JP2010003558A - 熱陰極蛍光ランプの製造方法 - Google Patents

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Masazumi Yoshida
允濟 吉田
Junji Matsuda
純司 松田
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Abstract

【課題】管径が細く、且つ安定した発光性能及び高い信頼性を有する熱陰極蛍光ランプの製造方法を提供することにある。
【解決手段】導入線3にフィラメント2を継線したマウント5が配置されたガラス管1の両端部に排気管4を融着して該マウントを一体に固定する工程において、排気管4の内部に金属棒10を配置すると共に排気管4の内面と金属棒10の外面との間の隙間に冷却ガスを流通させて排気管4の内面側を冷却しながらガラス管1の外側から加熱することによりガラス管1と排気管4の外面側を融着するようにした。
【選択図】図6

Description

本発明は、熱陰極蛍光ランプの製造方法に関する。
熱陰極蛍光ランプ(以下、蛍光ランプと略称する)は、内壁面に蛍光物質が塗布されたガラス管の内部に希ガスと水銀が封入されると共にガラス管内の両端部に電極が配置された構造を有しており、この両電極間に電圧(交流電圧)を印加することにより一方の電極から放出された電子がガラス管内の希ガスや水銀の気体原子と衝突し、これらを電離、励起しながら他方の電極に向かって進み、放電が行われる。
このとき、電子の衝突を受けた水銀原子は電子のエネルギーで励起されて紫外線(波長:253.7nm)を放出し、この紫外線がガラス管の内壁に塗布された蛍光物質に照射されて該蛍光物質を励起し、可視光に変換される。
ところで、ガラス管内の両端部に配置する電極(以下、フィラメントと呼称する)は、一般的に、蛍光ランプの製造工程上、予めステムに支持された状態(マウント)に組立てられ、その後ガラス管の両端部を封止する。
この場合、ステムについては従来より種々の構造のものがあるが、蛍光ランプに最も広く採用されているステムはフレアステムと称されるものである。フレアステムは例えば図7に示すように、ガラスを裾広がりのスカート状に成形したフレア部50を有するガラスフレア51の中央部に排気管52が一体に接続され、排気管52を挟んで対向する位置に前記ガラスフレア51を気密に貫通する一対の導入線53が設けられた構造となっている。
そして、このフレアステム54の夫々の導入線53の先端部が折返されてフック状に成形され、両フック間にコイル状で且つ電子放射性物質(エミッタ)が塗布されたフィラメント55が配置、継線されてマウント56が構成されている(例えば、特許文献1参照。)。
図8は、上記フレアステムを用いたマウントを使用して蛍光ランプを製造する方法を示している。まず、(a)の工程において、エミッタが塗布されたフィラメント55がフレアステム54に継線されてなるマウント56と、内壁面に蛍光物質が塗布されたガラス管57を準備する。
(b)の工程において、マウント56をガラス管57の両端部に挿入し、ガラスフレア51のフレア部50の外周とガラス管57の端部をバーナー等により加熱融着してガラス管57の両端部を封止する。
(c)の工程において、一方の排気管52aを加熱溶融して封止切り(チップオフ)した後、他方の排気管52bよりガラス管57内部を真空に排気しながら、夫々の一対の導入線53間に電圧を印加してフィラメント55に通電し、通電電流によってフィラメント55を加熱して該フィラメント55に塗布されたエミッタを活性化させる。エミッタは炭酸塩の状態で塗布されており、この活性化工程により炭酸塩から金属酸化物の状態に変化し、所望の電子放射性能を発揮するようになる。
その後、図示は省略したが、ガラス管内に希ガス及び水銀を封入する工程を経て蛍光ランプは完成する。
その他の構造を有するステムとしては、排気管と導入線をガラスを成形したガラスビードで固定しただけの単純な構造のステムも開示されている。具体的には、排気管と該排気管を挟んで対向する位置に一対の導入線が設けられ、これらを2本のガラス棒で両側から挟みこんだ状態で互いのガラス棒を加熱融着して一体化させ、一体化したガラスビードに排気管が一体に接続されて貫通すると共に一対の導入線がガラスビードを気密に貫通する構造とするものである(例えば、特許文献2参照。)。
また、上述のフレアやビードを使用しないステムについての開示もなされている。具体的には、一対のリード線が排気管の外面に直接埋め込まれて固定された構造とされ、このステムを用いたマウントの排気管を直接ガラス管の端部に融着することによりマウントの固定及びガラス管の封止を可能とするものである(例えば、特許文献1参照。)。
また、管径の小さい蛍光ランプに対応できるステムの開示もある。具体的には、排気管と該排気管を挟んで対向する位置に配置された一対リード線とにガラスリングを外挿し、ガラスリングをガラス管に融着することにより、リード線をガラス管とガラスリングとの間に封止した構造とするものである(例えば、特許文献3参照。)。
特開平4−223036号公報(第3図、第2図) 特開平2005−183267号公報(第2図) 特開平2004−303620号公報(第3図)
ところで、上記フレアステムは、構造が複雑であるため蛍光ランプに使用されるガラス管の細径化が難しいという問題を有している。つまり、熱陰極蛍光ランプの製造工程には電極(フィラメント)に塗布されたエミッタを活性化させる工程が不可欠であるが、この工程を容易に実施するためには、ガラスフレアに一体に接続された排気管の外径が2mmφ以上、ガラスフレアを気密に貫通する一対の導入線の外径が0.25mmφ以上であることが望ましい。さらに、ガラスフレアにはガラス管に融着するためのフレア部が必要であり、これら寸法上の制約からフレアステムの外径寸法は6mmφ程度以上が必要となる。そのためガラス管の管径が7mmφ未満の蛍光ランプにフレアステムを使用することは製造上不可能である。
一方、ガラスビードを使用したビードステムは、上記フレアステムと比較して構造が単純であるためにフレアステムよりも小型化が可能であるが、フレアステムと同様に外径寸法についての構造上の制約があり、ガラス管の管径が7mmφ未満の蛍光ランプにビードステムを使用することは現実的ではない。
更に、ガラス管に対するビードステムの封止工程において、ビードステムにはフレアステムのガラスフレアに形成されたフレア部のような、ガラス管に加熱融着するための特別な部分が設けられておらず、ガラスビード全体を加熱溶融してガラス管との融着を行うことになる。そのため、ガラス管に対する封止部のガラス量がフレアステムに比較して増大し、ガラス管との加熱融着後の冷却過程において封止部に大きな残留応力が発生する。残留応力はクラックの発生要因となるため、長時間のアニール工程、或いはガラス肉厚を薄く均一にするためのピンチシール工程等の残留応力を除く工程の追加が必須となり、新たな設備投資、生産性の低下が課題となる。
このように、熱陰極蛍光ランプのガラス封止に最も一般的に使用されているフレアステム及びビードステムは、ステムの小型化の困難性と残留応力に起因するクラックの発生の2つの問題点から、ガラス管の管径が5〜7mmφの蛍光ランプに対する使用には適さない。そこでこれに対応できる構造を有するステムが、上述したガラスフレアやガラスビードを使用せず排気管の外面に直接リード線を埋め込んだ構造のステム、及びリード線をガラス管とガラスリングとの間に封止した構造のステムである。
前者は、ガラスフレアやガラスビードを使用しないためにステムの小型化及び残留応力によるクラックの問題は解決され、ガラス管の管径が5〜7mmφの蛍光ランプには最適のように思われる。しかしながら、ガラス管に対するステムの封止工程において、排気管が直接ガラス管に融着されるために、排気管の、ガラス管内に位置する側の開口端部がガラス管との加熱融着時に変形し、縮径或いは閉塞してしまうという不具合が生じる。
封止工程において排気管の開口端部が閉塞した場合、後工程であるエミッタの活性化工程での処理が不可能となり蛍光ランプとしては成立しなくなる。また、縮径した場合、排気路のコンダクタンスが大きくなるため、エミッタの活性化工程においてエミッタから放出される不純ガスの排気時間が長くなる、或いは排気が不十分となって不純ガスがガラス管内に残留する、等の不具合が生じる。
蛍光ランプの製造工程におけるエミッタの活性化工程において、エミッタの活性化を適切に行うことにより所望の、エミッタの電子放射性能を得ることは殊のほか重要な要件である。そのため、封止工程において排気管の開口端部の形状維持が困難な構造のステムの使用は蛍光ランプの実現を不可能なものとする。
また、後者は、ガラスビードを小さくすることにより、ガラス管の管径が細い蛍光ランプの製造を容易にするものではあるが、この場合も封止工程において排気管の開口端部の形状維持が困難なステム構造であることに変わりはない。
そこで、本発明は上記問題に鑑みて創案なされたもので、その目的とするところは、管径が細く、且つ安定した発光性能及び高い信頼性を有する熱陰極蛍光ランプの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載された発明は、内壁面に蛍光物質が均一に塗布された第1のガラス管の両端部と前記第1のガラス管の内径よりも小さい外径を有する第2のガラス管の一方の端部で融着部が形成されると共に前記第2のガラス管の他方の端部が溶融閉塞されて気密空間が形成され、前記気密空間の該気密空間を形成する前記第1のガラス管の両端近傍に位置する、電子放射性物質が被着されたフィラメントに電気的に接続された一対の導入線が前記融着部を貫通して前記気密空間の外部に延びている熱陰極蛍光ランプの製造方法であって、
前記第1のガラス管と前記第2のガラス管の融着工程において、前記第1のガラス管と前記第2のガラス管の融着部の前記第2のガラス管の内面側を冷却しながら前記第1のガラス管の外側から加熱することにより前記第1のガラス管と前記第2のガラス管の外面側を融着することを特徴とするものである。
また、本発明の請求項2に記載された発明は、請求項1において、前記冷却の方法は、前記第2のガラス管の内部に冷却ガスを流通させることによるものであることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項3に記載された発明は、請求項1において、前記冷却の方法は、前記第2のガラス管の内部に金属棒を配置したことによるものであることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項4に記載された発明は、請求項1において、前記冷却の方法は、前記第2のガラス管の内部に金属棒を配置すると共に、前記第2のガラス管の内面と前記金属棒の外面との間の隙間に冷却ガスを流通させることによるものであることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項5に記載された発明は、内壁面に蛍光物質が均一に塗布された第1のガラス管の両端部と前記第1のガラス管の内径よりも小さい外径を有する第2のガラス管の一方の端部がリング状のガラスビードを介して融着されると共に前記第2のガラス管の他方の端部が溶融閉塞されて気密空間が形成され、前記気密空間の該気密空間を形成する前記第1のガラス管の両端近傍に位置する、電子放射性物質が被着されたフィラメントに電気的に接続された一対の導入線が前記ガラスビードを貫通して前記気密空間の外部に延びている熱陰極蛍光ランプの製造方法であって、
前記第1のガラス管と前記第2のガラス管の融着工程において、前記第1のガラス管と前記第2のガラス管の融着部の前記第2のガラス管の内面側を冷却しながら前記第1のガラス管の外側から加熱することにより前記第1のガラス管と前記第2のガラス管を該第2のガラス管の外面に融着された前記ガラスビードを介して融着することを特徴とするものである。
また、本発明の請求項6に記載された発明は、請求項5において、前記冷却の方法は、前記第2のガラス管の内部に冷却ガスを流通させることによるものであることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項7に記載された発明は、請求項5において、前記冷却の方法は、前記第2のガラス管の内部に金属棒を配置したことによるものであることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項8に記載された発明は、請求項5において、前記冷却の方法は、前記第2のガラス管の内部に金属棒を配置すると共に、前記第2のガラス管の内面と前記金属棒の外面との間の隙間に冷却ガスを流通させることによるものであることを特徴とするものである。
本発明は、第1のガラス管と該第1のガラス管の両端部を封止する第2のガラス管を融着する工程において、前記第2のガラス管の内面側を冷却しながら第1のガラス管との加熱融着を行うようにした。
そのため、後工程において排気管の役割を果たす第2のガラス管の、第1のガラス管との融着部側の開口端部の形状が融着時の熱によっても変形することなく維持されるようになった。その結果、フィラメントに被着されたエミッタの活性化工程において、排気路のコンダクタンスを小さくでき、第1のガラス管内の排気を迅速且つ確実に行うことが可能となった。
また、加熱終了後の第2のガラス管の内面側と外面側の温度勾配を小さくすることができるため、残留応力の発生を抑制することが可能となり、残留応力に起因するクラックによる破壊の可能性を減らすことができるようになった。同時に、フィラメント及びフィラメントに被着された電子放射性物質も冷却されるため、熱による変質を防止することができ、点灯時の安定した光特性が得られると共にランプ寿命の長寿命化を図ることができるようになった。
以下、この発明の好適な実施形態を図1から図6を参照しながら、詳細に説明する(同一部分については同じ符号を付す)。尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの実施形態に限られるものではない。
本発明は熱陰極蛍光ランプの製造方法であり、特にガラス管の管径が5〜7mmφの熱陰極蛍光ランプに好適な製造方法である。本発明の要点は、ガラス管を電極(フィラメント)がステムに支持されてなるマウントで加熱封止する工程において、該マウントを構成する排気管の開口端部が加熱封止時の熱によって縮径或いは閉塞することなくその形状を維持することが可能な熱陰極蛍光ランプの製造方法を提案することにある。
図1は、その熱陰極蛍光ランプの製造方法を製造工程に沿って示したものである。以下、図を参照して製造方法を詳細に説明する。
まず、図1(a)の、部材準備の工程において、内壁面に蛍光物質が塗布されたガラス管1、コイル状の電極(以下、フィラメントと呼称する)2、所定の長さの金属線からなる導入線3、所定の長さ及び径の管状ガラスからなる排気管4を準備する。
次に、(b)の、電極のマウント工程において、一対の導入線3の夫々の一方の各端部間にフィラメント2をカシメ或いは溶接等の方法により継線し、且つフィラメント2をガラス管1に挿入したときに該フィラメント2がガラス管1内の所定の位置に位置するように導入線3を屈曲して成形する。
この場合、ガラス管1に対するフィラメント2の位置及び方向は任意である。そのため、導入線3は、例えば(b)−(1)のようにフィラメント2がガラス管1の軸方向と平行な方向に配置される形状、或いは(b)−(2)のようにフィラメント2がガラス管1の径方向と平行な方向に配置される形状に成形される。一対の導入線3のフィラメント2が継線されていない夫々の他方の端部側は互いに離隔する方向に屈曲される。
次に、図示はしていないが、エミッタの塗布工程において、フィラメントの表面に電子放射性物質(以下、エミッタと呼称する)を炭酸塩の状態で塗布する。
その後、(c)の、マウント及び排気管の挿入工程において、ガラス管1の開口部より、フィラメント2が一対の導入線3に支持されてなるマウント5をフィラメント2側からガラス管1内に挿入し、導入線3のフィラメント2が継線されていない側の屈曲部3aをガラス管1の開口端部1aに接触させる。
続いて、同様に排気管4をガラス管1の開口部1bよりガラス管1内に挿入する。排気管4のガラス管1に対する挿入長は2〜5mm程度が好ましい。このため、排気管4に先立ってガラス管1内に挿入されるマウント5は、その後に挿入される排気管4が接触しないような位置まで挿入しておく必要がある。
なお、排気管4は、ガラス管1の内径に対して1〜2mm程度小さい外径のものを使用することが望ましい。これにより、導入線3の、ガラス管1の開口部1bより突出した部分と排気管4が干渉することがなく、マウント5の位置が排気管4によって影響されることはない。排気管4は、導入線3と干渉しない限り大きな外径のものを使用することにより後工程における処理を有利に行うことができる。
例えば、ガラス管1の封止工程において、ガラス管1に対する融着部のガラス量を低減することができるため、融着部に発生する残留応力が抑制でき、残留応力に起因するクラックによる破壊の可能性を減らすことができる。また、フィラメント2に塗布されたエミッタの活性化工程において、排気路のコンダクタンスを小さくできることから、ガラス管1内の排気を迅速且つ確実に行うことが可能となる。
次に、(d)の封止工程において、ガラス管1と排気管4の重なった部分をガスバーナー等で加熱し、融着する。その際、ガラス管1と排気管4と共に導入線3も一体化される。
この封止工程においては、排気管4の、ガラス管1内に位置する開口端部4aが加熱により変形するのを防ぐために、窒素等の不活性ガス或いは大気をガラス管1内に流通させながら加熱、融着を行う。そうすることにより、ガラス管1と排気管4の外面側が加熱、融着されると同時に、流通するガスで排気管4の内面側が冷却され、排気管4の開口端部4aの形状が維持される。
排気管4の内面側が冷却されると、加熱終了後も該内面側に熱が滞留することがなく、排気管4の内面側と外面側の温度勾配を小さくすることができる。そのため、残留応力の発生を抑制することが可能となる。同様に、フィラメント2及びフィラメント2に塗布されたエミッタもガスによって冷却されるため、熱による変質を避けることができる。
次に、図示してはいないが、上述と同様の工程を経て、ガラス管の他方の開口部に導入線を含めて排気管を加熱融着して一体化する。その後、ガラス管の両端部に形成せれた封止部のうち、一方の側の排気管をチップオフして閉塞する。なお、排気管のチップオフに先立ち、予め排気管内にアマルガム、合金等の水銀放出部材を挿入しておくことにより、後工程の水銀封入工程において利用することができる。
その後、(e)のエミッタの活性化工程において、チップオフされていない側の排気管4を真空ポンプ(図示せず)に接続し、ガラス管1内を真空に排気した後に導入線3を介してフィラメント2に通電し、フィラメント2に塗布されたエミッタを金属酸化物の状態にして活性化を図る。
最後に、(f)の希ガス及び水銀の封入工程において、ガラス管1内に希ガス及び水銀を封入した後、排気管4をチップオフして閉塞し、熱陰極蛍光ランプ20が完成する。なお、希ガスの種類、圧力は任意であり、水銀の封入は従来と同様の方法で行われる。
以上が、熱陰極蛍光ランプの製造方法に係る基本的な製造工程であるが、そのなかのいくつかの工程においては、他の処理方法を採用することも可能である。
例えば、(b)の電極のマウント工程において、図2に示すように、導入線3を成形する際に、各端部間にフィラメント2を継線した一対の導入線3の中間部をガラス等の絶縁性を有する部材からなるビーズ6で固定することも可能である。マウント5をこのような構造とすることにより、ビーズ6により固定された導入線3を介してフィラメント2の位置決めが高精度に行われる。ビーズ6の寸法は、後工程となるエミッタの活性化工程及びガラス管1の排気工程においてガラス管1の内径に対してガスの流通を阻害しない程度の大きさであればよい。
同様に、(b)の電極のマウント工程において、導入線は必ずしも一対を2本で構成する必要はなく、図3に示すように、3本以上で構成してもよい。その場合、例えばフィラメント2が継線された2本の導入線3と共に、フィラメント2を覆うように配設される金属スリーブ7や水銀放出材料等を支持する導入線8の3本の導入線3、8で構成される。このようなマウント構造にすることは熱陰極蛍光ランプにおいては通常実施される手法である。
また、(c)のマウント及び排気管の挿入工程において、ガラス管1に対するフィラメント2の位置決めを確実なものとするため、ガラス管1に対する排気管4の挿入に先立ち、ガラス管1の開口端部1aをガスバーナー等で加熱溶融して導入線3を融着し、ガラス管1とマウント5を一体化してもよい。或いは、ガラス管1に対するマウント5の挿入に先立ち、排気管4の開口端部4aをガスバーナー等で加熱溶融して導入線3の屈曲部3aを融着し、排気管4とマウント5を一体化してもよい。
或いは、図4に示すように、ガラス管1に対するマウント5の挿入に先立ち、排気管4の開口端部4aに導入線3を伴ってリング状のガラスビード9を被せ、該ガラスビード9をガスバーナー等で加熱溶融して導入線3を融着し、排気管4とマウント5をガラスビード9で一体化してもよい。その後、ガラス管1の両端部にガラスビード9を挿入してガラス管1の外側から加熱することにより、ガラス管1と排気管4を該排気管4の外面に融着されたガラスビード9を介して融着し、ガラス管1の両端部にマウント5を固定する。
また、(d)の封止工程においては、ガスの流量を適切に制御することは重要な要件である。具体的には例えば図5に例示するように、ガスの流量が少なすぎると期待する冷却効果が得られないために図5(a)のように排気管4の開口端部4aが閉塞、或いは図5(b)のように排気管4の開口端部4aが縮径する。また、ガスの流量が多すぎると図5(c)のように排気管4の開口端部4aの一部が風船状に膨張して該排気管4の肉厚が極端に薄くなり、最悪の場合、排気管4が破裂する恐れもある。
そこで、試作、実験を経て得た、排気管の開口端部の変形を防止するガスの最適流量は、排気管の中空部の単位断面積当たりの流量として、23〜117(l/h・mm)の範囲であった。
ここで上述の製造工程に基づいて作製した熱陰極蛍光ランプの具体例について以下に記す。
ガラスビーズを用いないマウントを使用した場合、
ガラス管:外径5.8mmφ、内径4.7mmφ、(肉厚0.55mm)
排気管:外径3.4mmφ、内径2.6mmφ、(肉厚0.4mm)
導入線:外径0.25mmφ
ガスの最適流量範囲:120〜620(l/h)
であった。
ガラスビーズを用いたマウントを使用した場合、
ガラス管:外径5.8mmφ、内径4.7mmφ、(肉厚0.55mm)
ガラスビード:外径3.8mmφ、内径3.0mmφ、(肉厚0.4mm)
排気管:外径2.4mmφ、内径2.0mmφ、(肉厚0.2mm)
導入線:外径0.25mmφ
ガスの最適流量範囲:70〜370(l/h)
であった。
さらに、同様に(d)の封止工程において、図6に示すように、排気管4の開口部4bに金属棒10を挿入すると共に、排気管4の内面と金属棒10の外面との間の隙間に窒素等の不活性ガス或いは大気をガラス管1内に流通させながら加熱、融着を行い、加熱、融着完了と同時に金属棒10引き抜く方法も可能である。これにより、排気管4の内面側が更に強力に冷却され、排気管4の開口端部4aの形状維持をさらに確実なものとすることができる。
以上説明したように、本発明の熱陰極蛍光ランプの製造方法は、一般的に用いられているフレアステム或いはビードステムを使用せず、ガラス管、排気管、及び導入線を一体に融着したステム構造を採用した。その結果、従来の、排気管付きステム構造では小型化の困難性から作製が難しかったガラス管の管径が7mmφの細径の熱陰極蛍光ランプを容易に作製することが可能となった。
ステム構造がフレア或いはビードを用いない構造であるため、排気管の両端の封止部の肉厚を薄くすることができる。これにより、排気管の管径が5mmφ以上であっても残留応力の発生を抑制することができる。
ステム構造がガラス管、排気管、及び導入線を一体に融着した構造であるため、マウントをガラス管に挿入したときにフィラメントの位置決め及び固定が確実に行われる。そのため、ガラス管の内壁に対するフィラメントの接触が確実に回避され、点灯時の安定した光特性が得られると共にランプ寿命の長寿命化が図られる。
マウントによるガラス管の封止工程において、窒素等の不活性ガス或いは大気をガラス管内に流通させながら加熱、融着が行われる。そのため、加熱、融着中においても封止部の内面部(排気管の内面部)が冷却され、排気管の開口端部の形状維持が可能となった。このとき、フィラメント及びフィラメントに塗布されたエミッタも同時に冷却されるために熱による変質を防止することがでる。そのため、上記同様、点灯時の安定した光特性が得られると共にランプ寿命の長寿命化を図ることができる。
同様に、マウントによるガラス管の封止工程において、窒素等の不活性ガス或いは大気をガラス管内に流通させながら加熱、融着が行われるため、加熱終了後の封止部(排気管)の内面側に熱が滞留することがない。その結果、封止部の内面側と外面側の温度勾配が小さく抑えられ、その部分における残留応力が抑制されてクラックによる破損の恐れが少なくなる。
また、封止工程において、ガスの流通に加えて排気管の開口部に金属棒を挿入し、加熱、融着完了と同時に金属棒引き抜く方法を採用することにより、排気管の開口端部の形状維持をより確実なものとすることができる。
さらに、排気管の外径をガラス管の内径に対して1〜2mm程度小さいものとすることにより、従来のフレアステム或いはビードステムに用いられる排気管よりも径の大きい排気管を使用することが可能となるとなる。それと同時に、フィラメントと真空ポンプを結ぶ排気経路の途中にビード等の障害物が存在しない構造であるため、排気速度が速められて生産性が向上すると共に、エミッタの活性化工程においてエミッタから放出される不純ガスの残留量を低減することができるために、信頼性の高い熱陰極蛍光ランプを実現することができる。
本発明の熱陰極蛍光ランプの製造方法に係る製造工程図である。 製造工程の一部を示す図である。 同じく、製造工程の一部を示す図である。 同じく、製造工程の一部を示す図である。 ガラス管と排気管の融着状態を示す図である。 製造工程の一部を示す図である。 従来例のカウント構造を示す図である。 従来例の熱陰極蛍光ランプの製造方法に係る製造工程図である。
符号の説明
1 ガラス管
1a 開口端部
1b 開口部
2 フィラメント
3 導入線
3a 屈曲部
4 排気管
4a 開口端部
4b 開口部
5 マウント
6 ビーズ
7 金属スリーブ
8 導入線
9 ガラスビード
10 金属棒
20 熱陰極蛍光ランプ

Claims (8)

  1. 内壁面に蛍光物質が均一に塗布された第1のガラス管の両端部と前記第1のガラス管の内径よりも小さい外径を有する第2のガラス管の一方の端部で融着部が形成されると共に前記第2のガラス管の他方の端部が溶融閉塞されて気密空間が形成され、前記気密空間の該気密空間を形成する前記第1のガラス管の両端近傍に位置する、電子放射性物質が被着されたフィラメントに電気的に接続された一対の導入線が前記融着部を貫通して前記気密空間の外部に延びている熱陰極蛍光ランプの製造方法であって、
    前記第1のガラス管と前記第2のガラス管の融着工程において、前記第1のガラス管と前記第2のガラス管の融着部の前記第2のガラス管の内面側を冷却しながら前記第1のガラス管の外側から加熱することにより前記第1のガラス管と前記第2のガラス管の外面側を融着することを特徴とする熱陰極蛍光ランプの製造方法。
  2. 前記冷却の方法は、前記第2のガラス管の内部に冷却ガスを流通させることによるものであることを特徴とする請求項1に記載の熱陰極蛍光ランプの製造方法。
  3. 前記冷却の方法は、前記第2のガラス管の内部に金属棒を配置したことによるものであることを特徴とする請求項1に記載の熱陰極蛍光ランプの製造方法。
  4. 前記冷却の方法は、前記第2のガラス管の内部に金属棒を配置すると共に、前記第2のガラス管の内面と前記金属棒の外面との間の隙間に冷却ガスを流通させることによるものであることを特徴とする請求項1に記載の熱陰極蛍光ランプの製造方法。
  5. 内壁面に蛍光物質が均一に塗布された第1のガラス管の両端部と前記第1のガラス管の内径よりも小さい外径を有する第2のガラス管の一方の端部がリング状のガラスビードを介して融着されると共に前記第2のガラス管の他方の端部が溶融閉塞されて気密空間が形成され、前記気密空間の該気密空間を形成する前記第1のガラス管の両端近傍に位置する、電子放射性物質が被着されたフィラメントに電気的に接続された一対の導入線が前記ガラスビードを貫通して前記気密空間の外部に延びている熱陰極蛍光ランプの製造方法であって、
    前記第1のガラス管と前記第2のガラス管の融着工程において、前記第1のガラス管と前記第2のガラス管の融着部の前記第2のガラス管の内面側を冷却しながら前記第1のガラス管の外側から加熱することにより前記第1のガラス管と前記第2のガラス管を該第2のガラス管の外面に融着された前記ガラスビードを介して融着することを特徴とする熱陰極蛍光ランプの製造方法。
  6. 前記冷却の方法は、前記第2のガラス管の内部に冷却ガスを流通させることによるものであることを特徴とする請求項5に記載の熱陰極蛍光ランプの製造方法。
  7. 前記冷却の方法は、前記第2のガラス管の内部に金属棒を配置したことによるものであることを特徴とする請求項5に記載の熱陰極蛍光ランプの製造方法。
  8. 前記冷却の方法は、前記第2のガラス管の内部に金属棒を配置すると共に、前記第2のガラス管の内面と前記金属棒の外面との間の隙間に冷却ガスを流通させることによるものであることを特徴とする請求項5に記載の熱陰極蛍光ランプの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112867893A (zh) * 2018-10-01 2021-05-28 福罗威尔国际照明(控股)有限公司 线性led光源及其制造方法

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