以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。先ず、図1を参照して、本実施形態に係る遊技島台1の概略構成について説明する。図1は、遊技島台1の内部構造の一部と玉貸機2、外枠9、及び間仕切り8を示す斜視図である。
図1に示すように、遊技島台1には、複数の遊技機(図示しない)を取り付けるための上部島枠4と、下部島枠5と、がそれぞれ遊技機の高さ寸法とほぼ同一の間隔をあけて当該遊技島台1の長手方向に沿って掛け渡されている。下部島枠5の前端側は、遊技者が玉箱などを載置するためのいわゆるカウンター板6として突設されている。上部島枠4は、遊技機の上方に配置される図示しない補給樋などを覆い隠すための幕板14が取り付けられる固定枠のうちの下側の枠としての機能を兼ね備えている。下部島枠5の下方には、遊技島台1で循環使用されるパチンコ玉を貯留するための図示しない貯留タンクなどを覆い隠すための腰板15が取り付けられる。
上部島枠4と下部島枠5との間には、複数の遊技機間で所定の間隔を設けるための複数の間仕切り8が、遊技機の横幅寸法に当該遊技機に隣接されてパチンコ玉の貸し出しを制御する玉貸機2の横幅寸法を加えた値とほぼ同一の間隔をあけて取り付けられている。そして、上部島枠4、下部島枠5、及び隣接する2本の間仕切り8によって区画された空間が1台の遊技機を設置するための設置空間10として構成されている。なお、図1及び図2中には、木製材料から形成されて遊技機内枠(図示しない本体枠や遊技盤から構成される部材)の外周部分を覆う矩形状の外枠9と、該外枠9の下辺前端に取り付けられる装飾カバー板11と、外枠9の一側上下に取り付けられて本体枠を外枠9に対して開閉自在に軸支する金属製の上下の各開閉軸12,13と、上部島枠4の後側上面に取り付けられて遊技機から排出されたパチンコ玉を図示しない回収樋に送り込むアウト玉箱16と、遊技機(外枠9)に隣接して設けられる玉貸機2と、が設置空間10に取り付けられた状態を図示している。また、遊技機は、装飾カバー板11及び開閉軸12,13が取り付けられた外枠9と、該外枠9内に取り付けられる遊技機内枠とから構成されるものである。
また、設置空間10を区画形成する下部島枠5には、遊技機を当該設置空間10内に固定するための下側遊技機固定装置20が左右2箇所に取り付けられている。一方、設置空間10を区画形成する上部島枠4には、傾斜角度(ねかせ角度)を調整可能に遊技機を当該設置空間10内に固定するための上側遊技機固定装置50が左右2箇所に取り付けられている。なお、下側遊技機固定装置20は、下部島枠5の上面に固定された支承板7を介して下部島枠5に取り付けられるようになっている。
次に、下側遊技機固定装置20の構成について、図2乃至図10を参照して説明する。図2は、遊技島台1を構成する支承板7上に設けられる下側遊技機固定装置20を示す斜視図である。図3は、外枠9と下側遊技機固定装置20を構成する外枠押込機構22とを示す斜視図である。図4は、外枠9と下側遊技機固定装置20を構成する外枠押込機構22及び外枠支持機構21とを示す斜視図である。図5は、下側遊技機固定装置20によって下辺部分が固定された外枠9を示す斜視図である。図6は、外枠押込機構22を示す斜視図である。図7は、外枠押込機構22を示す縦断面図である。図8は、下側遊技機固定装置20による外枠9の固定方法を示す側面図である。図9は、下側遊技機固定装置20による外枠9の固定方法を示す側面図である。図10は、下側遊技機固定装置20による外枠9の固定方法を示す側面図である。
図2乃至図5に示すように、下側遊技機固定装置20は、下部島枠5上に固定された支承板7の前端に設けられて外枠9の下辺前端に取り付けられた装飾カバー板11の前面を支持する外枠支持機構21と、支承板7の後端側の上面に設けられて外枠9の下辺後端を前方に押し込む外枠押込機構22と、から構成されている。外枠支持機構21は、外枠9の底面とほぼ同一の横長方形状に形成されて設置空間10内に配される外枠9の底面と当接する当接板23と、該当接板23の左右両側の前端位置となる支承板7に埋設される左右一対の取付凹部24(取付部)と、該左右一対の取付凹部24と個々に係合する左右一対の支持部材25(下側支持部材)と、を備えている。支持部材25は、取付凹部24内に嵌入することで当該支持部材25を設置空間10の下側前端に取り付ける取付片部25aと、該取付片部25aが取付凹部24内に嵌入した状態で支承板7の前端上面と当接する当接片部25bと、外枠9に取り付けられた装飾カバー板11を前方から支持する支持片部25cと、を有した断面折曲形状に形成されている。なお、支持部材25は、取付片部25aが取付凹部24に対して嵌入及びその解除が可能に設けられることで、設置空間10の下側前端位置で着脱自在となっている。
一方、外枠押込機構22は、図6及び図7に示すように、支承板7の後端上面に取り付け固定(例えば、ビス止め等)されるベース板30と、該ベース板30の上面に取り付けられる下側弾性押圧保持手段としてのクランプ部材31と、ベース板30にスライド移動可能に取り付けられて外枠9の下辺後端を押し込む下側固定部材としてのスライド押込板32と、を備えている。クランプ部材31は、ベース板30上に支軸33を中心として回動自在に取り付けられた連結部材34(下側弾性押圧保持手段)を介してベース板30の上面に取り付けられるようになっており、支軸33によって取り付けられた連結部材34の一端部とは反対側となる連結部材34の他端部に支軸35を中心として回動自在にクランプ部材31が取り付けられる。
なお、支軸35を介してクランプ部材31を取り付ける連結部材34の軸取付穴(図示しない)は、連結部材34の長手方向に沿った長穴形状に形成されている。これにより、クランプ部材31は、連結部材34に形成された軸取付穴の穿設方向(連結部材34の長手方向)に沿ってスライド移動可能となっており、このようなスライド移動を規制すべくクランプ部材31と連結部材34との間には、クランプ部材31を常時、連結部材34の他端方向(図7に示す左方向)に付勢するスライド規制バネ36(下側弾性押圧保持手段)が設けられている。また、支軸35が設けられたクランプ部材31の一端部とは反対側となるクランプ部材31の他端部には、後述するスライド押込板32の係止穴39aと係合する係合爪37が形成されており、支軸35が設けられたクランプ部材31の一端部は、係合爪37を係止穴39aに係合させた状態でベース板30に対するスライド押込板32のスライド移動を保持する、言い換えればベース板30に対してスライド押込板32をクランプするクランプ操作部38として形成されている。
スライド押込板32は、長板形状の金属板からなると共に、ベース板30に設けられた挿通穴30aを挿通して取り付けられることで、クランプ部材31及び連結部材34の長手方向に沿ってスライド移動可能に設けられている。スライド押込板32の一端部は、断面L字状に折曲されて外枠9の下辺後端を押し込む押込部32aとして形成されている。一方、スライド押込板32の他端部には、クランプ部材31の係合爪37と係合する係止穴39aを形成した係止片39(下側弾性押圧保持手段)が一体的に設けられている。
次に、以上説明した下側遊技機固定装置20によって遊技機(外枠9)を設置空間10内に固定する手順について、図8乃至図10を参照して説明する。先ず、図8に示すように、外枠9を設置空間10の前方から挿し入れる。このとき、外枠支持機構21を構成する支持部材25は、外枠9の設置空間10内への挿入を阻害しないように取付凹部24から取り外された状態にある。また、外枠押込機構22は、クランプ部材31によるスライド押込板32のクランプを解除した状態にある。その後、設置空間10内に外枠9が挿入されると、図9に示すように、取付片部25aを取付凹部24内に嵌入することで、当接片部25bを支承板7の前端上面と当接させた状態で支持部材25を取付凹部24に取り付ける。
なお、このとき、外枠9は、その前端(装飾カバー体11の前面)が取付凹部24よりも後方となる位置、言い換えれば、外枠9の下辺部分で取付凹部24を覆い隠さない位置まで挿入される。一方、支持部材25は、支持片部25cが当接片部25bよりも前方に位置するように取付凹部24に取り付けられる。また、当接片部25bと当接する支承板7の前端上面、言い換えれば、取付凹部24よりも前側の支承板7の上面部分は、取付凹部24よりも後側の支承板7の上面部分(当接板23が設けられた支承板7の上面部分)に比べて当接片部25bの厚さ寸法分だけ低い高さ寸法に設定されている。即ち、支持部材25が取付凹部24に取り付けられた状態で、取付凹部24に当接する当接片部25bの上面と取付凹部24よりも後側の支承板7の上面(当接板23の上面)とが面一になるように設定されている。
その後は、図10に示すように、取付凹部24よりも後方に挿入された外枠9をその前端(装飾カバー体11の前面)が支持片部25cと当接する位置まで前方にスライド移動させる。そして、押込部32aが外枠9の下辺裏面と当接する位置までスライド押込板32を前方にスライド移動させ、この状態で、クランプ部材31の係合爪37をスライド押込板32の係止穴39aに係合させてクランプ操作部38を押圧操作することで、外枠9の下辺裏面を押圧する方向にスライド規制バネ36の弾性力で付勢しながらスライド押込板32をクランプする。これにより、支持部材25とスライド押込板32の押込部32aとの間で外枠9の下辺を挟持固定する。
次に、上側遊技機固定装置50の構成について、図11及び図12を参照して説明する。図11は、外枠9及び上側遊技機固定装置50が取り付けられた上部島枠4を示す斜視図である。図12は、上部島枠4に取り付けられた上側遊技機固定装置50を示す斜視図である。
図11及び図12に示すように、上側遊技機固定装置50は、上部島枠4の後端部分にビス止めされる取付ベース51と、該取付ベース51にスライド移動可能に取り付けられるスライド部材52と、該スライド部材52に取り付けられて外枠9の上辺部分の下面を上方に押圧して固定する押圧固定部材53と、を備えている。取付ベース51は、長板状の基板部54を備えた金属板が折曲されて形成されている。基板部54の前端側には、取付ベース51を上部島枠4の後端部分にビス止めするための取付穴55を穿設したビス止めフランジ部56が折曲形成されている。一方、基板部54の後端側には、ネジ穴57を穿設した取付フランジ部58が折曲形成されている。ネジ穴57には、取付ベース51に対してスライド部材52をスライド操作するためのスライド移動軸59が取り付けられている。スライド移動軸59は、ネジ穴57と螺合する雄ネジ部59aが形成されたボルトから構成され、その後端には、当該スライド移動軸59を回転操作するための操作部59bが設けられている。
また、取付ベース51の基板部54には、スライド部材52のスライド方向となるその長手方向に沿って長穴60が穿設されており、該長穴60には、取付ベース51に対してスライド部材52を保持するための保持ボルト61が取り付けられている。保持ボルト61は、雄ネジ部61aが長穴60を挿通して取り付けられ、その上端には、当該保持ボルト61を回転操作するための操作部61bが設けられている。なお、保持ボルト61は、後述するスライド部材52のネジ穴64に対する雄ネジ部61aの捻じ込み量によって、取付ベース51に対してスライド部材52がスライド移動可能な状態とスライド移動不可能な状態との2つの状態でスライド部材52の保持を行うようになっている。また、基板部54の短手方向の両端には、それぞれスライド部材52のスライド移動を案内するための案内フランジ部62が下方に折曲形成されている。即ち、左右一対の案内フランジ部62が形成された基板部54は、後述するスライド部材52のスライド基部63を内嵌する断面凹形状に形成されている。なお、案内フランジ部62の外壁面には、後述するスライド部材52の取付フランジ部68に設けられる目盛り線68aとの間で、取付ベース51に対するスライド部材52のスライド移動量を目測できるようにするための目盛り線62aが設けられている。
スライド部材52は、長板状のスライド基部63を備えた金属板が折曲されて形成されている。スライド基部63には、前述した保持ボルト61の雄ネジ部61aと螺合してスライド部材52を取付ベース51に保持するネジ穴64が穿設されている。スライド基部63の前側には、押圧固定部材53を取り付けるための取付壁面部65が折曲形成されている。取付壁面部65は、後方から前方に向けた上がり傾斜面に形成され、そのほぼ中央部分には、後述する平行移動軸73を取り付けるためのネジ穴(図示しない)が穿設されている。また、取付壁面部65の前端には、上側遊技機固定装置50によって外枠9を固定する際、外枠9の上辺部分の後端面と当接する当接壁面部66aと外枠9の上辺部分の上端面と当接する上端当接壁面部としての当接壁面部66bとが「く」の字状に折曲して形成されている。一方、スライド基部63の後端側には、取付穴(図示しない)を穿設した取付フランジ部68が折曲形成されている。取付フランジ部68の取付穴には、前後一対のナット59cによってスライド移動軸59の前端部分が回転自在に取り付けられる。なお、取付フランジ部68の側端部分には、スライド部材52のスライド移動量を目測するための目盛り線68aが設けられている。
そして、スライド部材52は、上部島枠4の後端部分にビス止めされた取付ベース51の基板部54及び左右の案内フランジ部62によって形成された凹部内にスライド基部63が内嵌され、この状態で取付ベース51の長穴60を挿通した保持ボルト61の雄ネジ部61aがネジ穴64と螺合されることにより取付ベース51に保持される。また、このとき、スライド部材52は、ネジ穴64に対する雄ネジ部61aの捻じ込み量に応じて、取付ベース51に対してスライド移動可能な状態、あるいはスライド移動不可能な状態のいずれかの状態で保持が行われる。また、このような取付状態において、スライド部材52の取付壁面部65は、水平面となる上部島枠4の下面に対して後方から前方に向けた上がり傾斜面として配置される。
押圧固定部材53は、金属板が折曲されて、左右の側壁面69及び第一の取付面としての下壁面70を備えた断面凹形状に形成されている。左右の側壁面69は、それぞれスライド部材52の取付壁面部65の両端を個々に外嵌する形状に形成されている。下壁面70は、そのほぼ中央部分に取付穴(図示しない)が穿設されており、該取付穴には、ナット(図示しない)によって平行移動軸73の下端部分が回転自在に取り付けられている。平行移動軸73は、スライド部材52のネジ穴と螺合する雄ネジ部(図示しない)が形成されたボルトから構成され、その下端には、当該平行移動軸73を回転操作するための操作部73bが設けられている。また、下壁面70の前端側は、前方に延設されており、その先端部分は、上方にほぼ直角に折曲されて複数(実施形態中では、3つ)の押圧爪部74が形成されている。
そして、押圧固定部材53は、スライド部材52のネジ穴に対する捻じ込み及び捻じ込み解除が可能な平行移動軸73を介してスライド部材52の取付壁面部65に取り付けられることで、下壁面70が取付壁面部65に対して常に平行な状態で移動(平行移動)可能に設けられる。また、このような取付状態において、押圧固定部材53の下壁面70は、水平な上部島枠4の下面に対して傾斜面となるスライド部材52の取付壁面部65と常に平行な状態となるため、取付壁面部65と同様に後方から前方に向けた上がり傾斜面として配置される。
なお、このように押圧固定部材53の下壁面70が後方から前方に向けた上がり傾斜面として上部島枠4の下方に配置されることで、下壁面70の下方における平行移動軸73の操作部73bが設置空間10の前方に向かって若干傾斜した状態で配置される。このため、後で詳述する上側遊技機固定装置50による外枠9の固定作業を行う場合には、平行移動軸73の操作部73bが前方に若干傾斜されていることで、操作部73bを回転操作し易くなっている。
次に、以上説明した上側遊技機固定装置50によって遊技機(外枠9)を設置空間10内で傾斜角度の調整を可能に固定する手順について説明する。なお、上側遊技機固定装置50による外枠9の固定作業は、遊技機の傾斜角度の調整を考慮すれば、前述した下側遊技機固定装置20による外枠9の固定作業が完了した後に行われることが望ましく、以下の説明では、設置空間10内への外枠9の挿入が完了していることを前提として説明を行う。先ず、外枠9の上辺上面が当接壁面部66bと当接された状態で外枠9の上辺後端面が当接壁面部66aと当接されて設置空間10内への外枠9の挿入が完了すると、平行移動軸73を取付壁面部65のネジ穴に捻じ込むことで、押圧固定部材53をスライド部材52に近づく方向に平行移動し、最終的に、押圧爪部74が外枠9の上辺下面(上辺部分の内側面)に刺し込まれながら当該上辺下面を上方に押し込む位置まで押圧固定部材53を平行移動させる。これにより、押圧固定部材53(押圧爪部74)とスライド部材52の当接壁面部66bとの間で外枠9の上辺を挟持固定する。
その後、上記したように押圧固定部材53とスライド部材52の当接壁面部66bとの間で外枠9の上辺部分を固定した状態から、取付ベース51に設けたスライド移動軸59の操作部59bを回転操作することによって、取付フランジ部58に穿設されたネジ穴57に対して雄ネジ部59aを捻じ込み又は捻じ込み解除する。これにより、取付ベース51に対してスライド部材52が前後方向にスライド移動するので、押圧固定部材53とスライド部材52の当接壁面部66bとの間で挟持固定された遊技機(外枠9)は、前述したように下側部分が下側遊技機固定装置20によって固定された状態で、上側部分が上側遊技機固定装置50によって前後方向にスライド移動することになり、これによって、前後方向への傾斜角度(ねかせ角度)が調整されるようになっている。また、スライド部材52が前後方向にスライド移動されて遊技機の傾斜角度が決定したら、スライド部材52のネジ穴64に対する保持ボルト61(雄ネジ部61a)の捻じ込みを強めることで、スライド移動軸59を回転操作しても、取付ベース51に対してスライド部材52がスライド移動しない保持状態で固定される。
ところで、上記したようにスライド部材52の当接壁面部66bとの間で外枠9の上辺を挟持固定する押圧固定部材53の下壁面70は、後方から前方に向けた上がり傾斜面となるスライド部材52の取付壁面部65に対して常に平行な状態で移動(平行移動)するようになっている。このため、下壁面70の前端で上方にほぼ直角に折曲して設けられた押圧爪部74は、外枠9の上辺部分の厚さ寸法に関わらず、外枠9を一定の押し込み角度で押し込むことになるので、押圧爪部74によって外枠9を押し込む強さ(遊技機の固定強度)を一定にすることができ、その結果、上辺部分の厚さ寸法に関わらず遊技機を確実に固定することができる。
また、上側遊技機固定装置50の構成によれば、スライド部材52に設けられた当接壁面部66aで外枠9の上辺部分の後端面を後方から支持し、この状態から、押圧固定部材53を平行移動させて、当該押圧固定部材53とスライド部材52に設けられた当接壁面部66bとの間で外枠9の上辺部分を挟持固定することにより、遊技機の上側部分を設置空間10内に固定する。ところで、従来では、遊技機の上側部分を固定する場合、外枠の上辺部分と上部島枠とを遊技機固定装置で挟み込んで固定していた。このため、外枠の上辺部分と上部島枠との隙間が広いようなときには、外枠の上辺部分を無理やり上部島枠側に押さえ付けていたので、外枠に変形や破損が生じるという不具合があった。これに対して、上側遊技機固定装置50の構成によれば、外枠9の上辺部分と上部島枠4との隙間が広いような場合でも、外枠9の上辺部分を無理やり上部島枠4側に押さえ付ける必要がないので、外枠9に変形や破損を生じさせることなく、遊技機の上側部分を確実に固定することができる。
また、上側遊技機固定装置50の構成によれば、スライド部材52が取付ベース51に対して前後方向にスライド移動可能に取り付けられる。このため、スライド部材52のスライド移動量を調整することで、スライド部材52が外枠9の後端面を支持する位置を前後方向に変更することができ、結果として、遊技機のねかせ角度の調整を可能にしている。
なお、上記した実施形態では、下側遊技機固定装置を構成する外枠支持機構として、取付凹部24に対して着脱可能な支持部材25からなる外枠支持機構21を例示しているが、この構成に限定するものではなく、以下に示す外枠支持機構80の構成としてもよい。そこで、変形例における下側遊技機固定装置20’の外枠支持機構80について図13及び図18を参照して説明する。図13乃至図15は、変形例における外枠支持機構80が取り付けられた下部島枠5と外枠9とを示す分解斜視図である。図16乃至図18は、変形例における外枠支持機構80を備えた下側遊技機固定装置20’による外枠9の固定方法を示す側面図である。また、以下に示す変形例の構成は、下側遊技機固定装置20’を構成する外枠支持機構80を除いて前述した実施形態と同一の構成であるため、それ以外の構成については前述した実施形態と同一の符号を付記すると共にその詳細な説明を省略する。
変形例における下側遊技機固定装置20’は、図13乃至図18に示すように、下部島枠5上に固定された支承板7の前端に設けられて外枠9の下辺前端に取り付けられた装飾カバー板11の前面を支持する外枠支持機構80と、支承板7の後端側の上面に設けられて外枠9の下辺後端を前方に押し込む外枠押込機構22と、から構成されている。なお、下側遊技機固定装置20’を構成する外枠押込機構22は、前述の実施形態と同一の構成であり、その詳細な説明は省略する。
外枠支持機構80は、外枠9の底面よりも若干大きめの横長方形状に形成されて設置空間10内に配される外枠9の底面と当接する当接板81と、該当接板81の左右両側の前端位置となる支承板7に取り付けられる左右一対の支持部材82(下側支持部材)と、を備えている。支持部材82は、蝶番構造(蝶番部82a)によって連結された取付板83及び支持板84から構成されている。取付板83には、当該支持部材82を支承板7にビス85で取り付けるための取付部としての取付穴86が穿設されている。一方、支持板84は、蝶番部82aを介した取付板83との取付係合によって、取付板83の板面に対して平行になる位置(図16に示す位置)と取付板83の板面に対して垂直になる位置(図17に示す位置)との間で移行可能に設けられている。なお、支承板7上に設けられる当接板81及び支持部材82の取付板83は、それぞれ上端面が面一になるようにほぼ同一の厚さ寸法に設定されている。
次に、以上説明した下側遊技機固定装置20’によって遊技機(外枠9)を設置空間10内に固定する手順について説明する。先ず、図16に示すように、外枠9を設置空間10の前方から挿し入れる。このとき、外枠支持機構80を構成する支持部材82の支持板84は、外枠9の設置空間10内への挿入を阻害しないように取付板83の板面に対して平行になる位置に折り畳まれた状態にある。また、外枠押込機構22は、クランプ部材31によるスライド押込板32のクランプを解除した状態にある。その後、設置空間10内に外枠9が挿入されると、図17に示すように、支持板84を取付板83の板面に対して垂直になる位置に起立させる。
その後は、図18に示すように、外枠9をその前端(装飾カバー体11の前面)が支持板84と当接する位置まで前方にスライド移動させる。そして、押込部32aが外枠9の下辺裏面と当接する位置までスライド押込板32を前方にスライド移動させ、この状態で、クランプ部材31の係合爪37をスライド押込板32の係止穴39aに係合させてクランプ操作部38を押圧操作することで、外枠9の下辺裏面を押圧する方向にスライド規制バネ36の弾性力で付勢しながらスライド押込板32をクランプする。これにより、支持板84とスライド押込板32の押込部32aとの間で外枠9の下辺を挟持固定する。
また、下側遊技機固定装置を構成する外枠押込機構についても、前述したスライド規制バネ36を備えた外枠押込機構22に限定するものではなく、以下に示す外枠押込機構100の構成としてもよい。外枠押込機構100について図19及び図20を参照して説明する。図19は、変形例における外枠押込機構100が取り付けられた遊技島台1を示す斜視図である。図20は、変形例における外枠押込機構100を示す斜視図である。
図19及び図20に示すように、外枠押込機構100は、支承板7の上面にビス止めされる取付ベース101と、該取付ベース101にスライド移動可能に取り付けられる下側固定部材としてのスライド部材102と、該スライド部材102に取り付けられて外枠9の下辺部分の上面を下方に押圧して固定する押圧固定部材103と、を備えている。取付ベース101は、断面L字状に折曲された金属板から構成されている。取付ベース101の底壁面101aには、取付ベース101を支承板7にビス止めするための取付穴(図示しない)が穿設され、底壁面101aの両端には、それぞれスライド部材102をスライド移動可能に取り付けるための取付凹部105を形成するための金属片106a,106bがボルト107で取り付けられている。一方、取付ベース101の立壁面101bには、ネジ穴108が穿設されており、該ネジ穴108には、取付ベース101に対してスライド部材102をスライド操作するためのスライド移動軸109が取り付けられている。スライド移動軸109は、ネジ穴108と螺合する雄ネジ部109aが形成されたボルトから構成され、その後端には、当該スライド移動軸109を回転操作するための操作部109bが設けられている。
スライド部材102は、金属板が折曲されて、左右の側壁面110、上壁面111、及び後壁面112を備えた立方体形状に形成されている。左右の側壁面110の下端には、それぞれ前述した取付ベース101の取付凹部105内に嵌入されてスライド部材102を取付ベース101に対してスライド移動可能に取り付ける取付凸部113が外方に突出形成されている。なお、左右の側壁面110の前端部分は、それぞれ外枠押込機構100によって外枠9を固定する際、外枠9の下辺部分の後端面と当接する当接部110aを構成している。上壁面111は、後方から前方に向けた下り傾斜面に形成され、そのほぼ中央部分には、後述する平行移動軸120を取り付けるためのネジ穴(図示しない)が穿設されている。後壁面112には、スライド移動軸109の前端に設けられた前後一対のナット(図示しない)によってスライド移動軸109を回転自在に取り付ける取付切欠部115が穿設されている。
そして、スライド部材102は、支承板7上にビス止めされた取付ベース101の取付凹部105に取付凸部113が内嵌して取り付けられることで、支承板7上で前後方向にスライド移動可能に設けられる。また、このような取付状態において、スライド部材102の上壁面111は、水平面となる支承板7の上面に対して後方から前方に向けた下り傾斜面として配置される。
押圧固定部材103は、金属板が折曲されて、左右の側壁面116及び上壁面117を備えた断面凹形状に形成されている。左右の側壁面116は、それぞれスライド部材102の左右の側壁面110を個々に外嵌する形状に形成されている。上壁面117は、そのほぼ中央部分に取付穴(図示しない)が穿設されており、該取付穴には、ナット(図示しない)によって平行移動軸120の上端部分が回転自在に取り付けられている。平行移動軸120は、スライド部材102のネジ穴と螺合する雄ネジ部が形成されたボルトから構成され、その上端には、当該平行移動軸120を回転操作するための操作部120aが設けられている。また、上壁面117の前端側は、前方に延設されており、その先端部分は、下方にほぼ直角に折曲されて複数(実施形態中では、3つ)の押圧爪部121が形成されている。
そして、押圧固定部材103は、上壁面111のネジ穴に対する捻じ込み及び捻じ込み解除が可能な平行移動軸120を介してスライド部材102の上壁面111に取り付けられることで、上壁面117が上壁面111に対して常に平行な状態で移動(平行移動)可能に設けられる。また、このような取付状態において、押圧固定部材103の上壁面117は、水平な支承板7の上面に対して傾斜面となるスライド部材102の上壁面111と常に平行な状態となるため、上壁面111と同様に後方から前方に向けた下り傾斜面として配置される。
なお、このように押圧固定部材103の上壁面117が後方から前方に向けた下り傾斜面として支承板7上に配置されることで、上壁面117上における平行移動軸120の操作部120aが設置空間10の前方に向かって若干傾斜した状態で配置される。ところで、後で詳述する外枠押込機構100による外枠9の固定作業を行う場合、遊技島台1の外側から外枠9の枠内空間に身を乗り入れて作業を行うものであるが、このような作業を行うときには、平行移動軸120の操作部120aが前方に若干傾斜されていることで、操作部120aを回転操作し易くなっている。
しかして、以上説明した外枠押込機構100によって外枠9の下側部分を設置空間10内に固定する場合、先ず、外枠9を設置空間10の前方から挿し入れる。このとき、押圧固定部材103は、平行移動軸120の捻じ込み解除によって、スライド部材102から遠ざかる方向に平行移動され、押圧爪部121と支承板7との間隔が外枠9の下辺部分の厚さ寸法よりも大きくとられることで、外枠9の設置空間10内への挿入を押圧爪部121が阻害しない位置に移動されている。また、スライド部材102は、スライド移動軸109の捻じ込み解除によって後方向にスライド移動されて、外枠9の設置空間10内への挿入を阻害しない位置に移動されている。
その後、設置空間10内に外枠9が挿入されると共に、該外枠9の前端(装飾カバー体11の前面)が外枠支持機構と当接するように配置されると、スライド部材102は、スライド移動軸109の捻じ込みによって前方向にスライド移動されて、当接部110aが外枠支持機構との間で外枠9の下辺部分を挟持固定する。また、このような外枠9の前後方向での挟持固定に加えて、平行移動軸120の捻じ込みによって、押圧固定部材103をスライド部材102に近づく方向に平行移動し、最終的に、押圧爪部121が外枠9の下辺上面に刺し込まれながら当該下辺上面を下方に押し込む位置まで押圧固定部材103を平行移動させる。これにより、押圧固定部材103(押圧爪部121)と支承板7との間で上下方向にも外枠9の下辺を挟持固定する。
ところで、上記したように支承板7との間で外枠9の下辺を挟持固定する押圧固定部材103の上壁面117は、後方から前方に向けた下り傾斜面となるスライド部材102の上壁面111に対して常に平行な状態で移動(平行移動)するようになっている。このため、上壁面117の前端で下方にほぼ直角に折曲して設けられた押圧爪部121は、外枠9の下辺部分の厚さ寸法に関わらず、外枠9を一定の押し込み角度で押し込むことになるので、押圧爪部121によって外枠9を押し込む強さ(遊技機の固定強度)を一定にすることができ、その結果、下辺部分の厚さ寸法に関わらず遊技機を確実に固定することができる。
また、押圧爪部121で外枠9の平坦面となる下辺上面(下辺部分の内側面)を押圧固定する構成において、押圧爪部121は、下辺上面に刺し込まれながら当該下辺上面を前方から後方に向けて斜め方向に押圧するようになっている。このため、ねかせ角度を設けることで外枠9の下辺部分の前端側下面に隙間が生じる構成においても、下辺部分に対して垂直方向にのみ押し込みを行うのではなく、押圧爪部121が下辺部分に刺し込まれた状態で前方から後方に向けての押し込みも同時に行うので、遊技者側から引張力がかかるような場合でも強固に遊技機を固定することができる。
なお、上記した変形例では、外枠9の下辺部分に対する押圧によって外枠9の固定を行う下側固定部材を、外枠9の下辺部分の裏面を前方に押圧するスライド部材102として例示しているが、これに限らず、外枠9の下辺部分を下方に押圧することで外枠9の固定を行う押圧固定部材103を本発明に係る下側固定部材としてもよい。
以上のように、本実施形態の構成によれば、遊技機(外枠9)を設置空間10内に設置する場合、先ず、外枠9の下辺前面の支持を解除した状態に下側支持部材を移行させてから、外枠9を設置空間10に対して前方から水平方向に挿入する。そして、外枠9が設置空間10内に配置された状態で、外枠9の下辺前面を支持する状態に下側支持部材としての支持部材25(82)を移行し、次いで、外枠9の下辺部分を押圧するように下側固定部材としてのスライド押込板32(スライド部材102、押圧固定部材103)を移動させて支持部材25(82)とスライド押込板32(スライド部材102、押圧固定部材103)との間で外枠9を固定する。これにより、広い設置空間10を設けることなく遊技機をしっかりと設置空間10内に設置することができると共に、遊技機の取り付け及び取り外しの作業性を高めることができる。また、スライド押込板32(スライド部材102)との間で外枠9を固定する支持部材25(82)は、外枠9を支持した状態で下部島枠5上での取付部(取付凹部24、取付穴86)が外枠9の下辺底面に被覆される。このため、遊技者側から不正に下側支持部材による外枠9の支持状態を解除して、遊技機に対して不正行為を行うようなことを防止することができる。
また、下部島枠5上に設けられた取付凹部24への嵌入が可能な取付片部25aと、該取付片部25aが取付凹部24に嵌入した状態で外枠9を前方から支持する支持片部25cと、を有した断面折曲形状に支持部材25を形成する。そして、取付片部25aの取付凹部24に対する嵌入及びその嵌入解除によって外枠9の下辺部分の前面を支持する状態と当該支持を解除する状態との間で支持部材25を移行可能にすることで、外枠9の下辺前面を支持した状態と当該支持を解除した状態との間で下側支持部材を移行する構成を簡単な構造で具現化することができる。
また、支持部材82を下部島枠5にビス止めするための取付板83と、蝶番部82aを介して取付板83に取り付けられて該取付板83の板面に対して平行になる位置と垂直になる位置との間で移行可能に設けられた支持板84と、から支持部材82を構成する。そして、取付板83の板面に対して支持板84を平行になる位置に移行して外枠9の支持を解除する一方、取付板83の板面に対して支持板84を垂直になる位置に移行して外枠9を支持することで、外枠9の下辺前面を支持した状態と当該支持を解除した状態との間で下側支持部材を移行する構成を簡単な構造で具現化することができる。
また、下側固定部材としてのスライド押込板32が外枠9の下辺部分の裏面を押圧する方向に弾性力で付勢しながら当該スライド押込板32を保持する下側弾性押圧保持手段としての連結部材34及びスライド規制バネ36を備える。これにより、支持部材25(82)とスライド押込板32との間で外枠9を挟持固定した状態において、スライド押込板32は、連結部材34及びスライド規制バネ36によって外枠9の下辺裏面を押圧する方向に付勢されながら保持されるので、遊技島台に設置される全ての遊技機を均等に強い保持力で固定することができる。
また、外枠9の下辺部分の内側面の平坦面を押圧固定する位置と当該平坦面の押圧固定を解除する位置との間で平行移動が可能な押圧固定部材103を備える。これにより、支持部材25(82)とスライド部材102との間で外枠9を挟持固定した状態において、押圧固定部材103で外枠9の下辺部分の内側面の平坦面を押圧固定することができるので、遊技島台に設置される遊技機を強い保持力で固定することができる。