JP2010033758A - 低圧水銀ランプ用マウント及びその製造方法 - Google Patents

低圧水銀ランプ用マウント及びその製造方法 Download PDF

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敏行 永原
Yoshifumi Takao
義史 高尾
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  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
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Abstract

【課題】安価な製造コストで、信頼性が高く長寿命の低圧水銀ランプを提供することにある。
【解決手段】ガラス管を軟質ガラスとし、ガラス管の両端を封止して気密空間を形成するマウントの構成を、電極となるフィラメント14を夫々の一方の端部同士で支持して該フィラメント14との電気的導通を図る一対のリード線6に長寿命化が可能なコバール線を使用し、前記リード線6が気密に貫通すると共にガラス管との間で融着が行われるステムガラス11の、リード線6が気密に貫通する部分をリード線と同じ熱膨張係数を有する硬質ガラス部9で形成し、ガラス管と融着する部分を硬質ガラスと軟質ガラスの中間の熱膨張係数を有する混合ガラス部10又は中間ガラス部19で形成した。
【選択図】図12

Description

本発明は、熱陰極蛍光ランプや冷陰極蛍光ランプなどの低圧水銀ランプ用マウント及びその製造方法に関する。
熱陰極蛍光ランプ(以下、蛍光ランプと略称する)は、内壁面に蛍光物質が塗布されたガラス管の内部に希ガスと水銀が封入されると共にガラス管内の両端近傍に電極が配置された構造を有しており、この両電極間に電圧(交流電圧)を印加することにより一方の電極から放出された電子がガラス管内の希ガスや水銀の気体原子と衝突し、これらを電離、励起しながら他方の電極に向かって進み、放電が行われる。
このとき、電子の衝突を受けた水銀原子は電子のエネルギーで励起されて紫外線(波長:253.7nm)を放出し、この紫外線がガラス管の内壁に塗布された蛍光物質に照射されて該蛍光物質を励起し、可視光に変換される。
ところで、ガラス管内の両端近傍に配置する電極(以下、フィラメントと呼称する)は、一般的に、蛍光ランプの製造工程上、予めステムに支持された状態(マウント)に組立てられ、その後ガラス管の両端部を封止する。
ステムは一般的に、一対のリード線がステムガラスに気密に貫通した構造となっており、ステムを構成するステムガラス及びリード線の夫々に使用される物質は蛍光ランプの構造上、ガラス管に使用されるガラスの熱膨張係数と等しいか或いはそれに近い熱膨張係数を有するものが使用される。
例えば、ガラス管に軟質ガラスを使用した場合、ステムガラスにも軟質ガラスが使用され、導入線には軟質ガラスに近い熱膨張係数を有するジュメット線が使用される。
ガラス管に硬質ガラス(例えば、コバールガラス)を使用した場合は、ステムガラスにも同様に硬質ガラス(コバールガラス)が使用され、導入線には硬質ガラス(コバールガラス)に近い熱膨張係数を有するコバール線が使用される。
また、従来の蛍光ランプは、ステムの種類(ステムガラスの形状)がガラス管の管径によって制約される。例えば、ガラス管の管径が約7mmφ以上の場合は、ガラスを裾広がりのスカート状に成形されたフレアステムガラスを用いたフレアステムが使用され、ガラスの管径が約7〜5mmφの場合はガラスを円盤状に成形したボタンステムガラスを用いたボタンステムが使用され、ガラス管の管径が約5mmφ以下の場合はガラスを球状や楕円状に成形したビードステムガラスを用いたビードステムが使用される。
ビードステムを管径が小さいガラス管に使用するのは、フレアステム、ボタンステム、及びビードステムを管径が等しいガラス管に使用したとすると、夫々のステムを構成するフレアステムガラス、ボタンステムガラス、及びビードステムガラスのうち、ビードステムガラスが最も体積が大きくなり、そのため、ビードステムを管径が大きいガラス管に使用すると、ガラス管に対するビードステムガラスの加熱融着後の冷却過程においてガラス量の多い融着部に大きな残留応力が発生し、残留応力に起因するクラックの発生を招く恐れがあるためである。また、フレアステムは構造が複雑なため、細径化が難しい。
ところで、ガラス管に軟質ガラスを使用した蛍光ランプは、同様に軟質ガラスを使用したステムガラスとジュメット線を使用した導入線で構成されたステムを前記ガラス管の両端部に配置して封止した場合、ガラス管内に封入された水銀とジュメット線が化学反応を起こし、気密封止されたガラス管のリークを招く可能性がある。
また、ガラス管に硬質ガラスを使用した蛍光ランプは、ステムガラスと共に硬質ガラスが高価なため蛍光ランプの製造コストが高くなる。
そこで、蛍光ランプの信頼性及び製造コストを考慮して、導入線に水銀との化学反応を生じないコバール線を使用し、ステムガラスにコバール線と熱膨張係数が同じ硬質ガラス(コバールガラス)を使用し、ガラス管に安価な軟質ガラスを使用することが考えられる。
但し、この場合、ガラス管とステムガラスの熱膨張係数が大きく異なるために、ステムガラスでガラス管を封止する際の加熱融着時及び冷却時に互いの熱膨張係数の違いによる応力歪みが発生し、それに起因する種々の不具合が発生することになる。
そこで、熱膨張係数が異なる2種類のガラスを信頼性を確保しながら融着する方法が必要となるが、これに対しては図16に示すような提案がなされている。それは、殺菌灯50において、該殺菌灯50を構成する軟質系紫外線透過ガラスからなるガラス管51に設けた開口部52を前記軟質系紫外線透過ガラスとは異なる熱膨張係数を有する硬質系紫外線透過ガラスからなる透光部53で塞ぐにあたって、硬質系紫外線透過ガラスからなる透光部53を軟質系紫外線透過ガラスと硬質系紫外線透過ガラスの中間の熱膨張係数を有する中間ガラスからなる枠部材54を介して軟質系紫外線透過ガラスからなるガラス管51に取り付けるものである。
これにより、熱膨張係数の差が大きいガラス管51と透光部53が直接融着されることがなく、それよりも熱膨張係数の差が少ないガラス管51と枠部材54、及び、枠部材54と透光部53が夫々融着されて熱膨張係数の差が緩和され、それによって各融着部における応力歪みを抑制するものである(例えば、特許文献1参照。)。
特開平8−96749号公報
ところで、上記、中間ガラスを用いることによって熱膨張係数が大きく異なる2種類のガラスの熱膨張係数の差を緩和する方法は、中間ガラスを融着する別の工程が必要となり、製造リードタイムの長時間化による生産効率の低下及び製造コストの高騰を招くことになる。
そこで、本発明は上記問題に鑑みて創案なされたもので、その目的とするところは、安価な製造コストで、信頼性が高く長寿命の低圧水銀ランプを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載された発明は、電極となるフィラメントと、前記フィラメントを夫々の一方の端部同士で支持して前記フィラメントとの電気的導通を図った一対のリード線と、熱膨張係数が異なる2種類のガラス部材が一体化されてなり且つ前記一対のリード線が気密に貫通するステムガラスとを有し、内壁面に蛍光物質が均一に塗布されたガラス管の内部の端部近傍に前記フィラメントが位置した状態で前記ステムガラスにより前記ガラス管を気密封止する低圧水銀ランプ用マウントであって、前記ガラス管は第1のガラス部材からなり、前記ステムガラスは前記一対のリード線が気密に貫通する部分が前記第1のガラス部材よりも熱膨張係数が小さい第2のガラス部材からなると共に前記第1のガラス部材の外側の、前記ガラス管と融着する部分が前記第1のガラス部材と前記第2のガラス部材の中間の熱膨張係数を有する第3のガラス部材からなり、前記一対のリード線は前記第2のガラス部材と略同一の熱膨張係数を有する金属部材からなることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項2に記載された発明は、請求項1において、前記第1のガラス部材が軟質ガラス、前記第2のガラス部材が硬質ガラス、前記リード線がコバール線であることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項3に記載された発明は、電極となるフィラメントと、前記フィラメントを夫々の一方の端部同士で支持して前記フィラメントとの電気的導通を図った一対のリード線と、熱膨張係数が異なる2種類のガラス部材が一体化されてなり且つ前記一対のリード線が気密に貫通するステムガラスとを有し、内壁面に蛍光物質が均一に塗布されたガラス管の内部の端部近傍に前記フィラメントが位置した状態で前記ステムガラスにより前記ガラス管を気密封止する低圧水銀ランプ用マウントの製造方法であって、
凹部と前記凹部から途中まで延びる一対のリード線挿入穴を有する成形型の前記一対のリード線挿入穴の夫々にリード線を挿入する工程と、
前記凹部の前記リード線を包囲する領域に第1のガラス部材を配置する工程と、
前記凹部に配置された前記第1のガラス部材を包囲する領域に、前記第1のガラス部材よりも熱膨張係数の大きいガラス部材からなる前記ガラス管と前記第1のガラス部材との中間の熱膨張係数を有する第2のガラス部材を配置する工程と、
前記第1のガラス部材及び前記第2のガラス部材を加熱溶融して一体に固化して前記リード線が気密に貫通するステムガラスを形成する工程と、
前記第1のガラス部材と略同一の熱膨張係数を有する金属部材からなる前記一対のリード線の夫々の一方の端部間に前記フィラメントを継線して前記フィラメントと前記リード線を電気的に導通させる工程、
とを有することを特徴とするものである。
また、本発明の請求項4に記載された発明は、電極となるフィラメントと、前記フィラメントを夫々の一方の端部同士で支持して前記フィラメントとの電気的導通を図った一対のリード線と、熱膨張係数が異なる2種類のガラス部材が一体化されてなり且つ前記一対のリード線が気密に貫通するステムガラスとを有し、内壁面に蛍光物質が均一に塗布されたガラス管の内部の端部近傍に前記フィラメントが位置した状態で前記ステムガラスにより前記ガラス管を気密封止する低圧水銀ランプ用マウントの製造方法であって、
凹部と前記凹部から途中まで延びる一対のリード線挿入穴を有する下型の前記一対のリード線挿入穴の夫々にリード線を挿入する工程と、
前記凹部の前記リード線を包囲する領域に第1のガラス部材を配置する工程と、
前記凹部に配置された前記第1のガラス部材を包囲する領域に、前記第1のガラス部材よりも熱膨張係数の大きいガラス部材からなる前記ガラス管と前記第1のガラス部材との中間の熱膨張係数を有する第2のガラス部材を配置する工程と、
前記第1のガラス部材及び前記第2のガラス部材を加熱溶融して前記下型と上形による押圧成形で一体に固化して前記リード線が気密に貫通するステムガラスを形成する工程と、
前記第1のガラス部材と略同一の熱膨張係数を有する金属部材からなる前記一対のリード線の夫々の一方の端部間に前記フィラメントを継線して前記フィラメントと前記リード線を電気的に導通させる工程、
とを有することを特徴とするものである。
また、本発明の請求項5に記載された発明は、請求項3又は4のいずれか1項において、前記ガラス管が軟質ガラスからなり、前記第1のガラス部材が粉末状の硬質ガラス、前記第2のガラス部材が前記軟質ガラスと前記硬質ガラスの中間の熱膨張係数を有する粉末状のガラス、前記リード線がコバール線であることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項6に記載された発明は、請求項3又は4のいずれか1項において、前記ガラス管が軟質ガラスからなり、前記第1のガラス部材が管状の硬質ガラス、前記第2のガラス部材が前記軟質ガラスと前記硬質ガラスの中間の熱膨張係数を有する管状のガラス、前記リード線がコバール線であることを特徴とするものである。
本発明は、低圧水銀ランプ用マウントのステムガラスを熱膨張係数が異なる2種類のガラス部材で一体に形成した。そのうち、一対のリード線が気密に貫通する部分を前記リード線と熱膨張係数が同一のガラス部材で形成すると共に、リード線が貫通する部分の外側の、低圧水銀ランプのガラス管と融着する部分を、前記一対のリード線が貫通する部分とそれよりも熱膨張係数が大きいカラス管との中間の熱膨張係数を有するガラス部材で形成した。
そのため、ステムガラスの、リード線が貫通する部分と前記リード線との加熱融着工程及び、ステムガラスの、リード線が貫通する部分の外側の部分とガラス管との加熱融着工程において、互いに加わる応力を低減することができ、信頼性が高く長寿命の低圧水銀ランプを実現することができた。
また、成形型内に配置した夫々熱膨張係数が異なる2種類のガラス部材を加熱溶融することによってステムガラスを形成するようにした。そのため、生産効率が向上し低圧水銀ランプの低価格化が実現できた。
以下、この発明の好適な実施形態を図1から図15を参照しながら、詳細に説明する(同一部分については同じ符号を付す)。尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの実施形態に限られるものではない。
本発明は低圧水銀ランプ(本実施形態では、熱陰極蛍光ランプであり、以下、蛍光ランプと略称する。)及びその製造方法であり、ガラス管に安価な軟質ガラスを使用し、電極(フィラメント)を支持するリード線に長寿命化が可能なコバール線を使用し、前記リード線が気密に貫通するステムガラスの該リード線の貫通部分をリード線と同じ熱膨張係数を有する硬質ガラス(コバールガラス)とし、ガラス管との融着部分を硬質ガラスと軟質ガラスの中間の熱膨張係数を有するガラス部材とするものである。
以下、図1の製造工程図を参照して製造方法を説明する。まず、(a)の工程において、成形型1を準備する。成形型1は金属もしくはカーボンからなり、底部2及び側壁部3で凹部4が形成され、底部2には凹部4側から途中まで延びる一対の円筒状のリード線挿入穴5が設けられている。
次に、(b)の工程において、所定の長さに切断した一対のリード線6を成形型1のリード線挿入穴5に挿入する。リード線6は上述したようにコバール線を使用する。
次に、(c)の工程において、凹部4内の中央部に、底部2から突出したリード線6を包囲するように硬質ガラス粉末8を配置し、凹部4内の硬質ガラス粉末8が配置された領域の外側(側壁部3側)に環状に、コバールガラスからなる硬質ガラスの粉末と軟質ガラスの粉末を混合した混合ガラス粉末7を配置する。これにより、凹部4内は中央部の硬質ガラス粉末8とその周囲の混合ガラス粉末7で満たされる。
次に、(d)の工程において、硬質ガラス粉末8及び混合ガラス粉末7を加熱してガラス粉末を融解し、夫々硬質ガラス部9及び混合ガラス部10を形成してその後冷却する。このときの加熱温度は、軟質ガラスよりも融点が高い硬質ガラスの融点以上の温度で、且つリード線6と成形型1のうち何れか低い方の融点未満の温度である。加熱方法は、成形型1を直接バーナー等で加熱してもよいし、成形型1ごと加熱炉に入れて成形型1とガラス粉末7、8を同時に加熱してもよい。
加熱冷却を経て一体化されたリード線6と硬質ガラス部9は互いの熱膨張係数が同じであるために加熱冷却工程で互いに応力を生じさせることがなく、リード線6と硬質ガラス部9の間で信頼性の高い気密封止を実現することができる。
最後に、(e)の工程において、成形型1の凹部4から冷却した板状のガラスをリード線6と共に取り出す。すると、中央部に位置する硬質ガラス部9とその周囲に位置する、硬質ガラスと軟質ガラスを混合した混合ガラス部10が一体化された板状のステムガラス11と、中央部の硬質ガラス部9を気密に貫通するリード線6を備えたステム12が完成する。
完成したステム12は、その後のマウント工程において、一対のリード線の夫々の一方の端部間にコイル状のフィラメントがカシメ或いは溶接等の方法により継線され、マウントが形成される。この場合、フィラメントには予め表面に電子放射性物質(エミッタ)が炭酸塩の状態で塗布され、活性化することにより熱電子が放出し易い状態になる。
フィラメントの巻線形状やリード線によるフィラメントの支持方向は、例えば図2に示すタイプのものが考えられる。(a)のタイプのマウント13は、フィラメント14の両端部14aがコイル部14bの巻線方向と平行な方向に且つ互い背反する方向に延びており、このフィラメント14が、コイル部14bの巻線方向がリード線6の延長方向に対して垂直な方向となるようにリード線6に支持されている。
(b)のタイプのマウント13は、フィラメント14の両端部14aがコイル部14bの巻線方向と平行な方向に且つ互いに平行に並設された状態で同一方向に延びており、このフィラメント14が、コイル部14bの巻線方向がリード線6の延長方向に対して平行な方向となるようにリード線6に支持されている。
(c)のタイプのマウント13は、フィラメント14の巻線形状は(a)のマウント13と同様に、フィラメント14の両端部14aがコイル部14bの巻線方向と平行な方向に且つ互い背反する方向に延びており、フィラメント14は(b)のマウント13と同様に、コイル部14bの巻線方向がリード線6の延長方向に対して平行な方向となるようにリード線6に支持されている。そのため、リード線6のフィラメント14を支持する端部側は互いに接近する方向に屈曲されている。
なお、図示はしていないが、フィラメントからの熱電子の放出量を増加させるために、コイル部を二重或いは三重等の巻線形状にしてエミッタの塗布面積を増大させることも可能である。いずれにしても、フィラメントの巻線形状やリード線によるフィラメントの支持方向は、蛍光ランプのガラス管の管径、要求される明るさ等の要件を満たすように最適な組み合わせが選択される。
そして、マウント13は、図3のように内壁面に蛍光物質15が塗布されたガラス管16の内部両端近傍にフィラメント14を位置させた状態でガラス管16とステムガラス11が加熱融着され、ガラス管16を気密封止している。
ガラス管16とステムガラス11の融着は、軟質ガラスからなるガラス管16と軟質ガラスに対して硬質ガラスよりも熱膨張係数の差が小さい混合ガラス部で行われる。そのため、ガラス管16と硬質ガラスを融着した場合と比較して加熱融着工程での応力の発生を低減することができ、ガラス管16内の気密状態の維持をより確実なものとすることができる。
なお、気密状態のガラス管16内には水銀及び希ガスが封入されると共に、一方の端部でガラス管16内に位置するフィラメント14を支持した一対のリード線6の他方の端部がステムガラス11を貫通してガラス管16の外部に延長されて蛍光ランプ17が構成される。また、場合によってはフィラメントを囲むように周囲にパイプ又はスリーブを設けることもある。
次に、上述のステムの製造方法とは異なる別の製造方法を図4〜図11を参照して説明する。図4で示す方法は、所定の長さに切断した一対のリード線6が円筒状のリード線挿入穴5に挿入されてなる成形型1の凹部4内の中央部に、底部2から突出したリード線6を包囲するように硬質ガラス粉末8を配置し、凹部4内の硬質ガラス粉末8が配置された領域の外側(側壁部3側)に環状に、硬質ガラスと軟質ガラスの中間の熱膨張係数を有するガラス粉末(以下、中間ガラス粉末18と呼称する)を配置し、凹部4内を中央部の硬質ガラス粉末8とその周囲の中間ガラス粉末18で満たす。
その後、硬質ガラス粉末8と中間ガラス粉末18を加熱融解して冷却し、成形型1の凹部4から冷却した板状のガラスをリード線6と共に取り出す。すると、図5のような、中央部に位置する硬質ガラス部9とその周囲に位置する中間ガラス部19が一体化された板状のステムガラス11と、中央部の硬質ガラス部9を気密に貫通するリード線6を備えたステム12が完成する。
図6で示す方法は、所定の長さに切断した一対のリード線6が円筒状のリード線挿入穴5に挿入されてなる成形型1の凹部4内に、リード線挿通孔20を有する硬質ガラスの短管21をリード線挿通孔20にリード線6を挿通した状態で配置し、凹部4内のリード線6を包囲するように設けられた一対の硬質ガラス短管21が配置された領域の外側(側壁部3側)に環状の、硬質ガラスと軟質ガラスの中間の熱膨張係数を有する中間ガラスの短管22を配置する。
その後、硬質ガラス短管21と中間ガラス短管22を加熱融解して冷却し、成形型1の凹部4から冷却した板状のガラスをリード線6と共に取り出す。すると、図7のような、リード線6を包囲するように位置する硬質ガラス部9とその周囲に位置する中間ガラス部19が一体化された板状のステムガラス11と、中央部の硬質ガラス部9を気密に貫通するリード線6を備えたステム12が完成する。
図8で示す方法は、(a)のように、所定の長さに切断した一対のリード線6が円筒状のリード線挿入穴5に挿入されてなる成形型1の凹部4内に、リード線挿通孔20を有する硬質ガラスの短管21をリード線挿通孔20にリード線6を挿通した状態で配置し、凹部4内のリード線6を包囲するように設けられた一対の硬質ガラス短管21が配置された領域の外側(側壁部3側)に環状の、硬質ガラスと軟質ガラスの中間の熱膨張係数を有する中間ガラスの短管22を配置する。
ここまでは、上記図6を参照して説明した方法と同様であるが、本製造方法の場合は、成形型1を下型23とし、一対のリード線挿通孔24が設けられた上型25を予め準備して下型23に対向配置しておく。そして、(b)のように、下型23に配置された硬質ガラス短管21と中間ガラス短管22を加熱融解し、リード線挿通孔24にリード線6を挿通した状態で上型25を下型23に向けて接近移動させて融解した硬質ガラス部9と中間ガラス部19を上型の加圧によって押圧成形する。
すると、図7のような、リード線6を包囲するように位置する硬質ガラス部9とその周囲に位置する中間ガラス部19が一体化された板状のステムガラス11と、中央部の硬質ガラス部9を気密に貫通するリード線6を備えたステム12が完成する。
この製造方法では、ステムガラス11の形状が下型23と上型25によって形作られるため、寸法精度の再現性が良好なステムガラス11を得ることができる。
なお、上記押圧成形によってステムガラスを形成する方法において、図示はしないが、加熱溶融する前の部材を短管状のガラスの替わりに粉末状のガラスとすることも可能である。
ところで、ステムの構成は、上述のリード線とステムガラスからなるものだけではなく、図9のように、リード線6及びステムガラス11と共にガラスの排気管28からなる構成とすることも可能である。排気管28は硬質ガラスからなることが好ましい。
その場合、ステムの製造方法は図10のように、成形型1の底部2に凹部4側から途中まで延びる一対の円筒状のリード線挿入穴5と共に、一対のリード線挿入穴5に挟まれた位置に底部2を貫通する排気管挿通孔29を設ける。そして、円筒状のリード線挿入穴5にリード線6を挿入し、排気管挿通孔29に排気管28を挿通した後、凹部4内の中央部に、底部2から突出したリード線6及び排気管28を包囲するように硬質ガラス粉末8を配置し、凹部4内の硬質ガラス粉末8が配置された領域の外側(側壁部3側)に環状に、混合ガラス粉末7又は中間ガラス粉末18を配置し、加熱溶融した後冷却する。
また、排気管を備えたステムの別な製造方法として図11(a)のように、下型23の底部2に凹部4側から途中まで延びる一対の円筒状のリード線挿入穴5と共に一対のリード線挿入穴5に挟まれた位置に底部2を貫通する排気管挿通孔29を設け、上型25に一対のリード線挿通孔24と共に一対のリード線挿通孔24に挟まれた位置に排気管挿通孔30を設け、下型23と上型25を対向配置しておく。そして、円筒状のリード線挿入穴5にリード線6を挿入し、排気管挿通孔29に排気管28を挿通した後、凹部4内のリード線6を包囲するように設けられた一対の硬質ガラス短管21が配置された領域の外側(側壁部3側)に環状の中間ガラス短管22を配置する。
そして、(b)のように、下型23に配置された硬質ガラス短管21と中間ガラス短管22を加熱融解し、リード線挿通孔24にリード線6を挿通すると共に排気管挿通孔30に排気管28を挿通した状態で上型25を下型23に向けて接近移動させて融解した硬質ガラス部9と中間ガラス部19を上型の加圧によって押圧成形する。
上記、排気管を備えたステムの製造方法においては、加熱時の熱によって排気管の孔が塞がってしまう恐れがある。そのため、加熱時に排気管内に窒素ガスなどの冷却ガスを流通させることにより排気管に外面側から内面側に向かって温度低下する温度勾配を形成して閉塞を防止することが可能である。或いは、排気管の孔に金属棒を挿入した状態で加熱することによっても排気管の閉塞を防止することができる。
なお、図12〜図15は、上述した種々のステムにフィラメントを取り付けてなるマウントの形状を示したものである。図12及び図13のマウント13はリード線6、ステムガラス11及びフィラメント14からなり、図12はステムガラス11の内側を構成する硬質ガラス部9、外側を構成する混合ガラス部10又は中間ガラス部19の夫々を粉末を融解・固化することによって生成したものであり、図13は短管を融解・固化することによって生成したものである。
図14及び図15のマウント13はリード線6、ステムガラス11、フィラメント14及び排気管28からなり、図14はステムガラス11の内側を構成する硬質ガラス部9、外側を構成する混合ガラス部10又は中間ガラス部19の夫々を粉末を融解・固化することによって生成したものであり、図15は短管を融解・固化することによって生成したものである。
以上、詳細に説明したように、本発明は軟質ガラスによるガラス管を使用した低圧水銀ランプに使用するマウントを、電極となるフィラメントを夫々の一方の端部同士で支持して該フィラメントとの電気的導通を図る一対のリード線に長寿命化が可能なコバール線を使用し、前記リード線が気密に貫通すると共にガラス管との間で融着が行われるステムガラスの、リード線が気密に貫通する部分をリード線と同じ熱膨張係数を有する硬質ガラスで形成し、ガラス管と融着する部分を硬質ガラスと軟質ガラスの中間の熱膨張係数を有するガラス部材で形成した。
その結果、ガラス管を軟質ガラスとすることによる低圧水銀ランプの低価格化、及び、ステムガラスのリード線が気密に貫通する部分とリード線とを同じ熱膨張係数を有する部材で形成し、且つステムガラスのガラス管と融着する部分をガラス管の熱膨張係数に近い部材で形成することで加熱工程時の、熱膨張係数の違に起因する不具合発生を防止して低圧水銀ランプの高信頼性化を実現した。
また、ステムガラスの、リード線が気密に貫通する部分とガラス管と融着する部分を一括で一体化することによる生産効率の向上によっても低圧水銀ランプの低価格化を図った。
更に、リード線にコバール線が使用できたことにより低圧水銀ランプの長寿命化が実現できた。
熱陰極蛍光ランプ用マウントの製造方法に係る製造工程図である。 マウントの概略説明図である。 熱陰極蛍光ランプの概略説明図である。 別の製造方法を示す説明図である。 ステムの概略説明図である。 別の製造方法を示す説明図である。 ステムの概略説明図である。 別の製造方法を示す説明図である。 ステムの概略説明図である。 別の製造方法を示す説明図である。 別の製造方法を示す説明図である。 マウントの概略説明図である。 マウントの概略説明図である。 マウントの概略説明図である。 マウントの概略説明図である。 従来例を示す説明図である。
符号の説明
1 成形型
2 底部
3 側壁部
4 凹部
5 リード線挿入穴
6 リード線
7 混合ガラス粉末
8 硬質ガラス粉末
9 硬質ガラス部
10 混合ガラス部
11 ステムガラス
12 ステム
13 マウント
14 フィラメント
14a 端部
14b コイル部
15 蛍光物質
16 ガラス管
17 熱陰極蛍光ランプ
18 中間ガラス粉末
19 中間ガラス部
20 リード線挿通内
21 硬質ガラス短管
22 中間ガラス短管
23 下型
24 リード線挿通孔
25 上型
28 排気管
29 排気管挿通孔
30 排気管挿通孔

Claims (6)

  1. 電極となるフィラメントと、前記フィラメントを夫々の一方の端部同士で支持して前記フィラメントとの電気的導通を図った一対のリード線と、熱膨張係数が異なる2種類のガラス部材が一体化されてなり且つ前記一対のリード線が気密に貫通するステムガラスとを有し、内壁面に蛍光物質が均一に塗布されたガラス管の内部の端部近傍に前記フィラメントが位置した状態で前記ステムガラスにより前記ガラス管を気密封止する低圧水銀ランプ用マウントであって、
    前記ガラス管は第1のガラス部材からなり、前記ステムガラスは前記一対のリード線が気密に貫通する部分が前記第1のガラス部材よりも熱膨張係数が小さい第2のガラス部材からなると共に前記第1のガラス部材の外側の、前記ガラス管と融着する部分が前記第1のガラス部材と前記第2のガラス部材の中間の熱膨張係数を有する第3のガラス部材からなり、前記一対のリード線は前記第2のガラス部材と略同一の熱膨張係数を有する金属部材からなることを特徴とする低圧水銀ランプ用マウント。
  2. 前記第1のガラス部材が軟質ガラス、前記第2のガラス部材が硬質ガラス、前記リード線がコバール線であることを特徴とする請求項1に記載の低圧水銀ランプ用マウント。
  3. 電極となるフィラメントと、前記フィラメントを夫々の一方の端部同士で支持して前記フィラメントとの電気的導通を図った一対のリード線と、熱膨張係数が異なる2種類のガラス部材が一体化されてなり且つ前記一対のリード線が気密に貫通するステムガラスとを有し、内壁面に蛍光物質が均一に塗布されたガラス管の内部の端部近傍に前記フィラメントが位置した状態で前記ステムガラスにより前記ガラス管を気密封止する低圧水銀ランプ用マウントの製造方法であって、
    凹部と前記凹部から途中まで延びる一対のリード線挿入穴を有する成形型の前記一対のリード線挿入穴の夫々にリード線を挿入する工程と、
    前記凹部の前記リード線を包囲する領域に第1のガラス部材を配置する工程と、
    前記凹部に配置された前記第1のガラス部材を包囲する領域に、前記第1のガラス部材よりも熱膨張係数の大きいガラス部材からなる前記ガラス管と前記第1のガラス部材との中間の熱膨張係数を有する第2のガラス部材を配置する工程と、
    前記第1のガラス部材及び前記第2のガラス部材を加熱溶融して一体に固化して前記リード線が気密に貫通するステムガラスを形成する工程と、
    前記第1のガラス部材と略同一の熱膨張係数を有する金属部材からなる前記一対のリード線の夫々の一方の端部間に前記フィラメントを継線して前記フィラメントと前記リード線を電気的に導通させる工程、
    とを有することを特徴とする低圧水銀ランプ用マウントの製造方法。
  4. 電極となるフィラメントと、前記フィラメントを夫々の一方の端部同士で支持して前記フィラメントとの電気的導通を図った一対のリード線と、熱膨張係数が異なる2種類のガラス部材が一体化されてなり且つ前記一対のリード線が気密に貫通するステムガラスとを有し、内壁面に蛍光物質が均一に塗布されたガラス管の内部の端部近傍に前記フィラメントが位置した状態で前記ステムガラスにより前記ガラス管を気密封止する低圧水銀ランプ用マウントの製造方法であって、
    凹部と前記凹部から途中まで延びる一対のリード線挿入穴を有する下型の前記一対のリード線挿入穴の夫々にリード線を挿入する工程と、
    前記凹部の前記リード線を包囲する領域に第1のガラス部材を配置する工程と、
    前記凹部に配置された前記第1のガラス部材を包囲する領域に、前記第1のガラス部材よりも熱膨張係数の大きいガラス部材からなる前記ガラス管と前記第1のガラス部材との中間の熱膨張係数を有する第2のガラス部材を配置する工程と、
    前記第1のガラス部材及び前記第2のガラス部材を加熱溶融して前記下型と上形による押圧成形で一体に固化して前記リード線が気密に貫通するステムガラスを形成する工程と、
    前記第1のガラス部材と略同一の熱膨張係数を有する金属部材からなる前記一対のリード線の夫々の一方の端部間に前記フィラメントを継線して前記フィラメントと前記リード線を電気的に導通させる工程、
    とを有することを特徴とする低圧水銀ランプ用マウントの製造方法。
  5. 前記ガラス管が軟質ガラスからなり、前記第1のガラス部材が粉末状の硬質ガラス、前記第2のガラス部材が前記軟質ガラスと前記硬質ガラスの中間の熱膨張係数を有する粉末状のガラス、前記リード線がコバール線であることを特徴とする請求項3又は4のいずれか1項に記載の低圧水銀ランプ用マウントの製造方法。
  6. 前記ガラス管が軟質ガラスからなり、前記第1のガラス部材が管状の硬質ガラス、前記第2のガラス部材が前記軟質ガラスと前記硬質ガラスの中間の熱膨張係数を有する管状のガラス、前記リード線がコバール線であることを特徴とする請求項3又は4のいずれか1項に記載の低圧水銀ランプ用マウントの製造方法。
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