JP4385495B2 - 高圧放電ランプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は高圧放電ランプ、特には、発光管に透光性セラミック管が使用された高圧放電ランプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図7は、いわゆる従来技術ではないが、本願発明者らが従来の高圧放電ランプの問題点を解決する為に創り出した高圧放電ランプの発光管の概略構造を示す断面図、図8は図7に示す発光管端部の拡大断面図である。この発光管は、特に、セラミック製のスリーブ7を備えている点で従来のものとは異なるものである。
【0003】
図において発光管を構成する本管1は透光性セラミック管で、その両端部は本管1と同じ材質からなるセラミックの細管2を有している。電極コイル3および電極極芯5を保持した電気導入体6および9とセラミック細管2とはセラミック製のスリーブ7を介して耐ハロゲン性の封着ガラス10で気密封止されている。電気導入体9はニオブのような熱膨張率がセラミックのそれとよく近似した材料からなり、電気導入体6はモリブデンやサーメットのような耐ハロゲン性を有する材料で構成されている。電気導入体6の一方は電極極芯5と、他方は電気導入体9とそれぞれ突き合わせ溶接されている。電気導入体9のセラミックスリーブ7を介して細管2に挿入された部分および電気導入体6の電気導入体9との突き合わせ接合部および電気導入体6の一部は耐ハロゲン性を有する封着ガラス10で覆われている。
【0004】
このように構成された発光管において、本管1内における電極コイル3の位置はランプ特性を決める重要な因子である。電極コイル3が本管1内に長く突き出していると、電極後方の温度が上がりにくく、突き出しが短いと逆に電極後方の温度は上がり過ぎる。発光管内に封入した水銀、メタルハライドなどの充填物はランプ動作時電極後方に溜まっているので、この部分の温度が変わると充填物の蒸気圧に影響を与え、その結果ランプ特性は大きく変化する。従って電極コイル3の本管内での位置決めは正確でなければならない。一般には電極コイル3の本管内での位置決めは電気導入体9の細管2内に差し込む長さを一定にすることで制御している。
【0005】
このような目的で電気導入体9に突起部13を設ける。封着ガラスを用いたろう付け工程は一般には融けた封着ガラスが重力で下に流れるように、封着ガラスを上にして発光管を垂直に立てた状態で行われる。このとき電気導入体9に設けられた突起部13が細管2の端部に当たり、本管内の電極位置は正確に位置決めされる。このように電気導入体に設けた突起部により、電極の位置決めをするように構成した例は、例えば特開平10−312751号公報にも開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような電気導入体に突起部を設けた構造には以下のような問題があった。すなわち、突起の形成が難しいことと、突起形成部において電気導入体が弱くなりやすいという問題である。例えば、突起を一体に形成することは可能であるが、加工に手間を要する為、電気導入体に短い線材を交差するように溶接して突起を形成する方法がある。しかしながら、線材は細くその位置決めが難しい。また、電気導入体はリード線としての役割の他に発光管の支持体としての役目も兼ねているのであるが、線材を交差するように溶接する場合、溶接の際に電気導入体が変形を起こしやすく、この部分が発光管端部の電気導入体付け根の応力の集中し易い部分である為に、この部分が破損しやすくなってしまう。
【0007】
また、電気導入体はろう付け工程中に高温で溶融した封着ガラスと反応して脆くなり、ろう付け工程以降のランプ製造工程中やランプ完成品の取り扱い時に電気導入体に機械的応力が加わると電気導入体の脆くなった部分で折損するという不具合が発生する。特に消費電力の大きいランプの発光管は重量が大きいのでこのような不具合の発生する確率が高くなる。
【0008】
本発明はこのような事情にもとづきなされたもので、その目的とするところは特に消費電力の大きいランプにも適用可能で、ランプ特性のバラツキの低減と、電気導入体の折損の防止を可能にできる構造を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本願発明は、発光管として本管とその両端に前記本管より小径の細管を有する透光性セラミック管が用いられ、前記細管に挿通された電気導入体が封着材で気密的に発光管端部に固定された封着部を備え、前記電気導入体の発光管中央側に電極が接続され、前記発光管内にイオン化可能な充填物が封入された発光管が外管内部に備えられた高圧放電ランプであって、前記電気導入体の前記発光管外側部分にのみ、ニオブ、タンタル、ニオブ合金またはタンタル合金からなる棒状体が前記電気導入体に平行に重ねて付設され、前記棒状体の端部が前記細管端部に当接されていることを特徴とするものである。
【0010】
このような構造とすることにより、例えば、電気導入体を2本使ったことと同じになり、電気導入体を簡単に補強することが出来、折損を防止することが出来る。また、棒状体を付設することにより、付設端に段差が形成される為、これを位置決め手段として利用することが出来る。そして、棒状体を電気導入体に平行に重ねて付設する場合、例えば、端部から離れた位置での溶接で固定することが可能であるので、位置決めが容易であり、さらに、発光管端部の電気導入体付け根部分の強度を低下させてしまうこともない。
【0011】
上記棒状体としては、種々の形状、材質のものを用いることが可能であるが、例えば線材を用いるのが簡便である。特に、形状としては、端部が偏平形状となっているもの、L字形状となっているものを用い、発光管側端部側にこの部分を配置するようにするのが好ましい。
【0012】
すなわち、棒状体の発光管側端部の形状が、偏平形状であるもの、棒状体の発光管側端部の形状が、L字形状であるものが好ましい。棒状体の端部形状を扁平形状、L字形状とすることで、発光管端部に確実に当たり、位置決めがより正確に出来るようになる。特に、径の大きな細管を備えた構造の場合のように発光管端部の封着部径が大きくなる場合には、効果的である。
【0013】
また、本願発明に係る高圧放電灯において、発光管として本管とその両端に前記本管より小径の細管を有する透光性セラミック管が用いられ、前記細管を挿通して該細管の発光管外方端部において電気導入体が封着材で気密的に固定され、棒状体の端部が細管端部に当接されている。
【0014】
さらに、上記のように、細管を備えた構造の場合、細管の内径をA(mm)、電気導入体の径をB(mm)、棒状体の径をC(mm)としたとき、A、BおよびCの間に
C≧((A−B)/2)+0.2
の関係が成立するように構成するのが好ましい。
【0015】
このように径を限定することによって、電気導入体と棒状体との溶接により、棒状体に変形が起こったとしても、電極位置がバラツクことがなく、従ってランプ特性のバラツキを低減できる。
【0016】
棒状体の材質としては、ニオブ、タンタル、ニオブ合金またはタンタル合金を用いる。
【0017】
このような材質を用いることによって、棒状体はセラミックの線膨張率とよく近似したニオブ、タンタル、ニオブ合金またはタンタル合金により構成されるから、棒状体、電気導入体、封着ガラスおよびセラミック細管とのそれぞれ線膨張率の違う材料の組み合わせに起因する熱応力が原因で発生する封止部リークが防止できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下本願発明の実施形態を示すことにより、さらに本願発明について詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は本願発明の第1の実施形態である高圧放電ランプの発光管の概略構造断面図、図2はこの発光管の端部拡大断面図である。透光性アルミナ管からなる発光管は中央部の本管1とその両端に取り付けられた本管1よりも小径の細管2とから構成されている。細管2の発光管外側端部における内部には電極極芯5に接続した電気導入体6,9がセラミックスリーブ7を介して封着ガラス10により気密的に固定されている。電気導入体9には電極位置決めピンの役割を兼ねる棒状体8が溶接により付設されている。棒状体8は、ロウ付け時に棒状体8を細管2の端部に当てることにより電極の位置を正確に決める役割をする。
【0019】
棒状体8は電気導入体9と平行にして数カ所で電気溶接により固定する。棒状体8の長さは電気導入体9の発光管外方に突き出している長さにほぼ合わせてある。こうすることにより棒状体8に電気導入体および発光管支持体の役目を兼ねさせることができ、電気導入体9の機械的強度を補強できる。棒状体8の一部は封着ガラス10で覆われるため、材質としてはセラミックと線膨張率が近似する金属が適当である。セラミックと線膨張率が異なる金属を使用すると、封着ガラス10で覆われた部分の封着ガラス10にクラックを発生しリークの原因となる。棒状体8に使用できる金属としてはニオブ、ニオブ合金、タンタルおよびタンタル合金が適当である。
【0020】
電極極芯5には電極コイル3と第2コイル4が巻き付けてある。電極コイル3の役割はランプ点灯時に電極先端部に形成されるアークスポットの高温から電極を守ることである。第2コイル4の役割は電極先端部の熱を電極後方に逃がすことと、セラミックスリーブ7の位置決めである。電気導入体6は耐熱性と耐ハロゲン性を有し、熱膨張率がセラミックスリーブのそれと大きく違わないものが好ましい。このような材料としてはモリブデン又はモリブデンの合金あるいはセラミックと金属の混合物であるサーメットが使用できる。また電気導入体9は耐熱性を有し熱膨張率がセラミックのそれと良く近似しているものが好ましい。このような材料としてはニオブ、ニオブ合金、タンタルおよびタンタル合金が使用できる。
【0021】
次に消費電力が400Wの実施例について説明する。図1に示したのと同じ構成で、発光管中央部の本管1の内径は16mm、両端部の細管2の内径は2.0mm、電極間長は23mmである。電極極芯5の径は0.9mm、電極コイル3は素線径が0.35mmのタングステン線を電極極芯5に4ないし5ターン巻き付けてあり、その最大径は1.6mmである。電気導入体6はモリブデンからなり径0.5mm、長さ3mmで電極極芯5とは突き合わせ溶接されている。電気導入体6の電極とは反対側に径0.7mmのニオブからなる電気導入体9が突き合わせ溶接されている。
【0022】
電気導入体9には電極位置決めピンの役割をする棒状体8が電気溶接で取り付けてある。棒状体はニオブ線からなり径は約1.0mm、長さは約10mmである。このように、棒状体8の寸法は、細管の内径をA(mm)、電気導入体9の径をB(mm)および位置決めピン12の径をC(mm)としたとき、A、BおよびCの間に
C≧((A−B)/2)+0.2
の関係が成立するものを使用するのが好ましい。発明者等の試験によると、棒状体としてこの条件を満足しないものを用いると、電気導入体9に棒状体8を電気溶接で固定するとき、棒状体8が変形し、棒状体8と細管2の端面との当たりが不安定となり特性バラツキの原因となることが分かった。
【0023】
セラミックスリーブ7はアルミナからなり、内径0.75mm、外径1.9mm、長さ6mmである。電気導入体9は細管2内に約3mm挿入した位置で封着ガラス10により固定されている。封着ガラス10としてはAl2O3−SiO2−Dy2O3系を用いた。この封着ガラスの溶融温度は約1,370℃で封着は約1,400℃で行う。このような処理を行うと封着ガラス10と電気導入体9とは化学反応を起こし、電気導入体9は脆化する。そのため電気導入体9は機械的強度が低下するが、本発明によると棒状体8が電気導入体の役目を兼ねているので、十分な機械的強度を確保できる。
【0024】
封着ガラス10は細管2の端部から約6mm入ったところまでの、電気導入体9,6とアルミナスリーブ7との隙間及びアルミナスリーブ7と細管2との隙間を満たしている。すなわち電気導入体6と9との接合面は封着ガラスで覆われているので、電気導入体9はハロゲンによる腐食から保護されている。
このように両端が密封された発光管内に水銀約18mg、沃化ジスプロシウム約30mg、沃化タリウム約5mg、沃化ナトリウム 約6mg、沃化セシウム 約4mg及び始動ガスとして約8KPaのアルゴンガスが封入する。
このように構成した発光管を内部が真空のガラス製の外管内に組み込んでランプを完成した。図9にこのランプの概略構造を示す。図において、93が外管、91が発光管、92はガラス製の筒である。
【0025】
これを400Wの電力で点灯姿勢水平で点灯したときの特性を測定したところ下記の通りであった。
管電力:400W
管電流:4.19A
管電圧:110V
全光束: 35400lm
平均演色評価数:82
色温度:4750K
さらに、このランプについて、裸水平点灯、400Wの電力で寿命試験を実施したところ、約6000時間経過後も何ら異常は発生しなかった。
【0026】
(実施形態2)
図3は本願発明の第2の実施形態である高圧放電ランプの発光管の端部拡大断面図である。本実施形態の発光管の構造は、棒状体8を除いて上記第1実施形態の発光管と同じである。電気導入体9には、一端が扁平加工された棒状体8が付設されている。棒状体8は細管2の端部に当てられて、ロウ付け時の電極位置決めの役割を果たす。棒状体8は、扁平に加工した側を電極側とし、電気導入体9と平行にして数カ所で電気溶接により固定する。棒状体8の長さは電気導入体9の発光管外方に突き出している長さにほぼ合わせてある。こうすることにより棒状体8に電気導入体の役目を兼ねさせることができ、電気導入体9の機械的強度を補強できる。
【0027】
ここで棒状体8の一端を扁平に加工する理由を図4の発光管端部側面図を参照しながら説明する。図4は図3におけるA−B位置における構造を分かりやすくしたものである。電気導入体9をセラミックスリーブ7を介して細管2に挿入したとき、棒状体8は細管2の端面に確実に当たらなければならない。そのため消費電力の大きいランプの場合、細管2の内径が大きくなるので棒状体8の径を大きくする必要がある。しかし棒状体8の径を大きくすると、封着ガラスと接触する部分で細管端部2や封着ガラス10にクラックを発生しリークの原因になるおそれがある。ところが棒状体8の一端に扁平部11を設けることによって見かけ上の径が大きくできるので、棒状体8自体の線径は細いものが使用でき、細管2の端部や封着ガラス10のクラック発生を防止できる。
【0028】
つぎに棒状体8の一部は封着ガラス10で覆われるため、材質としてはセラミックと線膨張率が近似する金属が適当である。セラミックと線膨張率が異なる金属を棒状体8に使用すると、封着ガラス10で覆われた部分の封着ガラス10にクラックを発生しリークの原因となる。棒状体8に使用できる金属としてはニオブ、ニオブ合金、タンタルおよびタンタル合金が適当である。
【0029】
次に消費電力が400Wの実施例について説明する。上記図1、3に示したのと同じ構成で、発光管中央部の本管1の内径は16mm、両端部の細管2の内径は2.5mm、電極間長は23mmである。電極極芯5の径は1.0mm、電極コイル3は素線径が0.5mmのタングステン線を電極極芯5に4ないし5ターン巻き付けてあり、その最大径は2.0mmである。電気導入体6はモリブデンからなり径0.5mm、長さ3mmで電極極芯5とは突き合わせ溶接されている。 電気導入体6の電極とは反対側に径0.7mmのニオブからなる電気導入体9が突き合わせ溶接されている。電気導入体9には棒状体8が電気溶接で取り付けてある。棒状体8は一端を約0.4mmの厚さに扁平に加工した長さ約10mm、線径約0.8mmのニオブ線からなり、一端を厚み0.4mmに扁平加工することにより、見かけ上の最大径は約1.6mmになっている。セラミックスリーブ7はアルミナからなり、内径0.75mm、外径2.4mm、長さ6mmである。 電気導入体9は細管2内に約3mm挿入した位置で封着ガラス10により固定されている。封着ガラス10としてはAl2O3−SiO2−Dy2O3系を用いた。この封着ガラスの溶融温度は約1,370℃で封着は約1,400℃で行う。この処理に際しても、本実施例では、電気導入体部が十分な機械的強度を確保できる。
【0030】
封着ガラスは細管の端部から約6mm入ったところまでの、電気導入体とアルミナスリーブとの隙間及びアルミナスリーブと細管との隙間を満たしている。すなわち電気導入体6と9との接合面は封着ガラスで覆われているので、電気導入体9はハロゲンによる腐食から保護されている。
【0031】
このように両端が密封された発光管内に水銀約18mg、沃化ジスプロシウム約30mg、沃化タリウム約5mg、沃化ナトリウム約6mg、沃化セシウム約4mg及び始動ガスとして約8KPaのアルゴンガスが封入される。
【0032】
このように構成した発光管を内部が真空のガラス製外管内に組み込んで、上記図9に示したのと同様のランプを完成した。
【0033】
400Wの電力で点灯姿勢水平で点灯したときの特性を測定したところ下記の通りであった。
管電力:400W
管電流:3.81A
管電圧:120.7V
全光束: 34600lm
平均演色評価数:87
色温度:4530K
さらに、このランプについて、裸水平点灯、400Wの電力で寿命試験を実施したところ、約6000時間経過後も何ら異常は発生しなかった。
【0034】
(実施形態3)
図5は本願発明の第3の実施形態である高圧放電ランプの発光管の概略構造断面図、図6はこの発光管の端部拡大断面図である。本実施形態の発光管の構造は、棒状体8を除いて上記第1、2実施形態の発光管と同じである。
【0035】
電気導入体9には端部にL字部12を有する棒状体8が付設されている。棒状体8は線径0.5mmのニオブ線をL字形に曲げたものを使用する。L字形の長い方の長さは約10mm、短い方の長さは約2mmである。棒状体8と電気導入体9とは棒状体8の長手方向を電気導入体9と平行にして数カ所で電気溶接により固定する。棒状体8の長手方向の長さは電気導入体9の発光管外方に突き出している長さにほぼ合わせてある。こうすることにより棒状体8に電気導入体の役目を兼ねさせることができ、電気導入体9の機械的強度を補強できる。棒状体8の一部は封着ガラス10で覆われるため、材質としてはセラミックと線膨張率が近似する金属が適当である。セラミックと線膨張率が異なる金属を棒状体8に使用すると、封着ガラス10にクラックを発生しリークの原因となる。棒状体8に使用できる金属としてはニオブ、ニオブ合金、タンタルおよびタンタル合金が適当である。
【0036】
次に消費電力が400Wの実施例について説明する。上記図5、6に示したのと同じ構成で、発光管中央部の本管1の内径は16mm、両端部の細管2の内径は2.0mm、電極間長は23mmである。電極極芯5の径は0.9mm、電極コイル3は素線径が0.35mmのタングステン線を電極極芯5に4ないし5ターン巻き付けてあり、その最大径は1.6mmである。電気導入体6はモリブデンからなり径0.5mm、長さ3mmで電極極芯5とは突き合わせ溶接されている。電気導入体6の電極とは反対側に径0.7mmのニオブからなる電気導入体9が突き合わせ溶接されている。セラミックスリーブ7はアルミナからなり、内径0.75mm、外径1.9mm、長さ6mmである。電気導入体9は細管2内に約3mm挿入した位置で封着ガラス10により固定されている。封着ガラス10としてはAl2O3−SiO2−Dy2O3系を用いた。この封着ガラスの溶融温度は約1,370℃で封着は約1,400℃で行う。この処理に際しても、本実施例では、電気導入体部が十分な機械的強度を確保できる。封着ガラスは細管の端部から約6mm入ったところまでの、電気導入体とアルミナスリーブとの隙間及びアルミナスリーブと細管との隙間を満たしている。このように電気導入体6と9との接合面は封着ガラスで覆われているので、電気導入体9はハロゲンによる腐食から保護されている。
【0037】
このように両端が密封された発光管内に水銀約18mg、沃化ジスプロシウム約32mg、沃化タリウム約4mg、沃化ナトリウム約6mg、沃化セシウム約4mg及び始動ガスとして約8KPaのアルゴンガスが封入されている。
このように構成した発光管を内部が真空のガラス製外管内に組み込んで、上記図9に示したのと同様のランプを完成した。
【0038】
400Wの電力で点灯姿勢水平で点灯したときの特性を測定したところ下記の通りであった。
管電力:400W
管電流:4.2A
管電圧:117V
全光束: 35500lm
平均演色評価数:89
色温度:3570K
さらに、このランプについて、裸水平点灯、400Wの電力で寿命試験を実施したところ、約6000時間経過後も何ら異常は発生しなかった。
【0039】
以上示した実施形態、本実施例においては、セラミックスリーブを用いた場合について説明したが、セラミックスリーブの代わりに例えばニオブパイプからなる熱応力緩衝体を用いた場合も同様の効果が得られる。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、棒状体が電気導入体に平行に付設されることで、これが電極位置決めピンの役割をし、発光管特性のバラツキが減る為、ランプ特性のバラツキを低減することが可能となり、さらに、電気導入体の役目を兼ねるため電気導入体の機械的強度を補強でき、寿命の優れたランプが得られる。そして、この構造を消費電力の大きいランプに適用することで、電気導入体の折損が少なく長寿命で、また、ランプ間の特性バラツキが少ない高出力ランプの製造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態の発光管の概略構造断面図。
【図2】 図1に示す発光管の端部拡大断面図。
【図3】 第2実施形態の発光管の端部拡大断面図。
【図4】 第2実施形態の発光管の端部側面図。
【図5】 第3実施形態の発光管の概略構造断面図。
【図6】 図4に示す発光管の端部拡大断面図。
【図7】 本願発明を適用しない発光管の概略構造断面図。
【図8】 図7に示す発光管端部の拡大断面図。
【図9】 実施例ランプの概略構造図。
【符号の説明】
1:本管、2:細管、3:電極コイル、5:電極極芯、6,9:電気導入体、7:セラミックスリーブ、8:棒状体、10:封着ガラス、11:偏平部、12:L字部、13:電極位置決めピン
Claims (1)
- 発光管として本管とその両端に前記本管より小径の細管を有する透光性セラミック管が用いられ、前記細管に挿通された電気導入体が封着材で気密的に発光管端部に固定された封着部を備え、前記電気導入体の発光管中央側に電極が接続され、前記発光管内にイオン化可能な充填物が封入された発光管が外管内部に備えられた高圧放電ランプであって、前記電気導入体の前記発光管外側部分にのみ、ニオブ、タンタル、ニオブ合金またはタンタル合金からなる棒状体が前記電気導入体に平行に重ねて付設され、前記棒状体の端部が前記細管端部に当接されていることを特徴とする高圧放電ランプ。
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