従来の配線基板には、コア基板を有したコア付きビルドアップ配線基板(図1参照)と、コア基板を有していないコアレス基板(図2参照)とがある。
図1は、従来の配線基板の断面図である。
図1を参照するに、従来の配線基板200は、コア付きビルドアップ配線基板であり、コア基板201と、貫通電極202と、パッド203,217と、絶縁層204,208,218,223と、ビア206,209,219,224と、配線パターン207,221と、電子部品接続用パッド211と、ソルダーレジスト212,227と、拡散防止膜213,228と、外部接続用パッド226とを有する。
貫通電極202は、コア基板201を貫通するように設けられている。貫通電極202は、その上端がパッド203と接続されており、下端はパッド217と接続されている。
パッド203は、コア基板201の上面201A及び貫通電極202の上端に設けられている。絶縁層204は、パッド203の一部を覆うように、コア基板201の上面201Aに設けられている。絶縁層204は、パッド203の上面の一部を露出する開口部231を有する。開口部231は、絶縁層204に直接レーザを照射することで形成する。ビア206は、開口部231に設けられている。ビア206の下端は、パッド203と接続されている。ビア206は、配線パターン207と一体的に構成されている。
配線パターン207は、パッド233と、配線234とを有する。パッド233は、絶縁層204の上面204Aに設けられている。パッド233は、配線234と一体的に構成されている。配線234は、ビア206の上端及び絶縁層204の上面204Aに設けられている。配線234は、ビア206と一体的に構成されている。配線234は、ビア206とパッド233とを電気的に接続している。
絶縁層208は、配線234を覆うように、絶縁層204の上面204Aに設けられている。絶縁層208は、パッド233の上面の一部を露出する開口部236を有する。開口部236は、絶縁層208に直接レーザを照射することで形成する。
ビア209は、開口部236に設けられている。ビア209は、その下端がパッド233と接続されている。電子部品接続用パッド211は、絶縁層208の上面208A及びビア209の上端に設けられている。電子部品接続用パッド211は、ビア209と一体的に構成されている。電子部品接続用パッド211は、拡散防止膜213が形成される拡散防止膜形成領域211Aを有する。電子部品接続用パッド211は、拡散防止膜213を介して、電子部品(例えば、半導体チップ)と電気的に接続されるパッドである。
ソルダーレジスト212は、拡散防止膜形成領域211A以外の部分の電子部品接続用パッド211を覆うように、絶縁層208の上面208Aに設けられている。ソルダーレジスト212は、拡散防止膜形成領域211Aを露出する開口部202Aを有する。拡散防止膜213は、拡散防止膜形成領域211Aを覆うように設けられている。拡散防止膜213には、図示していない電子部品(例えば、半導体チップ)が接続される。
パッド217は、コア基板201の下面201B及び貫通電極202の下端に設けられている。パッド217は、貫通電極202を介して、パッド203と電気的に接続されている。絶縁層218は、パッド217の一部を覆うように、コア基板201の下面201Bに設けられている。絶縁層218は、パッド217の下面の一部を露出する開口部241を有する。開口部241は、絶縁層218に直接レーザを照射することで形成する。ビア219は、開口部241に設けられている。ビア219の上端は、パッド217と接続されている。ビア219は、配線パターン221と一体的に構成されている。
配線パターン221は、パッド242と、配線243とを有する。パッド242は、絶縁層218の下面218Aに設けられている。パッド242は、配線243と一体的に構成されている。配線243は、ビア219の下端及び絶縁層218の下面218Aに設けられている。配線243は、ビア219と一体的に構成されている。配線243は、ビア219とパッド242とを電気的に接続している。
絶縁層223は、配線243を覆うように、絶縁層218の下面218Aに設けられている。絶縁層223は、パッド242の上面の一部を露出する開口部245を有する。開口部245は、絶縁層223に直接レーザを照射することで形成する。
ビア224は、開口部245に設けられている。ビア224の上端は、パッド242と接続されている。外部接続用パッド226は、ビア224と一体的に構成されている。外部接続用パッド226は、拡散防止膜228が形成される拡散防止膜形成領域226Aを有する。外部接続用パッド226は、拡散防止膜228を介して、例えば、マザーボード等の実装基板(図示せず)と電気的に接続されるパッドである。
ソルダーレジスト227は、拡散防止膜形成領域226A以外の部分の外部接続用パッド226を覆うように、絶縁層223の下面223Aに設けられている。ソルダーレジスト227は、拡散防止膜形成領域226Aを露出する開口部227Aを有する。拡散防止膜228は、拡散防止膜形成領域226Aに設けられている。拡散防止膜228には、マザーボード等の実装基板(図示せず)と電気的に接続される外部接続端子(図示せず)が配設される。
上記構成とされた配線基板200では、絶縁層204,208,218,223として、シリカの粒子を含有していない樹脂層やシリカの粒子を含有した樹脂層等が用いられる。絶縁層204,208,218,223としてシリカの粒子を含有した樹脂層を用いることにより、シリカの粒子を含有していない樹脂層を用いた場合と比較して、絶縁層204,208,218,223の熱膨張係数と電子部品接続用パッド211に実装される電子部品(具体的には、半導体チップ)の熱膨張係数との差を小さくすることができる(例えば、特許文献1参照。)。
図2は、従来の他の配線基板の断面図である。
図2を参照するに、従来の他の配線基板250は、コアレス基板であり、電子部品接続用パッド251と、絶縁層253,257と、ビア254,259と、配線パターン255と、外部接続用パッド261と、ソルダーレジスト263とを有する。
電子部品接続用パッド251は、図示していない電子部品(例えば、半導体チップ)が接続される接続面251Aを有する。電子部品接続用パッド251は、接続面251Aが露出された状態で絶縁層253に内設されている。接続面251Aは、絶縁層253の面253A(絶縁層257と接触する側の面253Bとは反対側の絶縁層253の面)と略面一とされている。
絶縁層253は、接続面251Aを露出した状態で電子部品接続用パッド251を内設している。絶縁層253は、接続面251Aの反対側に位置する電子部品接続用パッド251の面251Bの一部を露出する開口部265を有する。開口部265は、絶縁層253に直接レーザを照射することで形成する。
ビア254は、開口部265に設けられている。ビア254の一方の端部は、電子部品接続用パッド251と接続されている。ビア254は、配線パターン255と一体的に構成されている。
配線パターン255は、パッド271と、配線272とを有する。パッド271は、絶縁層253の面253Bに設けられている。パッド271は、配線272と一体的に構成されている。配線272は、ビア254の他方の端部及び絶縁層253の面253Bに設けられている。配線272は、ビア254及びパッド271と一体的に構成されている。配線272は、ビア254とパッド271とを電気的に接続している。
絶縁層257は、配線272を覆うように、絶縁層253の面253Bに設けられている。絶縁層257は、パッド271の一部を露出する開口部267を有する。開口部267は、絶縁層257に直接レーザを照射することで形成する。
ビア259は、開口部267に設けられている。ビア259の一方の端部は、パッド271と接続されている。ビア259は、外部接続用パッド261と一体的に構成されている。
外部接続用パッド261は、絶縁層257の面257Aに設けられている。外部接続用パッド261は、外部接続端子(図示せず)が配設される端子配設領域261Aを有する。外部接続用パッド261は、例えば、外部接続端子(図示せず)を介して、マザーボード等の実装基板(図示せず)と電気的に接続されるパッドである。外部接続用パッド261は、ビア259と一体的に構成されている。
ソルダーレジスト263は、絶縁層257の面257Aに設けられている。ソルダーレジスト263は、端子配設領域261Aを露出する開口部263Aを有する。
上記構成とされた配線基板250では、コア基板が無いため、厚さ方向の小型化(薄板化)は可能であるが、配線基板250に反りが発生しやすい。そのため、配線基板250では、芯材となるガラス繊維に樹脂を含浸させた樹脂層や、芯材となるガラス繊維にシリカの粒子等のフィラーを含有した樹脂を含浸させた樹脂層等を絶縁層253,257として用いることで、配線基板250の反りの低減を図っている。
図3は、絶縁層に開口部を形成する際に使用するレーザ(レーザ光)の断面形状を模式的に示す図である。
ここで、絶縁層204,208,218,223,253,257に開口部231,236,241,245,265,267を形成する際に使用するレーザ271について説明する。
図3を参照するに、レーザ271は、強エネルギー領域272と、弱エネルギー領域273と、中エネルギー領域274とを有する。
強エネルギー領域272は、レーザ271の中心部に位置すると共に、弱エネルギー領域273及び中エネルギー領域274よりもエネルギー強度の強い領域である。強エネルギー領域272の外周面272Aとレーザ271の中心線Jとが成す角度θ1は、弱エネルギー領域273及び中エネルギー領域274の外周面273A,274Aとレーザ271の中心線Jとが成す角度θ2,θ3よりも小さい。
弱エネルギー領域273は、レーザ271の外周部に位置すると共に、エネルギー強度が強エネルギー領域272及び中エネルギー領域274よりも弱い領域である。弱エネルギー領域273の外周面273Aとレーザ271の中心線Jとが成す角度θ3は、強エネルギー領域272の外周面272A及び中エネルギー領域274の外周面274Aとレーザ271の中心線Jとが成す角度θ1,θ2よりも大きい。
中エネルギー領域274は、強エネルギー領域272と弱エネルギー領域273との間に配置されている。中エネルギー領域274は、エネルギー強度が弱エネルギー領域273よりも強く、かつ強エネルギー領域272よりも弱い領域である。中エネルギー領域274の外周面274Aとレーザ271の中心線Jとが成す角度θ2は、強エネルギー領域272の外周面272Aとレーザ271の中心線Jとが成す角度θ1よりも大きく、かつ弱エネルギー領域273の外周面273Aとレーザ271の中心線Jとが成す角度θ3よりも小さい。
次に、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の断面図である。
図5を参照するに、第1の実施の形態の配線基板10は、コア付きビルドアップ配線基板であり、コア基板21と、貫通電極22と、パッド23,37と、絶縁層24,28,38,43と、ビア26,29,39,44と、配線パターン27,41と、電子部品接続用パッド31と、ソルダーレジスト32,47と、拡散防止膜33,48と、外部接続用パッド46とを有する。
コア基板21は、板状とされており、貫通孔49を有する。コア基板21は、コア基板21の両面21A,21Bに形成されるビルドアップ構造体(具体的には、本実施の形態の場合、パッド23、絶縁層24,28、ビア26,29、配線パターン27、電子部品接続用パッド31、ソルダーレジスト32、及び拡散防止膜33からなるビルドアップ構造体と、パッド37、絶縁層38,43、ビア39,44、配線パターン41、ソルダーレジスト47、拡散防止膜48、及び外部接続用パッド46からなるビルドアップ構造体)を支持するための基板である。コア基板21としては、例えば、ガラス繊維にエポキシ樹脂を含浸させたガラスエポキシ樹脂基板を用いることができる。コア基板21としてガラスエポキシ樹脂基板を用いた場合、コア基板21の厚さは、例えば、800μmとすることができる。
貫通電極22は、貫通孔49に設けられている。貫通電極22は、その上端がパッド23と接続されており、下端がパッド37と接続されている。これにより、貫通電極22は、パッド23とパッド37とを電気的に接続している。貫通電極22の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
パッド23は、コア基板21の上面21A及び貫通電極22の上端に設けられている。パッド23は、貫通電極22を介して、コア基板21の下面21Bに設けられたパッド37と電気的に接続されている。パッド23の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。パッド23の厚さは、例えば、25μmとすることができる。
絶縁層24は、パッド23の一部を覆うように、コア基板21の上面21Aに設けられている。絶縁層24は、パッド23の上面23Aの一部を露出する開口部51を有する。開口部51は、先に説明したレーザ271(図3参照)を用いて形成する。開口部51は、その両端の直径の差が、従来の配線基板200に設けられた開口部231(図1参照)の両端の直径の差よりも小さくなるように形成されている。つまり、開口部51は、開口部51の側面に対応する絶縁層24の面24Bとパッド23の面23Aとが成す角度θ4が90度に近くなるように構成されている。
上記構成とされた絶縁層24としては、例えば、シリカの粒子等のフィラーを含有していない樹脂層やシリカの粒子等のフィラーを含有した樹脂層等を用いることができる。例えば、絶縁層24としてシリカの粒子を含有した樹脂層を用いることにより、シリカの粒子を含有していない樹脂層を用いた場合と比較して、絶縁層24の熱膨張係数と電子部品接続用パッド31に実装される電子部品11(例えば、半導体チップ)の熱膨張係数との差を小さくすることができる。また、絶縁層24を構成するフィラーとしては、シリカの粒子の他に、アルミナの粒子や炭化珪素の粒子等を用いてもよい。絶縁層24を構成する樹脂層の材料としては、例えば、熱硬化性を有したエポキシ樹脂や熱硬化性ポリオレフィン系樹脂等を用いることができる。また、絶縁層24を構成する樹脂層の材料としては、上記以外の樹脂を用いてもよい。
絶縁層24の厚さは、例えば、55μmとすることができる。この場合、開口部51の深さは、30μmとすることができる。開口部51の深さが30μm、レーザ271が照射される側に位置する開口部51の端部の直径が60μmの場合、パッド23側に位置する開口部51の端部の直径は、例えば、55μmとすることができる。
ビア26は、開口部51に設けられている。ビア26の下端は、パッド23と接続されている。ビア26の上端は、配線パターン27と一体的に構成されている。
配線パターン27は、パッド53と、配線54とを有する。パッド53は、絶縁層24の上面24Aに設けられている。パッド53は、配線54と一体的に構成されている。パッド53は、配線54を介して、ビア26と電気的に接続されている。配線54は、ビア26の上端及び絶縁層24の上面24Aに設けられている。配線54は、ビア26及びパッド53と一体的に構成されている。ビア26及び配線パターン27の材料としては、例えば、Cuを用いることをできる。
絶縁層28は、配線54を覆うように、絶縁層24の上面24Aに設けられている。絶縁層28は、パッド53の上面53Aの一部を露出する開口部56を有する。開口部56は、先に説明したレーザ271(図3参照)を用いて形成する。開口部56は、その両端の直径の差が、従来の配線基板200に設けられた開口部236(図1参照)の両端の直径の差よりも小さくなるように形成されている。つまり、開口部56は、開口部56の側面に対応する絶縁層28の面28Bとパッド53の上面53Aとが成す角度θ5が90度に近くなるように構成されている。
上記構成とされた絶縁層28としては、例えば、シリカの粒子等のフィラーを含有していない樹脂層やシリカの粒子等のフィラーを含有した樹脂層等を用いることができる。例えば、絶縁層28としてシリカの粒子を含有した樹脂層を用いることにより、シリカの粒子を含有していない樹脂層を用いた場合と比較して、絶縁層28の熱膨張係数と電子部品接続用パッド31に実装される電子部品11(例えば、半導体チップ)の熱膨張係数との差を小さくすることができる。また、絶縁層28を構成するフィラーとしては、シリカの粒子の他に、アルミナの粒子や炭化珪素の粒子等を用いてもよい。絶縁層28を構成する樹脂層の材料としては、例えば、熱硬化性を有したエポキシ樹脂や熱硬化性ポリオレフィン系樹脂等を用いることができる。また、絶縁層28を構成する樹脂層の材料としては、上記以外の樹脂を用いてもよい。
絶縁層28の厚さは、例えば、45μmとすることができる。この場合、開口部56の深さは、30μmとすることができる。開口部56の深さが30μm、レーザが照射される側に位置する開口部56の端部の直径が60μmの場合、パッド53側に位置する開口部56の端部の直径は、例えば、55μmとすることができる。
ビア29は、開口部56に設けられている。ビア29の下端は、パッド53と接続されている。ビア29の上端は、電子部品接続用パッド31と一体的に構成されている。
電子部品接続用パッド31は、絶縁層28の上面28A及びビア29の上端に設けられている。電子部品接続用パッド31は、拡散防止膜33が形成される接続面31Aを有する。電子部品接続用パッド31は、ビア29と一体的に構成されている。電子部品接続用パッド31は、ビア29を介して、パッド53と電気的に接続されている。ビア29及び電子部品接続用パッド31の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
ソルダーレジスト32は、接続面31Aを除いた部分の電子部品接続用パッド31を覆うように、絶縁層28の上面28Aに設けられている。ソルダーレジスト32は、電子部品接続用パッド31の接続面31Aを露出する開口部32Aを有する。
拡散防止膜33は、電子部品接続用パッド31の接続面31Aを覆うように設けられている。拡散防止膜33は、電子部品11(例えば、半導体チップ)が実装される膜である。拡散防止膜33としては、例えば、接続面31AにNi層、Au層の順に積層したNi/Au積層膜、接続面31AにNi層、Pd層、Au層の順に積層したNi/Pd/Au積層膜、接続面31AにPd層、Au層の順に積層したPd/Au積層膜、及びAu層等を用いることができる。拡散防止膜33としてNi/Pd/Au積層膜を用いる場合、例えば、無電解めっき法により、Ni層(例えば、厚さ3μm以上)、Pd層(例えば、厚さ0.1μm以下)、Au層(例えば、厚さ0.01μm〜0.5μm)を順次積層させることでNi/Pd/Au積層膜を形成する。
パッド37は、コア基板21の下面21B及び貫通電極22の下端に設けられている。パッド37は、貫通電極22を介して、コア基板21の上面21Aに設けられたパッド23と電気的に接続されている。パッド37の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。パッド37の厚さは、例えば、25μmとすることができる。
絶縁層38は、パッド37の一部を覆うように、コア基板21の下面21Bに設けられている。絶縁層38は、パッド37の下面37Aの一部を露出する開口部61を有する。開口部61は、先に説明したレーザ271(図3参照)を用いて形成する。開口部61は、その両端の直径の差が、従来の配線基板200に設けられた開口部241(図1参照)の両端の直径の差よりも小さくなるように形成されている。つまり、開口部61は、開口部61の側面に対応する絶縁層38の面38Bとパッド37の下面37Aとが成す角度θ6が90度に近くなるように構成されている。
上記構成とされた絶縁層38としては、例えば、シリカの粒子等のフィラーを含有していない樹脂層やシリカの粒子等のフィラーを含有した樹脂層等を用いることができる。例えば、絶縁層38としてシリカの粒子を含有した樹脂層を用いることにより、シリカの粒子を含有していない樹脂層を用いた場合と比較して、絶縁層38の熱膨張係数と拡散防止膜33を介して電子部品接続用パッド31に実装される電子部品11(例えば、半導体チップ)の熱膨張係数との差を小さくすることができる。また、絶縁層38を構成するフィラーとしては、シリカの粒子の他に、アルミナの粒子や炭化珪素の粒子等を用いてもよい。絶縁層38を構成する樹脂層の材料としては、例えば、熱硬化性を有したエポキシ樹脂や熱硬化性ポリオレフィン系樹脂等を用いることができる。また、絶縁層38を構成する樹脂層の材料としては、上記以外の樹脂を用いてもよい。
絶縁層38の厚さは、例えば、55μmとすることができる。この場合、開口部61の深さは、30μmとすることができる。開口部61の深さが30μm、レーザが照射される側に位置する開口部61の端部の直径が60μmの場合、パッド37側に位置する開口部61の端部の直径は、例えば、55μmとすることができる。
ビア39は、開口部61に設けられている。ビア39の上端は、パッド37と接続されている。ビア39の下端は、配線パターン41と一体的に構成されている。
配線パターン41は、パッド62と、配線63とを有する。パッド62は、絶縁層38の下面38Aに設けられている。パッド62は、配線63と一体的に構成されている。パッド62は、配線63を介して、ビア39と電気的に接続されている。配線63は、ビア39の下端及び絶縁層38の下面38Aに設けられている。配線63は、ビア39及びパッド62と一体的に構成されている。ビア39及び配線パターン41の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
絶縁層43は、配線63を覆うように、絶縁層38の下面38Aに設けられている。絶縁層43は、パッド62の下面62Aの一部を露出する開口部65を有する。開口部65は、先に説明したレーザ271(図3参照)を用いて形成する。開口部65は、その両端の直径の差が、従来の配線基板200に設けられた開口部245(図1参照)の両端の直径の差よりも小さくなるように形成されている。つまり、開口部65は、開口部65の側面に対応する絶縁層43の面43Bとパッド62の下面62Aとが成す角度θ7が90度に近くなるように構成されている。
上記構成とされた絶縁層43としては、例えば、シリカの粒子等のフィラーを含有していない樹脂層やシリカの粒子等のフィラーを含有した樹脂層等を用いることができる。例えば、絶縁層43としてシリカの粒子を含有した樹脂層を用いることで、シリカの粒子を含有していない樹脂層を用いた場合と比較して、絶縁層43の熱膨張係数と拡散防止膜33を介して電子部品接続用パッド31に実装される電子部品11(例えば、半導体チップ)の熱膨張係数との差を小さくすることができる。また、絶縁層43を構成するフィラーとしては、シリカの粒子の他に、アルミナの粒子や炭化珪素の粒子等を用いてもよい。絶縁層43を構成する樹脂層の材料としては、例えば、熱硬化性を有したエポキシ樹脂や熱硬化性ポリオレフィン系樹脂等を用いることができる。また、絶縁層43を構成する樹脂層の材料としては、上記以外の樹脂を用いてもよい。
絶縁層43の厚さは、例えば、45μmとすることができる。この場合、開口部65の深さは、30μmとすることができる。開口部65の深さが30μm、レーザが照射される側に位置する開口部65の端部の直径が60μmの場合、パッド62側に位置する開口部65の端部の直径は、例えば、55μmとすることができる。
ビア44は、開口部65に設けられている。ビア44の上端は、パッド62と接続されている。ビア44は、外部接続用パッド46と一体的に構成されている。
外部接続用パッド46は、絶縁層43の下面43A及びビア44の下端に設けられている。外部接続用パッド46は、拡散防止膜48が形成される接続面46Aを有する。外部接続用パッド46は、拡散防止膜48を介して、マザーボード等の実装基板13と電気的に接続されるパッドである。外部接続用パッド46は、ビア44と一体的に構成されている。ビア44及び外部接続用パッド46の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
ソルダーレジスト47は、接続面46Aを除いた部分の外部接続用パッド46を覆うように、絶縁層43の下面43Aに設けられている。ソルダーレジスト47は、外部接続用パッド46の接続面46Aを露出する開口部47Aを有する。
拡散防止膜48は、外部接続用パッド46の接続面46Aを覆うように設けられている。拡散防止膜48には、外部接続端子15(例えば、はんだボール)が配設される。拡散防止膜48としては、例えば、接続面46AにNi層、Au層の順に積層したNi/Au積層膜、接続面46AにNi層、Pd層、Au層の順に積層したNi/Pd/Au積層膜、接続面46AにPd層、Au層の順に積層したPd/Au積層膜、及びAu層等を用いることができる。拡散防止膜48としてNi/Pd/Au積層膜を用いる場合、例えば、無電解めっき法により、Ni層(例えば、厚さ3μm以上)、Pd層(例えば、厚さ0.1μm以下)、Au層(例えば、厚さ0.01μm〜0.5μm)を順次積層させることでNi/Pd/Au積層膜を形成する。
図6〜図16は、本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図である。図6〜図16において、第1の実施の形態の配線基板10と同一構成部分には同一符号を付す。
図6〜図16を参照して、第1の実施の形態の配線基板10の製造方法について説明する。始めに、図6に示す工程では、周知の手法により、配線基板10が形成される配線基板形成領域Aを複数有したコア基板71に、貫通孔49、貫通電極22、パッド23,37を形成する。コア基板71は、切断位置Bにおいて切断されることにより、複数のコア基板21(図5に示す配線基板10の構成要素の1つ)となる基板である。コア基板71としては、例えば、ガラス繊維にエポキシ樹脂を含浸させたガラスエポキシ樹脂基板を用いることができる。コア基板71としてガラスエポキシ樹脂基板を用いた場合、コア基板71の厚さは、例えば、800μmとすることができる。
貫通孔49は、例えば、ドリルを用いて形成することができる。貫通電極22及びパッド23,37は、例えば、めっき法により形成することができる。この場合、貫通電極22及びパッド23,37の材料としては、Cuを用いることができる。
次いで、図7に示す工程では、支持フィルム74と、支持フィルム74の面74A(一方の面)に設けられ、半硬化状態とされた絶縁層75とを備えた絶縁層形成部材73を準備する(絶縁層形成部材準備工程)。ここでは、2つの絶縁層形成部材73を準備する。支持フィルム74は、絶縁層75を支持するためのフィルムである。支持フィルム74の材料としては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン、ポリカーボネート等を用いることができる。支持フィルム74の厚さは、例えば、30μm〜40μmとすることができる。
半硬化状態とされた絶縁層75は、後述する図9に示す工程において、硬化されることにより、絶縁層24,38となる。半硬化状態とされた絶縁層75としては、例えば、シリカの粒子等のフィラーを含有していない半硬化状態とされた樹脂層やシリカの粒子等のフィラーを含有した半硬化状態とされた樹脂層等を用いることができる。絶縁層75を構成するフィラーとしては、シリカの粒子の他に、アルミナの粒子や炭化珪素の粒子等を用いてもよい。絶縁層75を構成する半硬化状態とされた樹脂層の材料としては、例えば、熱硬化性を有したエポキシ樹脂や熱硬化性ポリオレフィン系樹脂等を用いることができる。また、絶縁層75を構成する半硬化状態とされた樹脂層の材料としては、上記以外の樹脂を用いてもよい。半硬化状態とされた絶縁層75の厚さは、例えば、30μm〜40μmとすることができる。
次いで、図8に示す工程では、図6に示す構造体の両面(具体的には、パッド23が形成されたコア基板71の上面71Aと、パッド37が形成されたコア基板71の下面71B)と半硬化状態とされた絶縁層75とが接触するように、図6に示す構造体の両面にそれぞれ絶縁層形成部材73を貼り付ける(絶縁層形成部材貼付工程)。具体的には、絶縁層形成部材73は、例えば、真空熱圧着により、図6に示す構造体の両面に貼り付ける。コア基板71の上面71Aに貼り付けられた絶縁層75は、後述する図9に示す工程において、硬化されることにより絶縁層24(図5参照)となる層である。また、コア基板71の下面71Bに貼り付けられた絶縁層75は、後述する図9に示す工程において、硬化されることにより絶縁層38(図5参照)となる層である。
次いで、図9に示す工程では、図8に示す半硬化状態とされた絶縁層75を硬化させて、コア基板71の上面71A側に絶縁層24(硬化した絶縁層)と、コア基板71の下面71B側に絶縁層38(硬化した絶縁層)とを同時に形成する(絶縁層硬化工程)。具体的には、例えば、絶縁層75が熱硬化性樹脂を母材とする場合、図8に示す構造体を加熱(例えば、加熱温度は180℃)することで、硬化した絶縁層24,38を形成する。
次いで、図10に示す工程では、支持フィルム74を介して、硬化した絶縁層24,38にレーザ271(図3参照)を照射する。言い換えれば、支持フィルム74の面74B(絶縁層24,38と接触していない側の支持フィルム74の面)にレーザ271を照射して、絶縁層24にパッド23の上面23Aの一部を露出する開口部51を形成すると共に、絶縁層38にパッド37の下面37Aの一部を露出する開口部61を形成する(開口部形成工程)。
図17は、開口部形成工程において支持フィルム及び絶縁層に照射されるレーザの断面形状を模式的に示す図である。図17において、先に説明した図3に示すレーザ271及び図10に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
ここで、支持フィルム74を絶縁層24,38に貼り付けたままの状態で、支持フィルム74を介して、レーザ271(図3参照)を絶縁層24,38に照射して開口部51,61を形成した場合の作用について説明する。
図17に示すように、支持フィルム74を介して、硬化した絶縁層24,38にレーザ271を照射して、絶縁層24,38に開口部51,61を形成することで、レーザ271の外周部に位置するエネルギー強度の弱い弱エネルギー領域273、及び弱エネルギー領域の内側に位置すると共に、レーザの中心部に位置するエネルギー強度の強い強エネルギー領域272よりもエネルギー強度が弱く、かつ弱エネルギー領域273よりもエネルギー強度の強い中エネルギー領域274に対応する部分のレーザ271が絶縁層24,38に照射されることを支持フィルム74により防ぐことが可能となる。
これにより、弱エネルギー領域273及び中エネルギー領域274の外周面273A,274Aのテーパー形状よりも外周面272Aの形状が垂直形状に近い(言い換えれば、角度θ4,θ6が90度に近い)強エネルギー領域272に対応する部分のレーザ271のみを用いて開口部51,61を形成することが可能となる。これにより、絶縁層24,38に側面の形状が垂直形状に近い開口部51,61を形成することが可能(開口部51,61の両端の直径の差を小さくすることが可能)となるので、開口部51,61を小径化することができる。
また、支持フィルム74を絶縁層24,38に貼り付けたままの状態で、支持フィルム74を介して、レーザ271(図3参照)を絶縁層24,38に照射して開口部51,61を形成することにより、レーザ加工時の飛散物(例えば、絶縁層24,38の屑)が絶縁層24,38の面24A,38Aに付着することがなくなるため、絶縁層24,38の面24A,38Aに配線パターン27,41を精度よく形成することができる。
開口部51,61の深さが30μm、レーザ271が照射される側に位置する開口部51,61の端部の直径が60μmの場合、開口部51,61の他方の端部の直径は、例えば、55μmとすることができる。
次いで、図11に示す工程では、図10に示す構造体に設けられた2つの支持フィルム74を除去する(支持フィルム除去工程)。具体的には、図10に示す構造体に設けられた絶縁層24,38から支持フィルム74を剥すことで、支持フィルム74を除去する。
次いで、図12に示す工程では、周知の手法により、ビア26,39及び配線パターン27,41を同時に形成する(ビア形成工程)。ビア26,39及び配線パターン27,41は、例えば、セミアディティブ法により形成することができる。
この場合、具体的には、粗化処理により絶縁層24の上面24A及び面24Bと絶縁層38の下面38A及び面38Bとを粗化し、次いで、粗化された絶縁層24の上面24A及び面24B、粗化された絶縁層38の下面38A及び面38B、開口部51に露出された部分のパッド23の上面23A、及び開口部61に露出された部分のパッド37の下面37Aを覆うようにシード層(図示せず)を形成する。次いで、絶縁層24の上面24に配線パターン27の形成領域に対応する開口部を有したレジスト膜(図示せず)を形成し、絶縁層38の下面38に配線パターン41の形成領域に対応する開口部を有したレジスト膜(図示せず)を形成する。
次いで、シード層を給電層とする電解めっき法により、レジスト膜の開口部に露出された部分のシード層にめっき膜(例えば、Cuめっき膜(例えば、厚さ15μm))を析出成長させ、その後、レジスト膜及びレジスト膜に覆われていた不要なシード層を除去することで、ビア26,39及び配線パターン27,41を同時に形成する。上記粗化処理としては、例えば、デスミア処理を用いることができる。また、シード層としては、例えば、無電解めっきやスパッタ法により形成されたCu層(例えば、厚さ0.1μm)を用いることができる。
なお、支持フィルム74の除去は、ビア26,39を形成する直前に行うとよい。このように、ビア26,39を形成する直前に支持フィルム74を除去することにより、例えば、ハンドリング(搬送)により絶縁層24の上面24A及び絶縁層38の下面38Aに異物が付着したり、絶縁層24,38が傷ついたりすることを防止することが可能となる。これにより、配線基板10の歩留まりを向上させることができる。
次いで、図13に示す工程では、先に説明した図7〜図10に示す工程と同様な処理を行うことにより、図12に示す構造体に開口部56を有した絶縁層28と、開口部65を有した絶縁層43とを形成する。
このように、支持フィルム74を介して、硬化した絶縁層28,43にレーザ271を照射して、絶縁層28,43に開口部56,65を形成することで、レーザ271の外周部に位置するエネルギー強度の弱い弱エネルギー領域273、及び強エネルギー領域272よりもエネルギー強度が弱く、かつ弱エネルギー領域273よりもエネルギー強度の強い中エネルギー領域274に対応する部分のレーザ271が絶縁層28,43に照射されることを支持フィルム74により防ぐことが可能となる。
これにより、弱エネルギー領域273及び中エネルギー領域274の外周面273A,274Aのテーパー形状よりも外周面272Aの形状が垂直形状に近い(言い換えれば、角度θ5,θ7が90度に近い)強エネルギー領域272に対応する部分のレーザ271のみを用いて側面の形状が垂直形状に近い開口部56,65を形成することが可能(開口部56,65の両端の直径の差を小さくすることが可能)となるため、開口部56,65を小径化することができる。
また、支持フィルム74を絶縁層28,43に貼り付けたままの状態で、支持フィルム74を介して、レーザ271(図3参照)を絶縁層28,43に照射して開口部56,65を形成することにより、レーザ加工時の飛散物(例えば、絶縁層28,43の屑)が絶縁層28,43の面28A,43Aに付着することがなくなるため、絶縁層28,43の面28A,43Aに電子部品接続用パッド31又は外部接続用パッド46を精度よく形成することができる。
開口部56,65の深さが30μm、レーザ271が照射される側に位置する開口部56,65の端部の直径が60μmの場合、開口部56,65の他方の端部の直径は、例えば、55μmとすることができる。
次いで、図14に示す工程では、先に説明した図12に示す工程と同様な処理を行うことにより、ビア29,44、電子部品接続用パッド31、及び外部接続用パッド46を同時に形成する。
次いで、図15に示す工程では、周知の手法により、開口部32Aを有したソルダーレジスト32、開口部47Aを有したソルダーレジスト47、及び拡散防止膜33,48を形成する。これにより、複数の配線基板形成領域Aにそれぞれ配線基板10に相当する構造体が形成される。拡散防止膜33,48としては、例えば、Ni層、Au層の順に積層したNi/Au積層膜、Ni層、Pd層、Au層の順に積層したNi/Pd/Au積層膜、Pd層、Au層の順に積層したPd/Au積層膜、及びAu層等を用いることができる。拡散防止膜33,48としてNi/Pd/Au積層膜を用いる場合、例えば、無電解めっき法により、Ni層(例えば、厚さ3μm以上)、Pd層(例えば、厚さ0.1μm以下)、Au層(例えば、厚さ0.01μm〜0.5μm)を順次積層させることでNi/Pd/Au積層膜を形成する。
次いで、図16に示す工程では、図15に示す構造体を切断位置Bに沿って切断する。これにより、複数の配線基板10が個片化される。
本実施の形態の配線基板の製造方法によれば、支持フィルム74と、支持フィルム74の面74Aに設けられ、半硬化状態とされた絶縁層75とを備えた絶縁層形成部材73を準備し、パッド23,37,53,62と半硬化状態とされた絶縁層75とが接触するように、絶縁層形成部材73をパッド23,37,53,62に貼り付け、次いで、半硬化状態とされた絶縁層75を硬化させることで絶縁層24,28,38,43を形成し、その後、支持フィルム74を介して、硬化した絶縁層24,28,38,43にレーザ271を照射して開口部51,56,61,65を形成することにより、レーザ271の外周部に位置するエネルギー強度の弱い弱エネルギー領域273、及び強エネルギー領域272よりもエネルギー強度が弱く、かつ弱エネルギー領域273よりもエネルギー強度の強い中エネルギー領域274に対応する部分のレーザ271が支持フィルム74により遮断されるため、弱エネルギー領域273及び中エネルギー領域274に対応する部分のレーザ271が絶縁層24,28,38,43に照射されることがなくなるため、弱エネルギー領域273及び中エネルギー領域274の外周面273A,274Aのテーパー形状よりも外周面272Aの形状が垂直形状に近い(言い換えれば、角度θ4,θ5,θ6,θ7,が90度に近い)強エネルギー領域272に対応する部分のレーザ271を用いて絶縁層24,28,38,43に側面の形状が垂直形状に近い開口部51,56,61,65を形成することが可能(開口部51,56,61,65の両端の直径の差を小さくすることが可能)となるので、開口部51,56,61,65を小径化することができる。
(第2の実施の形態)
図18は、本発明の第2の実施の形態に係る配線基板の断面図である。図18において、第1の実施の形態で説明した図5に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
図18を参照するに、第2の実施の形態の配線基板80は、コアレス基板であり、電子部品接続用パッド81と、絶縁層82,87と、ビア84,88と、配線パターン85と、外部接続用パッド91と、ソルダーレジスト92とを有する。
電子部品接続用パッド81は、電子部品11が搭載(接続)される接続面81Aを有する。電子部品接続用パッド81は、接続面81Aと絶縁層82の面82A(絶縁層87と接触する面82Bとは反対側の面)とが略面一となるように、絶縁層82(具体的には、絶縁層82を構成する後述する樹脂層96)に内設されている。電子部品接続用パッド81としては、例えば、接続面81A側からAu層(例えば、厚さ0.05μm)と、Pd層(例えば、厚さ0.05μm)と、Ni層(例えば、厚さ5μm)とを順次積層させたAu/Pd/Ni積層膜を用いることができる。この場合、Au層に電子部品11が搭載される。
絶縁層82は、芯材95と、芯材95を覆うと共に、硬化された樹脂層96とを有する。絶縁層82の面82Aは、電子部品接続用パッド81の接続面81Aと略面一とされている。絶縁層82は、電子部品接続用パッド81の面81B(接続面81Aとは反対側に位置する電子部品接続用パッド81の面)を露出する開口部100を有する。開口部100は、電子部品接続用パッド81の面81Bと対向する部分の絶縁層82(具体的には、芯材95及び樹脂層96)を貫通するように形成されている。開口部100は、絶縁層82の面82B(面82Aとは反対側に位置する絶縁層82の面)側からレーザを照射することで形成する。開口部100は、その両端の直径の差が、従来の配線基板250に設けられた開口部265(図2参照)の両端の直径の差よりも小さくなるように形成されている。つまり、開口部100は、開口部100の側面に対応する樹脂層96の面96Aと電子部品接続用パッド81の面81Bとが成す角度θ8が90度に近くなるように構成されている。絶縁層82の厚さは、例えば、55μmとすることができる。この場合、開口部100の深さは、40μmとすることができる。開口部100の深さが40μm、レーザが照射される側に位置する開口部100の端部の直径が60μmの場合、電子部品接続用パッド81側に位置する開口部100の端部の直径は、例えば、45μmとすることができる。
芯材95は、硬化された樹脂層96に覆われている。芯材95は、樹脂層96と比較してレーザで加工しにくいため、開口部100内には芯材95が突出している。芯材95は、絶縁層82の強度を補強することで、コアレス基板である配線基板80の反りを低減するための部材である。芯材95としては、例えば、ガラス繊維の織布や不織布、アラミド繊維の織布や不織布等を用いることができる。また、芯材95として、上記繊維以外の繊維を用いてもよい。
樹脂層96は、電子部品接続用パッド81の側面と電子部品接続用パッド81の面81Bの一部とを覆っている。樹脂層96としては、例えば、シリカの粒子等のフィラーを含有していない樹脂層やシリカの粒子等のフィラーを含有した樹脂層等を用いることができる。例えば、樹脂層96としてシリカの粒子を含有した樹脂層を用いることで、シリカの粒子を含有していない樹脂層を用いた場合と比較して、絶縁層82の熱膨張係数と電子部品接続用パッド81に実装される電子部品11(例えば、半導体チップ)の熱膨張係数との差を小さくすることができる。
絶縁層82を構成するフィラーとしては、シリカの粒子の他に、アルミナの粒子や炭化珪素の粒子等を用いてもよい。樹脂層96の材料としては、例えば、熱硬化性を有したエポキシ樹脂や熱硬化性ポリオレフィン系樹脂等を用いることができる。また、樹脂層96の材料としては、上記以外の樹脂を用いてもよい。
ビア84は、絶縁層82に形成された開口部100に設けられている。ビア84は、一方の端部が電子部品接続用パッド81と接続されており、他方の端部が配線パターン85と一体的に構成されている。これにより、ビア84は、電子部品接続用パッド81と配線パターン85とを電気的に接続している。
配線パターン85は、パッド98と、配線99とを有する。パッド98は、絶縁層82の面82Bに設けられている。パッド98は、配線99と一体的に構成されている。パッド98は、配線99を介して、ビア84と電気的に接続されている。配線99は、ビア84の他方の端部及び絶縁層82の面82Bに設けられている。配線99は、ビア84及びパッド98と一体的に構成されている。ビア84及び配線パターン85の材料としては、例えば、Cuを用いることをできる。ビア84及び配線パターン85は、例えば、セミアディティブ法により形成することができる。
絶縁層87は、芯材95と、芯材95を覆うと共に、硬化された樹脂層96とを有する。絶縁層87は、配線99を覆うように、絶縁層82の面82Bに設けられている。絶縁層87は、パッド98の面98Aを露出する開口部102を有する。開口部102は、パッド98の面98Aと対向する部分の絶縁層87(具体的には、芯材95及び樹脂層96)を貫通するように形成されている。開口部102は、絶縁層87の面87A(絶縁層82と接触する面とは反対側に位置する絶縁層87の面)側からレーザを照射することで形成する。開口部102は、その両端の直径の差が、従来の配線基板250に設けられた開口部267(図2参照)の両端の直径の差よりも小さくなるように形成されている。つまり、開口部102は、開口部102の側面に対応する部分の樹脂層96の面96Bとパッド98の面98Aとが成す角度θ9が90度に近くなるように構成されている。絶縁層87の厚さは、例えば、55μmとすることができる。この場合、開口部102の深さは、40μmとすることができる。開口部102の深さが40μm、レーザが照射される側に位置する開口部102の端部の直径が60μmの場合、外部接続用パッド91側に位置する開口部102の端部の直径は、例えば、45μmとすることができる。
芯材95は、硬化された樹脂層96に覆われている。芯材95は、樹脂層96と比較してレーザで加工しにくいため、開口部102内には芯材95が突出している。芯材95は、絶縁層87の強度を補強することで、コアレス基板である配線基板80の反りを低減するための部材である。芯材95としては、例えば、ガラス繊維の織布や不織布、アラミド繊維の織布や不織布等を用いることができる。また、芯材95として、上記繊維以外の繊維を用いてもよい。
樹脂層96は、配線99を覆うように、絶縁層82の面82Bに設けられている。樹脂層96としては、例えば、シリカの粒子等のフィラーを含有していない樹脂層やシリカの粒子等のフィラーを含有した樹脂層等を用いることができる。例えば、樹脂層96としてシリカの粒子を含有した樹脂層を用いることで、シリカの粒子を含有していない樹脂層を用いた場合と比較して、絶縁層87の熱膨張係数と電子部品接続用パッド81に実装される電子部品11(例えば、半導体チップ)の熱膨張係数との差を小さくすることができる。
絶縁層87を構成するフィラーとしては、シリカの粒子の他に、アルミナの粒子や炭化珪素の粒子等を用いてもよい。樹脂層96の材料としては、例えば、熱硬化性を有したエポキシ樹脂や熱硬化性ポリオレフィン系樹脂等を用いることができる。また、樹脂層96の材料としては、上記以外の樹脂を用いてもよい。
ビア88は、絶縁層87に形成された開口部102に設けられている。ビア88は、一方の端部がパッド98と接続されており、他方の端部が外部接続用パッド91と一体的に構成されている。これにより、ビア88は、パッド98と外部接続用パッド91とを電気的に接続している。
外部接続用パッド91は、絶縁層87の面87A(絶縁層82と接触する面とは反対側に位置する絶縁層87の面)に設けられており、ビア88と一体的に構成されている。外部接続用パッド91は、外部接続端子15が配設される端子配置面91Aを有する。外部接続用パッド91は、外部接続端子15を介して、マザーボード等の実装基板13と電気的に接続されるパッドである。ビア88及び外部接続用パッド91の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。ビア88及び外部接続用パッド91は、例えば、セミアディティブ法により形成することができる。
ソルダーレジスト92は、端子配置面91Aを除いた部分の外部接続用パッド91を覆うように、絶縁層87の面87Aに設けられている。ソルダーレジスト92は、外部接続用パッド91の端子配置面91Aを露出する開口部92Aを有する。
図19〜図30は、本発明の第2の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図である。図19〜図30において、第2の実施の形態の配線基板80と同一構成部分には同一符号を付す。
図19〜図30を参照して、第2の実施の形態の配線基板80の製造方法について説明する。始めに、図19に示す工程では、導電性を有した支持体111の面111Aに、電子部品接続用パッド81の形成領域に対応する部分の支持体111の面111Aを露出する開口部112Aを有したレジスト膜112を形成し、次いで、支持体111を給電層とする電解めっき法により、開口部112Aに露出された部分の支持体111の面111A上に電子部品接続用パッド81を形成する。具体的には、電子部品接続用パッド81は、例えば、電子部品接続用パッド81としてAu/Pd/Ni積層膜を用いた場合、開口部112Aを有したレジスト膜112を形成後に、電解めっき法により、Au層(例えば、厚さ0.05μm)と、Pd層(例えば、厚さ0.05μm)と、Ni層(例えば、厚さ5μm)とを順次析出成長させることで形成する。導電性を有した支持体111としては、例えば、金属箔(例えば、Cu箔)や金属板(例えば、Cu板)等を用いることができる。続く、図20に示す工程では、レジスト膜112を除去する。
次いで、図21に示す工程では、支持フィルム74と、支持フィルム74の面74A(一方の面)に設けられ、半硬化状態とされた絶縁層114とを備えた絶縁層形成部材113を準備する(絶縁層形成部材準備工程)。支持フィルム74は、絶縁層114を支持するためのフィルムである。支持フィルム74の材料としては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン、ポリカーボネート等を用いることができる。支持フィルム74の厚さは、例えば、30μm〜40μmとすることができる。
絶縁層114は、芯材95と、芯材95を覆うと共に、半硬化状態とされた樹脂層115とを有する。芯材95としては、例えば、ガラス繊維の織布や不織布、アラミド繊維の織布や不織布等を用いることができる。また、芯材95として、上記繊維以外の繊維を用いてもよい。半硬化状態とされた樹脂層115としては、例えば、シリカの粒子等のフィラーを含有していない半硬化状態とされた樹脂層や、半硬化状態とされると共に、シリカの粒子等のフィラーを含有した樹脂層等を用いることができる。絶縁層114を構成するフィラーとしては、シリカの粒子の他に、アルミナの粒子や炭化珪素の粒子等を用いてもよい。半硬化状態とされた樹脂層115の材料としては、例えば、熱硬化性を有したエポキシ樹脂や熱硬化性ポリオレフィン系樹脂等を用いることができる。また、半硬化状態とされた樹脂層115の材料としては、上記以外の樹脂を用いてもよい。上記構成とされた絶縁層114の厚さは、例えば、30μm〜50μmとすることができる。
次いで、図22に示す工程では、支持体111に形成された電子部品接続用パッド81と半硬化状態とされた樹脂層115とが接触するように、支持体111の面111Aに絶縁層形成部材113を貼り付ける(絶縁層形成部材貼付工程)。具体的には、例えば、真空熱圧着により支持体111の面111Aに絶縁層形成部材113を貼り付ける。支持体111の面111Aに貼り付けられた半硬化状態の絶縁層114は、後述する図23に示す工程において、硬化されることにより絶縁層82(図18参照)となる層である。
次いで、図23に示す工程では、図22に示す半硬化状態とされた樹脂層115を硬化させて樹脂層96を形成する(絶縁層硬化工程)。これにより、支持体111の面111A側に硬化した樹脂層96を備えた絶縁層82が形成される。
具体的には、例えば、半硬化状態とされた樹脂層115の母材が熱硬化性樹脂である場合、図22に示す構造体を加熱(例えば、加熱温度は180℃)することで、硬化した樹脂層96を備えた絶縁層82を形成する。
次いで、図24に示す工程では、支持フィルム74を介して、硬化した絶縁層82に図3に示すレーザ271を照射する。言い換えれば、支持フィルム74の面74B(絶縁層82と接触していない側の支持フィルム74の面)にレーザ271を照射して、絶縁層82に電子部品接続用パッド81の面81Bの一部を露出する開口部100を形成する(開口部形成工程)。
図31は、開口部形成工程において支持フィルム及び絶縁層に照射されるレーザの断面形状を模式的に示す図である。図31において、先に説明した図3に示すレーザ271及び図18に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
ここで、支持フィルム74を介して、絶縁層82にレーザ271(図3参照)を照射することにより開口部100を形成する作用について説明する。
図31に示すように、支持フィルム74を介して、硬化した絶縁層82にレーザ271を照射して、絶縁層82に開口部100を形成することで、レーザ271の外周部に位置するエネルギー強度の弱い弱エネルギー領域273、及び弱エネルギー領域273の内側に位置すると共に、レーザの中心部に位置するエネルギー強度の強い強エネルギー領域272よりもエネルギー強度が弱く、かつ弱エネルギー領域273よりもエネルギー強度の強い中エネルギー領域274に対応する部分のレーザ271を支持フィルム74で遮断することが可能となる。
これにより、弱エネルギー領域273及び中エネルギー領域274の外周面273A,274Aのテーパー形状よりも外周面272Aの形状が垂直形状に近い(言い換えれば、角度θ8が90度に近い)強エネルギー領域272に対応する部分のレーザ271のみを用いて側面の形状が垂直形状に近い開口部100を形成することが可能(開口部100の両端の直径の差を小さくすることが可能)となるため、開口部100を小径化することができる。
また、強エネルギー領域272に対応する部分のレーザ271のみを用いて開口部100を形成することにより、従来よりも芯材95が加工されやすくなるため、開口部100内に突出する芯材95の突出量を少なくすることが可能となる。これにより、例えば、めっき法によりビア84を形成する場合、開口部100内に十分にめっき液を供給することが可能となるため、電子部品接続用パッド81と配線パターン85との間の電気的接続信頼性を向上させることができる。
さらに、支持フィルム74を絶縁層82に貼り付けたままの状態で、支持フィルム74を介して、レーザ271(図3参照)を絶縁層82に照射して開口部100を形成することにより、レーザ加工時の飛散物(例えば、芯材95や樹脂層96の屑)が絶縁層82の面82Bに付着することがなくなるため、絶縁層82の面82Bに配線パターン85を精度よく形成することができる。
次いで、図25に示す工程では、図24に示す構造体に設けられた支持フィルム74を除去する(支持フィルム除去工程)。具体的には、開口部100が形成された絶縁層82から支持フィルム74を剥すことで、支持フィルム74を除去する。
次いで、図26に示す工程では、周知の手法により、ビア84及び配線パターン85を同時に形成する(ビア形成工程)。ビア84及び配線パターン85は、例えば、セミアディティブ法により形成することができる。
この場合、具体的には、粗化処理により絶縁層82の面82B及び樹脂層96の面96Aを粗化し、次いで、粗化された絶縁層87の面87A及び樹脂層96の面96Aと開口部100に露出された部分の電子部品接続用パッド81の面81Bを覆うようにシード層(図示せず)を形成する。次いで、絶縁層82の面82Bに配線パターン85の形成領域に対応する開口部を有したレジスト膜(図示せず)を形成する。次いで、シード層を給電層とする電解めっき法により、レジスト膜の開口部に露出された部分のシード層にめっき膜(例えば、Cuめっき膜(例えば、厚さ15μm))を析出成長させ、その後、レジスト膜及びレジスト膜に覆われていた部分の不要なシード層を除去することで、ビア84及び配線パターン85を同時に形成する。上記粗化処理としては、例えば、デスミア処理を用いることができる。また、シード層としては、例えば、無電解めっき法やスパッタ法により形成されたCu層(厚さは、例えば、0.1μm)を用いることができる。
なお、支持フィルム74の除去は、ビア84を形成する直前に行うとよい。このように、ビア84を形成する直前に支持フィルム74を除去することにより、絶縁層82の面82Bに異物が付着したり、絶縁層82が傷ついたりすることを防止することが可能となるので、配線基板80の歩留まりを向上させることができる。
次いで、図27に示す工程では、先に説明した図21〜図25に示す工程と同様な処理を行うことにより、図26に示す構造体に開口部102を有した絶縁層87を形成する。
このように、支持フィルム74を介して、硬化した絶縁層87にレーザ271を照射して開口部102を形成することで、レーザ271の外周部に位置するエネルギー強度の弱い弱エネルギー領域273、及び強エネルギー領域272よりもエネルギー強度が弱く、かつ弱エネルギー領域273よりもエネルギー強度の強い中エネルギー領域274に対応する部分のレーザ271を支持フィルム74で遮断することが可能となる。
これにより、弱エネルギー領域273及び中エネルギー領域274の外周面273A,274Aのテーパー形状よりも外周面272Aの形状が垂直形状に近い(言い換えれば、角度θ8,θ9が90度に近い)強エネルギー領域272に対応する部分のレーザ271のみを用いて、側面の形状が垂直形状に近い開口部102を形成することが可能(開口部102の両端の直径の差を小さくすることが可能)となるため、開口部102を小径化することができる。
また、支持フィルム74を絶縁層87に貼り付けたままの状態で、支持フィルム74を介して、レーザ271(図3参照)を絶縁層87に照射して開口部102を形成することにより、レーザ加工時の飛散物(例えば、芯材95や樹脂層96の屑)が絶縁層87の面87Aに付着することがなくなるため、絶縁層87の面87Aに外部接続用パッド91を精度よく形成することができる。
開口部102の深さが40μm、レーザ271が照射される側に位置する開口部102の端部の直径が60μmの場合、開口部102の他方の端部の直径は、例えば、45μmとすることができる。
次いで、図28に示す工程では、先に説明した図26に示す工程と同様な処理を行うことにより、ビア88及び外部接続用パッド91を同時に形成する。次いで、図29に示す工程では、周知の手法により、絶縁層87の面87Aに端子配置面91Aを露出する開口部92Aを有したソルダーレジスト92を形成する。これにより、支持体111上に配線基板80に相当する構造体が形成される。なお、ソルダーレジスト92を形成後に、無電解めっき法により、端子配置面91AにNiめっき膜と、Auめっき膜とを順次積層させて、Ni/Au積層膜を形成してもよい。
次いで、図30に示す工程では、支持体111を除去する。具体的には、例えば、支持体111としてCu箔或いはCu板を用いた場合、エッチングにより支持体111を除去する。これにより、配線基板80が製造される。なお、図30では、図29に示す構造体から支持体111を除去したものを上下反転させて図示している。
本実施の形態の配線基板の製造方法によれば、支持フィルム74と、支持フィルム74の面74Aに設けられ、半硬化状態とされた絶縁層114とを備えた絶縁層形成部材113を準備し、電子部品接続用パッド81或いはパッド98と半硬化状態とされた絶縁層114とが接触するように、絶縁層形成部材113を電子部品接続用パッド81或いはパッド98に貼り付け、次いで、半硬化状態とされた絶縁層114を硬化させて絶縁層82,87とし、その後、支持フィルム74を介して、絶縁層82,87にレーザ271を照射して開口部100,102を形成することにより、レーザ271の外周部に位置するエネルギー強度の弱い弱エネルギー領域273、及び強エネルギー領域272よりもエネルギー強度が弱く、かつ弱エネルギー領域273よりもエネルギー強度の強い中エネルギー領域274に対応する部分のレーザ271を支持フィルム74で遮断することが可能となる。
これにより、弱エネルギー領域273及び中エネルギー領域274の外周面273A,274Aのテーパー形状よりも外周面272Aの形状が垂直形状に近い(言い換えれば、角度θ8,θ9が90度に近い)強エネルギー領域272に対応する部分のレーザ271のみを用いて絶縁層82,87に側面の形状が垂直形状に近い開口部100,102を形成することが可能(開口部100,102の両端の直径の差を小さくすることが可能)となるため、開口部100,102を小径化することができる。
また、強エネルギー領域272に対応する部分のレーザ271のみを用いて絶縁層82,87に開口部100,102を形成することにより、従来よりも芯材95が加工されやすくなるため、従来よりも開口部100内に突出する芯材95の突出量を少なくすることが可能となる。これにより、例えば、めっき法によりビア84,88を形成する場合、開口部100,102内に十分な量のめっき液を供給することが可能となるため、電子部品接続用パッド81と配線パターン85との間の電気的接続信頼性、及び外部接続用パッド91とパッド98との間の電気的接続信頼性を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、支持体111上に1つの配線基板80を形成する場合を例に挙げて説明したが、配線基板80が形成される領域を複数有した支持体111上に複数の配線基板80に相当する構造体を形成し、その後、支持体111を除去し、その後、複数の配線基板80に相当する構造体を切断して、複数の配線基板80を個片化してもよい。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、第1の実施の形態で説明した絶縁層形成部材73の代わりに第2の実施の形態で説明した絶縁層形成部材113を用いて、絶縁層24,28,38,43を形成してもよい(つまり、絶縁層24,28,38,43に芯材95を設けてもよい)。また、第2の実施の形態で説明した絶縁層形成部材113の代わりに第1の実施の形態で説明した絶縁層形成部材73を用いて絶縁層82,87を形成してもよい(つまり、芯材95のない絶縁層82,87を用いてもよい)。