JP2010276726A - 表示パネル支持装置 - Google Patents

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高策 井上
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勝之 奥村
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Abstract

【課題】パネル取付用部材を小さな力で確実に拘束することができる表示パネル支持装置を提供する。
【解決手段】壁2に固定される壁固定部材4と、前面側に表示パネル3が設置されるパネル取付用部材5と、パネル取付用部材5と壁固定部材6を連結する連結部材7を備える。パネル取付用部材5又は壁固定部材6のうち少なくともいずれか一方が対象部材とされて、該対象部材に連結部材7の端部が縦軸回りに回動自在に連結される。連結部材6にリンク部材44の一端部が縦軸回りに回動自在に連結されると共に、該リンク部材44の他端部が対象部材に縦軸回りに回動自在で且つ横方向にスライド自在に連結され、連結部材7の対象部材に対する回動動作がリンク部材44の他端部の横方向の直線動作に変換されるようにする。対象部材にリンク部材44の他端部の動作を拘束する拘束手段が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は液晶テレビやプラズマテレビ等の平面状の表示パネルを支持する装置に関する。
液晶テレビやプラズマテレビ等の平面状の表示パネルを壁面に沿わせた状態で設置するための表示パネル支持装置が知られている。
例えば特許文献1に示す表示パネル支持装置は、表示パネルを支持するパネル取付用部材と、壁に固定される壁固定部材とが連結機構部で連結され、連結機構部によってパネル取付用部材が前後位置や向きを変更できるよう支持されている。
ところで、上記のようにパネル取付用部材を壁固定部材に対して移動自在にしたものにあっては、使用者により力が加えられた場合や、表示パネル支持装置が固定される壁面の不陸に起因する自重、地震や風等により、パネル取付用部材と共に表示パネルが意図しない位置に移動したり、あるいは勢いよく動いて壁や人に衝突したりする恐れがある。
このため特許文献1では、パネル取付用部材を固定するために、連結機構部を構成する互いに回動自在に連結された平板部材同士の角度を固定するための角度固定具が設けられている。この角度固定具は、ハンドルを回動操作することで、平板部材の連結部分に設けられた弾性円形板を両平板部材の連結部分に押さえ付け、これによって平板部材同士の角度を固定するものである。
実用新案登録第3138380号公報
しかし、特許文献1の弾性円形板は平板部材の回動中心部となる両平板部材の連結部分に密接されるものであるため、平板部材同士の角度を固定するには、弾性円形板を大きな力で両平板部材の連結部分に押さえ付ける必要がある。
本発明は上記従来の事情に鑑みてなされたものであって、壁固定部材に対して移動するパネル取付用部材を小さな力で確実に固定することができる表示パネル支持装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明の表示パネル支持装置は以下の構成を有している。すなわち、表示パネル支持装置は、壁2に固定される壁固定部材4と、前面側に表示パネル3が設置されるパネル取付用部材5と、一端部がパネル取付用部材5に連結されると共に他端部が壁固定部材6に連結される連結部材7を備える。前記パネル取付用部材5又は壁固定部材6のうち少なくともいずれか一方が対象部材とされて、該対象部材に前記連結部材7の端部が縦軸回りに回動自在に連結される。前記連結部材6にリンク部材44の一端部が縦軸回りに回動自在に連結されると共に、該リンク部材44の他端部が対象部材に縦軸回りに回動自在で且つ横方向にスライド自在に連結され、連結部材7の対象部材に対する回動動作が前記リンク部材44の他端部の横方向の直線動作に変換されるようにする。前記対象部材に前記リンク部材44の他端部の動作を拘束する拘束手段が設けられている。
この構成により、パネル取付用部材5の前面側に表示パネル3を設置することで、可動連結手段によって壁固定部材6に対して移動自在に連結されたパネル取付用部材5を移動して、表示パネル3を見えやすい位置に配置できる。そして、本発明にあっては、連結部材7の回動動作をリンク部材44によって変位の大きな横方向の直線動作に変換することができ、これによって拘束手段でリンク部材44の他端部の動作を小さな力で拘束することができ、連結部材7に対する対象部材の回動を強固に固定することができる。
また、前記対象部材がパネル取付用部材5で構成され、該パネル取付用部材5に前記拘束手段によるリンク部材44の他端部の拘束を解除するための解除操作部41が設けられることが好ましい。解除操作部41を前方に配置されるパネル取付用部材5に設けることで、解除操作部41を操作しやすい位置に配置することができる。また、解除操作部41を拘束手段と同じパネル取付用部材5に設けることができ、拘束手段と解除操作部41を連結する機構を簡易なものとすることができる。
また、前記リンク部材44の他端部にスライドシュー43が設けられると共に、対象部材に前記スライドシュー43を横方向にスライド自在にガイドするガイド部材46が設けられるものにおいて、前記拘束手段が、対象部材に設けられてスライドシュー43をガイド部材46とで挟み込んで固定する摩擦部材45で構成されることが好ましい。この場合、ガイド部材46と摩擦部材45とでスライドシュー43を挟み込んで拘束することができ、これによって連結部材7に対する対象部材の回動を強固に固定することができる。
本発明にあっては、前述のように連結部材7の回動動作をリンク部材44によって変位の大きな横方向の直線動作に変換して、拘束手段でリンク部材の他端部の動作を小さな力で拘束することができ、連結部材に対する対象部材の回動を強固に固定することができる。
本発明の実施形態の一例の表示パネル支持装置の施工状態を示す斜視図である。 突出状態で且つパネル取付用部材を左斜め前方に向けたときの表示パネル支持装置の斜視図である。 同上の平面図である。 突出状態で且つパネル取付用部材を右斜め前方に向けたときの表示パネル支持装置を示す斜視図である。 同上の平面図である。 同上のパネル取付用部材を後退状態としたときの表示パネル支持装置の平面図である。 動作ロック状態としたときの動作ロック手段を示し、(a)は背面図であり、(b)は側面図である。 同上の動作ロック手段のガイド部材や移動部材、リンク部材等の図示を省略した背面図である。 同上の動作ロック手段の斜視図である。 スライドシューの斜視図である。 (a)〜(e)は、動作ロック状態から動作ロック解除状態を経て動作ロック状態に復帰する際の動作ロック解除レバー及び操作ロック解除レバーの動作を順に示した背面図である。 (a)は停止時のスライドシューの背面図であり、(b)は動作ロック時におけるスライドシューの背面図である。 動作ロック解除状態としたときの動作ロック手段を示し、(a)は背面図であり、(b)は側面図である。 同上のガイド部材や移動部材、リンク部材等の図示を省略した背面図である。 同上の動作ロック手段の斜視図である。
以下、添付図面に基づいて本発明の実施形態につき説明する。図1に示すように、本実施形態の一例の表示パネル支持装置1は部屋の壁2に取り付けられて、液晶テレビやプラズマテレビ、コンピュータのディスプレイ等の薄型で平面状の表示パネル3を支持するものである。
なお、以下では、壁2に取り付けられた表示パネル支持装置1から見て室内側の方向(矢印F)を前方、壁2側の方向(矢印B)を後方、後方を向いた時に部屋の壁2に沿う横方向を左右方向(矢印Lが左、矢印Rが右)と定義して説明する。
表示パネル支持装置1は、表示パネル3を支持するためのパネル取付用部材5(図2等参照)と部屋の壁2に固定される壁固定部材6を連結部材7で連結してなる。なお、図1中符号8はDVDプレーヤーやビデオデッキのような表示パネル3に接続される電気機器等を載置するためのラックである。
図2に示すように、パネル取付用部材5は上下左右の枠材9を左右に長い矩形状に枠組みして構成される。パネル取付用部材5の前面には、表示パネル3を支持固定するための支持固定部として、パネル取付用部材5の左右の枠材9には1乃至複数のだるま孔10が形成されている。各だるま孔10は大径の上孔とこれに連通する小径の下孔とで構成されている。
表示パネル3の背面における各だるま孔10に対応する箇所には、パネル取付用部材5に支持固定される被支持固定部として、基部の径が前記下孔より小さく、先部の径が上孔より小さく下孔より大きい突起11が形成されている。
各突起11は基部が対応するだるま孔10の下孔に挿通されて下孔の下縁上に支持されると共に先部が下孔の縁部の後方に位置して抜け止めがなされている。これによって表示パネル3がパネル取付用部材5に引っ掛け固定されている。各突起11の先部をだるま孔10の下孔に位置させるには、各突起11の先部を前方から上孔に挿通した後に下孔に移動すればよい。
図1に示すように、壁固定部材6は、壁2に沿って固定されるベースプレート12と、ベースプレート12の前面に固定されるメインプレート13及びサブプレート14で構成されている。各プレート12〜14は正面視略矩形状でSUS等の金属からなる。
ベースプレート12には多数の固着具挿通孔16が穿設されている。これら固着具挿通孔16のうち任意の複数の固着具挿通孔16にはビス等の固着具(図示せず)を挿通され、これら固着具が壁2に固着されることで、ベースプレート12は壁2に取り付けられている。
メインプレート13とサブプレート14はベースプレート12に横方向に間隔をあけて又は隙間なく並べて固定されるが、その固定位置は任意に変更可能となっている。また、いずれを左又は右に位置させるかも任意に変更可能となっている。本例では、図1に示すように、メインプレート13が左側、サブプレート14が右側に位置するように取り付けられている。
表示パネル支持装置1は、連結部材7として、横長のメインアームからなる第一連結部材7aと、横長のサブアームからなる第二連結部材7bを備えている。両連結部材7a、7bによってパネル取付用部材5が壁固定部材6に対して移動自在となるようパネル取付用部材5と壁固定部材6とを連結する可動連結手段が構成されている。該可動連結手段により、パネル取付用部材5は図6に示す壁2に沿った後退状態から、図3や図5に示す壁2から前方に離れた突出状態となるまでの範囲で前後動自在とされると共に前記突出状態において縦軸回りに回動自在となっている。
図2のように両連結部材7a、7bは略矩形枠状に形成されている。各連結部材7a、7bの両側端部には被連結部19が設けられている。パネル取付用部材5及び壁固定部材6の夫々には連結部材7a、7bの被連結部19が連結される連結部20が左右に離間して2個ずつ設けられている。
各連結部材7a、7bの一方の被連結部19がパネル取付用部材5の対応する連結部20に対して縦軸回りに回動自在に枢支され、各連結部材7a、7bの他方の被連結部19が壁固定部材6の対応する連結部20に対して縦軸回りに回動自在に枢支されている。これによりパネル取付用部材5と壁固定部材6が両連結部材7a、7bにより連結されている。なお、前記「縦軸回りに回動自在」とは回動軸が上下方向と平行であることを意味する。
以下、特に区別する場合には、各連結部材7a、7bのパネル取付用部材5側に連結される被連結部19をパネル側被連結部21、各連結部材7a、7bの壁固定部材6側に連結される被連結部19を壁側被連結部22と記載する。同様に、パネル取付用部材5に設けられた連結部20をパネル側連結部23と記載し、壁固定部材6に設けられた連結部20を壁側連結部24と記載する。
連結部材7a、7bの各被連結部19は、連結部材7a、7bの上端部から上方に向けて突設された上枢支軸部25と、連結部材7a、7bの下端部から下方に向けて突設された下枢支軸部26とで構成されている。
パネル取付用部材5の背面における左右中央の上下にはパネル側ブラケット27が設けられている。各パネル側ブラケット27の左右2箇所にはパネル側軸受け28が形成されている。
各パネル側ブラケット27の左側のパネル側軸受け28には第一連結部材7aのパネル側被連結部21を構成する上下の枢支軸部25、26が夫々回動自在に挿入されている。すなわち、両パネル側ブラケット27の左側のパネル側軸受け28によって第一連結部材7aのパネル側被連結部21が連結されるパネル側連結部23が構成されている。
各パネル側ブラケット27の右側のパネル側軸受け28には第二連結部材7bのパネル側被連結部21を構成する上下の枢支軸部25、26が夫々回動自在に挿入されている。すなわち、両パネル側ブラケット27の右側のパネル側軸受け28によって第二連結部材7bのパネル側被連結部21が連結されるパネル側連結部23が構成されている。
メインプレート13の前面の上下には壁側ブラケット31が設けられている。各壁側ブラケット31には壁側軸受け32が形成されている。各壁側ブラケット31の壁側軸受け32には第一連結部材7aの壁側被連結部22を構成する上下の枢支軸部25、26の夫々が回動自在に挿入されている。すなわち、両壁側ブラケット31の壁側軸受け32によって第一連結部材7aの壁側被連結部22が連結される壁側連結部24が構成されている。
図1のようにサブプレート14の前面には第二連結部材7bの壁側被連結部22が縦軸回りに回動自在に枢支される壁側連結部24が設けられている。つまり、本例では、左側の壁側連結部24と左側のパネル側連結部23の夫々が第一連結部材7aが連結される連結部20を構成し、右側の壁側連結部24と右側のパネル側連結部23の夫々が第二連結部材7bが連結される連結部20を構成している。
両パネル側連結部23及び左側の壁側連結部24はパネル取付用部材5や壁固定部材6に対して固定されている。しかし、右側の壁側連結部24、すなわち、第二連結部材7bの壁側被連結部22が連結される壁側連結部24は、壁固定部材6に対して左右方向にスライド自在に設けられたスライド連結部33となっている。
サブプレート14の前面の上下には断面略コ字状をした左右に長いガイドレール35が設けられている。両ガイドレール35は上下に対向するガイド溝37が形成されている。
各ガイドレール35のガイド溝37には平面視円形のローラー38が左右方向に転動自在に収納されている。各ローラー38の中心にはローラー軸受け39が形成されている。
各ローラー38のローラー軸受け39には第二連結部材7bの壁側被連結部22を構成する上下の枢支軸部25、26が夫々回動自在に挿入されている。つまり、本例では、両ローラー38によりスライド連結部33が構成されている。
各ガイドレール35の長手方向の両端部にはローラー38の移動を規制するストッパー(図示せず)が設けられている。これらストッパーによりスライド連結部33の左右のスライド範囲が所定範囲に規制されている。なお、両パネル側連結部23の左右の間隔は両壁側連結部24の左右の間隔よりも常に短くなるよう設定されている。
上記構成により、表示パネル支持装置1は、図6のように表示パネル3を壁2の室内側の面に近づけて沿わせた後退状態と、図3や図5のように表示パネル3を壁2の前方に大きく離間して配置した突出状態とに変更できるようになっている。
図6に示す後退状態では、パネル取付用部材5及び連結部材7a、7bは平面視で壁2と平行になっている。また、スライド連結部33は他方の壁側連結部24から最も離れた右端位置に配置されている。この後退状態では表示パネル3が部屋に居る人にとって邪魔にならず、部屋を広く利用することができる。
図3及び図5に示す突出状態では、両連結部材7が前側程両連結部材7の間隔が狭くなって壁側連結部24から斜め前方に向けて突出している。
前記後退状態から突出状態とするには、表示パネル3をパネル取付用部材5と共に手前に引いて、第一連結部材7aを左側の壁側連結部24を中心にして前方に回動させる。すると、第二連結部材7bはスライド連結部33を中心に前方に回動すると共にスライド連結部33が左方に向かって移動する。
逆に、前記突出状態から後退状態とするには、表示パネル3をパネル取付用部材5と共に後方に押し込んで、第一連結部材7aを左側の壁側連結部24を中心にして後方(図3、図5中矢印a方向)に回動させる。この際は、第一連結部材7aの回動に伴い、第二連結部材7bがスライド連結部33を中心に壁2と平行になるまで後方(図3、図5中矢印b方向)に回動すると共にスライド連結部33がスライド範囲の右端位置に位置するまで右方に向かって移動する。
突出状態におけるパネル取付用部材5の前後位置及び左右位置は第一連結部材7aの壁側連結部24に対する前方への回動量(すなわち壁2に対する傾き)によって決まる。また、突出状態におけるパネル取付用部材5の平面視における壁2に対する傾きはスライド連結部33の左右位置によって決まる。したがって、これら第一連結部材7aの前方への回動量及びスライド連結部33の左右位置を変更することで、表示パネル3を所望の位置及び向きに変更できる。
突出状態においては、表示パネル3の表示面を、図3に示すように左斜め前方に向けたり、図5に示すように右斜め前方に向けたり、あるいは、表示パネル3を壁2と平行にしたりできる。
突出状態において表示パネル3を壁2と平行にした状態では、両パネル側連結部28が前後方向において同位置に配置され、パネル取付用部材5が壁2と平行になる。また、図3の状態では、左側のパネル側連結部23が右側のパネル側連結部23よりも後方に配置され、図5の状態では、左側のパネル側連結部23が右側のパネル側連結部23よりも前方に配置される。
また、表示パネル支持装置1は、壁固定部材6に対してパネル取付用部材5を移動不能な動作ロック状態にするための動作ロック手段を備えている。
図2等に示すように動作ロック手段はパネル取付用部材5の背面の左右夫々に設けられる回動ロック機構17a、17bにより構成されている。
左側の回動ロック機構17aは、第一連結部材7aに対してパネル取付用部材5を回動不能にする第一回動ロック機構を構成し、また、右側の回動ロック機構17bは、第二連結部材7bに対してパネル取付用部材5を回動不能にする第二回動ロック機構を構成し、両回動ロック機構17a、17bによりパネル取付用部材5の位置及び向きを固定する。
図7に示すように、各回動ロック機構17a、17bは、パネル取付用部材5の背面に沿って横方向にスライド自在に設けられたスライドシュー43を備えている。また、固定対象となる連結部材7とスライドシュー43とを連結して当該連結部材7のパネル取付用部材5に対する回動動作を前記スライドシュー43のスライド動作である横方向の直線動作に変換するリンク部材44を備え、連結部材7の回動動作はより変位の大きいスライドシュー43の直線動作に変換されるようになっている。加えて、パネル取付用部材5に上下動自在に設けられてスライドシュー43に対して接離自在となる摩擦部材45を備えている。そして、摩擦部材45をスライドシュー43に接触させて両者の摩擦力によりスライドシュー43を固定することで、パネル取付用部材5が連結部材7に対して回動不能な回動ロック状態とされる。
このように各回動ロック機構17a、17bは連結部材7の回動中心部よりも変位を大きくしたスライドシュー43を固定するため、小さな力で摩擦部材45とスライドシュー43を接触させるだけで連結部材7に対するパネル取付用部材5の回動を強固に固定することができ、パネル取付用部材5の確実な動作ロックを実現できる。
以下、各回動ロック機構17a、17bにつき詳述する。図7、図8等に示すように、第一回動ロック機構17aは、第一ガイド部材46a、スライドシュー43を構成する第一スライドシュー43a、第一移動部材64a、摩擦部材45を構成する第一摩擦部材45a、及びリンク部材44を構成する第一リンク部材44aからなる。
第二回動ロック機構17bは、第二ガイド部材46b、スライドシュー43を構成する第二スライドシュー43b、第二移動部材64b、摩擦部材45を構成する第二摩擦部材45b、及びリンク部材44を構成する第二リンク部材44bからなる。
第一ガイド部材46aはパネル取付用部材5の背面上部の左側(図7、図8における紙面右側)に固設され、第二ガイド部材46bはパネル取付用部材5の背面上部の右側に固設されている。各ガイド部材46a、46bは断面が上方に開口するコ字状に形成されている。第一ガイド部材46a内には第一スライドシュー43aがスライド自在に収納され、第二ガイド部材46b内には第二スライドシュー43bがスライド自在に収納されている。
各スライドシュー43a、43bは、図8のように上方の摩擦部材45a、45bと、ガイド部材46a、46bの内底面に設けられた下摩擦部材47とで上下に挟まれて固定される。すなわち、本例では、リンク部材44の他端部に設けられたスライドシュー43を拘束する拘束手段は摩擦部材45で構成されている。
図10のように、各スライドシュー43a、43bは、下摩擦部材47のフラットな上面をスライドするスライド部材48と、スライド部材48の左右方向(図中cで示すスライド方向)の両側に設けられたピニオン部材49で構成されている。
各スライドシュー43a、43bのスライド部材48の左右方向の中央部には、夫々、リンク部材44a、44bの一端が縦軸回りに回動自在に連結され、これらリンク部材44a、44bの他端は図3等に示すように対応する連結部材7a、7bのパネル取付用部材5寄りの箇所に縦軸回りに回動自在に連結されている。このため、パネル取付用部材5が第一連結部材7aに対して後方に回動すると第一スライドシュー43aはパネル取付用部材5の背面に沿って左側にスライドし、パネル取付用部材5が第一連結部材7aに対して前方に回動すると第一スライドシュー43aはパネル取付用部材5の背面に沿って右側にスライドする。また、パネル取付用部材5が第二連結部材7bに対して後方に回動すると第二スライドシュー43bはパネル取付用部材5の背面に沿って右側にスライドし、パネル取付用部材5が第二連結部材7bに対して前方に回動すると第二スライドシュー43aはパネル取付用部材5の背面に沿って左側にスライドする。
図10のように各スライドシュー43a、43bのスライド部材48の左右両側にはピニオン部材49を収納する上方に開口した収納凹部50が形成されている。各収納凹部50の底面にはピニオン部材49と噛合するラック部51が形成されている。
図12のように各ラック部51は互いに左右方向の反対側に向かって摩擦部材45a、45b側に近づくよう上り傾斜しており、図示例では左側のラック部51が左側に行くに従って上り傾斜し、右側のラック部51が右側に行くに従って上り傾斜している。各収納凹部50の前後の壁部には長孔からなるガイド孔53が形成されている。各ガイド孔53は対応するラック部51と同様にスライド部材48の左右方向の外側に向かって上り傾斜している。
各収納凹部50に収納されたピニオン部材49の両端面の中心部には軸部54が突設されている。各軸部54は対応するガイド孔53に遊挿され、これによって各ピニオン部材49の抜け止めが図られると共に、各ピニオン部材49がラック部51に沿って確実に転動するようガイドされている。
各ピニオン部材49はその歯部をラック部51の歯部と噛合させながらラック部51上を所定の範囲内で左右に転動し、この転動時には前記ラック部51の傾斜に沿って昇降する。
通常、スライドシュー43a、43bの停止時においては、図12(a)に示すように各ピニオン部材49は自重によりラック部51上を転動して最下位に配置され、各ピニオン部材49の上端がスライド部材48の上面と略同じ高さに配置される。また、各ピニオン部材49が最上位に配置されたときには、図12(b)に示すように上端部がスライド部材48の上面よりも上方に突出するよう設定されている。
図7等に示すように、摩擦部材45a、45bは、パネル取付用部材5の背面の左右に上下動自在に設けられた第一移動部材64a及び第二移動部材64bの夫々に固定され、対応するスライドシュー43a、43bの上方に配置されている。
各摩擦部材45a、45bは移動部材64a、64bと共に下方に移動したときに、対応するスライドシュー43a、43bがスライド範囲内におけるいずれの位置に移動した状態にあっても常に接することができる十分な左右長さを有している。
動作ロック手段でパネル取付用部材5を動作ロックするには、図8のように各摩擦部材45を下降させて、図12(a)のように各摩擦部材45の下面を各スライドシュー43の各ピニオン部材49の上端に接触させ、各摩擦部材45でピニオン部材49をラック部51側に押さえつける。これによって、各スライドシュー43は上の摩擦部材45とガイド部材46a、46bとで挟持固定され、パネル取付用部材5は壁固定部材6に対して位置及び向きが固定された動作ロック状態となる。
また、前記動作ロック状態で、パネル取付用部材5が連結部材7に対して回動しようとすると、対応するスライドシュー43がガイド部材46a又は46bに沿ってわずかにスライドする。すると、図12(b)のように各スライドシュー43のスライド方向後側のピニオン部材49が摩擦部材45との摩擦力によってラック部51と噛み合いながらスライド方向と反対側に向かって転動して上昇し、該ピニオン部材49の上端の歯部が摩擦部材45a、45bの下面に強く押し付けられ、より強い力でスライドシュー43a、43bが固定される。これによってより確実な動作ロックを実現している。なお、図12(b)ではスライドシュー43が紙面左側にスライドしたときに、紙面右側のピニオン部材49が右側に転動して上昇した様子を示している。
前記動作ロック手段によるパネル取付用部材5の動作ロック状態を解除するには、図8のように各摩擦部材45a、45bを上昇させて、摩擦部材45a、45bとピニオン部材49を離間させる。このように動作ロック状態を解除することで、パネル取付用部材5の位置及び向きを変更できるようになる。
また、表示パネル支持装置1は、前記動作ロック手段によるパネル取付用部材5の動作ロック状態を解除するための解除操作部41と、解除操作部41がパネル取付用部材5の動作ロック状態を解除する際に受ける操作力がなくなった際にパネル取付用部材5を動作ロック状態に自動で復帰させるセルフ動作ロック手段を備えている。加えて、パネル取付用部材5の動作ロック時に解除操作部41を操作不能な操作ロック状態にするための操作ロック手段と、操作ロック状態を解除するための操作ロック解除操作部56と、セルフ動作ロック手段によりパネル取付用部材5が自動で動作ロックされる際に解除操作部41を操作ロック状態に自動で復帰させるセルフ操作ロック手段を備えている。
図2のようにパネル取付用部材5の背面には前記動作ロック手段による動作ロック状態を解除するための動作ロック解除レバー57が設けられている。該動作ロック解除レバー57はパネル取付用部材5に対して図8中矢印dで示す前後軸回り方向に回動自在に連結されている。動作ロック解除レバー57には前記解除操作部41が上側に向けて突出して設けられている。
動作ロック解除レバー57の下端部には連結部58が設けられている。該連結部58は動作ロック解除レバー57の回動中心からの距離が解除操作部41のそれよりも短い位置に配置されている。この連結部58は連結機構を介して前記両摩擦部材45a、45bに連結されている。
連結機構は、パネル取付用部材5に図8中矢印eに示す左右方向に所定の範囲内でスライド自在に設けられた左右に長いスライド具60と、パネル取付用部材5の背面の左右両側に図8中矢印fに示す前後軸回り方向に回動自在に設けられたリンク体61とで構成されている。
スライド具60の左右方向の中間部には前後方向に突出するスライド軸62が設けられている。スライド軸62は連結部58に形成された上下に長い長孔59に遊挿され、これによってスライド具60は動作ロック解除レバー57の回動動作に応じて左右に動作する。
リンク体61はスライド具60の両側の左右2箇所、計4箇所に夫々設けられ、左側2個のリンク体61にてスライド具60と第一摩擦部材45aが設けられた第一移動部材64aが連結され、右側2個のリンク体61にてスライド具60と第二摩擦部材45bが設けられた第二移動部材64bが連結されている。
各リンク体61は正面視く字状に形成され、その屈曲部分がパネル取付用部材5に軸支されている。各リンク体61の上下の端部には前後方向に突出する軸66a、66bが夫々設けられ、上側の軸66aはスライド具60の端部に設けられた縦長の縦スライド孔65に遊挿され、下側の軸66bは対応する移動部材64a、64bに設けられた横長の横スライド孔67に遊挿されている。
このように連結機構にて動作ロック解除レバー57の連結部58と各移動部材64a、64bを連結することで、動作ロック解除レバー57の回動動作に応じて各移動部材64a、64bが上下に動作する。
各移動部材64a、64bに対して2個ずつ設けられたリンク体61のうち一方のリンク体61の軸66aには付勢手段を構成するばね68の一端が連結され、各ばね68の他端はパネル取付用部材5に対して固定され、これによってスライド具60には常に左側に移動する方向に付勢力が与えられている。
図7、図8に示す動作ロック状態で、ばね68の付勢力に抗して解除操作部41が左側(紙面右側)に操作されて動作ロック解除レバー57が左回りに回動すれば、図13、図14に示すように、動作ロック解除レバー57の連結部58と共にスライド具60が右側に移動して各リンク体61の軸66aが右側に押し込まれる。すると、各リンク体61は屈曲部を中心に右回りに回動し、これら各リンク体61の軸66bにて移動部材64a、64bが水平状態を保ったまま引き上げられる。これによって、摩擦部材45a、45bが上昇し、前記動作ロック手段による動作ロック状態が解除される。
また、図13、図14に示す動作ロック解除状態にあるときには、スライド具60は各ばね68により左側に移動する方向に付勢される。このため、前記解除操作部41を操作する手が解除操作部41から離す等されて解除操作部41に加わる操作力がなくなった場合には、各ばね68の付勢力によりスライド具60は左側に移動して、各リンク体61が屈曲部を中心に左回りに回動し、これら各リンク体61の軸66bにて移動部材64a、64bが水平状態を保ったまま押し下げられる。これによって、摩擦部材45a、45bは下降し、自動的に前記動作ロック状態となる。
同時に、左側に移動するスライド具60のスライド軸62により連結部58が左側に押し込まれることで、動作ロック解除レバー57が右回りに回動して図7、図8に示す動作ロック解除前の初期位置に自動復帰する。つまり、本例のセルフ動作ロック手段は連結機構と各ばね68にて構成されている。このセルフ動作ロック手段により、パネル取付用部材5の位置及び向きを変更した後に動作ロック状態にすることを忘れて、意図せずにパネル取付用部材5が動作ロック解除状態で維持されることを防止することができる。
なお、本例のばね68は引っ張りばねであるが、セルフ動作ロック手段の動作の駆動源となるばねとしては圧縮ばねを用いてもよい。さらにセルフ動作ロック手段の動作の駆動源としてはばね以外の弾性体等で構成してもかまわない。
また、パネル取付用部材5の背面には、前記初期位置にある動作ロック解除レバー57を操作不能な操作ロック状態にすると共に該操作ロック状態を解除するための操作部分をも兼ねる操作ロック解除レバー69が図8中矢印gに示す前後軸回り方向に回動自在に連結されている。
図11のように操作ロック解除レバー69は動作ロック解除レバー57の左側に位置し、該操作ロック解除レバー69には前記操作ロック解除操作部56が上側に向けて突出して設けられている。操作ロック解除レバー69の回動中心部の下方には、右側方に開口する切欠部70と、該切欠部70の下縁の右側端から左斜め下方に向かって延びる傾斜縁71が形成されている。
他方、動作ロック解除レバー57には左側に突出する突片部72が形成され、突片部72の突端部には切欠部70に嵌込可能な嵌込部73としてローラーが設けられている。
動作ロック手段による動作ロック状態では、図11(a)に示すように、操作ロック解除レバー69が初期位置に配置されて、操作ロック解除レバー69の操作ロック解除操作部56が真上を向いている。この状態では、切欠部70に嵌込部73が嵌まり込んで、切欠部70の下方部によって嵌込部73の下方への移動が阻止され、動作ロック解除レバー57が操作ロック解除レバー69にて操作不能に固定された操作ロック状態となっている。すなわち、本例では、操作ロック解除レバー69によって操作ロック手段が構成されている。
この操作ロック状態で、操作ロック解除操作部56が図11(a)中矢印hで示す右斜め上方(紙面左斜め上方)に操作されて操作ロック解除レバー69が操作ロック解除方向となる右回りに回動すれば、図11(b)に示すように嵌込部73が切欠部70から外れて前記操作ロック状態が解除される。この操作ロック解除状態では、動作ロック解除レバー57は各ばね68のばね力によって初期位置が維持された状態ではあるが、解除操作部41の操作によって動作ロック解除方向である左回りに回動可能となり、すなわち図11(c)のように動作ロック解除レバー57を操作して動作ロック手段による動作ロック状態を解除できる状態となる。
このように本例では、操作ロック解除操作部56を操作した後、解除操作部41を操作するという2段階の操作によって、動作ロック手段による動作ロック状態を解除できるようにしたので、子供のいたずら等によりパネル取付用部材5の動作ロックが解除されることを防止できる。また、掃除の際等に体の一部が解除操作部41に接触して意図せずにパネル取付用部材5の動作ロックが解除されることも防止できる。
また、前記操作ロック解除状態で図11(c)に示すように動作ロック解除レバー57を解除方向に操作して動作ロック手段による動作ロックを解除すれば、操作ロック解除レバー69は動作ロック解除レバー57によって支持されなくなり、図11(d)のように自重により前記初期位置にまで回動する。そして、この状態で前述のように解除操作部41が受ける操作力がなくなると、図11(e)に示すように初期位置に向かって回動する動作ロック解除レバー57の嵌込部73が操作ロック解除レバー69を上側に押圧して初期位置側に回動させながら傾斜縁71に沿って上昇し、この後、図11(a)のように切欠部70に嵌まり込み、これによって前記操作ロック状態に自動復帰する。すなわち、本例では、セルフ操作ロック手段を、連結機構、各ばね68、動作ロック解除レバー57、及び操作ロック解除レバー69にて構成している。
このようなセルフ操作ロック手段を設けることで、パネル取付用部材5の位置及び向きを変更した後に解除操作部41を操作ロック状態にすることを忘れて、意図せずに解除操作部41が操作ロック状態で維持されることを防止できる。
上記実施形態では、第二連結部材7bの壁側連結部24を壁固定部材6に対して所定のスライド範囲内で横方向にスライド自在となるスライド連結部33とし、第二回動ロック機構17bの固定対象となる対象部材をパネル取付用部材5としている。しかし、第二連結部材7bのパネル側連結部21をパネル取付用部材5に対して所定のスライド範囲内で横方向にスライド自在となるスライド連結部33とし、前記第二回動ロック機構17bに変えて、固定対象となる対象部材を壁固定部材6とした第二回動ロック機構を備えるものであってもよいものとする。
1 表示パネル支持装置
2 壁
3 表示パネル
5 パネル取付用部材
6 壁固定部材
7 連結部材

Claims (3)

  1. 壁に固定される壁固定部材と、前面側に表示パネルが設置されるパネル取付用部材と、一端部がパネル取付用部材に連結されると共に他端部が壁固定部材に連結される連結部材を備え、前記パネル取付用部材又は壁固定部材のうち少なくともいずれか一方が対象部材とされて、該対象部材に前記連結部材の端部が縦軸回りに回動自在に連結され、前記連結部材にリンク部材の一端部が縦軸回りに回動自在に連結されると共に、該リンク部材の他端部が対象部材に縦軸回りに回動自在で且つ横方向にスライド自在に連結され、連結部材の対象部材に対する回動動作が前記リンク部材の他端部の横方向の直線動作に変換されるようにし、前記対象部材に前記リンク部材の他端部の動作を拘束する拘束手段が設けられていることを特徴とする表示パネル支持装置。
  2. 前記対象部材がパネル取付用部材で構成され、該パネル取付用部材に前記拘束手段によるリンク部材の他端部の拘束を解除するための解除操作部が設けられることを特徴とする請求項1に記載の表示パネル支持装置。
  3. 前記リンク部材の他端部にスライドシューが設けられると共に、対象部材に前記スライドシューを横方向にスライド自在にガイドするガイド部材が設けられ、前記拘束手段が、スライドシューをガイド部材とで挟み込んで固定する摩擦部材で構成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の表示パネル支持装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102608850A (zh) * 2012-03-28 2012-07-25 广东威创视讯科技股份有限公司 投影图像显示装置
JP2014179768A (ja) * 2013-03-14 2014-09-25 Panasonic Corp モニタ左右チルト機構

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