JP4144991B2 - 光輝性クレヨン - Google Patents

光輝性クレヨン Download PDF

Info

Publication number
JP4144991B2
JP4144991B2 JP2000008476A JP2000008476A JP4144991B2 JP 4144991 B2 JP4144991 B2 JP 4144991B2 JP 2000008476 A JP2000008476 A JP 2000008476A JP 2000008476 A JP2000008476 A JP 2000008476A JP 4144991 B2 JP4144991 B2 JP 4144991B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crayon
resin
glittering
pigment
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000008476A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001200190A (ja
Inventor
英敏 福尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sakura Color Products Corp
Original Assignee
Sakura Color Products Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sakura Color Products Corp filed Critical Sakura Color Products Corp
Priority to JP2000008476A priority Critical patent/JP4144991B2/ja
Publication of JP2001200190A publication Critical patent/JP2001200190A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4144991B2 publication Critical patent/JP4144991B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、筆記具、印刷関連分野、塗料関連分野、化粧品関連分野などで好適に使用することができる光輝性固形描画材において、特に光輝性クレヨンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、金色、銀色等の金属光沢色の筆跡を得るために、光輝性顔料を用いたクレヨンが提供されている。例えば、特願昭57−16052号は、半蒸着ガラスビーズを用いたクレヨン組成物である。また特願昭57−204855号は、金属箔片(ラメ)を用いたクレヨンである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、半蒸着ガラスビーズを用いたクレヨンでは粒径が大きく、厚みもかなり厚いため、均一な塗膜ができず凹凸の大きい塗膜となってしまう。又、粒径が大きい事から塗布面上で磨耗付着する際、クレヨン表面より半蒸着ガラスビーズが脱落するといった不具合点を生じ、その結果、十分な塗布面での密着性が得られないし、塗布面が均一でないことから重要な光輝性についても十分ではない。又、金属箔片(ラメ)についても一般的に粒径が大きく前述のような脱落や逆に大きな薄片であることから、磨耗筆記できずに滑ってしまうという不具合点が生じる。そして、光輝性についても、金属箔片の場合は平滑である為、見る角度により光輝性の強さが変わる角度依存性が非常に大きいという問題がある。
【0004】
本発明の目的は、従来の光輝性顔料を用いたクレヨンと比較して、より強い光輝感や定着性を持ち、さらには従来のクレヨンにはなかった強い立体感を併せ持つ筆跡乃至塗膜を得ることができる光輝性クレヨンを提供するところにある。
また本発明の更なる目的は、描画特性や筆記適性を低下させることなく、しかもガラスフレーク顔料配合による強い光輝感と立体感の効果を阻害することなく、筆跡乃至塗膜に対する光輝性顔料の定着性を向上さることができ、より強い光輝感と立体感を筆跡乃至塗膜に与え続けることができる光輝性クレヨンを提供するところにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため鋭意検討した結果、本発明は、必須成分として、ガラスフレーク顔料、溶剤、溶剤に可溶な樹脂及びゲル化剤を含んでなる光輝性クレヨンを採用した。また、本発明は、必須成分として、金属被覆無機顔料、溶剤、溶剤に可溶な樹脂及びゲル化剤を含んでなる光輝性クレヨンを採用した。なお、本発明でいう「金属被覆無機顔料」とは、金属及び金属酸化物のうち少なくともいずれか1つの物質が被覆された無機顔料を総称するものとして定義される。
【0006】
従って、上記ガラスフレーク顔料を含有した光輝性クレヨンは、ガラスが持つ高い表面平滑性と粉砕されたガラスの断面により、従来の半蒸着ガラスビーズや金属箔片(ラメ)などの光輝性顔料と比較して、より強い光輝感と立体感を有するとともに、同時に定着性も良好な筆跡乃至塗膜を得ることができる。
【0007】
また、上記の金属被覆無機顔料を含有した光輝性クレヨンも、無機顔料が金属蒸着等で着色されているため、従来の光輝性顔料を用いたクレヨンと比較して、光輝性が失われることなく、より強い光輝感を持つと共に、同時に定着性の良好な筆跡乃至塗膜を得ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
溶剤は、特に制限されないが、キシレン、テトラリン等の芳香族炭化水素類、n−プロピルシクロヘキサン、n−ブチルシクロヘキサン等の炭素数9及び10のシクロヘキサン系炭化水素類、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸ブチル、プロピオン酸のエステル類、1価アルコール類、グリコール類、グリコールエーテル類及びこれらのエステル類等公知の溶剤も使用できるがグリコール類、グリコールのエーテル類、グリコールのエーテルエステル類、アルコール類から少なくとも1種類以上用いることが好ましい。例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、3−メチルー3―メトキシブタノール、3−メトキシー1−ブタノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類、上記グリコール類のメチルエーテル、エチルエーテル、プロピルエーテル、ブチルエーテル、フェニルエーテル等のグリコールエーテル類又はこれらのエステル等が挙げられる。
【0009】
本発明では、これら溶剤の沸点が140℃以上のものでHLBが6.5以上のものがより効果的であり、特にそのなかでも、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メチルー3−メトキシブタノールの少なくとも1種類を必須成分として用いることが好ましい。
【0010】
クレヨン中における溶剤の含有量は、着色剤等の成分との関係において適宜設定することができるが、通常20〜80重量%程度、好ましくは35〜65重量%とすれば良い。溶剤が多すぎるとゲル化が困難となるおそてがある。また、溶剤が少なすぎると他の成分の溶解が困難となり、均一なゲルが形成できなくなることがある。これによって、光輝性の効果が減少するおそれがある。
【0011】
本発明で用いられるガラスフレーク顔料は、フレーク状ガラスが金属などで被覆された構造からなり、光輝感と立体感を有する顔料として定義される。一例を挙げれば、フレーク状ガラスが無電解メッキ法により金属で被覆されたガラスフレーク顔料を使用することができる。例えば、銀で被覆された東洋アルミニウム社製の商品名「メタシャインREFSX−2015PS」、「メタシャインREFSX−2025PS」、及び「メタシャインREFSX−2040PS」、日本板硝子社製の商品名「メタシャインRCFSX−5480PS」、「メタシャインRCFSX−5230PS」「メタシャインRCFSX−5150PS」、「メタシャインRCFSX−5090PS」を例示することができる。
【0012】
また、フレ−ク状ガラスがスパッタリング法により金属で被覆されたガラスフレーク顔料も使用することができる。例えば、銀で被覆された東洋アルミニウム社製の商品名「クリスタルカラ−GF2125」、「クリスタルカラーGF2125−M」、「クリスタルカラーGF2140」、「クリスタルカラーGF2140−M」がある。また、ニッケル・クロム・モリブデンで被覆された同社製の商品名「クリスタルカラーGF2525」、「クリスタルカラーGF2525−M」、「クリスタルカラーGF2540」、「クリスタルカラーGF2540−M」がある。また、真鍮で被覆された同社製の商品名「クリスタルカラーGF250」、銀合金で被覆された同社製の商品名「クリスタルカラーGF1345」、チタンで被覆された同社製の商品名「クリスタルカラーGF1445」がある。
【0013】
本発明では、ガラスフレーク顔料のメジアン径は5〜500μmが好適である。ガラスフレーク顔料のメジアン径が5μm未満の場合は、フレーク粒子が小さすぎるため光輝性が劣り、また500μmを超えると筆記時滑りが発生し均一な塗膜ができない状態になるため好ましくない。
【0014】
本発明におけるガラスフレーク顔料は、クレヨン組成全量に対して0.1〜40重量%含まれていることが好ましい。ガラスフレーク顔料がクレヨン組成全量に対して0.1重量%未満の場合は光輝性及び立体感が充分でない。また、ガラスフレーク顔料がクレヨン全量に対して40重量%を超えると、固形分多くなり、クレヨンとしては粘度が上がりすぎ、流動性が低下し、成形しにくい状態になり好ましくない。ガラスフレーク顔料の最適配合量は1〜20重量%である。なお、ガラスフレーク顔料は1種又は2種以上を混合して用いることができる。また、ガラスフレーク顔料を、金属被覆無機顔料、アルミニウム顔料、パ−ル顔料などの光輝性顔料と混合して用いることもできる。
【0015】
本発明で用いる金属被覆無機顔料とは、例えば金属蒸着等で金属及び又は金属酸化物が被覆された無機顔料として構成されている。一例を挙げれば、酸化鉄(III)が被覆されたアルミニウムを用いることができる。例えばBASF株式会社製の商品名「Paliocrom Gold L2000」、「Paliocrom Gold L2002」、「Paliocrom Gold L2020」、「Paliocrom Gold L2022」、「Paliocrom Gold L2025」「Paliocrom Orange L2800」がある。また、酸化鉄(III)が被覆された雲母を用いることができる。例えばBASF株式会社製の商品名「Paliocrom Red Gold L2500」、「Paliocrom Red L4000」がある。また、アルミニウム−マンガン被覆の雲母状酸化鉄(III) を用いることができる。例えばBASF株式会社製の商品名「Paliocrom Copper L3000」及び「Paliocrom Copper L3001」がある。また、還元二酸化チタンが被覆された雲母を用いることができる。例えばBASF株式会社製の商品名「Paliocrom Blue Silver L6000」、「Paliocrom Blue Silver L6001」がある。また、二酸化チタンが被覆された雲母も用いることができる。
【0016】
上記の金属被覆無機顔料のメジアン径も、ガラスフレーク顔料のメジアン径と同様に、5〜500μmが好適である。金属被覆無機顔料のメジアン径が5μm未満の場合は、上記の無機顔料粒子が小さすぎるため光輝性が劣り、また500μmを超えると筆記時滑りが発生し均一な塗膜ができない状態になるため好ましくない。
【0017】
金属被覆無機顔料の配合量も、ガラスフレーク顔料と同様にクレヨン全量に対して0.1〜40重量%含まれていることが好ましい。上記の無機顔料がクレヨン全量に対して0.1重量%未満の場合は光輝性及び立体感が充分でない。また、上記の無機顔料がクレヨン全量に対して40重量%を超えると、固形分多くなり、クレヨンとしては粘度が上がりすぎ、流動性が低下し、成形しにくい状態になり好ましくない。上記の顔料の最適配合量は1〜20重量%である。なお、金属被覆無機顔料は1種又は2種以上を混合して用いることができる。また、金属被覆無機顔料を、ガラスフレーク顔料、アルミニウム顔料、パ−ル顔料などの光輝性顔料と混合して用いることもできる。
【0018】
ゲル化剤としては、特に制限されず、従来技術におけるクレヨンに適用されるものを用いることができる。例えば、ジベンジリデンソルビトール類、トリベンジリデンソルビトール類、アミノ酸系油ゲル化剤、脂肪酸類等が挙げられる。
ジベンジリデンソルビトール類としては、ジベンジリデンソルビトールのほか、ジベンジリデンソルビトールのベンジリデンもとのベンゼン核の任意の位置に炭素数1〜3のアルキル基で置換された化合物(ジベンジリデンソルビトール誘導体)が例示でき、具体的には〔ジー(p−メチルベンジリデン)〕−ソルビトール、〔ジー(m−エチルベンジリデン)〕−ソルビトール、〔ジー(p−クロルベンジリデン)〕−ソルビトール等が挙げられる。
【0019】
トリベンジリデンソルビトール類としては、トリベンジリデンソルビトールのほか、トリベンジリデンソルビトールのベンジリデン基のベンゼン核の任意の位置に炭素数1〜3のアルキル基で置換された化合物(トリベンジリデンソルビトール誘導体)が例示でき、具体的には〔トリー(p−メチルベンジリデン)〕−ソルビトール、〔トリー(m−エチルベンジリデン)〕−ソルビトール、〔トリー(p−クロルベンジリデン)〕−ソルビトール等が挙げられる。
【0020】
アミノ酸系油ゲル化剤は、例えばN−アシルグルタミンジアミド、N−ラウロイルグルタミン酸ジーn−ブチルアミド等が挙げられる。
脂肪酸としては、ステアリン酸、ミリスチン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸、ヒドロキシ脂肪酸、あるいはこれらの金属塩(アルカリ金属塩、アンモニウム塩等)が挙げられる。
【0021】
クレヨン中におけるゲル化剤の含有量は、用いるゲル化剤の種類等に応じて適宜設定できるが、通常は2〜12重量%程度、好ましくは3〜8重量%とすれば良い。ゲル化剤が多すぎるとゲル硬度が上がりすぎて着色性等が低下し、また、ゲル化剤が少なすぎるとゲル化が困難となる。
【0022】
本発明クレヨンにおける樹脂成分としては、上記ゲル化クレヨン等に従来より用いられているものを使用でき、特に限定されない。しかし、ガラスフレーク顔料及び又は金属被覆無機顔料を必須の配合成分として含有する本発明では、特にフィルム形成用樹脂及び密着性向上用樹脂の2種類を併用することが好ましい。
【0023】
フィルム形成用樹脂としては、クレヨンの硬度を高め、かつ、塗面で強固なフィルムを形成できるものであれば特に制限されない。例えば、セルロースアセテートブチレート、エチルセルロース、アセチルセルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニルー塩化ビニル共重合樹脂、酢酸ビニルーエチレン共重合樹脂等のビニル系樹脂等を使用できる。これらフィルム形成用樹脂は、1種類または2種類以上で用いることができる。これらの中でも、アセチル基5%以下、水酸基18〜40%、ブチラール基60%以上の重合度300〜2000のポリビニルブチラール樹脂が好ましい。
【0024】
一方、密着性向上用樹脂としては、塗面への定着性を高めることができる限り特に制限されない。例えば、ケトン樹脂、キシレン樹脂、ポリアミド樹脂等を用いることができる。ケトン樹脂としては、例えば、シクロヘキサンとホルムアルデヒドとの縮合物が挙げられる。キシレン樹脂としては、例えば、メタキシレンとホルムアルデヒドとの縮合物が挙げられる。ポリアミド樹脂としては、例えば、ダイマー酸とジまたはポリアミンの縮重合によって得られる熱可塑性樹脂であって、分子量4000〜9000程度のものが挙げられる。これらの密着性向上用樹脂も、1種類または2種類以上で用いることができる。
【0025】
ガラスフレーク顔料及び又は金属被覆無機顔料を含有するクレヨンの場合、そのクレヨン中における樹脂成分の含有量は、用いる樹脂成分の種類等によって異なるが、通常3〜40重量%程度、好ましくは6〜35重量%とすれば良い。樹脂成分が多すぎるとゲル硬度が上がりすぎて着色性及び光輝性等が低下し、また樹脂成分が少なすぎるとゲル化が困難となる。
【0026】
また、上記のフィルム形成用樹脂及び密着性向上用樹脂の配合割合も他の成分との関係で適宜定めることができるが、ガラスフレーク顔料及び又は金属被覆無機顔料を必須の配合成分とする場合は、用樹脂が重量比で1:0.1〜5程度、好ましくは1:0.2〜3とすれば良い。
【0027】
本発明では着色剤を用いることができる。着色剤を用いることにより、クレヨンの色を種々の色に調整することができる。着色剤としては、ガラスフレーク顔料や金属被覆無機顔料と反応せず、また、このようなガラスフレーク顔料や金属被覆無機顔料の発色に影響を与えないものを用いることが重要である。更に着色剤としては、溶解性及び分散性がよいものが好ましい。なお、本発明では着色剤を配合しない光輝性クレヨンも含まれる。
【0028】
具体的には、着色剤としては、酸性染料、直接染料、塩基性染料などの水溶性染料(トリフェニルメタン系、キサンテン系、アントラキノン系、金属錯体系、銅フタロシアニン系など)、フタロシアニン、キナクリドン、カーボンブラック、酸化チタンなどの有機顔料又は無機顔料、或いは蛍光顔料、着色樹脂エマルジョンなどを使用することができる。また、顔料分散体として配合することもできる。着色剤は1種又は2種以上を混合して使用することができる。
【0029】
本発明では、着色剤は、クレヨン全量に対して0.01〜30重量%含まれていることが好ましい。着色剤がクレヨン全量に対して0.01重量%未満の場合は当該着色剤の着色を視認し難くなる。着色剤がクレヨン全量に対して30重量%を超えると、光輝感が低下する。着色剤の最適配合量は、着色剤の種類によってやや異なるが、0.05〜20重量%である。
【0030】
本発明のクレヨンでは、その他の成分として必要に応じで充填剤、レベリング剤、粘度調整剤、構造粘性付与剤、乾燥性付与剤等の公知の添加剤を適宜配合することができる。また、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、エポキシヘキサヒドロフタル酸2−エチルヘキシル、セバシン酸2−エチルヘキシル、トリクレジルホスフェート等の可塑剤も適宜配合することができる。
【0031】
本発明のクレヨンのゲル硬度は、最終製品の用途等に応じて適宜設定すれば良いが、通常5〜50kg/cm程度、好ましくは7〜30kg/cmとする。なお、ゲル硬度は、溶剤、ゲル化剤、樹脂等の種類及び配合量によって変えることができる。
【0032】
本発明のクレヨンの製造方法は、基本的には上記の各成分を均一に混合すれば良い。例えば、まず着色剤が必要な場合は、溶剤の一部にフィルム形成用樹脂等を加えて溶解させ、得られた溶液に着色剤を加えてミル等で十分分散させた後、残りの溶剤を加え、さらに密着性向上用樹脂、光輝性顔料、ゲル化剤等を加え溶解分散させ、最後に得られた溶液を所望の形状を有する容器に流し込み、冷却固化させれば良い。
【0033】
上記方法では、各成分を溶解させるに際し、必要に応じて加熱しても良い。本発明のクレヨンは、これらの成分を用い、公知のクレヨンの製法に従って製造することができる。
【0034】
本発明のクレヨンは、特定の光輝性顔料を用いることから、優れた筆記性とより高い光輝性を発揮することができる。特に、筆記性に関しては、紙、金属、セラミック、プラスチック、ガラス等のあらゆる材質に適用できる。
【0035】
また、定着性に優れ、しかも定着後の塗膜は色移りや光輝性顔料の脱落はしない。さらに、キャップオフ性にもすぐれており、従来の貢クレヨンよりも取り扱い性に優れている。
【0036】
本発明の光輝性クレヨンは、筆記具分野、印刷関連分野、塗料関連分野、化粧品関連分野などにおいて用いられ、筆記具用光輝性クレヨン、描画用光輝性クレヨン、塗布具用光輝性クレヨン、化粧用光輝性クレヨンなどとして各種用途で有用である。
【0037】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の光輝性クレヨンの特徴をより具体的に説明する。
【0038】
(実施例1)
エチレングリコールモノブチルエーテル51重量部にポリビニルブチラール樹脂(「デンカブチラール2000L」電気化学工業(株)製)20重量部を加え溶解させた。得られた溶液に酸化チタン4重量部とカーボンブラック0.5重量部を加えてミルで十分に分散させた後、ジブチルフタレート0.5重量部を加え、130℃で加熱攪拌しつつ、さらにキシレン樹脂(「ニカノールHP−120」三菱瓦斯化学(株)製)4重量部とケトン樹脂(「ハイラック111」日立化成工業(株)製)7重量部を加え、上記温度に保って完全に溶解させた。次いで、光輝性顔料(「メタシャインREFSX−2040PS」東洋アルミニウム(株)製)8重量部とソルビトール系ゲル化剤(「ゲルオールD」新日本理化(株)製)5重量部を加えて完全に溶解分散させた。得られた溶液を容器に流し込み、冷却固化させてから固形物を取り出した。
【0039】
(実施例2)
エチレングリコールモノブチルエーテル14.5重量部とジプロピレングリコールモノメチルエーテル20重量部にセルロースアセテートブチレート(「CAB381−1/2“」イーストマンケミカル社製)15重量部を加え溶解させた。得られた溶液に、130℃で加熱攪拌しつつ、さらにキシレン樹脂(「ニカノールHP−100」三菱瓦斯化学(株)製)5重量部を加え、上記温度に保って完全に溶解させた。次いで、光輝性顔料(「メタシャインRCFSX−5140PS」日本板硝子(株)製)40重量部と12−ヒドロキシステアリン酸5.5重量部を加えて完全に溶解分散させた。得られた溶液を容器に流し込み、冷却固化させてから固形物を取り出した。
【0040】
(実施例3)
プロピレングリコールモノブチルエーテル49.5重量部にポリビニルブチラール樹脂(「エスレックBM−S」積水化学工業(株)製)28重量部を加え溶解させた。得られた溶液に、130℃で加熱攪拌しつつ、さらにキシレン樹脂(「ニカノールHP−120」三菱瓦斯化学(株)製)8重量部とケトン樹脂(「ハイラック111」日立化成工業(株)製)10重量部を加え、、上記温度に保って完全に溶解させた。次いで、光輝性顔料(「メタシャインRCFSX−5140PS」日本板硝子(株)製)0.1重量部とソルビトール系ゲル化剤(「ゲルオールD」新日本理化(株)製)3重量部ソルビトール系ゲル化剤(「ゲルオールT」新日本理化(株)製)1.4重量部を加えて完全に溶解分散させた。得られた溶液を容器に流し込み、冷却固化させてから固形物を取り出した。
【0041】
(実施例4)
プロピレングリコールモノブチルエーテル30重量部とトリプロピレングリコールモノメチルエーテル5重量部と3−メチルー3−メトキシブタノール10重量部にポリビニルブチラール樹脂(「エスレックBL−1」積水化学工業(株)製)15重量部を加え溶解させた。得られた溶液に、フタロシアニンブルー2重量部を加えてミルで十分に分散させた後、130℃で加熱攪拌しつつ、さらにキシレン樹脂(「ニカノールHP−100」三菱瓦斯化学(株)製)6重量部とケトン樹脂(「ハイラック111」日立化成工業(株)製)8重量部とポリアミド樹脂(「バーサミド335」ヘンケル白水(株)製)7重量部を加え、、上記温度に保って完全に溶解させた。次いで、光輝性顔料(「Paliocrom Gold L2002」BASF(株)製)12重量部とソルビトール系ゲル化剤(「ゲルオールD」新日本理化(株)製)5重量部を加えて完全に溶解分散させた。得られた溶液を容器に流し込み、冷却固化させてから固形物を取り出した。
【0042】
(実施例5)
実施例2の光輝性顔料「メタシャインRCFSX−5140PS」に代えて光輝性顔料(「Paliocrom Gold L2025」BASF(株)製)を用いたほかは、実施例2と同様にして固形物を作製した。
【0043】
(実施例6)
実施例3の光輝性顔料「メタシャインRCFSX−5140PS」に代えて光輝性顔料(「Paliocrom Gold L2025」BASF(株)製)を用いたほかは、実施例3と同様にして固形物を作製した。
【0044】
(比較例1)
実施例1の光輝性顔料「メタシャインREFSX−2040PS」に代えてアルミニウム顔料(「Standart Chromal X」ECKART-WERKE社製)を用いたほかは、実施例1と同様にして固形物を作製した。
【0045】
(比較例2)
実施例1の光輝性顔料「メタシャインREFSX−2040PS」に代えてパール顔料(「Iriodin 103」メルクジャパン(株)製)を用いたほかは、実施例1と同様にして固形物を作製した。
【0046】
(比較例3)
実施例1の光輝性顔料「メタシャインREFSX−2040PS」に代えて半蒸着ガラスビーズを用いたほかは、実施例1と同様にして固形物を作製した。
【0047】
(比較例4)
実施例1の光輝性顔料「メタシャインREFSX−2040PS」に代えて金属箔片(「No.70 RB 青色」福田金属箔粉工業(株)製)を用いたほかは、実施例1と同様にして固形物を作製した。
【0048】
【表1】
Figure 0004144991
【0049】
(評価試験)
次に、これらのクレヨンを用いて、下記の試験を行った。これらの評価結果は表1に示した。
(光輝感及び立体感)
これらのクレヨンを用いて市販の黒画用紙に筆記し、各クレヨンの光輝感及び立体感についてそれぞれ評価した。光輝感は筆記状態を目視観察により行い、光輝感の強いものを○、光輝感が小さい又は光輝感がないものを×として評価した。また立体感についても筆記状態を目視観察により行い、立体感があるものを○、立体感がないものを×として評価した。表1にそれらの結果を示す。
【0050】
(定着性試験)
実施例及び比較例に係る試験サンプルのクレヨンを用いて市販の黒画用紙に筆記し乾燥後、その筆跡の上に市販のセロテープを貼り、剥がした後の状態を目視で観察し、以下の評価基準により定着性を評価した。
○:筆跡上に光輝性顔料が残存し、セロテープを剥がす前の光輝感が失われていない。
×:筆跡上に光輝性顔料が剥がれ、セロテープを剥がす前の光輝感が失われている。
【0051】
(筆記適性試験)
実施例及び比較例に係る試験サンプルのクレヨンを用いて市販の黒画用紙に筆記し、その書き味を以下の評価基準により評価して、筆記適性を評価した。
○:書き味が滑らかである。
×:書き味が重い。
【0052】
表1より、実施例1〜6に係る光輝性クレヨンでは、宝石をイメージする光輝性や立体感を発現するとともに、定着性及び筆記適性が良好である。
一方、比較例1では、光輝性顔料としてアルミニウム顔料を使用しており、メタリック調の筆跡は得られたが、光輝感は小さく弱かった。比較例2では、光輝性顔料としてパール顔料を使用したが、光輝感や立体感が得られなかった。比較例3では、宝石をイメージする光輝性や立体感は得られるが、厚みが大きいことから定着性が悪く、筆記時クレヨンが崩れ筆記性も悪い。また、比較例4では、光輝感は得られるが、可撓性のある箔片であることから筆記時クレヨンが滑って書きにくく筆記性が悪い。
【0053】
ガラスフレーク顔料を配合した、実施例1〜3のクレヨンは、比較例のように光輝性顔料を用いずに、ガラスフレーク顔料及び着色剤を配合することによって、強い光輝感と強い立体感を備えた筆跡を得ることができるので、従来にない独特の趣向のある筆跡が得られる。
【0054】
また、金属被覆無機顔料を配合した実施例4〜6のクレヨンは、強い立体感は得られないものの、比較例のクレヨンと比較して、光輝性が失われることなく、強い光輝感を持つ筆跡乃至塗膜を得ることができる。
【0055】
なお、上記実施例は、油性顔料インキをゲル化したいわゆる固形ペイントマーカー等のクレヨンに適用したものであるが、その他の筆記具、印刷関連分野、塗料関連分野、化粧品関連分野などの各種光輝性固形描画材に適用することができる。
【0056】
【発明の効果】
本発明は、少なくとも、ガラスフレーク顔料、溶剤、溶剤に可溶な樹脂及びゲル化剤を含んでなる光輝性クレヨンであるので、従来の光輝性顔料を用いたクレヨンと比較して、より強い光輝感と立体感を持つ従来にない独特の筆跡乃至塗膜を得ることができる。
【0057】
また、金属被覆無機顔料を光輝性顔料として配合し、溶剤、溶剤に可溶な樹脂及びゲル化剤を少なくとも含んでなる光輝性クレヨンは、従来の光輝性顔料を用いたクレヨンと比較して、光輝性が失われることなく、強い光輝感を持つ筆跡乃至塗膜を得ることができる。

Claims (9)

  1. 必須成分として、溶剤、溶剤に可溶な樹脂、ガラスフレーク顔料とゲル化剤を含有してなる光輝性クレヨンであって、
    ガラスフレーク顔料はフレーク状ガラスが金属で被覆された構造からなり、メジアン径が5〜500μm有しており、クレヨン組成中0.1〜40重量%含まれている光輝性クレヨン。
  2. ガラスフレーク顔料はフレーク状ガラスが銀で被覆された構造からなる請求項1記載の光輝性クレヨン。
  3. ガラスフレーク顔料はフレーク状ガラスが、銀合金、ニッケル・クロム・モリブデン、真鍮又はチタンで被覆された構造からなる請求項1記載の光輝性クレヨン。
  4. ゲル化剤が、ジベンジリデンソルビトール類、トリベンジリデンソルビトール類から選ばれる請求項1記載の光輝性クレヨン。
  5. さらに着色剤を含有し、クレヨン全量に対して0.01〜30重量%含まれている請求項1記載の光輝性クレヨン。
  6. 溶剤がグリコール類、グリコールのエーテル類、グリコールのエーテルエステル類、アルコール類から少なくとも 1 種類以上を含有する請求項4の項に記載の光輝性クレヨン。
  7. 溶剤がエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル及び3−メチルー3−メトキシブタノールの少なくとも1種類を必須成分とする請求項5又は6の項に記載の光輝性クレヨン。
  8. 樹脂として、フィルム形成用樹脂及び密着性向上用樹脂が含まれている請求項4乃至7のいずれかの項に記載の光輝性クレヨン。
  9. 樹脂がセルロース系樹脂及びビニル系樹脂の少なくとも 1 種類と、ケトン樹脂、キシレン樹脂及びポリアミド樹脂の少なくとも 1 種類とを含む請求項8記載の光輝性クレヨン。
JP2000008476A 2000-01-18 2000-01-18 光輝性クレヨン Expired - Fee Related JP4144991B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000008476A JP4144991B2 (ja) 2000-01-18 2000-01-18 光輝性クレヨン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000008476A JP4144991B2 (ja) 2000-01-18 2000-01-18 光輝性クレヨン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001200190A JP2001200190A (ja) 2001-07-24
JP4144991B2 true JP4144991B2 (ja) 2008-09-03

Family

ID=18536737

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000008476A Expired - Fee Related JP4144991B2 (ja) 2000-01-18 2000-01-18 光輝性クレヨン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4144991B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5480478B2 (ja) * 2008-08-01 2014-04-23 株式会社サクラクレパス クレヨン

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001200190A (ja) 2001-07-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7468400B2 (en) Aqueous glittering ink composition
JP2006057083A (ja) クレヨン
US6770689B1 (en) Aqueous glittering ink
JP3894645B2 (ja) クレヨン
JP4144991B2 (ja) 光輝性クレヨン
JP2001081382A (ja) スクラッチインキ組成物及びそれを用いた筆記具
JP5155933B2 (ja) ボールペン用光輝性水性インキ組成物
JP2003238882A (ja) パール顔料を含む光輝性組成物、筆記具用インキ組成物及び筆記具
JP4346000B2 (ja) ボールペン用光輝性水性インキ組成物
JPH08151547A (ja) 水性金属光沢色インキ
JP5295473B2 (ja) 光輝性水性インキ組成物
US7384459B2 (en) Crayon
JP4712340B2 (ja) 蓄光クレヨン
JP4327321B2 (ja) ボールペン用光輝性水性インキ組成物
JP4408531B2 (ja) ボールペン及びボールペンチップ
JP4493777B2 (ja) 光輝性固形描画材
JPH06313142A (ja) 金属光沢色水性インキ組成物
JP4232932B2 (ja) 光輝性水性インキ組成物
JP2003049109A (ja) 固形状描画材
JP4190689B2 (ja) 光揮性固形描画材
JP3777764B2 (ja) 水性光沢インキ組成物
JP2002097402A (ja) 光輝性水性インキ組成物
JP4447714B2 (ja) 光輝性固形描画材
JP4447715B2 (ja) 光輝性パステル組成物及びその製造方法
JP3486688B2 (ja) ボールペン用水性金属光沢色インキ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071227

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080222

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080611

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080617

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110627

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120627

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130627

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees