JP5484840B2 - 間接工法用シートはさみ及び間接シート - Google Patents

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Description

本発明は、高圧架空配電線路の活線工事において、電線の充電部に被せる絶縁シートを固定する場合のほか、配電機器取換の際に切断した電線の端部を他の電線などの機器に仮固定するのに使用可能な間接活線工法用シートはさみ(以下、単に間接工法用シートはさみという。)、および該間接工法用シートはさみを絶縁シートに装着した間接シートに関する。
高圧架空配電線路の活線工事では、配電線路に近接して作業を行う場合には、作業位置の周囲の電線の充電部などに絶縁シートをかぶせ、シートクリップまたはシートはさみ(以下、両者を総称してシートはさみということとする。)で仮固定することが行われる。図10は、従来の間接工法用シートはさみの一例を示しており、(a)は平面図、(b)は側面図である。この例におけるシートはさみ8は、通常、硬質のプラスチック材料などで形成されており、図10(a)に示すように、上下挟持部材10,11と、これらをその略中間で軸支する軸15と、軸15の位置でこれを覆い隠すように上下挟持部材10,11に嵌装される円環状カバー14とを備えている。上下挟持部材10,11は、図面に向かって軸15の位置よりも右側の操作部にはそれぞれヤットコなど1の間接把持工具で把持できるように、それぞれ互いに反対向きに、滑りと止め加工を施した平坦な表面を有する上下のグリップ10a、11aが形成されている。また、軸15の位置よりも左側(シート挟持側)の互いに対向する内面には、緩やかに湾曲して窪んだ凹部10b,11b及び側面視長方形状に切り欠かれた凹部10C、11Cが形成されている。これら上下挟持部材10,11のシート挟持側は、軸15に嵌装された不図示のコイルばねによって互いに接近して閉じる方向に付勢されており、閉じた状態では上下グリップ10a、11a
の表面がほぼ平行になるように構成されている(特許文献1参照)。
ところで、間接活線工法により配電変圧器の吊替えや高圧カットアウトの取換えを行う際、高圧引下線を切断して電路を開放する必要がある。通常、引下線は充電状態にあるので地絡事故などの発生を防止し、また取換作業に支障にならないように、高圧引下線を1線ごと切断するか、または2線を切断した上で、図10に示したような間接工法用シートはさみ1を用いてこれ(ら)を架空配電線や切断していない高圧引下線に仮止めすることが行われる(図11参照)。その場合、このシートはさみで単に高圧引下線1線のみを挟持し、切断していない引下線に安定して仮止めするのは容易であり、挟持する引下線が外れることはない。しかし、変圧器吊替え作業を行う場合には、切断した高圧引下線2線をこのシートはさみで挟持して切断して+いない引下線などに仮止めするので、経験豊富な作業者でもコツが必要であり、熟練していない作業者では仮止めするだけで長時間を要することがあった。また、慎重に電線の仮止め作業を完了したとしても、風などにより引下線が振動し、他の作業中に器具などを当てたりすることで、切断した高圧引下線の一方または双方が外れることがあった。
また、例えば図10に示す従来の間接工法用シートはさみを軟質の絶縁シートと組み合わせた間接シートを電線の仮止めに使用することも可能であるが、もともと電線の挟持力が十分でないため、引下線自体を確実に防護することができず、引下線が間接シートの隙間から抜け出してしまうことが起こり得る。
特許第3709104号明細書 特開2009−171709号公報
本発明は、前記事情に鑑み、通常の絶縁シートの仮固定に使用するだけでなく、間接活線工事の際に活線状態の複数の電線を容易かつ安定的に挟持できる電線挟持具として使用可能な間接工法用シートはさみ及び間接シートを提供することを目的とする。
前記目的は、本発明の一局面によれば、両側縁に達する凹部の形成された挟持部と操作部とをそれぞれ備える第1挟持部材及び第2挟持部材が互いに相手方に対して回動可能に、かつ前記挟持部が互いに接近する方向に付勢されて軸支されてなる間接工法用シートはさみであって、前記第1挟持部材は前記前記第2挟持部材における挟持部の先端面を覆うように突出する屈曲部を当該第2挟持部材側に備え、該屈曲部は、前記第1挟持部材の先端部に設けられた軸を介して回動可能とされてなることを特徴とする間接工法用シートはさみによって達成される。
前記目的は、本発明の一局面によれば、両側縁に達する凹部の形成された挟持部と操作部とをそれぞれ備える第1挟持部材及び第2挟持部材が互いに相手方に対して回動可能に、かつ前記挟持部が互いに接近する方向に付勢されて軸支されてなる間接工法用シートはさみであって、前記第1挟持部材の先端部には、前記第2挟持部材の先端部に向けて突出する突起部を備え、前記第2挟持部材の先端部には当該突起部を受け入れて係合可能な凹溝が形成されてなることを特徴とする間接工法用シートはさみによって達成される。
前記各挟持部の凹部は、ここに複数の電線を挟持する場合、これらを個々に独立して挟持できるように構成することができる。例えば、凹部のそれぞれに自らが変形することで複数の電線を個別に保持可能な軟質クッション材を充填し、あるいはそれぞれの凹部を当該各挟持部の長さ方向に連続して複数配置される同形ないし相似形のものに形成することができる。
また、前記目的は、前記間接工法用シートはさみと軟質の絶縁シートとの組み合せ体からなることを特徴とする間接シートによって達成される。
本発明の間接工法用シートはさみは、第1挟持部材の先端部に第2挟持部材の先端側に突出する屈曲部または突起部を設けることとしたので、これで複数の電線を挟持して仮止めする場合でも、当該複数の電線の全部または一部が外れることがなくなり、熟練していない作業者でも短時間で作業を行うことができ、作業効率化が図られる。また、従来の間接工法用シートはさみを一部改良するだけで済むので本発明の間接工法用シートはさみの作製は容易であり、このような改良によってもその本来の用途のほかに電線を確実に仮保持するのにも使用できる。
本発明の間接工法用シートはさみに関連する一参考例を示す参考図である。 図1に示す間接工法用シートはさみの変形例を示す図である。 本発明の間接工法用シートはさみの実施形態の一例を示す図である。 本発明の間接工法用シートはさみに関連する別の参考例を示す参考図である。 本発明の間接工法用シートはさみの実施形態の別の例を示す図である。 本発明の間接工法用シートはさみの実施形態のさらに別の例を示す図である。 本発明の間接工法用シートはさみの実施形態のさらに別の例を示す図である。 本発明の間接シートの実施形態の一例を示す図である。 図7に示す実施形態の分解図である。 間接工法用シートはさみの従来例を示す図である。 従来の間接工法用シートはさみの使用状態を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の各図では、同一または共通の各部については同一の符号を用い、重複する説明は省略することとする。また、図2〜図7に示す各実施形態は、図1に示す参考例をベースにこれに変更を加えたものであるので、以下では、説明を簡潔にすべく、図1の参考例との相違点について説明し、必要な場合を除いては、それ以外の構成についての説明を省略する。また、図2〜図7の各図においても図1の参考例に図示された構成については省略する場合がある。
図1は、本発明の間接工法用シートはさみの一参考例を示す図である。この図に示す間接工法用シート1はさみは、第1挟持部材10及び第2挟持部材11が軸15を中心として互いに相手方に対して回動可能に軸支されており、第1挟持部材10の先端部には、第2挟持部材11の側に突出する屈曲部22が設けられている。
第1挟持部材10および第2挟持部材11はそれぞれ、軸15の軸支位置を境にして両側に挟持部10a,11a及び操作部10b、11bを配している。軸15には、不図示のコイルばねが嵌装され、その両端部がそれぞれ操作部10b、11bの内側に延在しており、これにより前記挟持部10a,11aが互いに接近する方向に付勢されている。
各挟持部10a、11aは、それぞれ略直方体形状を備えており、両者の互いに対向する内面には、これらの長さ方向両側縁に達するように凹部10c、10d;11c、11dが形成されている。凹部10c、11cは緩やかに湾曲した側面視円弧状のくぼみに形成され、凹部10d、11dは側面視長方形状に切り欠かれている。また、各挟持部10a,11aの先端部には、両側縁に貫通する貫通孔12,13がそれぞれ穿設されている。また、各挟持部10a、11aの互いに反対方向を向く外面には、間接工法用シートはさみの強度特性を維持しながら軽量化を図るために、それぞれの長さ方向に沿って複数のスリット11f、11f、・・・が整列して設けられている。このスリット11fの断面形状、深さや各挟持部外面に配置される数については、間接工法用シートはさみ自体の強度、耐変形性などを考慮して適宜設定できる。
操作部10b、11bの互いに反対を向く外面にはそれぞれ、滑りと止め加工を施した平坦な表面を有するグリップ面が形成されており、挟持部10a、11aが閉じた状態ではこれらのグリップ面は側面視略平行になるように構成されている。このようにグリップ面を形成することで、当該面をヤットコなどの間接活線把持工具で確実に把持できるようにされている。
第1挟持部材10の先端部(挟持部)における屈曲部22は、第2挟持部材11における挟持部の先端面を覆うように突出して形成されている。この屈曲部22の内面と第2挟持部材11の先端面とは、図1に示すように、適宜の間隙を設けるのが好ましい。この場合、間接工法用シートはさみ1にて複数の電線を挟持した際に何らかの原因によりその一部または全部がこの間隙を通して抜け出ることがないように、間隙の大きさは挟持する電線の直径と略同等か、またはそれ以下に設定するのが好ましい。そして、この間隔の大きさは、屈曲部22の根本から先端に至るまで略同等か、または先端に向けて僅かに縮小するように設定することができる。なお、屈曲部22の内面と第2挟持部材11における挟持部の先端面との間の間隔をなくし、両者を当接させることも可能であることはいうまでもない。
第2挟持部材11における挟持部の先端面とその長さ方向とのなす角度は、約70〜150°の範囲で任意に設定でき、好ましくは略直角ないし135°程度に設定するのがよい(図2参照)。
第1挟持部材10および第2挟持部材11はそれぞれ硬質プラスチックなどの絶縁体で挟持部10a、11aと操作部10b、11bとを一体にして構成することができる。これらの成形は、例えば射出成型法などを用いて行うことができる。
図3は、本発明の間接工法用シートはさみの実施形態の一例を示している。この図に示す間接工法用シートはさみ1では、挟持部10aの先端部に幅方向に平行に設けられた軸28によってその軸心回りに挟持部10aの長さ方向に平行な位置から略直角な位置まで屈曲部22が回動可能とされている。この場合、屈曲部22は適宜の位置で固定できるようにしてもよく、またこの屈曲部22が第1挟持部材10の先端側にその長さ方向に平行に固定される場合には、第2挟持部材11の先端部を公知の方法により伸縮可能に構成することもできる。また、屈曲部22は、軸28に通常の方法により取り付け可能なコイルばねなどの公知の付勢手段を用いて第2挟持部材11の挟持部11aの先端面に向けて付勢されるように構成することができる。なお、その他の構成については、図1に示した実施形態と本質的に変わるところはないので、説明を省略する。
図4は、本発明の間接工法用シートはさみに関連する別の参考例を示している。この図に示す間接工法用シートはさみ1では、挟持部10a(第1挟持部材10)の先端に着脱自在に取り付けられる屈曲部31を備えている。この屈曲部31は、側面視略L字状の絶縁性の本体を有し、挟持部10aの先端面に当接される接合面の略中央からは、平板状の差込用突片33が突設されている。この差込用突片33の略中央領域には、挟持部10aの先端部に穿設された貫通孔12と略同等の直径を有する貫通孔34が穿設されている。一方、挟持部10aの先端面には、差込用突片33を受け入れ可能な溝35が設けられている。この溝35に差込用突片33を差し込むことにより、貫通孔34が挟持部10aの先端部に穿設された貫通孔12に合致するようになっている。溝35に差し込み部材33を差し込み、貫通孔12にこれと略同等またはそれより僅かに小さい外径の円柱状または円筒状のピンなどを嵌入することで、屈曲部31は挟持部10aの先端部に取り付けられる。図4に示す間接工法用シートはさみ1は、電線仮止めに使用する場合には、前記屈曲部31を装着し、それ以外の場合には通常通り絶縁シートの仮固定に用いることができる。なお、図4に示す参考例についても他の構成は図1のそれと本質的に変わらないので、説明を省略する。
図5は、挟持部10a(第1挟持部材10)の先端部に屈曲部22(図1参照)の代わりに突起部35を設けた本発明の実施形態の別の例を示している。なお、この図では、操作部側は図1と本質的に変わりはないので、図示を省略している。突起部35は略四角錐形状を呈し、第1挟持部材10の先端部内面における幅方向略中央に設けられている。それに対して、挟持部11a(第2挟持部材11)の先端部内面には、突起部35を受け入れてこれと係合する凹溝36が刻設されている。このように、挟持部10a、11aが閉じた状態で突起部35と凹溝36が係合する構成とすることで、構造上、これら挟持部10a、11aで複数の電線を挟持した場合に、何らかの原因で当該電線の一部または全部がそこから抜け出ないように構成することができる。
図6は、本発明による間接工法用シートはさみの実施形態のさらに別の例として、図3に示した実施形態における各挟持部材の凹部の改良形を示している。なお、図6では、上記改良に係る部分以外は図3に示した構成を備えるものとする。この図に示す間接工法用シートはさみでは、挟持部10a、11aの凹部をその長さ方向に延長した湾曲状のくぼみ10g、11gのみとし、当該凹部10g、11gをそれぞれ軟質クッション材18、19で埋めている。特に電線の仮止めに本実施形態の間接工法用シートはさみ1を用いる場合、このようにクッション材18、19を設けることで、図6(b)に示すように、複数の電線W1、W2、W3をそれぞれ個別に安定して挟持することができる。しかも、挟持部10a、11aに対して電線を斜めに挟持することができる点で融通性がある。そして、複数の電線を仮止めした後に、振動などによりこれらの一部がクッション材18、19中で先端側にずれて外れ、挟持部10a、11aの一方を押し上げることになったとしても、本実施形態の間接工法用シートはさみは屈曲部22を備えるので、その電線がシートはさみから抜け出ることがない。
図7は、図6と同様に、図3に示した実施形態における各挟持部材の凹部を改良した本発明の実施形態のさらに別の例を示している。すなわち、本実施形態では、挟持部10a、11aの対向する内面に、各挟持部10a、11aの長さ方向に複数の側面視三角形状の切り込みを連続して配置した鋸刃状の凹部10h、10h、・・・;11h、11h、・・・がそれぞれ形成されている。なお、図6では、上記改良に係る部分以外は図3に示した構成を備えるものとする。この図に示す実施形態では、これで電線などに被せた絶縁シートを挟持して固定する場合に、この凹部によって絶縁シートがずれるのを防止できる。また、本実施形態の間接工法用シートはさみを用いて複数の電線を挟持する場合、これらの凹部10h,11hで形成される側面視三角形の断面を有する個々の開口20にそれぞれ電線を挟持することができる。複数の電線のうちの一部または全部を鋸刃状の凹部10h、11hに対して斜めに挟持せざるを得ない場合、挟持部10a、11aは完全に閉じることのできない状態となるが、先端部に屈曲部22が設けられているので、電線が抜け出ることがなく、確実に複数の電線を挟持することができる。
本発明の間接工法用シートはさみは、絶縁シートと組み合わせて間接シートとして用いることができる。図8は、本発明の間接シートの一実施形態を示しており、図9は、図8に示した間接シートの構成を説明するための図である。これらの図に示す間接シート2は、図1に示す間接工法用シートはさみ1と、絶縁シート42と、2本の棒状体40、41とから構成されている。なお、間接工法用シートはさみ1は、図3に示した実施形態の構成を備えるものとし、これらの構成についてはすでに説明しているので、重複した説明を省略する。
絶縁シート42は、四角形状の平面を有する絶縁性の軟質シートであり、これを中間の折り目42aから2つ折りにして使用されるものである。図8および図9では、このように2つ折りによって得られる2つの区画をそれぞれ符号43、44で示している。
これらの2つの区画43,44のそれぞれには、同じ面に折り目42aに平行な2つの辺寄りに当該各辺に平行にそれぞれ開口する円筒状の被嵌入部材45〜48(それぞれの開口を符号45a,46a,47a,48aで示す)が設けられている。各被嵌入部材45〜48は絶縁性であれば、絶縁シートと同種の材質で形成してもよく、異種の材質で形成してもよい。各被嵌入部材45〜48は、異質の材質で形成されている場合には、軟質であっても硬質であってもよいが、軟質であるのが好ましい。被嵌入部材45、46の間および被嵌入部材47,48の間はそれぞれ、間接工法用シートはさみ1の挟持部10a、11aの幅に相当する距離だけ離してある。
各区画43には、折り目42aと被嵌入部材45、46との間で、該被嵌入部材45、46寄りの所定の位置(絶縁シート42を間接工法用シートはさみ1には挟みこんだときに屈曲部22の挟持部10aとの付け根位置)にこれらに平行に1条の柔軟な折曲部43bを設けることができる。また、区画44にも同様に被嵌入部材47、48寄りにこれらに平行に1条の柔軟な折曲部44bを設けることができる。これらの折曲部43a、44aを設けることで、これらに沿って区画43、44を折り曲げ易くなる。
棒状体40,41は、長さ方向に直交する方向の断面が円形であり、絶縁性の材質で形成されている。棒状体40、41の直径は、間接工法用シートはさみ1の挟持部10a、11aの先端部にそれぞれ設けられた貫通孔12、13にちょうど嵌入可能な程度に設定されている。
本発明の間接シート2は、従来公知の方法を用いて以下のように組み立てられる。まず、間接工法用シートはさみ1の挟持部10a、11aの間に、折り目42aが操作部側にくるように2つ折りした絶縁シート42を挟みこむ。このとき、挟持部10a、11aの先端側では、絶縁シート42を挟持部10a、11aに対して以下のように位置合わせを行う。
(1)被嵌入部材45、46及び被嵌入部材47、48の間にそれぞれ挟持部10aの屈曲部22および挟持部11aの先端部が位置するようにする。
(2)各区画43,44の折曲部43b、44bが、屈曲部22の挟持部10aとの付け根位置および挟持部11aの先端部端縁にそれぞれ位置するようにする。
次に、棒状体40を被嵌入部材45の開口45a、挟持部10aの貫通孔23および被係止部材46の開口46aに順次挿通するとともに、棒状体41を被嵌入部材47の開口47a、挟持部11aの貫通孔13および被嵌入部材48の開口48aに順次挿通する。これにより、絶縁シート42は、その折り目42aが本発明の間接工法用シートはさみ1の2つの挟持部10a、11a間の空間において奥の軸15側に配置された状態で、先端側では区画43,44の折曲部43b、44bが所定の位置に配置され、棒状体40、41によってそれぞれの区画の先端領域43a、44aが屈曲部22の内面および挟持部11aの先端面にそれぞれ密着した状態で固定される。このとき、各区画43,44の先端領域43a、44aはともに、これらの幅(折曲部からこれに平行な先端の辺までの長さ)を屈曲部22の挟持部10aの内面からの突出高さよりもわずかに長く設定し、多少間接シート2の外側にはみ出すようにすることができる。
以上説明したように、本発明の間接工法用シートはさみは、従来からの絶縁シートの仮固定に使用するだけでなく、複数の電線を挟持する場合にも電線の抜け出しがないので、電線の仮固定にも好適に使用できる。そして、特に熟練していない作業者でも短時間で作業を行うことができ、作業効率化が図られる。また、本発明の間接工法用シートはさみは、従来の間接工法用シートはさみの一部改良によって容易に作製できる。
また、本実施形態の間接シートは、その挟持力の改善を図らずとも、このように先端に屈曲部または突起部を備えるので、複数の電線をこれで挟持する場合でも、電線が抜け出ることがなく、安全に電線を防護するとともに、作業者から隔離することができる。
間接工法用シートはさみ
10 第1挟持部材
10a 挟持部
10b 操作部
10c、10d、10g、11h 凹部
11 第2挟持部材
11a 挟持部
11b 操作部
11c、11d、11g、11h 凹部
12、13、23 貫通孔
18,19 クッション材
20 開口
22、26 屈曲部
28 軸
31 屈曲部
32、34 貫通孔
33 差込用突片
40,41 棒状体
42 絶縁シート
42a 折り目
43、44 区画
43a、44a 区画43,44の先端領域
43b、44b 区画43,44における折曲部
45、46、47、48 被嵌入部材

Claims (7)

  1. 両側縁に達する凹部の形成された挟持部と操作部とをそれぞれ備える第1挟持部材及び第2挟持部材が互いに相手方に対して回動可能に、かつ前記挟持部が互いに接近する方向に付勢されて軸支されてなる間接工法用シートはさみであって、
    前記第1挟持部材は前記第2挟持部材における挟持部の先端面を覆うように突出する屈曲部を当該第2挟持部材側に備え、該屈曲部は、前記第1挟持部材の先端部に設けられた軸を介して回動可能とされてなることを特徴とする間接工法用シートはさみ。
  2. 前記各挟持部の凹部には、自らが変形することで複数の線材を個別に保持可能な軟質クッション材が充填され、複数の電線を個々に独立して挟持可能に構成されてなる請求項1に記載の間接工法用シートはさみ。
  3. 前記各挟持部の凹部は同形ないし相似形を呈し、当該各挟持部の長さ方向に連続して複数配置され、複数の電線を個々に独立して挟持可能に構成されてなる請求項1又は2に記載の間接工法用シートはさみ。
  4. 両側縁に達する凹部の形成された挟持部と操作部とをそれぞれ備える第1挟持部材及び第2挟持部材が互いに相手方に対して回動可能に、かつ前記挟持部が互いに接近する方向に付勢されて軸支されてなる間接工法用シートはさみであって、
    前記第1挟持部材の先端部には、前記第2挟持部材の先端部に向けて突出する突起部を備え、前記第2挟持部材の先端部には当該突起部を受け入れて係合可能な凹溝が形成されてなることを特徴とする間接工法用シートはさみ。
  5. 前記各挟持部の凹部には、自らが変形することで複数の線材を個別に保持可能な軟質クッション材が充填され、複数の電線を個々に独立して挟持可能に構成されてなる請求項4に記載の間接工法用シートはさみ。
  6. 前記各挟持部の凹部は同形ないし相似形を呈し、当該各挟持部の長さ方向に連続して複数配置され、複数の電線を個々に独立して挟持可能に構成されてなる請求項4又は5に記載の間接工法用シートはさみ。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の間接工法用シートはさみと軟質の絶縁シートとの組み合わせ体からなることを特徴とする間接シート。
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