Rnに表1に示すように
(2n−1)に比例するエネルギーのレーザ光が照射さ
れることにより、複数の光源ユニット2から同時にレー
ザ光を出射すると各領域Rnに与えられる単位面積当た
りのエネルギーが等しくなる。なお、厳密には、各領域
Rnに与えられる単位面積当たりのエネルギーを等しく
するには、各領域Rnを規定する同心円の中心が基板9
の回転の中心と一致する必要があるが、同心円の中心が
意図的に基板9の回転中心からある程度離れた位置とさ
れてもよい。また、図3では基板9の中央にレーザ光が
密集して照射されるように図示しているが、中央近傍の
照射領域91は適宜、基板9の中央から離されてよい。
【0037】光源ユニット2は既述のように半導体レー
ザアレイ211の段数を変更することにより容易に出力
調整が可能であり、さらに、照射領域91が同心円状に
配置されることにより、円形の基板9の主面全体を均一
に加熱することが容易に実現される。また、基板9の回
転により一層均一な加熱が実現される。なお、照射領域
91を同心円状に配置するためには光源ユニット2が同
心円状に配置されることが好ましく、光源ユニット2を
同心円状に配置することにより基板9の均一な加熱を容
易に行うことが可能になるといえる。
【0038】各光源ユニット2の出力は厳密に表1に示
す条件が満たされる必要はなく、さらに、基板9は回転
することから各領域Rnに対応する光源ユニット2の出
力の総和が表1に示す条件を満たすのみであってもよ
い。すなわち、複数の光源ユニット2の出力値に互いに
異なる少なくとも2つの出力値が含まれることにより、
各領域Rnに対応して配置される光源ユニット2の個数
が決められている場合であっても、各領域Rnに与えら
れるエネルギー密度がおよそ等しくなるように装置設定
を行うことが可能となる。
【0039】図1に示すように、熱処理装置1では蓋部
11内面の外周に沿って光源ユニット2とは出力の異な
る光源ユニット2aが複数配置される。光源ユニット2
aは光源ユニット2と同様の構造をしていてもよいが、
図1では円形または楕円形のスポットとしてレーザ光を
照射する光源ユニット2aを示している。例えば、1つ
の発光面を有する半導体レーザとシリンドリカルレンズ
とをハウジングに収容したもや光ファイバにカップリン
グされた半導体レーザが光源ユニット2aとして使用さ
れる。
【0040】光源ユニット2aは、基板9の外縁部に沿
って存在する均熱リング31に向けて(すなわち、基板
9の外縁部の外側に向けて)補助光となるレーザ光を出
射する。均熱リング31は炭化珪素(SiC)等により
リング状に形成されており、均熱リング31は基板9の
外周に配置されることにより基板9の外縁部における熱
の放出(いわゆる、エッジ効果)を抑える役割を果た
す。
【0041】熱処理装置1では、光源ユニット2aから
均熱リング31に向けて補助光をスポットとして照射す
ることにより、均熱リング31の温度が調整可能とされ
る。これにより、従来のランプを用いる熱処理装置より
も基板9の全体の温度の均一性を高めることが実現され
る。なお、補助光は基板9の外縁部に多少照射されても
よい。光源ユニット2aの構造、出力、照射領域の形状
は、加熱補助の程度に応じて適宜決定されてよい。
【0042】図4は窓部材13を示す平面図である。窓
部材13の本体部12側(基板9と対向する側)には、
反射効率の高い金やアルミニウムを蒸着させることによ
り反射膜131が形成されている。反射膜131には光
源ユニット2,2aの配置に対応してレーザ光が透過す
る開口132,132aが多数形成される。これによ
り、光源ユニット2,2aからのレーザ光が基板9へと
導かれ、基板9や本体部12の内面にて反射した光が光
源ユニット2側へと戻ることが抑制されとともに再び基
板9側へと戻される。その結果、基板9が効率よく加熱
される。
【0043】加熱を伴う処理が施される基板9に対して
は、本体部12の下部に取り付けられた放射温度計4に
より温度が計測される。放射温度計4は基板9の回転中
心から外周部に向けて複数配置される。これにより、基
板9が回転すると基板9のほぼ全体の温度分布が計測さ
れる。
【0044】ここで、光源ユニット2からのレーザ光の
波長は、基板9(または、基板9に形成された膜)に効
率よく吸収される光の波長とされ、かつ、放射温度計4
が温度計測に利用する光の波長とは異なる波長とされ
る。これにより、効率よく基板9を加熱しつつ、本体部
12と窓部材13とにより形成されるチャンバ内にて複
雑に反射した光が迷光として放射温度計4に入射したと
しても正確な温度計測が可能となる。その結果、熱処理
装置1では迷光対策が不要となる。
【0045】図5は照射領域91の配置の他の例を示す
図である。図5に示す例では、照射領域91は領域R1
に4個、領域R2に12個、領域R3に20個配置され
る。表2は領域Rnと、領域Rnに対応する光源ユニッ
ト2の個数の比との関係を示す表である。
【0046】
【表2】
【0047】既述のように、領域Rnの面積はπr
(2n−1)となることから、各領域Rnに(2n−
1)に比例する個数の照射領域91を設けることによ
り、同じ出力の複数の光源ユニット2から同時にレーザ
光を出射すると各領域Rnに与えられる単位面積当たり
のエネルギーが等しくなる。
【0048】図5に示す照射領域91の配置の場合にお
いても、光源ユニット2は図5に示す照射領域91の配
置に対応して蓋部11に配置され、同心円状に配置され
る。図6は窓部材13の様子を示す平面図である。図6
に示すように、窓部材13には照射領域91の配置(す
なわち、光源ユニット2の配置)に対応した開口132
を有する反射膜131が形成される。また、補助光を出
射する光源ユニット2aに対応する開口132aも設け
られる。このように、反射膜131の開口132の位置
は、光源ユニット2の配置に対応して適宜決められる。
【0049】なお、表2に示す条件は、各領域Rnを規
定する同心円の中心が基板9の回転の中心と一致するこ
とを前提としているが、同心円の中心が意図的に基板9
の回転中心からある程度離れた位置とされてもよい。ま
た、同心円状に配置される光源ユニット2の各同心円に
対応する個数の比が厳密に表2に示す条件を満たす必要
はなく、およそ表2に示す条件を満たす互いに相違する
個数とされることにより、同一出力の光源ユニット2を
用いて基板9の全面をおよそ均一に加熱するように装置
の設定を行うことが可能となる。
【0050】図7は、熱処理装置1の動作の流れを示す
図である。熱処理装置1では、まず、開閉自在な搬入口
からチャンバ内に基板9が搬入され、均熱リング31上
に基板9が配置される(ステップS1)。基板9が搬入
されると搬入口が閉じられ、チャンバが密閉空間とされ
る。ガス導入口121から所定のガスがチャンバ内に導
入され、ガス排気口122からチャンバ内のガスが排気
されることにより、チャンバ内が所定のガスによる所定
の気圧下の雰囲気とされる(ステップS2)。
【0051】その後、モータ35により基板9が主面に
平行な面内にて回転され、半導体レーザからのレーザ光
を利用した基板9の加熱が行われる。これにより、基板
9の主面全体に加熱を伴う処理が均一に施される(ステ
ップS3)。このとき、放射温度計4の出力に基づいて
レーザ光の照射および停止が制御され、基板9の温度が
所定のプロファイルに従って変化する。
【0052】基板9に対する熱処理が完了するとガス導
入口121から空気が導入されるとともにガス排気口1
22からチャンバ内のガスが排気され、チャンバ内のガ
スの入れ替えが行われる(ステップS4)。その後、搬
入口が開かれて基板9がチャンバ外へと搬出される(ス
テップS5)。以上の処理が繰り返されることにより、
基板9が1枚ずつ順次処理される。
【0053】以上、熱処理装置1について説明してきた
が、熱処理装置1では複数の半導体レーザを配列配置し
た半導体レーザアレイ211を用いて基板9の加熱が行
われる。レーザ光は空間的にも時間的にもコヒーレント
であり、かつ、指向性および収束性が高いため効率よく
基板の加熱を行うことができる。また、単色性を有する
ことから温度計測に際して迷光対策を不要とすることも
実現される。さらに、半導体レーザはランプに比べてコ
ンパクト、高効率かつ長寿命であることから、熱処理装
置の小型化およびメンテナンス作業の負担軽減が実現さ
れる。
【0054】また、熱処理装置1における光源は半導体
レーザを配列配置したものであるため、高出力のレーザ
光を得ることができ、基板9の高速加熱に適した熱処理
装置1とすることが実現される。
【0055】以上、本発明の実施の形態について説明し
てきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるもので
はなく様々な変形が可能である。
【0056】上記実施の形態に係る熱処理装置1により
処理される基板は半導体基板に限定されるものではな
く、フラットパネルディスプレイやフォトマスク等のガ
ラス基板の熱処理に熱処理装置1が使用されてもよい。
【0057】上記実施の形態では、シリンドリカルレン
ズ212を介してレーザ光が基板9に照射されるが、レ
ーザ光を基板9に導く光学系として他の形態の光学系が
利用されてもよい。
【0058】上記実施の形態では窓部材13に金属を蒸
着させることにより、窓部材13上に基板9からの光を
反射する反射部材(反射膜)を形成しているが、窓部材
13とは別の部材として光源ユニット2と基板9との間
に反射部材が設けられてもよい。例えば、窓部材13の
光源側や基板9側にレーザ光を透過する開口が形成され
た金属板が反射部材として設けられてもよい。
【0059】上記実施の形態では照射領域91を図3ま
たは図5に示す配置とし、全ての光源ユニット2から同
時にレーザ光を出射することにより基板9の全面に均一
な加熱を行うが、光源ユニット2を同時に発光させるの
ではなく順次発光させることにより、基板9の昇温速度
が制御されてもよい。少なくとも複数の光源ユニット2
から同時にレーザ光を出射することにより、基板9の均
一な加熱を実現することができる。
【0060】上記実施の形態における光源ユニット2
は、蓋部11内の冷却水により冷却が行われるが、各光
源ユニット2は別途ペルチェ素子やチラーユニットを用
いて冷却されてもよい。
【0061】光源ユニット2は、1つの半導体レーザア
レイ211を有するのみであってもよく、半導体レーザ
アレイ211が有する半導体レーザの個数を調整するこ
とにより光源ユニット2の出力が調整されてもよい。
【0062】図3および図5は線状の照射領域91の配
置例を示しているにすぎず、線状の照射領域91は基板
9上において放射状に配置されのであるならば各領域R
nに任意に配置されてよい。
【0063】各領域Rnにおける同出力の光源ユニット
2の個数を互いに異なる個数とする際の照射領域91の
配置は図5に示す配列の一部であってもよい。図8は図
5に示す照射領域91の1/4のみを配置する場合の例
を示す図である。もちろん、図5に示す照射領域91の
半分だけが配置されてもよく、3/4だけが配置されて
もよい。すなわち、表2に示す領域Rnに対応する光源
ユニット2の個数比(すなわち、照射領域91の個数
比)が満たされるのであるならば、照射領域91はどの
ように配置されてもよい。
【0064】さらに、基板9を回転するのではなく、光
源ユニット2が取り付けられた取付板111が回転され
てもよい。すなわち、基板9と光源ユニット2とが相対
的に回転されることにより、基板9と光源ユニット2と
が互いに固定される場合よりも均一に基板9を加熱する
ことができる。ただし、駆動の容易さを考慮した場合、
上記実施の形態のように基板9が回転されることが好ま
しい。
【0065】
【発明の効果】請求項1ないし11の発明では、配列配
置された複数の半導体レーザを有する光源ユニットを利
用することにより基板を効率よく加熱することができ、
光源ユニットの交換も容易に行うことができる。
【0066】また、請求項2ないし5の発明では、基板
の主面全体を均一に加熱するように設定可能となる。
【0067】また、請求項6の発明では、半導体レーザ
におけるモードホッピングの発生を防止することができ
る。
【0068】また、請求項7の発明では、基板の周囲を
所定の雰囲気とすることができる。
【0069】また、請求項8の発明では、基板をより効
率よく加熱することができる。
【0070】また、請求項9の発明では、基板の主面全
体を一層均一に加熱することができる。
【0071】また、請求項10の発明では、温度計測に
おける迷光対策が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱処理装置の構成を示す縦断面図である。
【図2】光源ユニットの外観を示す斜視図である。
【図3】照射領域の配置の一例を示す図である。
【図4】窓部材を示す平面図である。
【図5】照射領域の配置の他の例を示す図である。
【図6】窓部材を示す平面図である。
【図7】熱処理装置の動作の流れを示す図である。
【図8】照射領域の配置のさらに他の例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 熱処理装置 2,2a 光源ユニット 4 放射温度計 9 基板 12 本体部 13 窓部材 21 レーザユニット 22 ユニット本体 31 均熱リング 32 支持部材 35 モータ 91 照射領域 121 ガス導入口 122 ガス排気口 131 反射膜 132 開口 211 半導体レーザアレイ 212 シリンドリカルレンズ 341,342 磁石 S1,S3 ステップ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板に加熱を伴う処理を行う熱処理装置
    であって、 基板を支持する支持手段と、 前記支持手段に支持される基板に向けて半導体レーザか
    らの光を照射する複数の光源ユニットと、を備え、 前記複数の光源ユニットのそれぞれが、 配列配置された複数の半導体レーザと、 前記複数の半導体レーザを支持するユニット本体と、を
    有することを特徴とする熱処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の熱処理装置であって、 前記支持手段を回転させることにより基板を主面に平行
    な面内にて回転させる回転手段をさらに備えることを特
    徴とする熱処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の熱処理装置で
    あって、 前記複数の光源ユニットからの光が基板上に放射状に並
    ぶ複数の線状領域に照射されることを特徴とする熱処理
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の熱処理装置であって、 前記複数の光源ユニットが複数の同心円に沿って配置さ
    れ、前記複数の同心円における光源ユニットの個数が互
    いに相違することを特徴とする熱処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし3のいずれかに記載の熱
    処理装置であって、 前記複数の光源ユニットの複数の出力値に、互いに異な
    る2つの出力値が含まれることを特徴とする熱処理装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載の熱
    処理装置であって、 前記複数の光源ユニットのそれぞれの光軸が、基板の主
    面に対して傾斜していることを特徴とする熱処理装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載の熱
    処理装置であって、 前記複数の光源ユニットと基板とを隔離する窓部材と、 前記窓部材とともに前記支持手段に支持された基板を収
    容するチャンバを構成する本体部と、をさらに備え、 前記チャンバ内にガスを導入する導入口およびガスを排
    気する排気口が前記本体部に設けられることを特徴とす
    る熱処理装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の熱処理装置であって、 前記複数の光源ユニットと基板との間に配置されて基板
    からの光を反射する反射部材をさらに備え、 前記反射部材が前記複数の光源ユニットに対応した複数
    の開口を有することを特徴とする熱処理装置。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかに記載の熱
    処理装置であって、 半導体レーザを用いて基板の外縁部の外側に向けて補助
    光を出射する複数の補助光照射手段をさらに備え、 前記支持手段が、基板の外縁部に沿って存在するととも
    に前記補助光が照射される補助部材を有することを特徴
    とする熱処理装置。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9のいずれかに記載の
    熱処理装置であって、 基板から放射される光の所定の波長の成分を利用して前
    記基板の温度を計測する温度計測手段をさらに備え、 前記複数の光源ユニットから出射される光の波長が、前
    記所定の波長と異なることを特徴とする熱処理装置。
  11. 【請求項11】 基板に加熱を伴う処理を行う熱処理方
    法であって、 基板を所定位置に配置する工程と、 配列配置された複数の半導体レーザ、および、前記複数
    の半導体レーザを支持するユニット本体を有する複数の
    光源ユニットから出射された光を前記基板に照射する工
    程と、を有することを特徴とする熱処理方法。
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