JP2010225420A - 熱陰極蛍光ランプおよび蛍光ランプ用電極 - Google Patents
熱陰極蛍光ランプおよび蛍光ランプ用電極 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】発光特性が安定しており、長寿命な蛍光ランプを提供する。
【解決手段】管の端部に一対の平行なリード線12が配置され、コイル状フィラメント20が接続されている。コイル状フィラメント20は、コイルピッチがその周囲よりも疎の領域21を2か所備え、2か所の疎の領域で挟まれた領域にエミッタ22を保持している。疎の領域21を設けることにより、形状特性および電流集中によより疎の領域21と密の領域の境界付近が放電の起点となる。これにより、エミッタ22の端部を放電の起点として、安定した放電を生じさせることができ、安定した発光特性と、長寿命な熱陰極蛍光ランプを得ることができる。
【選択図】図2
【解決手段】管の端部に一対の平行なリード線12が配置され、コイル状フィラメント20が接続されている。コイル状フィラメント20は、コイルピッチがその周囲よりも疎の領域21を2か所備え、2か所の疎の領域で挟まれた領域にエミッタ22を保持している。疎の領域21を設けることにより、形状特性および電流集中によより疎の領域21と密の領域の境界付近が放電の起点となる。これにより、エミッタ22の端部を放電の起点として、安定した放電を生じさせることができ、安定した発光特性と、長寿命な熱陰極蛍光ランプを得ることができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、長寿命で、安定した発光特性の熱陰極蛍光ランプに関する。
大型液晶テレビ用のバックライト光源として、冷陰極蛍光ランプが広く使用されているが、省エネルギーが重要視される昨今、冷陰極蛍光ランプよりも発光効率に優れた熱陰極蛍光ランプをバックライト光源として用いることが提案されている。
液晶バックライトの光源には、長寿命であること、管径が細いことが要求される。熱陰極蛍光ランプを液晶バックライト光源に用いる場合、この2点への対応が必要である。
熱陰極蛍光ランプの寿命は、蛍光体の劣化、封入ガスの減少などに左右されるが、もっとも重要な要因は、電極であるコイルフィラメント(以下コイルと略す)に塗布された電子放出物質(エミッタ)の量である。したがって、熱陰極蛍光ランプの電極は、エミッタをより多く塗布できる構造であることが望まれる。しかしながら、ランプが細径化されると、電極もそれに伴って小型化せざるを得ないため、より小さなスペースに、より多くのエミッタを塗布できる電極構造とすることが必要である。
コイルは、一般的に一対のリード線の間に継線され固定されることで電極として機能する。照明用途に一般的に使用されている太径の熱陰極蛍光ランプ(いわゆる蛍光灯) の場合、例えば特許文献1の図3に開示されているように、コイルをリード線の軸方向と直交させて、コイルの両端をリード線の先端が支持する構成である。コイルとリード線との固定は、一般的にはコイルを挟み込むようにリード線の先端を折り返し、かしめることにより行われる。
また、特許文献2のように、巻き数を1ターンのみとしたコイルをリード線の軸方向と直交させた構造を、細径の熱陰極蛍光ランプに適用する例が開示されている。
しかしながら、特許文献1,2のようにコイルの軸方向をリード線の軸方向と直交させる構造は、ガラス管径の小さな蛍光ランプに適用すると、コイルの両端がリード線の外側(管径方向)に突出し、ガラス管の内壁に接触する恐れがある。
そこで、蛍光ランプの細径化に対応して、コイルとリード線の固定方法を改良した電極構造が、特許文献1の図1等に提案されている。この電極構造は、コイルをU字型に湾曲させることにより、コイルの両端の軸方向をリード線の軸方向と一致させて固定している。コイルのリード線への固定は溶接により行われている。
特許文献3には、コイル形状をヘリカル形状とすることにより、コイルの端部の線材の軸方向がリード線の軸方向と一致するようにし、コイルの端部をリード線に軸方向を一致させて固定した構造が開示されている。コイルとリード線との固定は溶接により行われる。溶接の方法は明示されていないが、コイルの芯線を残したまま溶接し、その後、芯線を溶解する工程を開示している。
上述のリード線の軸方向に交差してコイルが配置される構造をガラス管径の細い蛍光ランプに使用した場合には、以下のような問題がある。
すなわち、特許文献1(図3)に記載されている構成の場合、コイルの端部がリード線より外側に飛び出すため、コイル端部がガラス管の内壁に接触する(コイルタッチ) 問題が生じる。コイルタッチが生じると、ランプ点灯中にコイルの熱がガラス管内壁に伝導し、ガラス管が加熱されて溶融し、リークする。また、コイルに塗布したエミッタの材料物質をコイル電流により活性化してエミッタとする工程において、コイルの熱が接触するガラス管内壁からガラス管全体に伝導して逃げてしまうためにエミッタの加熱が不足し、活性化が不十分となり、エミッタの寿命が短くなる。
また、特許文献2(図3)の構成のように、コイル巻き数を1ターンまで低減した構造を採用した場合、コイル長さが短くなり、塗布できるエミッタの量が少なくなるため、長寿命化ができない。
一方、特許文献1(図1)に記載のようにコイルをU字状に湾曲させて、リード線に固定する構造は、エミッタを多量に塗布しようとした場合、エミッタが塗布されている部分と塗布されていない部分の境界がリード線近傍の直線部分となるため、放電の起点が定まらず不安定な放電状態となってしまう。また、この構造では、コイルの端部とリード線とを所定の長さだけ重ね、その一部を金属バンプにより一か所のみ溶接している。このため、コイルの溶接部分からコイルの先端までは、放電に寄与しない余分な部分が固定されない状態となって残る。この部分が折れ曲がってガラス管壁側に突き出し、コイルタッチが生じる可能性がある。
また、コイルをリード線に沿わせて配置し、接触する部分を溶接しているので、コイルが振動しやすい。コイルに応力がかかった状態でリード線に固定され、点灯中に変形する恐れもある。点灯中にコイルが振動や変形すると、所望の特性を発揮できなくなったり、不点灯や短寿命となる不具合が生じる可能性がある。
さらに、溶接条件によってはコイルが熱的衝撃を受け、コイルの主成分であるタングステンが脆化する可能性がある。このため、ランプとして完成した後の点灯中にコイルが消耗、断線する不具合が生じることがある。
特許文献3のヘリカル形状のコイルは、コイル端部の真っ直ぐな線材と、直線状のリード線とを接続する必要があるため、ヒートタブと呼ばれる接続補強部材を用いている。この接続補強部材のサイズが、ガラス管径を小さくする場合の障害になる。
本発明の目的は、安定した発光特性と、長寿命な熱陰極蛍光ランプを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明では以下のような熱陰極蛍光ランプが提供される。すなわち、両端が封止された管と、管の端部に配置された一対の平行なリード線と、平行なリード線に両端部が接続されたコイル状フィラメントと、コイル状フィラメントに保持されたエミッタとを有する熱陰極蛍光ランプにおいて、コイル状フィラメントは、コイルピッチがその周囲よりも疎の領域を2か所備え、2か所の疎の領域で挟まれた領域にエミッタを保持している。このように疎の領域を設けることにより、形状特性および電流集中により疎の領域と密の領域の境界付近が放電の起点となる。これにより、エミッタの端部を放電の起点として、安定した放電を生じさせることができ、安定した発光特性と、長寿命な熱陰極蛍光ランプを得ることができる。
例えば、コイル状フィラメントは、両端部のコイルの内部空洞に一対のリード線の先端が所定の長さそれぞれ挿入されて固定された構造とし、リード線が挿入されていない部分は、湾曲した形状とすることができる。これにより、コイル状フィラメントが管に接触するコイルタッチを防止し、かつ、リード線間隔を広くとることができるためエミッタ量を増すことができる。
例えば、コイル状フィラメントは、多重巻きのコイルを用いる。これにより、疎の領域における耐振動性が向上する。
2か所の疎の領域は、リード線の先端の位置から所定の長さそれぞれ設けられていることが好ましい。エミッタを塗布する領域を長く確保することができるためである。疎の領域の長さは、2か所の前記疎の領域で挟まれた領域のコイルピッチの2.5倍以上7倍以下であることが好ましい。
エミッタは、コイル状フィラメントの2か所の疎の領域で挟まれた領域の全体を被覆していることが好ましい。電流が集中する疎密の境界とエミッタの端部とを一致させることができると共に、エミッタ量を増加させることができるためである。
また、本発明の別の態様によれば、蛍光ランプ用電極が提供される。すなわち、所定形状のガラス部材と、ガラス部材に保持された一対の平行なリード線と、平行なリード線に両端部が接続されたコイル状フィラメントとを有する蛍光ランプ用電極であって、コイル状フィラメントは、コイルピッチがその周囲よりも疎の領域を2か所備える。
例えば、コイル状フィラメントは、両端部のコイルの内部空洞に一対のリード線の先端が所定の長さそれぞれ挿入されて固定された構造とし、リード線が挿入されていない部分は、湾曲した形状とすることが可能である。
例えば、コイル状フィラメントは、多重巻きのコイルを用いる。
本発明の一実施形態の熱陰極蛍光ランプについて説明する。
本実施形態の熱陰極蛍光ランプは、その全体の構成を図1に示したように、ガラス管10と、その両端を封止する封止部11と、ガラス管10の内側から外側に封止部11を貫通する一対のリード線12と、ガラス管10の内側のリード線12の先端に継線されたコイルフィラメント20とを備えている。封止されたガラス管10の内部には、水銀と放電ガスが封入されている。コイルフィラメント20には、後述するように所定の範囲にエミッタが塗布されている。
リード線12の先端に固定されたコイルフィラメント20の拡大写真を図2に、エミッタ塗布前のコイルフィラメント20の全体の拡大写真を図3にそれぞれ示す。
図2および図3のように、本実施形態のコイルフィラメント20は、タングステンの多重巻きフィラメントコイルである。具体的には、タングステンフィラメントを巻き回して形成したコイル(1次巻き)を、さらに巻き回して(2次巻き)形成した2重巻きコイルを使用し、これをU字状に湾曲させた構造である。フィラメントコイルの2次巻きの径は、リード線12が挿入できるように設計されている。
一例としては、フィラメント径4MG(36.5μm)、1次巻きコイル径0.153mm、2次巻きコイル径0.63mm程度の2重巻きコイルを用いることができる。
U字状に湾曲させたコイルフィラメント20には、所定の位置に2次巻きのピッチが疎の領域21が2か所設けられている。疎の領域21の位置は、図2のようにリード線12の先端の位置から所定長の領域である。疎の領域21を除いた領域の2次巻きのピッチは一定である。
2か所の疎の領域21に挟まれた密の領域はエミッタ22で被覆されている。
疎の領域21とコイルフィラメント20の端部との間の密の領域のコイルフィラメント20には、図4(a)、(b)のように、2次巻きの内側の空洞に、リード線12が挿入されている。この領域には、さらにモリブデン等の高融点金属粉末を含むスラリー等を用いてレーザー溶接が施されている。これにより、コイルフィラメント20とリード線12とは、図5に示すように高融点金属の溶融物によって強固に固定されるとともに、電気的にも接続されている。このような固定方法を用いることにより、コイルフィラメント20の軸方向をリード線の軸方向と一致させることができるとともに、コイルフィラメント20をリード線に強固に固定することができる。これにより、コイルフィラメント20の端部がガラス管10に接触しない構造となる。
疎の領域21の長さは、密の領域の2次巻きのピッチを100%とした場合、250%以上700%以下であることが好ましい。特に、250%以上400%以下であることが好ましく、300%程度である場合には更に好ましい。長さとしては、0.5〜1.5mm程度であることが好ましい。このように定めるのは疎の領域21が短すぎるとエミッタ22の熱がリード線12に伝導し、温度が低下するためである。また、疎の領域21が短すぎると、製造時にエミッタ22を塗布する際に、疎の領域21と疎の領域21との間の領域のみに塗布するのが困難になる。逆に疎の領域21が長すぎると、耐振動性が低下するためである。
疎の領域21と密の領域のピッチの差は、大きいことが好ましい。ここでは、疎の領域21を0.5巻き(0.5ターン)としている。疎の領域21と密の領域とのピッチ差が小さいと、エミッタ22の放電の起点が定まりにくくなるためである。しかし、疎の領域21が必ずしも0.5ターンでなくともよく、他の領域に対して疎であれば、それよりも多いターン数、例えば1ターンや1.5ターンであってもよい。
このように、疎の領域21は、二重コイルの2次巻きの一部を所定ターンに引き伸ばしたものであるため、タングステンの単線ではなく、シングルコイル(1次巻き)をごく緩く巻きまわした構成となっている。よって、振動衝撃を受けたときの振動支点応力が、疎の領域21全体に拡散される。また、疎の領域21の1次巻きコイルが、振動を分散させる作用も得られる。このため、一般的なフィラメント構成と比較して耐振動性が高く、フィラメント断線やエミッタ脱落などの振動時に発生する不具合を防止することができる。
本実施形態の熱陰極蛍光ランプの製造方法について説明する。
まず、図3の形状のコイルフィラメント20を製造する。タングステンフィラメントを所定のピッチで巻きまわして形成したコイル(1次巻き)を、さらに所定のピッチで巻きまわして(2次巻き)2重巻きコイルを形成し、これをさらにU字状に湾曲させる。所定の位置の2次巻きを所定長さまで引き延ばすことにより疎の領域21を形成する。このとき、予め用意しておいた型を用いて、その型に2重巻きコイル全体の形状を合わせるように2次巻きを引き延ばすことにより、所定の位置に所定の長さの疎の領域21を精度よく形成することができる。
一方、公知の手法により、一対のリード線12が、ガラスビード等の所定の形状の封止用ガラス部材を貫通したステムを形成する。ステムのリード線12の先端を、図4(a)のように、コイルフィラメント20の端部のピッチが密の領域に所定の長さまで挿入し、モリブデン、タングステン等の高融点金属スラリー41をコイルフィラメント20の周囲に塗布する。つぎに、レーザー光線を、コイルフィラメントではなく高融点金属スラリー41に照射する。これにより、図5に示したように、スラリー41中の高融点金属が溶融し、溶融物30によりコイルフィラメント20とリード線12とが固着される。高融点金属スラリー41を用いることにより、コイルフィラメント20を溶接により脆化させることなく、コイル形状を維持したままリード線12と溶接することができる。
高融点金属スラリー41は、高融点金属粉末、例えばモリブデン粉末やタングステン粉末を有機溶剤などに拡散させてスラリー状またはペースト状にしたものである。高融点金属粉末の粒径は、5〜20μm程度であることが好ましく、特に10μm程度であることが好ましい。
次に、リード線12の先端に固定したコイルフィラメント20の疎の領域21に挟まれた密の領域に、図2のように溶融塩の状態のエミッタ22を塗布する。この塗布工程において、疎の領域21が存在することより、エミッタ22の材料溶液は、疎の領域21に挟まれた密の領域にのみ容易に塗布することができ、エミッタ22の材料溶液がリード線12側まで流れて付着するのを防ぐことができる。これにより、エミッタ22の塗布範囲を容易に規定することができるとともに、エミッタの塗布量が安定するため、寿命のばらつきを低減することができる。
コイルフィラメント20をリード線12に固定し、かつ、エミッタ22が塗布されたステム(以下、マウントと称す)を、所定の径のガラス管10の一端に挿入し、ステムのガラスビード等の封止用ガラス部とガラス管10とを溶融してガラス管10を封止する。
次に、ガラス管の他端にもマウントを挿入し、必要に応じて排気管を接続し、ガラス管10または排気管に水銀供給源を挿入し、ガラス管10内を真空排気する。この状態で、コイルフィラメント20に電流を供給して、エミッタ22を加熱し、エミッタ22を活性化する。このとき、コイルフィラメント20の端部は、リード線12に挿入されているので、ガラス管壁に接触する恐れがない。よって、ガラス管壁への熱伝導防止することができ、エミッタ22を十分加熱して活性化することができる。また、エミッタ22の塗布領域とリード線12とが、疎の領域21の長さだけ離れているため、エミッタ22の塗布領域の熱がリード線12に伝導しにくく、エミッタ22を十分に加熱して活性化することができる。
エミッタ22の活性化後、所定の放電ガスを封入してガラス管または排気管を封止する。公知の方法により、水銀供給源から水銀を放出させる。その後、マウントのガラスビード等のガラス部材とガラス管とを接合し、封止する。
この後、ランプの初期点灯時の特性安定化のため、所定時間コイルフィラメント20に電流を供給しエミッタ22のエージング処理を行う。以上により、本実施形態の熱陰極蛍光ランプを製造することができる。
このような熱陰極蛍光ランプを点灯する際には、コイルフィラメント20に所定の電流を供給する。コイルは図2の写真のようにピッチが一様ではなく、エミッタ22が塗布されている部分とリード線12との溶接部分との間にピッチが疎の領域21が設けられているため、ランプ動作時にコイルフィラメント20が発熱する部分の両端に疎の領域21が位置する。このため、フィラメント発熱部分の端部は、エミッタ塗布の境界点と一致し、しかも、ピッチの疎密の境界でもあるために放電時にランプ電流が集中する部分でもある。このため、ランプ電流の集中する疎密の境界(エミッタ塗布の境界点)に輝点(フィラメントの赤熱部、すなわち放電の起点)が形成され、熱電子が生成される。このように疎密を設けたことにより、放電の起点位置を一定の位置(疎密の境界)に生じさせることができ、安定した放電状態を得ることができる。また、発光特性を安定させることができる。
また、放電起点を一定の位置(疎密の境界)に生じさせることができるため、ランプ初期点灯時の特性安定化(エージング)工程を処理時間の短縮が可能になる。
また、本実施形態のコイルフィラメント20の端部は、軸方向がリード線12の軸方向と一致し、リード線12に溶接されているため、コイルフィラメント20がガラス管10に接触するコイルタッチの恐れがない。このため、リード線12の間隔を十分に広く取ることができ、フィラメントの長さを十分に長くすることができる。これにより、エミッタの塗布量を多くすることができるため、細径でかつ長寿命な蛍光ランプを製造することができる。
また、コイルタッチの恐れがないため、エミッタ22を十分に加熱することができるとともに、コイルタッチによりガラス管10にクラックを引き起こしてリークする、といった問題が発生することもない。
コイルフィラメント20に疎の領域21を持つ構造であるので、エミッタ22塗布工程における、リード線12へのエミッタ22材料溶液の付着を防ぐことが容易であり、エミッタ22の塗布範囲を容易に規定することができる。これにより、エミッタ22の塗布量が安定するので、寿命のバラつきがない。
また、コイルフィラメント20には、二重コイルを引き延ばした疎の領域21を備える構造であるため、振動衝撃を受けたときの振動支点応力が、疎の領域21全体に拡散される効果がある。しかも、疎の領域21は、二重コイルの2次巻きを引き伸ばして形成しているため、単なる単線ではなく、1次巻きコイルが振動を分散させる効果も得られる。このため、一般的なフィラメント構成と比較して、耐振動性が高く、フィラメント断線やエミッタ脱落などの振動時に発生する不具合を防止することができる。
コイルフィラメント20とリード線12の溶接は、モリブデン、タングステン等の高融点金属スラリーを使ったレーザー溶接により行うので、コイルフィラメント20が溶接による変形、脆化、断線等を生じにくく、予期せぬ短寿命、放電の不安定といった不具合が発生しにくい。
10…ガラス管、11…封止部、12…リード線、20…コイルフィラメント、21…疎の領域、22…エミッタ、30…高融点金属の溶融物。
Claims (9)
- 両端が封止された管と、前記管の端部に配置された一対の平行なリード線と、該平行なリード線に両端部が接続されたコイル状フィラメントと、該コイル状フィラメントに保持されたエミッタとを有し、
前記コイル状フィラメントは、コイルピッチがその周囲よりも疎の領域を2か所備え、2か所の前記疎の領域で挟まれた領域に前記エミッタを保持していることを特徴とする熱陰極蛍光ランプ。 - 請求項1に記載の熱陰極蛍光ランプにおいて、前記コイル状フィラメントは、両端部のコイルの内部空洞に前記一対のリード線の先端が所定の長さそれぞれ挿入されて固定され、前記リード線が挿入されていない部分は、湾曲した形状であることを特徴とする熱陰極蛍光ランプ。
- 請求項1または2に記載の熱陰極蛍光ランプにおいて、前記コイル状フィラメントは、多重巻きのコイルであることを特徴とする熱陰極蛍光ランプ。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の熱陰極蛍光ランプにおいて、2か所の前記疎の領域は、前記リード線の先端の位置から所定の長さそれぞれ設けられていることを特徴とする熱陰極蛍光ランプ。
- 請求項4に記載の熱陰極蛍光ランプにおいて、前記疎の領域の長さは、2か所の前記疎の領域で挟まれた領域のコイルピッチの2.5倍以上7倍以下であること特徴とする熱陰極蛍光ランプ。
- 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の熱陰極蛍光ランプにおいて、前記エミッタは、前記コイル状フィラメントの2か所の前記疎の領域で挟まれた領域の全体を被覆していることを特徴とする熱陰極蛍光ランプ。
- 所定形状のガラス部材と、該ガラス部材に保持された一対の平行なリード線と、該平行なリード線に両端部が接続されたコイル状フィラメントとを有し、
前記コイル状フィラメントは、コイルピッチがその周囲よりも疎の領域を2か所備えることを特徴とする蛍光ランプ用電極。 - 請求項7に記載の蛍光ランプ用電極において、前記コイル状フィラメントは、両端部のコイルの内部空洞に前記一対のリード線の先端が所定の長さそれぞれ挿入されて固定され、前記リード線が挿入されていない部分は、湾曲した形状であることを特徴とする蛍光ランプ用電極。
- 請求項7または8に記載の蛍光ランプ用電極において、前記コイル状フィラメントは、多重巻きのコイルであることを特徴とする熱陰極蛍光ランプ。
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Cited By (1)
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---|---|---|---|---|
JP2011508404A (ja) * | 2007-12-27 | 2011-03-10 | クムホ エレクトリック インコーポレイテッド | 熱陰極蛍光ランプ用電極 |
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