JP5478239B2 - タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤに関する。
従来から、タイヤの安全性および低燃費性の向上を目的に、補強用充填剤としてシリカが使用されている。また、シリカだけでは充分な効果が得られないため、シリカと共に、シリカとゴム成分を結合させるシランカップリング剤(例えば、アルコキシ基を有するシランカップリング剤)が使用されている。
アルコキシ基を有するシランカップリング剤とシリカとが反応するためには、アルコキシ基が加水分解される必要がある。しかし、アルコキシ基の加水分解反応は短時間で進行しないため、ゴムの混練工程においてアルコキシ基の加水分解反応が充分に進行していなかった。そのため、シランカップリング剤とシリカとの反応率が低くなり、シリカの性能(例えば、低燃費性の向上)を最大限まで引き出せておらず、また、耐摩耗性が充分でないという問題があった。
また、特許文献1〜3には、窒素含有化合物と酸を併用することにより、グリップ性能が向上することが記載されている。しかし、シランカップリング剤とシリカとの反応率やジカルボン酸については、詳細に検討されていない。
特開2007−119628号公報 特開2006−52308号公報 特開2005−112921号公報
本発明は、前記課題を解決し、シランカップリング剤とシリカとの反応率を向上させ、低燃費性、耐摩耗性を向上できるタイヤ用ゴム組成物、及び該タイヤ用ゴム組成物をタイヤの各部材に用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、シリカと、シランカップリング剤と、ジカルボン酸とを含むタイヤ用ゴム組成物に関する。
上記ジカルボン酸が脂肪族ジカルボン酸であることが好ましい。
上記ジカルボン酸が、シュウ酸、マロン酸、及びコハク酸からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
上記シランカップリング剤がビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドであることが好ましい。
上記シランカップリング剤が下記一般式(1)で示される結合単位Aと下記一般式(2)で示される結合単位Bとの合計量に対して、結合単位Bを1〜70モル%の割合で共重合したものであることが好ましい。
Figure 0005478239
Figure 0005478239
(式中、x、yはそれぞれ1以上の整数である。Rは水素、ハロゲン、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基若しくはアルキレン基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニル基若しくはアルケニレン基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルキニル基若しくはアルキニレン基、又は該アルキル基若しくは該アルケニル基の末端が水酸基若しくはカルボキシル基で置換されたものを示す。Rは水素、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキレン基若しくはアルキル基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニレン基若しくはアルケニル基、又は分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルキニレン基若しくはアルキニル基を示す。RとRとで環構造を形成してもよい。)
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いた空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、シリカと、シランカップリング剤と、ジカルボン酸とを含むタイヤ用ゴム組成物であるので、シランカップリング剤とシリカとの反応率を向上させ、低燃費性、耐摩耗性を向上でき、該ゴム組成物をタイヤの各部材に使用することにより、低燃費性、耐摩耗性に優れた空気入りタイヤを提供することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、シリカと、シランカップリング剤と、ジカルボン酸とを含む。
本発明で使用できるゴム成分としては、特に限定されず、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、スチレンイソプレンゴム(SIR)、イソプレンブタジエンゴム等のジエン系ゴムが挙げられる。ジエン系ゴムは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、タイヤ用ゴム組成物としてのグリップ性能、耐摩耗性が良好であるという理由から、SBR、NR、BRが好ましい。
SBRとしては、特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)等を使用できる。
本発明のゴム組成物がSBRを含有する場合、ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上である。50質量%未満であると、充分なグリップ性能が得られないおそれがある。
本発明では、シリカが使用される。シリカを配合することにより、特に、ウェットグリップ性能と低燃費性が向上する。シリカとしては特に限定されず、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)等が挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。
シリカのチッ素吸着比表面積(NSA)は、40m/g以上が好ましく、50m/g以上がより好ましく、100m/g以上が更に好ましく、150m/g以上が特に好ましい。40m/g未満では、充分な耐摩耗性が得られないおそれがある。また、シリカのNSAは、220m/g以下が好ましく、200m/g以下がより好ましい。220m/gを超えると、ゴムへの分散が困難となり、分散不良を起こすおそれがある。
なお、シリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは40質量部以上である。20質量部未満であると、充分なゴムの強度が得られず、耐摩耗性が低下するおそれがある。上記シリカの含有量は、好ましくは150質量部以下、より好ましくは120質量部以下である。150質量部を超えると、シリカの分散が不均一となり、耐摩耗性が低下するおそれがある。
本発明では、シランカップリング剤が使用される。シランカップリング剤を配合することにより、ゴムとシリカとの間で結合が生じ、耐摩耗性が向上する。本発明で使用されるシランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリメトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィドなどのスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシランなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランなどのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシランなどのクロロ系、下記一般式(1)で示される結合単位Aと下記一般式(2)で示される結合単位Bとの合計量に対して、結合単位Bを1〜70モル%の割合で共重合したもの(下記構造のシランカップリング剤)などがあげられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、良好な耐摩耗性が得られるという理由からビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、下記構造のシランカップリング剤が好ましい。
Figure 0005478239
Figure 0005478239
(式中、x、yはそれぞれ1以上の整数である。Rは水素、ハロゲン、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基若しくはアルキレン基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニル基若しくはアルケニレン基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルキニル基若しくはアルキニレン基、又は該アルキル基若しくは該アルケニル基の末端が水酸基若しくはカルボキシル基で置換されたものを示す。Rは水素、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキレン基若しくはアルキル基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニレン基若しくはアルケニル基、又は分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルキニレン基若しくはアルキニル基を示す。RとRとで環構造を形成してもよい。)
上記構造のシランカップリング剤は、結合単位Aと結合単位Bのモル比が上記条件を満たすため、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドなどのポリスルフィドシランに比べ、加工中の粘度上昇が抑制される。これは結合単位Aのスルフィド部分がC−S−C結合であるため、テトラスルフィドやジスルフィドに比べ熱的に安定であることから、ムーニー粘度の上昇が少ないためと考えられる。
また、結合単位Aと結合単位Bのモル比が前記条件を満たす場合、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプトシランに比べ、スコーチ時間の短縮が抑制される。これは、結合単位Bはメルカプトシランの構造を持っているが、結合単位Aの−C15部分が結合単位Bの−SH基を覆うため、ポリマーと反応しにくく、スコーチが発生しにくいためと考えられる。
のハロゲンとしては、塩素、臭素、フッ素などが挙げられる。
、Rの分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、へプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。該アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜12である。
、Rの分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、オクタデシレン基等が挙げられる。該アルキレン基の炭素数は、好ましくは1〜12である。
、Rの分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、1−オクテニル基等が挙げられる。該アルケニル基の炭素数は、好ましくは2〜12である。
、Rの分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニレン基としては、ビニレン基、1−プロペニレン基、2−プロペニレン基、1−ブテニレン基、2−ブテニレン基、1−ペンテニレン基、2−ペンテニレン基、1−ヘキセニレン基、2−ヘキセニレン基、1−オクテニレン基等が挙げられる。該アルケニレン基の炭素数は、好ましくは2〜12である。
、Rの分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルキニル基としては、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、へプチニル基、オクチニル基、ノニニル基、デシニル基、ウンデシニル基、ドデシニル基等が挙げられる。該アルキニル基の炭素数は、好ましくは2〜12である。
、Rの分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルキニレン基としては、エチニレン基、プロピニレン基、ブチニレン基、ペンチニレン基、ヘキシニレン基、へプチニレン基、オクチニレン基、ノニニレン基、デシニレン基、ウンデシニレン基、ドデシニレン基等が挙げられる。該アルキニレン基の炭素数は、好ましくは2〜12である。
上記構造のシランカップリング剤において、結合単位Aの繰り返し数(x)と結合単位Bの繰り返し数(y)の合計の繰り返し数(x+y)は、3〜300の範囲が好ましい。この範囲内であると、結合単位Bのメルカプトシランを、結合単位Aの−C15が覆うため、スコーチタイムが短くなることを抑制できるとともに、シリカやゴム成分との良好な反応性を確保することができる。
上記構造のシランカップリング剤としては、例えば、Momentive社製のNXT−Z30、NXT−Z45、NXT−Z60等を使用することができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは2質量部以上、より好ましくは4質量部以上、更に好ましくは6質量部以上である。シランカップリング剤の含有量が2質量部未満では、転がり抵抗の低減(低燃費性向上)効果が充分得られない傾向がある。また、シランカップリング剤の含有量は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下、更に好ましくは12質量部以下である。シランカップリング剤の含有量が20質量部をこえると、高価なシランカップリング剤の添加量に見合った転がり抵抗の低減(低燃費性向上)効果が得られない傾向がある。
本発明では、ジカルボン酸が配合される。これにより、シランカップリング剤が有するアルコキシ基の加水分解反応が促進され、ゴム組成物の混練工程において、アルコキシ基の加水分解反応が充分に進行するため、シランカップリング剤とシリカとの反応率を向上させることができ、得られたゴム組成物(空気入りタイヤ)の低燃費性、耐摩耗性を向上できる。
ジカルボン酸としては、カルボキシル基を2つ有する酸であれば特に限定されず、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸やフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、シランカップリング剤の反応率を充分に向上できるという理由から、脂肪族ジカルボン酸が好ましく、シュウ酸、マロン酸、コハク酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸がより好ましい。
脂肪族ジカルボン酸の炭素数は、好ましくは2以上である。また、脂肪族ジカルボン酸の炭素数は、好ましくは10以下、より好ましくは8以下、更に好ましくは5以下である。炭素数が10を超えると、ジカルボン酸としての酸化能力が低下する傾向にあり、シランカップリング剤とシリカとの反応率を充分に向上できないおそれがある。
ジカルボン酸の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは0.3質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは1.0質量部以上、特に好ましくは2.0質量部以上である。上記含有量が0.3質量部未満では、シランカップリング剤とシリカとの反応率向上効果が充分に得られないおそれがある。また、上記含有量は、好ましくは25.0質量部以下、より好ましくは20.0質量部以下、更に好ましくは15.0質量部以下、特に好ましくは10.0質量部以下である。上記含有量が25.0質量部をこえると、ゴム中の異物が多くなり、転がり抵抗が上昇し、低燃費性が低下するおそれがある。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、カーボンブラック、クレー等の補強用充填剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、各種老化防止剤、オイル等の軟化剤、ワックス、硫黄などの加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合することができる。
本発明のゴム組成物の製造方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサーなどのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法等により製造できる。
本発明のゴム組成物は、タイヤの各部材(特に、トレッド(キャップトレッド、ベーストレッド)、サイドウォール、クリンチ)に好適に使用できる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤの各部材の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成した後、加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造することができる。
また、本発明のタイヤは、乗用車用タイヤ、バス用タイヤ、トラック用タイヤ等として好適に用いられる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
SBR:JSR(株)製のSBR1502
シリカ:エボニックデグッサ社製のウルトラジルVN3(NSA:175m/g)
シランカップリング剤1:エボニックデグッサ社製のSi266(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
シランカップリング剤2:Momentive社製のNXT−Z45(結合単位Aと結合単位Bとの共重合体(結合単位A:55モル%、結合単位B:45モル%))
ステアリン酸:日油(株)製のビーズステアリン酸「椿」
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
アロマオイル:ジャパンエナジー社製のX140
硫黄:鶴見化学(株)製の硫黄200メッシュ
加硫促進剤(1):大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS
加硫促進剤(2):大内新興化学工業(株)製のノクセラーD
シュウ酸:和光純薬工業(株)製
マロン酸:和光純薬工業(株)製
コハク酸:扶桑化学工業(株)製
1−ナフトエ酸:和光純薬工業(株)製
安息香酸:和光純薬工業(株)製
実施例1〜53及び比較例1〜21
表1〜3に示す配合処方にしたがい、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、SBR100質量部と、シリカと、シランカップリング剤と、アロマオイルと、酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、1−ナフトエ酸、又は安息香酸)とを混練し、混練物1を得た。なお、表1(比較例1〜7、実施例1〜16)では、シリカを40質量部、アロマオイルを8質量部、表2(比較例8〜14、実施例17〜32)では、シリカを80質量部、アロマオイルを20質量部、表3(比較例15〜21、実施例33〜53)では、シリカを120質量部、アロマオイルを35質量部配合した。また、シランカップリング剤は、シリカ100質量部に対して8質量部配合した。また、表1〜3に示すシュウ酸、マロン酸、コハク酸、1−ナフトエ酸、安息香酸の配合量は、シリカ100質量部に対する配合量を示す。
なお、シランカップリング剤は、実施例1〜48及び比較例1〜21では、シランカップリング剤1を、実施例49〜53では、シランカップリング剤2を配合した。
次に、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、上記混練物1にステアリン酸2質量部、酸化亜鉛3質量部を混練し、混練物2を得た。
さらに、オープンロールを用いて、上記混練物2に硫黄1.5質量部、加硫促進剤(1)1質量部、加硫促進剤(2)0.5質量部を混練し、未加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物を170℃で20分間、2.0mm厚の金型でプレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
得られた加硫ゴム組成物について下記の評価を行った。結果を表1〜3に示す。なお、表中のn.d.とは未検出を示す。
(未反応カップリング剤量)
未加硫ゴム組成物を細かく切り、エタノール中で24時間抽出を行った。抽出液中に抽出された未反応のシランカップリング剤量をガスクロマトグラフィで測定し、配合したシランカップリング剤量から未反応のシランカップリング剤量(wt%)を算出した。この値が小さいほど、混練工程終了後の未加硫ゴム組成物中に未反応で存在するシランカップリング剤量が少ないことを意味する。すなわち、混練工程中により多くのシランカップリング剤が反応したことを意味し、良好であることを示す。
(摩耗指数)
(Laboratery Abration and Skid Tester)を用いて、荷重40N、速度20km/h、スリップアングル5°の条件にて、加硫ゴム組成物の容積損失量を測定した。比較例1、比較例8、または比較例15(表1の例については、比較例1、表2の例については、比較例8、表3の例については、比較例15)の摩耗指数を100として、各例の摩耗指数を算出した。摩耗指数が大きいほど耐摩耗性に優れる。
(転がり抵抗指数)
(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメーターを用いて、周波数10Hz、初期ひずみ10%および動歪2%の条件下で、50℃の損失正接tanδを測定した。比較例1、比較例8、または比較例15(表1の例については、比較例1、表2の例については、比較例8、表3の例については、比較例15)の転がり抵抗指数を100として、各例の転がり抵抗指数を算出した。転がり抵抗指数が大きいほど転がり抵抗特性(低燃費性)に優れる。
Figure 0005478239
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シリカと、シランカップリング剤と、ジカルボン酸とを含む実施例は、未反応のシランカップリング剤量が10質量%未満と少なく、低燃費性、耐摩耗性に優れていた。

Claims (8)

  1. ゴム成分、シリカシランカップリング剤及びジカルボン酸を混練する工程1と、前記工程1で得られた混練物、ステアリン酸及び酸化亜鉛を混練する工程2とを経て得られるタイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記ジカルボン酸が脂肪族ジカルボン酸である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記ジカルボン酸が、シュウ酸、マロン酸、及びコハク酸からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 前記シランカップリング剤がビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドである請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. 前記シランカップリング剤が下記一般式(1)で示される結合単位Aと下記一般式(2)で示される結合単位Bとの合計量に対して、結合単位Bを1〜70モル%の割合で共重合したものである請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
    Figure 0005478239
    Figure 0005478239
    (式中、x、yはそれぞれ1以上の整数である。Rは水素、ハロゲン、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基若しくはアルキレン基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニル基若しくはアルケニレン基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルキニル基若しくはアルキニレン基、又は該アルキル基若しくは該アルケニル基の末端が水酸基若しくはカルボキシル基で置換されたものを示す。Rは水素、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキレン基若しくはアルキル基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニレン基若しくはアルケニル基、又は分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルキニレン基若しくはアルキニル基を示す。RとRとで環構造を形成してもよい。)
  6. 前記ゴム成分がスチレンブタジエンゴムを含む請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  7. ゴム成分、シリカ、シランカップリング剤及びジカルボン酸を混練する工程1と、前記工程1で得られた混練物、ステアリン酸及び酸化亜鉛を混練する工程2とを含む請求項1〜6のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載のゴム組成物を用いた空気入りタイヤ。
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