JP5480478B2 - クレヨン - Google Patents

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Description

本発明は、ゲル硬度が高いにもかかわらず、その製造に際して、成形用容器への充填時の流動性を確保することができ、かくして、内部に微細な空洞のない充実したクレヨンに関する。
従来、クレヨンとして、着色剤、有機溶媒、樹脂及びゲル化剤を主成分としてなるものがよく知られている。一例を挙げれば、例えば、ジベンジリデンソルビトールやトリベンジリデンソルビトールのようなベンジリデンソルビトール類からなるゲル化剤と樹脂成分と着色剤を有機溶媒に溶解又は分散させた後、冷却し、固化させてなるクレヨンが知られている(特許文献1から3参照)。
また、ベンジリデンソルビトール類以外にも、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ−n−ブチルアミドのようなN−アシルアミノ酸アミド類や、2−ヒドロキシステアリン酸のような高級脂肪酸も、クレヨンの製造のためのゲル化剤として知られている(特許文献4参照)。
従来から知られているクレヨンは、その直径が比較的大きく、従って、その硬さも、書きやすさの観点から、ゲル硬度15〜20Kg/cm2の範囲にあるように調整されている。しかし、近年、クレヨンの用途の拡大に伴って、その直径が比較的小さく、従って、そのゲル硬度も30〜40Kg/cm2の範囲にあるクレヨンが求められるに至っている。
クレヨンの製造に際して、上記ベンジリデンソルビトール類からなるゲル化剤の配合量を増やすことによって、得られるクレヨンのゲル硬度を高めることができるが、この場合、その製造時における原料溶液のゲル化が促進される結果、得られるクレヨンに微細な空洞が多数、生じる問題がある。
より詳細には、一般に、クレヨンは、有機溶媒に樹脂、着色剤、ゲル化剤、必要に応じてその他の添加剤を加え、加熱下に溶解、分散させて、原料溶液とし、これを成形容器に注入し、冷却、固化させることによって製造される。ここに、原料溶液のゲル化が促進されるときは、原料溶液を成形容器に注入する間に早くもゲル化が始まり、成形容器内において原料溶液の流動性が低下し、かくして、原料溶液が成形容器内に均一に充填されず、一部に空洞を残したまま、ゲル化し、その結果、得られるクレヨンの内部に微細な空洞が生じることとなる。このように、クレヨンが内部に微細な空洞を有するときは、筆跡に際して、筆跡に着色されない部分、即ち、筆跡に色抜けが生じる。
他方、N−アシルアミノ酸アミド類は、比較的多量に用いても、原料溶液を成形容器に注入する間、良好な流動性を保つことができるので、得られるクレヨンは、内部に微細な空洞がなく、充実しているが、しかし、N−アシルアミノ酸アミド類は、単独で用いても、得られるクレヨンに必要とするゲル硬度を有せしめることができない。
特公昭54−23619号公報 特公昭55−41716号公報 特開平08−120209号公報 特開2001−200190号公報
本発明は、30〜40Kg/cm2の範囲のゲル硬度を有しながら、その製造において、原料溶液を成形容器内に注入する際の流動性を確保し、かくして、内部に微細な空洞がなく、充実しており、筆記において色抜けを起こさないクレヨンを提供することを目的とする。
本発明によれば、着色剤、有機溶媒及び樹脂成分と共に、ゲル化剤としてジベンジリデンソルビトール、トリベンジリデンソルビトール及びこれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種のベンジリデンソルビトール類とN−アシルアミノ酸アミド類を含むクレヨンにおいて、ベンジリデンソルビトール類を3〜15重量%の範囲で含み、N−アシルアミノ酸アミド類を0.5〜5重量%の範囲で含むと共に、ベンジリデンソルビトール類とN−アシルアミノ酸アミド類をベンジリデンソルビトール類/N−アシルアミノ酸アミド類重量比で95/5〜65/35の範囲で含み、ゲル硬度が30〜40Kg/cm2の範囲にあることを特徴とするクレヨンが提供される。
本発明によるクレヨンは、ゲル化剤として、ベンジリデンソルビトール類とN−アシルアミノ酸アミド類をクレヨンに基づいてそれぞれ所定の割合にて、且つ、所定の比率で含有するので、ゲル硬度が30〜40Kg/cm2の範囲にあり、しかも、その製造に際しては、原料溶液のゲル化が遅延されるので、原料溶液を成形容器に注入する際に原料溶液の流動性が確保され、かくして、内部に微細な空洞をもたないクレヨンを得ることができる。このように、内部に微細な空洞をもたないクレヨンは、筆跡に色抜けを生じない。
本発明によるクレヨンにおいて用いられる有機溶媒は、特に限定されるものではないが、アルコール類、グリコール類、グリコールエーテル類及びグリコールエーテルエステル類よりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく用いられる。このような好ましい有機溶媒の具体例としては、アルコール類として、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、3−メチル−3−メトキシブタノール、3−メトキシ−1−ブタノール等を挙げることができ、グリコール類として、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等を挙げることができ、グリコールエーテル類として、例えば、上記グリコール類のメチルエーテル、エチルエーテル、プロピルエーテル、ブチルエーテル、フェニルエーテル等を挙げることができ、グリコールエーテルエステル類として、例えば、上記グリコールエーテル類のアセテート等を挙げることができる。
本発明においては、特に、これらのなかでも、3−メチル−3−メトキシブタノール、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテール及びジプロピレングリコールモノメチルエーテルよりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく用いられる。
本発明において、クレヨンにおける上記有機溶媒の量は、着色剤、樹脂、ゲル化剤等の成分との関係において適宜に定められるが、クレヨンの重量に基づいて、通常、20〜80重量%、好ましくは、30〜65重量%の範囲である。有機溶媒の量が多すぎるときは、クレヨンの製造時に所要の各成分をまとめてゲル化することが困難となるおそれがある。他方、有機溶媒が少なすぎるときは、クレヨンの製造時に所要の各成分をこれに溶解させることが困難となり、均一なゲルが形成できないおそれがある。
本発明によるクレヨンは、着色剤を含有しており、これによって、種々の色の筆跡を適宜の筆記面上に形成することができる。着色剤としては、染料も用いられるが、好ましくは、顔料が用いられる。このような顔料は、有機顔料でもよく、無機顔料でもよい。用い得る顔料は、例えば、銅フタロシアニンブルー等のフタロシアニン系顔料、スレン系、アゾ系、キナクリドン系、アンスラキノン系、ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリノン系、ペリレン系、インドレノン系、アゾ−アゾメチン系等のほか、酸化チタンやカーボンブラックを含む。これらの顔料は加工顔料の形態であってもよい。例えば、酸化チタンをセルロースアセテートブチレートとブチルベンジルフタレートでチップ状とした加工顔料は本発明において好ましく用いられる加工顔料の一つである。また、必要に応じて、酸化鉄、弁柄、酸化クロム、炭酸カルシウム、クレイ、タルク等のような無機顔料、蛍光顔料、着色した樹脂粒子、アルミニウム粉のような金属粉顔料、所謂パール顔料等も用いられる。また、必要に応じて、種々の体質顔料も用いられる。しかし、本発明において、用い得る着色剤は、これらに限定されるものではない。
本発明によれば、クレヨンにおける着色剤の量は、クレヨンの重量に基づいて、通常、2〜50重量%の範囲である。クレヨンにおける着色剤の量が2重量%よりも少ないときは、得られるクレヨンが十分な発色性をもたない。しかし、着色剤の量が50重量%を超えるときは、得られるクレヨンにおいて、着色剤以外のその他の成分の相対的な割合が低すぎて、それぞれの果たすべき役割が十分に発揮されないので、性能にすぐれるクレヨンを得ることができない。また、クレヨンの製造に際して、前述した原料溶液の粘度が高すぎて、成形容器への注入が困難となる。クレヨンにおける着色剤の最適の配合量は、着色剤の種類によって幾分異なるが、通常、3〜40重量%の範囲である。
本発明において、樹脂は、クレヨンの製造に際しては、各成分をまとめる役割を果たすと共に、得られたクレヨンにて筆記面上に描画したとき、形成された筆跡の定着剤としての役割を果たす。本発明において、このような樹脂として、好ましくは、フィルム形成性樹脂と接着性樹脂が併用される。
フィルム形成性樹脂は、クレヨンの硬度を高めると共に、筆記面に形成された筆跡を強固にするためのものであって、そのような性質を有するものであれば、特に限定されるものではないが、なかでも、セルロースアセテートブチレート、エチルセルロース、アセチルセルロース等のセルロース樹脂やポリビニルブチラール樹脂が好ましく用いられる。これらフィルム形成性樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。

一方、接着性樹脂としては、クレヨンによる筆跡の筆記面への付着性を高めるためのものであって、そのような性質を有する限り、特に限定されるものではないが、通常、例えば、ケトン樹脂、キシレン樹脂、ポリアミド樹脂、ロジンエステル、水添ロジンエステル、アクリル樹脂、テルペンフェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、マレイン酸樹脂等が用いられる。
本発明において、上記フィルム形成性樹脂と接着性樹脂との割合は、他の成分との関係によって適宜に定められるが、通常、フィルム形成性樹脂:接着性樹脂フィルム形成用樹脂の重量比は1:0.1〜5程度、好ましくは、1:0.2〜3程度である。また、クレヨンにおいて、上記フィルム形成性樹脂と接着性樹脂の含有量は、両者の合計量にて、通常、3〜40重量%の範囲であり、好ましくは、6〜35重量%の範囲である。樹脂の割合が多すぎるときは、得られるクレヨンのゲル硬度が高すぎて、着色性とレベリング性が悪く、他方、樹脂の割合が少なすぎるときは、各成分を一体にまとめてゲル化することが困難となり、また、得られるクレヨンが十分な定着性や強度を有しない。
本発明において、ゲル化剤は、各成分を一体に固体にまとめるための成分であり、特に、本発明によれば、得られるクレヨンに30〜40Kg/cm2の範囲のゲル硬度を与えると共に、その製造時において、原料溶液のゲル化を遅延させるために、ジベンジリデンソルビトール、トリベンジリデンソルビトール及びこれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種のベンジリデンソルビトール類とN−アシルアミノ酸アミド類をゲル化剤として併用する。
特に、本発明によれば、このように、ベンジリデンソルビトール類とN−アシルアミノ酸アミド類を併用するに際して、クレヨンに基づいて、その配合量をベンジリデンソルビトール類は3〜15重量%、好ましくは、5〜10重量%の範囲とし、N−アシルアミノ酸アミド類を0.5〜4.5重量%、好ましくは、0.8〜4重量%の範囲とすると共に、それらの比率をベンジリデンソルビトール類/N−アシルアミノ酸アミド類重量比にて95/5〜65/35の範囲とし、好ましくは、93/7〜70/30の範囲とする。
前述したように、ゲル化剤として、ベンジリデンソルビトール類の配合量を増やせば、得られるクレヨンのゲル硬度を高めることができるが、一方において、原料溶液のゲル化が促進されて、原料溶液を成形容器に注入する間にゲル化が始まり、原料溶液は一部に空洞を残したまま、ゲル化し、その結果、得られるクレヨンの内部に微細な空洞が生じることとなる。
ここに、本発明によれば、上述したように、ゲル化剤として、ベンジリデンソルビトール類とN−アシルアミノ酸アミド類をクレヨンに基づいてそれぞれ所定の割合にて、且つ、所定の比率で含有させることによって、ゲル硬度が30〜40Kg/cm2の範囲にあり、しかも、その製造に際しては、原料溶液のゲル化が遅延されて、原料溶液を成形容器に注入する際に原料溶液の流動性が確保され、かくして、内部に微細な空洞をもたない充実したクレヨンを得ることができる。
クレヨンにおいて、ベンジリデンソルビトール類が3重量%よりも少ないときは、原料成分をまとめて、一体にゲル化することができず、他方、ベンジリデンソルビトール類が15重量%よりも多いときは、得られるクレヨンが過度に硬くなって、筆記し難くなる。また、N−アシルアミノ酸アミド類の割合が、0.5重量%よりも少ないときは、ベンジリデンソルビトール類と併用しても、原料溶液のゲル化を遅延させ、成形容器への注入時の流動性を確保することができない。他方、N−アシルアミノ酸アミド類の割合が4.5重量%よりも多いときは、得られるクレヨンのゲル硬度が高すぎて、目的とするゲル硬度を有するクレヨンを得ることができず、そのうえ、クレヨンの表面に過剰のN−アシルアミノ酸アミド類がブリードして、表面が白化する。このように、クレヨンの表面に過剰のN−アシルアミノ酸アミド類がブリードし、表面が白化するときは、製品の商品価値を著しく減じる。
更に、ベンジリデンソルビトール類とN−アシルアミノ酸アミド類を併用するに際して、ベンジリデンソルビトール類/N−アシルアミノ酸アミド類重量比が95/5よりも大きいときは、原料溶液を成形容器に注入するときに、原料溶液の流動性を確保することができず、得られるクレヨンに微細な空洞が生じる。他方、65/35よりも小さいときは、N−アシルアミノ酸アミド類の割合が相対的に多くなって、クレヨンの表面にブリードが生じることがある。
本発明において、ベンジリデンソルビトール類からなるゲル化剤は、ジベンジリデンソルビトール、トリベンジリデンソルビトール及びこれらの誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種である。ジベンジリデンソルビトールの誘導体としては、例えば、ジベンジリデンソルビトールのベンジリデン基中のベンゼン核が任意の位置にて炭素数1〜3のアルキル基やハロゲン原子で置換された化合物を例示することができ、具体例としては、〔ジ(p−メチルベンジリデン)〕ソルビトール、〔ジ(m−エチルベンジリデン)〕ソルビトール、〔ジ(p−クロルベンジリデン)〕ソルビトール等を挙げることができる。
トリベンジリデンソルビトールの誘導体としては、例えば、トリベンジリデンソルビトールのベンジリデン基中のベンゼン核が任意の位置にて炭素数1〜3のアルキル基やハロゲン原子で置換された化合物を例示することができ、具体例としては、〔トリ(p−メチルベンジリデン)〕ソルビトール、〔トリ(m−エチルベンジリデン)〕ソルビトール、〔トリ(p−クロルベンジリデン)〕ソルビトール等を挙げることができる。上記例示したゲル化剤は、単独で用いてもよく、また、2種以上を併用してもよい。
N−アシルアミノ酸アミド類も、例えば、特開2001−187769号公報に記載されているように種々のものが知られており、本発明においては、特に限定されるものではないが、N−アシルアミノ酸アミド類におけるアミノ酸成分としては、例えば、グリシン、β−アラニン、α−アラニン、バリン、ロイシン、フェニルアラニン、3,4−ジオキシフェニルアラニン、セリン、スレオニン、メチオニン、リジン、オルニチン、アルギニン、ヒスチジン、ε−アミノカプロン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸等を挙げることができる。
更に、N−アシルアミノ酸アミド類のN−アシル基を構成するアシル基としては、炭素原子数1〜40の飽和又は不飽和の脂肪族アシル基が好ましく、例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、カプロイル、カプリロイル、カプリノイル、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイル、ベヘノイル、オレオイル、リノレオイル等を挙げることができる。
上記アミノ酸のカルボン酸とアミド基を構成するアミン成分は、第1級と第2級アミンのいずれでもよく、好ましくは、アルキル基の炭素原子数が1〜40の飽和又は不飽和の脂肪族アルキルアミン、モノ又はジアルカノールアミン、芳香族アミン、脂環式アミン等を挙げることができる。具体的には、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ラウリルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、4−イソプロピルシクロヘキシルアミン、アニリン、ベンジルアミン、ナフチルアミン、4−イソプロピルアニリン、ジメチルアミン、N−メチルエチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、 N−メチルブチルアミン、ピペリジン、3,5−ジメチルピペリジン、 N−メチルドデシルアミン、ジラウリルアミン、ジステアリルアミン、N−メチルベンジルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等を挙げることができる。
従って、本発明において好ましいN−アシルアミノ酸アミド類の具体例として、例えば、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ−n−ブチルアミド、N−ラウロイル−L−フェニルアラニン−n−ドデシルアミド、N−パルミトイルグリシン−n−プロピルアミド、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジピペリジルアミド、N−エチルヘキサノイル−L−グルタミン酸ジ−n−ブチルアミド、N−パルミトイル−L−バリン−n−オクチルアミド等を挙げることができる。
更に、本発明によれば、クレヨンに書き味をよくすると共に、筆跡に耐水性を与えるために、好ましくは、可塑剤を含む。この可塑剤としては、クレヨンに従来から可塑剤として用いられているものであれば、いずれでも用いられるが、例えば、ジブチルフタレート、ブチルベンジルフタレートのようなフタル酸エステル類、アジピン酸ジイソノニル、アセチルクエン酸トリブチル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル等の脂肪族多塩基酸エステル類、アルキルスルホン酸フェニルエステル等の有機スルホン酸エステル等を挙げることができる。
本発明において、クレヨンにおける可塑剤の割合は、通常、0.5〜20重量%の範囲であり、好ましくは、1〜10重量%の範囲である。上記可塑剤は、単独で用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。クレヨンにおける可塑剤の割合が0.5重量%よりも少ないときは、筆跡に十分な耐水性を与えることが困難であり、他方、20重量%を越えるときは、クレヨンの製造において、可塑剤を含む種々の成分をまとめてゲル化することが困難となり、更に、得られるクレヨンの筆記性も悪くなる場合がある。
本発明によるクレヨンは、その製造方法において、特に、限定されるものではなく、上述した各成分を均一に混合し、一体にゲル化すれば、本発明によるクレヨンを得ることができる。一例を挙げれば、例えば、用いる有機溶媒に着色剤を加え、更に、樹脂を加えて、必要に応じて、150℃までの加熱下に攪拌して、溶解、分散させ、ついで、得られた溶液を150℃に加熱し、これにゲル化剤を加え、溶解させて、原料溶液を得、最後に、この原料溶液を円筒状の成形容器に注入し、冷却して、固化させれば、円柱状のクレヨンを得ることができる。
本発明によるクレヨンは、1つの態様として、例えば、中空のホルダー内にその先端がホルダーの下端から突出、露出するように収容されて、上記クレヨンの先端にて筆記する筆記具として用いられる。このように、中空のホルダー内にクレヨンを収容した筆記具を得るには、上記成形容器として上記ホルダーが用いられる。
図1にホルダー内に本発明によるクレヨンを収容してなる筆記具1の一例を示す。ホルダー2は、複数のホルダー要素3を順次、所謂頭尾構造を有するように所定の長さに至るまで嵌め込んで形成されており、このホルダー内にクレヨン4がその先端をホルダーの下端から突出し、露出させて収容されており、ホルダーの上端には尾栓5が嵌め込まれている。
図2にホルダー要素3を詳細に示す。ホルダー要素は、小径部6から大径部7まで4段の段付きの円筒体であって、1つのホルダー要素の小径部を別のホルダー要素の大径部に挿入し、嵌め込むことによって一対の頭尾構造が形成される。このように、複数のホルダー要素を順次、頭尾構造を有するように嵌め込んで、所定の長さを有せしめることによってホルダーが形成される。
このようなホルダーにクレヨンが収容されている筆記具は、例えば、次のようにして製造される。即ち、図2に示すキャップ8をホルダーの下端(即ち、ホルダーの下端を構成するホルダー要素)に嵌め込んで、ホルダーの下端を封止した後、ホルダーを上記キャップが下になるように垂直に立て、上端から原料溶液をホルダー内に注入し、冷却、固化させる。この後、ホルダーの上端に前記尾栓を嵌め込めば、ホルダーの下端にキャップを有し、ホルダーの上端に尾栓を有し、ホルダー内にクレヨンがその先端をホルダーの下端から突出、露出させて収容されている筆記具を得ることができる。そこで、上記キャップをホルダーの下端から取り外せば、ホルダー内にクレヨンがその先端をホルダーの下端から突出、露出させて収容されており、かくして、筆記に用いることができる。
ホルダーの下端から露出しているクレヨンが少量となれば、ホルダーの上端を構成しているホルダー要素をこれに隣接する直下のホルダー要素から抜き取り、新たにホルダーの上端を構成することとなったホルダー要素内に尾栓を嵌め込み、その先端をクレヨンの後端に押し当てつつ、尾栓をホルダー内に押し込めば、クレヨンの先端をホルダーの下端から再度、露出させることができ、かくして、更なる筆記が可能となる。
実施例
以下に本発明の実施例と共に比較例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下において用いた溶媒、可塑剤、顔料、樹脂及びゲル化剤は下記のとおりである。
有機溶媒1:エチレングリコールモノブチルエーテル
有機溶媒2:プロピレングリコールn−ブチルエーテル
可塑剤1:ランクセス(Lanxess)社製のアルキル基の炭素原子数14〜17のアルキルスルホン酸フェニルエステル(メサモール(登録商標)II)
可塑剤2:フタル酸ブチルベンジル
着色剤:東洋インキ製造(株)製加工顔料CAB101ホワイト80%(酸化チタン80重量%、セルロースアセテートブチレート15重量%及びブチルベンジルフタレート5重量%)
樹脂1:セルロースアセテートブチレート
樹脂2:日立化成工業(株)製ケトン樹脂(ハイラック111)
樹脂3:デグサ社製ケトン樹脂(AP)
ゲル化剤1:ジベンジリデンソルビトール
ゲル化剤2:N−エチルヘキサノイル−L−グルタミン酸ジ−n−ブチルアミド
ゲル化剤3:N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ−n−ブチルアミド
実施例1
エチレングリコールモノブチルエーテル29.0重量部とプロピレングリコールモノブチルエーテル5.0重量部からなる混合溶媒に着色剤酸化チタンの80重量%分散液29.0重量部と可塑剤アルキルスルホン酸フェニルエステル2.0重量部を加え、溶解、分散させた。得られた溶液を130℃に加熱し、攪拌しつつ、これにセルロースアセテートブチレート9.0重量部とケトン樹脂(日立化成(株)製ハイラック111)11.5重量部とケトン樹脂(デグサ社製AP)4.0重量部を加えた後、上記温度に保って、上記樹脂を溶解させた。次いで、上記と同じ温度でジベンジリデンソルビトール9.5重量部とN−エチルヘキサノイル−L−グルタミン酸ジ−n−ブチルアミド1.0重量部を加えて、完全に溶解させて、原料溶液とした。
前述したように、内径5mmのホルダー要素16個を頭尾構造を有するように順次、嵌め込み、下端にキャップを嵌め込んで、成形容器とした。この成形容器に上記原料溶液を注入し、冷却、固化させて、ホルダー内にクレヨンを収容した筆記具を得た。
実施例2〜4
第1表に示す成分を第1表に示す量にて用いた以外は、実施例1と同様にして、クレヨンを得た。
比較例1〜9
第1表に示す成分を第1表に示す量にて用いた以外は、実施例1と同様にして、クレヨンを得た。
以上のようにして得られたそれぞれのクレヨンについて、以下のようにして、ゲル硬度と表面におけるゲル化剤のブリードの有無と内部の空洞の有無を調べた。結果を第1表に示す。
ゲル硬度
原料溶液を内径1cmの円筒状の成形容器に注入し、冷却、固化させて、直径1cmのクレヨンを得、その先端から長さ1.0cmにわたって切り取り、除去した後、その切断面から長さ2.0cmにわたって切り取って、円筒状の試料とした。一方、先端に直径4mmの治具を有するデジタル荷重計を引張圧縮試験機に取り付けて測定用装置とした。上記円筒状の試料をその軸方向を鉛直にして上記測定用装置の台座に置き、上記試料の切断面に上記治具を上記試験機の最大速度で垂直方向に突き刺して、そのときの荷重(Kgf)を求め、これに基づき、次式からゲル硬度を求めた。
ゲル硬度(Kgf/cm2)=荷重(Kgf)/(0.4/2)2π
表面におけるゲル化剤ブリードの有無
得られたクレヨンを温度約4℃で冷蔵庫に保存した後、表面にゲル化剤がブリードしているかどうかを目視にて観察した。
内部の空洞の有無
ホルダーを構成するホルダー要素をホルダーの上端から順次に取り外して、クレヨンを露出させ、表面に空隙があるかどうか、目視にて調べた。
Figure 0005480478
比較例3から8にみられるように、ベンジリデンソルビトール類の配合量を増やせば、得られるクレヨンのゲル硬度は比例的に大きくなるが、ゲル硬度を30Kg/cm2以上とすれば、得られるクレヨンは内部に微細な空洞を有する。ゲル化剤として、N−アシルアミノ酸アミド類のみを用いるときは、比較例2にみられるように、30Kg/cm2以上のゲル硬度を有せしめることは困難であり、また、多量に配合するときは、表面にブリードする。更に、ベンジリデンソルビトール類とN−アシルアミノ酸アミド類を併用しても、比較例1及び9にみられるように、その割合が本発明において規定する範囲を外れるときは、得られるクレヨンに必要なゲル硬度を有せしめることができない。
これに対して、本発明に従って、ゲル化剤としてベンジリデンソルビトール類とN−アシルアミノ酸アミド類を組み合わせて配合することによって、ゲル硬度が30〜40Kg/cm2の範囲にあり、しかも、内部に微細な空洞をもたないクレヨンを得ることができる。
本発明のクレヨンをホルダー内に収容してなる筆記具の一例を示す一部縦断面図である。 ホルダー要素とキャップを示す縦断面図である。
符号の説明
1…筆記具
2…ホルダー
3…ホルダー要素
4…クレヨン
5…尾栓

Claims (4)

  1. 着色剤、有機溶媒及び樹脂成分と共に、ゲル化剤としてジベンジリデンソルビトール、トリベンジリデンソルビトール及びこれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種のベンジリデンソルビトール類とN−アシルアミノ酸アミド類を含むクレヨンにおいて、ベンジリデンソルビトール類を3〜15重量%の範囲で含み、N−アシルアミノ酸アミド類を0.5〜4.5重量%の範囲で含むと共に、ベンジリデンソルビトール類とN−アシルアミノ酸アミド類をベンジリデンソルビトール類/N−アシルアミノ酸アミド類重量比で95/5〜65/35の範囲で含み、上記有機溶媒が3−メチル−3−メトキシブタノール、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテール及びジプロピレングリコールモノメチルエーテルよりなる群から選ばれる少なくとも1種であり、上記樹脂がセルロース樹脂とポリビニルブチラール樹脂から選ばれる少なくとも1種のフィルム形成性樹脂とケトン樹脂、キシレン樹脂、ポリアミド樹脂、ロジンエステル、水添ロジンエステル、アクリル樹脂、テルペンフェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、マレイン酸樹脂から選ばれる少なくとも1種の接着性樹脂とからなり、このフィルム形成性樹脂と接着性樹脂を合計量にて3〜40重量%の範囲で含むと共に、フィルム形成性樹脂と接着性樹脂をフィルム形成性樹脂:接着性樹脂フィルム形成用樹脂の重量比1:0.1〜5の範囲で含み、ゲル硬度が30〜40Kg/cm2の範囲にあることを特徴とするクレヨン。
  2. ベンジリデンソルビトール類を5〜10重量%の範囲で含み、N−アシルアミノ酸アミド類を0.8〜4.0重量%の範囲で含むと共に、ベンジリデンソルビトール類とN−アシルアミノ酸アミド類をベンジリデンソルビトール類/N−アシルアミノ酸アミド類重量比で93/7〜70/30の範囲で含む請求項1に記載のクレヨン。
  3. 更に可塑剤を含む請求項1又は2に記載のクレヨン。
  4. 可塑剤がフタル酸エステル類、脂肪族多塩基酸エステル類又はアルキルスルホン酸フェニルエステルである請求項3に記載のクレヨン
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