JP5484812B2 - 電気掃除機 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載の電気掃除機では、掃除機本体における排気口の下部に、ウィングが蝶番を介して取り付けられている。ウィングは、電気掃除機を使用しないときには排気口を閉じているが、蝶番を中心に回動することで任意の角度に傾き、排気口を開くことができる。
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、床上の塵埃が舞い上がることを防止する構成において、吸引力の低下を抑えつつ、使い勝手の向上を図ることができる電気掃除機を提供することを主たる目的とする。
この電気掃除機では、筐体において、排気口の下方に噴出口が形成されており、噴出口は、斜め上向きの空気流を噴き出させる。これにより、噴出口から噴き出た空気流が、排気口から排出される排気流に当たることで、筐体から排気される空気を上向きに流して床面から遠ざけることができるので、床上の塵埃が排気によって舞い上がることを防止できる。
また、噴出口に設けられたシャッタが、噴出口から噴き出る空気の風圧によって噴出口を開き、自重によって噴出口を閉じる。つまり、風圧と自重とを用いただけの簡単な構成で、シャッタが噴出口を開閉することができる。そして、シャッタが噴出口を閉じているときには、外部のごみが噴出口から筐体内に侵入することを防止できる。
また、シャッタに補助翼を設けることで、電動送風機の出力(換言すれば、排気の風速)の変化に伴って風圧が変化しても、シャッタは、シャッタ下面に加えて補助翼で風圧を受けることで、さらに押し開けられ、風圧が弱くても、常に最大限(最大角度)まで開くことができる。
とができるので、排気口から排出された空気を床面から遠ざけることができる。そのため、床上の塵埃が排気によって舞い上がることを確実に防止できる。
図1において、(a)は、この発明の一実施形態に係る電気掃除機1の右側面図であり、(b)は、(a)の要部右側断面図である。図2は、電気掃除機1の背面図である。以下では、電気掃除機1およびその構成部品の説明に関し、特に断りがない限り、便宜上、図1(a)における左側を前側、右側を後側、手前側を右側、奥側を左側として説明する。なお、左右方向と幅方向とは同じである。
掃除機本体2は、図1(a)では前後にやや長手で丸みを帯びたボックス形状である。掃除機本体2は、その外郭をなす中空体である筐体4と、電動送風機5(後述する図5において右上へ延びる斜線で構成されたハッチングが施された部分)と、電動送風機5に電力を供給するための電気コード6(図2参照)とを主に備えている。
筐体4では、前面7に、吸気口8が形成され、後面9に、排気口10が形成され、筐体4内部に、吸気口8と排気口10とに連通する空気流路11(図5も参照)が区画されている。上述した電動送風機5は、空気流路11内に配置されている(図5参照)。
そして、筐体4では、天面12の後端部に、掃除機本体2を床面Xから浮かせて移動させるためのハンドル13が回動自在に設けられており、左右の側面14の後端部には、車輪15が設けられ、底面16の前側部分には、キャスター17が設けられている。車輪15およびキャスター17が床面X上で転がることによって、掃除機本体2は、床面X上で円滑に移動できる。
コード引出口18は、筐体4内に収納された電気コード6を引き出すためのものである。ここで、後面9において背面視で右上側の端部には、前側へ窪む凹部9Aが形成されており、コード引出口18は、後面9において、凹部9A内に形成されている。電気コード6は、筐体4内から引き出されるとき、または、筐体4内に収納されるときにコード引出口18を通過する。コード引出口18は、空気流路11(図1(a)および図5参照)に連通している。また、電気コード6の先端には、外部のコンセント(図示せず)につなぐことができる電気プラグ23が接続されており、電気コード6全体が筐体4内に収納された状態において、電気プラグ23が、凹部9A内において、コード引出口18から後方へ露出されている。なお、筐体4の天面12には、ボタン36が設けられており、このボタン36を押すと、筐体4から引き出されたコード6を筐体4内に引き戻すことができる。
このような電気掃除機1において、清掃時には、電動送風機5(図5参照)が、電気プラグ23がコンセント(図示せず)につながった電気コード6(図2参照)から外部の電力を受けて駆動されることによって、吸引力を発生する。この吸引力によって、図1(a)に示す床面X上の塵埃は、上述した吸込具(図示せず)内に吸い込まれ、吸込具、パイプ(図示せず)、ホース3をこの順で通過した後、吸気口8から掃除機本体2の空気流路11まで吸い込まれる。また、吸込具(図示せず)の周りの空気は、床面X上の塵埃とともに、空気流路11まで吸い込まれる。
図3は、図1において、シャッタ22が開いた状態を示している。
清掃中において、シャッタ22は、図3(b)に示すように、空気流路11において電動送風機5によって吐き出された空気のうち、シャッタ22まで到達した一部の空気(図3(b)における太線矢印参照)の風圧によって押し開けられ、後上側へ傾斜するように回動する。これにより、噴出口19が後上側へ開放され、シャッタ22まで到達した空気は、空気流となって、噴出口19から、後上側へ向けて機外へ斜め上向きに噴き出される。ここで、筐体4において第2傾斜面21をなす壁39では、筐体4内部(空気流路11)に臨む面(ガイド面40という。)が、噴出口19へ向かって後上側へ傾斜している。そのため、空気流路11から噴出口19へ向かう空気は、ガイド面40によって、後上側へ流れるようにガイドされるので、噴出口19から機外へ排出された空気(空気流)は、確実に後上側へ向かって斜め上向きに排出される。
そして、電動送風機5(図5参照)の駆動が停止すると、電動送風機5が吸引力を発生しなくなることから、空気流路11において空気が流れなくなるので、シャッタ22を押し開ける空気がなくなり(風圧が弱くなり)、シャッタ22は、自重によって閉じ、再び噴出口19を塞ぐ(図1(b)参照)。これにより、外部のごみが噴出口19から筐体4内に入り込むことを防止できる。また、この状態では、噴出口19から筐体4内の構造が露出されないので、見映えがよい。
図4は、電気掃除機1の平面図である。
ここで、図4に示すように、筐体4の後面9には、筐体4外へ向かって後向き(図4では下向き)に突出する1対の防護リブ25が一体的に設けられている。これらの防護リブ25は、間隔を隔てて幅方向に並んでおり、これらの防護リブ25の間に、上述した第1傾斜面20および第2傾斜面21が位置している。これらの防護リブ25は、第1傾斜面20の噴出口19およびシャッタ22を幅方向から挟みつつ(換言すれば、噴出口19およびシャッタ22の周囲に位置して)、第1傾斜面20および第2傾斜面21よりも後側へ突出している。また、この状態において、第1傾斜面20および第2傾斜面21は、幅方向から見て、防護リブ25の輪郭の内側に位置している(図1(a)および図3(a)参照)。
図5は、変形例に係る電気掃除機1の掃除機本体2の右側断面図である。図6は、図5において、シャッタ22が閉じた状態を示している。
この変形例および上述した実施例では、ホース3(図1(a)参照)から空気流路11まで吸い込まれた空気は、図5に示す空気流路11において、太い破線矢印で示すように、吸気口8からフィルタ24を経て後側へ流れ、電動送風機5に吸い込まれる。ここで、電動送風機5には、吸い込んだ空気を吐き出すための吐出口26が、電動送風機5の下面に形成されており、電動送風機5に吸い込まれた空気は、吐出口26で吐き出されることで、空気流路11において、電動送風機5から一旦下方へ流れる。そして、筐体4内において、電動送風機5における吐出口26付近に対して後側から隣接する位置には、仕切壁38が設けられている。そのため、吐出口26において電動送風機5から下方へ流れた空気は、仕切壁38に遮られることにより、すぐに後側へ向かうことなく、空気流路11において、一旦前側へ流れ、その後、電動送風機5の周囲を流れるように上昇してから後側へ流れて筐体4の後面9へ向かう。
清掃後に電気掃除機1を収納する場合や、高いところを掃除するために吸気口8を上向きにさせる場合等に、図7に示すように、筐体4において底面16でなく後面9が床面Xに上から対向するように掃除機本体2を起立させることがある。
ここで、図7に示す変形例に係る電気掃除機1の掃除機本体2では、筐体4の後面9において、上述した防護リブ25が、シャッタ22の幅方向両外側(図4参照)だけでなく、排気口10の上側(図7では右側)にも設けられている。そのため、掃除機本体2を起立させると、後面9では、これらの防護リブ25だけが床面Xに対して上から当接するので、防護リブ25以外の部分は、床面Xに対して浮いた状態となり、排気口10やコード引出口18(図2参照)や噴出口19が床面Xによって塞がれることを防止できる。もちろん、防護リブ25は、掃除機本体2が起立しているときにシャッタ22が床面Xにぶつかって破損することも防止している。
図8は、掃除機本体2において、筐体4の下側部分を示している。
筐体4の下側部分は、筐体下部29とされ、上述した底面16ならびに左右の側面14(図4参照)および後面9の下側部分を有している。また、筐体4は、上述した第1傾斜面20、第2傾斜面21およびシャッタ22を有するカバー30を備えており、カバー30は、筐体下部29から分離可能である。
カバー30が筐体下部29に組付けられた状態では、カバー30の露出口32と開口34とが連通しており、電気掃除機1の運転時(上述した吸引力を発生しているとき)に空気流路11(図5参照)を流れる空気の一部は、開口34および露出口32をこの順番で通過してカバー30内に流入する。ここで、カバー30内には、消音フィルタ35(ドットで塗り潰された部分)が配置されている。消音フィルタ35は、ウレタン等で形成された幅方向に長手のブロック形状である。カバー30内に流入した空気は、消音フィルタ35を通過してから噴出口19において機外に排出される。空気が消音フィルタ35を通過する際、空気の流れる音が消音フィルタ35によって吸収されて消される。そのため、噴出口19から排出される空気の音(排気音)は、大変静かである。
消音フィルタ35は、このように位置が完全に固定されているので、上述したように空気が消音フィルタ35を通過する際に、この空気によってカバー30および筐体下部29から剥がれたり、脱落したりすることはない。
また、シャッタ22に関し、図9に示す変形例を適用することもできる。図9において、(a)は、変形例に係る電気掃除機1の掃除機本体2の要部右側断面図であり、(b)〜(d)は、(a)の要部拡大図である。
詳しくは、太線矢印で示すようにシャッタ22へ向かって空気流路11を流れる空気が、図9(b)に示すようにシャッタ22に到達すると、シャッタ22の下面22Bにぶつかり、上述したように、シャッタ22を押し開けようとする。この際、空気がシャッタ22を押し開けようとする力(上述した風圧)が強ければ、シャッタ22は、速やかかつ確実に、最大限まで開くが(図9(d)参照)、風圧が弱い場合には、図9(c)に示すように、途中までしか開かない。このとき、シャッタ22は、空気流路11を流れる空気(図9(c)に示す2つの太線矢印のうちの大きい太線矢印を参照)に対して略平行になっていることから、空気流路11を流れる空気(風圧)がシャッタ22に効果的に当たらず、シャッタ22は、途中まで開いた状態からさらに開くことが困難である。
4 筐体
5 電動送風機
6 電気コード
8 吸気口
10 排気口
18 コード引出口
19 噴出口
22 シャッタ
25 防護リブ
27 第3傾斜面
28 凹部
41 ガード部
Claims (2)
- 吸気口および排気口を有し、電動送風機が内蔵された筐体と、
前記筐体において、前記排気口の下方に形成され、前記排気口から排出される排気流に当てるように、斜め上向きの空気流を噴き出させる噴出口と、
前記噴出口に設けられ、回動軸有し前記噴出口から噴き出る空気の風圧によって前記噴出口を開き、自重によって前記噴出口を閉じる回動自在なシャッタと、を備え、
前記シャッタの回動軸近傍側の端部でかつ下面に、前記噴出口内に突出する補助翼を一体的に設けたことを特徴とする、電気掃除機。 - 前記電動送風機は、吸い込んだ空気を、前記電動送風機から一旦下方へ流し、前記電動送風機の周囲を流れるように上昇させた後に、前記排気口へ導くことを特徴とする、請求項1に記載の電気掃除機。
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