以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。先ず、図1及び図2を参照して、本実施形態に係る遊技島台1の概略構成について説明する。図1は、遊技島台1の内部構造の一部と玉貸機2、外枠9、及び間仕切り8を示す正面斜視図である。図2は、遊技島台1の内部構造の一部と玉貸機2、外枠9、及び間仕切り8を示す裏面斜視図である。
図1及び図2に示すように、遊技島台1には、複数の遊技機(図示しない)を取り付けるための上部島枠4と、下部島枠5と、がそれぞれ遊技機の高さ寸法とほぼ同一の間隔をあけて当該遊技島台1の長手方向に沿って掛け渡されている。下部島枠5の前端側は、遊技者が玉箱などを載置するためのいわゆるカウンター板6として突設されている。上部島枠4は、遊技機の上方に配置される図示しない補給樋などを覆い隠すための幕板3が取り付けられる固定枠のうちの下側の枠としての機能を兼ね備えている。下部島枠5の下方には、遊技島台1で循環使用されるパチンコ玉を貯留するための図示しない貯留タンクなどを覆い隠すための腰板13が取り付けられる。
上部島枠4と下部島枠5との間には、複数の遊技機間で所定の間隔を設けるための複数の間仕切り8が、遊技機の横幅寸法に当該遊技機に隣接されてパチンコ玉の貸し出しを制御する玉貸機2の横幅寸法を加えた値とほぼ同一の間隔をあけて取り付けられている。そして、上部島枠4、下部島枠5、及び隣接する2本の間仕切り8によって区画された空間が1台の遊技機を設置するための設置空間10として構成されている。なお、図1及び図2中には、木製材料から形成されて遊技機内枠(図示しない本体枠や遊技盤から構成される部材)の外周部分を覆う矩形状の外枠9と、該外枠9の下辺前端に取り付けられる装飾カバー板11と、上部島枠4の後側上面に取り付けられて遊技機から排出されたパチンコ玉を図示しない回収樋に送り込むアウト玉箱12と、遊技機(外枠9)に隣接して設けられる玉貸機2と、が設置空間10に取り付けられた状態を図示している。また、遊技機は、装飾カバー板11が取り付けられた外枠9と、該外枠9内に取り付けられる遊技機内枠とから構成されるものである。
また、設置空間10を区画形成する下部島枠5には、傾斜角度(ねかせ角度)を調整可能に遊技機を当該設置空間10内に固定するための下側遊技機固定装置200が左右2箇所に取り付けられている。一方、設置空間10を区画形成する上部島枠4には、傾斜角度(ねかせ角度)を調整可能に遊技機を当該設置空間10内に固定するための上側遊技機固定装置140が左右2箇所に取り付けられている。なお、下側遊技機固定装置200は、下部島枠5の後側上面にビスで固定されることにより下部島枠5の上面に取り付けられ、上側遊技機固定装置140は、上部島枠4の後端部分にビスで固定されることにより上部島枠4の下面に取り付けられる。また、外枠9の下辺部分は、下部島枠5の上面に固定された支承板7の上面に載置されるようになっている。
次に、上側遊技機固定装置140の構成について、図3乃至図9を参照して説明する。図3は、上側遊技機固定装置140と賞球補給装置14がスライド調整機構180を介して上部島枠4に取り付けられた状態を示す上方からの斜視図である。図4は、上側遊技機固定装置140と賞球補給装置14がスライド調整機構180を介して上部島枠4に取り付けられた状態を示す下方からの斜視図である。図5(A)は、取付ベースを除いた上側遊技機固定装置140を示す上方からの斜視図であり、図5(B)は、取付ベース141を除いた上側遊技機固定装置140を示す下方からの斜視図である。図6(A)は、上側遊技機固定装置140及びスライド調整機構180を示す縦断面図であり、図6(B)は、スライド調整機構180を示す縦断面図である。図7(A)〜(C)は、それぞれ上側遊技機固定装置140を示す縦断面図である。図8は、上側遊技機固定装置140を構成する取付ボルト145の設定寸法を示す縦断面図である。図9(A)〜(C)は、それぞれ取付ボルト145の捻じ込みを解除するときの当該取付ボルト145と螺合受部材144との係合関係を示す縦断面図である。
上側遊技機固定装置140は、図3及び図4に示すように、賞球補給装置14と共にスライド調整機構180を介して上部島枠4に取り付けられる。なお、賞球補給装置14は、補給樋から送り込まれるパチンコ玉を分岐装置及びスプリングホース(共に図示しない)を介して受け入れて、各遊技機の背面上部に設けられる賞球タンクに供給するものであり、金属板からなる支持基板15、該支持基板15に固着されると共にパチンコ玉を一列に整列して流下させる整列通路16、該整列通路16と連通すると共にその先端が賞球タンク内に臨む補給筒(図示しない)、該補給筒との間で二又状に形成された作動腕17、等の各種構成部材から構成されている。また、スライド調整機構180は、賞球補給装置14及び上側遊技機固定装置140をそれぞれ上部島枠4に対してスライド調整可能に固定するものであり、その詳細については後述する。
上側遊技機固定装置140は、図5及び図6に示すように、スライド調整機構180に取り付けられる取付ベース141と、該取付ベース141に一体的に取り付け固定される取付部材142と、外枠9の上辺部分の下面を上方に押圧して固定する押圧固定部材143と、該押圧固定部材143を取付部材142に対してスライド移動可能に取り付ける螺合受部材144及び螺軸部材としての取付ボルト145と、取付部材142内に配置されて螺合受部材144を付勢するコイルスプリング146と、取付部材142を取付ベース141に取り付け固定するための固定ボルト147と、押圧固定部材143に取り付けられて外枠9の上辺部分を押圧する押圧ボルト148と、を備えている。
取付ベース141は、長板状の基板部150を備えた金属板が折曲されて形成されており、基板部150の前端側には、取付ベース141を上部島枠4に設けられるスライド調整機構180に取り付けるための取付穴151を穿設した取付フランジ部152が折曲形成されている。基板部150には、固定ボルト147によって取付部材142を取付ベース141に固定するためのネジ穴153,154が前後2箇所に穿設されている。なお、固定ボルト147は、ネジ穴153,154のいずれか一方と螺合することで取付部材142を取付ベース141に固定するものである。また、基板部150の短手方向の両端には、それぞれ取付部材142の横幅方向の取付位置を規制するための規制フランジ部155が下方に折曲形成されている(図3及び図4参照)。即ち、左右一対の規制フランジ部155が形成された基板部150は、後述する取付部材142の左右の側壁面156を内嵌する断面凹形状に形成されている。
取付部材142は、金属板が折曲されて、左右の側壁面156、上壁面157、前壁面158、及び後壁面159を備えた形状に形成されている。上壁面157には、取付ボルト145を挿通するための挿通穴160が長穴形状に穿設されている。前壁面158の下端には、上側遊技機固定装置140によって外枠9を固定する際に外枠9の上辺部分の上端面と当接する当接フランジ部161が形成されている。一方、後壁面159の下端には、取付部材142を取付ベース141に取り付けるための取付フランジ部162が形成されており、該取付フランジ部162には、固定ボルト147を挿通するための挿通穴163が穿設されている。そして、取付部材142は、取付フランジ部162(挿通穴163)に挿通された固定ボルト147が、上部島枠4の後端部分にビス止めされた取付ベース141のネジ穴153,154のいずれか一方に捻じ込まれることで、取付ベース141に一体的に取り付け固定される。なお、このような取付部材142の取り付け状態において、上壁面157に穿設された長穴形状の挿通穴160は、その条設方向が設置空間10に設置される遊技機(外枠9)の前後方向と並行になるように配される。
押圧固定部材143は、金属板が折曲されて、左右の側壁面164、上壁面165、及び後壁面166を備えた形状に形成されている。左右の側壁面164は、それぞれ取付部材142の左右の側壁面156を個々に外嵌する形状に形成されており、その前端部分は、設置空間10に設置される外枠9の上辺部分の後端面と当接して該後端面を支持する支持部164aを構成している。上壁面165の後側部分には、取付ボルト145を貫通して取り付けるための貫通穴167が穿設されている。一方、上壁面165の前端側は、前方に延設されており、その先端部分は、下方にほぼ直角に折曲されて複数(実施形態中では、3つ)の押圧爪部168(押圧部)が形成されている。また、上壁面165の前側部分には、ボルト取付用のネジ穴165aが穿設されている。このネジ穴は、押圧ボルト148の捻じ込みを可能にして、当該押圧ボルト148の先端部分で外枠9の上辺下面を押え込むようになっている。後壁面166は、側壁面164に比べて高さ寸法が短く設定されている。このため、押圧固定部材143を取付部材142に取り付けた状態で、後壁面166が取付部材142を外嵌することはなく、後壁面166の下端部分(以下、これを当接部166aという)は、押圧固定部材143による外枠9の上辺部分の押圧状態に応じて取付部材142の上壁面157と当接するようになっている。
螺合受部材144は、前壁面169、後壁面170、及び上壁面171を備えた形状に金属板が折曲形成されて、取付部材142の上壁面157と取付ベース141の基板部150との間の空間内に配置される。上壁面171には、取付ボルト145と螺合する螺合穴としてのネジ穴172が穿設されている。取付ボルト145は、螺合受部材144のネジ穴172と螺合する雄ネジ部173と、該雄ネジ部173の一端に一体的に設けられて当該取付ボルト145を回転操作するための操作部174と、雄ネジ部173の他端(先端)側でネジ山が設けられない無ネジ部175と、を備えている。なお、以下の説明では、雄ネジ部173において、無ネジ部175と操作部174との間の部分をネジ部としての第1雄ネジ部173aといい、無ネジ部175から先端側(操作部174側とは反対側)の部分を遊転係合部としての第2雄ネジ部173bという。そして、取付ボルト145の雄ネジ部173が、押圧固定部材143の貫通穴167及び取付部材142の挿通穴160に順次挿通され、この状態から、螺合受部材144のネジ穴172に螺合される。これにより、押圧固定部材143が、螺合受部材144及び取付ボルト145によって取付部材142に取り付けられて、上側遊技機固定装置140が組み付けられる。また、コイルスプリング146は、その一端が取付部材142の後壁面159と当接する一方、他端が螺合受部材144の後壁面170と当接するように取付部材142内に配置されて、螺合受部材144を常時前方に付勢するようになっている。
次に、上記した上側遊技機固定装置140及び賞球補給装置14をそれぞれ上部島枠4に対してスライド調整可能に固定するスライド調整機構180について説明する。なお、以下の説明では、便宜的に、上側遊技機固定装置140をスライド調整可能に固定するスライド調整機構180についてのみ説明を行う。スライド調整機構180は、図6(A),(B)に示すように、上部島枠4にビス止めされるスライドベース181と、上側遊技機固定装置140を構成する取付ベース141の取付フランジ部152に蝶ボルト182で取り付け固定されるスペーサ183及びスライド板184と、該スライド板184に取り付けられる蝶ボルト185及びワッシャー186と、から構成されている。
スライドベース181は、断面が「L」字状に形成されると共に、その全長が外枠9の横幅寸法とほぼ同一に設定されている。上部島枠4の上端面と面接触して固定されるスライドベース181の上壁片187には、ビス止め用の取付穴188が複数穿設され、スライドベース181の側壁片189には、スペーサ183及びスライド板184と係合するスライド溝191が上下一対の溝形成壁190によってスライドベース181の全長に亘って条設されている。
スペーサ183は、ほぼ正方形状の平板からなり、その平板面には蝶ボルト182と螺合するネジ穴192が穿設されている。一方、スライド板184は、スペーサ183に比べて若干大きめとなる横長方形状の平板からなり、その平板面には蝶ボルト182,185と個々に螺合するネジ穴193,194が長手方向に沿って穿設されている。そして、スペーサ183及びスライド板184は、それぞれネジ穴192,193を介して蝶ボルト182で取付ベース141の取付フランジ部152(取付穴151)に取り付け固定される。また、スペーサ183の横長寸法は、取付フランジ部152の横幅寸法とほぼ同一に設定されており、スライド板184の横長寸法は、取付フランジ部152の横幅寸法に比べて長めに設定されている。このため、スペーサ183は、取付フランジ部152の左右両側端から突出することなく取付ベース141に固定される。これに対して、スライド板184は、取付ベース141との間にスペーサ183を挟持した状態で且つその一端側(ネジ穴194が穿設された側)が取付フランジ部152の一側端から突出した状態で固定される。そして、取付フランジ部152から突出したスライド板184の一端側部分(ネジ穴194が穿設された部分)は、蝶ボルト185及びワッシャー186の取付部195を構成するようになっている。
しかして、上記したスライド調整機構180を構成するスライドベース181は、遊技島台1に設置される各遊技機毎に各取付穴188を介して上部島枠4にビス止めして取り付けられる。次いで、このように上部島枠4に固定されたスライドベース181のスライド溝191に、上側遊技機固定装置140の取付ベース141が蝶ボルト182で固定されたスライド調整機構180のスペーサ183及びスライド板184を側方からスライド挿入することで、上側遊技機固定装置140が上部島枠4に固定されたスライドベース181に対してスライド可能に取り付けられる。そして、遊技機を構成する外枠9の上辺部分を固定する位置に上側遊技機固定装置140をスライド移動させ、この状態でスライド板184の取付部195に取り付けられた蝶ボルト185を締め付ける。これにより、スライド板184とワッシャー186との間で、スライド溝191を形成するスライドベース181の溝形成壁190を挟持することになり、結果として、上側遊技機固定装置140が外枠9を固定する所望の位置に固定される。
次に、以上説明した上側遊技機固定装置140によって遊技機(外枠9)を設置空間10内で傾斜角度の調整を可能に固定する手順について説明する。なお、上側遊技機固定装置140の組み付けにおいて、取付部材142は、取付ベース141に対して2通りの取り付け状態のうちいずれか一方の状態で取り付けが行われる。即ち、取付部材142の取付フランジ部162に螺合された固定ボルト147を取付ベース141の基板部150に穿設された後側のネジ穴154に捻じ込んで、取付部材142を取付ベース141に取り付け固定した場合には、図6(A)に示すように、取付ベース141に対して取付部材142が後側に取り付けられることで、取付ベース141がビス止めされる上部島枠4に対して押圧固定部材143が後側に配置される。このため、外枠9の奥行き寸法が大きく設定されているとき、言い換えれば、外枠9の後端面が後方に入り込んで設置されるときには、図6(A)に示す状態で押圧固定部材143を後側に配置することにより、奥行き寸法が大きい外枠9に対応した固定作業が行える。
一方、取付部材142の取付フランジ部162に螺合された固定ボルト147を取付ベース141の基板部150に穿設された前側のネジ穴153に捻じ込んで、取付部材142を取付ベース141に取り付け固定した場合には、取付ベース141に対して取付部材142が前側に取り付けられることで、取付ベース141がビス止めされる上部島枠4に対して押圧固定部材143が前側に配置される。このため、外枠9の奥行き寸法が小さく設定されているとき、言い換えれば、外枠9の後端面が後方に入り込まずに設置されるときには、押圧固定部材143を前側に配置することにより、奥行き寸法が小さい外枠9に対応した固定作業が行える。
そして、上記した上側遊技機固定装置140に対して、図7(A)に示すように、外枠9の上辺上面が取付部材142の当接フランジ部161と当接された状態で設置空間10内に外枠9が挿入されると、次いで、図7(B)に示すように、外枠9の上辺部分における傾斜角度を調整するための調整器具Cを用いて外枠9の傾斜角度を調整する。具体的には、調整器具Cの押圧面部C1を外枠9の上辺前面と当接させた状態で、調整器具Cの調整凹部C2が上部島枠4の前端面と当接する位置まで調整器具Cを押し込むことで、上部島枠4に対する外枠9の上辺部分の前後位置を調節し、これによって外枠9の上辺部分における傾斜角度を調整する。但し、この場合、外枠9の下辺部分を固定したことを前提として、外枠9の上辺部分を前後方向に位置調節することで傾斜角度の調整が行われるものである。また、このとき、押圧固定部材143は、押圧爪部168による外枠9の押圧を解除した状態にあり、取付部材142の挿通穴160に対する取付ボルト145の移動方向、言い換えれば、設置空間10に設置される遊技機(外枠9)の前後方向に沿ってスライド移動が可能となっている。従って、調整器具Cによって外枠9が後方に押し込まれる際、これに伴って、押圧固定部材143は、側壁面164の前端部分である支持部164aが外枠9の上辺後端面と当接した状態でコイルスプリング146の付勢力に抗して後方にスライド移動する。
その後は、図7(C)に示すように、取付ボルト145の雄ネジ部173を螺合受部材144のネジ穴172に捻じ込むことで、重力に抗して押圧固定部材143を取付部材142に近づく方向(上方向)に移動させ、最終的に、押圧爪部168が外枠9の上辺下面に刺し込まれながら当該上辺下面を上方に押し込む位置まで押圧固定部材143を移動させ、これによって、押圧固定部材143(押圧爪部168)と取付部材142の当接フランジ部161との間で外枠9の上辺部分を挟持固定する。また、このとき、押圧固定部材143のネジ穴165aに押圧ボルト148を捻じ込むことで、当該押圧ボルト148の先端部分でも外枠9の上辺下面を押え込む。これにより、外枠9が硬質プラスチック等の硬質材料から形成されて硬度の高い外枠9を上側遊技機固定装置140で固定する場合でも、硬質な外枠9による押圧爪部168の押し返し(のけ反り)を抑えることができ、強い押し込み力で外枠9を確実に固定することができる。但し、外枠9がプラスチック製など比較的硬質な材料で形成されている場合には、押圧ボルト148に替えてビスを押圧固定部材143のネジ穴165aに捻じ込んでビス止めするようにすれば、より強固に外枠9の固定を行うことができる。
なお、押圧固定部材143の押圧爪部168によって外枠9を下方から押圧して固定する際、押圧固定部材143は、押圧爪部168を介して外枠9の上辺下面から強い反力を受けることになるが、このような押圧爪部168による押圧状態で、押圧固定部材143の後壁面166の当接部166aは、取付部材142の上壁面157と当接するようになっている。このため、押圧固定部材143の一端部分である押圧爪部168にかかる強い反力は、押圧固定部材143の他端部分である当接部166aと当接する取付部材142の上壁面157で受けられるので、押圧固定部材143が外枠9からの反力を受けて変形するという事態を回避することができる。
また、上側遊技機固定装置140は、取付部材142内に配置されて螺合受部材144を前方に付勢するコイルスプリング146を備えた構成となっている。このため、取付ボルト145を介して螺合受部材144と一体的に取り付けられる押圧固定部材143も同様に、コイルスプリング146の弾性力によって前方に付勢されるようになっている。従って、遊技機(外枠9)を固定する場合、外枠9の上辺部分の後端面を支持する押圧固定部材143の支持部164aは、常に外枠9の上辺部分を前方に押圧する方向、言い換えれば、外枠9の上辺部分の後端面との隙間をなくす方向に自動的に移動することになる。その結果、押圧固定部材143の支持部166aと外枠9の上辺部分の後端面とを密着させることで、外枠9を確実に支持した状態で上側遊技機固定装置140による遊技機(外枠9)の固定を行うことができる。
さらには、コイルスプリング146の弾性力によって押圧固定部材143を前方に付勢する構成とすることで、遊技機を固定していない状態で、常に押圧固定部材143をスライド移動可能な最前方位置に移動させておくことができる。このため、設置空間10への遊技機の取り付け及び取り外し作業毎で押圧固定部材143を後方位置から前方に戻すような些細な作業が不要になる。然も、入れ替えて設置する遊技機(外枠9)の奥行き寸法が入れ替え前のものと異なるような場合でも、押圧固定部材143の支持部164aは、常に外枠9を前方に押圧する方向、言い換えれば、外枠9の上辺部分の後端面との隙間をなくす方向に自動的に移動することになるので、外枠9の奥行き寸法に応じて押圧固定部材143を前後方向に移動調整する必要がなくなり、外枠9の固定作業を容易にできる。
なお、遊技機の固定作業をやり慣れない作業員の場合、押圧固定部材143の支持部166aと外枠9の上辺部分の後端面との間で隙間が生じてしまい、外枠9の支持状態が不安定のまま遊技機を固定してしまうようなこともあり得るが、上記した構成であれば、固定作業の熟練度合いに関わらず確実な支持状態で遊技機を固定することができる。
また、上記した構成によれば、コイルスプリング146の弾性力によって押圧固定部材143の支持部164aが前後方向に移動する場合、これに伴って押圧固定部材143の押圧爪部168も一体的に前後方向に移動するようになっている。このため、上側遊技機固定装置140は、奥行き寸法が異なった遊技機(外枠9)を固定する際でも、外枠9の上辺部分の後端面から所定の前方位置を押圧することになる。その結果、外枠9の奥行き寸法が極端に短く設定される、あるいは傾斜角度の調整として外枠9を極端に前側に移動させることで、支持部164aの位置をかなり前方に移動させる必要がある場合でも、押圧爪部168による外枠9の固定位置が後端になってしまうことを回避することができ、確実に外枠を固定することができる。
ところで、上記した上側遊技機固定装置140の取付ボルト145は、前述したように、雄ネジ部173の先端側でネジ山が設けられない無ネジ部175を備えている。そして、図8に示すように、雄ネジ部173において、無ネジ部175との境目から操作部174との境目までの部分、即ち、第1雄ネジ部173aの高さ寸法L1は、押圧固定部材143の当接部166aが取付部材142の上壁面157(外面部分)に当接し、且つ、螺合受部材144の上壁面171が取付部材142の上壁面157(内面部分)に当接した状態における押圧固定部材143の上壁面165(外面部分)から螺合受部材144の上壁面171(内面部分)までの高さ寸法L2よりも若干長く設定されている。これにより、螺合受部材144に対する取付ボルト145の捻じ込みによって、外枠9の上辺部分を押圧固定部材143(押圧爪部168)と取付部材142の当接フランジ部161との間で挟持固定した状態では、螺合受部材144のネジ穴172全体に取付ボルト145の第1雄ネジ部173aが螺合され、無ネジ部175及び第2雄ネジ部173bは、それぞれネジ穴172の上方位置に配置される。
また、無ネジ部175の高さ寸法L3は、螺合受部材144の上壁面171の板厚寸法、言い換えれば、ネジ穴172の高さ寸法L4よりも若干長く設定されている。このため、遊技機の取り外し作業を行う場合には、先ず、図9(A)に示すように、螺合受部材144のネジ穴172全体に取付ボルト145の第1雄ネジ部173aが螺合された状態から、取付ボルト145の捻じ込みを解除すべく操作部174を工具(図示しない電動工具等)で回転操作する。そして、このような操作部174の回転操作によってネジ穴172に対する第1雄ネジ部173aの捻じ込みが弱められて、図9(B)に示すように、ネジ穴172と第1雄ネジ部173aとの螺合が解除される。これにより、押圧固定部材143(押圧爪部168)と取付部材142の当接フランジ部161との間での外枠9の挟持固定が解除されて、遊技機の取り外しが可能な状態となる。
但し、このとき、取付ボルト145と螺合受部材144(ネジ穴172)との係合が完全に解除されるのではなく、取付ボルト145は、無ネジ部175が螺合受部材144のネジ穴172と係合した状態となる。即ち、遊技機の取り外し作業を行う作業員が工具(電動)を操作する仕方に関わらず(操作部174の回転操作をゆっくり行うか、あるいは一気に行うかに関わらず)、取付ボルト145は、無ネジ部175がネジ穴172と対応した位置で一旦空回り状態となる。従って、作業員が作業を早めるために、工具(電動)で一気に取付ボルト145を回転させてしまうような場合でも、取付ボルト145と共に押圧固定部材143が一気に取付部材142から離脱するようなことがないので、取付ボルト145や押圧固定部材143が遊技島台1内に落下して、当該部材(取付ボルト145又は押圧固定部材143)の紛失あるいは変形を生じさせる事態を回避することができる。
また、部品交換等のために押圧固定部材143を取付部材142から完全に取り外す場合には、図9(B)の状態(無ネジ部175がネジ穴172と係合した状態)から、第2雄ネジ部173bの一端部(無ネジ部175側の端部)をネジ穴172に螺合するように取付ボルト145の回転を微妙に操作する。そして、第2雄ネジ部173bの一端部をネジ穴172に螺合させた状態から、再度、取付ボルト145の捻じ込みを解除すべく操作部174を工具(電動)で回転操作する。これにより、図9(C)に示すように、ネジ穴172と第2雄ネジ部173aとの螺合が解除されることで、取付ボルト145と螺合受部材144(ネジ穴172)との係合が完全に解除されて、押圧固定部材143が取付部材142から取り外し可能な状態となる。
次に、下側遊技機固定装置200の構成について、図10乃至図12を参照して説明する。図10は、下部島枠5に取り付けられた下側遊技機固定装置200を示す斜視図である。図11(A)は、下側遊技機固定装置200を示す斜視図であり、図11(B)は、下側遊技機固定装置200を示す分解斜視図である。図12(A)〜(D)は、それぞれ下側遊技機固定装置200を示す縦断面図である。
下側遊技機固定装置200は、図10に示すように、アウト玉箱12と共に下部島枠5に取り付けられる。なお、下部島枠5に取り付けられる下側遊技機固定装置200及びアウト玉箱12についても、前述した上側遊技機固定装置140と同様に、スライド調整機構180を介して下部島枠5に取り付けることで、下部島枠5に対してスライド調整可能に固定するようにしてもよい。
下側遊技機固定装置200は、図11に示すように、下部島枠5の上面に固定される取付ベース201と、該取付ベース201の上側に取り付けられる取付部材202と、外枠9の下辺部分の上面を下方に押圧することで外枠の下辺部分を固定する押圧固定部材203と、該押圧固定部材203を取付部材202の上側に取り付ける螺合部材と、を備えている。なお、図示の実施形態の場合には、取付部材202は取付ベース201と一体的に下部島枠5に取り付けられるようになっており、押圧固定部材203は、取付部材202に対してスライド移動可能に取り付けられ、螺合部材は、螺合受部材204と螺軸部材としての取付ボルト205とから構成されている。更に、本実施形態に係る下側遊技機固定装置200おいては、後に詳述する2つのコイルスプリング207,209も備えている。
取付ベース201は、ほぼ正方形状の板材からなり、その四隅部分の近傍にはそれぞれ取付ベース201を下部島枠5にビス止めするための取付穴210が穿設されている。但し、実際にビス止めされる取付穴210は、取付ベース201の前端側に穿設された2つの取付穴210である。取付部材202は、金属板が折曲されて、上壁面211、左右の側壁面212a、及び後壁面212bを備えた形状に形成されている。上壁面211には、取付ボルト205を挿通するための挿通穴211aが長穴形状に穿設されている。左右の側壁面212aの下端には、それぞれ取付部材202を取付ベース201上に取り付けるための取付フランジ部213が形成されており、該取付フランジ部213には、取付ベース201に穿設された4つの取付穴210と個々に対応する取付穴213aが穿設されている。そして、取付ベース201及び取付部材202は、それぞれ各取付穴210,213aを介して下部島枠5に一体的にビス止めして取り付けられる。なお、取付部材202は、長穴形状をなす挿通穴211aの条設方向が設置空間10に設置される遊技機(外枠9)の前後方向と並行になるように取り付けられる。
押圧固定部材203は、金属板が折曲されて、左右の側壁面214、上壁面215、及び後壁面216を備えた形状に形成されている。左右の側壁面214は、それぞれ取付部材202の左右の側壁面212aを個々に外嵌する形状に形成されており、その前端部分は、設置空間10に設置される外枠9の下辺部分の後端面と当接して該後端面を支持する支持部214aを構成している。上壁面215の後側寄り部分には、取付ボルト205を取り付けるための取付穴217が穿設されている。一方、上壁面215の前端側は、設置空間10に設置される遊技機の外枠9の下辺部分の上方の位置まで延設されており、その先端部分は、下方にほぼ直角に折曲されて複数(実施形態中では、3つ)の押圧爪部218(押圧部)が形成されている。また、上壁面215の前側部分には、必要に応じて使用されるボルト取付用のネジ穴219が穿設されている。このネジ穴219は、押圧ボルト(図示しない)の捻じ込みを可能にして、当該押圧ボルトの先端部分で外枠9の下辺上面を補助的に押え込むようになっている。後壁面216は、側壁面214に比べて高さ寸法が短く設定されている。このため、押圧固定部材203を取付部材202に取り付けた状態で、左右の側壁面214が取付部材202の左右の側壁面212aを外嵌することができるようになっており、後壁面216の下端部分(以下、これを当接部216aという)は、押圧固定部材203による外枠9の下辺部分の押圧状態に応じて取付部材202の上壁面211と当接するようになっている。
螺合受部材204は、前壁面220a、後壁面220b、及び上壁面221を備えた形状に金属板が折曲形成されて、取付部材202の上壁面211と取付ベース201との間の空間内に配置される。上壁面221には、取付ボルト205と螺合するネジ穴222が穿設されている。なお、螺合受部材204の後壁面220bと取付部材202の後壁面212bとの間には、コイルスプリング209が配置される。これにより、螺合受部材204は、コイルスプリング209の弾性力によって、常時前方に付勢されるようになっている。取付ボルト205は、螺合受部材204のネジ穴222と螺合する雄ネジ部223と、該雄ネジ部223の上端に一体的に設けられて当該取付ボルト205を回転操作するための操作部224と、を備えている。
そして、取付ボルト205が、押圧固定部材203の取付穴217、コイルスプリング207、及び取付部材202の挿通穴211aに順次挿通され、この状態から、雄ネジ部223の下端部分が、螺合受部材204のネジ穴222に螺合される。これにより、押圧固定部材203が、螺合受部材204、及び取付ボルト205によって取付部材202に取り付けられて、下側遊技機固定装置200が組み付けられる。また、このような下側遊技機固定装置200の組み付けによって、押圧固定部材203の上壁面215と取付部材202の上壁面211との間には、コイルスプリング207が配置されることになり、該コイルスプリング207は、上壁面215が取付ボルト205の操作部224と当接するように押圧固定部材203を常時付勢する。なお、コイルスプリング207は、そのコイル巻回径が下端から上端にかけて徐々に縮径することで、とぐろ状に形成されており、上端部分のコイル巻回径は、取付ボルト205の雄ネジ部223のネジ径と同一に設定されている。また、螺合受部材204の後壁面220bと取付部材202の後壁面212bとの間に配置されたコイルスプリング209は、前述したように螺合受部材204を常時前方に付勢するものであるが、この螺合受部材204と取付ボルト205によって連結される押圧固定部材203も常時前方に付勢するものである。
しかして、以上説明した下側遊技機固定装置200によって外枠9の下辺部分を設置空間10内に固定する場合、図12(A)に示すように、先ず、外枠9を設置空間10の前方から挿し入れる。このとき、取付ボルト205の雄ネジ部223が螺合受部材204のネジ穴222に対して緩めることで、押圧固定部材203は、コイルスプリング207の付勢力によって取付部材202から遠ざかる方向(上方向)に移動されている。これにより、螺合受部材204に対する取付ボルト205の捻じ込みを弱めた状態でも、押圧固定部材203の押圧爪部218が自重によって下方に落ち込むことを回避できる。従って、外枠9を設置空間10に対して前方から挿入する際でも、外枠9の設置空間10内への挿入を阻害しない位置に押圧爪部218を移動させておくことができ、外枠9の固定作業を容易にできる。
また、このとき、押圧固定部材203は、取付ボルト205(雄ネジ部223)のネジ穴222に対する捻じ込みが緩められ、然も、外枠9に対して押圧爪部218が当接して押圧していない状態にあるため、取付部材202の挿通穴211aに対する取付ボルト205の移動方向、言い換えれば、設置空間10に設置される遊技機(外枠9)の前後方向に沿ってスライド移動が可能となっている。そして、図12(B),(C)に示すように、外枠9の下辺部分を支承板7上で前後方向に移動調整することで、下部島枠5に対する外枠9の下辺部分の前後位置を調節し、これによって外枠9の下辺部分における遊技機の傾斜角度を調整する。但し、この場合、外枠9の上辺部分を固定したことを前提として、外枠9の下辺部分を前後方向に位置調節することで遊技機の傾斜角度の調整が行われるものである。また、外枠9の下辺部分を前後方向に移動する際、これに伴って、押圧固定部材203は、側壁面214の前端部分である支持部214aが外枠9の下辺後端面と当接した状態でコイルスプリング209の付勢力に抗して後方にスライド移動したり付勢力により前方にスライド移動したりする。
その後、図12(D)に示すように、外枠9の下辺部分における前後位置を調節することで、外枠9の下辺部分における遊技機の傾斜角度の調整が完了すると、取付ボルト205の雄ネジ部223を螺合受部材204のネジ穴222に捻じ込むことで、コイルスプリング207の付勢力に抗して押圧固定部材203を取付部材202に近づく方向(下方向)に移動し、最終的に、押圧爪部218が外枠9の下辺上面に刺し込まれながら押圧固定部材203を移動させる。これにより、押圧固定部材203(押圧爪部218)と支承板7との間で外枠9の下辺部分を挟持固定する。また、このとき、押圧固定部材203のネジ穴219に押圧ボルト(図示しない)を捻じ込むことで、当該押圧ボルトの先端部分でも外枠9の下辺上面を補助的に押え込むことができる。これにより、外枠9が硬質プラスチック等の硬質材料から形成されて硬度の高い外枠9を下側遊技機固定装置200で固定する場合でも、硬質な外枠9による押圧爪部218の押し返し(のけ反り)を抑えることができ、強い押し込み力で外枠9を確実に固定することができる。但し、外枠9がプラスチック製など比較的硬質な材料で形成されている場合には、押圧ボルトに替えてネジを押圧固定部材203のネジ穴219に捻じ込んでネジ止めするようにすれば、より強固に外枠9の固定を行うことができる。
また、下側遊技機固定装置200においても、前述した上側遊技機固定装置140と同様に、取付部材202内に配置されて螺合受部材204を前方に付勢するコイルスプリング209を備えた構成となっている。このため、取付ボルト205を介して螺合受部材204と一体的に取り付けられる押圧固定部材203も同様に、コイルスプリング209の弾性力によって前方に付勢されるようになっている。従って、遊技機(外枠9)を固定する場合、外枠9の下辺部分の後端面を支持する押圧固定部材203の支持部214aは、常に外枠9の下辺部分を前方に押圧する方向、言い換えれば、外枠9の下辺部分の後端面との隙間をなくす方向に自動的に移動することになる。その結果、押圧固定部材203の支持部214aと外枠9の下辺部分の後端面とを密着させることで、外枠9を確実に支持した状態で下側遊技機固定装置200による遊技機(外枠9)の固定を行うことができる。
さらには、コイルスプリング209の弾性力によって押圧固定部材203を前方に付勢する構成とすることで、遊技機を固定していない状態で、常に押圧固定部材203をスライド移動可能な最前方位置に移動させておくことができる。このため、設置空間10への遊技機の取り付け及び取り外し作業毎で押圧固定部材203を後方位置から前方に戻すような些細な作業が不要になる。然も、入れ替えて設置する遊技機(外枠9)の奥行き寸法が入れ替え前のものと異なるような場合でも、押圧固定部材203の支持部214aは、常に外枠9を前方に押圧する方向、言い換えれば、外枠9の下辺部分の後端面との隙間をなくす方向に自動的に移動することになるので、外枠9の奥行き寸法に応じて押圧固定部材203を前後方向に移動調整する必要がなくなり、外枠9の固定作業を容易にできる。
また、上記した構成によれば、コイルスプリング209の弾性力によって押圧固定部材203の支持部214aが前後方向に移動する場合、これに伴って押圧固定部材203の押圧爪部218も一体的に前後方向に移動するようになっている。このため、下側遊技機固定装置200は、奥行き寸法が異なった遊技機(外枠9)を固定する際でも、外枠9の下辺部分の後端面から所定の前方位置を押圧することになる。その結果、外枠9の奥行き寸法が極端に短く設定される、あるいは遊技機の傾斜角度の調整として外枠9を極端に前側に移動させることで、支持部214aの位置をかなり前方に移動させる必要がある場合でも、押圧爪部218による外枠9の固定位置が後端になってしまうことを回避することができ、確実に外枠を固定することができる。なお、このような作用については、後述する第二実施形態における下側遊技機固定装置300の説明で詳細に説明する。
また、上記した押圧固定部材203の押圧爪部218によって外枠9を上方から押圧して固定する際、押圧固定部材203は、押圧爪部218を介して外枠9の下辺上面から強い反力を受けることになるが、このような押圧爪部218による押圧状態で、押圧固定部材203の後壁面316の当接部316aは、取付部材202の上壁面31と当接するようになっている。このため、押圧固定部材203の一端部分である押圧爪部218にかかる強い反力は、押圧固定部材203の他端部分である当接部316aと当接する取付部材202の上壁面31で受けられるので、押圧固定部材203が外枠9からの反力を受けて変形するという事態を抑制することができる。
ところで、押圧固定部材203の上壁面215と取付部材202の上壁面211との間に配置されるコイルスプリング207は、押圧固定部材203を常時上方に付勢することで、押圧固定部材203の押圧爪部218が外枠9の下辺上面を下方に押し込んでいない状態でも、押圧爪部218が設けられる押圧固定部材203の先端側が自重によって下方に落ち込まない、言い換えれば、支承板7との間隔を狭める方向に移動しないようにしている。このため、外枠9を設置空間10の前方から挿し入れる際に、押圧固定部材203を取付部材202から遠ざかる方向(上方向)に移動させた状態でも、押圧固定部材203の先端側(押圧爪部218側)の落ち込みを抑えて、押圧爪部218が外枠9の設置空間10内への挿入を阻害しないようにできる。
また、コイルスプリング207は、そのコイル巻回径が下端から上端にかけて徐々に縮径することで、とぐろ状に形成されており、上端部分のコイル巻回径は、取付ボルト205の雄ネジ部223のネジ径と同一に設定されている。このため、コイルスプリング207は、その上端部分が雄ネジ部223に係止された状態で押圧固定部材203と取付部材202との間に配置されることになる。従って、部品交換等で下側遊技機固定装置200を分解する際に、螺合受部材204に対する取付ボルト205の捻じ込みを解除して押圧固定部材203を取り外すときでも、コイルスプリング207が雄ネジ部223からはずれて不意に飛び出してしまうことを回避できる。その結果、下側遊技機固定装置200の分解作業時に、コイルスプリング207が遊技島台1内でパチンコ玉の玉流れを阻害する場所に紛れ込んでしまう不具合を回避することができる。なお、とぐろ状に形成したコイルスプリング207を上側遊技機固定装置140に採用してもよい。具体的には、押圧固定部材143に取付ボルト145を挿通した状態で、押圧固定部材143と取付部材142との間に配置されるようにするとよい。このようにすることによって、部品交換等で上側遊技機固定装置140を分解する際に、螺合受部材144に対する取付ボルト145の捻じ込みを解除して押圧固定部材143を取り外すときでも、コイルスプリング207が雄ネジ部223からはずれて不意に飛び出してしまうことを回避できる。
なお、以上説明した実施形態では、本発明に係る遊技機固定装置として、遊技機の外枠の上辺部分を固定する上側遊技機固定装置を例示しているが、この構成に限定するものではなく、遊技機の外枠の下辺部分を固定する下側遊技機固定装置に本発明を適用してもよい。具体的には、前述した下側遊技機固定装置200を構成する取付ボルト205に替えて、前述した取付ボルト145と同様な第1及び第2の雄ネジ部間に無ネジ部を備えた取付ボルトを用いて、押圧固定部材203を下方に捻じ込む構成としてもよい。
また、上記した実施形態では、押圧固定部材を取付部材の表側に取り付ける螺軸部材として、第1及び第2の雄ネジ部173a,173bからなる雄ネジ部173、操作部174、無ネジ部175を備えた取付ボルト145を例示しているが、この構成に限定するものではない。以下、本発明に係る螺軸部材の変形例について図13及び図14を参照して説明する。図13(A),(B)は、それぞれ第1変形例の取付ボルト230を備えた上側遊技機固定装置140’を示す縦断面図である。図14(A)は、第1変形例の取付ボルト230を示す上面図であり、図14(B)は、第1変形例の取付ボルト230を示す正面図であり、図14(C)は、第2変形例の取付ボルト240を示す上面図であり、図14(D)は、第2変形例の取付ボルト240を示す正面図である。なお、第1変形例の取付ボルト230を備えた上側遊技機固定装置140’は、取付ボルト145を除いて前述した上側遊技機固定装置140と同様の構成であり、以下の説明では、便宜的に同様の構成部材については同一の符号を付記すると共に、その詳細な説明を省略する。
先ず、第1変形例の取付ボルト230について説明する。図13(A),(B)に示すように、上側遊技機固定装置140’に設けられる取付ボルト230は、前述した上側遊技機固定装置140の取付ボルト145と同様に、螺合受部材144との螺合によって押圧固定部材143を取付部材142に対してスライド移動可能に取り付けるようになっている。そして、取付ボルト230は、図14(A),(B)に示すように、螺合受部材144のネジ穴172と螺合する雄ネジ部231と、該雄ネジ部231の一端に一体的に設けられて当該取付ボルト230を回転操作するための操作部232と、雄ネジ部231の他端(先端)側でネジ山が設けられない無ネジ部233と、を備えている。無ネジ部233の先端側には、Eリング235を係止するための係止溝234が条設されている。
また、雄ネジ部231において、無ネジ部233との境目から操作部232との境目までの部分、即ち、雄ネジ部231の高さ寸法L4は、前述した取付ボルト145の第1雄ネジ部173aの高さ寸法L1と同一に設定されている。これにより、前述した上側遊技機固定装置140の構成と同様に、螺合受部材144に対する取付ボルト230の捻じ込みによって、外枠9の上辺部分を押圧固定部材143(押圧爪部168)と取付部材142の当接フランジ部161との間で挟持固定した状態では、螺合受部材144のネジ穴172全体に取付ボルト230の雄ネジ部231が螺合され、無ネジ部233は、ネジ穴172の上方位置に配置される。
また、無ネジ部233において、雄ネジ部231との境目から係止溝234までの部分の高さ寸法L6は、前述した取付ボルト145の無ネジ部175の高さ寸法L3と同一に設定されている。そして、遊技機の取り外し作業を行う場合には、螺合受部材144のネジ穴172全体に取付ボルト230の雄ネジ部231が螺合された状態から、取付ボルト230の捻じ込みを解除すべく操作部232を工具(図示しない電動工具等)で回転操作し、このような操作部232の回転操作によってネジ穴172に対する雄ネジ部231の捻じ込みが弱められて、ネジ穴172と雄ネジ部231との螺合が解除される。これにより、押圧固定部材143(押圧爪部168)と取付部材142の当接フランジ部161との間での外枠9の挟持固定が解除されて、遊技機の取り外しが可能な状態となる。
但し、このとき、取付ボルト230と螺合受部材144(ネジ穴172)との係合が完全に解除されるのではなく、取付ボルト230は、係止溝234に係止されたEリング235が螺合受部材144の上壁面171と当接することで、螺合受部材144から完全には抜き取れずに、無ネジ部233が螺合受部材144のネジ穴172と係合した状態となる。即ち、遊技機の取り外し作業を行う作業員が工具(電動)を操作する仕方に関わらず(操作部232の回転操作をゆっくり行うか、あるいは一気に行うかに関わらず)、取付ボルト230は、無ネジ部233がネジ穴172と対応した位置で空回り状態となる。従って、作業員が作業を早めるために、工具(電動)で一気に取付ボルト230を回転させてしまうような場合でも、取付ボルト230と共に押圧固定部材143が一気に取付部材142から離脱するようなことがないので、取付ボルト230や押圧固定部材143が遊技島台1内に落下して、当該部材(取付ボルト230又は押圧固定部材143)の紛失あるいは変形を生じさせる事態を回避することができる。
また、第2変形例の取付ボルト240について説明する。図14(C),(D)に示すように、螺合受部材144のネジ穴172と螺合する雄ネジ部241と、該雄ネジ部241の一端に一体的に設けられて当該取付ボルト240を回転操作するための操作部242と、雄ネジ部241の他端(先端)側でネジ山が設けられない無ネジ部243と、を備えている。無ネジ部243の先端側には、係止ピン245を係止するための係止穴244が穿設されている。そして、雄ネジ部241において、無ネジ部243との境目から操作部242との境目までの部分、即ち、雄ネジ部241の高さ寸法L7は、前述した取付ボルト230の雄ネジ部231の高さ寸法L5と同一に設定されている。また、無ネジ部243において、雄ネジ部241との境目から係止穴244までの部分の高さ寸法L8は、前述した取付ボルト230の無ネジ部233の高さ寸法L6と同一に設定されている。
しかして、第2変形例における取付ボルト240の無ネジ部243には、前述した第1変形例における取付ボルト230の無ネジ部233に設けられたEリング235に替えて、係止ピン245が設けられる。これにより、遊技機の取り外し作業を行う場合でも、取付ボルト240と螺合受部材144(ネジ穴172)との係合が完全に解除されるのではなく、取付ボルト240は、係止穴244に係止された係止ピン245が螺合受部材144の上壁面171と当接することで、螺合受部材144から完全には抜き取れずに、無ネジ部243が螺合受部材144のネジ穴172と係合した状態となる。即ち、遊技機の取り外し作業を行う作業員が工具(電動)を操作する仕方に関わらず(操作部242の回転操作をゆっくり行うか、あるいは一気に行うかに関わらず)、取付ボルト240は、無ネジ部243がネジ穴172と対応した位置で空回り状態となり、結果として、取付ボルト240又は押圧固定部材143の紛失あるいは変形を生じさせる事態を回避することができる。
以上のように、本実施形態の構成によれば、遊技機(外枠9)を設置空間10内に設置する場合、先ず、取付ボルト145を螺合受部材144に対して緩めることによって押圧固定部材143を取付部材142の挿通穴160に沿ってスライド移動できるようにし、また、押圧爪部168による外枠9の押圧を解除し、この状態で、外枠9を設置空間10に対して前方から挿入して、外枠9の上辺部分又は下辺部分の後端面を押圧固定部材143の支持部164aと当接させる。そして、この状態から、取付ボルト145を螺合受部材144に対して捻じ込むことによって押圧固定部材143を取付部材142の挿通穴160に沿ってスライド移動できないようにし、また、押圧爪部168によって外枠9を押圧して、外枠9を設置空間10に固定する。なお、このとき、遊技機の傾斜角度は、外枠9の上辺部分又は下辺部分の後端面を支持する押圧固定部材143の支持部164aの位置、言い換えれば、取付部材142に対する押圧固定部材143のスライド移動位置によって調整される。
また、このような上側遊技機固定装置140の構成において、設置空間10に対する外枠9の挿入度合を調整する際に、押圧固定部材143の支持部164aが前後方向に移動する場合、これに伴って押圧固定部材143の押圧爪部168も一体的に前後方向に移動する。このため、上側遊技機固定装置140は、奥行き寸法が異なった遊技機(外枠9)を固定する際でも、外枠9の後端面から所定の前方位置を押圧することになる。その結果、外枠9の奥行き寸法が極端に短く設定される、あるいは傾斜角度の調整として外枠9を極端に前側に移動させることで、支持部164aの位置をかなり前方に移動させる必要がある場合でも、押圧爪部168による外枠9の固定位置が後端(例えば、木材とプラスチック等の硬質材料との組み合わせからなる外枠9において硬質材料が配置された後端部分)になってしまうことを回避することができ、確実に外枠9を固定することができる。
また、上記した遊技機固定装置140には、取付ボルト145を緩める際に当該取付ボルト145が螺合受部材144から一度に離脱することを防止する離脱防止手段が設けられている。このため、遊技機の交換作業において既に設置されている遊技機を取り外す際、作業員が作業を早めるために、取付ボルト145を目視することなく工具(電動)で一気に取付ボルト145を回転させてしまう事態が生じた場合でも、取付ボルト145が螺合受部材144から一度に離脱することを防止することができるので、遊技機の着脱作業に伴う各種構成部材の紛失あるいは変形を防止することができる。
また、離脱防止手段には、取付ボルト145を緩めて押圧爪部168による外枠9の押圧状態を解除した後に取付ボルト145を遊転させる手段があり、具体的には、取付ボルト145の第1雄ネジ部173aと連続的に形成され且つ螺合受部材144のネジ穴172と螺合しない無ネジ部175と、該無ネジ部175と連続的に形成され且つ螺合受部材144との係合によって無ネジ部175がネジ穴172と対応した位置で取付ボルト145を遊転させる第2雄ネジ部173bと、から離脱防止手段を構成することで、螺軸部材を緩めて押圧部による外枠の押圧状態を解除した後に螺軸部材を遊転させる構成を具現化することができる。
なお、以上説明した実施形態中の構成によれば、螺軸部材の螺合受部材に対する捻じ込みによって押圧部が外枠を押圧する方向に押圧固定部材を移動させる一方、螺軸部材を螺合受部材に対して緩めることによって押圧部が外枠の押圧を解除する方向に押圧固定部材を移動させる遊技機固定装置を例示しているが、この構成に限定するものではない。例えば、押圧固定部材に取り付けられる押圧ボルト(具体的には、上側遊技機固定装置140の押圧ボルト148)を本発明に係る押圧部とすることで、押圧固定部材の移動、言い換えれば、螺軸部材の螺合受部材に対する捻じ込み及び緩めに関わらずに、押圧部によって外枠の押圧及びその解除を行う構成としてもよい。
また、本発明に係る取付部材は、上部島枠又は下部島枠に直接取り付けられるものであってもよいし、間接的に取り付けられるものであってもよい。また、本発明に係る螺軸部材は、実施形態中に記載するボルトに限定せず、ビス等の部材であってもよい。