JP5484812B2 - 電気掃除機 - Google Patents

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Description

この発明は、電気掃除機に関する。
掃除機本体の排気口から排出される空気によって床上の塵埃が舞い上がることを防止するための手段が講じられた電気掃除機が知られている(特許文献1参照)。
特許文献1に記載の電気掃除機では、掃除機本体における排気口の下部に、ウィングが蝶番を介して取り付けられている。ウィングは、電気掃除機を使用しないときには排気口を閉じているが、蝶番を中心に回動することで任意の角度に傾き、排気口を開くことができる。
電気掃除機を使用するために、予めウィングを適当な角度に傾けて排気口を開いてから電気掃除機のスイッチをオンにすると、掃除機本体内の空気は、傾いたウィングにガイドされることで、排気口から上向きに排出されるので、この空気が床へ向かって下向きに排出されて床上の塵埃を舞い上げることが防止される。
特開平11−146846号公報
特許文献1に記載の電気掃除機では、床上の塵埃が舞い上がることを防止するために、ユーザがウィングをいちいち傾けねばならないので、使い勝手が悪い。また、ウィングは、排気口を開いていても排気口に対して対向配置されるので、排気口から排出される空気の抵抗となり、その分、電気掃除機における吸引力が低下するおそれがある。
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、床上の塵埃が舞い上がることを防止する構成において、吸引力の低下を抑えつつ、使い勝手の向上を図ることができる電気掃除機を提供することを主たる目的とする。
また、この発明は、床上の塵埃が舞い上がることを防止する構成の故障を防止できる電気掃除機を提供することを別の目的とする。
請求項1記載の発明は、吸気口および排気口を有し、電動送風機が内蔵された筐体と、前記筐体において、前記排気口の下方に形成され、前記排気口から排出される排気流に当てるように、斜め上向きの空気流を噴き出させる噴出口と、前記噴出口に設けられ、回動軸有し前記噴出口から噴き出る空気の風圧によって前記噴出口を開き、自重によって前記噴出口を閉じる回動自在なシャッタと、を備え、前記シャッタの回動軸近傍側の端部でかつ下面に、前記噴出口内に突出する補助翼を一体的に設けたことを特徴とする、電気掃除機である。
請求項記載の発明は、前記電動送風機は、吸い込んだ空気を、前記電動送風機から一旦下方へ流し、前記電動送風機の周囲を流れるように上昇させた後に、前記排気口へ導くことを特徴とする、請求項1に記載の電気掃除機である。
請求項1記載の発明によれば、吸気口および排気口を有し、電動送風機が内蔵された筐体と、前記筐体において、前記排気口の下方に形成され、前記排気口から排出される排気流に当てるように、斜め上向きの空気流を噴き出させる噴出口と、前記噴出口に設けられ、回動軸有し前記噴出口から噴き出る空気の風圧によって前記噴出口を開き、自重によって前記噴出口を閉じる回動自在なシャッタと、を備え、前記シャッタの回動軸近傍側の端部でかつ下面に、前記噴出口内に突出する補助翼を一体的に設けたものである。
この電気掃除機では、筐体において、排気口の下方に噴出口が形成されており、噴出口は、斜め上向きの空気流を噴き出させる。これにより、噴出口から噴き出た空気流が、排気口から排出される排気流に当たることで、筐体から排気される空気を上向きに流して床面から遠ざけることができるので、床上の塵埃が排気によって舞い上がることを防止できる。
そして、この構成であれば、排気口が常に開放されているので、排気口において円滑に排気できることから、吸引力の低下を抑えることができる。さらに、電動送風機を駆動させれば、自動的に噴出口から空気流が噴き出て、排気口からの排気流に当たることから、床上の塵埃が舞い上がることを防止するために手間がかからない。
また、噴出口に設けられたシャッタが、噴出口から噴き出る空気の風圧によって噴出口を開き、自重によって噴出口を閉じる。つまり、風圧と自重とを用いただけの簡単な構成で、シャッタが噴出口を開閉することができる。そして、シャッタが噴出口を閉じているときには、外部のごみが噴出口から筐体内に侵入することを防止できる。
また、シャッタに補助翼を設けることで、電動送風機の出力(換言すれば、排気の風速)の変化に伴って風圧が変化しても、シャッタは、シャッタ下面に加えて補助翼で風圧を受けることで、さらに押し開けられ、風圧が弱くても、常に最大限(最大角度)まで開くことができる。
請求項記載の発明によれば、電動送風機は、吸い込んだ空気を、電動送風機から一旦下方へ流し、電動送風機の周囲を流れるように上昇させた後に、排気口へ導く。これにより、筐体内において空気をできるだけ高い位置に持っていってから排気口で排出させるこ
とができるので、排気口から排出された空気を床面から遠ざけることができる。そのため、床上の塵埃が排気によって舞い上がることを確実に防止できる。
(a)は、この発明の一実施形態に係る電気掃除機1の右側面図であり、(b)は、(a)の要部右側断面図である。 電気掃除機1の背面図である。 図1において、シャッタ22が開いた状態を示している。 電気掃除機1の平面図である。 変形例に係る電気掃除機1の掃除機本体2の右側断面図である。 図5において、シャッタ22が閉じた状態を示している。 変形例に係る電気掃除機1の掃除機本体2が起立した状態を示している。 変形例に係る電気掃除機1の掃除機本体2の要部右側断面図である。 (a)は、変形例に係る電気掃除機1の掃除機本体2の要部右側断面図であり、(b)〜(d)は、(a)の要部拡大図である。
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1において、(a)は、この発明の一実施形態に係る電気掃除機1の右側面図であり、(b)は、(a)の要部右側断面図である。図2は、電気掃除機1の背面図である。以下では、電気掃除機1およびその構成部品の説明に関し、特に断りがない限り、便宜上、図1(a)における左側を前側、右側を後側、手前側を右側、奥側を左側として説明する。なお、左右方向と幅方向とは同じである。
図1(a)に示すように、電気掃除機1は、掃除機本体2とホース3とを備えており、図示していないが、ホース3の先に、電気掃除機1を動かすために操作される操作部と、パイプと、吸込具とを備えている。
掃除機本体2は、図1(a)では前後にやや長手で丸みを帯びたボックス形状である。掃除機本体2は、その外郭をなす中空体である筐体4と、電動送風機5(後述する図5において右上へ延びる斜線で構成されたハッチングが施された部分)と、電動送風機5に電力を供給するための電気コード6(図2参照)とを主に備えている。
電動送風機5および電気コード6は、筐体4内に収納されている。電気コード6に関連して、筐体4内(後述する空気流路11内)には、コードリール(図示せず)が収納されており、電気コード6は、筐体4内において、コードリールに対して巻回されている。電気コード6は、電気掃除機1で清掃を行う際に、筐体4から引き出し可能である。
筐体4では、前面7に、吸気口8が形成され、後面9に、排気口10が形成され、筐体4内部に、吸気口8と排気口10とに連通する空気流路11(図5も参照)が区画されている。上述した電動送風機5は、空気流路11内に配置されている(図5参照)。
吸気口8にホース3の一端が接続されており、ホース3の内部と空気流路11とは互いに連通している。
そして、筐体4では、天面12の後端部に、掃除機本体2を床面Xから浮かせて移動させるためのハンドル13が回動自在に設けられており、左右の側面14の後端部には、車輪15が設けられ、底面16の前側部分には、キャスター17が設けられている。車輪15およびキャスター17が床面X上で転がることによって、掃除機本体2は、床面X上で円滑に移動できる。
ここで、図1(a)に示すように、掃除機本体2が通常の姿勢にあって筐体4の底面16が床面Xに上から対向しつつ車輪15およびキャスター17が床面Xに接触している状態では、後面9は、垂直方向に沿ってほぼ平坦である。後面9では、上側部分に、上述した排気口10とコード引出口18(図2も参照)とが形成されており、下側部分(つまり、排気口10およびコード引出口18の下方)に、噴出口19(図1(b)も参照)が形成されている。
図2に示すように、排気口10は、たとえば、後面9に多数形成される小孔であって、全体で、上側へ膨出する略半円形状をなしている。
コード引出口18は、筐体4内に収納された電気コード6を引き出すためのものである。ここで、後面9において背面視で右上側の端部には、前側へ窪む凹部9Aが形成されており、コード引出口18は、後面9において、凹部9A内に形成されている。電気コード6は、筐体4内から引き出されるとき、または、筐体4内に収納されるときにコード引出口18を通過する。コード引出口18は、空気流路11(図1(a)および図5参照)に連通している。また、電気コード6の先端には、外部のコンセント(図示せず)につなぐことができる電気プラグ23が接続されており、電気コード6全体が筐体4内に収納された状態において、電気プラグ23が、凹部9A内において、コード引出口18から後方へ露出されている。なお、筐体4の天面12には、ボタン36が設けられており、このボタン36を押すと、筐体4から引き出されたコード6を筐体4内に引き戻すことができる。
噴出口19は、幅方向に長手であり、たとえば幅方向において複数の細長い小孔に分割されていて、空気流路11(図1(a)および図5参照)に連通している。噴出口19に関連して、筐体4の後面9において噴出口19が形成されている部分は、図1(b)に示すように、後側へ盛り上がっており、詳しくは、後下側へ傾斜する第1傾斜面20と、第1傾斜面20の下端(後端)から前下側へ傾斜する第2傾斜面21とを含んでいる。噴出口19は、第1傾斜面20に形成されていて、後上側を臨んでいる。
噴出口19には、幅方向に細長い板状をなすシャッタ22が設けられている。シャッタ22は、幅方向に延びる軸37(図1(a)参照)を中心に回動することで、開閉自在である。図1(b)では、シャッタ22は、第1傾斜面20に沿うように閉じていて、噴出口19を、筐体4の内側から塞いでいる。
このような電気掃除機1において、清掃時には、電動送風機5(図5参照)が、電気プラグ23がコンセント(図示せず)につながった電気コード6(図2参照)から外部の電力を受けて駆動されることによって、吸引力を発生する。この吸引力によって、図1(a)に示す床面X上の塵埃は、上述した吸込具(図示せず)内に吸い込まれ、吸込具、パイプ(図示せず)、ホース3をこの順で通過した後、吸気口8から掃除機本体2の空気流路11まで吸い込まれる。また、吸込具(図示せず)の周りの空気は、床面X上の塵埃とともに、空気流路11まで吸い込まれる。
ここで、空気流路11では、電動送風機5の手前(空気流路11における空気の流れ方向における上流側)に、フィルタ24が設けられており(図5において右下へ延びる斜線で構成されたハッチングが施された部分)、空気流路11まで吸い込まれた空気と塵埃とは、フィルタ24において分離される。そして、塵埃がフィルタ24に溜められる一方で、空気は、電動送風機5によって、空気流路11において、上述した空気の流れ方向における電動送風機5の下流側へ吐き出される。吐き出された空気のうち、ほとんどは、排気口10から機外へ排出されるが、一部は、筐体4内にある電気コード6(図2参照)に浴びせられた後に、コード引出口18から機外へ排出される。電気コード6を完全に引き出さない状態で電気掃除機1を使用した場合、電気コード6が過熱する可能性があり、電動送風機5の排気の一部を上述したコードリール(図示せず)側に排出して電気コード6を冷却するようにしており、この冷却空気が、コード引出口18から機外へ排出される。
なお、図1では、シャッタ22が閉じて噴出口19を塞いでいることから(図1(b)参照)、電動送風機5によって吐き出された空気が噴出口19から機外へ排出されることはない。ただし、後述するように、シャッタ22は、清掃中(電動送風機5が吸引力を発生している最中)では、必ず開いており、ここでは、説明の便宜上、清掃中にシャッタ22が閉じているものとしている。
このように、空気流路11内の空気は、排気口10およびコード引出口18から機外へ排出されるが、排出された空気の一部は、図1(a)において太い破線矢印で示すように、床面X側へ下降しつつ後方へ流れる。ここで、コード引出口18は、電気コード6を床面X側へ円滑に(後面9におけるコード引出口18の縁に引っ掛かることなく)引き出せるように、床面X側(後下側)へ向いていることから、コード引出口18から排出された空気は、特に、床面X側へ積極的に流れる。これにより、排気口10およびコード引出口18から排出された後に床面Xに浴びせられた空気(排出流)を受けて床面X上の塵埃が舞い上がると言う不具合が生じ得る。
そこで、このような不具合を解決するために、図1(b)に示すシャッタ22および噴出口19が機能する。
図3は、図1において、シャッタ22が開いた状態を示している。
清掃中において、シャッタ22は、図3(b)に示すように、空気流路11において電動送風機5によって吐き出された空気のうち、シャッタ22まで到達した一部の空気(図3(b)における太線矢印参照)の風圧によって押し開けられ、後上側へ傾斜するように回動する。これにより、噴出口19が後上側へ開放され、シャッタ22まで到達した空気は、空気流となって、噴出口19から、後上側へ向けて機外へ斜め上向きに噴き出される。ここで、筐体4において第2傾斜面21をなす壁39では、筐体4内部(空気流路11)に臨む面(ガイド面40という。)が、噴出口19へ向かって後上側へ傾斜している。そのため、空気流路11から噴出口19へ向かう空気は、ガイド面40によって、後上側へ流れるようにガイドされるので、噴出口19から機外へ排出された空気(空気流)は、確実に後上側へ向かって斜め上向きに排出される。
図3(a)に示すように、このように噴出口19から後上側へ向けて機外へ斜め上向きに噴き出された空気流(太い実線矢印参照)が、排気口10およびコード引出口18から機外へ排出された空気(排気流であって、図1(a)における太い破線矢印参照)に対して、前下側から衝突する。これにより、排気口10およびコード引出口18から機外へ排出された空気は、流れる向きが修正されて、図3(a)において太い破線矢印で示すように、全体的に後上側へ流れるようになる。そのため、空気流路11内から機外へ排出された空気を上向きに流して床面Xから遠ざけることができるので、この空気が床面Xに浴びせられて床面X上の塵埃が舞い上がることを防止できる。
また、この構成であれば、排気口10が常に開放されているので、排気口10において円滑に排気できることから、吸引力の低下を抑えることができる。さらに、電動送風機5(図5参照)を駆動させれば、自動的に噴出口19から空気流が噴き出て、排気口10およびコード引出口18からの排気流に当たることから、床上の塵埃が舞い上がることを防止するために手間がかからない。
よって、床上の塵埃が舞い上がることを防止する構成を有する電気掃除機1において、吸引力の低下を抑えつつ、使い勝手の向上を図ることができる。
そして、電動送風機5(図5参照)の駆動が停止すると、電動送風機5が吸引力を発生しなくなることから、空気流路11において空気が流れなくなるので、シャッタ22を押し開ける空気がなくなり(風圧が弱くなり)、シャッタ22は、自重によって閉じ、再び噴出口19を塞ぐ(図1(b)参照)。これにより、外部のごみが噴出口19から筐体4内に入り込むことを防止できる。また、この状態では、噴出口19から筐体4内の構造が露出されないので、見映えがよい。
このように、風圧と自重とを用いただけの簡単な構成で、シャッタ22が噴出口19を開閉することができる。
図4は、電気掃除機1の平面図である。
ここで、図4に示すように、筐体4の後面9には、筐体4外へ向かって後向き(図4では下向き)に突出する1対の防護リブ25が一体的に設けられている。これらの防護リブ25は、間隔を隔てて幅方向に並んでおり、これらの防護リブ25の間に、上述した第1傾斜面20および第2傾斜面21が位置している。これらの防護リブ25は、第1傾斜面20の噴出口19およびシャッタ22を幅方向から挟みつつ(換言すれば、噴出口19およびシャッタ22の周囲に位置して)、第1傾斜面20および第2傾斜面21よりも後側へ突出している。また、この状態において、第1傾斜面20および第2傾斜面21は、幅方向から見て、防護リブ25の輪郭の内側に位置している(図1(a)および図3(a)参照)。
第1傾斜面20、第2傾斜面21およびシャッタ22は、これらの防護リブ25によって保護されている。そのため、掃除機本体2に周囲の物がぶつかったり、掃除機本体2が後面9側から床面X(図1(a)参照)に落下したり、後述する図7に示すように掃除機本体2を起立させたりしても、シャッタ22が外力を受けて破損することはない。
図5は、変形例に係る電気掃除機1の掃除機本体2の右側断面図である。図6は、図5において、シャッタ22が閉じた状態を示している。
図5に示す変形例に係る電気掃除機1の掃除機本体2は、上述した実施例の掃除機本体2(図1〜図4参照)に対して、細部が異なる。なお、変形例において、上述した実施例と重複する部分については、同じ符号を付してその説明を省略する。図5では、上述した電動送風機5や空気流路11やフィルタ24が図示されている。
この変形例および上述した実施例では、ホース3(図1(a)参照)から空気流路11まで吸い込まれた空気は、図5に示す空気流路11において、太い破線矢印で示すように、吸気口8からフィルタ24を経て後側へ流れ、電動送風機5に吸い込まれる。ここで、電動送風機5には、吸い込んだ空気を吐き出すための吐出口26が、電動送風機5の下面に形成されており、電動送風機5に吸い込まれた空気は、吐出口26で吐き出されることで、空気流路11において、電動送風機5から一旦下方へ流れる。そして、筐体4内において、電動送風機5における吐出口26付近に対して後側から隣接する位置には、仕切壁38が設けられている。そのため、吐出口26において電動送風機5から下方へ流れた空気は、仕切壁38に遮られることにより、すぐに後側へ向かうことなく、空気流路11において、一旦前側へ流れ、その後、電動送風機5の周囲を流れるように上昇してから後側へ流れて筐体4の後面9へ向かう。
そして、空気流路11において後面9付近まで到達した空気のうち、一部の空気が、太い破線矢印で示すように排気口10やコード引出口18(図2参照)から先に機外へ排出される一方で、残りの空気は、太い実線矢印で示すように噴出口19へ向かい、その後、噴出口19から機外へ上向きに排出される。つまり、空気流路11における空気の流れ方向において、噴出口19は、最も下流側に位置している。噴出口19から機外へ上向きに排出された空気は、上述したように、排気口10およびコード引出口18から機外へ排出された空気の流れを上向きに修正する。
ここで、電動送風機5は、吸い込んだ空気を、電動送風機5から一旦下方へ流し、電動送風機5の周囲を流れるように上昇させた後に、排気口10へ導いていると言える。これにより、筐体4内において空気をできるだけ高い位置に持っていってから排気口10で排出させることができるので、排気口10から排出された空気を床面Xから遠ざけることができる。そのため、床上の塵埃が排気によって舞い上がることを確実に防止できる。
次に、図5に示す変形例に関し、噴出口19を開閉するシャッタ22について詳説する。筐体4の後面9は、上述した第1傾斜面20の上端(前端)から後上側へ傾斜する第3傾斜面27(区画面)を含んでおり、後面9には、第1傾斜面20と第3傾斜面27とによって、前側へ窪む凹部28が形成(区画)されている。凹部28は、幅方向から見て、前側へ向かって細くなる略三角形状であり、幅方向に細長い。噴出口19は、凹部28内において、凹部28の前下側の部分に設けられている。
そして、シャッタ22の前端部に対して、幅方向に延びる軸37が挿通されており、シャッタ22は、軸37を中心として、噴出口19を開放する開位置(図5参照)と、噴出口19を塞ぐ閉位置(図6参照)との間で回動自在である。シャッタ22は、電動送風機5が駆動されると、上述した風圧によって開かれて開位置にあり、電動送風機5の駆動が停止すると、上述した自重によって、右側面視で時計回りに所定量だけ回動することで閉位置まで移動して、噴出口19を塞いでいる(図6参照)。
ここで、シャッタ22は、凹部28内で回動する。そのため、シャッタ22の開位置と閉位置との間における回動軌跡Y(図6参照)は、凹部28内にある。よって、筐体4の後面9に何かがぶつかったり、掃除機本体2が後面9側から床面Xに落下したり、ユーザが後面9におけるシャッタ22付近を踏んだりしても、後面9における凹部28周囲がガード部41となって、シャッタ22および噴出口19をこれらの近傍でガードしていることから、シャッタ22および噴出口19が破損することはない。そして、筐体4に凹部28を形成して、凹部28周囲をガード部41とし、シャッタ22および噴出口19を凹部28内に設けるといった簡易な構成で、シャッタ22および噴出口19の故障を確実に防止できる。また、シャッタ22を凹部28内に配置することで後面9から突出させていないので、掃除機本体2の小型化を図ることができる。
そして、図5に示すように開位置にあるシャッタ22は、幅方向から見て、軸37から後上側へ傾斜しており、第3傾斜面27に対して後下側から密着している。このとき、シャッタ22の後端(シャッタ22において凹部28から外部に最も露出される部分)は、凹部28内(つまり、後面9から奥まったところ)に位置して、第3傾斜面27に密着している。そのため、開位置にあるシャッタ22を指先でつかんで動かすことはできず、開位置のシャッタ22が不意に動かされて破損することが防止されている。
一方、図6に示すように閉位置にあるシャッタ22は、幅方向から見て、軸37から後下側へ傾斜しており、第1傾斜面20とほぼ平行に延びている。このとき、シャッタ22は、第1傾斜面20よりも前下側(筐体4内)に位置していて、前下側から噴出口19を塞いでいる(閉じている)。つまり、閉位置にあるシャッタ22において凹部28から外部に最も露出される後上側の端面22Aが、噴出口19が形成された(噴出口19を縁取る)第1傾斜面20よりも筐体4内にずれており、この状態で、噴出口19を隙間なく塞いでいる。そのため、第1傾斜面20における噴出口19の縁と閉位置のシャッタ22とには、ほとんど隙間がないので、不意にシャッタ22に触ってもシャッタ22をつかんで回動させることはできず、閉位置のシャッタ22の破損を防止できる。
シャッタ22は、上述したように風圧で開かれて自重で閉じる構造上、軽い薄板状をなしており、強度が比較的低い。そのため、シャッタ22に何かがぶつかったり、シャッタ22が無理に動かされたりすると、シャッタ22が破損する虞がある。しかし、以上のように、シャッタ22を凹部28内に配置したり、防護リブ25で保護したりすることによって、シャッタ22の破損が防止されているので、シャッタ22の強度を必要以上に高めずに済み、また、モータやばねなどを用いた複雑な構成を用いずに、風圧および自重でシャッタ22を開閉する構成を実現することができる。
図7は、変形例に係る電気掃除機1の掃除機本体2が起立した状態を示している。
清掃後に電気掃除機1を収納する場合や、高いところを掃除するために吸気口8を上向きにさせる場合等に、図7に示すように、筐体4において底面16でなく後面9が床面Xに上から対向するように掃除機本体2を起立させることがある。
ここで、図7に示す変形例に係る電気掃除機1の掃除機本体2では、筐体4の後面9において、上述した防護リブ25が、シャッタ22の幅方向両外側(図4参照)だけでなく、排気口10の上側(図7では右側)にも設けられている。そのため、掃除機本体2を起立させると、後面9では、これらの防護リブ25だけが床面Xに対して上から当接するので、防護リブ25以外の部分は、床面Xに対して浮いた状態となり、排気口10やコード引出口18(図2参照)や噴出口19が床面Xによって塞がれることを防止できる。もちろん、防護リブ25は、掃除機本体2が起立しているときにシャッタ22が床面Xにぶつかって破損することも防止している。
図8は、変形例に係る電気掃除機1の掃除機本体2の要部右側断面図である。
図8は、掃除機本体2において、筐体4の下側部分を示している。
筐体4の下側部分は、筐体下部29とされ、上述した底面16ならびに左右の側面14(図4参照)および後面9の下側部分を有している。また、筐体4は、上述した第1傾斜面20、第2傾斜面21およびシャッタ22を有するカバー30を備えており、カバー30は、筐体下部29から分離可能である。
ここで、カバー30は、幅方向から見た断面が後側へ細くなる略三角形をなす中空体であって、幅方向に長い。そして、カバー30は、図8では、略垂直に延びて、第1傾斜面20の上端と第2傾斜面21の下端との間に架設される垂直面31を有しており、第1傾斜面20と第2傾斜面21と垂直面31とによって、幅方向から見たカバー30の断面形状(輪郭)が区画されている。
そして、この垂直面31の下側部分31Aは、上側部分31Bに比べて前側へ突出しており、この下側部分31Aには、カバー30内部に連通する露出口32が形成されている。露出口32は、幅方向に長手の略矩形状である。また、カバー30内において、前後方向で垂直面31の上側部分31Bと同じ位置には、格子状の枠33が設けられている。枠33は、露出口32に対して後側から対向している。
また、カバー30に関連して、筐体下部29の後側上端部には、空気流路11(図5参照)に連通する開口34が形成されている。開口34は、幅方向に長手の略矩形状であるが、露出口32よりも上下に小さい。
カバー30が筐体下部29に組付けられた状態では、カバー30の露出口32と開口34とが連通しており、電気掃除機1の運転時(上述した吸引力を発生しているとき)に空気流路11(図5参照)を流れる空気の一部は、開口34および露出口32をこの順番で通過してカバー30内に流入する。ここで、カバー30内には、消音フィルタ35(ドットで塗り潰された部分)が配置されている。消音フィルタ35は、ウレタン等で形成された幅方向に長手のブロック形状である。カバー30内に流入した空気は、消音フィルタ35を通過してから噴出口19において機外に排出される。空気が消音フィルタ35を通過する際、空気の流れる音が消音フィルタ35によって吸収されて消される。そのため、噴出口19から排出される空気の音(排気音)は、大変静かである。
そして、掃除機本体2の製造時等においてカバー30を筐体下部29に組付ける際、まず、カバー30に対して露出口32から消音フィルタ35を取り付ける。ここで、消音フィルタ35は、露出口32よりも少し大きい。そのため、消音フィルタ35は、露出口32に対して圧入されることでカバー30に仮組みされ、前端面が露出口32から前側へ露出された状態で、カバー30内に収容される。このとき、消音フィルタ35に対して上述した枠33が後側から接触しているので、消音フィルタ35が後側へ動くことはない。
次いで、露出口32が開口34に対して後側から対向した状態で、カバー30を筐体下部29に対して後側から組付ける。すると、筐体下部29において開口34の上端および下端を縁取る部分(縁29Aという。)が、露出口32から露出された消音フィルタ35に対して前から当接する。これより、消音フィルタ35は、筐体下部29の縁29Aとカバー30の枠33とによって前後から挟まれた状態となり、前後方向において位置決めされる。つまり、カバー30を筐体下部29に組付けると、消音フィルタ35の位置が自動的に固定される。
これにより、消音フィルタ35を、専用の部品やテープでカバー30または筐体下部29に固定しなくても、カバー30を筐体下部29に組付けるだけの作業で、消音フィルタ35の位置を完全に固定することができる。
消音フィルタ35は、このように位置が完全に固定されているので、上述したように空気が消音フィルタ35を通過する際に、この空気によってカバー30および筐体下部29から剥がれたり、脱落したりすることはない。
この発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。たとえば、この発明は、電気コード6およびコード引出口18を備えない充電式の電気掃除機にも適用可能である。
また、シャッタ22に関し、図9に示す変形例を適用することもできる。図9において、(a)は、変形例に係る電気掃除機1の掃除機本体2の要部右側断面図であり、(b)〜(d)は、(a)の要部拡大図である。
ここで、図9では、シャッタ22において空気流路11に臨む下面22Bの前端部に、幅方向から見て、下面22Bと略直交して空気流路11内に突出する補助翼42が一体的に設けられている。補助翼42は、幅方向に細長い薄板状である。図9(a)では、閉じているシャッタ22が後下側へ傾斜している一方で、補助翼42は、前下側へ延びている。
このような補助翼42を設けた場合、シャッタ22が閉じている状態において、電動送風機5(図5参照)の出力(換言すれば、排気の風速)の変化に伴って上述した風圧が変化しても、シャッタ22は、常に最大限(最大角度)まで開くことができる。
詳しくは、太線矢印で示すようにシャッタ22へ向かって空気流路11を流れる空気が、図9(b)に示すようにシャッタ22に到達すると、シャッタ22の下面22Bにぶつかり、上述したように、シャッタ22を押し開けようとする。この際、空気がシャッタ22を押し開けようとする力(上述した風圧)が強ければ、シャッタ22は、速やかかつ確実に、最大限まで開くが(図9(d)参照)、風圧が弱い場合には、図9(c)に示すように、途中までしか開かない。このとき、シャッタ22は、空気流路11を流れる空気(図9(c)に示す2つの太線矢印のうちの大きい太線矢印を参照)に対して略平行になっていることから、空気流路11を流れる空気(風圧)がシャッタ22に効果的に当たらず、シャッタ22は、途中まで開いた状態からさらに開くことが困難である。
ここで、シャッタ22へ向かう空気の一部は、図9(c)に示す2つの太線矢印のうちの小さい太線矢印で示すように、掃除機本体2内で空気流路11を区画する壁面43に沿って流れてシャッタ22の前側に回り込み、補助翼42にぶつかる。このとき、補助翼42は、この一部の空気に対して抵抗となるような(この一部の空気の流れに対して平行とならない)姿勢になっているので、シャッタ22は、下面22Bに加えて補助翼42で風圧を受けることで、さらに押し開けられ、上述した風圧が弱くても、結果として、図9(d)に示すように、最大限まで開くことができる。
1 電気掃除機
4 筐体
5 電動送風機
6 電気コード
8 吸気口
10 排気口
18 コード引出口
19 噴出口
22 シャッタ
25 防護リブ
27 第3傾斜面
28 凹部
41 ガード部

Claims (2)

  1. 吸気口および排気口を有し、電動送風機が内蔵された筐体と、
    前記筐体において、前記排気口の下方に形成され、前記排気口から排出される排気流に当てるように、斜め上向きの空気流を噴き出させる噴出口と、
    前記噴出口に設けられ、回動軸有し前記噴出口から噴き出る空気の風圧によって前記噴出口を開き、自重によって前記噴出口を閉じる回動自在なシャッタと、を備え、
    前記シャッタの回動軸近傍側の端部でかつ下面に、前記噴出口内に突出する補助翼を一体的に設けたことを特徴とする、電気掃除機。
  2. 前記電動送風機は、吸い込んだ空気を、前記電動送風機から一旦下方へ流し、前記電動送風機の周囲を流れるように上昇させた後に、前記排気口へ導くことを特徴とする、請求項1に記載の電気掃除機。
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