JP5476651B2 - 溶融亜鉛めっき鋼管および溶融亜鉛めっき材の製造方法 - Google Patents

溶融亜鉛めっき鋼管および溶融亜鉛めっき材の製造方法 Download PDF

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本発明は、溶融亜鉛めっき鋼管および溶融亜鉛めっき材の製造方法に関するものであって、特に、RoHS指令で規制された範囲内である、Pb含有量を0.1質量%以下、Cd含有量を0.01質量%以下とした溶融亜鉛浴を用いる溶融亜鉛めっき材の製造方法に関する。
従来、鋼管や鋼構造物等の鋼材にフラックス処理を施した後、溶融亜鉛浴に所定時間浸漬し、引上げ後冷却して亜鉛めっき皮膜を形成させることにより、鋼材の耐食性を高めるという技術が広く知られ、簡便で、種々の形状・大きさの被めっき材を同一製造ラインで処理できるため、広く用いられている。
しかしながら、例えば、配管用炭素鋼管について規定したJIS G3452、および、圧力配管用炭素鋼管について規定したJIS G3454には、溶融亜鉛めっき鋼管が規定されており、亜鉛めっき時に使用する溶融亜鉛浴としては、JIS H2107に規定する蒸留亜鉛地金1種を用いることが推奨されている。この蒸留亜鉛地金1種は、Pbを1.3質量%以下、Cdを0.4質量%以下含有するものであり、実際にはPbを1.2〜1.3質量%、Cdを0.09〜0.1質量%程度含有しているのが通常である。
これに対して、近年、欧州連合により、電機・電子機器に対し特定有害物質の使用を制限するRoHS(Restriction of Hazardous Substances)指令が施行された。このRoHS指令は、対象製品中のPbの含有率を0.1質量%以下、Cdの含有率を0.01質量%以下に制限するものである。
RoHS指令は国外の規定ではあるが、これに対応し、環境により良い製品を供給できるようにしていくことが必要になってきており、PbおよびCd含有の溶融亜鉛浴は将来的に使用されなくなる傾向にある。
しかしながら、上述したとおり、現在多くの溶融亜鉛めっき製品が、RoHS指令で規制している基準値を超えてPbおよびCdを含有する溶融亜鉛浴により製造されている。
その理由として、Pbが、溶融亜鉛浴の粘性を下げ流動性を高める等の効果を有することが挙げられる。これにより、例えば、鋼材表面が清浄でなかったり、酸化物があったりしても、めっき皮膜が形成され易くなるものである。
したがって、RoHS指令の規制内にある、Pb含有量が0.1質量%以下の電解亜鉛地金を用いた、Pb含有量の極めて少ない溶融亜鉛浴を使用して溶融亜鉛めっきを行うと、所定時間浸漬後、溶融亜鉛浴から引上げたときに亜鉛めっき皮膜が形成されていない部分が発生してしまうおそれがある。これは、俗に、不めっきと言われている現象であり、溶融亜鉛浴中のPb濃度が下がると顕著に発生してくる好ましくない現象である。
上述したような問題に関して、例えば、特許文献1および2に開示されるような、自動車や家電材料等に使用される薄鋼板の溶融亜鉛めっきにおいては、通常、十分に脱脂または高温での加熱により油分の分解除去が行われた後、鋼板表面が酸化されにくい不活性または還元雰囲気下で連続的に浴中に浸漬されていき、さらに、薄鋼板が浸漬していく溶融亜鉛浴表面も、スナウト内で不活性雰囲気になっているため、溶融亜鉛浴表面に亜鉛酸化物などの不純物が少ない結果、薄板表面は非常に高活性・清浄な状態で溶融亜鉛浴中に浸漬されることになる。
このため、鋼板表面は非常に反応性に富んでおり、後述するバッチ式の溶融亜鉛めっきに比べ、不めっきが発生しにくい状況にあるため、通常、溶融亜鉛浴中のPbの濃度は、不めっきに関してさほど問題にされない。
これに対し、バッチ式のプロセスで行われる溶融亜鉛めっきは、被めっき材の脱脂、酸洗およびフラックス処理が、それぞれ脱脂液、酸洗液およびフラックス処理液の槽内に浸漬されて行われるため、鋼管や鋼構造物などのように複雑な形状や構造等を有している被めっき材に対しては、処理が不十分な場合が多く、また、酸洗後フラックス処理まで、およびフラックス処理後溶融亜鉛浴に浸漬されるまでの搬送は、通常空気中で行なわれるために、鋼材表面が若干酸化される可能性も有している。
さらに、溶融亜鉛浴の表面は大気中にさらされているため、酸化亜鉛等の酸化物が表面に浮遊しており、それら酸化物が、バッチで浸漬される被めっき材の表面に付着した状態で溶融亜鉛浴中に浸漬される結果、不めっきを発生しやすい状況にあった。
また、実際の製造ラインにおいては、同一のフラックス液槽中に次々と被めっき材である鋼管や鋼構造物が浸漬されるため、被めっき材に付着していた油や鋼材からの溶出物でフラックス液が汚れているのが通常であり、本発明者らの検討によると、これが不めっき発生の大きな要因の一つとなっていた。
本発明者らが調査したところによると、通常のめっきラインにおいては鋼管等の被めっき物はフラックス槽に浸漬されるが、被めっき物が浸漬される部分のフラックス槽のフラックス液を採取して分析すると、油分と思われるヘキサン抽出物は0.001〜0.03質量%程度含まれており、塩化鉄も1質量%以上含まれているのが一般的であった。
一方、フラックス液を新たなフラックス液に交換することは、コストもかかり、非常に煩雑かつ製造を阻害するため、なるべく行いたくないのが実情である。
特許文献3には、Pbを実質含有しない溶融亜鉛浴を用いても、Ni:0.01〜0.05質量%、Al:0.001〜0.01質量%、Bi:0.01〜0.08質量%を溶融亜鉛浴中に添加することで不めっきが抑制され、めっき皮膜を形成できること、特に、Biを0.01質量%以上添加することで浴の流動性は向上し、0.05質量%添加することにより十分な流動性が得られることが開示されている。
しかしながら、本発明者らの検討によると、上述したような不活性雰囲気中での処理や油分の完全な清浄化が困難な状態での溶融亜鉛めっきにおいては、Biを0.3質量%添加しても不めっきを抑制することはできなかった。
本発明者らは上述したような問題を解決するために、Pbを0.1質量%以下、Cdを0.01質量%以下とした溶融亜鉛浴を用いた場合であっても、不めっきを抑制するための検討を行った。溶融亜鉛浴中の組成を制御することは非常に煩雑であり、また、製造管理上もしくはコスト面からも、溶融亜鉛浴に添加する元素の種類は少ない方がよく、しかも、添加する元素は安価なものを用いることが好ましい。
特開平8−60329号公報 特開2006−348344号公報 特開2006−307316号公報
本発明の目的は、RoHS指令の規制の範囲内である、Pb含有量を0.1質量%以下、Cd含有量を0.01質量%以下に抑制した溶融亜鉛浴を用いた場合であっても、不めっき発生の少ない溶融亜鉛めっき材の製造方法およびこの方法により製造されためっき鋼管を提供することにある。特に、既存のプロセスラインにおいて、被めっき材が、不活性雰囲気中での処理や油分の完全な清浄化が困難な状態、すなわち、酸洗後大気にさらされ、さらに油分や鉄溶出物を含むフラックス液で処理された後、大気中より、表面に亜鉛酸化物などの不純物が浮遊している溶融亜鉛浴に浸漬される場合であっても、不めっき発生を抑制することができる溶融亜鉛めっき材の製造方法およびこの方法により製造されためっき鋼管を提供することにある。
上記目的を達成するため、発明者らは鋭意検討を行った。その結果、Pb:0.1質量%以下を含有する溶融亜鉛浴に、Sb:0.1質量%以上、0.5質量%以下(より好ましくは0.2質量%未満)、Sn:1.6質量%以上、2.0質量%未満であれば、Pbの含有量がRoHS指令の範囲であっても、不めっきを改善できることを見出した。
以上の知見から得られた、本発明の要旨構成は以下の通りである。
(1)フラックス処理を施した被めっき材を、加熱溶融した溶融亜鉛浴に所定時間浸漬し、引上げ後、冷却することにより、前記被めっき材の表面に溶融亜鉛めっき皮膜を形成してなる溶融亜鉛めっき材の製造方法において、前記溶融亜鉛浴は、Sb:0.1質量%以上、0.5質量%以下、Sn:1.6質量%以上、2.0質量%未満、ならびに、Pb:0.1質量%以下を含有することを特徴とする溶融亜鉛めっき材の製造方法。
(2)前記溶融亜鉛浴中のSb含有量は、0.2質量%未満である上記(1)に記載の溶融亜鉛めっき材の製造方法。
(3)前記溶融亜鉛浴中のPb含有量は、0.002質量%以下である上記(1)または(2)に記載の溶融亜鉛めっき材の製造方法。
(4)前記溶融亜鉛浴の温度は435〜475℃である上記(1)、(2)または(3)に記載の溶融亜鉛めっき材の製造方法。
(5)前記被めっき材は、鋼管である上記(1)〜(4)のいずれか一に記載の溶融亜鉛めっき材の製造方法。
(6)前記鋼管は、外径が10〜700mmの炭素鋼管である上記(5)に記載の溶融亜鉛めっき材の製造方法。
(7)上記(5)または(6)に記載の方法により製造されることを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼管。
本発明によれば、フラックス処理を施した被めっき材を、加熱溶融した溶融亜鉛浴に所定時間浸漬し、引上げ後、冷却することにより、前記被めっき材の表面に溶融亜鉛めっき皮膜を形成してなる溶融亜鉛めっき材の製造方法において、前記溶融亜鉛浴中のPb含有量を0.1質量%以下、Cd含有量を0.01質量%以下とした場合であっても、Sb:0.1質量%以上、0.5質量%以下(より好ましくは0.2質量%未満)、Sn:1.6質量%以上、2.0質量%未満であれば、不めっき発生を抑制することができる溶融亜鉛めっき材の製造方法およびこの方法により製造されためっき鋼管を提供することができる。
次に、本発明の実施形態について説明する。
本発明は、フラックス処理を施した被めっき材を、加熱溶融した溶融亜鉛浴に所定時間浸漬し、引上げ後、冷却することにより、前記被めっき材の表面に溶融亜鉛めっき皮膜を形成してなる溶融亜鉛めっき材の製造方法において、前記溶融亜鉛浴は、Sb:0.1質量%以上、0.5質量%以下、(より好ましくは0.2質量%未満)、Sn:1.6質量%以上、2.0質量%未満、ならびに、Pb:0.1質量%以下を含有することを特徴とする。
被めっき材としては、例えば、鋼材が挙げられ、ガス管、水用配管、空調配管などに使用される鋼管を用いることができ、例えば、JIS G3452に規定するところのSGP鋼管、および、JIS G3454に規定するところのSTPG鋼管等が挙げられ、それぞれ鍛接法により造管されたものでも、電縫法により造管されたものでもよい。また、前記鋼管は、配管時のパイプスペースへの適合性、および、流送物の流量確保の上で、外径が10〜700mmの炭素鋼管であるのが好ましい。
めっきプロセスとしては、例えば通常の、1.酸洗、2、フラックス処理、3.乾燥、4.溶融亜鉛浴浸漬の順で行う方法を用いることができる。尚、各工程において、適宜、脱脂や水洗を組み合わせることができる。
酸洗処理としては、鋼材の酸洗処理として用いられている既知の定法を用いることができ、たとえば、インヒビターを添加した塩酸水溶液に目視で鋼材表面のスケールが落ちるまで浸漬するなどの方法を用いることができる。
フラックス処理については、通常と同様の方法、すなわち、塩化アンモニウムおよび塩化亜鉛等を主成分とする通常のフラックス処理液に鋼材を浸漬後引上げ、必要により乾燥させることができる。
また、上述したプロセスにおいて用いられる浴は、複数の被めっき材を処理していく間に、油分や鉄溶出物等で汚れていくが、それら不純物を含んだものでもよい。
前記溶融亜鉛浴は、Sb:0.1質量%以上、0.5質量%以下、Sn:1.6質量%以上、2.0質量%未満で、Pb:0.1質量%以下を含有する。より好ましくは、Sb:0.1質量%以上、0.2質量%未満、Sn:1.6質量%以上、2.0質量%未満で、Pb:0.1質量%以下を含有する。
SbおよびSnを含有元素として用いることは、比較的低コストで、元素の種類も少ないため製造管理の点でも好ましい。Sbの含有量が0.1質量%未満またはSnの含有量が1.6質量%未満だと不めっきが発生するおそれがある。また、コスト面を考慮すると、Sbの含有量は0.5質量%以下、Snの含有量は2.0質量%未満とし、さらに、Sbの含有量は0.2質量%未満とするのがより好ましい。
上記Sb含有量およびSn含有量の範囲は、特に、Pb含有量を0.1質量%以下とすることを前提とした溶融亜鉛浴中で、流動性の向上など顕著な効果を奏する。また、加えてCd含有量を0.01質量%以下としても、上記SbおよびSnの含有量の範囲においては上記効果を妨げるものではない。上記Pb含有量およびCd含有量の範囲は、環境上の観点から、RoHS指令において規定された範囲内のものである。さらなる環境上の観点から、Pb含有量を0.002質量%以下および/またはCd含有量を0.0002質量%以下とすれば、より好ましい浴組成となる。
不めっきは、めっき温度を高く、めっき時間を長くすることにより抑制される傾向にあるため、製造効率やめっき物の性能など他の要求項目においても許されるめっき条件において不めっきを抑制できるならば、上記成分以外のその他の元素が浴中に含有されても良い。
具体的なその他の含有元素としては、Feが浴温度での飽和濃度以下の範囲で含有されていても、上記Sb、Sn含有量の範囲においては上記効果を妨げるものではない。Fe含有量が高いほど不めっきが改善される傾向にあるが、Fe含有量が検出限界以下であっても、Sbが0.1質量%以上およびSnが1.6質量%以上含有されていれば不めっきは効果的に抑制できる。
尚、上記成分以外の残部は、Znおよび不可避的不純物からなるのが好ましい。
また、溶融亜鉛浴の組成は、Sb:0.1質量%以上、0.5質量%以下、Sn:1.6質量%以上、2.0質量%未満、Pb:0.1質量%以下およびCd:0.01質量%以下を含有し、残部がZnおよび不可避的不純物からなる組成を有するのが好ましい。さらに、この場合においても、溶融亜鉛浴中のPb含有量を0.002質量%以下および/またはCd含有量を0.0002質量%以下とすれば、環境上の観点からさらに好ましい。
また、溶融亜鉛浴の組成は、Sb:0.1質量%以上、0.2質量%未満、Sn:1.6質量%以上、2.0質量%未満、Pb:0.1質量%以下およびCd:0.01質量%以下を含有し、残部がZnおよび不可避的不純物からなる組成を有するのがより好ましい。さらに、この場合においても、溶融亜鉛浴中のPb含有量を0.002質量%以下および/またはCd含有量を0.0002質量%以下とすれば、環境上の観点からなおさらに好ましい。
被めっき材を浸漬する溶融亜鉛浴の表面は、特に不活性雰囲気にする必要は無く、大気中にさらしておいてかまわず、表面に亜鉛酸化物などの不純物が浮遊していてもかまわない。
溶融亜鉛浴の温度および浸漬時間は通常の溶融亜鉛めっき条件を用いることができ、例えば、浴温は435℃以上475℃以下が推奨される。浴温は低温なほど経済性も良く、加工性に悪影響を与える合金層の生成も抑制することができるが、めっき付着量や製品端面でのタレの発生および不めっきの観点からは低温なほど不利になる。本発明によれば上記の通常の溶融亜鉛めっきで用いられる浴温を使用することができるため、浴温度・浸漬時間は所望のめっき付着量・合金層生成量にあわせて調整することができる。
それらを考えると、前記溶融亜鉛浴の温度は、450〜465℃であるのが好ましい。
また、被めっき材を浴から引上げる際、もしくは浴から引上げた後、被めっき材の表面、特に、鋼管においてはその外面と内面に空気もしくはスチームなどを吹き付け、めっき付着量を調整しても良い。
本発明は、さらに、上述した方法により製造されるめっき鋼管を提供する。
上述したところは、この発明の実施形態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。
以下に、本発明の溶融亜鉛めっき材の製造方法およびめっき鋼管について、実施例に基づいて説明するが、本発明は、以下の実施例のみに限定されるものではない。また、実施に用いた酸洗液およびフラックス液は鋼管のめっきにより汚れた状態のもので処理する事を再現するため、それぞれ、実際の鋼管めっきラインの酸洗槽、およびフラックス処理槽の、被めっき物である鋼管が浸漬される部分より採取したもの、およびそれの分析結果に模して擬似的に不純物入りのものを実験室にて作製したものを使用した。
[グループ1]
試料No.1−1〜1−10は、試験材として、表1に示す呼び径50Aの大きさで20cmの長さに切り出した鋼管AまたはBを被めっき材とした。これら鋼管を表2に示す酸洗液ロに浸漬し、目視で表面のスケールがおちるまで放置した。その後、水洗し、表3に示すフラックス液ニに浸漬し、引上げ後、100℃の熱風オーブン内で乾燥した。これら鋼管を、所定の浴温・浴組成の溶融亜鉛めっき浴に、所定時間浸漬し引上げた。引上げ時に鋼管外面を円周状にエアーで吹き、引上げ後30秒空気中に放置した後、水冷し評価用のサンプルを得た。
また、溶融亜鉛浴を作製するに際して用いた亜鉛は電解亜鉛地金であり、Pb:0.0012質量%、Cd:0.0002質量%未満のものである。
Figure 0005476651
Figure 0005476651
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試料No.1−11および1−12は、溶融亜鉛浴を作製するに際して用いた亜鉛地金を、Pb:1.2質量%、Cd:0.09質量%含有する蒸留亜鉛とし、SbおよびSnを含有しないこと以外は、試料No.1−1および1−2と同様の処理を行った。
[グループ2]
試料No.2−1〜2−10は、試験材として、表1に示す呼び径50Aの大きさで20cmの長さに切り出した鋼管AまたはBを被めっき材とした。これら鋼管を表2に示す酸洗液イに浸漬し、目視で表面のスケールがおちるまで放置した。その後、水洗し、表3に示すフラックス液ハに浸漬し、引上げ後、100℃の熱風オーブン内で乾燥した。これら鋼管を、所定の浴温・浴組成の溶融亜鉛めっき浴に、所定時間浸漬し引上げた。引上げ時に鋼管外面を円周状にエアーで吹き、引上げ後30秒空気中に放置した後、水冷し評価用のサンプルを得た。
また、溶融亜鉛浴を作製するに際して用いた亜鉛は電解亜鉛地金であり、Pb:0.0012質量%、Cd:0.0002質量%未満のものである。
試料No.2−11および2−12は、溶融亜鉛浴を作製するに際して用いた亜鉛地金を、Pb:1.2質量%、Cd:0.09質量%含有する蒸留亜鉛とし、SbおよびSnを含有しないこと以外は、試料No.2−1および2−2と同様の処理を行った。
評価は、鋼管の外面について行い、両端から1cmの範囲は評価対象から外した。目視観察により不めっき、つまり、めっきされていない部分について評価した。
不めっき箇所が全くないものを「◎」、肉眼でようやく認められる直径1mm以内の不めっきが3箇所以下のものを「〇」、直径1mm以内の不めっきが4箇所以上、もしくは直径1mm超えから2mm以下の不めっきが8箇所以下のものを「△」、前記△よりもひどい不めっきがある場合は「×」、とした。
また、JIS H0401に規定される方法に準拠して、めっき部分を塩酸で溶解する前後の質量差よりめっき付着量を測定し、目付け量を算出した。
表4および表5に試料No.1−1〜1−12および試料No.2−1〜2−12の評価を示す。なお、表4および表5中の溶融亜鉛浴の組成は、含有元素のみを示し、残部はZnおよび不可避的不純物を示している。
Figure 0005476651
Figure 0005476651
以上のように、グループ1、グループ2ともに、Sb:0.1質量%以上、0.5質量%以下、Sn:1.6質量%以上、2.0質量%未満の場合に「△」以上となり、めっき性が良好であることがわかる。
本発明は、不活性雰囲気中での処理や油分の完全な清浄化が必要なく、通常、多くの鋼管や鋼構造物の溶融亜鉛めっきで行なわれている方法、つまり、めっき前処理工程において被めっき材が大気にさらされ、さらに油分を含むフラックスで処理された後、大気中より、表面に亜鉛酸化物などの不純物が浮遊している溶融亜鉛めっき浴に浸漬される方法においても、RoHS規制に合致するようなPbを実質上含有しない溶融亜鉛浴を用いて、不めっきを抑制した良好な亜鉛めっき鋼材製品を提供することができる。

Claims (7)

  1. フラックス処理を施した被めっき材を、加熱溶融した溶融亜鉛浴に所定時間浸漬し、引上げ後、冷却することにより、前記被めっき材の表面に溶融亜鉛めっき皮膜を形成してなる溶融亜鉛めっき材の製造方法において、
    前記溶融亜鉛浴は、Sb:0.1質量%以上、0.5質量%以下、Sn:1.6質量%以上、2.0質量%未満、ならびに、Pb:0.1質量%以下を含有することを特徴とする溶融亜鉛めっき材の製造方法。
  2. 前記溶融亜鉛浴中のSb含有量は、0.2質量%未満である請求項1に記載の溶融亜鉛めっき材の製造方法。
  3. 前記溶融亜鉛浴中のPb含有量は、0.002質量%以下である請求項1または2に記載の溶融亜鉛めっき材の製造方法。
  4. 前記溶融亜鉛浴の温度は435〜475℃である請求項1、2または3に記載の溶融亜鉛めっき材の製造方法。
  5. 前記被めっき材は、鋼管である請求項1〜4のいずれか一項に記載の溶融亜鉛めっき材の製造方法。
  6. 前記鋼管は、外径が10〜700mmの炭素鋼管である請求項5に記載の溶融亜鉛めっき材の製造方法。
  7. 請求項5または6に記載の方法により製造されることを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼管。
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