JP5478795B2 - スライド駆動装置 - Google Patents

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Description

クランク軸の回転運動をコンロッドおよびサスペンション機構を通してスライドの昇降運動に変換しつつスライド駆動するスライド駆動装置に関する。
スライド駆動装置は、クランク軸、コンロッド(コネクティングロッド)およびサスペンション機構等を含み、可動側のスライド(上型)を昇降して、静止側のボルスタ(下型)に離隔接近するように駆動する装置である。
代表的なスライド駆動装置つまり従来例(例えば、特許文献1)において、コンロッド(2)の上端部は円環形状でクランク軸(1)の偏心部に被嵌装着されかつその下端部は球体とされ、サスペンション機構(8、7)に回動可能に連結されている。このサスペンション機構は、内面が上方に凸の半円球形状である上枠体(8)と内面が下方に凸の半円球形状である下枠体(7)との上下枠体組合構造とされ、スライド(12)をサスペンション(懸架)可能かつ所定ストローク内で上下動可能である。
サスペンション機構には、スライド高さ調整部(ダイハイト調整機構)が組込まれているのが一般的である。このダイハイト調整機構は、ボルスタ上面とスライド下面との間隔(ダイハイト)を調整する。すなわち、ダイハイト調整機構は、回転駆動手段[ウオームねじ(3)、ウオーム歯車(4)]を用いて雄ねじ部材(10)を回転させることで雌ねじ部材(13)を上下動させ、コンロッド(2)の下端部とスライド(12)との上下方向相対位置を調整する。
ここに、クランク軸(偏心部)を回転駆動すると、コンロッド(2)は下端部(球形)を中心に揺動する。当該下端部は、上下枠体組合構造(8、7)内で回動しつつ揺動角度(ロッドの傾き)に応じた上下方向の当該位置に変化する。つまり、スライド(12)を昇降させることができる。
コンロッド(2)は、サスペンション機構(上下枠体組合構造)を通して、プレス成形中は上向きのプレス成形荷重(プレス反力)を受け、非プレス成形中(プレス成形開始前やプレス成形終了後)は下向きのスライド荷重(ダイハイト調整機構等を含む全荷重)を受けることになる。
他の従来例(例えば、特許文献2)も基本的機能が同一であるから、コンロッドの下端部がリストピン22に被嵌装着される方式であるが、全体的かつ基本的な構造は上記構造(特許文献1)と同様である。
実開昭61−31600号公報 実開平5−70800号公報
ところで、スライド駆動装置を含むプレス機械全体について、一層の高精度化要求が強くなっている。スライド駆動装置の高精度化は、スライドの上下方向位置の変化やそのバラツキを最小に抑えることにほかならない。つまり、機械的な上下方向ガタやそのバラツキを最小化することにある。
上記従来例のいずれの場合でも、スライド駆動装置に関するガタ発生個所(要因)は、コンロッド上端部とクランク軸(偏心部)との第1の連結個所、コンロッド下端部とサスペンション機構との第2の連結個所およびサスペンション機構とスライドとの第3の結合個所に大別される。
第1の連結個所は、その構造が簡単であることから、部品加工精度および組立て精度に応じた範囲内で決まり機械的構造の改変による大幅な高精度化は難しい。第3の結合個所は、サスペンション機構(雌ねじ部材)とスライドとが一体的に固着されているので、雄ねじと雌ねじとの螺合時精度で決まる。これも、ねじ加工精度および組立て精度に応じた範囲内で決まるので機械的構造の改変による大幅な高精度化は難しい。なお、雌雄ねじを一体的に固定化可能な油圧式ねじロック手段を設ける場合は、第3の結合個所についてのプレス運転中のガタを無くすことはできる。因みに、油圧式ねじロック手段は、特許文献1の場合は油圧室16を設け、特許文献2の場合は油室35を設けることで構築されている。
しかし、第2の連結個所は、コンロッドの円滑で安定した揺動運動および上下運動を維持し、さらにはプレス成形中か否か、或いはスライドの速度変化に伴う慣性力によって切換わる向き反対の負荷(荷重)に確実に耐える等の基本的機能を担保するために、構造複雑でかつ高精度加工部品を高精度組立てしなければならない。また、運用の実際において、計画上の所定精度を確立するまでに多くの手間と時間を要する。これらは、コスト低減を妨げる要因にもなっている。このような問題が内在するにも拘わらず、基本的構造が従来例の場合のように限定(慣用化)され大幅な改変に至っていないのが実状である。
本発明の目的は、ガタが少なく高精度でプレス運転可能なスライド駆動装置を提供することにある。
各連結個所に関する詳細な試験研究によると、第2の連結箇所のガタを半減できるならば、装置全体の高精度化を達成できかつ今後のプレス成形技術の趨勢に応えることができると分析した。
すなわち、従来例(特許文献1)の場合、原理説明図[図5(B)]に示すように、プレス連続運転時の過酷な熱要因(熱膨張変形)を見込んで、コンロッド下端部(球形体2B)と上枠体(8)の半円球形内面とのクリアランスC21および下枠体(7)の半円球形内面とのクリアランスC22の値が決められている。C21の値はC22の値と同じである。つまり、球形体2Bの外側全方向に同一値のクリアランスを設ける考え方である。
プレス成形中のプレス成形荷重Pprsを接触状態にある下枠体(7)の半円球形内面とコンロッド下端部(球形体2B)の下端外周面とで受けかつコンロッド側に伝達する場合は、上枠体(8)の半円球形内面とコンロッド下端部(球形体2B)の上側外周面との間のガタは同図(A)に示すようにC2(=C21+C22)となる。一方、非プレス成形中のスライド荷重Psrdを接触状態にある上枠体(8)の半円球形内面とコンロッド下端部(球形体2B)の上側外周面で受けかつコンロッド側に伝達するときは、下枠体(7)の半円球形内面とコンロッド下端部(球形体2B)の下側外周面との間のクリアランスは同図(C)に示すようにC2=(C21+C22)となる。
第1の連結箇所と比べ第2の連結箇所の摺動部の径は小さいが、第2の連結箇所には十分なガタが求められる。クランク軸の回転を伴う第1の連結箇所の摺動部の摺動速度に比べ、コンロッドの揺動に伴う摺動部の摺動速度は小さい。しかし、受ける荷重が同じであるのに第2の連結箇所の熱容量が第1の連結箇所の熱容量に比べて小さいこと、及び第2の連結箇所は構造上潤滑油の強制循環による効果的な冷却が行なえないことから、第2の連結箇所の温度上昇が大きいことが原因である。また、常時相対可動状態である第2の連結個所のガタ(C2)は、通常相対静止状態である第3の連結個所のガタ(C3)よりも大きい。しかも、例えば電子部品のプレス成形速度は一段と高速に、その運転態様は一層長期間に渡る連続運転となる傾向にあるので、従来構造のままではガタ(C2)の値を一段と大きくしなければならないと考えられる。
ここに、上記の通り第2の連結個所のガタ(C2)を半減できれば、スライド装置全体の大幅な高精度化を達成できる。また、第3の連結個所のガタ(C3)を忍受したとしても従来例の場合に比較してスライド装置全体の高精度化を向上できるから、油圧式ねじロック手段の導入を省略でき得る。この油圧式ねじロック手段を省略すれば、プレス運転中にダイハイト調整が実行可能になるから、プレス成形態様やプレス機械の運用形態を拡大することができる。コスト削減もできる。
本発明は、スライド駆動装置に関する長年の慣行を打ち破る大胆でユニークな改変に関し、第2の連結個所における向き反対のプレス成形荷重Pprsとスライド荷重Psrdとを受けかつコンロッド側に伝達する機械的構造を別個独立形式に構築したことを特徴とするものである。
詳しくは、請求項1の発明に係るスライド駆動装置は、クランク軸の回転運動をコンロッドおよびサスペンション機構を通してスライドの昇降運動に変換しつつスライド駆動するスライド駆動装置において、コンロッドの下端部に、仮想中心を中心とする下方に凸形状の雄球面を有する雄球面部材を形成しかつ円環部材に回転自在に保持された当該仮想中心を通る水平軸線を中心としかつ水平軸線方向に延びる水平ピン部材を設けるとともに、下部側が下方に凸形状の雌球面を有する雌球面部材に連結されかつ上部側が該円環部材に被嵌装着可能に形成された押え部材を設け、プレス成形中はスライド側の雌球面とコンロッド側の雄球面とを接触状態としかつプレス成形荷重を当該接触両球面を通してコンロッド側に伝達可能に形成され、非プレス成形中は押え部材の上部側を円環部材に懸架させることで雌球面と雄球面とを非接触状態としかつスライド荷重を押え部材、円環部材および水平ピン部材を通してコンロッド側に伝達可能に形成されている。
また、請求項2の発明に係るスライド駆動装置は、クランク軸の回転運動をコンロッドおよびサスペンション機構を通してスライドの昇降運動に変換しつつスライド駆動するスライド駆動装置において、コンロッドの下端部に、仮想中心を中心とする下方に凸形状の雄球面を有する雄球面部材を形成するとともに当該仮想中心を通る水平軸線を中心としかつ水平軸線方向に延びる水平ピン部材を設け、サスペンション機構を、水平ピン部材を回転自在に保持する円環部材と,スライド側の雌ねじ部材と螺合される雄ねじ部材と、上部側が該円環部材に懸架可能で下部側が雄ねじ部材に連結された押え部材とを含みスライドをサスペンション可能に形成し、該雄球面の形状に対応する下方に凸形状の雌球面を有する雌球面部材を該雄ねじ部材の上部側に配置し、プレス成形中はプレス成形荷重により雌球面と雄球面とが接触状態に保持可能かつ押え部材と円環部材とが非接触状態に保持可能に形成され、非プレス成形中はスライド荷重により押え部材と円環部材とが接触状態に保持可能かつ雌球面と雄球面とが非接触状態に保持可能に形成されている。
さらに、請求項2の従属項である請求項3の発明は、スペーサーを用いて押え部材の下端面と雄ねじ部材の上端面との隙間を拡縮することで非接触状態の雌球面と雄球面との間のクリアランスを調整可能に形成されている。請求項4の発明は、雄球面部材と水平ピン部材とが隙間のない一体的構造である。請求項5の発明は、雌球面部材と雄ねじ部材とが仮想中心を通る垂直軸線を中心に相対回転可能である。請求項6の発明は、コンロッドの下端部が雄球面部材を含む球体構造とされ、この球体構造の水平ピン部材よりも上方に位置する肩部が前記押え部材と非接触とされている。さらに、請求項7の発明は、押え部材の起立外周面とクランク軸を収容するクラウンとの間にスラスト受けガイドが装着されている。
請求項1の発明によれば、ガタが少なく高精度なプレス運転ができる。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の場合と同様にガタが少なく高精度なプレス運転ができるとともに装置具現化が容易でコスト低減ができる。
請求項3の発明によれば、請求項2の発明の効果に加え、雌球面と雄球面とのクリアランス調整が容易であり、最小のクリアランスを設定して一段の高精度化運転を行える。また、請求項4の発明によれば、請求項2、3の各発明の効果に加え、コンロッドの製造コストを低減できる。
請求項5の発明によれば、請求項2〜4の各発明の効果に加え、ダイハイト調整を円滑に行える。請求項6の発明によれば、請求項2〜5の各発明の効果に加え、コンロッド下端部および押え部材の製造コストを一段と低減できる。請求項7の発明によれば、請求項2〜6の各発明の効果に加え、一段と円滑なプレス運転を行える。
本発明の実施の形態に係るスライド駆動装置を説明するための正面縦断面図である。 同じく、側面縦断面図である。 同じく、図1の矢視線(C-C)に基づく横断面図である。 同じく、スライド駆動動作を説明するための図で、(A)はプレス成形時で、(B)は非プレス成形時を示す。 従来例(スライド駆動装置)のスライド駆動動作と問題点を説明するための図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本スライド駆動装置は、図1〜図4に示す如く、コンロッド20の下端部31に下方に凸形状の雄球面38を有する雄球面部材37を形成しかつ円環部材41に回転自在に保持された水平ピン部材45を設けるとともに、下部側(下端面56)が下方に凸形状(上方に凹形状)の雌球面48を有する雌球面部材47に直接または間接的に連結されかつ上部側(内面52I)が円環部材41に被嵌装着可能に形成された押え部材51を設け、プレス成形中はスライド側の雌球面48とコンロッド側の雄球面38との接触状態によりプレス成形荷重Pprsが当該両球面部を通してコンロッド側に伝達可能に形成され、非プレス成形中は押え部材51の上部側を円環部材41に懸架させることで雌球面48と雄球面38とを非接触状態としてスライド荷重Psrdを円環部材41および水平ピン部材45を通してコンロッド側に伝達可能に形成されている。
なお、押え部材51の下部側(下端面56)と雌球面部材47(雌球面48)とは、この実施の形態の場合は、雄ねじ部材62(フランジ部63)を介して間接的に連結されている。
詳しくは、コンロッド20の下端部31に図1に示す仮想中心Qを中心とする下方に凸形状の雄球面38を有する雄球面部材37を形成するとともに仮想中心Qを通る水平軸線X2を中心としかつ水平軸線(X2)方向に延びる水平ピン部材45を設け、サスペンション機構40を、円環部材41と雄ねじ部材62と押え部材51とを含みスライド90をサスペンション(懸架)可能に形成し、雄球面38の形状に対応する下方に凸形状(上方に凹形状)の雌球面48を有する雌球面部材47を雄ねじ部材62の上部側(66)に配置し、プレス成形中はプレス成形荷重Pprsにより雌球面48と雄球面38とが接触状態に保持可能かつ押え部材51(52I)と円環部材41(42)とが非接触状態に保持可能に形成され、非プレス成形中はスライド荷重Psrdにより押え部材51(押え天井部52の内面52I)と円環部材41(外周面42)とが接触状態に保持可能かつ雌球面48と雄球面38とが非接触状態に保持可能に形成されている。
図1、図2において、スライド駆動装置は、クランク軸10の回転運動をコンロッド20およびサスペンション機構40を通してスライド90の昇降運動に変換しつつスライド駆動可能に形成されている。
クランク軸10は、プレス本体の一部を構成するクラウン1内に収容され図示しないモータで水平軸線X1を中心に回転可能である。モータは、この実施の形態では、回転数を設定変更可能で、回転方向も設定切換可能なサーボモータである。したがって、スライド速度を切換えることができ、スライド90を垂直軸線Z方向の任意の位置に停止保持することができ、設定位置範囲内でスライド90の昇降を繰り返し切換えることができる。このサーボプレスの特長機能を確実に発現させる観点からも、ガタが少なく高精度運転できるスライド駆動装置の開発が切望されているわけである。
コンロッド20の上端部21は、図2に示すように、取付けボルト22を用いて結合分離可能な上・下(半割)半円環組合構造(21U、21D)とされ、クランク軸10(偏心部11)に被嵌装着されている。上端部21とクランク軸10(偏心部11)とのクリアランスC1の値は、従来例の場合と同じ(例えば、7/100mm)である。
以下の説明中に出てくる垂直軸線Zは上記の水平軸線X1に直交する軸線である。Z方向は垂直軸線Zの延びる方向である。また、水平軸線X2は水平軸線X1に平行である。仮想中心Qは、垂直軸線Zと水平軸線X2との交点である。
なお、図1において、垂直軸線Zを中心とする左側断面と右側断面とは断面位置が異なる。左側断面は図3に示す矢視線Aから見た状態で、右側断面は矢視線Bから見た状態であり、平面的には120度等間隔で3箇所有り、各左側断面と各右側断面とは60度ずつ位置ずれしている。図3は、図1の矢視線C-Cに基づく。
コンロッド20の下端部31は、球体構造(球体部32)から形成され、その一部が下方に凸形状の雄球面38を有する雄球面部材37とされている。Z方向において雄球面38と対向する雌球面48は雌球面部材47の上部側に形成さている。この雌球面48は、雄球面38の形状(凸形状)に対応する形状(上方に凹形状…下方に凸形状)である。雌球面部材47(雌球面48)は、雄ねじ部材62の上部側(収容部66)に配置(装着)されている。
球体部32の中心は、図1に示す仮想中心Qと同じである。つまり、雄球面部材37の一部分である雄球面38の中心は仮想中心Qである。球体部32には、仮想中心Qを通る水平軸線X2を中心とする貫通穴35が設けられている。水平ピン部材45は円柱形状で、貫通穴35内に嵌挿されている。すなわち、水平ピン部材45は、仮想中心Qを通る水平軸線X2を中心としかつX2方向に延びる。貫通穴35の内周面と水平ピン部材45の外周面との間のクリアランスはゼロ(0)である。つまり、球体部32(雄球面部材37)と水平ピン部材45とが隙間のない一体的構造とされている。なお、球体部32の両側(左右)は、水平ピン部材45との関係から、点線で示す位置で切欠されている。
上記した雄球面部材37(雄球面38)は、球体構造(球体部32)の水平ピン部材45の位置より下方に位置する球体部分から形成されている。また、球体部32の水平ピン部材45の位置よりも上方に位置する球体部分(肩部33)は、貫通穴53内に収められ、押え部材51(押え天井部52)とは非接触である。
水平ピン部材45の外周面と円環部材41の内周面43とのクリアランスは水平軸線X2を中心とする相対回転に支障がない範囲内であれば良い。尚、このクリアランスは第2の連結箇所のガタの大きさとは関係しない。
サスペンション機構40は、円環部材41と押え部材51およびスライド高さ調整部61(雄ねじ部材62、雌ねじ部材72、ウオームねじ81、ウオーム歯車82等)を含みスライド90をサスペンション可能に形成されている。このスライド高さ調整部61は、ダイハイト調整機構を形成する。
図1、図2において、雄ねじ部材62は上部側にフランジ部63を有する円柱構造であり、雄ねじ部材62の下部側の外周面に設けた雄ねじ部67は、スライド(90)側の雌ねじ部材72(雌ねじ部77)と螺合する。フランジ部63には垂直軸線Zを中心とする有底円筒形状の収容部66が形成されている。この収容部66内に収容(装着)された雌球面部材47(雌球面48)は、Z方向において雄球面部材37(雄球面38)と接触分離可能である。
雌球面部材47の上面側の球面加工範囲(雌球面48)は、コンロッド20の揺動運動に伴う雄球面38の回動運動範囲をフォローできるだけの比較的に小さな範囲でよい。つまり、内面が半円球形状の従来例(特許文献1)の下枠体(7)を製作する場合に比較して、製作が容易で面加工精度も高くかつコスト低減ができる。
これに関連し、この発明では肩部33でスライド荷重Psrdを受ける必要がないから押え部材51を小型で単純な構造とすることができる。つまり、内面が半円球形状の従来例(特許文献1)の上枠体(8)を製作する場合に比較して、製作が容易で面加工精度も高くかつコスト低減ができる。しかも、押え部材51から雌球面部材47までの上下方向寸法を、従来例(特許文献1)の上枠体(8)から下枠体(7)までの上下方向寸法に比較して小さくできる。したがって、サスペンション機構40を全体的に小型軽量化できる。
この雌球面部材47は、仮想中心Qを通る垂直軸線Zを中心に雄ねじ部材62と相対回転可能である。つまり、短柱形状の雌球面部材47は、最小限のクリアランスを持たせた状態で有底円筒形状の収容部66に回転可能に嵌装されている。したがって、ダイハイト調整時の負荷が軽くなり雄ねじ部材62を円滑に回動できる。
なお、例えば、コンロッド20の揺動角度が狭い(スライドストロークが短い)場合には、雄ねじ部材62と雌球面部材47とを一体的に形成してもよい。この場合は、揺動(回動)運動範囲が小さくてもよい雄球面38と雌球面48とを垂直軸線Zを中心に相対回転させればよい。
フランジ部63の上端面には、第1水平端面64および第2水平端面65が形成されている。第1水平端面64は円環部材41(外周面42)に対向する位置であり、第2水平端面65は押え部材51の下部側(下端面56)に対向する位置である。
押え部材51は、全体として円筒形状であり、押え天井部52にはコンロッド20(下端部31)をZ方向に貫通可能な大きさの貫通穴53が設けられ、スカート部54の下端面56はフランジ部63(第2水平端面65)に載置可能である。両者(押え部材51、雄ねじ部材62)は、スペーサー57を介しかつ結合ボルト58を用いて一体的に連結(固着)される。
押え天井部52の内面52Iは、図1、図4に示す如く、円環部材41(外周面42)を下方に押えこむ。つまり、押え部材51は、上部側(押え天井部52…内面52I)が円環部材41にサスペンション(懸架)可能で下部側[スカート部54(下端面56)]が雄ねじ部材62に連結(固着)される。
機能的には、押え部材51は下部側(下端面56)がZ方向において雌球面部材47に連結されかつ上部側(内面52I)が円環部材41(外周面42)に被嵌装着できると理解される。なお、下部側(下端面56)と雌球面部材47とを雄ねじ部材62(フランジ部63)を介して間接的に連結したが、両者(62、47)を一体に形成して直接連結する構造としてもよい。
上記のスペーサー57は、押え部材51(スカート部54)の下端面56と雄ねじ部材62の上端面(第2水平端面65)との隙間を拡縮することで、非接触状態の雌球面48と雄球面38との間の図4(B)に示すクリアランスC2dの値を調整するために使用される。
スライド(90)側の雌ねじ部材72は、雄ねじ部材62に被嵌装着されかつ雌ねじ部77と雄ねじ部67との螺合により雄ねじ部材62に結合される。雄ねじ部材62を回転させることで、雄ねじ部材62を基準として雌ねじ部材72をZ方向に相対変位させることができる。雌ねじ部材72にはボルト74でプレート93が固定され、このプレート93にボルト95を用いてスライド90が取付けられている。つまり、雄ねじ部材62を回転させることで、コンロッド20(下端部31)に対するスライド90のZ方向の位置を変位させることができる。
この雄ねじ部材62のフランジ部63とウオーム歯車82とは、図1、図3に示すコッター84を介して垂直軸線Zを中心に同期回転可能に結合されている。コッター84は、コッターピン85でフランジ部63に回転自在に取付けられかつウオーム歯車82とは上下方向に摺動自在に配置されている。したがって、外部のモータ(図示省略)でウオームねじ軸81S(ウオームねじ81)を回転すれば、スライド90の高さつまりダイハイトを調整することができる。
このウオームねじ軸81Sは、図1に示すウオームケース5の内側(装着部6)に図3のころがり軸受83を介して回転可能に収容装着されている。図2において、ウオームケース5の上部側はボルト15でクラウン1に固定され、その下部側にはボルト7でガイド部8(シール部9)が取付けられている。ガイド部8(シール部9)は、雌ねじ部材72の上下移動を案内する。
図1に示す押え部材51(スカート部54)の外周面(起立外周面)55とクラウン1[開口部(開口内周面)2]との間には、スカート部54を上下方向に摺動自在に案内するとともに、スライド駆動時のスラスト分力を受けるスラスト受けガイド3が取付けられている。ボルト4で固定される。
模式的(簡易的)に表した動作を説明するための図4において、プレス成形中を現す同図(A)に示す如く、スライド90[雄ねじ部材62]側の雌球面48とコンロッド(20)側の雄球面38が接触状態(クリアランス無し状態)にある場合は、プレス成形荷重Pprsが両接触球面部48、38を通してコンロッド(20)側に伝達可能に形成されている。
この際、押え天井部52(内面52I)と円環部材41(外周面42)とは、上下方向において非接触状態であり、そのクリアランスC2uの値は図4(B)に示す両球面38、48間のクリアランスC2dの値と同じとされている。
図4(A)において、雄ねじ部材62(フランジ部63)の第1水平端面64と円環部材41(外周面42)とは、非接触状態とされる。雄ねじ部材62に加わる上向きのプレス成形荷重Pprsが両接触球面38、48を通すことなく、水平ピン部材45の両端側に直接伝達されることを防止する。したがって、両者(64、42)間のクリアランスC2msの値は非接触を維持できる限りにおいて適宜で小さな値(例えば、2/100mm以下)とすればよい。プレス成形精度には直接関与しないからである。
すなわち、スライド(90)側の雌球面48とコンロッド(20)側の雄球面38とが接触状態に保持可能でかつ押え部材51(内面52I)と円環部材41(外周面42)とが非接触状態に保持可能に形成されている。この際、雄ねじ部材62側の第1水平端面64および雌球面部材47と、円環部材41(42)とは、上記の通り非接触状態に保持される。
非プレス成形中を現す図4(B)において、押え部材51の上部側(押え天井部52の内面52I)と円環部材41(外周面42)とが接触状態に保持可能でかつ雌球面48と雄球面38とが非接触状態に保持可能である。この際も、雄ねじ部材62側の第1水平端面64および雌球面部材47と、円環部材41(外周面42)とは非接触状態に保持される。クリアランスC2mlの値は、図4(A)に示す場合(C2ms)よりも上方のクリアランスC2uの値分だけ大きくなる。
つまり、非プレス成形中は、下部側[スカート部54(下端面56)]が雄ねじ部材62(雌球面部材47)側に連結(固着)されている押え部材51の上部側(押え天井部52)を円環部材41に懸架させることで、雌球面48と雄球面38とを非接触状態としつつ、スライド荷重Psrdを雄ねじ部材62(雌球面部材47)、押え部材51、円環部材41および水平ピン部材45を通してコンロッド(20)側に伝達することができる。
この際の雌球面48と雄球面38との間のクリアランスC2dの値は、従来例(特許文献1)のクリアランスC21(=C22)の値と同等以下の値とすることができる。つまり、従来例の場合は、上・下枠体(8、7)がいわば密閉空間(クローズド構造)に形成されていた。また、プレス成形荷重Pprsとスライド荷重Psrdとを上下交互に繰り返して受けていた。このために熱的変形(全方向的な熱膨張量)が非常に大きくなっていた。したがって、直径全方向に等しくかつ大きなクリアランスC21(C22)を設ける必要があり、この和(C21+C22)がガタとなっていたのである。
本発明の場合は、雌球面部材47等がいわば開放空間(オープン構造)であるから、熱発生が少なく放熱も早い。つまり、雄球面部材37(および雌球面部材47)の熱膨張量を少なく抑えることができる。したがって、クリアランスC2dの値を、従来例の場合よりも小さくすることもできる。
しかも、このクリアランスC2dの値をプレス運転状態(連続性、負荷の大小、プレス成形速度等)に最適でかつ安定運用できる範囲内において最小化できるようにスペーサー57を用いてクリアランス調整可能である。図4において、スカート部54の下端面56と雄ねじ部材62の第2水平端面65との間に適宜な厚さのスペーサー57をセットし、その後に図1のボルト58でスカート部54とフランジ部63とをしっかりと結合させればよい。
ここにおいて、従来例の場合は、プレス成形荷重Pprsからスライド荷重Psrdへの切換えの際に、図5(A)に示す状態から同図(C)に示す状態に切換わるので大きなガタ(C21+C22)が生じる。スライド荷重Psrdからプレス成形荷重Pprsに切換わる場合も同じガタ(C21+C22)である。
本発明の場合は、プレス成形荷重Pprsからスライド荷重Psrdへの切換えの際は、図4(A)に示す状態から同図(B)に示す状態に切換わるので、ガタ(C2u=C2d)は小さな値である。これとは逆に、スライド荷重Psrdからプレス成形荷重Pprsに切換えの際は、図4(B)に示す状態から同図(A)に示す状態に切換わるので、この場合のガタ(C2d=C2u)も同じ値である。
すなわち、スライド荷重Psrdとプレス成形荷重Pprsとの受け位置を異なる位置に変更する改善(構造改変)により、第2の連結個所のガタ(C2d)を従来例の場合(C21+C22)に比較して半減(1/2)以下に減少化することができた。
このように、この実施の形態では、油圧式ねじロック手段を設けていないが、油圧式ねじロック手段を設けた従来例の場合と同じスライド駆動装置全体の総合ガタ(精度)に抑えたプレス運転を保障することができる。しかも、雌雄ねじ間を拘束する油圧式ねじロック手段が無いので、プレス運転中にこまめなダイハイト調整をしたいという実際プレス運用上の要請に応えられる。つまり、高品質製品を安定生産することができる。
もとより、この実施の形態においても油圧式ねじロック手段を設けることにすれば、コンロッド下端部とサスペンション機構との第2の連結箇所のガタを、従来例の場合(C2=C21+C22)に比較して大幅[C2d=C2×1/2]に向上できる。
また、スライド90を頻繁に昇降反転させる際の上下方向ガタの切換差を小さくできるから、ショックレスで円滑な運転ができる。振動も軽減できる。特に、各種のスライドモーションを選択切換えたプレス運転ができるサーボプレスのスライド駆動装置として好適である。
なお、調整後のフランジ部63(第1水平端面64)と円環部材41(外周面42)との間のクリアランスC2mlの値は、図4(A)に示す場合(C2ms)の値とクリアランスC2dの値の和である。この場合、押え天井部52(内面52I)と円環部材41(外周面42)とが接触状態であるから、当該時のクリアランスC2uの値はゼロである。
かかる実施の形態の作用・動作を説明する。
(初期状態)
スライド90が初期位置(例えば、上死点)に位置する初期状態では、図4(B)に示す如く、押え部材51(押え天井部52)が円環部材41を通して水平ピン部材45(球体部32)に担持されている。雄球面38と雌球面48との間のクリアランスはC2dである。円環部材41(外周面42)と第1水平端面64との間のクリアランスC2mlの値はクリアランスC2dの値よりも大きい。つまり、スライド荷重Psrdは水平ピン部材45を通してコンロッド20(下端部31)に伝達される。
(プレス運転開始)
クランク軸10を回転させると、コンロッド20の上端部21は水平軸線X1を中心として偏心回転される。上端部21は下端部31(球体部32)を中心に揺動運動する。具体的には、水平ピン部材45が両側円環部材41を軸受としかつ水平軸線X2を中心に回転する。下端部31(球体部32)はコンロッド20の揺動角度に応じて上下(Z)方向に移動する。スラスト受けガイド3が設けられているので、揺動運動に伴うスラスト分力を分散できる。
(スライド下降)
すなわち、コンロッド20の揺動に伴いスライド90が下死点に向かって下降する。この際は、図4(B)の状態が維持される。
(プレス成形)
スライド90が所定位置(例えば、下死点近傍)に進むと、上型が下型内にセットされたワークに当接する。すなわち、プレス成形動作に突入する。すると、プレス成形荷重Pprsが発生する。この上向き反力(Pprs)は、図1に示すスライド90→プレート93→雌ねじ部材72→雄ねじ部材62→雌球面部材47に伝達される。したがって、雌球面48が図4(B)に示す状態から同図(A)に示す状態に変化して雄球面38に接触する。この切換わりの際に、ガタ(C2d)が発生する。両球面48、38が接触状態であるから、プレス成形荷重Pprsは雄球面部材37(球体部32)に伝播され、コンロッド20(下端部31)に伝達される。最終的にはクランク軸10がプレス負荷(プレス成形荷重Pprs)として受け止める。これと並行して、押え天井部52(内面52I)と円環部材41(外周面42)との間のクリアランスC2uが図4(A)に示すように広がる。このクリアランスC2uの値は、図4(B)に示すクリアランスC2dの値と同じである。しかし、押え部材51および円環部材41(水平ピン部材45)はプレス成形荷重Pprsの伝達に直接関与しないので、クリアランスC2uは総合精度を低下させるガタにはならない。すなわち、従来例の場合のように両クリアランスの和(C2d+C2u)ではない。本発明では、第2の結合個所のガタが半減(C2d)される。
(スライド上昇)
プレス成形終了後に、スライド90は上昇し始める。プレス成形荷重Pprsが消滅し、スライド荷重Psrdが発生する。この下向き荷重(Psrd)は、スライド90→プレート93→雌ねじ部材72→雄ねじ部材62→押え部材51に伝達される。このスライド懸架に伴い、雌球面48は図4(A)に示す状態から同図(B)に示す状態に変化(降下)する。つまり、雌球面48は降下して雄球面38と非接触状態となる。クリアランスC2dが広がるが、ガタとはならない。つまり、下向き荷重(Psrd)は、雄ねじ部材62の第2水平端面65を通してこれと一体的に連結された押え部材51の負荷となる。すなわち、押え部材51が降下して円環部材41(外周面42)に当接するから、下向き荷重(Psrd)は円環部材41、水平ピン部材45および球体部32を通してコンロッド20に伝達される。押え部材51(内面52I)と円環部材41(外周面42)との間のクリアランスC2uの値は、図4(A)に示す最大値から同図(B)示すゼロ(0)となる。下向き荷重(Psrd)の伝達に直接関与するので、クリアランスC2uはガタとなる。しかし、非接触状態の雌球面48および雄球面38は、スライド荷重Psrdの伝達に直接関与しないので、クリアランスC2dはガタとならない。
(スライド昇降反転切換動作)
スライド90をある位置またはある位置範囲内で上昇と下降を繰り返すプレス運転が選択された場合を考える。かかるプレス運転の場合は、クランク軸10の回転方向を切換えることで、スライド下降動作とスライド上昇動作とが交互に繰り返される。しかし、第2の連結個所のガタ(C2d=C2u)が従来例の場合(C21+C22)の値の1/2であるから、従来例の場合に比較して切換え動作時の衝撃や騒音が大幅に弱小化されている。したがって、サーボプレスに固有な特長機能を発現させたプレス運転を続行できる。
(第3の結合個所との関係)
第2の連結個所のガタ(C2d=C2u)が従来例の場合(C2)の1/2であるから、油圧ねじロック手段が無い場合でも、従来例による製品品質と遜色のないまたはそれ以上の品質の製品を生産することができる。隙間調整により、ガタ(C2d)を最小化できるからである。もとより油圧ねじロック手段を付設してもよい。この場合には、大幅な高精度化を達成できるから、一段と高品質の製品を生産することができる。すなわち、本発明装置は、従来例に比較して生産すべき製品品質に対する適応性が広い。
(クリアランスの調整)
具体的運用条件(連続時間・期間、製品品質、プレス負荷の大小、プレス速度、周囲環境など)に最適な精度を得るには、押え部材51と雄ねじ部材62との間のスペーサー57の交換等により、クリアランスC2dの値を調整すればよい。
(ダイハイト調整)
ダイハイト調整を必要とする場合(プレス運転態様、製品形態や保証品質などに好適とするための一策を施す。)には、外部モータ制御により、図1、図3に示すウオームねじ81(81S)を回転させてウオーム歯車82を、垂直軸線Zを中心に回転させる。雄ねじ部材62の回転量に応じて雌ねじ部材72が上下方向に変位する。すなわち、ダイハイト調整ができる。油圧ねじロック手段が無いので、プレス運転中も調整できるから、製品精度・品質のバラツキを最小化できる。雌球面部材47(雌球面48)が垂直軸線Zを中心に回転できるので、円滑で迅速なダイハイト調整ができる。
(プレス停止動作)
クランク軸10の回転を停止させると、コンロッド20(上端部21)の水平軸線X1を中心とする偏心回転が停止する。下端部31(球体部32)を中心とするコンロッド20の揺動運動も停止する。水平ピン部材45の両側円環部材41を軸受としかつ水平軸線X2を中心とする回転が停止する。通常はスライド90を上死点位置(初期位置)に戻してプレス停止させる。下端部31(球体部32)はコンロッド20の揺動角度に応じて上下(Z)方向に移動する。サスペンション機構40は図4(B)に示す状態で静止保持される。
しかして、この実施の形態によれば、プレス成形中はスライド側の雌球面48とコンロッド側の雄球面38との接触状態によりプレス成形荷重Pprsが当該両球面部を通してコンロッド側に伝達可能に形成され、非プレス成形中は押え部材51の上部側を円環部材41に懸架させることで雌球面48と雄球面38とを非接触状態としてスライド荷重Psrdを円環部材41および水平ピン部材45を通してコンロッド側に伝達可能に形成されているので、ガタが少なく高精度なプレス運転ができ、高品質なプレス成形品を生産することができる。
また、サスペンション機構40が円環部材41と雄ねじ部材62と押え部材51とを含みスライド懸架可能に形成され、雌球面48を有する雌球面部材47を雄ねじ部材62の上部側(66)に配置し、プレス成形中はプレス成形荷重Pprsにより両球面48、38が接触状態に保持可能かつ押え部材51と円環部材41とが非接触状態に保持可能に形成され、非プレス成形中はスライド荷重Psrdにより押え部材51と円環部材41とが接触状態に保持可能かつ両球面48、38が非接触状態に保持可能に形成されているので、低コストで具現化容易であり、一段と確実なサスペンション機能を発現できる。
また、スペーサー57を用いて押え部材51(56)と雄ねじ部材62(64)との隙間を拡縮することで非接触状態の雌球面48と雄球面38との間のクリアランスC2dを調整可能に形成されているので、雌球面と雄球面とのクリアランス調整が容易であり、最小のクリアランスを設定可能かつ取り扱い容易である。一段と高品質製品を生産することができ、プレス運転態様、プレス設置環境や製品品質に対する適応性が広い。
また、雄球面部材37と水平ピン部材45とが隙間のない一体的構造とされているので、不必要なガタを一掃できかつコンロッド(20)自体の製造コストを低減できる。
さらに、雌球面部材47と雄ねじ部材62とが仮想中心Qを通る垂直軸線Zを中心に相対回転可能に形成されているので、コンロッド下端部31(雄球面38)側に影響を及ぼすことなく雄ねじ部材62を円滑かつ正確に回転できるので、ダイハイト調整を円滑に行える。
さらに、コンロッド下端部31が雄球面部材37を含む球体構造(球体部32)とされ、この球体構造の水平ピン部材45よりも上方に位置する肩部33が押え部材51と非接触でいいから、コンロッド下端部および押え部材51の製造コストを一段と低減できる。
さらにまた、押え部材51の起立外周面(55)とクラウン1との間にスラスト受けガイド3が装着されているので、一段と円滑なプレス運転を行える。
さらにまた、サスペンション機構40の主要構成部(37、45、51)の小型軽量化により装置全体の軽量化およびZ方向の寸法の短縮化がでるから、例えば電子部品等を高速・連続・高品質で生産するプレス機械を確立かつ普及できる。
1 クラウン
3 スラスト受けガイド
10 クランク軸
20 コンロッド
21 上端部
31 下端部
32 球体部(球体構造)
33 肩部
37 雄球面部材
38 雄球面
40 サスペンション機構
41 円環部材
45 水平ピン部材
47 雌球面部材
48 雌球面
51 押え部材
52 押え天井部
54 スカート部
57 スペーサー
61 スライド高さ調整部(ダイハイト調整機構)
62 雄ねじ部材
67 雄ねじ部
72 雌ねじ部材
77 雌ねじ部
81 ウオームねじ
82 ウオーム歯車

Claims (7)

  1. クランク軸の回転運動をコンロッドおよびサスペンション機構を通してスライドの昇降運動に変換しつつスライド駆動するスライド駆動装置において、
    前記コンロッドの下端部に、仮想中心を中心とする下方に凸形状の雄球面を有する雄球面部材を形成しかつ円環部材に回転自在に保持された当該仮想中心を通る水平軸線を中心としかつ水平軸線方向に延びる水平ピン部材を設けるとともに、下部側が下方に凸形状の雌球面を有する雌球面部材に連結されかつ上部側が該円環部材に被嵌装着可能に形成された押え部材を設け、
    プレス成形中は前記スライド側の該雌球面と前記コンロッド側の該雄球面とを接触状態としかつプレス成形荷重を当該接触両球面を通して前記コンロッド側に伝達可能に形成され、
    非プレス成形中は該押え部材の上部側を該円環部材に懸架させることで該雌球面と該雄球面とを非接触状態としかつスライド荷重を該押え部材、該円環部材および水平ピン部材を通して前記コンロッド側に伝達可能に形成された、スライド駆動装置。
  2. クランク軸の回転運動をコンロッドおよびサスペンション機構を通してスライドの昇降運動に変換しつつスライド駆動するスライド駆動装置において、
    前記コンロッドの下端部に、仮想中心を中心とする下方に凸形状の雄球面を有する雄球面部材を形成するとともに当該仮想中心を通る水平軸線を中心としかつ水平軸線方向に延びる水平ピン部材を設け、
    前記サスペンション機構を、該水平ピン部材を回転自在に保持する円環部材と,前記スライド側の雌ねじ部材と螺合される雄ねじ部材と,上部側が該円環部材に懸架可能で下部側が該雄ねじ部材に連結された押え部材とを含みスライドをサスペンション可能に形成し、
    該雄球面の形状に対応する下方に凸形状の雌球面を有する雌球面部材を該雄ねじ部材の上部側に配置し、
    プレス成形中はプレス成形荷重により該雌球面と該雄球面とが接触状態に保持可能かつ該押え部材と該円環部材とが非接触状態に保持可能に形成され、非プレス成形中はスライド荷重により該押え部材と該円環部材とが接触状態に保持可能かつ該雌球面と該雄球面と
    が非接触状態に保持可能に形成されている、スライド駆動装置。
  3. スペーサーを用いて前記押え部材の下端面と前記雄ねじ部材の上端面との隙間を拡縮することで非接触状態の前記雌球面と前記雄球面との間のクリアランスを調整可能に形成されている、請求項2記載のスライド駆動装置。
  4. 前記雄球面部材と前記水平ピン部材とが隙間のない一体的構造とされている、請求項2または3記載のスライド駆動装置。
  5. 前記雌球面部材と前記雄ねじ部材とが前記仮想中心を通る垂直軸線を中心に相対回転可能である、請求項2〜4までのいずれか1項に記載されたスライド駆動装置。
  6. 前記コンロッドの下端部が前記雄球面部材を含む球体構造とされ、この球体構造の前記水平ピン部材よりも上方に位置する肩部が前記押え部材と非接触とされている、請求項2〜5までのいずれか1項に記載されたスライド駆動装置。
  7. 前記押え部材の起立外周面と前記クランク軸を収容するクラウンとの間にスラスト受けガイドが装着されている、請求項2〜6までのいずれか1項に記載されたスライド駆動装置。
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