JP2003077857A - 熱処理装置および熱処理方法 - Google Patents

熱処理装置および熱処理方法

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JP2003077857A
JP2003077857A JP2001265373A JP2001265373A JP2003077857A JP 2003077857 A JP2003077857 A JP 2003077857A JP 2001265373 A JP2001265373 A JP 2001265373A JP 2001265373 A JP2001265373 A JP 2001265373A JP 2003077857 A JP2003077857 A JP 2003077857A
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JP
Japan
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substrate
heat treatment
light
treatment apparatus
semiconductor laser
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Application number
JP2001265373A
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English (en)
Inventor
Toshimitsu Funayoshi
俊充 船吉
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板に加熱を伴う処理を行う熱処理装置にお
いて基板を効率よく加熱する。 【解決手段】 本体部12および窓部材13により構成
されるチャンバ内で基板9に光を照射することにより基
板9に加熱を伴う処理を行う熱処理装置1において、半
導体レーザからのレーザ光を出射する光源ユニット2を
複数設ける。窓部材13にはレーザ光が透過する領域以
外に反射膜が形成される。これにより、レーザ光を用い
た効率のよい加熱を行うことができるとともに、基板9
からの反射光を反射膜で反射させて基板9に戻すことが
実現される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板に加熱を伴う
処理を行う熱処理装置および熱処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体基板(以下、「基板」
という。)に対して酸化、拡散、CVD(Chemical Vapo
r Deposition)等を施すために基板を加熱する熱処理装
置が用いられる。このような装置のうち、基板を高速か
つ高温に加熱するものはRTP(Rapid Thermal Process
ing)装置と呼ばれ、多くのRTP装置ではハロゲンラン
プ(以下、「ランプ」という。)が加熱源として用いら
れる。
【0003】ランプを用いたRTP装置の一例として
は、装置の内部空間が板状の石英部材により上下に仕切
られ、上部の空間にランプが配置され、下部の空間に基
板が配置される。基板の周囲の雰囲気は処理の種類に応
じて適宜設定され、石英部材を介してランプからの光が
基板に照射されることにより基板に加熱を伴う処理が施
される。また、基板に光を効率よく照射するためにチャ
ンバの内面は鏡面とされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】RTP装置では基板が
所定の温度プロファイルに従って高速かつ均一に温度制
御されることが必要となる。したがって、基板に効率よ
く光を照射することが重要となり、加熱時には光電型放
射温度計を用いて基板の温度計測を行うことも必要とな
る。しかしながら、ランプからは光が様々な方向に出射
され、直接基板に照射される光は必ずしも多いとはいえ
ない。また、チャンバ内の様々な場所で反射した後の光
が迷光として放射温度計に入射してしまう可能性があ
り、ランプを用いたRTP装置では迷光対策が必須とな
る。
【0005】さらに、ランプの寿命は装置の寿命に比べ
て短いため、ランプを用いたRTP装置ではランプ交換
を伴うメンテナンス作業も必要となる。
【0006】本発明は、ランプを用いた熱処理装置が有
する様々な課題に鑑みてなされたものであり、基板の加
熱効率を高めることを主たる目的とし、迷光対策の容易
化、光源の長寿命化も目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、基板に加熱を伴う処理を行う熱処理装置であって、
基板を支持する支持手段と、半導体レーザから出射され
た光を前記支持手段に支持される基板に向けて照射する
複数の光照射手段とを備える。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の熱処理装置であって、前記複数の光照射手段のそれぞ
れが、半導体レーザと、前記半導体レーザからの光を基
板へと導く光学系と、前記半導体レーザおよび前記光学
系を収容するハウジングとを有する。
【0009】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載の熱処理装置であって、前記支持手段を回転さ
せることにより基板を主面に平行な面内にて回転させる
回転手段をさらに備える。
【0010】請求項4に記載の発明は、請求項1ないし
3のいずれかに記載の熱処理装置であって、前記複数の
光照射手段からの光が円形または楕円形の複数のスポッ
トとして基板に照射され、前記複数の光照射手段が複数
の同心円に沿って配置される。
【0011】請求項5に記載の発明は、請求項1ないし
4のいずれかに記載の熱処理装置であって、前記複数の
光照射手段のそれぞれの光軸が、基板の主面に垂直な方
向に対して傾斜している。
【0012】請求項6に記載の発明は、請求項1ないし
5のいずれかに記載の熱処理装置であって、前記複数の
光照射手段と基板とを隔離する窓部材と、前記窓部材と
ともに前記支持手段に支持された基板を収容するチャン
バを構成する本体部とをさらに備え、前記本体部に前記
チャンバ内にガスを導入する導入口およびガスを排気す
る排気口が設けられる。
【0013】請求項7に記載の発明は、請求項6に記載
の熱処理装置であって、前記複数の光照射手段と基板と
の間に配置されて基板からの光を反射する反射部材をさ
らに備え、前記反射部材が前記複数の光照射手段に対応
した複数の開口を有する。
【0014】請求項8に記載の発明は、請求項1ないし
7のいずれかに記載の熱処理装置であって、半導体レー
ザを用いて基板の外縁部の外側に向けて補助光を出射す
る複数の補助光照射手段をさらに備え、前記支持手段
が、基板の外縁部に沿って存在するとともに前記補助光
が照射される補助部材を有する。
【0015】請求項9に記載の発明は、請求項1ないし
8のいずれかに記載の熱処理装置であって、基板から放
射される光の所定の波長の成分を利用して前記基板の温
度を計測する温度計測手段をさらに備え、前記複数の光
照射手段から出射される光の波長が、前記所定の波長と
異なる。
【0016】請求項10に記載の発明は、基板に加熱を
伴う処理を行う熱処理方法であって、基板を所定位置に
配置する工程と、複数の光照射手段により半導体レーザ
から出射された光を前記基板に向けて照射する工程とを
有する。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一の実施の形態に
係る熱処理装置1の構成を示す縦断面図である。なお、
細部の断面については平行斜線を省略している。熱処理
装置1は半導体の基板9を急速に加熱するRTP装置と
なっており、酸化、拡散、CVD等の加熱を伴う処理を
行う。
【0018】熱処理装置1は、上側の蓋部11と下側の
本体部12とを重ね合わせることにより内部に空間を形
成する構造となっている。内部空間は石英等の窓部材1
3により上下に仕切られ、上側の空間には熱伝導性の高
い取付板111を介して複数の光源ユニット2が取り付
けられ、下側の空間には基板9が配置される。換言すれ
ば、窓部材13により複数の光源ユニット2と基板9と
が隔離され、本体部12と窓部材13とにより基板9を
収容するチャンバが構成される。これにより、基板9が
外気と隔離可能とされる。
【0019】光源ユニット2からの光は窓部材13に対
して透過性の高い波長の光とされ、基板9に向けて照射
される。蓋部11の内部には冷却水用の流路110が多
数形成され、光源ユニット2にて発生する熱は取付板1
11を介して冷却水により除去される。
【0020】本体部12の下部には、所定のガスを導入
するガス導入口121およびチャンバ内のガスを排気す
るためのガス排気口122が設けられている。基板9に
処理を施す際にはガスの導入および排気を行うことによ
り、基板9の周囲が所定のガスによる所定圧の雰囲気と
される。さらに、チャンバ内には処理中の基板9を支持
するために基板9を下方から接触支持する均熱リング3
1および均熱リング31を支持する支持部材32が配置
される。
【0021】支持部材32は本体部12の下面の周縁部
に沿う大口径のベアリング331により支持され、装置
中央(均熱リング31の中央)にて鉛直方向を向く軸を
中心に回転可能とされる。支持部材32の下部には磁石
341が取り付けられ、磁石341に対向するように本
体部12の下面側にも磁石342が配置される。磁石3
42も大口径のベアリング332により装置中央にて鉛
直方向を向く軸を中心に回転可能に支持され、磁石34
2はモータ35により回転する。これにより、磁石34
2が回転すると磁気的吸引力を利用して磁石341およ
び支持部材32も装置の中央を中心に回転し、その結
果、均熱リング31に支持された基板9も主面に平行な
面内にて回転する。
【0022】本体部12の下部には複数の放射温度計4
が取り付けられ、基板9から放射されて放射温度計4に
入射する光(電磁波)の所定の波長の成分を利用して基
板9の温度が計測される。本体部12の内部にも蓋部1
1と同様に冷却水用の流路120が多数形成される。
【0023】図2は1つの光源ユニット2の構造を示す
縦断面図である。光源ユニット2は光源である半導体レ
ーザ21をハウジング22に取り付けた構造をしてお
り、半導体レーザ21から出射されるレーザ光は石英に
て形成されたレンズ23を介して外部へと導かれる。レ
ーザ光を基板9へと導く光学系であるレンズ23はホル
ダ24内に固定されており、予めレンズ23をホルダ2
4に固定しておき、ホルダ24をハウジング22に取り
付けることにより半導体レーザ21とレンズ23との相
対的位置関係が決定される。なお、半導体レーザ21と
レンズ23との相対的位置関係が適切なものとなるよう
に、予め計測機器を用いてハウジング22への半導体レ
ーザ21の取り付け位置、および、ホルダ24へのレン
ズ23の取り付け位置等が調整される。
【0024】半導体レーザ21からのレーザ光は特定の
方向に対して大きな角度にて広がるように出射されるた
め、レンズ23としては開口数の大きなものが利用され
る。したがって、半導体レーザ21とレンズ23との相
対的位置関係において許容される誤差は僅かとなる。そ
こで、熱処理装置1では、半導体レーザ21およびレン
ズ23の相対的位置関係が調整された光源ユニット2を
予め準備した上で取付板111への光源ユニット2の取
り付けが行われる。
【0025】以上のように熱処理装置1では、光源ユニ
ット2がハウジング22に半導体レーザ21およびレン
ズ23を収容する構成とされ、万一、半導体レーザ21
が破損したとしても一体的な光源ユニット2の交換によ
り半導体レーザ21を容易に交換することが可能とされ
ている。
【0026】ハウジング22には取り付け時の位置決め
用の穴221が形成される。取り付け前の状態では半導
体レーザ21の端子211間はアルミニウム等の導体に
て形成された櫛形の短絡部材8にて短絡されており、静
電気による半導体レーザ21の破損が防止される。
【0027】図3は光源ユニット2が取付板111に取
り付けられる様子を示す図である。取付板111にはピ
ン41が取り付けられており、光源ユニット2の穴22
1(図2参照)にピン41を挿入することにより光源ユ
ニット2と取付板111との位置関係が決定される。ま
た、取付板111内には電力供給線に接続されたソケッ
ト42が設けられており、光源ユニット2を取り付ける
ことにより端子211がソケット42と電気的に接続さ
れる。
【0028】光源ユニット2は短絡部材8が端子211
に取り付けられたまま取付板111に固定される。その
後、短絡部材8に形成されている切り込みに沿って短絡
部材8が引き抜かれる。これにより、半導体レーザ21
に静電気による破損を発生させることなく光源ユニット
2の取り付けが実現される。
【0029】図1および図3に示すように、光源ユニッ
ト2は取付板111上の傾斜面に取り付けられる。した
がって、光源ユニット2のレンズ23の光軸は基板9の
主面に垂直ではなく、基板9の主面に垂直な方向に対し
て傾斜した状態とされる。これにより、基板9にて反射
したレーザ光が半導体レーザ21に戻ってモードホッピ
ングが生じてしまうことが防止され、出力の不安定化や
半導体レーザ21の破損が防止される。なお、レーザ光
を基板9の主面に対して傾斜して入射させる手法として
レーザ光の方向を光学部品により変更する手法も考えら
れるが、熱処理装置1では取付板111に傾斜面を形成
することにより、多数の光源ユニット2からのレーザ光
を安価に傾斜させることを実現している。
【0030】図4は基板9に照射されるレーザ光の様子
を示す図である。なお、図4に示す多数の照射領域91
のそれぞれは1つの光源ユニット2からのレーザ光が照
射される領域を模式的に示しているにすぎず、正確に
は、各光源ユニット2からの光は各照射領域91の中心
から周囲に向けて光強度が漸次減少する分布となる。ま
た、光軸に垂直な断面におけるレーザ光の形状はアナモ
ルフィックな形状であり、照射領域91は光ファイバや
プリズムペア等の光学部品を用いて円形に整形されても
よいが、通常、各照射領域91は楕円形状となる。すな
わち、複数の光源ユニット2からの光は円形または楕円
形の複数のスポットとして基板9に照射される。
【0031】さらに、図1では光源ユニット2を単純に
配列して図示しているが、正確には、光源ユニット2は
図4に示す照射領域91の配置に対応するように複数の
同心円に沿って配置される。取付板111の各傾斜面も
同心円状に形成される。
【0032】図4において、波線にて分割された領域R
1,R2,R3,・・・は、領域R1の半径をrとして
半径r,2r,3r,・・・の同心円の間の領域であ
り、中央からn番目の領域Rnは半径nrの円と半径
(n−1)rの円とに囲まれる領域となる。各領域Rn
には、(4n−2)個の照射領域91が配置される。領
域Rnの面積はπ(nr×nr−(n−1)r×(n−
1)r)、すなわち、πr (2n−1)となることか
ら、各領域Rnに(4n−2)個の照射領域91を設け
ることにより、複数の半導体レーザ21から同時にレー
ザ光を出射すると各領域Rnに与えられる単位面積当た
りのエネルギーが等しくなる。
【0033】ここで、照射領域91がおよそ直径rの円
であるとみなした場合、各領域Rnに(4n−2)個の
照射領域91を設けることにより、各領域Rnにおいて
照射領域91の面積とその他の領域の面積とが等しくさ
れる。このとき、単位面積当たりのエネルギーが等しく
されるとともに照射領域91が重なり合わない(また
は、重なり合わないとみなすことができる)という制限
の下で最も多くの照射領域91を各領域Rnに配置する
ことができる。もちろん、照射領域91の直径(十分な
光エネルギーが与えられる領域の直径)はrより小さく
てもよく、照射領域91の直径は基板9の昇温速度や半
導体レーザ21の出力等に基づいて適宜決定される。
【0034】光学部品を用いて照射領域91の形状が円
形に整形されない場合は照射領域91は楕円となるが、
楕円の長軸(または短軸)が基板9の中央から周縁部に
向かう方向を向くように(または、中央から周縁部に向
かう方向に対して所定の角度をなすように)光源ユニッ
ト2を配置することにより、各領域Rnに等しいエネル
ギー密度にて光を照射することが実現される。
【0035】さらに、照射領域91が大きく歪んだ楕円
であったり、照射領域91の幅(円形である場合の直径
や楕円形である場合の長軸や短軸の長さ)が領域R1の
半径rよりも大幅に小さい場合には、各領域には(4n
−2)個を超える個数の照射領域91が設けられてもよ
い。ただし、この場合においても各領域Rnには(4n
−2)におよそ比例した個数だけ照射領域91が配置さ
れ、各領域Rnに与えられるエネルギー密度が等しくさ
れる。
【0036】照射領域91の個数に関する以上の説明
は、各領域Rnを規定する同心円の中心が基板9の回転
の中心と一致することを前提としているが、同心円の中
心が意図的に基板9の回転中心からある程度離れた位置
とされてもよい。
【0037】以上のように、照射領域91が同心円状に
配置されることにより、基板9の主面全体を均一に加熱
することが容易に実現される。また、基板9の回転によ
り一層均一な加熱が実現される。なお、照射領域91を
同心円状に配置するためには光源ユニット2が同心円状
に配置されることが好ましく、光源ユニット2を同心円
状に配置することにより基板9の均一な加熱を容易に行
うことが可能になるといえる。
【0038】図1に示すように、熱処理装置1では蓋部
11内面の外周に沿って光源ユニット2とは出力の異な
る光源ユニット2aが複数配置される。光源ユニット2
aは光源ユニット2と同様の構造をしており、基板9の
外縁部に沿って存在する均熱リング31に向けて(すな
わち、基板9の外縁部の外側に向けて)補助光となるレ
ーザ光を出射する。均熱リング31は炭化珪素(Si
C)等によりリング状に形成されており、均熱リング3
1は基板9の外周に配置されることにより基板9の外縁
部における熱の放出(いわゆる、エッジ効果)を抑える
役割を果たす。
【0039】熱処理装置1では、光源ユニット2aから
均熱リング31に向けて補助光をスポットとして照射す
ることにより、均熱リング31の温度が調整可能とされ
る。これにより、従来のランプを用いる熱処理装置より
も基板9の全体の温度の均一性を高めることが実現され
る。なお、補助光は基板9の外縁部に多少照射されても
よい。
【0040】光源ユニット2aの構造、出力、照射領域
の形状は光源ユニット2と異なったものであってもよ
く、光源ユニット2aの個数も出力および加熱補助の程
度に応じて適宜決定されてよい。
【0041】図5は窓部材13を示す平面図である。窓
部材13の本体部12側(基板9と対向する側)には、
反射効率の高い金やアルミニウムを蒸着させることによ
り反射膜131が形成されている。反射膜131には光
源ユニット2,2aの配置に対応してレーザ光が透過す
る開口132が多数形成される。これにより、光源ユニ
ット2,2aからのレーザ光が基板9へと導かれ、基板
9や本体部12の内面にて反射した光が光源ユニット2
側へと戻ることが抑制されとともに再び基板9側へと戻
される。その結果、基板9が効率よく加熱される。
【0042】加熱を伴う処理が施される基板9に対して
は、本体部12の下部に取り付けられた放射温度計4に
より温度が計測される。放射温度計4は基板9の回転中
心から外周部に向けて複数配置される。これにより、基
板9が回転すると基板9のほぼ全体の温度分布が計測さ
れる。
【0043】ここで、光源ユニット2からのレーザ光の
波長は、基板9(または、基板9に形成された膜)に効
率よく吸収される光の波長とされ、かつ、放射温度計4
が温度計測に利用する光の波長とは異なる波長とされ
る。これにより、効率よく基板9を加熱しつつ、本体部
12と窓部材13とにより形成されるチャンバ内にて複
雑に反射した光が迷光として放射温度計4に入射したと
しても正確な温度計測が可能となる。その結果、熱処理
装置1では迷光対策が不要となる。
【0044】図6は図1に示す熱処理装置1において光
源ユニット2に代えて光ファイバからレーザ光を出射す
る場合の出射部2bの構造を示す断面図であり、図7は
出射部2bが取付板111に取り付けられる様子を示す
図である。
【0045】出射部2bは、レンズ23を保持するホル
ダ24を光ファイバ25の先端に取り付けた構造をして
おり、光ファイバ25のコアを伝播してきたレーザ光が
レンズ23を介して外部へと出射される。ホルダ24に
は位置決め用の切り欠き部241が形成されている。
【0046】図7に示すように出射部2bが取付板11
1に取り付けられる際には、蓋部11の上側から出射部
2bが挿入される。取付板111にはピン43が取り付
けられており、ピン43が出射部2bの切り欠き部24
1に嵌入されることにより出射部2bの位置決めが行わ
れる。
【0047】光ファイバ25の他端は発光ユニット2c
に接続され、発光ユニット2c内の半導体レーザ21c
が光ファイバ25にカップリングされる。すなわち、半
導体レーザ21c、光ファイバ25および出射部2bが
基板9にレーザ光を照射する光源ユニットを構成する。
【0048】光ファイバ25を用いて基板9にレーザ光
を照射する場合、基板9にて反射したレーザ光が光ファ
イバ25に戻り、光ファイバ面の破損を防止するために
レンズ23の光軸が基板9の主面に垂直な方向に対して
傾斜するように出射部2bが取り付けられる。また、基
板9上の照射領域91も図4に示した状態となるように
複数の同心円に沿って出射部2bが配置され、基板9の
全体に均一なエネルギー密度でレーザ光の照射が行われ
る。
【0049】また、出射部2bは光源ユニット2よりも
小さな径とすることができる。したがって、より多くの
レーザ光を基板9に照射することが可能になるとともに
照射領域91の配置の自由度も高くすることができる。
さらに、光ファイバ25を用いる場合には半導体レーザ
21cは熱処理装置1の外部に配置されるため、多数の
半導体レーザ21cの冷却を確実に行うことができる。
【0050】図8は、熱処理装置1の動作の流れを示す
図である。熱処理装置1では、まず、開閉自在な搬入口
からチャンバ内に基板9が搬入され、均熱リング31上
に基板9が配置される(ステップS1)。基板9が搬入
されると搬入口が閉じられ、チャンバが密閉空間とされ
る。ガス導入口121から所定のガスがチャンバ内に導
入され、ガス排気口122からチャンバ内のガスが排気
されることにより、チャンバ内が所定のガスによる所定
の気圧下の雰囲気とされる(ステップS2)。
【0051】その後、モータ35により基板9が主面に
平行な面内にて回転され、半導体レーザからのレーザ光
を利用した基板9の加熱が行われる。これにより、基板
9の主面全体に加熱を伴う処理が均一に施される(ステ
ップS3)。このとき、放射温度計4の出力に基づいて
レーザ光の照射および停止が制御され、基板9の温度が
所定のプロファイルに従って変化する。
【0052】基板9に対する熱処理が完了するとガス導
入口121から空気が導入されるとともにガス排気口1
22からチャンバ内のガスが排気され、チャンバ内のガ
スの入れ替えが行われる(ステップS4)。その後、搬
入口が開かれて基板9がチャンバ外へと搬出される(ス
テップS5)。以上の処理が繰り返されることにより、
基板9が1枚ずつ順次処理される。
【0053】以上、熱処理装置1について説明してきた
が、熱処理装置1では半導体レーザを用いて基板9の加
熱が行われる。レーザ光は空間的にも時間的にもコヒー
レントであり、かつ、指向性および収束性が高いため効
率よく基板の加熱を行うことができる。また、単色性を
有することから温度計測に際して迷光対策を不要とする
ことも実現される。さらに、半導体レーザはランプに比
べてコンパクト、高効率かつ長寿命であることから、熱
処理装置の小型化およびメンテナンス作業の負担軽減が
実現される。
【0054】以上、本発明の実施の形態について説明し
てきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるもので
はなく様々な変形が可能である。
【0055】上記実施の形態に係る熱処理装置1により
処理される基板は半導体基板に限定されるものではな
く、フラットパネルディスプレイやフォトマスク等のガ
ラス基板の熱処理に熱処理装置1が使用されてもよい。
【0056】半導体レーザは単一の発光点を有するもの
に限定されず、複数の発光点が配列形成されたものであ
ってもよい。半導体レーザとしては高出力のものが利用
されることが好ましく、数十W〜数百Wクラスのものが
利用されてもよい。
【0057】上記実施の形態では、レンズ23や光ファ
イバ25といった光学系を介してレーザ光が基板9に照
射されるが、レーザ光を基板9に導く光学系として他の
形態の光学系が利用されてもよい。
【0058】上記実施の形態では窓部材13に金属を蒸
着させることにより、窓部材13上に基板9からの光を
反射する反射部材(反射膜)を形成しているが、窓部材
13とは別の部材として光源ユニット2(または、出射
部2b)と基板9との間に反射部材が設けられてもよ
い。例えば、窓部材13の光源側や基板9側にレーザ光
を透過する開口が形成された金属板が反射部材として設
けられてもよい。
【0059】上記実施の形態では照射領域91を図4に
示す配置とし、全ての光源ユニット2(または、出射部
2b)から同時にレーザ光を出射することにより基板9
の全面に均一な加熱を行うが、光源ユニット2(また
は、出射部2b)を同時に発光させるのではなく順次発
光させることにより、基板9の昇温速度が制御されても
よい。少なくとも複数の光源ユニット2(または、出射
部2b)から同時にレーザ光を出射することにより、基
板9の均一な加熱を実現することができる。
【0060】上記実施の形態における光源ユニット2
は、蓋部11内の冷却水により冷却が行われるが、各光
源ユニット2は別途ペルチェ素子やチラーユニットを用
いて冷却されてもよい。
【0061】
【発明の効果】請求項1ないし10の発明では、半導体
レーザを利用することにより基板を効率よく加熱するこ
とができる。
【0062】また、請求項2の発明では、光照射手段の
交換を容易に行うことができる。
【0063】また、請求項3および4の発明では、基板
の主面全体を均一に加熱することができる。
【0064】また、請求項5の発明では、半導体レーザ
におけるモードホッピングの発生を防止することができ
る。
【0065】また、請求項6の発明では、基板の周囲を
所定の雰囲気とすることができる。
【0066】また、請求項7の発明では、基板をより効
率よく加熱することができる。
【0067】また、請求項8の発明では、基板の主面全
体を一層均一に加熱することができる。
【0068】また、請求項9の発明では、温度計測にお
ける迷光対策が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱処理装置の構成を示す縦断面図である。
【図2】光源ユニットの構造を示す縦断面図である。
【図3】光源ユニットが取付板に取り付けられる様子を
示す図である。
【図4】基板に照射されるレーザ光の照射領域の様子を
示す図である。
【図5】窓部材を示す平面図である。
【図6】出射部の構造を示す断面図である。
【図7】出射部が取付板に取り付けられる様子を示す図
である。
【図8】熱処理装置の動作の流れを示す図である。
【符号の説明】 1 熱処理装置 2,2a 光源ユニット 2b 出射部 2c 発光ユニット 4 放射温度計 9 基板 12 本体部 13 窓部材 21,21c 半導体レーザ 22 ハウジング 23 レンズ 31 均熱リング 32 支持部材 35 モータ 121 ガス導入口 122 ガス排気口 131 反射膜 132 開口 341,342 磁石 S1,S3 ステップ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板に加熱を伴う処理を行う熱処理装置
    であって、 基板を支持する支持手段と、 半導体レーザから出射された光を前記支持手段に支持さ
    れる基板に向けて照射する複数の光照射手段と、を備え
    ることを特徴とする熱処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の熱処理装置であって、 前記複数の光照射手段のそれぞれが、 半導体レーザと、 前記半導体レーザからの光を基板へと導く光学系と、 前記半導体レーザおよび前記光学系を収容するハウジン
    グと、を有することを特徴とする熱処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の熱処理装置で
    あって、 前記支持手段を回転させることにより基板を主面に平行
    な面内にて回転させる回転手段をさらに備えることを特
    徴とする熱処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の熱
    処理装置であって、 前記複数の光照射手段からの光が円形または楕円形の複
    数のスポットとして基板に照射され、前記複数の光照射
    手段が複数の同心円に沿って配置されることを特徴とす
    る熱処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の熱
    処理装置であって、 前記複数の光照射手段のそれぞれの光軸が、基板の主面
    に垂直な方向に対して傾斜していることを特徴とする熱
    処理装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載の熱
    処理装置であって、 前記複数の光照射手段と基板とを隔離する窓部材と、 前記窓部材とともに前記支持手段に支持された基板を収
    容するチャンバを構成する本体部と、をさらに備え、前
    記本体部に前記チャンバ内にガスを導入する導入口およ
    びガスを排気する排気口が設けられることを特徴とする
    熱処理装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の熱処理装置であって、 前記複数の光照射手段と基板との間に配置されて基板か
    らの光を反射する反射部材をさらに備え、 前記反射部材が前記複数の光照射手段に対応した複数の
    開口を有することを特徴とする熱処理装置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかに記載の熱
    処理装置であって、 半導体レーザを用いて基板の外縁部の外側に向けて補助
    光を出射する複数の補助光照射手段をさらに備え、 前記支持手段が、基板の外縁部に沿って存在するととも
    に前記補助光が照射される補助部材を有することを特徴
    とする熱処理装置。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかに記載の熱
    処理装置であって、 基板から放射される光の所定の波長の成分を利用して前
    記基板の温度を計測する温度計測手段をさらに備え、 前記複数の光照射手段から出射される光の波長が、前記
    所定の波長と異なることを特徴とする熱処理装置。
  10. 【請求項10】 基板に加熱を伴う処理を行う熱処理方
    法であって、 基板を所定位置に配置する工程と、 複数の光照射手段により半導体レーザから出射された光
    を前記基板に向けて照射する工程と、を有することを特
    徴とする熱処理方法。
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