WO2013021558A1

WO2013021558A1 - 放電管および放電管を備えた発光装置

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Publication number: WO2013021558A1
Application number: PCT/JP2012/004690
Authority: WO
Inventors: 恵理香川端; 炭崎　勝史
Original assignee: パナソニック株式会社
Priority date: 2011-08-05
Filing date: 2012-07-24
Publication date: 2013-02-14
Also published as: CN103718271A; JP5387633B2; US8853923B2; US20140159570A1; JP2013037830A

Abstract

　本発明の放電管は、希ガスが封入されたガラスバルブ（８）と、ガラスバルブの両端部からガラスバルブの長手方向に沿って突出する一対の電極（９Ａ，９Ｂ）と、電極に接続するコネクタ（１０Ａ，１０Ｂ）と、を備えている。さらに、電極は、少なくとも軸部（１１Ａ，１１Ｂ）と、段差部および周面とを有する径大部（１２Ａ，１２Ｂ）と、を備え、段差部は、コネクタを掛止する第１の掛止部を有し、周面は、コネクタを接触させる接触部を有し、コネクタは、電極を内部に挿入するコネクタ本体と、電極の第１の掛止部を掛止する第２の掛止部と、電極の接触部と接続する接続部と、を備える。これにより、ハンダを用いることなく、高い接続信頼性と高い放熱効率を有する放電管およびそれを用いる発光装置が実現できる。

Description

放電管および放電管を備えた発光装置

　本発明は、光照射治療・予防装置やストロボ装置などの光源として用いられる放電管および放電管を備えた発光装置に関する。

　従来、光を照射して、疾患の罹患の予防、または罹患時の疾患の症状を軽減する光照射治療・予防装置や、被写体に光を照射するストロボ装置などに発光装置が利用されている。

　従来の発光装置は、光源としての放電管と、放電管の発光を制御する発光制御回路と、を備える。放電管は、希ガスが封入された筒状のガラスバルブと、ガラスバルブの両端部に封着された一対の電極と、を備える。そして、放電管と発光制御回路はリード線を介して接続され、リード線の放電管側の接点は放電管の一対の電極に接続されている。このとき、一般に、一対の電極とリード線との接続箇所は、ハンダにより溶着される（例えば、特許文献１から特許文献３参照）。これにより、一対の電極とリード線とを接合して、電気的に確実に接続している。さらに、一対の電極とリード線との接続箇所を、熱収縮チューブで被覆して、電極とリード線との密着性を高める構成が開示されている（例えば、特許文献３の段落００６０および図７参照）。

　しかしながら、発光装置の放電管を繰り返し発光する場合や、連続して放電管を発光する場合、発光により熱が発生する。そして、発生した熱は、放電管の電極とリード線とを接続する接続箇所のハンダに蓄積されて、ハンダが高温になる。そのため、上記のような条件で放電管を使用し続けると、接続箇所のハンダは高温な状態が続き、ハンダが溶解しやすくなる。その結果、電極とリード線とを接合するハンダの接合強度が低下するという課題があった。

特開平０９－９０４８１号公報特開２００２－１６４０２１号公報特開２００９－２３８５５３号公報

　上記課題を解決するために、本発明の放電管は、希ガスが封入されたガラスバルブと、ガラスバルブの両端部からガラスバルブの長手方向に沿って突出する一対の電極と、電極に接続するコネクタと、を備える。さらに、電極は、少なくとも軸部と、段差部および周面とを有する径大部と、を備え、段差部は、コネクタを掛止する第１の掛止部を有し、周面は、コネクタを接触させる接触部を有し、コネクタは、電極を内部に挿入するコネクタ本体と、電極の第１の掛止部を掛止する第２の掛止部と、電極の接触部と接続する接続部と、を備える。これにより、ハンダを用いることなく、コネクタを介して高い接続信頼性と高い放熱効率を有する放電管を実現できる。

　また、本発明の発光装置は、上記構成の放電管を備える。この構成により、高い接続信頼性と高い放熱効率を有する発光装置を実現できる。

図１は、本発明の実施の形態に係る光照射治療・予防装置の制御回路を含む模式図である。図２は、同実施の形態に係る光照射治療・予防装置の外観斜視図である。図３は、同実施の形態に係る放電管の断面図である。図４は、同実施の形態に係る放電管の電極構造を説明する部分斜視図である。図５は、同実施の形態に係るコネクタの断面図である。図６は、図３のＡ部拡大断面図である。図７Ａは、同実施の形態に係る放電管の他の例の電極構造を説明する部分断面図である。図７Ｂは、同実施の形態に係る放電管の別の例の電極構造を説明する部分斜視図である。図７Ｃは、同実施の形態に係る放電管のさらに別の例の電極構造を説明する部分斜視図である。図８Ａは、同実施の形態に係るコネクタの他の例の構造を説明する部分断面図である。図８Ｂは、同実施の形態に係るコネクタの別の例の構造を説明する部分断面図である。

　以下、本発明の実施の形態に係る放電管およびそれを備えた発光装置について、光照射治療・予防装置を例に、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。

　（実施の形態）
　以下に、まず、本発明の実施の形態に係る発光装置について、光照射治療・予防装置を例に、図１と図２を用いて説明する。

　なお、光照射治療・予防装置１は、主に、炎症性疾患の罹患の予防、または罹患時の疾患の症状を軽減する予防治療を受ける被治療者や、炎症性疾患を抑制することにより炎症性疾患の治療を受ける被治療者（患者）など、治療を受ける使用者に対して治療用の光を照射する発光装置の一例である。そこで、本実施の形態では、発光装置を光照射治療・予防装置と表現して、以下に説明する。

　図１は、本発明の実施の形態に係る光照射治療・予防装置の制御回路を含む模式図である。図２は、同実施の形態に係る光照射治療・予防装置の外観斜視図である。

　図１と図２に示すように、本実施の形態の光照射治療・予防装置１は、装置本体７に、少なくとも放電管２と、反射部材３と、波長透過部４と、発光制御部５と、電源供給部６と、を収納して構成されている。放電管２は、外部の電源から供給される電力を電源供給部６および発光制御部５を介して供給することにより、発光して、光を外部に放射する。反射部材３は、放電管２から放射される放射光を被写体に向けて反射する。波長透過部４は、放電管２から放射される放射光の波長のうち、特定の範囲内の波長の放射光を透過させる。発光制御部５は、放電管２の発光を制御する。電源供給部６は、電源の電力を制御して、放電管２および発光制御部５に必要な電力を供給する。

　さらに、詳細に説明すると、反射部材３は、放電管２を内部に収納するとともに、放電管２から放射された光を放射する開口３Ａを有している。そして、反射部材３は、放電管２から放射された光を反射して、開口３Ａから外部（被写体）に波長透過部４を介して照射する。

　また、波長透過部４は、放電管２から放射された放射光の、１以上の特定の波長、または、１以上の特定範囲の波長の放射光のみを透過する光学フィルタで構成されている。なお、本実施の形態の波長透過部４は、例えば特定範囲の波長（帯）の放射光のみを選択的に透過するバンドパスフィルタ（干渉フィルタ）で構成されている。

　また、発光制御部５は、放電管２の発光条件の設定を受け付けるとともに、自己診断およびその自己診断結果に対応する機能を有する発光動作制御部と、発光動作制御部の動作状態を表示する動作表示部と、を備える。

　つまり、発光動作制御部は、以下に示す、さまざまな発光パターンで放電管２の発光を制御する。例えば、放電管２を１回または複数回に分けて閃光発光させる。このとき、放電管２を複数回に分けて閃光発光させる場合には、さらに放電管２が放射する放射エネルギーを所定の放射エネルギー以下に抑えて閃光発光させてもよい。また、放電管２を所定の発光間隔で発光させるなどの制御をする。

　また、動作表示部は、照射状態表示用ＬＥＤと、警告用ＬＥＤと、待ち時間表示用ディスプレイ（例えば、７セグメントディスプレイ）と、を備える。照射状態表示用ＬＥＤは、放電管２の照射可能か否かの状態を表示する。警告用ＬＥＤは、光照射治療・予防装置１の故障の発生を報知して使用者に警告する。待ち時間表示用ディスプレイは、つぎに放電管２が照射可能状態になるまでの待ち時間を表示する。

　また、図１に示すように、電源供給部６は、蓄電部２２と、充電回路２３と、電源部２４と、電源部２４のオン・オフを切り替える電源スイッチ２５（図２参照）とから構成される。蓄電部２２は、放電管２の発光エネルギーを蓄える。充電回路２３は、蓄電部２２を充電する。電源部２４は、蓄電部２２に電気を供給する。電源スイッチ２５は、電源部２４のオン・オフを切り替える。

　そして、図２に示すように、光照射治療・予防装置１の装置本体７は、少なくとも一つの開口部２６を有する、例えば略直方体形状（直方体形状を含む）に形成され、放電管２、反射部材３、波長透過部４、発光制御部５、電源供給部６などを内蔵するケーシングを構成している。

　さらに、装置本体７は、載置部２７と、漏光防止部２８と、冷却部２９と、装置本体７を持ち運ぶために把持する取っ手３０と、を備える。載置部２７は、例えば手に特定範囲の波長の放射光を照射するために、装置本体７の一方の面（以下、「前面」と記す）に形成された開口部２６から使用者が手を挿入して載置する台である。漏光防止部２８は、載置部２７内で放電管２から照射される放射光が開口部２６から漏れることを防止する。冷却部２９は、例えば冷却ファンで、熱源である放電管２などで高温となる装置本体７内部を冷却する。

　以下に、本実施の形態のポイントである放電管２の構成および動作・作用について、図３から図６を用いて説明する。

　図３は、本実施の形態に係る放電管の断面図である。図４は、同実施の形態に係る放電管の電極構造を説明する部分斜視図である。図５は、同実施の形態に係るコネクタの断面図である。図６は、図３のＡ部拡大断面図である。

　なお、放電管２は、光照射治療・予防装置などの発光装置において、炎症性サイトカインの産生を抑制するために使用者の生体の予防したい部位または罹患した部位に照射する光源で、例えばキセノン放電管などの閃光放電管から構成されている。本実施の形態では、放電管２として、キセノン放電管を例に、以下では説明する。

　図３に示すように、本実施の形態の放電管２は、キセノンなどの希ガスが封入された、例えば円筒形状のガラスバルブ８と、ガラスバルブ８の両端部に設けられ、所定の半径を有する一対の電極９Ａ、９Ｂと、電極９Ａ、９Ｂに接続可能なコネクタ１０Ａ、１０Ｂとから構成されている。このとき、ガラスバルブ８の長手方向Ｌ１の両端部に設けられる一対の電極９Ａ、９Ｂは、一部が内包された状態でガラスバルブ８の両端部を溶着して密閉することにより、設けられている。

　また、ガラスバルブ８は、例えば硼珪酸ガラスなどの硬質ガラスで形成され、封入されている希ガスに電子が衝突して光を発生し、発生した光を外部に放射して被写体に照射される。

　また、一対の電極９Ａ、９Ｂは、例えばタングステンなどの棒状の金属材料から形成され、ガラスバルブ８の両端部に設けられている。なお、本実施の形態では、電極９Ｂはカソード電極（陰極）で、電極９Ａはアノード電極（陽極）を構成する。

　そして、アノード電極を構成する電極９Ａは、ガラスバルブ８の内部から延伸して設けられた所定の半径を有する長尺状の軸部１１Ａと、ガラスバルブ８の端部より外方で長手方向Ｌ１に沿って所定の長さを有する軸部１１Ａの一部に設けられた径大部１２Ａと、を備える。なお、径大部１２Ａとは、所定の半径を有する軸部１１Ａよりも、径が大きいことを意味している。

　一方、カソード電極を構成する電極９Ｂは、電極９Ａと同様に、ガラスバルブ８の内部から延伸して設けられた所定の半径を有する長尺状の軸部１１Ｂと、ガラスバルブ８の端部より外方で長手方向Ｌ１に沿って所定の長さを有する軸部１１Ｂの一部に設けられた径大部１２Ｂと、を備える。このとき、電極９Ｂのガラスバルブ８の内部側の軸部１１Ｂの先端近傍には、例えばタングステンとタンタルの金属微粉末の混合物や、タンタルとニッケルの金属微粉末の混合物などから構成される金属焼結体１３が設けられている。

　つまり、電極９Ａ、９Ｂの軸部１１Ａ、１１Ｂは、ガラスバルブ８の両端部で軸部１１Ａ、１１Ｂの一端側が内包される。一方、電極９Ａ、９Ｂの軸部１１Ａ、１１Ｂの他端側は、ガラスバルブ８の両端部から、長手方向Ｌ１に沿って外側（外方）に突出して設けられる。

　以下では、アノード電極を構成する電極９Ａを例に、電極９Ａの構造およびコネクタ１０Ａとの関係について説明する。つまり、カソード電極を構成する電極９Ｂの構造やコネクタ１０Ｂとの関係は、金属焼結体１３以外は電極９Ａと同様で、基本的に対称であり符号が異なるだけであるので、説明は省略する。

　まず、図３および図４に示すように、電極９Ａの径大部１２Ａは、電極９Ａの半径方向Ｌ２に軸部１１Ａから段差を形成する段差部Ｓ１と、段差部Ｓ１間において電極９Ａの半径方向Ｌ２で軸部１１Ａより外側に形成される周面Ｓ２と、を有する。つまり、段差部Ｓ１は、軸部１１Ａの周面１１Ｓと径大部１２Ａの周面Ｓ２との間で形成される、軸部１１Ａの半径方向Ｌ２における端面である。そして、段差部Ｓ１により、コネクタ１０Ａを掛止する第１の掛止部１４Ａが形成される。周面Ｓ２により、コネクタ１０Ａを接触させる接触部１５Ａが形成される。

　具体的には、電極９Ａの径大部１２Ａは、電極９Ａがガラスバルブ８の端部８Ａからガラスバルブ８の長手方向Ｌ１の外方に突出する突出方向（以下、長手方向と同じ符号（Ｌ１）を用いて説明する）に、例えば切削加工などにより、長尺な、例えば円柱形状で形成される。そして、径大部１２Ａは、円柱形状の長手方向（電極９Ａの突出方向Ｌ１）の段差部Ｓ１に第１の掛止部１４Ａを備え、円柱形状の外周面における周面Ｓ２に接触部１５Ａを備えている。なお、径大部１２Ａは、軸部１１Ａの軸心方向（電極９Ａの突出方向Ｌ１と一致）と直交する方向に軸部１１Ａの径を大きくして設けた部分である。また、径大部１２Ａは、ガラスバルブ８の端部８Ａから突出して離間する軸部１１Ａの軸心方向の中途部の位置に設けられる。これにより、径大部１２Ａと、ガラスバルブ８の端部８Ａとの間に隙間が形成される。この隙間により、以下で詳細に記載する電極９Ａをコネクタ１０Ａに挿入する際に、電極９Ａの第１の掛止部１４Ａとコネクタ１０Ａの第２の掛止部１７Ａとを掛止することができる。

　また、図３、図５および図６に示すように、コネクタ１０Ａは、例えば筒状からなるコネクタ本体１６Ａと、第２の掛止部１７Ａと、接続部１８Ａと、から構成されている。

　コネクタ本体１６Ａは、両端部が開放された筒部１９Ａと、筒部１９Ａの一方の端部に設けられた電極９Ａを挿入するための第１の開口部２０Ａと、他方の端部に設けられたリード線を挿入するための第２の開口部２１Ａと、を備える。このとき、筒部１９Ａおよび第１の開口部２０Ａの径は、電極９Ａの軸部１１Ａおよび径大部１２Ａの両方が挿入可能な大きさを有する。一方、第２の開口部２１Ａの径は、リード線が挿入可能な大きさを有する。

　第２の掛止部１７Ａは、コネクタ本体１６Ａの第１の開口部２０Ａ側に設けられ、電極９Ａがコネクタ本体１６Ａの筒心方向Ｌ３に挿入された状態で電極９Ａの第１の掛止部１４Ａを掛止する。

　接続部１８Ａは、コネクタ本体１６Ａと電極９Ａの径大部１２Ａの接触部１５Ａとを電気的に接続する。これにより、コネクタ１０Ａの第２の開口部２１Ａに接続されたリード線と、放電管２の電極９Ａとが接続される。

　具体的には、第２の掛止部１７Ａの先端部１７Ｃは、コネクタ本体１６Ａの筒部１９Ａからコネクタ本体１６Ａの半径方向Ｌ４に対して第１の開口部２０Ａから第２の開口部２１Ａに向かう方向で、筒部１９Ａの内方に突出するように傾斜させて形成される。これにより、第２の掛止部１７Ａは、例えば電極９Ａが挿入された場合において、電極９Ａの外周面（軸部１１Ａの周面１１Ｓ、径大部１２Ａの周面Ｓ２および段差部Ｓ１）に沿って弾性変形可能に形成される。

　つまり、第２の掛止部１７Ａは、電極９Ａを第１の開口部２０Ａから挿入すると、電極９Ａの軸部１１Ａおよび径大部１２Ａの外周面に沿って、コネクタ本体１６Ａの筒部１９Ａ側に折り曲げられるように弾性変形する。これにより、電極９Ａの軸部１１Ａおよび径大部１２Ａが、コネクタ本体１６Ａに挿入可能になる。なお、第２の掛止部１７Ａは、コネクタ本体１６Ａの内周方向に沿って１箇所以上、好ましくはコネクタ本体１６Ａの内周方向で同一内周円に沿って、例えば均等に３～４箇所に設けることが望ましい。

　また、図３と図６に示すように、電極９Ａの径大部１２Ａが第２の掛止部１７Ａよりも、さらにコネクタ本体１６Ａの第２の開口部２１Ａ側に挿入されると、筒部１９Ａ側に弾性変形していた第２の掛止部１７Ａは、径大部１２Ａの段差部Ｓ１に沿ってコネクタ本体１６Ａの内方に突出していた元（弾性変形前）の状態に戻る。このとき、第２の掛止部１７Ａは、最大、電極９Ａの軸部１１Ａの周面１１Ｓに当接するまで内方に突出した状態まで戻る。

　そして、上記電極９Ａがコネクタ本体１６Ａの内側に挿入された状態で、電極９Ａからコネクタ本体１６Ａを引き抜く場合、コネクタ本体１６Ａの第２の掛止部１７Ａは、電極９Ａの径大部１２Ａの段差部Ｓ１である第１の掛止部１４Ａで掛止される。これにより、第２の掛止部１７Ａは、電極９Ａからコネクタ本体１６Ａの引き抜きが規制される。

　また、コネクタ１０Ａの接続部１８Ａは、第２の掛止部１７Ａよりも第２の開口部２１Ａ側に設けられ、第２の掛止部１７Ａと同様に、接続部１８Ａの先端部１８Ｃはコネクタ本体１６Ａの内方に突出するように傾斜して形成される。そのため、コネクタ本体１６Ａに電極９Ａが挿入された場合、電極９Ａの径大部１２Ａの周面Ｓ２の接触部１５Ａと接触することにより、接続部１８Ａは、筒部１９Ａ側に弾性変形する。その結果、電極９Ａの接触部１５Ａに、コネクタ本体１６Ａの接続部１８Ａが押圧され、電気的に接続される。なお、接続部１８Ａは、第２の掛止部１７Ａと同様に、コネクタ本体１６Ａの内周方向に沿って１箇所以上、好ましくはコネクタ本体１６Ａの内周方向で同一内周円に沿って、例えば均等に３～４箇所に設けることが望ましい。

　上記構成により、図３に示すような、本実施の形態の放電管２が構成される。また、上記で説明した放電管２を、例えば光照射治療・予防装置などの発光装置に組み込むことにより、高い信頼性と安定性に優れた発光装置を実現できる。

　以下に、本実施の形態に係る光照射治療・予防装置１において、ガラスバルブの一対の電極とコネクタとを接続する接続方法について、図６を参照しながら、説明する。

　なお、上述したように、以下でも、アノード電極を構成する電極９Ａを例に、電極９Ａの構造およびコネクタ１０Ａとの関係について説明する。つまり、カソード電極を構成する電極９Ｂの構造やコネクタ１０Ｂとの関係は、金属焼結体１３以外は電極９Ａと同様で、基本的に対称であり符号が異なるだけであるので、説明は省略する。

　このとき、上述したように、電極９Ａは、放電管２のガラスバルブ８の端部８Ａに一体的に固定して設けられている。一方、コネクタ１０Ａは、第２の開口部２１Ａからコネクタ本体１６Ａの内部に、リード線（図示せず）が挿入された後にかしめられて、第２の開口部２１Ａにリード線が電気的に接続された状態で固定されている。そして、放電管２の電極９Ａと、コネクタ１０Ａとを接続することにより、リード線を介して図１に示す電源供給部６と放電管２とを接続できる。

　以下に、ガラスバルブ８の電極９Ａとコネクタ１０Ａとの接続時の関係および動作・作用について、具体的に説明する。

　まず、コネクタ１０Ａを、ガラスバルブ８の電極９Ａにコネクタ本体１６Ａの第１の開口部２０Ａからコネクタ本体１６Ａ（筒部１９Ａ）の内部に挿入する。これにより、まず、電極９Ａは、コネクタ１０Ａの第２の掛止部１７Ａと接触する。

　つぎに、コネクタ１０Ａを、ガラスバルブ８の電極９Ａにさらに挿入する。このとき、第２の掛止部１７Ａは、コネクタ本体１６Ａの内方に突出していた状態から、電極９Ａの軸部１１Ａおよび径大部１２Ａと接触して、その外周面に沿って押し広げられる。これにより、第２の掛止部１７Ａは、コネクタ本体１６Ａの内周面に沿うように押し曲げられた状態に弾性変形する。これにより、コネクタ１０Ａの内部に、電極９Ａの軸部１１Ａおよび径大部１２Ａを挿入可能な通路が確保される。その結果、電極９Ａは、コネクタ１０Ａの内部に挿入することができる。

　つぎに、コネクタ１０Ａを、さらにガラスバルブ８の電極９Ａに挿入して、第２の掛止部１７Ａの先端部１７Ｃが、電極９Ａの径大部１２Ａよりも第１の開口部２０Ａ側に到達する。このとき、電極９Ａの径大部１２Ａにより、コネクタ本体１６Ａ側に押し曲げられていた第２の掛止部１７Ａは、径大部１２Ａによる押圧から開放されて、第２の掛止部１７Ａの復元力により、径大部１２Ａの段差部Ｓ１に沿って、コネクタ本体１６Ａの内方に突出していた元（弾性変形前）の状態に戻る。これにより、電極９Ａからコネクタ本体１６Ａを引き抜く場合、コネクタ本体１６Ａの第２の掛止部１７Ａは、電極９Ａの径大部１２Ａの段差部Ｓ１である第１の掛止部１４Ａで掛止される。その結果、第２の掛止部１７Ａは、電極９Ａからコネクタ本体１６Ａの引き抜きが規制される。

　一方、コネクタ１０Ａの接続部１８Ａは、電極９Ａの径大部１２Ａによりコネクタ本体１６Ａの内周面に沿うように弾性変形される。そのため、コネクタ１０Ａの接続部１８Ａは、電極９Ａの径大部１２Ａの接触部１５Ａに押圧された状態となる。これにより、コネクタ１０Ａに接続されたリード線を介して、図１に示す電源供給部６から供給されるコネクタ１０Ａに流れる電流が、コネクタ１０Ａの接続部１８Ａを介して、ガラスバルブ８の電極９Ａの接触部１５Ａに供給される。

　上述したように、本実施の形態によれば、コネクタ１０Ａを電極９Ａに挿入することにより、電極９Ａは、コネクタ１０Ａのコネクタ本体１６Ａの内部に嵌め込まれる。このとき、コネクタ１０Ａの第２の掛止部１７Ａは、コネクタ本体１６Ａの筒心方向Ｌ３から挿入された電極９Ａの第１の掛止部１４Ａを掛止する。これにより、電極９Ａは、コネクタ１０Ａに確実に接合される。

　また、本実施の形態によれば、コネクタ１０Ａの接続部１８Ａが、電極９Ａの接触部１５Ａと接触することにより、電極９Ａをコネクタ１０Ａと電気的に確実に接続できる。このとき、リード線がコネクタ１０Ａに接続されている。そのため、放電管２は、ハンダなどを介して、電極９Ａとリード線とを直接接続する必要がない。これにより、コネクタ１０Ａを介して、電極９Ａとリード線とを間接的に接続できる。その結果、従来の電極とリード線とを接合するハンダの接合強度が低下するという問題を解消して、高い信頼性の放電管を実現できる。

　また、本実施の形態によれば、電極９Ａを構成する軸部１１Ａおよび径大部１２Ａは、異なる所定の半径を有する円柱形状で設けられる。そのため、例えば径の大きい径大部１２Ａにおいて、増加した電極９Ａの体積分に相当する熱容量が増加するとともに、増加した電極９Ａの表面積に相当する放熱効率が増加する。その結果、放電管２の発光により発生する熱により、電極９Ａが発熱しにくくなる。さらに、放電管２の発光による発熱に起因するガラスバルブ８に封入された希ガスのガラスバルブ８の内部での膨張を抑制して、ガラスバルブ８の内部のガス圧の上昇を抑制できる。これにより、ガラスバルブ８の内部のガス圧の上昇による放電管２が発光しにくくなることを抑制できる。この理由は、一般に、ガラスバルブ８の内部のガス圧が上昇した場合、封入されている希ガスの原子や分子の密度が上がるため、放電電子の活動が抑制され、放電の始動電圧が上昇する。しかし、径大部１２Ａを設けることにより、放熱効率が増加するため、放電の始動電圧の上昇を抑制できることによるものである。

　また、本実施の形態によれば、電極９Ａがコネクタ１０Ａに挿入されると、電極９Ａは、コネクタ本体１６Ａの内方に突出した接続部１８Ａと接触する。このとき、コネクタ１０Ａの接続部１８Ａは、電極９Ａの接触部１５Ａに弾性変形した状態で接触する。これにより、コネクタ１０Ａの接続部１８Ａが電極９Ａの接触部１５Ａに押圧された状態で接続される。その結果、電極９Ａとコネクタ１０Ａとを電気的に確実に接続できる。

　なお、本発明の光照射治療・予防装置などの発光装置は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々変更できることはいうまでもない。

　例えば、上記実施の形態における光照射治療・予防装置１は、手に照射する例で説明したが、これに限定されない。例えば、炎症性サイトカインの産生の抑制を予防したい他の生体の部位または罹患した他の生体の部位に照射するようにしてもよい。また、生体の部位として、例えば肩や腰、足、全身など、どのような場所に照射してもよい。さらに、人間に照射する場合に限られず、人間以外の動物などの生体の特定部位に対し、治療のために放射光を照射してもよい。この場合、本実施の形態における光照射治療・予防装置１の構造に限定されず、適宜、照射する生体の特定部位に適した構造に変更できることはいうまでもない。

　また、本実施の形態の放電管２では、電極９Ａの径大部１２Ａが軸部１１Ａの１箇所に設けられる構成を例を説明したが、これに限定されない。例えば、電極９Ａの径大部１２Ａは、電極９Ａの突出方向Ｌ１の軸部１１Ａ上の複数箇所に設けてもよい。これにより、電極の放熱面積を増加させて、放熱効率をさらに高めることができる。このとき、複数の径大部１２Ａの全てを、少なくともコネクタ１０Ａに挿入した状態において、第２の掛止部１７Ａの先端部１７Ｃより外方側（第２の開口部２１Ａ）に設ける必要がある。

　また、本実施の形態の放電管２では、電極９Ａの径大部１２Ａを予め電極９Ａに形成されている構成を例に説明したが、これに限定されない。例えば、電極９Ａの径大部１２Ａを、軸部１１Ａと別体で構成し、一体化して電極９Ａを構成してもよい。この場合、径大部１２Ａを、軸部１１Ａに挿通可能な孔を有する環状部材に形成し、径大部１２Ａの孔に軸部１１Ａを挿通して、例えば溶接などにより固定して電極９Ａを形成する。さらに、電極９Ａの径大部１２Ａを、軸部１１Ａの外周面に沿って取り付け可能な１つ以上の扇状部材で形成してもよい。この場合も、上記と同様に、径大部１２Ａを軸部１１Ａに沿って、扇状部材からなる径大部を、例えば溶接などで固定して電極９Ａを形成する。

　また、本実施の形態の放電管２では、電極９Ａの径大部１２Ａおよび軸部１１Ａを、切削加工などにより形成する例で説明したが、これに限られない。例えば、図７Ａに示すように、径大部３１Ａは、軸部１１Ａを電極９Ａの突出方向Ｌ１から圧力を加えて、電極９Ａの一部を半径方向Ｌ２に径大（突出）させて形成してもよい。このとき、電極９Ａの径大部３１Ａの第１の掛止部３２Ａは、軸部１１Ａから半径方向Ｌ２に、最も突出し部分と軸部１１Ａとの段差部で形成され、電極９Ａの接触部３３Ａは、軸部１１Ａから半径方向Ｌ２に最も突出した部分で形成される。これにより、電極９Ａを生産性よく作製できるので、低コストで放電管を実現できる。また、電極９Ａに径大部３１Ａを設けることにより、軸部１１Ａのみからなる電極と比べて、電極９Ａの表面積や熱容量を増加できる。これにより、電極９Ａによる放熱効率を向上できる。その結果、ガラスバルブ８の内部のガス圧の上昇による放電管２が発光しにくくなる現象を抑制して、高い信頼性の放電管を実現できる。

　また、本実施の形態の放電管２では、電極９Ａの径大部１２Ａが、ガラスバルブ８の長手方向Ｌ１に沿って所定の長さで円柱形状に形成された例で説明したが、これに限定されない。図７Ｂに示すように、例えば電極９Ａの径大部１２Ａは、長手方向Ｌ１に沿って凹部３４Ａを設けた円環形状でもよい。このとき、電極９Ａの径大部１２Ａに形成する凹部３４Ａは、径大部１２Ａの長手方向Ｌ１に沿って一端部から他端部まで連続して形成された１以上の溝であってもよい。

　さらに、図７Ｃに示すように、円柱形状の径大部１２Ａに対して、周方向に連続して形成された１以上の凹部３５Ａを設けてもよい。このとき、凹部３５Ａは、径大部１２Ａの表面（段差部Ｓ１または周面Ｓ２）の一部に形成された、連続しない有底の穴や、貫通孔であってもよい。これにより、軸部のみの電極や、凹部のない径大部を有する電極の場合と比べて、電極の表面積を増加させて、放熱面積をさらに増すことができる。その結果、ガラスバルブ８の内部のガス圧の上昇による放電管２が発光しにくくなる現象をさらに抑制して、信頼性に高い放電管を実現できる。

　また、本実施の形態の放電管２では、一対のコネクタ１０Ａの第２の掛止部１７Ａの先端部１７Ｃ間が、電極９Ａの軸部１１Ａの径と同程度の間隔に離間して設けた例で説明したが、これに限られない。例えば、一対のコネクタ１０Ａの第２の掛止部１７Ａの先端部１７Ｃが接触する程度の距離で離間して設けてもよい。これにより、コネクタ１０Ａに電極９Ａを挿入した場合、コネクタ１０Ａの第２の掛止部１７Ａの先端部１７Ｃのみでなく、広い面積で電極９Ａの軸部１１Ａの周面１１Ｓと接触させることができる。その結果、コネクタ１０Ａと電極９Ａとの接触面積を拡大して、接触抵抗を低減できるとともに、放熱効率も向上できる。

　また、本実施の形態の放電管２では、図面上、コネクタ１０Ａの第２の掛止部１７Ａや接続部１８Ａが、平面的に、電極９Ａの軸部１１Ａの周面１１Ｓや接触部１５Ａの周面Ｓ２と接触するような構成で説明したが、これに限られない。例えば、コネクタ１０Ａの第２の掛止部１７Ａや接続部１８Ａを、電極９Ａの軸部１１Ａの周面１１Ｓや接触部１５Ａの周面Ｓ２の曲面と同程度の曲面を有する形状としてもよい。これにより、コネクタ１０Ａと電極９Ａとの接触面積を拡大して、接触抵抗の低減や、放熱効率をさらに向上できる。

　また、本実施の形態の放電管２では、コネクタ１０Ａに挿入される電極９Ａの挿入量（長さ）を規制する構成を設けない例で説明したが、これに限られない。例えば、図８Ａに示すような、コネクタ１０Ａの筒部１９Ａの段差部１９０Ａを突出する電極９Ａの軸部１１Ａの先端または、径大部１２Ａの段差部Ｓ１と当接する位置の径まで設けてもよい。また、図８Ｂに示すような、コネクタ１０Ａの筒部１９Ａの第２の開口部２１Ａ側に第１の開口部２０Ａに向かって、第２の掛止部１７Ａや接続部１８Ａと対向してコネクタ１０Ａの内部に突出し、電極９Ａの軸部１１Ａの先端または、径大部１２Ａの段差部Ｓ１と当接する第３の掛止部３６Ａを設けてもよい。このとき、段差部１９０Ａは、電極９Ａをコネクタ１０Ａに挿入して電極９Ａが段差部１９０Ａと当接した状態で、コネクタ１０Ａの第１の開口部２０Ａと放電管２のガラスバルブ８の端部８Ａとが接触しない位置に設ける。これにより、コネクタ１０Ａと放電管２のガラスバルブ８の端部８Ａとの接触を未然に防止できる。その結果、高い信頼性とともに、作業性や組み立て性に優れた放電管を実現できる。

　以上で説明したように、本発明の放電管によれば、希ガスが封入されたガラスバルブと、ガラスバルブの両端部からガラスバルブの長手方向に沿って突出する一対の電極と、電極に接続するコネクタと、を備えている。さらに、電極は、少なくとも軸部と、段差部および周面とを有する径大部と、を備え、段差部は、コネクタを掛止する第１の掛止部を有し、周面は、コネクタを接触させる接触部を有し、コネクタは、電極を内部に挿入するコネクタ本体と、電極の第１の掛止部を掛止する第２の掛止部と、電極の接触部と接続する接続部と、を備える。

　この構成によれば、電極は、コネクタのコネクタ本体の内部に嵌め込まれる。このとき、コネクタの第２の掛止部は、コネクタ本体の筒心方向から挿入された電極の第１の掛止部を掛止する。これにより、電極とコネクタとを確実に接合できる。また、コネクタの接続部と電極の接触部とを接触することにより、電極とコネクタとを電気的に確実に通電するように接続できる。例えば、リード線などがコネクタに接続されている場合、放電管はハンダで電極とリード線とを接続することなく、コネクタを介して電極とリード線とを接続できる。さらに、電極の中途部に径大部を設けることにより、増加した電極の体積分に相当する熱容量、および増加した電極の表面積に相当する放熱効率を増加させることができる。その結果、電極に蓄積される熱を効率的に放熱して、放電管２の電極を発熱しにくくできる。そして、ハンダを用いることなく、高い接続信頼性と高い放熱効率を有する放電管を実現できる。

　また、本発明の放電管によれば、径大部は、円柱形状で構成され、円柱形状における段差部に第１の掛止部を有し、円柱形状における周面に接触部を有する。

　この構成によれば、電極を円柱形状に構成することにより、増加した電極の体積分に相当する熱容量、および増加した電極の表面積に相当する放熱効率を増加させることができる。その結果、電極に蓄積される熱を効率的に放熱して、放電管２の電極を発熱しにくくできる。

　また、本発明の放電管によれば、接続部は、電極の接触部と接触した状態において弾性変形するように、コネクタ本体の内方に突出して構成される。

　この構成によれば、コネクタが電極に挿入されると、電極は、コネクタ本体の内方に突出した接続部と接触する。このとき、コネクタの接続部は、電極の接触部に弾性変形した状態で接触する。これにより、コネクタの接続部が電極の接触部に押圧された状態で接続される。その結果、電極とコネクタとを、電気的に確実に通電できるように接続できる。

　また、本発明の放電管によれば、径大部は、さらに凹部を備える。この構成によれば、電極に凹部を設けることにより、増加した電極の表面積に相当する放熱効率を増加させることができる。その結果、電極に蓄積される熱を効率的に放熱して、放電管２の電極を発熱しにくくできる。

　また、本発明の放電管によれば、コネクタは、電極の所定の長さ以上の挿入を防止する、段差部または第３の掛止部を、さらに備える。これにより、コネクタと放電管のガラスバルブの端部との接触を未然に防止できる。

　また、本発明の発光装置によれば、上記構成の放電管を備える。この構成により、高い接続信頼性と高い放熱効率を有する発光装置を実現できる。

　本発明は、放電管を繰り返し発光する場合や連続して放電管を発光する場合において、高い信頼性と高い放熱効率が要望される放電管およびそれを用いる発光装置などの用途に有用である。

　１　　光照射治療・予防装置（発光装置）
　２　　放電管
　３　　反射部材
　３Ａ　　開口
　４　　波長透過部
　５　　発光制御部
　６　　電源供給部
　７　　装置本体
　８　　ガラスバルブ
　８Ａ　　端部
　９Ａ，９Ｂ　　電極
　１０Ａ，１０Ｂ　　コネクタ
　１１Ａ，１１Ｂ　　軸部
　１１Ｓ，Ｓ２　　周面
　１２Ａ，１２Ｂ，３１Ａ　　径大部（円柱部）
　１３　　金属焼結体
　１４Ａ，３２Ａ　　第１の掛止部
　１５Ａ，３３Ａ　　接触部
　１６Ａ　　コネクタ本体
　１７Ａ　　第２の掛止部
　１７Ｃ，１８Ｃ　　先端部
　１８Ａ　　接続部
　１９Ａ　　筒部
　２０Ａ　　第１の開口部
　２１Ａ　　第２の開口部
　２２　　蓄電部
　２３　　充電回路
　２４　　電源部
　２５　　電源スイッチ
　２６　　開口部
　２７　　載置部
　２８　　漏光防止部
　２９　　冷却部
　３０　　取っ手
　３４Ａ，３５Ａ　　凹部
　３６Ａ　　第３の掛止部
　１９０Ａ，Ｓ１　　段差部
　Ｌ１　　長手方向（突出方向）
　Ｌ２　　半径方向
　Ｌ３　　筒心方向
　Ｌ４　　半径方向

Claims

希ガスが封入されたガラスバルブと、前記ガラスバルブの両端部から前記ガラスバルブの長手方向に沿って突出する一対の電極と、前記電極に接続するコネクタと、を備え、
前記電極は、少なくとも軸部と、段差部および周面とを有する径大部と、を備え、
前記段差部は、前記コネクタを掛止する第１の掛止部を有し、
前記周面は、前記コネクタを接触させる接触部を有し、
前記コネクタは、前記電極を内部に挿入するコネクタ本体と、前記電極の前記第１の掛止部を掛止する第２の掛止部と、前記電極の前記接触部と接続する接続部と、を備える放電管。
前記径大部は、円柱形状で構成され、前記円柱形状における段差部に前記第１の掛止部を有し、前記円柱形状における周面に前記接触部を有する請求項１に記載の放電管。
前記接続部は、前記電極の前記接触部と接触した状態において弾性変形するように、前記コネクタ本体の内方に突出して構成される請求項１に記載の放電管。
前記径大部は、さらに凹部を備える請求項１に記載の放電管。
前記コネクタは、前記電極の所定の長さ以上の挿入を防止する、段差部または第３の掛止部を、さらに備える請求項１に記載の放電管。
請求項１に記載の放電管を備えた発光装置。