以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。先ず、図1及び図2を参照して、本実施形態に係る遊技島台1の概略構成について説明する。図1は、遊技島台1の内部構造の一部と玉貸機2、外枠9、及び間仕切り8を示す正面斜視図である。図2は、遊技島台1の内部構造の一部と玉貸機2、外枠9、及び間仕切り8を示す裏面斜視図である。
図1及び図2に示すように、遊技島台1には、複数の遊技機(図示しない)を取り付けるための上部島枠4と、下部島枠5と、がそれぞれ遊技機の高さ寸法とほぼ同一の間隔をあけて当該遊技島台1の長手方向に沿って掛け渡されている。下部島枠5の前端側は、遊技者が玉箱などを載置するためのいわゆるカウンター板6として突設されている。上部島枠4は、遊技機の上方に配置される図示しない補給樋などを覆い隠すための幕板3が取り付けられる固定枠のうちの下側の枠としての機能を兼ね備えている。下部島枠5の下方には、遊技島台1で循環使用されるパチンコ玉を貯留するための図示しない貯留タンクなどを覆い隠すための腰板13が取り付けられる。
上部島枠4と下部島枠5との間には、複数の遊技機間で所定の間隔を設けるための複数の間仕切り8が、遊技機の横幅寸法に当該遊技機に隣接されてパチンコ玉の貸し出しを制御する玉貸機2の横幅寸法を加えた値とほぼ同一の間隔をあけて取り付けられている。そして、上部島枠4、下部島枠5、及び隣接する2本の間仕切り8によって区画された空間が1台の遊技機を設置するための設置空間10として構成されている。なお、図1及び図2中には、木製材料から形成されて遊技機内枠(図示しない本体枠や遊技盤から構成される部材)の外周部分を覆う矩形状の外枠9と、該外枠9の下辺前端に取り付けられる装飾カバー板11と、上部島枠4の後側上面に取り付けられて遊技機から排出されたパチンコ玉を図示しない回収樋に送り込むアウト玉箱12と、遊技機(外枠9)に隣接して設けられる玉貸機2と、が設置空間10に取り付けられた状態を図示している。また、遊技機は、装飾カバー板11が取り付けられた外枠9と、該外枠9内に取り付けられる遊技機内枠とから構成されるものである。
また、設置空間10を区画形成する下部島枠5には、傾斜角度(ねかせ角度)を調整可能に遊技機を当該設置空間10内に固定するための下側遊技機固定装置200が左右2箇所に取り付けられている。一方、設置空間10を区画形成する上部島枠4には、傾斜角度(ねかせ角度)を調整可能に遊技機を当該設置空間10内に固定するための上側遊技機固定装置140が左右2箇所に取り付けられている。なお、下側遊技機固定装置200は、下部島枠5の後側上面にビスで固定されることにより下部島枠5の上面に取り付けられ、上側遊技機固定装置140は、上部島枠4の後端部分にビスで固定されることにより上部島枠4の下面に取り付けられる。また、外枠9の下辺部分は、下部島枠5の上面に固定された支承板7の上面に載置されるようになっている。
次に、上側遊技機固定装置140の構成について、図3乃至図7を参照して説明する。図3は、上側遊技機固定装置140と賞球補給装置14がスライド調整機構180を介して上部島枠4に取り付けられた状態を示す上方からの斜視図である。図4は、上側遊技機固定装置140と賞球補給装置14がスライド調整機構180を介して上部島枠4に取り付けられた状態を示す下方からの斜視図である。図5(A)は、取付ベースを除いた上側遊技機固定装置140を示す上方からの斜視図であり、図5(B)は、取付ベース141を除いた上側遊技機固定装置140を示す下方からの斜視図である。図6(A)は、上側遊技機固定装置140及びスライド調整機構180を示す縦断面図であり、図6(B)は、スライド調整機構180を示す縦断面図である。図7(A)〜(C)は、それぞれ上側遊技機固定装置140を示す縦断面図である。なお、以下に示す上側遊技機固定装置140の説明では、図5(A)に示す上下方向を基準として上側遊技機固定装置140を構成する各種部材の名称を付けるものであるが、実際、上側遊技機固定装置140の取り付けは、図5(A)の状態を上下反転した図5(B)及び図6の状態で行われるものである。
上側遊技機固定装置140は、図3及び図4に示すように、賞球補給装置14と共にスライド調整機構180を介して上部島枠4に取り付けられる。なお、賞球補給装置14は、補給樋から送り込まれるパチンコ玉を分岐装置及びスプリングホース(共に図示しない)を介して受け入れて、各遊技機の背面上部に設けられる賞球タンクに供給するものであり、金属板からなる支持基板15、該支持基板15に固着されると共にパチンコ玉を一列に整列して流下させる整列通路16、該整列通路16と連通すると共にその先端が賞球タンク内に臨む補給筒(図示しない)、該補給筒との間で二又状に形成された作動腕17、等の各種構成部材から構成されている。また、スライド調整機構180は、賞球補給装置14及び上側遊技機固定装置140をそれぞれ上部島枠4に対してスライド調整可能に固定するものであり、その詳細については後述する。
上側遊技機固定装置140は、図5及び図6に示すように、スライド調整機構180に取り付けられる取付ベース141と、該取付ベース141に一体的に取り付け固定される取付部材142と、外枠9の上辺部分の下面を上方に押圧して固定する押圧固定部材143と、該押圧固定部材143を取付部材142に対してスライド移動可能に取り付ける螺合受部材144及び螺軸部材としての取付ボルト145と、取付部材142内に配置されて螺合受部材144を付勢するコイルスプリング146と、取付部材142を取付ベース141に取り付け固定するための固定ボルト147と、押圧固定部材143に取り付けられて外枠9の上辺部分を押圧する押圧ボルト148と、を備えている。なお、押圧ボルト148は、図5においてのみ図示するものであり、図4、図6、及び図7中では、押圧ボルト148の図示を省略している。
取付ベース141は、長板状の基板部150を備えた金属板が折曲されて形成されており、基板部150の前端側には、取付ベース141を上部島枠4に設けられるスライド調整機構180に取り付けるための取付穴151を穿設した取付フランジ部152が折曲形成されている。基板部150には、固定ボルト147によって取付部材142を取付ベース141に固定するためのネジ穴153,154が前後2箇所に穿設されている。なお、固定ボルト147は、ネジ穴153,154のいずれか一方と螺合することで取付部材142を取付ベース141に固定するものである。また、基板部150の短手方向の両端には、それぞれ取付部材142の横幅方向の取付位置を規制するための規制フランジ部155が下方に折曲形成されている(図3及び図4参照)。即ち、左右一対の規制フランジ部155が形成された基板部150は、後述する取付部材142の左右の側壁面156を内嵌する断面凹形状に形成されている。
取付部材142は、金属板が折曲されて、左右の側壁面156、上壁面157、前壁面158、及び後壁面159を備えた形状に形成されている。上壁面157には、取付ボルト145を挿通するための挿通穴160が長穴形状に穿設されている。前壁面158の下端には、上側遊技機固定装置140によって外枠9を固定する際に外枠9の上辺部分の上端面と当接する当接フランジ部161が形成されている。一方、後壁面159の下端には、取付部材142を取付ベース141に取り付けるための取付フランジ部162が形成されており、該取付フランジ部162には、固定ボルト147を挿通するための挿通穴163が穿設されている。そして、取付部材142は、取付フランジ部162(挿通穴163)に挿通された固定ボルト147が、上部島枠4の後端部分にビス止めされた取付ベース141のネジ穴153,154のいずれか一方に捻じ込まれることで、取付ベース141に一体的に取り付け固定される。なお、このような取付部材142の取り付け状態において、上壁面157に穿設された長穴形状の挿通穴160は、その条設方向が設置空間10に設置される遊技機(外枠9)の前後方向と並行になるように配される。
押圧固定部材143は、金属板が折曲されて、左右の側壁面164、上壁面165、及び後壁面166を備えた形状に形成されている。左右の側壁面164は、それぞれ取付部材142の左右の側壁面156を個々に外嵌する形状に形成されており、その前端部分は、設置空間10に設置される外枠9の上辺部分の後端面と当接して該後端面を支持する支持部164aを構成している。上壁面165の後側部分には、取付ボルト145を取り付けるための取付穴167が穿設されている。一方、上壁面165の前端側は、前方に延設されており、その先端部分は、下方にほぼ直角に折曲されて複数(実施形態中では、3つ)の押圧爪部168(押圧部)が形成されている。また、上壁面165の前側部分には、ボルト取付用のネジ穴165aが穿設されている。このネジ穴は、押圧ボルト148の捻じ込みを可能にして、当該押圧ボルト148の先端部分で外枠9の上辺下面を押え込むようになっている。後壁面166は、側壁面164に比べて高さ寸法が短く設定されている。このため、押圧固定部材143を取付部材142に取り付けた状態で、後壁面166が取付部材142を外嵌することはなく、後壁面166の下端部分(以下、これを当接部166aという)は、押圧固定部材143による外枠9の上辺部分の押圧状態に応じて取付部材142の上壁面157と当接するようになっている。
螺合受部材144は、前壁面169、後壁面170、及び上壁面171を備えた形状に金属板が折曲形成されて、取付部材142の上壁面157と取付ベース141の基板部150との間の空間内に配置される。上壁面171には、取付ボルト145と螺合するネジ穴172が穿設されている。取付ボルト145は、螺合受部材144のネジ穴172と螺合する雄ネジ部173と、該雄ネジ部173の上端に一体的に設けられて当該取付ボルト145を回転操作するための操作部174と、を備えている。そして、取付ボルト145の雄ネジ部173が、押圧固定部材143の取付穴167及び取付部材142の挿通穴160に順次挿通され、この状態から、螺合受部材144のネジ穴172に螺合される。これにより、押圧固定部材143が、螺合受部材144及び取付ボルト145によって取付部材142に取り付けられて、上側遊技機固定装置140が組み付けられる。なお、コイルスプリング146は、その一端が取付部材142の後壁面159と当接する一方、他端が螺合受部材144の後壁面170と当接するように取付部材142内に配置されて、螺合受部材144を常時前方に付勢するようになっている。
次に、上記した上側遊技機固定装置140及び賞球補給装置14をそれぞれ上部島枠4に対してスライド調整可能に固定するスライド調整機構180について説明する。なお、以下の説明では、便宜的に、上側遊技機固定装置140をスライド調整可能に固定するスライド調整機構180についてのみ説明を行う。スライド調整機構180は、図6(A),(B)に示すように、上部島枠4にビス止めされるスライドベース181と、上側遊技機固定装置140を構成する取付ベース141の取付フランジ部152に蝶ボルト182で取り付け固定されるスペーサ183及びスライド板184と、該スライド板184に取り付けられる蝶ボルト185及びワッシャー186と、から構成されている。
スライドベース181は、断面が「L」字状に形成されると共に、その全長が外枠9の横幅寸法とほぼ同一に設定されている。上部島枠4の上端面と面接触して固定されるスライドベース181の上壁片187には、ビス止め用の取付穴188が複数穿設され、スライドベース181の側壁片189には、スペーサ183及びスライド板184と係合するスライド溝191が上下一対の溝形成壁190によってスライドベース181の全長に亘って条設されている。
スペーサ183は、ほぼ正方形状の平板からなり、その平板面には蝶ボルト182と螺合するネジ穴192が穿設されている。一方、スライド板184は、スペーサ183に比べて若干大きめとなる横長方形状の平板からなり、その平板面には蝶ボルト182,185と個々に螺合するネジ穴193,194が長手方向に沿って穿設されている。そして、スペーサ183及びスライド板184は、それぞれネジ穴192,193を介して蝶ボルト182で取付ベース141の取付フランジ部152(取付穴151)に取り付け固定される。また、スペーサ183の横長寸法は、取付フランジ部152の横幅寸法とほぼ同一に設定されており、スライド板184の横長寸法は、取付フランジ部152の横幅寸法に比べて長めに設定されている。このため、スペーサ183は、取付フランジ部152の左右両側端から突出することなく取付ベース141に固定される。これに対して、スライド板184は、取付ベース141との間にスペーサ183を挟持した状態で且つその一端側(ネジ穴194が穿設された側)が取付フランジ部152の一側端から突出した状態で固定される。そして、取付フランジ部152から突出したスライド板184の一端側部分(ネジ穴194が穿設された部分)は、蝶ボルト185及びワッシャー186の取付部195を構成するようになっている。
しかして、上記したスライド調整機構180を構成するスライドベース181は、遊技島台1に設置される各遊技機毎に各取付穴188を介して上部島枠4にビス止めして取り付けられる。次いで、このように上部島枠4に固定されたスライドベース181のスライド溝191に、上側遊技機固定装置140の取付ベース141が蝶ボルト182で固定されたスライド調整機構180のスペーサ183及びスライド板184を側方からスライド挿入することで、上側遊技機固定装置140が上部島枠4に固定されたスライドベース181に対してスライド可能に取り付けられる。そして、遊技機を構成する外枠9の上辺部分を固定する位置に上側遊技機固定装置140をスライド移動させ、この状態でスライド板184の取付部195に取り付けられた蝶ボルト185を締め付ける。これにより、スライド板184とワッシャー186との間で、スライド溝191を形成するスライドベース181の溝形成壁190を挟持することになり、結果として、上側遊技機固定装置140が外枠9を固定する所望の位置に固定される。
次に、以上説明した上側遊技機固定装置140によって遊技機(外枠9)を設置空間10内で傾斜角度の調整を可能に固定する手順について説明する。なお、上側遊技機固定装置140の組み付けにおいて、取付部材142は、取付ベース141に対して2通りの取り付け状態のうちいずれか一方の状態で取り付けが行われる。即ち、取付部材142の取付フランジ部162に挿通された固定ボルト147を取付ベース141の基板部150に穿設された後側のネジ穴154に捻じ込んで、取付部材142を取付ベース141に取り付け固定した場合には、図6(A)に示すように、取付ベース141に対して取付部材142が後側に取り付けられることで、取付ベース141がビス止めされる上部島枠4に対して押圧固定部材143が後側に配置される。このため、外枠9の奥行き寸法が大きく設定されているとき、言い換えれば、外枠9の後端面が後方に入り込んで設置されるときには、図6(A)に示す状態で押圧固定部材143を後側に配置することにより、奥行き寸法が大きい外枠9に対応した固定作業が行える。
一方、取付部材142の取付フランジ部162に挿通された固定ボルト147を取付ベース141の基板部150に穿設された前側のネジ穴153に捻じ込んで、取付部材142を取付ベース141に取り付け固定した場合には、取付ベース141に対して取付部材142が前側に取り付けられることで、取付ベース141がビス止めされる上部島枠4に対して押圧固定部材143が前側に配置される。このため、外枠9の奥行き寸法が小さく設定されているとき、言い換えれば、外枠9の後端面が後方に入り込まずに設置されるときには、押圧固定部材143を前側に配置することにより、奥行き寸法が小さい外枠9に対応した固定作業が行える。
そして、上記した上側遊技機固定装置140に対して、図7(A)に示すように、外枠9の上辺上面が取付部材142の当接フランジ部161と当接された状態で設置空間10内に外枠9が挿入されると、次いで、図7(B)に示すように、外枠9の上辺部分における傾斜角度を調整するための調整器具Cを用いて外枠9の傾斜角度を調整する。具体的には、調整器具Cの押圧面部C1を外枠9の上辺前面と当接させた状態で、調整器具Cの調整凹部C2が上部島枠4の前端面と当接する位置まで調整器具Cを押し込むことで、上部島枠4に対する外枠9の上辺部分の前後位置を調節し、これによって外枠9の上辺部分における傾斜角度を調整する。但し、この場合、外枠9の下辺部分を固定したことを前提として、外枠9の上辺部分を前後方向に位置調節することで傾斜角度の調整が行われるものである。また、このとき、押圧固定部材143は、押圧爪部168による外枠9の押圧を解除した状態にあり、取付部材142の挿通穴160に対する取付ボルト145の移動方向、言い換えれば、設置空間10に設置される遊技機(外枠9)の前後方向に沿ってスライド移動が可能となっている。従って、調整器具Cによって外枠9が後方に押し込まれる際、これに伴って、押圧固定部材143は、側壁面164の前端部分である支持部164aが外枠9の上辺後端面と当接した状態でコイルスプリング146の付勢力に抗して後方にスライド移動する。
その後は、図7(C)に示すように、取付ボルト145の雄ネジ部173を螺合受部材144のネジ穴172に捻じ込むことで、重力に抗して押圧固定部材143を取付部材142に近づく方向(上方向)に移動させ、最終的に、押圧爪部168が外枠9の上辺下面に刺し込まれながら当該上辺下面を上方に押し込む位置まで押圧固定部材143を移動させ、これによって、押圧固定部材143(押圧爪部168)と取付部材142の当接フランジ部161との間で外枠9の上辺部分を挟持固定する。また、このとき、押圧固定部材143のネジ穴165aに押圧ボルト148を捻じ込むことで、当該押圧ボルト148の先端部分でも外枠9の上辺下面を押え込む。これにより、外枠9が硬質プラスチック等の硬質材料から形成されて硬度の高い外枠9を上側遊技機固定装置140で固定する場合でも、硬質な外枠9による押圧爪部168の押し返し(のけ反り)を抑えることができ、強い押し込み力で外枠9を確実に固定することができる。但し、外枠9がプラスチック製など比較的硬質な材料で形成されている場合には、押圧ボルト148に替えてビスを押圧固定部材143のネジ穴165aに捻じ込んでビス止めするようにすれば、より強固に外枠9の固定を行うことができる。
なお、押圧固定部材143の押圧爪部168によって外枠9を下方から押圧して固定する際、押圧固定部材143は、押圧爪部168を介して外枠9の上辺下面から強い反力を受けることになるが、このような押圧爪部168による押圧状態で、押圧固定部材143の後壁面166の当接部166aは、取付部材142の上壁面157と当接するようになっている。このため、押圧固定部材143の一端部分である押圧爪部168にかかる強い反力は、押圧固定部材143の他端部分である当接部166aと当接する取付部材142の上壁面157で受けられるので、押圧固定部材143が外枠9からの反力を受けて変形するという事態を回避することができる。
また、上側遊技機固定装置140は、取付部材142内に配置されて螺合受部材144を前方に付勢するコイルスプリング146を備えた構成となっている。このため、取付ボルト145を介して螺合受部材144と一体的に取り付けられる押圧固定部材143も同様に、コイルスプリング146の弾性力によって前方に付勢されるようになっている。従って、遊技機(外枠9)を固定する場合、外枠9の上辺部分の後端面を支持する押圧固定部材143の支持部164aは、常に外枠9の上辺部分を前方に押圧する方向、言い換えれば、外枠9の上辺部分の後端面との隙間をなくす方向に自動的に移動することになる。その結果、押圧固定部材143の支持部166aと外枠9の上辺部分の後端面とを密着させることで、外枠9を確実に支持した状態で上側遊技機固定装置140による遊技機(外枠9)の固定を行うことができる。
さらには、コイルスプリング146の弾性力によって押圧固定部材143を前方に付勢する構成とすることで、遊技機を固定していない状態で、常に押圧固定部材143をスライド移動可能な最前方位置に移動させておくことができる。このため、設置空間10への遊技機の取り付け及び取り外し作業毎で押圧固定部材143を後方位置から前方に戻すような些細な作業が不要になる。然も、入れ替えて設置する遊技機(外枠9)の奥行き寸法が入れ替え前のものと異なるような場合でも、押圧固定部材143の支持部164aは、常に外枠9を前方に押圧する方向、言い換えれば、外枠9の上辺部分の後端面との隙間をなくす方向に自動的に移動することになるので、外枠9の奥行き寸法に応じて押圧固定部材143を前後方向に移動調整する必要がなくなり、外枠9の固定作業を容易にできる。
なお、遊技機の固定作業をやり慣れない作業員の場合、押圧固定部材143の支持部166aと外枠9の上辺部分の後端面との間で隙間が生じてしまい、外枠9の支持状態が不安定のまま遊技機を固定してしまうようなこともあり得るが、上記した構成であれば、固定作業の熟練度合いに関わらず確実な支持状態で遊技機を固定することができる。
また、上記した構成によれば、コイルスプリング146の弾性力によって押圧固定部材143の支持部164aが前後方向に移動する場合、これに伴って押圧固定部材143の押圧爪部168も一体的に前後方向に移動するようになっている。このため、上側遊技機固定装置140は、奥行き寸法が異なった遊技機(外枠9)を固定する際でも、外枠9の上辺部分の後端面から所定の前方位置を押圧することになる。その結果、外枠9の奥行き寸法が極端に短く設定される、あるいは傾斜角度の調整として外枠9を極端に前側に移動させることで、支持部164aの位置をかなり前方に移動させる必要がある場合でも、押圧爪部168による外枠9の固定位置が後端になってしまうことを回避することができ、確実に外枠を固定することができる。なお、このような作用については、後述する第二実施形態における下側遊技機固定装置300の説明で詳細に説明する。
次に、本発明に係る実施形態ではないが、上記した上側遊技機固定装置140の構成と類似した構成を有する第一実施形態に係る下側遊技機固定装置200の構成について、図8乃至図10を参照して説明する。図8は、下部島枠5に取り付けられた下側遊技機固定装置200を示す斜視図である。図9(A)は、下側遊技機固定装置200を示す斜視図であり、図9(B)は、下側遊技機固定装置200を示す分解斜視図である。図10(A)〜(D)は、それぞれ下側遊技機固定装置200を示す縦断面図である。なお、第一実施形態に係る下側遊技機固定装置200は、本発明に係る遊技機固定装置を具現化したものではなく、参考例として示すものであり、本発明に係る遊技機固定装置を具現化したものは、後述する第二実施形態の下側遊技機固定装置300として示すものである。
下側遊技機固定装置200は、図8に示すように、アウト玉箱12と共に下部島枠5に取り付けられる。なお、下部島枠5に取り付けられる下側遊技機固定装置200及びアウト玉箱12についても、前述した上側遊技機固定装置140と同様に、スライド調整機構180を介して下部島枠5に取り付けることで、下部島枠5に対してスライド調整可能に固定するようにしてもよい。
下側遊技機固定装置200は、図9に示すように、下部島枠5の上面に固定される取付ベース201と、該取付ベース201の上側に取り付けられる取付部材202と、外枠9の下辺部分の上面を下方に押圧することで外枠の下辺部分を固定する押圧固定部材203と、該押圧固定部材203を取付部材202の上側に取り付ける螺合部材204,205と、を備えている。なお、図示の実施形態の場合には、取付部材202は取付ベース201と一体的に下部島枠5に取り付けられるようになっており、押圧固定部材203は、取付部材202に対してスライド移動可能に取り付けられ、螺合部材204,205は、螺合受部材204と螺軸部材としての取付ボルト205とから構成されている。更に、本実施形態に係る下側遊技機固定装置200おいては、後に詳述する2つのコイルスプリング207,209も備えている。
取付ベース201は、ほぼ正方形状の金属板からなり、その四隅部分の近傍にはそれぞれ取付ベース201を下部島枠5にビス止めするための取付穴210が穿設されている。但し、実際にビス止めされる取付穴210は、取付ベース201の前端側に穿設された2つの取付穴210である。取付部材202は、金属板が折曲されて、上壁面211、左右の側壁面212a、及び後壁面212bを備えた形状に形成されている。上壁面211には、取付ボルト205を挿通するための挿通穴211aが長穴形状に穿設されている。左右の側壁面212aの下端には、それぞれ取付部材202を取付ベース201上に取り付けるための取付フランジ部213が形成されており、該取付フランジ部213には、取付ベース201に穿設された4つの取付穴210と個々に対応する取付穴213aが穿設されている。そして、取付ベース201及び取付部材202は、それぞれ各取付穴210,213aを介して下部島枠5に一体的にビス止めして取り付けられる。なお、取付部材202は、長穴形状をなす挿通穴211aの条設方向が設置空間10に設置される遊技機(外枠9)の前後方向と並行になるように取り付けられる。
押圧固定部材203は、金属板が折曲されて、左右の側壁面214、上壁面215、及び後壁面216を備えた形状に形成されている。左右の側壁面214は、それぞれ取付部材202の左右の側壁面212aを個々に外嵌する形状に形成されており、その前端部分は、設置空間10に設置される外枠9の下辺部分の後端面と当接して該後端面を支持する支持部214aを構成している。上壁面215の後側寄り部分には、取付ボルト205を取り付けるための取付穴217が穿設されている。一方、上壁面215の前端側は、設置空間10に設置される遊技機の外枠9の下辺部分の上方の位置まで延設されており、その先端部分は、下方にほぼ直角に折曲されて複数(実施形態中では、3つ)の押圧爪部218(押圧部)が形成されている。後壁面216は、側壁面214に比べて高さ寸法が短く設定されている。このため、押圧固定部材203を取付部材202に取り付けた状態で、左右の側壁面214が取付部材202の左右の側壁面212aを外嵌することができるようになっており、後壁面216の下端部分(以下、これを当接部216aという)は、押圧固定部材203による外枠9の下辺部分の押圧状態に応じて取付部材202の上壁面211と当接するようになっている。
螺合受部材204は、前壁面220a、後壁面220b、及び上壁面221を備えた形状に金属板が折曲形成されて、取付部材202の上壁面211と取付ベース201との間の空間内に配置される。上壁面221には、取付ボルト205と螺合するネジ穴222が穿設されている。なお、螺合受部材204の後壁面220bと取付部材202の後壁面212bとの間には、コイルスプリング209が配置される。これにより、螺合受部材204は、コイルスプリング209の弾性力によって、常時前方に付勢されるようになっている。取付ボルト205は、螺合受部材204のネジ穴222と螺合する雄ネジ部223と、該雄ネジ部223の上端に一体的に設けられて当該取付ボルト205を回転操作するための操作部224と、を備えている。
そして、取付ボルト205が、押圧固定部材203の取付穴217、コイルスプリング207、及び取付部材202の挿通穴211aに順次挿通され、この状態から、雄ネジ部223の下端部分が、螺合受部材204のネジ穴222に螺合される。これにより、押圧固定部材203が、螺合受部材204、及び取付ボルト205によって取付部材202に取り付けられて、下側遊技機固定装置200が組み付けられる。また、このような下側遊技機固定装置200の組み付けによって、押圧固定部材203の上壁面215と取付部材202の上壁面211との間には、コイルスプリング207が配置されることになり、該コイルスプリング207は、上壁面215が取付ボルト205の操作部224と当接するように押圧固定部材203を常時付勢する。なお、コイルスプリング207は、そのコイル巻回径が下端から上端にかけて徐々に縮径することで、とぐろ状に形成されており、上端部分のコイル巻回径は、取付ボルト205の雄ネジ部223のネジ径と同一に設定されている。また、螺合受部材204の後壁面220bと取付部材202の後壁面212bとの間に配置されたコイルスプリング209は、前述したように螺合受部材204を常時前方に付勢するものであるが、この螺合受部材204と取付ボルト205によって連結される押圧固定部材203も常時前方に付勢するものである。
しかして、以上説明した下側遊技機固定装置200によって外枠9の下辺部分を設置空間10内に固定する場合、図10(A)に示すように、先ず、外枠9を設置空間10の前方から挿し入れる。このとき、取付ボルト205の雄ネジ部223が螺合受部材204のネジ穴222に対して緩めることで、押圧固定部材203は、コイルスプリング207の付勢力によって取付部材202から遠ざかる方向(上方向)に移動されている。これにより、螺合受部材204に対する取付ボルト205の捻じ込みを弱めた状態でも、押圧固定部材203の押圧爪部218が自重によって下方に落ち込むことを回避できる。従って、外枠9を設置空間10に対して前方から挿入する際でも、外枠9の設置空間10内への挿入を阻害しない位置に押圧爪部218を移動させておくことができ、外枠9の固定作業を容易にできる。
また、このとき、押圧固定部材203は、取付ボルト205(雄ネジ部223)のネジ穴222に対する捻じ込みが緩められ、然も、外枠9に対して押圧爪部218が当接して押圧していない状態にあるため、取付部材202の挿通穴211aに対する取付ボルト205の移動方向、言い換えれば、設置空間10に設置される遊技機(外枠9)の前後方向に沿ってスライド移動が可能となっている。そして、図10(B),(C)に示すように、外枠9の下辺部分を支承板7上で前後方向に移動調整することで、下部島枠5に対する外枠9の下辺部分の前後位置を調節し、これによって外枠9の下辺部分における遊技機の傾斜角度を調整する。但し、この場合、外枠9の上辺部分を固定したことを前提として、外枠9の下辺部分を前後方向に位置調節することで遊技機の傾斜角度の調整が行われるものである。また、外枠9の下辺部分を前後方向に移動する際、これに伴って、押圧固定部材203は、側壁面214の前端部分である支持部214aが外枠9の下辺後端面と当接した状態でコイルスプリング209の付勢力に抗して後方にスライド移動したり付勢力により前方にスライド移動したりする。
その後、図10(D)に示すように、外枠9の下辺部分における前後位置を調節することで、外枠9の下辺部分における遊技機の傾斜角度の調整が完了すると、取付ボルト205の雄ネジ部223を螺合受部材204のネジ穴222に捻じ込むことで、コイルスプリング207の付勢力に抗して押圧固定部材203を取付部材202に近づく方向(下方向)に移動し、最終的に、押圧爪部218が外枠9の下辺上面に刺し込まれながら押圧固定部材203を移動させる。これにより、押圧固定部材203(押圧爪部218)と支承板7との間で外枠9の下辺部分を挟持固定する。
また、下側遊技機固定装置200においても、前述した上側遊技機固定装置140と同様に、取付部材202内に配置されて螺合受部材204を前方に付勢するコイルスプリング209を備えた構成となっている。このため、取付ボルト205を介して螺合受部材204と一体的に取り付けられる押圧固定部材203も同様に、コイルスプリング209の弾性力によって前方に付勢されるようになっている。従って、遊技機(外枠9)を固定する場合、外枠9の下辺部分の後端面を支持する押圧固定部材203の支持部214aは、常に外枠9の下辺部分を前方に押圧する方向、言い換えれば、外枠9の下辺部分の後端面との隙間をなくす方向に自動的に移動することになる。その結果、押圧固定部材203の支持部214aと外枠9の下辺部分の後端面とを密着させることで、外枠9を確実に支持した状態で下側遊技機固定装置200による遊技機(外枠9)の固定を行うことができる。
さらには、コイルスプリング209の弾性力によって押圧固定部材203を前方に付勢する構成とすることで、遊技機を固定していない状態で、常に押圧固定部材203をスライド移動可能な最前方位置に移動させておくことができる。このため、設置空間10への遊技機の取り付け及び取り外し作業毎で押圧固定部材203を後方位置から前方に戻すような些細な作業が不要になる。然も、入れ替えて設置する遊技機(外枠9)の奥行き寸法が入れ替え前のものと異なるような場合でも、押圧固定部材203の支持部214aは、常に外枠9を前方に押圧する方向、言い換えれば、外枠9の下辺部分の後端面との隙間をなくす方向に自動的に移動することになるので、外枠9の奥行き寸法に応じて押圧固定部材203を前後方向に移動調整する必要がなくなり、外枠9の固定作業を容易にできる。
また、上記した構成によれば、コイルスプリング209の弾性力によって押圧固定部材203の支持部214aが前後方向に移動する場合、これに伴って押圧固定部材203の押圧爪部218も一体的に前後方向に移動するようになっている。このため、下側遊技機固定装置200は、奥行き寸法が異なった遊技機(外枠9)を固定する際でも、外枠9の下辺部分の後端面から所定の前方位置を押圧することになる。その結果、外枠9の奥行き寸法が極端に短く設定される、あるいは遊技機の傾斜角度の調整として外枠9を極端に前側に移動させることで、支持部214aの位置をかなり前方に移動させる必要がある場合でも、押圧爪部218による外枠9の固定位置が後端になってしまうことを回避することができ、確実に外枠を固定することができる。なお、このような作用については、後述する第二実施形態における下側遊技機固定装置300の説明で詳細に説明する。
また、上記した押圧固定部材203の押圧爪部218によって外枠9を上方から押圧して固定する際、押圧固定部材203は、押圧爪部218を介して外枠9の下辺上面から強い反力を受けることになるが、このような押圧爪部218による押圧状態で、押圧固定部材203の後壁面316の当接部316aは、取付部材202の上壁面31と当接するようになっている。このため、押圧固定部材203の一端部分である押圧爪部218にかかる強い反力は、押圧固定部材203の他端部分である当接部316aと当接する取付部材202の上壁面31で受けられるので、押圧固定部材203が外枠9からの反力を受けて変形するという事態を抑制することができる。
ところで、押圧固定部材203の上壁面215と取付部材202の上壁面211との間に配置されるコイルスプリング207は、押圧固定部材203を常時上方に付勢することで、押圧固定部材203の押圧爪部218が外枠9の下辺上面を下方に押し込んでいない状態でも、押圧爪部218が設けられる押圧固定部材203の先端側が自重によって下方に落ち込まない、言い換えれば、支承板7との間隔を狭める方向に移動しないようにしている。このため、外枠9を設置空間10の前方から挿し入れる際に、押圧固定部材203を取付部材202から遠ざかる方向(上方向)に移動させた状態でも、押圧固定部材203の先端側(押圧爪部218側)の落ち込みを抑えて、押圧爪部218が外枠9の設置空間10内への挿入を阻害しないようにできる。
また、コイルスプリング207は、そのコイル巻回径が下端から上端にかけて徐々に縮径することで、とぐろ状に形成されており、上端部分のコイル巻回径は、取付ボルト205の雄ネジ部223のネジ径と同一に設定されている。このため、コイルスプリング207は、その上端部分が雄ネジ部223に係止された状態で押圧固定部材203と取付部材202との間に配置されることになる。従って、部品交換等で下側遊技機固定装置200を分解する際に、螺合受部材204に対する取付ボルト205の捻じ込みを解除して押圧固定部材203を取り外すときでも、コイルスプリング207が雄ネジ部223からはずれて不意に飛び出してしまうことを回避できる。その結果、下側遊技機固定装置200の分解作業時に、コイルスプリング207が遊技島台1内でパチンコ玉の玉流れを阻害する場所に紛れ込んでしまう不具合を回避することができる。
上記した下側遊技機固定装置200は、本発明に係る遊技機固定装置を具現化したものではなく、本発明の目的を達成する前のものであり、次に説明する第二実施形態に示す下側遊技機固定装置300の構成が本発明に係る遊技機固定装置を具現化したものである。以下、第二実施形態の下側遊技機固定装置300について、図11乃至図13を参照して説明する。図11(A)は、第二実施形態における下側遊技機固定装置300を示す斜視図であり、図11(B)は、第二実施形態における下側遊技機固定装置300を示す一部分解斜視図であり、図11(C)は、第二実施形態における下側遊技機固定装置300を示す分解斜視図である。図12(A)〜(D)は、それぞれ第二実施形態における下側遊技機固定装置300を示す縦断面図である。図13(A),(B)は、それぞれ従来例における下側遊技機固定装置400を示す縦断面図であり、図13(C),(D)は、それぞれ第二実施形態における下側遊技機固定装置300を示す縦断面図である。
下側遊技機固定装置300は、図11(A)〜(C)に示すように、下部島枠5の上面に取付ベース301を介して固定されるベース部材308と、該ベース部材308の上側に取り付けられる取付部材302と、外枠9の下辺部分の上面を下方に押圧することで外枠の下辺部分を固定する押圧固定部材303と、該押圧固定部材303を取付部材302の上側に取り付ける螺合部材304,305と、を備えている。なお、図示の実施形態の場合には、取付ベース部材308は取付ベース301と一体的に下部島枠5に取り付けられるようになっており、押圧固定部材303は、取付部材302に対してスライド移動可能に取り付けられ、螺合部材304,305は、螺合受部材304と螺軸部材としての取付ボルト305とから構成されている。更に、第二実施形態に係る下側遊技機固定装置300おいては、後に詳述する2つのコイルスプリング307,309も備えている。
取付ベース301は、長方形状の木材からなり、関東枠と関西枠の高さが異なる場合のスペーサの役割を果たしている。また、取付ベース301には、当該取付ベース301を下部島枠5にビス止めするための取付穴310が6箇所に穿設されている。ベース部材308は、取付ベース301に穿設された6つの取付穴310と個々に対応する6つの取付穴330が穿設された長方形状の金属板からなる。また、ベース部材308の後端部分には、固定ボルト306を介して取付部材302を当該ベース部材308に取り付けるための固定穴331が穿設される一方、ベース部材308の前端部分には、取付部材302を係止するT字状の係止突片332が立設されている。なお、T字状をなす係止突片332の上辺部を形成する左右の突出部分は、それぞれ後述する左右一対の係合突起313の各上下位置決め係合部313aと個々に係合する上下位置決め係止部332aを構成しており、該上下位置決め係止部332aと上下位置決め係合部313aとの係合によって、取付部材302をベース部材308に対して上下方向で位置決め固定するようになっている。また、T字状をなす係止突片332の垂直基部の両端部分は、それぞれ左右一対の係合突起313の各左右位置決め係合部313bと個々に係合する左右位置決め係止部332bを構成しており、該左右位置決め係止部332bと左右位置決め係合部313bとの係合によって、取付部材302をベース部材308に対して左右方向で位置決め固定するようになっている。
取付部材302は、金属板が折曲されて、上壁面311、左右の側壁面312a、及び後壁面312bを備えた形状に形成されている。上壁面311には、取付ボルト305を挿通するための挿通穴311aが長穴形状に穿設されている。左右の側壁面312aの前端には、それぞれベース部材308の係止突片332と係合する左右一対の係合突起313が形成されている。係合突起313の上端部分は、ベース部材308の上下位置決め係止部332aと係合する上下位置決め係合部313aを構成しており、係合突起313の内壁部分は、ベース部材308の左右位置決め係止部332bと係合する左右位置決め係合部313bを構成している。また、後壁面312bの下端には、取付部材302をベース部材308に固定ボルト306で固定するための固定フランジ部333が後方に向かって延設形成されており、該固定フランジ部333には、ベース部材308に穿設された固定穴331と対応する取付穴333aが穿設されている。
そして、取付ベース301及びベース部材308は、それぞれ各取付穴310,330を介して下部島枠5に一体的にビス止めして取り付けられる。また、このようにして下部島枠5上に取り付けられたベース部材308に対して、取付部材302が取り付けられる。具体的には、ベース部材308の係止突片332(上下位置決め係止部332a、左右位置決め係止部332b)に対して、取付部材302の係合突起313(上下位置決め係合部313a、左右位置決め係合部313b)が係止されると共に、ベース部材308の固定穴331に対して、取付部材302の固定フランジ部333に設けられた取付穴333aが固定ボルト306で固定されることで、ベース部材308上に取付部材302が取り付けられる。なお、取付部材302は、長穴形状をなす挿通穴311aの条設方向が設置空間10に設置される遊技機(外枠9)の前後方向と並行になるように取り付けられる。
押圧固定部材303は、金属板が折曲されて、左右の側壁面314、上壁面315、及び後壁面316を備えた形状に形成されている。左右の側壁面314は、それぞれ取付部材302の左右の側壁面312aを個々に外嵌する形状に形成されており、その前端部分は、設置空間10に設置される外枠9の下辺部分の後端面と当接して該後端面を支持する支持部314aを構成している。上壁面315の後側寄り部分には、取付ボルト305を取り付けるための取付穴317が穿設されている。一方、上壁面315の前端側は、設置空間10に設置される遊技機の外枠9の下辺部分の上方の位置まで延設されており、その先端部分は、下方にほぼ直角に折曲されて複数(実施形態中では、3つ)の押圧爪部318(押圧部)が形成されている。後壁面316は、側壁面314に比べて高さ寸法が短く設定されている。このため、押圧固定部材303を取付部材302に取り付けた状態で、左右の側壁面314が取付部材302の左右の側壁面312aを外嵌することができるようになっており、後壁面316の下端部分(以下、これを当接部316aという)は、押圧固定部材303による外枠9の下辺部分の押圧状態に応じて取付部材302の上壁面311と当接するようになっている。
螺合受部材304は、前壁面320a、後壁面320b、及び上壁面321を備えた形状に金属板が折曲形成されて、取付部材302の上壁面311とベース部材308との間の空間325(進入空間)内に配置される。上壁面321には、取付ボルト305と螺合するネジ穴322が穿設されている。なお、螺合受部材304の後壁面320bと取付部材302の後壁面312bとの間には、コイルスプリング309が配置される。これにより、螺合受部材304は、コイルスプリング309の弾性力によって、常時前方に付勢されるようになっている。取付ボルト305は、螺合受部材304のネジ穴322と螺合する雄ネジ部323と、該雄ネジ部323の上端に一体的に設けられて当該取付ボルト305を回転操作するための操作部324と、を備えている。
そして、取付ボルト305が、押圧固定部材303の取付穴317、コイルスプリング307、及び取付部材302の挿通穴311aに順次挿通され、この状態から、雄ネジ部323の下端部分が、螺合受部材304のネジ穴322に螺合される。これにより、押圧固定部材303が、螺合受部材304、及び取付ボルト305によって取付部材302に取り付けられて、下側遊技機固定装置300が組み付けられる。また、このような下側遊技機固定装置300の組み付けによって、押圧固定部材303の上壁面315と取付部材302の上壁面311との間には、コイルスプリング307が配置されることになり、該コイルスプリング307は、上壁面315が取付ボルト305の操作部324と当接するように押圧固定部材303を常時付勢する。なお、コイルスプリング307は、そのコイル巻回径が下端から上端にかけて徐々に縮径することで、とぐろ状に形成されており、上端部分のコイル巻回径は、取付ボルト305の雄ネジ部323のネジ径と同一に設定されている。また、螺合受部材304の後壁面320bと取付部材302の後壁面312bとの間に配置されたコイルスプリング309は、前述したように螺合受部材304を常時前方に付勢するものであるが、この螺合受部材304と取付ボルト305によって連結される押圧固定部材303も常時前方に付勢するものである。
しかして、以上説明した下側遊技機固定装置300によって外枠9の下辺部分を設置空間10内に固定する場合、図12(A)に示すように、先ず、外枠9を設置空間10の前方から挿し入れる。このとき、取付ボルト305の雄ネジ部323が螺合受部材304のネジ穴322に対して緩めることで、押圧固定部材303は、コイルスプリング307の付勢力によって取付部材302から遠ざかる方向(上方向)に移動されている。これにより、螺合受部材304に対する取付ボルト305の捻じ込みを弱めた状態でも、押圧固定部材303の押圧爪部318が自重によって下方に落ち込むことを回避できる。従って、外枠9を設置空間10に対して前方から挿入する際でも、外枠9の設置空間10内への挿入を阻害しない位置に押圧爪部318を移動させておくことができ、外枠9の固定作業を容易にできる。
また、このとき、押圧固定部材303は、取付ボルト305(雄ネジ部323)のネジ穴322に対する捻じ込みが緩められ、然も、外枠9に対して押圧爪部318が当接して押圧していない状態にあるため、取付部材302の挿通穴311aに対する取付ボルト305の移動方向、言い換えれば、設置空間10に設置される遊技機(外枠9)の前後方向に沿ってスライド移動が可能となっている。そして、図12(B),(C)に示すように、外枠9の下辺部分を支承板7上で前後方向に移動調整することで、下部島枠5に対する外枠9の下辺部分の前後位置を調節し、これによって外枠9の下辺部分における遊技機の傾斜角度を調整する。但し、この場合、外枠9の上辺部分を固定したことを前提として、外枠9の下辺部分を前後方向に位置調節することで遊技機の傾斜角度の調整が行われるものである。また、外枠9の下辺部分を前後方向に移動する際、これに伴って、押圧固定部材303は、側壁面314の前端部分である支持部314aが外枠9の下辺後端面と当接した状態でコイルスプリング309の付勢力に抗して後方にスライド移動したり付勢力により前方にスライド移動したりする。
その後、図12(D)に示すように、外枠9の下辺部分における前後位置を調節することで、外枠9の下辺部分における遊技機の傾斜角度の調整が完了すると、取付ボルト305の雄ネジ部323を螺合受部材304のネジ穴322に捻じ込むことで、コイルスプリング307の付勢力に抗して押圧固定部材303を取付部材302に近づく方向(下方向)に移動し、最終的に、押圧爪部318が外枠9の下辺上面に刺し込まれながら押圧固定部材303を移動させる。これにより、押圧固定部材303(押圧爪部318)と支承板7との間で外枠9の下辺部分を挟持固定する。
また、下側遊技機固定装置300においても、前述した上側遊技機固定装置140及び下側遊技機固定装置200と同様に、取付部材302内に配置されて螺合受部材304を前方に付勢するコイルスプリング309を備えた構成となっている。このため、取付ボルト305を介して螺合受部材304と一体的に取り付けられる押圧固定部材303も同様に、コイルスプリング309の弾性力によって前方に付勢されるようになっている。従って、遊技機(外枠9)を固定する場合、外枠9の下辺部分の後端面を支持する押圧固定部材303の支持部314aは、常に外枠9の下辺部分を前方に押圧する方向、言い換えれば、外枠9の下辺部分の後端面との隙間をなくす方向に自動的に移動することになる。その結果、押圧固定部材303の支持部314aと外枠9の下辺部分の後端面とを密着させることで、外枠9を確実に支持した状態で下側遊技機固定装置300による遊技機(外枠9)の固定を行うことができる。
さらには、コイルスプリング309の弾性力によって押圧固定部材303を前方に付勢する構成とすることで、遊技機を固定していない状態で、常に押圧固定部材303をスライド移動可能な最前方位置に移動させておくことができるため、設置空間10への遊技機の取り付け及び取り外し作業毎で押圧固定部材303を後方位置から前方に戻すような些細な作業が不要になる。然も、入れ替えて設置する遊技機(外枠9)の奥行き寸法が入れ替え前のものと異なるような場合でも、押圧固定部材303の支持部314aは、常に外枠9を前方に押圧する方向、言い換えれば、外枠9の下辺部分の後端面との隙間をなくす方向に自動的に移動することになるので、外枠9の奥行き寸法に応じて押圧固定部材303を前後方向に移動調整する必要がなくなり、外枠9の固定作業を容易にできる。
なお、上記したようなコイルスプリング309の弾性力によって押圧固定部材303を前方に付勢する構成によれば、確実に外枠を固定する効果を奏するようになっている。以下、これについて、図13を参照して、従来例における下側遊技機固定装置400の構成と比較して説明する。下側遊技機固定装置400は、本明細書の[背景技術]に示した特許文献1の遊技機固定装置である。先ず、従来例における下側遊技機固定装置400は、図13(A)に示すように、下部島枠5に固定された本体401と、該本体401に対して前後方向に進退移動可能に取り付けられた出入り調整ボルト402と、該出入り調整ボルト402の前端に取り付けられた枠受けプレート403と、本体401の前側に取り付けられてねじ部405を有する押しボルト404と、を備えている。そして、外枠9を固定する際には、出入り調整ボルト402を前後方向に進退移動させることで、枠受けプレート403によって外枠9’の下辺部分を後方から支持し、この状態から、押しボルト404を下方に捻じ込むことにより、ねじ部405の先端で外枠9’の下辺上面を押し込んで固定するようになっている。
ところが、このような構成において、外枠9’の奥行き寸法が極端に短く設定される、あるいは遊技機の傾斜角度の調整として外枠9’を極端に前側に移動させることで、外枠9’の下辺部分の後端面を支持する位置をかなり前方に移動させる必要がある場合、図13(B)に示すように、押しボルト404のねじ部405による外枠9’の固定位置(押し込み位置)が後端になってしまい、外枠9’の固定状態が不安定になる。また、図13中に示す外枠9’は、木材からなる木材部品9A’とプラスチック等の硬質材料からなる硬質部品9B’との組み合わせからなり、硬質部品9B’を各辺の前端及び後端に配置したものを例示している。この場合では、ねじ部405の先端が丁度硬質部品9B’の部分に当ってしまい、外枠9’側から強い押し返しを受けることで、外枠9’の固定状態が極端に不安定になってしまう。
これに対して、下側遊技機固定装置300では、図13(C)に示すように、コイルスプリング309の弾性力によって押圧固定部材303の支持部314aが前後方向に移動する場合、これに伴って押圧固定部材303の押圧爪部318も一体的に前後方向に移動するようになっている。このため、下側遊技機固定装置300は、図13(D)に示すように、遊技機の傾斜角度の調整として外枠9’を極端に前側に移動させた遊技機(外枠)を固定する際でも、外枠9’の下辺部分の後端面から所定の前方位置を押圧することになる。その結果、外枠9’の奥行き寸法が極端に短く設定される、あるいは遊技機の傾斜角度の調整として外枠9’を極端に前側に移動させることで、支持部314aの位置をかなり前方に移動させる必要がある場合でも、押圧爪部318による外枠9の固定位置が後端になってしまうことを回避することができ、確実に外枠9’を固定することができる。また、下側遊技機固定装置300は、図13中に示す木材部品9A’と硬質部品9B’との組み合わせからなる外枠9’を固定する際も、押圧爪部318による外枠9の固定位置が外枠9’の後端上面(硬質部品9B’の上面)ではなく、木材部品9A’が配置された外枠9’の中央上面を押圧固定することになるので、外枠9’(硬質部品9B’)側から強い押し返しを受けることなく、外枠9’を確実に固定することができる。
また、上記した押圧固定部材303の押圧爪部318によって外枠9を上方から押圧して固定する際、押圧固定部材303は、押圧爪部318を介して外枠9の下辺上面から強い反力を受けることになるが、このような押圧爪部318による押圧状態で、押圧固定部材303の後壁面316の当接部316aは、取付部材302の上壁面315と当接するようになっている。このため、押圧固定部材303の一端部分である押圧爪部318にかかる強い反力は、押圧固定部材303の他端部分である当接部316aと当接する取付部材302の上壁面315で受けられるので、押圧固定部材303が外枠9からの反力を受けて変形するという事態を抑制することができる。
上述したように押圧固定部材303の変形を抑制することができるものの、前述した第一実施形態に係る下側遊技機固定装置200の場合には、図10(D)に示す状態において、過剰に取付ボルト205を捻じ込んだ場合には、押圧爪部218からの反力によって後面壁216の当接部216aが取付部材202の上壁面215に強く当接し、これによって前端部が自由端となっている取付部材202に時計回転方向の曲げモーメントが作用するため、取付部材202の前端部分が跳ね上がったように変形するおそれがある。これに対し、第二実施形態に係る下側遊技機固定装置300の場合には、取付部材302に上記の曲げモーメントと同じように、図12(D)に示す状態で時計回転方向の曲げモーメントが作用するが、取付部材302は、その後端に設けられた固定フランジ部333がベース部材308の固定穴331に固定ボルト306で固定されるだけではなく、その前端に設けられた係合突起313がベース部材308の係止突片332に係止されている。このため、取付部材302は、取付ベース301と一体的に下部島枠5にビス止めされたベース部材308に対してその後端部だけではなく前端部も固定された状態となっているため、取付部材302に曲げモーメントが作用しても変形しないようになっている。
なお、取付部材302の前端部分に設けられた係合突起313の上下位置決め係合部313aは、ベース部材308の前端部分に設けられた係止突片332の上下位置決め係止部332aとの係合によって、取付部材302をベース部材308に対して上下方向で位置決め固定するようになっている。このため、上記したように取付部材302に対して曲げモーメントがかかるような場合でも、取付部材302の前端部分をベース部材308の前端部分に強固に固定して取付部材302が変形しないようにしている。
また、取付部材302の係合突起313とベース部材308の係止突片332との係合において、係合突起313に設けられた左右位置決め係合部313bは、係止突片332に設けられた左右位置決め係止部332bとの係合によって、取付部材302をベース部材308に対して左右方向で位置決め固定するようになっている。このため、ベース部材308に対する取付部材302の位置決め精度を高めることで、下側遊技機固定装置300全体としての組み付け精度を高めることができるので、結果として、下側遊技機固定装置300の組み付け精度の低下に伴って外枠9の固定強度が低下するような不具合を回避することができる。
また、押圧固定部材303(押圧爪部318)による外枠9の押圧を強めるために、取付ボルト305を極端に大きな力で必要以上に強く捻じ込む動作が繰り返し行われた場合、取付部材302は、上記した構成により変形しないが、押圧固定部材303は、外枠9から受ける多大な反力に耐えかねて変形する虞がある。具体的には、側壁面312aの前端(支持部314a)を境目として上壁面315が「く」の字状に折れ曲がる。
そして、上記したような変形が押圧固定部材303に生じることで、当該押圧固定部材303を変形していない正規の部材と交換する場合、先ず、取付ボルト305と螺合受部材304との螺合を解除して、変形した押圧固定部材303を取り外す。その後、取付部材302をベース部材308に取り付けた状態、言い換えれば、取付部材302とベース部材308との間の空間325内に螺合受部材304を収納した状態で、変形していない正規の部材(押圧固定部材303)の取付穴317、コイルスプリング307、及び取付部材302の挿通穴311aに取付ボルト305を挿通し、該取付ボルト305(雄ネジ部323)の先端部分を、螺合受部材304のネジ穴322に螺合させることで、正規の部材(押圧固定部材303)への取り替えが完了する。
即ち、下側遊技機固定装置300の構成によれば、変形した押圧固定部材303を交換する場合、下側遊技機固定装置300の構成部材を全て分解する必要はなく、押圧固定部材303を取り付ける取付ボルト305だけを取り外して、変形した押圧固定部材303を正規の部材に取り替えればよいので、交換作業が容易に行える。また、下側遊技機固定装置300全体を下部島枠5から取り外す必要もないので、部品を交換する毎に下部島枠5側にビス穴の跡(下側遊技機固定装置300をビス止めするための穴の跡)が残ってしまうような不具合を回避することができる。
ところで、押圧固定部材303の上壁面315と取付部材302の上壁面311との間に配置されるコイルスプリング307は、押圧固定部材303を常時上方に付勢することで、押圧固定部材303の押圧爪部318が外枠9の下辺上面を下方に押し込んでいない状態でも、押圧爪部318が設けられる押圧固定部材303の先端側が自重によって下方に落ち込まない、言い換えれば、支承板7との間隔を狭める方向に移動しないようにしている。このため、外枠9を設置空間10の前方から挿し入れる際に、押圧固定部材303を取付部材302から遠ざかる方向(上方向)に移動させた状態でも、押圧固定部材303の先端側(押圧爪部318側)の落ち込みを抑えて、押圧爪部318が外枠9の設置空間10内への挿入を阻害しないようにできる。
また、コイルスプリング307は、そのコイル巻回径が下端から上端にかけて徐々に縮径することで、とぐろ状に形成されており、上端部分のコイル巻回径は、取付ボルト305の雄ネジ部323のネジ径と同一に設定されている。このため、コイルスプリング307は、その上端部分が雄ネジ部323に係止された状態で押圧固定部材303と取付部材302との間に配置されることになる。従って、部品交換等で下側遊技機固定装置300を分解する際に、螺合受部材304に対する取付ボルト305の捻じ込みを解除して押圧固定部材303を取り外すときでも、コイルスプリング307が雄ネジ部323からはずれて不意に飛び出してしまうことを回避できる。その結果、下側遊技機固定装置300の分解作業時に、コイルスプリング307が遊技島台1内でパチンコ玉の玉流れを阻害する場所に紛れ込んでしまう不具合を回避することができる。
ところで、上記した第二実施形態に係る下側遊技機固定装置300(第一実施形態に係る下側遊技機固定装置200及び上側遊技機固定装置140についても同様)の構成によれば、前述したスライド調整機構180を介して下部島枠5に取り付けた場合でも、アウト玉箱12の固定位置あるいは大きさによって下側遊技機固定装置300のスライド移動が規制されてしまうことがあり、このようなときには、隅角部分に補強金具を備えたタイプの外枠9に対応した遊技機を固定できなくなってしまう。また、下辺部分にスピーカを一体的に取り付けた外枠9に対しては、外枠9の下辺上面とスピーカ9bとの間のスペースが狭まってスピーカと干渉してしまうことで、スピーカを備えたタイプの外枠9に対応した遊技機を固定できなくなってしまう。
そこで、このような場合には、下側遊技機固定装置300の押圧固定部材303を、図14に示す補強金具対応用の押圧固定部材340あるいは図15に示すスピーカ対応用の押圧固定部材350に取り替えることで、補強金具又はスピーカとの干渉を回避して、遊技機を固定するようにしてもよい。以下、補強金具対応用の押圧固定部材340及びスピーカ対応用の押圧固定部材350について、図14乃至図16を参照して説明する。図14は、補強金具対応用の押圧固定部材340が取り付けられた下側遊技機固定装置300’を示す斜視図である。図15は、スピーカ対応用の押圧固定部材350が取り付けられた下側遊技機固定装置300’’を示す斜視図である。図16は、補強金具対応用の押圧固定部材340が取り付けられた下側遊技機固定装置300’及びスピーカ対応用の押圧固定部材350が取り付けられた下側遊技機固定装置300’’によって外枠を固定した状態を示す斜視図である。なお、以下の説明では、各押圧固定部材340,350の構成部において、押圧固定部材303と同様の構成部については便宜的に同一の符号を付すと共にその詳細な説明を省略する。
補強金具対応用の押圧固定部材340は、図14に示すように、その上壁面315の前端側が、押圧固定部材303と同様に、前方に延設されるが、その延設形状(以下、これを延設部341という)が押圧固定部材303と異なっている。具体的に、押圧固定部材340の延設部341は、上壁面315から前方に向けて延設された後、その延設部分の一側端(外枠9の中央側となる側端)から側方に向けて延設されることで、ほぼL字状の形状に形成されている。そして、延設部341において側方に向けて延設された部分の前端には、下方にほぼ直角に折曲された複数の押圧爪部342が形成されている。
しかして、押圧固定部材340を備えた下側遊技機固定装置300’は、図16に示すように、押圧固定部材340が外枠9の横幅方向において補強金具9aと重なり合う位置となってしまう場合でも、延設部341が外枠9の中央側に向けて折曲されたL字状に形成されることで、該延設部341の前端の押圧爪部342が補強金具9aとの干渉を避けた位置で外枠9の押し込みを強固に行うようになっている。
なお、図16中には、外枠9の下辺部分を固定する左右一対の下側遊技機固定装置300’のうち、外枠9の裏面側から見た右側の押圧固定部材340を図示しており、これに伴って同図中には、延設部341が前方に向かうにつれて左方向に折曲されたものを図示しているが、外枠9の裏面側から見た左側の押圧固定部材340においては、延設部341が前方に向かうにつれて右方向に折曲されたものとなる。また、以上説明した補強金具9aを備えた外枠9に対応する構成は、下側遊技機固定装置300に限定するものではなく、前述した下側遊技機固定装置200及び上側遊技機固定装置140についても適応が可能である。
また、スピーカ対応用の押圧固定部材350は、図15に示すように、その上壁面315の前端側が、押圧固定部材303とは違い前方に延設されることなく、一旦、下り段差状に折曲され、一段下がった位置から前方に延設された形状(以下、これを下段延設部351という)となっている。そして、下段延設部351は、前方に向けて延設された後、その延設部分の一側端(外枠9の中央側となる側端)から側方に向けて延設されることで、ほぼL字状の形状に形成され、そのL字状の端部で上がり段差状に折曲され、一段上がった位置から前方に延設された形状(以下、これを上段延設部352という)となっている。また、上段延設部352の前端には、下方にほぼ直角に折曲された複数の押圧爪部353が形成されている。
しかして、押圧固定部材350を備えた下側遊技機固定装置300’’は、図16に示すように、外枠9の下辺部分にスピーカ9bが設けられることで外枠9の下辺上面とスピーカ9bとの間のスペースが狭まってしまうような場合でも、下段延設部351が外枠9の下辺上面とスピーカ9bとの間の狭いスペース内に入り込むと共に、そのL字状部分が外枠9の中央側に向けて延び、スピーカ9bとの干渉を避けた位置で上段延設部352下端の押圧爪部353が外枠9の押し込みを強固に行うようになっている。
なお、図16中には、外枠9の下辺部分を固定する左右一対の下側遊技機固定装置300’’のうち、外枠9の裏面側から見た左側の押圧固定部材350を図示しており、これに伴って同図中には、下段延設部351が前方に向かうにつれて左方向に折曲されたものを図示しているが、外枠9の裏面側から見た右側の押圧固定部材350(下辺右側でスピーカが突出して取り付けられた外枠9と対応する下側遊技機固定装置300’’
の押圧固定部材350)においては、下段延設部351が前方に向かうにつれて左方向に折曲されたものとなる。また、以上説明したスピーカ9bを備えた外枠9に対応する構成は、下側遊技機固定装置300に限定するものではなく、前述した下側遊技機固定装置200についても適応が可能である。
以上のように、本発明の第二実施形態の構成によれば、遊技機(外枠9)を設置空間10内に設置する場合、先ず、取付ボルト305を捻じ込まないようにして押圧爪部318が外枠9の下辺部分と当接しない状態で、外枠9を設置空間10に対して前方から挿入する。そして、この状態から、取付ボルト305を螺合受部材304に捻じ込むことによって、押圧爪部318が外枠9の下辺部分と当接しながら押圧する方向に押圧固定部材303を移動させて外枠9の下辺部分をその後方から固定する。
また、このような構成において、外枠9をより一層強固に固定するために取付ボルト305を極端な力で必要以上に強く捻じ込むような場合、押圧固定部材303は、押圧爪部318を介して外枠9の下辺上面から多大な反力を受けることになり、このような多大な反力は、押圧固定部材303に曲げモーメントを発生させ、この曲げモーメントが取付ボルト305を介して押圧固定部材303が取り付けられる取付部材302にかかることになる。ところが、取付部材302は、外枠9の前後方向における両端部分がそれぞれ下部島枠5の上面に固定されたベース部材308に固定されるため、曲げモーメントを受けても変形しないようにできる。また、このような場合、取付部材302は変形しないが、押圧固定部材303は、外枠9から受ける曲げモーメントに耐えかねて「く」の字状に折れ曲がる変形を生じる虞がある。
また、上記したような変形が押圧固定部材303に生じることで、当該押圧固定部材303を変形していない正規の部材と交換する場合、先ず、取付ボルト305を緩めて取り外し、変形した押圧固定部材303を取り外す。その後、取付部材302をベース部材308に取り付けた状態で、変形していない正規の部材(押圧固定部材303)を取付ボルト305で取付部材302に取り付けることにより、正規の部材(押圧固定部材303)への取り替えが完了するので、変形した部材の交換が容易に行える。また、この構成によれば、下側遊技機固定装置300全体を下部島枠5から取り外す必要もないので、部材を交換する毎に下部島枠5側にビス穴の跡(下側遊技機固定装置300をビス止めするための穴の跡)が残ってしまうような不具合を回避することができる。
また、取付部材302の前端部分は、上下位置決め係合部313aがベース部材308の前端部分に設けられた上下位置決め係止部332aに係止されることで、ベース部材308に対して上下方向で位置決め固定される。一方、取付部材302の後端部分は、固定ボルト306によってベース部材308の後端部分と共締め固定される。このため、取付部材302に対して曲げモーメントがかかるような場合でも、取付部材302をベース部材308に強固に固定して取付部材302が変形しないようにできる。また、前端部分を先に係合させた後に後端部分を固定ボルト306を締め付けるだけであるため、取付部材302をベース部材308に容易に取り付けることができる。
また、取付部材302の前端部分は、左右位置決め係合部313bがベース部材308の前端部分に設けられた左右位置決め係止部332bに係止されることで、ベース部材308に対して左右方向で位置決め固定される。このため、ベース部材308に対する取付部材302の位置決め精度を高めることで、下側遊技機固定装置300全体としての組み付け精度を高めることができる。その結果、下側遊技機固定装置300の組み付け精度の低下に伴って外枠9の固定強度が低下するような不具合を回避することができる。
なお、以上説明した実施形態中の構成によれば、本発明に係る螺合部材として、ベース部材と取付部材との間の空間内に配置され、且つ螺軸部材である取付ボルト及び押圧固定部材と一体的にスライド移動可能な螺合受部材を例示しているが、この構成に限定するものではない。例えば、取付部材の上壁面に穿設されて螺軸部材と螺合する螺合穴を本発明に係る螺合部材としてもよい。また、本発明に係る遊技機固定装置を外枠の上辺部分を固定する上側遊技機固定装置に適用してもよい。