JP5477757B2 - 光源装置 - Google Patents
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Description
光源装置1は、凹面状の反射面211を有する反射鏡2と、反射面211の第一焦点に電極521,522間の中心が一致するように配置された高圧水銀ランプ5とからなる。
反射鏡2は、反射面211を有する反射部21と筒状の首部22とからなる。反射部21には、後述する他方の給電線552を導出するため、貫通孔23が設けられる。反射鏡2の首部22の端部には筒状のベース部材3が接し、首部22の挿入口24にベース部材3の挿入口31が連続するように配置される。反射鏡2とベース部材3は接着剤62などにより接続される。
反射鏡2の反射面211からの反射光を出射させる開口には、光出射板4が配置される。
発光管511の内部には、一対の電極521,522の先端が対向するように配置され、発光金属として水銀が封入される。
高圧水銀ランプ5の一方の封止部512は、反射鏡2とベース部材3の連続した挿入口24,31に挿入され、ベース部材3との間に接着剤61が充填されて接着される。これにより、高圧水銀ランプ5は反射鏡2に固定され、他方の封止部513が光出射板4に向かって伸びるように配置される。他方の封止部513には他方の外部リード542が突出しており、他方の外部リード542に接続された他方の給電線552は、反射部21の貫通孔23を通って反射鏡2の外部に導出される。
なお、反射鏡2は、反射部21と首部22が別体のものであって、溶接などにより物理的に一体に形成されたものであってもかまわない。
なお、反射鏡2が所望の光を反射できる金属材料により形成されて金属光沢からなる反射面211を有する場合は、金属蒸着膜や誘電体多層膜を設けなくてもかまわない。
反射部21には、後述する高圧水銀ランプ5の他方の給電線552を凹面状の反射面211から外部に導出するため、貫通孔23が設けられる。
なお、反射鏡2が金属材料により形成される場合、反射部21の貫通孔23には、例えばアルミナ(Al2O3)からなる図示しない絶縁管が設けられる。これにより、反射鏡2と他方の給電端子552とが導通することを防止できる。
筒状のベース部材3の挿入口31に後述する高圧水銀ランプ5の一方の封止部512が配置され、一方の封止部512とベース部材3との間に耐熱性を有する接着剤61である例えば無機質系接着剤が充填される。
放電管51の封止部512,513は、発光部511の両端から伸びる石英ガラスのパイプ体の内部を減圧状態で加熱溶融することにより円柱状に形成されたものであり、すなわちシュリンクシール法により形成されたものである。封止部512,513の内部には電極と、封止部512,513の端部から突出する外部リード541,542とが、電気的に接続されるように、例えばモリブデンからなる金属箔53が埋設されている。
接着剤61は耐熱性を有する例えば無機質系接着剤が好適に用いられる。
高圧水銀ランプ5の他方の封止部513から突出する他方の外部リード542に接続された他方の給電線552は、反射鏡2の貫通孔23を通って反射鏡2の凹面状の反射面211から導出される。
高圧水銀ランプ5に接続された給電線551,552は図示しない電源に接続される。
なお、反射鏡2の凹面状の反射面211は、回転放物状であってもかまわない。反射面211が回転放物状であるとき、高圧水銀ランプ5の電極521,522間の中心は、回転放物状の反射面211の焦点に一致するように配置される。
なお、光源装置1が用いられる図示しないプロジェクタに防爆機能があるときは、光出射板4は設けなくてかまわない。
直流電流入力時には例えば一方の電極521が放電の起点になっているのに対して、交流電流入力時には一方の電極521と他方の電極522とが交互に放電の起点となる。これにより、交流電流入力時に、一対の電極521,522の温度上昇・下降を繰り返すことによって、圧力変動が起き、高圧水銀ランプ5は振動すると考えられる。特に、交流点灯初期における発光部511内では、水銀が完全蒸発する途中なので、圧力変動が大きい。このため、交流点灯初期の高圧水銀ランプ5の振動は特に大きいと考えられる。
交流点灯時の高圧水銀ランプ5の振動により、光源装置1からは人間にとって耳障りな周波数を含む音が発生する。
このため、封止部512,513の伸びる方向(中心軸方向)において、電極521,522間の中心から一方の封止部512の外周とベース部材4の内周との間に充填された接着剤61の発光部511側端面611までの距離をL2とし、L2≦16mm又はL2≧20mmにすることにより、後述する実験例に示すように、光源装置1のランプ5点灯時のピーク周波数を12KHz以上又は8KHz以下にすることができる。これにより、光源装置1の動作音を、図示しないプロジェクタの使用者にとって耳障りでない周波数にすることができる。さらに、光源装置1の動作音が他の機器の動作音と同じ周波数になることにより、図示しないプロジェクタの使用者に認識されないようにすることができる。
特に、一対の電極521,522方向において、電極521,522間の中心から接着剤61までの距離L2をL2≦14mmにすることにより、ピーク周波数を20KHz以上にすることができる。周波数20KHzは人間の可聴範囲外であるので、図示しないプロジェクタの使用者にとって認識できない音にすることができる。
図2は本発明に係る光源装置1の説明図である。図2(a)は高圧水銀ランプ5の一対の電極521,522に沿った断面図であり、(b)は(a)の一方の封止部512の中心軸方向に対して垂直方向の断面図(B−B断面図)である。図2には、図1に示したものと同じものには同一の符号が付されている。
また、封止部512,513の伸びる方向(中心軸方向)において、電極521,522間の中心から一方の封止部512の外周と反射鏡2の首部21の内周との間に充填された接着剤61の発光部511側端面611までの距離L2をL2≦14mmにする本実施例に係る光源装置1においても、図1の光源装置1と同様の効果を得ることができる。
図3は本発明に係る光源装置1の説明図である。図3(a)は高圧水銀ランプ5の一対の電極521,522に沿った断面図であり、(b)は(a)の一方の封止部512の中心軸方向に対して垂直方向の断面図(C−C断面図)である。図3には、図1に示したものと同じものには同一の符号が付されている。
図4は本発明に係る光源装置1の説明図であり、高圧水銀ランプ5の一対の電極521,522に沿った断面図である。図4には、図1に示したものと同じものには同一の符号が付されている。
このため、貫通孔23に耐熱性を有する接着剤63として無機質系接着剤を充填することにより、他方の給電線552が反射鏡2に直接的に固定される。これにより、他方の給電線552が反射鏡2に摺接されることを防止でき、光源装置1からの騒音を防止できる。
図5は本発明に係る光源装置1の説明図であり、高圧水銀ランプ5の一対の電極521,522に沿った断面図である。図5には、図1に示したものと同じものには同一の符号が付されている。
また、柔軟性を有するチューブ64は、貫通孔23と他方の給電線552との間の介在される位置に、フィルム状の部材が他方の給電線552を被覆するように巻き回されることでチューブ状に形成され、その両端が接着剤などで固定されることで設けられてもかまわない。
なお、他方の給電線552とその径方向にある反射鏡2との間を柔軟性を有するチューブ64で隙間なく埋め、反射鏡2と他方の給電線552が摺接しないように、反射鏡2と柔軟性を有するチューブ64とが密着した場合であっても、高圧水銀ランプ5の他方の封止部552の振動をチューブ64の柔軟性により吸収することができる。
図6は本発明に係る光源装置1の説明図である。図6(a)は、高圧水銀ランプ5の一対の電極521,522に沿った断面図である。図6(b)は、図6(a)の光源装置1の貫通孔23の周辺を拡大した拡大図(図6(a)の貫通孔23の周辺の点線の丸で囲った部分の拡大図)である。
図6には、図5に示したものと同じものに同一の符号が付されている。
図6に示す第5の実施例に係る光源装置1では、この金属端子73がベース部材3に例えば図示しない接着剤によって固定される。この金属端子73には、かしめる前に図示しない穴部が設けられており、この穴部に高圧水銀ランプ5の他方の外部リード542から伸びる他方の給電線552が挿入され、図示しない電源から伸びる給電線8も挿入される。金属端子73は、外部リード542から伸びる他方の給電線552と図示しない電源から伸びる給電線8とが挿入された状態でかしめられ、図6に示すように、他方の外部リード542と図示しない電源とが電気的に接続される。
さらに、柔軟性を有するチューブ64は、貫通孔23と他方の給電線552との間の介在される位置に、フィルム状の部材が他方の給電線552を被覆するように巻き回されることでチューブ状に形成され、その両端が接着剤などで固定されることで形成することもできる。
なお、他方の給電線552とその径方向にある反射鏡2との間を柔軟性を有するチューブ64で隙間なく埋め、反射鏡2と他方の給電線552が摺接しないように、反射鏡2と柔軟性を有するチューブ64とが密着した場合であっても、高圧水銀ランプ5の他方の封止部552の振動をチューブ64の柔軟性により吸収することができる。
図7及び図8は本発明に係る光源装置1の説明図である。図7は高圧水銀ランプ5の一対の電極521,522に沿った断面図である。図8(a)は、図7の光源装置1の貫通孔23の周辺を拡大した拡大図(図7の貫通孔23の周辺の点線の丸で囲った部分の拡大図)である。図8(b)は、図7の光源装置1の貫通孔23に設けられるつば付き金属管(いわゆるハトメ)71と金属端子73とを組み立てる組立手段についての説明図であり、つば付き金属管(いわゆるハトメ)71と金属端子73を貫通孔23から分解した状態の貫通孔23周辺の拡大図である。なお、図8(b)では他方の給電線552は図示していない。
図7及び図8には、図6に示したものと同じものには同一の符号が付されている。
図8(a)に示すように、反射鏡2の貫通孔23につば付き金属管71が設けられる。つば付き金属管71は、反射鏡2の貫通孔23に設けられる円筒状の筒部712と、円筒状の筒部712の一端に設けられると共に円筒状の筒部712の外周径よりも拡径の外周面を有するつば部711とからなる。つば付き金属管71はその筒部642の中心軸に伸びる貫通孔713を有する。このつば付き金属管71が、通称ハトメといわれる部材である。
つば付き金属管71は、そのつば部711が反射鏡2の反射面211に当接される。つば付き金属管71の筒部712の他端(つば部711が設けられた側と反対側の端部)は、金属端子73から伸びるリング状の固定部731の中央穴部732に挿入され、座金72の穴部721が設けられる。つば付き金属管71と座金72は固定されているので、金属端子73から伸びる固定部731は、反射鏡2と座金72とに挟持される。
反射鏡2に固定された金属端子73の図示しない穴部(図8(b)に示す穴部733)には、反射鏡2の貫通孔23に設けられたつば付き金属管71を貫通する貫通孔713を通った他方の給電線552が挿入され、図示しない電源から伸びる給電線8も挿入されてかしめられる。これにより、金属端子73において、他方の外部リード542から伸びる他方の給電線552と図示しない電源から伸びる給電線8とは固定され、電気的に接続される。
さらに、柔軟性を有するチューブ64は、貫通孔23と他方の給電線552との間の介在される位置に、フィルム状の部材が他方の給電線552を被覆するように巻き回されることでチューブ状に形成され、その両端が接着剤などで固定されることで形成することもできる。
なお、他方の給電線552とその径方向にある反射鏡2との間を柔軟性を有するチューブ64で隙間なく埋め、反射鏡2と他方の給電線552が摺接しないように、反射鏡2と柔軟性を有するチューブ64とが密着した場合であっても、高圧水銀ランプ5の他方の封止部552の振動をチューブ64の柔軟性により吸収することができる。
図9及び図10は本発明に係る光源装置1の説明図である。図9(a)及び図10(a)は、高圧水銀ランプ5の一対の電極521,522に沿った断面図である。図9(b)は、図9(a)の光源装置1の貫通孔23の周辺を拡大した拡大図(図9(a)の貫通孔23の周辺の点線の丸で囲った部分の拡大図)である。図10(b)は、図10(a)の光源装置1の貫通孔23の周辺を拡大した拡大図(図10(a)の貫通孔23の周辺の点線の丸で囲った部分の拡大図)である。
図10に示す光源装置1は、柔軟性を有するチューブ64と共にこれに被覆された他方の給電線552を屈曲させた点で、図7及び図8と相違する。
図9及び図10の説明として、図7及び図8との相違点について述べる。
この手段として、上述した熱収縮チューブを用いた手段や接着剤を用いた手段によって、柔軟性を有するチューブ64を所望の位置に設けることは有効である。さらに、所望の位置にフィルム状の部材をチューブ状に巻きまわして、その両端に接着剤などで固定する手段によって、柔軟性を有するチューブ64を設けることも有効である。
さらに、他方の給電線552は、例えばニッケル(Ni)のような金属線からなり、簡便に屈曲させることができるので、所望の位置に柔軟性を有するチューブ64を配置することができる。このため、図9に示す光源装置1は、高圧水銀ランプ5からの照射光や反射面からの反射光を柔軟性を有するチューブ64で遮光することを防止できる。
図11及び図12は本発明に係る光源装置1の説明図である。図11は、高圧水銀ランプ5の一対の電極521,522に沿った断面図である。図12(a)は、図11の光源装置1の貫通孔23の周辺を拡大した拡大図(図12(a)の貫通孔23の周辺の点線の丸で囲った部分の拡大図)である。図12(b)は、図10に示す柔軟性を有するチューブ64の拡大図である。
なお、他方の給電線552とその径方向にある反射鏡2との間を柔軟性を有するチューブ64で隙間なく埋め、反射鏡2と他方の給電線552が摺接しないように、反射鏡2と柔軟性を有するチューブ64とが密着した場合であっても、高圧水銀ランプ5の他方の封止部552の振動をチューブ64の柔軟性により吸収することができる。
この回転を防止するため、図7〜図12に示す座金72を、その金属端子73の固定部731側の面に向かった突起を複数設けた、いわゆる菊座金(ロックワッシャーや歯付きワッシャーともいう)にすることにより、金属端子73の固定部731を反射鏡2に向かって押圧できると共に、設けられた複数の突起によって金属端子73の固定部731との間で摩擦係数を大きくすることができ、金属端子73の固定部731の回転を防止することができる。さらに、金属端子73の固定部731を挟持するつば付き金属管71や座金72も押圧されるので、これらの回転も防止することできる。
さらに、座金72を菊座金にすることに加えて、つば付き金属管71のつば部711(詳細にはつば部711の反射鏡2側の面)と反射鏡2(詳細には反射鏡2の反射面211)との間に、回転防止を目的とした回転防止座金を設けてもかまわない(図7〜図12には不図示)。この回転防止座金としては、前述の菊座金を用いることができ、さらに、中央に穴部を有する略C字状であると共に、穴部の中心軸方向にねじれたバネ座金(スプリングワッシャーともいう)や、中央に穴部を有するリング状の座金であると共に、穴部の中心軸方向にやや変形した波形座金(ウェーブワッシャーともいう)など、穴部の中心軸方向に向かって押し圧できるバネ性を有するものが用いることができる。バネ座金や波形座金は、穴部につば付き金属管71の筒部712が挿入され、つば付き金属管71のつば部711(詳細にはつば部711の反射鏡2側の面)と反射鏡2(詳細には反射鏡2の反射面211)との間に設けることにより、つば付き金属管71のつば部711と反射鏡2とをつば付き金属管71の筒部712の中心軸方向に押圧することができ、これにより、つば付き金属管71の回転を好適に防止することができる。さらに、つば付き金属管71の筒部712の端部に固定される座金72や、座金72に当接する金属端子73の固定部731の回転を好適に防止することができる。
本発明に係る光源装置1における効果を示すため、以下に示す実験を行なった。実験に用いた光源装置1の構成は図1に示すものと同一である。
実験に用いた反射鏡2はホウケイ酸ガラスからなり、シリカ(SiO2)とチタニア(TiO2)とからなる誘電体多層膜を反射面211として設けたものである。反射鏡2の首部22の端部にはセラミックからなるベース部材3が配置される。
実験に用いた高圧水銀ランプ5は8種類用意した。これらのランプ5は、放電管51が石英ガラスにより形成され、放電管51の発光部511の内部にタングステンからなる電極521,522が封入され、放電管51の封止部512,513にモリブデンからなる箔53が埋設され、放電管51の封止部512,513の端部からはモリブデンからなる外部リード541,542が突出する。また、外部リード541,542に電気的に接続された給電線551,552はニッケルにより形成される。
準備した8種類のランプ5の共通の仕様は、発光部511の内容積が80mm3であり、発光部511に封入された電極521,522の電極521,522間距離が1.2mmで、発光部511に封入された水銀量が0.28mg/mm 3 で、アルゴンガスが13KPaである。また、定格電圧が80Vで、定格電力が270Wである。
準備した8種類のランプ5には、同一の反射鏡2及び同一のベース部材3を用いた。このとき、各ランプ5は、ベース部材3に無機質系接着剤61により固定される。
準備した8種類の高圧水銀ランプ5を備えた光源装置1をA〜Hとし、A〜Hの光源装置1の各仕様について説明する。
図1(a)に示すように、封止部512,513の伸びる方向(中心軸方向)において、高圧水銀ランプ1の一方の封止部512の外周とベース部材3の内周との間に充填された接着剤61の長さをL1とする。また、図1(b)に示すように、高圧水銀ランプ5の一方の封止部512の直径をRとする。A〜Hの光源装置1は、封止部512,513の伸びる方向(中心軸方向)における接着剤61の充填された長さL1が7mmである。Aの光源装置1は、一方の封止部512の直径Rがφ5.8mmで、電極521,522間の中心から接着剤61の発光部511側端面611までの長さL2が14mmである。Bの光源装置1は、一方の封止部512の直径Rがφ5.8mmで、電極521,522間の中心から接着剤61の発光部511端面611までの長さL2が16mmである。Cの光源装置1は、一方の封止部512の直径Rがφ5.8mmで、電極521,522間の中心から接着剤61の発光部511端面611までの長さL2が17mmである。Dの光源装置1は、一方の封止部512の直径Rがφ5.8mmで、電極521,522間の中心から接着剤61の発光部511端面611までの長さL2が18mmである。Eの光源装置1は、一方の封止部512の直径Rがφ5.8mmで、電極521,522間の中心から接着剤61の発光部511端面611までの長さL2が20mmである。
Fの光源装置1は、接着剤61の充填された長さL1が9mmで、一方の封止部512の直径Rがφ10mmで、電極521,522間の中心から接着剤61の発光部511端面611までの長さL2が16mmである。Gの光源装置1は、接着剤61の充填された長さL1が13mmで、一方の封止部512の直径Rがφ6.4mmで、電極521,522間の中心から接着剤61の発光部511端面611までの長さL2が18mmである。Hの光源装置1は、接着剤61の充填された長さL1が5mmで、一方の封止部512の直径Rがφ10mmで、電極521,522間の中心から接着剤61の発光部511端面611までの長さL2が20mmである。
ランプ5点灯時、周波数370Hzの交流電流を入力した。
実験は、反射鏡2の近傍に音計測マイクを設置し、上述の光源装置1のA〜Hのそれぞれのランプ5点灯開始後の20秒経過後のピーク周波数を測定した。
A〜Hの光源装置1の測定結果を図13に示す。図13は、横軸が電極521,522間の中心から一方の封止部512の外周とベース部材4の内周との間に充填された接着剤61の発光部511側側面611までの距離L2(mm)で、縦軸が周波数(KHz)である。図13には、A〜Hの光源装置1の測定時のピーク周波数をプロットした。また、図13には、接着剤61の充填された長さL1が7mmであるA〜Hの光源装置1の測定結果から、近似曲線を描いた。
8〜12KHzの周波数を、実験協力者10名で音確認した結果、10名が耳障りな音であると感じた。一方、図13に示すように、電極521,522間の中心から接着剤61までの長さL2が16mmの光源装置1のB及びFはピーク周波数が約14KHzであり、電極521,522間の中心から接着剤61までの長さL2が20mmの光源装置1のE及びHはピーク周波数が約7〜8KHzであった。これらのピーク周波数を、実験協力者10名で音確認した結果、9名が耳障りな音であると感じなかった。特に、図13に示すように電極521,522間の中心から接着剤61までの長さL2が14mmのAの光源装置1はピーク周波数が約20KHzであり、これを実験協力者10名で音確認した結果、10名が耳障りな音であると感じなかった。この20KHzの周波数は、人間に感知されにくい周波数と言われている。
以上から、一対の電極521,522方向において、電極521,522間の中心から接着剤61までの距離L2をL2≦16mm又はL2≧20mmにすることにより、光源装置1からの音が人間には耳障りな音として感じにくくすることができると分かった。特に、封止部512,513の伸びる方向(中心軸方向)において、電極521,522間の中心から接着剤61までの距離L2をL2≦14mmにすることにより、人間の可聴範囲外にすることができると分かった。
次に、貫通孔23と他方の給電線552と間に接着剤61を充填したことによる又は柔軟性を有するチューブ64を設けることによる騒音抑制の効果について確認した。
実験に用いた光源装置1の構成は図1に示すものと同一のものを準備し、この光源装置1をIとした。
Iの光源装置1の反射鏡2はホウケイ酸ガラスからなり、シリカ(SiO2)とチタニア(TiO2)とからなる誘電体多層膜を反射面211として設けたものである。反射鏡2の首部22の端部にはセラミックからなるベース部材3が配置される。
Iの光源装置1の高圧水銀ランプ5は、放電管51が石英ガラスにより形成され、放電管51の発光部511の内部にタングステンからなる電極521,522が封入され、放電管51の封止部512,513にモリブデンからなる箔53が埋設され、放電管51の封止部512,513の端部からはモリブデンからなる外部リード541,542が突出する。外部リード541,542に電気的に接続された給電線551,552はニッケルにより形成される。
また、Iの光源装置1の高圧水銀ランプ5は、その発光部511の内容積が80mm3であり、発光部511に封入された電極521,522の電極521,522間距離が1.2mmで、発光部511に封入された水銀量が0.28mg/mm 3 で、アルゴンガスが13KPaである。一方の封止部512の直径Rがφ6.4mmである。また、定格電圧が80Vで、定格電力が270Wである。
封止部512,513の伸びる方向(中心軸方向)において、接着剤61の充填された長さL1が7mmである。封止部512,513の伸びる方向(中心軸方向)において、電極521,522間の中心から一方の封止部512の外周とベース部材4の内周との間に充填された接着剤61の発光部511側端面611までの距離L2が20mmとなるように配置され、ベース部材3にセラミックからなる接着剤61により固定される。封止部512,513の伸びる方向(中心軸方向)における接着剤61の充填された長さL1が7mmである。
上述のIの光源装置1の貫通孔23に無機質系接着剤61を充填し、図4に示すように、他方の給電端子552を反射鏡2に固定した光源装置1をJとした。上述のIの光源装置1の貫通孔23にフッ素樹脂からなる柔軟性を有するチューブ64を設け、図5に示すように、他方の給電端子552を反射鏡2に摺接することを防止した光源装置1をKとした。
ランプ5点灯時、周波数370Hzの交流を入力した。
実験は、反射鏡2の近傍に音計測マイクを設置し、上述の光源装置1のHをランプ5点灯開始後の20秒経過時,60秒経過時,120秒経過時,180秒経過時及び240秒経過時の音量を測定した。
I〜Kの光源装置1の測定結果は図14に示す。図14は横軸が点灯経過時間(s)で、縦軸が騒音レベル(dB)である。図14には、I〜Kの光源装置1の各経過時間(s)における騒音レベル(dB)をプロットし、各光源装置1におけるプロットを折れ線でつないだ。図14に示すように、ランプ5点灯開始から120秒経過以降は光源装置1のJ及びKからの音が、Iの光源装置1からの音よりも音量が20dB小さくすることができた。特に、Kの光源装置1は交流点灯開始直後から音量を、さらに抑制することができた。
2 反射鏡
21 反射部
211 反射面
22 首部
23 貫通孔
24 挿入口
3 ベース部材
31 挿入口
4 光出射板
5 高圧水銀ランプ
51 放電管
511 発光部
512 一方の封止部
513 他方の封止部
521 一方の電極
522 他方の電極
53 箔
541 一方の外部リード
542 他方の外部リード
551 一方の給電線
552 他方の給電線
553 屈曲部
61 接着剤
611 接着剤の発光部側端面
62 接着剤
63 接着剤
64 柔軟性を有するチューブ
641 つば部
642 筒部
643 穴部
644 小穴部
645 屈曲部
71 つば付き金属管(ハトメ)
711 つば部
712 筒部
713 貫通孔
72 座金
721 穴部
73 金属端子
731 固定部
732 固定部の穴部
733 金属端子の穴部
8 電源からの給電線
L1 接着剤の長さ
L2 電極間の中心から接着剤までの距離
L3 反射鏡の貫通孔と給電線との間
L4 つば付き金属管の貫通孔と給電線との間
R 封止部の外径
Claims (5)
- 内部に一対の電極が対向配置されると共に0.15mg/mm3以上の水銀と10−6μmol/mm3〜10−2μmol/mm3の範囲でハロゲンが封入された略球状の発光部と該発光部の両端から伸びる円柱状の封止部とからなる石英ガラス製の放電管と、前記封止部の端部から突出すると共に交流電流が入力される外部リードとからなる交流点灯型高圧水銀ランプと、
前記発光部を囲むように配置される凹面状の反射部と筒状の首部とからなる反射鏡と、
筒状の首部に連接された筒状のベース部材と、
前記ベース部材と前記封止部との間に充填されてこれらを固定する無機質系接着剤と、
前記外部リードに接続される給電線と、
からなる光源装置において、
前記一対の対向する電極間の中心から前記接着剤までの距離をL2(mm)とし、L2≦16mm又はL2≧20mmにしたことにより、その動作音のピーク周波数を12kHz以上又は8kHz以下にした
ことを特徴とする光源装置。 - 内部に一対の電極が対向配置されると共に0.15mg/mm3以上の水銀と10−6μmol/mm3〜10−2μmol/mm3の範囲でハロゲンが封入された略球状の発光部と該発光部の両端から伸びる円柱状の封止部とからなる石英ガラス製の放電管と、前記封止部の端部から突出すると共に交流電流が入力される外部リードとからなる交流点灯型高圧水銀ランプと、
前記発光部を囲むように配置される凹面状の反射部と筒状の首部とからなる反射鏡と、
前記首部と前記封止部との間に充填されてこれらを固定する無機質系接着剤と、
前記外部リードに接続される給電線と、
からなる光源装置において、
前記一対の対向する電極間の中心から前記接着剤までの距離をL2(mm)とし、L2≦16mm又はL2≧20mmにしたことにより、その動作音のピーク周波数を12kHz以上又は8kHz以下にした
ことを特徴とする光源装置。 - 前記反射鏡の反射部に貫通孔を設け、
前記給電線を前記貫通孔から導出させ、
前記貫通孔に接着剤を充填させた
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光源装置。 - 前記反射鏡の反射部に貫通孔を設け、
前記給電線を前記貫通孔から導出させ、
前記貫通孔と前記給電線との間に柔軟性を有するチューブを介在させた
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光源装置。 - 前記貫通孔と前記柔軟性を有するチューブとの間に金属管を設けた
ことを特徴とする請求項4に記載の光源装置。
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