JP5475640B2 - ラクリチンの部分ペプチド - Google Patents

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Description

本発明は、涙液中のタンパク質であるラクリチンの特定の部分配列を有するポリペプチドに関する。本発明のポリペプチドは、細胞接着、特に細胞と細胞外マトリックスとの細胞接着を促進し得る。さらに本発明のポリペプチドは涙液分泌を促進し得る。
細胞と細胞外マトリックスの接着は、細胞の生存や運動性などの種々の機能に関与することが知られている。これは個体の正常な発達、組織の維持、あるいは損傷や感染からの回復を調節するための必須のプロセスである。このような細胞接着に基づいたシグナリング経路の異常が、発達異常、循環器疾患、細胞の形質転換・転移につながる場合もある。
また、細胞−細胞外マトリックス間の接着が阻害された場合、細胞は「アノイキス(anoikis)」と呼ばれる細胞死に陥ることが報告されており、細胞外マトリックスへの接着は細胞の生存にとって重要である(非特許文献1参照)。
一方、ラクリチン(Lacritin)は、涙液分泌促進因子または成長因子様タンパク質として同定されたタンパク質である(特許文献1及び2、並びに非特許文献2参照)。ラクリチンについては、以下1)〜5)が報告されている:
1)ラクリチンは、角膜上皮細胞や涙腺腺房細胞の成長因子としての活性を有していること;
2)ラクリチンは、涙液タンパク質分泌促進効果を有していること;
3)ラクリチンは、涙腺、耳下腺、小唾液腺、顎下腺、甲状腺、乳腺及び角膜上皮等の組織に由来する細胞で発現していること;
4)ラクリチンを含有する点眼剤が、ドライアイ症候群、シェーグレン症候群または角膜上皮創傷等の眼疾患の治療に利用できる可能性があること;
5)ラクリチン受容体を発現させた細胞を用い、ラクリチンに依存するカルシウムのシグナルを指標とすることで、ラクリチンやラクリチン受容体に結合する化合物を探索できること。
また、ラクリチンまたはその両末端の一部分を切断したペプチドが、H−チミジンの取り込みを検出する試験から唾液腺細胞の分裂を促進する作用を有することが報告されている(非特許文献3参照)。
しかしながら、ラクリチンまたはそのフラグメント(部分ペプチド)が、細胞と細胞外マトリックスとの接着に関与することはこれまで報告されていない。また、ラクリチンのフラグメントが涙腺腺房細胞からの涙液タンパク質の分泌促進作用を有することは報告されていない。
国際公開第02/065943号パンフレット 国際公開第05/119899号パンフレット Frisch, S. M. et al., Journal of Cell Biology 124, pp.619-626 (1994年) Sanghi, S. et al., Journal of Molecular Biology 310, pp.127-139 (2001年) Wang, J. et al. Journal of Cell Biology 174, pp.689-700 (2006年)
本発明の目的は、細胞と細胞外マトリックス、特に角膜上皮細胞と細胞外マトリックスの接着を促進し得る物質及び/又は涙腺腺房細胞からの涙液タンパク質の分泌促進作用を有する物質の提供にある。
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意検討した結果、ラクリチンの特定の部分配列を有するポリペプチドが、角膜上皮細胞と細胞外マトリックスとの接着を促進し得ること、さらに涙腺腺房細胞からの涙液タンパク質の分泌を促進し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本願発明は、以下に示す通りである。
[1]配列番号1に示すアミノ酸配列を含み、70残基以下のアミノ酸長を有するポリペプチド。
[2]配列番号1に示すアミノ酸配列において1〜3個のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列を含み、かつ上記[1]記載のポリペプチドと同等の活性を有する、70残基以下のアミノ酸長を有するポリペプチド。
[3]配列番号1に示すアミノ酸配列以外の部分が配列番号2に示すアミノ酸配列の部分配列で構成されている、上記[1]記載のポリペプチド。
[4]上記[3]記載のポリペプチドの配列において1〜3個のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列からなり、かつ上記[3]記載のポリペプチドと同等の活性を有するポリペプチド。
[5]配列番号2に示すアミノ酸配列の部分配列からなる上記[1]記載のポリペプチド。
[6]上記[5]記載のポリペプチドの配列において1〜3個のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列からなり、かつ上記[5]記載のポリペプチドと同等の活性を有するポリペプチド。
[7]配列番号3〜5のいずれかに示すアミノ酸配列からなるポリペプチド。
[8]配列番号3〜5のいずれかに示すアミノ酸配列において1〜3個のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列からなり、かつ上記[7]記載のポリペプチドと同等の活性を有するポリペプチド。
[9]上記[1]〜[8]のいずれか1項に記載のポリペプチドを含有する、細胞接着促進剤。
[10]上記[1]〜[8]のいずれか1項に記載のポリペプチドの有効濃度を細胞に接触させることを含む、細胞の接着を促進させる方法。
[11]上記[1]〜[8]のいずれか1項に記載のポリペプチドを含有する、涙液分泌促進剤。
本発明によれば、細胞と細胞外マトリックス、特に角膜上皮細胞と細胞外マトリックスの接着を促進し得る新規ポリペプチドを提供することが可能となる。本発明のポリペプチドは、移植用の角膜上皮シートを調製するための培養液に加えることによって、細胞の脱落が防止された長期間安定に機能する角膜上皮シートを調製することができる。さらに、本発明によれば、涙腺腺房細胞からの涙液分泌を促進し得る新規ポリペプチドを提供することが可能となる。涙腺に直接作用し、涙液分泌を促進し得る物質は、ドライアイおよびドライアイを伴う疾病に対して有用な予防治療薬となり得る。
本発明のポリペプチドの一実施態様は、以下の配列番号1で表されるアミノ酸配列を含むポリペプチドである。
QGTAKVTSSRQELNPLKSIVEKSILLTEQALAKA(配列番号1)
配列番号1に示すアミノ酸配列は、配列番号2に示す138残基からなるヒト由来全長ラクリチン(GenBank/EBIデータバンクのアクセッション番号NM_033277およびay005150(ゲノミック)参照)の69〜102番の部位に相当する。
さらに本発明のポリペプチドは、前記ポリペプチドと同等の活性を有する限り、配列番号1に示すアミノ酸配列において1〜3個、好ましくは1〜2個、より好ましくは1個のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列を含むポリペプチドであってもよい。
本発明のポリペプチドのアミノ酸長は、通常70残基以下、好ましくは60残基以下、特に好ましくは32〜58残基、最も好ましくは34〜55残基である。35〜55残基であることもまた好ましい。
本発明のポリペプチドのアミノ酸配列は、その一部に配列番号1に示すアミノ酸配列(又は配列番号1に示すアミノ酸配列において1〜3個のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列)を含んでいるものであれば、その他の部分は任意のアミノ酸配列であり得る。該任意のアミノ酸配列は、配列番号1に示すアミノ酸配列(又は配列番号1に示すアミノ酸配列において1〜3個のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列)のN末端側、C末端側、または、N末端側およびC末端側の両方に位置していてもよい。任意のアミノ酸配列としては、例えば、配列番号2に示すアミノ酸配列の部分配列(後述)が挙げられる。
好ましくは、本発明のポリペプチドは、配列番号1に示すアミノ酸配列以外の部分は配列番号2に示すアミノ酸配列の部分配列のみで構成されている。配列番号2に示すアミノ酸配列の部分配列は、配列番号2に示すアミノ酸配列(ラクリチンのアミノ酸配列)の任意の部分配列を意味し、配列番号1に示すアミノ酸配列の一部または全部を含むものであってもよい。配列番号2に示すアミノ酸配列の部分配列は、該配列番号1に示すアミノ酸配列のN末端側、C末端側、または、N末端側およびC末端側の両方に付加され得る。
配列番号1に示すアミノ酸配列のN末端側およびC末端側の両方に、配列番号2に示すアミノ酸配列の部分配列が付加される場合、それらは互いに、配列番号2に示すアミノ酸配列中において連続していてもよく、連続していなくともよく、または一部もしくは全部が重複したものであってもよい。
ここで、得られるポリペプチドは、当該ポリペプチドと同等の活性を有する限り、即ち当該ポリペプチドが有する細胞接着促進作用および/または涙液分泌促進作用が維持されている限り、そのアミノ酸配列において1〜3個、好ましくは1〜2個、より好ましくは1個のアミノ酸が欠失、置換または付加されていてもよい。
本発明のポリペプチドは、より好ましくは、配列番号1に示すアミノ酸配列を含む70残基以下のポリペプチドであって、全体としてラクリチンの連続した部分ペプチドとなるものである。すなわち、本発明のポリペプチドの一実施態様は、配列番号2に示すアミノ酸配列の33〜138番の一部の連続したアミノ酸配列からなる、70残基以下のラクリチンの部分ペプチドである。
ここで、得られるポリペプチドは、当該ポリペプチドと同等の活性を有する限り、即ち当該ポリペプチドが有する細胞接着促進作用および/または涙液分泌促進作用が維持されている限り、そのアミノ酸配列において1〜3個、好ましくは1〜2個、より好ましくは1個のアミノ酸が欠失、置換または付加されていてもよい。
本発明のポリペプチドのさらに好ましい実施態様は、以下の配列番号3〜5のいずれかに示すアミノ酸配列からなるポリペプチドである。
VQGTAKVTSSRQELNPLKSIVEKSILLTEQALAKA(配列番号3)
QGTAKVTSSRQELNPLKSIVEKSILLTEQALAKAGKGMHGGVPGG(配列番号4)
QGTAKVTSSRQELNPLKSIVEKSILLTEQALAKAGKGMHGGVPGGKQFIENGSEF(配列番号5)
配列番号3、配列番号4または配列番号5に示すアミノ酸配列は、ラクリチンのアミノ酸配列(配列番号2)の68〜102番、69〜113番または69〜123番にそれぞれ相当する。すなわち、配列番号3〜5に示すアミノ酸配列からなる本発明のポリペプチドは、ラクリチンの部分ペプチドである。
本発明のポリペプチドのさらに別の好ましい実施態様は、以下の配列番号8に示すアミノ酸配列からなるポリペプチドである。
EISGPAEPASPPETTTTAQETSAAAVQGTAKVTSSRQELNPLKSIVEKSILLTEQALAKA(配列番号8)
配列番号8に示すアミノ酸配列は、ラクリチンのアミノ酸配列(配列番号2)の43〜102番に相当する。すなわち、配列番号8に示すアミノ酸配列からなる本発明のポリペプチドは、ラクリチンの部分ペプチドである。
上記したラクリチンの部分ペプチドである本発明のポリペプチドは、当該ポリペプチドと同等の活性を有する限り、即ち当該ポリペプチドが有する細胞接着促進作用および/または涙液分泌促進作用が維持されている限り、それらのアミノ酸配列において1〜3個、好ましくは1〜2個、より好ましくは1個のアミノ酸が欠失、置換または付加されていてもよい。
本明細書において「アミノ酸」とは、通常「天然のアミノ酸」を意味するが、本発明の目的を満たす限り「非天然のアミノ酸」のものであってもよい。ここで「天然のアミノ酸」とは、天然のアミノ酸のL−異性体を意味する。天然のアミノ酸は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、メチオニン、トレオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、システイン、プロリン、ヒスチジン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アルギニン、オルニチン、およびリジンである。特に示されない限り、本明細書でいう全てのアミノ酸はL体であるが、D体のアミノ酸を用いた形態もまた本発明の範囲内にある。ここで「非天然のアミノ酸」とは、タンパク質中に通常は含有していないアミノ酸を意味する。非天然アミノ酸の例として、ノルロイシン、パラ−ニトロフェニルアラニン、ホモフェニルアラニン、パラ−フルオロフェニルアラニン、3−アミノ−2−ベンジルプロピオン酸、ホモアルギニンのD体またはD−フェニルアラニンが挙げられる。
本明細書において「部分ペプチド」とは、配列番号2に示されるラクリチンのアミノ酸配列において、その一部のアミノ酸配列からなるポリペプチドを示す。
本明細書において「アミノ酸の欠失」とは、アミノ酸配列の任意の位置において、構成アミノ酸が取り除かれることをいう。
本明細書において「アミノ酸の置換」とは、アミノ酸配列の任意の位置において、構成アミノ酸が別のアミノ酸に置き換わることをいう。アミノ酸の置換としては、保存的置換が好ましい。保存的置換とは、アミノ酸が同様の特性を有する別のアミノ酸で置換され、そのためペプチド化学分野の当業者によってポリペプチドの2次構造およびハイドロパシー特性が実質的に変化しないことが予期されるような置換をいう。互いに保存的置換であるアミノ酸の群としては一般に以下のものが知られている:(1)グリシン、アスパラギン、グルタミン、システイン、セリン、トレオニンおよびチロシン;(2)アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニンおよびトリプトファン;(3)グリシン、アラニン、セリン、トレオニンおよびメチオニン;(4)ロイシン、イソロイシンおよびバリン;(5)グルタミンおよびアスパラギン;(6)グルタミン酸およびアスパラギン酸;(7)アルギニン、リジンおよびヒスチジン;(8)フェニルアラニン、トリプトファンおよびチロシン。
本明細書において「アミノ酸の付加」とは、アミノ酸配列の任意の位置において、任意のアミノ酸が付け加わることをいい、アミノ酸の挿入を含む。
上述のように、本発明のポリペプチドは、当該ポリペプチドと同等の活性を有する限り、そのアミノ酸配列において1〜3個、好ましくは1〜2個、より好ましくは1個のアミノ酸が欠失、置換または付加されていてもよく、そのようなポリペプチドも本発明の範疇である。ここで、「同等の活性を有する」とは、アミノ酸が欠失、置換または付加される前のポリペプチドが有する細胞接着促進作用に対して、約80%以上、好ましくは約90%以上の細胞接着促進作用を有することを意味する。細胞接着促進作用としては、細胞と細胞外マトリックスとの接着を促進し得る作用が例示される。この作用は、後述の実施例に記載のように、適当な細胞外マトリックスをコーティングしたプレート上に被験ポリペプチドを加え、角膜上皮細胞を重層し、所定時間インキュベートした後に接着した細胞の数を測定することによりアッセイすることができる。あるいは「同等の活性を有する」とは、アミノ酸が欠失、置換または付加される前のポリペプチドが有する涙液分泌促進作用に対して、約80%以上、好ましくは約90%以上の涙液分泌促進作用を有することを意味する。涙液分泌促進作用としては、涙腺腺房細胞からの涙液タンパク質(例、ラクトフェリン)の分泌を促進する作用が例示される。この作用は、後述の実施例に記載のように、適当な涙腺線房細胞を培養し、その培地中に被験ポリペプチドを添加し、培地中に分泌された涙液タンパク質の量を定量することによってアッセイすることができる。
また、上記した各ポリペプチドは、その活性に影響を及ぼさない範囲でN末端のアミノ基、C末端のカルボキシ基またはアミノ酸側鎖の官能基が化学的に修飾された誘導体であってもよい。誘導化の例としては、アミノ基への保護基の付加(例えば、アセチル化、ホルミル化、Boc化、Fmoc化)、カルボキシル基のエステル化(エチル化など)などが挙げられる。N末端にグルタミンが存在する場合には、側鎖が閉環されピログルタミン酸になっていてもよい。
各ポリペプチドは公知の方法により塩の形態であってもよい。ポリペプチドの塩としては、薬理学的に許容される塩基(例えばアルカリ金属)や酸との塩が用いられるが、特に、薬理学的に許容される酸付加塩が好ましい。薬理学的に許容される酸付加塩としては、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸)との塩などを例示することができる。
本発明のポリペプチドは、通常の化学的合成法または組換えDNA技術などにより製造することができる。
本発明のポリペプチドを化学的合成法で製造する場合には、公知のペプチド合成法に従って製造することができる。ペプチド合成法には、固相合成法、液相合成法等があり、固相合成法が好ましい。固相合成法としては、例えばFmoc法が挙げられる。Fmoc法は、α−アミノ基を9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)基、側鎖官能基をt−ブチルアルコール系保護基で保護する方法で、Fmoc基を第二級アミンであるピペリジンにより脱保護しつつFmocアミノ酸を縮合し、最後に側鎖保護基をトリフルオロ酢酸のような弱酸により脱保護する。つまり、合成しようとするペプチドのC末端側より、α−アミノ保護基の選択的除去、保護アミノ酸の縮合という一連の操作を繰り返して保護ペプチド鎖を構築し、側鎖官能基の保護基を脱保護することにより、目的のペプチドを得ることができるものである。
固相ペプチド合成法においては、自動ペプチド合成装置による合成も一般的に用いられている(例えば、「新生化学実験講座1 タンパク質IV」(1992) 日本生化学会編, 東京化学同人;“The Peptides: Analysis, Synthesis, Biology” Vol. 1-5, ed. by E. Gross, J. Meienhofer; Vol. 6-9, ed. by S. Udenfriend, J. Meienhofer, Academic Press, New York (1979-1987))。
本発明のポリペプチドを組換えDNA技術で製造する場合には、例えば、当該ポリペプチドをコードするcDNAの塩基配列に基づいてプライマーを設計し、適当なcDNAライブラリーをテンプレートとして、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により目的とする配列を増幅することにより、当該ポリペプチドをコードするcDNAを製造することができる。このようなPCR手法は当該技術分野においてよく知られており、例えば、“PCR Protocols, A Guide to Methods and Applications”, Academic Press, Michael, et al., eds., 1990に記載されている。次いで、本発明のポリペプチドをコードするDNAを、適当な発現ベクター中に組み込み、これを真核生物または原核生物細胞のいずれかに導入して、それぞれの鎖を発現させることにより所望のポリペプチドを得ることができる。本発明のポリペプチドを発現させるために用いることができる宿主細胞の例としては、限定されないが、大腸菌、枯草菌等の原核生物宿主、および酵母、真菌、昆虫細胞、哺乳動物細胞等の真核生物宿主が挙げられる。ベクターとは、細胞にトランスフェクトすることができ、細胞ゲノム中でまたはそれとは独立に複製しうる一本鎖または二本鎖の核酸分子を表す。発現ベクターは、DNAの発現を駆動するプロモーター領域を含み、さらに転写および翻訳の制御配列、例えばTATAボックス、キャッピング配列、CAAT配列、3’非コード領域、エンハンサー等を含んでいてもよい。プロモーターの例としては、原核生物宿主中で用いる場合には、blaプロモーター、catプロモーター、lacZプロモーター、真核生物宿主中で用いる場合には、マウスメタロチオネインI遺伝子配列のプロモーター、ヘルペスウイルスのTKプロモーター、SV40初期プロモーター、酵母解糖系酵素遺伝子配列プロモーター等が挙げられる。ベクターの例には、限定されないが、pBR322、pUC118、pUC119、λgt10、λgt11、pMAM−neo、pKRC、BPV、ワクチニア、SV40、2−ミクロン等が含まれる。
発現ベクターは、これを含有する宿主細胞を選択することができるように、1またはそれ以上のマーカーを有することが好ましい。マーカーとしては、栄養要求性宿主に対する栄養、抗生物質耐性(例えばアンピシリン、テトラサイクリン、ネオマイシン、ハイグロマイシン、ジェネティシン等)、または重金属耐性(例えば銅)を与えるものを用いることができる。
さらに、シグナル配列を用いて本発明のポリペプチドを分泌発現させるように、あるいは、本発明のポリペプチドを別のポリペプチドとの融合ポリペプチドの形で発現させるように、ベクターを構築することができる。融合ポリペプチドを用いることにより、ポリペプチドの安定性を改良し、または精製を容易にすることができる。そのような発現ベクターの構築は当該技術分野においてよく知られている。
本発明のポリペプチドを発現するよう構築したベクターは、トランスフォーメーション、トランスフェクション、コンジュゲーション、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション、粒子銃技術、リン酸カルシウム沈澱、直接マイクロインジェクション等により、適当な宿主細胞中に導入することができる。ベクターを含む細胞を適当な培地中で成長させて本発明のポリペプチドを産生させ、細胞または培地から所望の組換えポリペプチドを回収し、精製することにより、本発明のポリペプチドを得ることができる。
本発明のポリペプチドは、Kunkel法又はGapped duplex法等の公知手法またはこれに準ずる方法により、その欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸位置に該当する改変を施すことにより、当該ポリペプチドをコードするcDNAを得、その遺伝子を用いて上述と同様の組換えDNA技術に付すことにより製造することもできる。遺伝子への変異導入は、例えば部位特異的突然変異誘発法を利用した変異導入用キット(例えばMutant-K(タカラバイオ株式会社)やMutant-G(タカラバイオ株式会社))など、あるいは、タカラバイオ株式会社のLA PCR in vitro Mutagenesis シリーズキットを用いて行うことができる。
上述のようにして得られた本発明のポリペプチドの単離及び精製は、公知の方法により行うことができる。公知の単離及び精製法としては、塩析、溶媒沈殿、透析、限外濾過、ゲル濾過、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、逆相高速液体クロマトグラフィー、等電点電気泳動などが挙げられる。
このようにして得られる本発明のポリペプチドは、細胞と細胞外マトリックス、特に角膜上皮細胞と細胞外マトリックスの接着を促進するものであり、以下にその具体的用途を説明する。
(1)本発明のポリペプチドを含有する角膜上皮シート調製用培養液
本発明のポリペプチドは、角膜上皮細胞と細胞外マトリックスの接着促進効果により、移植用の角膜上皮シートの調製時において特に、角膜上皮細胞と基剤との接着を促進し得る。
角膜上皮シートとは、角膜混濁に対する視力回復などを治療目的とした生体角膜の代用物であり、スティーブンス・ジョンソン症候群や化学外傷など、難治性角膜上皮疾患の治療に用いられる。角膜上皮シートは、例えば、血清培地中において羊膜やコラーゲンシート等の基剤上に角膜上皮細胞等の細胞を加えて培養し、その後、3T3線維芽細胞との共培養や、air-liftingなどの方法で重層化することにより調製される(眼科、第42巻、第3号、245〜250頁、2000年)。角膜上皮シートの調製方法としては、WO03/043542号、特開2004−298447号、特開2004−261533号、特開2002−331025号などに記載されている公知の方法が適用される。
当該角膜上皮シートの製造方法において、基剤としては、角膜上皮シート製造に用いられる公知のものが使用でき、生体由来の基剤及び人工的に作製される基剤のいずれもが使用できる。具体的には、生体由来の基剤としては羊膜、人工由来の基剤としてはコラーゲンシートが挙げられる。なお、羊膜は、子宮と胎盤の最表層を覆う膜で、出産時に胎盤とともに体外へ出される膜である。
細胞の培養に用いられる培養液としては、角膜上皮シートの製造に使用される公知の培養液、例えば、EpiLife培地(Cascade Biologics社製)、DMEM/F12培地(Invitrogen株式会社製)、DMEM培地(Invitrogen株式会社製)などが使用でき、培養液には公知の血清を含有させることができる。培養温度は、上記細胞が良好に生育できる温度であれば特に限定されず、通常15〜45℃程度である。培養時間は、上記細胞が良好に生育できる期間であれば特に限定されず、通常1〜30日程度である。
本発明のポリペプチドは、該角膜上皮シートを調製するための培養液に加えられ、角膜上皮細胞と基剤との接着を促進するための有効成分となり得る。培養液中のポリペプチドの濃度は、通常0.0001w/v%〜0.1w/v%、好ましくは0.001w/v%〜0.01w/v%である。本発明のポリペプチドは、基剤の細胞外マトリックスと角膜上皮細胞との定着を促進し、細胞の脱落が防止された強固で長期間安定に機能する角膜上皮シートの調製を可能とすることができる。
(2)本発明のポリペプチドを含有する医薬
本発明のポリペプチドは、細胞と細胞外マトリックスとの接着を促進するため、細胞接着促進剤として有用である。本発明の接着促進剤は、哺乳動物(例、ラット、マウス、モルモット、トリ、ヒツジ、ウマ、ウシ、ブタ、サル、チンパンジー、ヒト等)由来の細胞(例えば、角膜上皮細胞、角膜内皮細胞、結膜細胞など)に対して用いられ、好ましくはヒト由来の角膜上皮細胞に対して用いられる。細胞外マトリックスとは、細胞と接着し得る細胞外マトッリクスであれば特に限定されず、(1)コラーゲン、エラスチン等の繊維性タンパク質、(2)フィブロネクチン、ラミニン、ビトロネクチン等の細胞接着性糖タンパク質、(3)ヘパリン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸を含むグリコサミドグリカン等の複合糖質等が含まれ、また、これらの細胞外マトリックスから構成される基底膜(例えば、ボーマン膜、デスメ膜、羊膜など)も含むものである。
細胞の生存には、細胞外マトリックスへの細胞接着が重要であることが報告されている(Frisch, S. M. et al., J. Cell Biol. 1994, 124, 619., Porcu, M., et al., Cornea 2007, 26, 73.)。また、角膜において、細胞外マトリックスの一つであるラミニン5の消失による細胞接着阻害が、角膜上皮細胞の細胞死を促進することも報告されている。本発明のポリペプチドは、細胞外マトリックスから構成されている角膜上皮の基底膜(ボーマン膜など)への角膜上皮細胞の接着を促進することにより、眼表層における角膜上皮細胞の細胞死を抑制する。また、角膜上皮の修復には、分裂、移動(伸展)、接着からなる細胞の運動が関与することが知られている(Suzuki, K. et al., Prog. Retin. Eye Res. 2003, 22, 113)。本発明のポリペプチドは、この細胞運動における接着過程を促進することによって、角膜上皮の損傷(すなわち、創傷または欠損)の修復を促進する。
従って、本発明のポリペプチドを含有する医薬は角膜上皮障害の治療に有用である。角膜上皮障害を引き起こす具体的疾患としては、物理的・化学的刺激、アレルギー、細菌・真菌・ウイルス感染等による角膜炎のほか、角膜潰瘍、角膜上皮剥離(角膜糜爛)、角膜上皮浮腫、角膜熱傷、化学物質等による角膜腐蝕、ドライアイ、眼球乾燥症、慢性表層角膜炎、点状表層角膜症、角膜上皮糜爛、遷延性角膜上皮欠損等が挙げられる。本発明のポリペプチドはこれらの疾患に伴う角膜上皮障害の治療に特に有用である。
また、本発明のポリペプチドは、涙腺腺房細胞からの涙液分泌促進作用を有する。涙液は、角膜や結膜からなる眼球表面を覆って角結膜の湿潤性を保持し、乾燥を防いでいる。しかしながら、近年、涙液減少症に伴う角結膜表面の乾燥、コンタクトレンズ装用時の眼の乾燥、あるいはOA機器の操作中に起きる眼の乾燥等により、疲労感、異物感を始めとした種々の症状、すなわち、ドライアイ症状を訴える人が増えている。ドライアイは、しばしば角膜上皮細胞の障害による角膜上皮障害や角膜上皮糜爛等を伴い、重篤な場合は角膜潰瘍や眼感染症を発症させることもある。これらの乾燥に伴うさまざまな症状を緩和するために、塩化ナトリウム等の塩類を主剤とした人工涙液、ヒドロキシエチルセルロース、コンドロイチン硫酸又はヒアルロン酸を含む点眼剤等が使用されているが、未だ満足すべきものがないのが現状である。しかしながら、これらの対症療法によって症状を軽減することはできるが、根本的に治療するための原因療法とはならない。涙液にはその本来の機能によりドライアイによる角結膜障害を治癒する効果があると考えられるので、涙腺に直接作用し、涙液分泌を促進する物質は、ドライアイおよびドライアイを伴う疾病に対して有用な予防治療薬となることが期待される。
本発明のポリペプチドを含有する医薬品の投与剤型は特に制限されないが、好ましくは点眼剤、洗眼剤、眼軟膏、錠剤等が挙げられ、より好ましくは点眼剤または眼軟膏である。これらは汎用されている技術を用いて調製することができる。例えば、点眼剤は、添加物として、等張化剤、緩衝剤、pH調節剤、可溶化剤、増粘剤、安定化剤、保存剤等を適宜配合して調製することができる。また、pH調節剤、増粘剤、分散剤などを添加し、薬物を懸濁化させることによって、安定な点眼剤を得ることもできる。
等張化剤としては、例えばグリセリン、プロピレングリコール、塩化ナトリウム、塩化カリウム、ソルビトール、マンニトール等が挙げられる。
緩衝剤としては、例えばリン酸、リン酸塩、クエン酸、酢酸、ε−アミノカプロン酸、トロメタモール等が挙げられる。
pH調節剤としては、例えば塩酸、クエン酸、リン酸、酢酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ホウ酸、ホウ砂、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。
可溶化剤としては、例えばポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、マクロゴール4000等が挙げられる。
増粘剤、分散剤としては、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース系高分子、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が、また、安定化剤としては、例えばエデト酸、エデト酸ナトリウム等が挙げられる。
保存剤としては、汎用のソルビン酸、ソルビン酸カリウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、クロロブタノール等が挙げられ、これらの保存剤を組み合わせて使用することもできる。
本発明のポリペプチドを含有する点眼剤は、そのpHを4〜8に設定することが望ましく、また、浸透圧比を1付近に設定することが望ましい。
本発明のポリペプチドを含有する医薬品における本発明のポリペプチドの濃度は症状、年齢等に応じて設定すればよく、特に限定する必要はないが、例えば本発明のポリペプチドを点眼剤、洗眼剤等に含める場合、0.001w/v%〜1w/v%、好ましくは0.05w/v%〜0.5w/v%である。投与量としては、点眼剤を例にすれば1回1滴〜数滴、1日1〜数回点眼すればよい。点眼剤は、通常の点眼液のほか、用時溶解型の点眼液でもよい。
本発明のポリペプチドを有効成分として含有する医薬品は、例えば、哺乳動物(例、ラット、マウス、モルモット、トリ、ヒツジ、ウマ、ウシ、ブタ、サル、チンパンジー、ヒト等)などに使用することができる。
以下に実施例を用いて本発明を詳述するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1 ポリペプチドの合成
ポリペプチドの合成は、固相合成法を用いて行った。すなわち、フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)基を導入したアミノ酸を樹脂に担持し、溶媒としてジクロロメタンを用い、カップリング試薬として2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム(HBTU)及びN−メチルピロリドン(NMP)を用いてアミド結合形成反応を行った。保護基の脱離は、DMF/20%ピペリジンを用いて行った。得られた生成物を高速液体クロマトグラフィー(カラム:ODS、溶媒:水/アセトニトリル/0.05%TFA)を用いて精製し、以下のアミノ酸配列から成るポリペプチド1〜3を得た。
ポリペプチド1:VQGTAKVTSSRQELNPLKSIVEKSILLTEQALAKA(配列番号3)
白色粉末 MALDI-TOF-MS Calcd.: 3750.13; Found: 3752.27; Purity (HPLC A/A%) 96.207%
ポリペプチド2:QGTAKVTSSRQELNPLKSIVEKSILLTEQALAKAGKGMHGGVPGG(配列番号4)
白色粉末 MALDI-TOF-MS Calcd.: 4588.35; Found: 4590.14; Purity (HPLC A/A%) 96.88%
ポリペプチド3:QGTAKVTSSRQELNPLKSIVEKSILLTEQALAKAGKGMHGGVPGGKQFIENGSEF(配列番号5)
白色粉末 MALDI-TOF-MS Calcd.: 5768.64; Found: 5767.61; Purity (HPLC A/A%) 95.15%
実施例2 ポリペプチドの合成
ポリペプチドの合成は、固相合成法を用いて行った。すなわち、フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)基を導入したアミノ酸を樹脂に担持し、溶媒としてジクロロメタンを用い、カップリング試薬として2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム(HBTU)及びN−メチルピロリドン(NMP)を用いてアミド結合形成反応を行った。保護基の脱離は、DMF/20%ピペリジンを用いて行った。得られた生成物を高速液体クロマトグラフィー(カラム:ODS、溶媒:水/アセトニトリル/0.05%TFA)を用いて精製し、以下のアミノ酸配列から成るポリペプチド6および7を得た。
ポリペプチド6:QGTAKVTSSRQELNPLKSIVEKSILLTEQALAKA(配列番号1)
白色粉末 MALDI-TOF-MS Calcd.: 3653.27; Found: 3652.28; Purity (HPLC A/A%) 99.26%
ポリペプチド7:EISGPAEPASPPETTTTAQETSAAAVQGTAKVTSSRQELNPLKSIVEKSILLTEQALAKA(配列番号8)
白色粉末 MALDI-TOF-MS Calcd.: 6148.92; Found: 6146.82; Purity (HPLC A/A%) 87.47%
比較例1
上記の実施例1と同様の手法により、以下のアミノ酸配列からなるポリペプチド4および5を得た。
ポリペプチド4:EISGPAEPASPPETTTTAQETSAAAVQGTAKVT(配列番号6)
白色粉末 MALDI-TOF-MS Calcd.: 3197.56; Found: 3199.98; Purity (HPLC A/A%) 99.53%
ポリペプチド5:QGTAKVTSSRQELNPL(配列番号7)
白色粉末 MALDI-TOF-MS Calcd.: 1728.94; Found: 1728.82; Purity (HPLC A/A%) 98.01%
試験例1 ラクリチンの部分ペプチドによる、細胞外マトリックスへのヒト角膜上皮細胞の接着促進効果
96ウェルプレート(岩城硝子株式会社)に、10μg/mLの濃度の細胞外マトリックス溶液(コラーゲンタイプIV:ベクトン・デッキンソン株式会社)を加えた。それを37℃で1時間インキュベートし、プレートに細胞外マトリックスをコーティングした。余分な細胞外マトリックス溶液を除去し、細胞外マトリックスでコーティングされなかった領域をブロッキングするために、0.1%のBSA溶液(Sigma-Aldrich株式会社)を加えた。続いて、BSA溶液を除去し、PBSで2回洗浄後、実施例1および比較例1で合成したポリペプチド1〜5(濃度100μg/mL)を1ウェル当たり50μLずつ加えた。さらに、このウェルに予め無血清の状態で一晩培養した株化ヒト角膜上皮細胞(HCE−T:Invest Ophthalmol Vis Sci. 1995, 36, 614に記載された方法にて調製され得る)を2×10個/100μL DMEM/F12培地/ウェルになるように加えた。それを37℃で20分間インキュベートし、細胞をプレートに接着させた後、接着した細胞の数をMTTアッセイ法(同仁化学研究所)により測定した。ポリペプチドを加えなかった場合を100%として求めた細胞接着率を表1に示す。
Figure 0005475640
表1から明らかなように、配列番号1に示すアミノ酸配列を含むポリペプチドであるポリペプチド1〜3は、角膜上皮細胞と細胞外マトリックスとの細胞接着を促進する活性を有することが確認された。
試験例2:ラクリチンの部分ペプチドによる、細胞外マトリックスへのヒト角膜上皮細胞の接着促進効果
96ウェルプレート(岩城硝子株式会社)に、10μg/mLの濃度の細胞外マトリックス溶液(コラーゲンタイプIV:ベクトン・デッキンソン株式会社)を加えた。それを37℃で1時間インキュベートし、プレートに細胞外マトリックスをコーティングした。余分な細胞外マトリックス溶液を除去し、細胞外マトリックスでコーティングされなかった領域をブロッキングするために、0.1%のBSA溶液(Sigma-Aldrich株式会社)を加えた。続いて、BSA溶液を除去し、PBSで3回洗浄後、実施例2および比較例1で合成したポリペプチド4、6および7を最終濃度10μMになるようにPBSに懸濁し、1ウェル当たり50μLずつ加えた。さらに、このウェルに、予め無血清の状態で一晩培養した株化ヒト角膜上皮細胞(HCE−T:Invest Ophthalmol Vis Sci. 1995, 36, 614に記載された方法にて調製され得る)を2x10個/100μL DMEM/F12培地/ウェルになるように加えた。それを37℃で25分間インキュベートし、細胞をプレートに接着させた後、接着した細胞の数をMTTアッセイ法(同仁化学研究所)により測定した。ポリペプチドを加えなかった場合を100%として求めた細胞接着率を表2に示す。
Figure 0005475640
試験例3 ラクリチンの部分ペプチドによる、サル涙腺アシナー細胞からの涙液タンパク質分泌促進効果
サル涙腺をDMEM/F12培地(Invitrogen株式会社)中で細切し、0.76mg/mL EDTA(Sigma-Aldrich株式会社)を含むHBSS(Invitrogen株式会社)と200U/mL collagenase A(Roche株式会社),698U/mL Hyarulonidase(Worthington株式会社),10U/mL DNase(Roche Diagnostics株式会社)を含むDMEM/F12培地で処理し、細胞を単離した。0.01mg/cm Collagen I(ベクトン・デッキンソン株式会社)でコートされた6 ウェル プレート(旭硝子株式会社)へ1x10個の細胞を播種し、COインキュベーターで終夜37℃で培養した。翌日にサプリメントを含まないDMEM/F12培地へ培地を交換し、37℃で30分間のプレインキュベート後に、1μMのポリペプチド1または4を含むDMEM/F12培地で37℃で10分間インキュベートした。培地中に分泌された涙液タンパク質としてラクトフェリンをウエスタンブロット法で検出し、ヒトラクトフェリン(Sigma-Aldrich株式会社)を標準として定量を行った。回収した培地は2D clean up kit(Bio-rad株式会社)で精製し、NuPAGE LDS sample buffer(Invitrogen株式会社)に溶解後70℃で10分間の熱変性を行った。等量のサンプルを4−12% NuPAGE Bis Tris gel、MES buffer(Invitrogen株式会社)中で200V、35分間の電気泳動の後、トランスブロットミニセル(Bio-rad株式会社)を用いて、PVDFメンブレン(日本ミリポア株式会社)に100Vで60分間のブロッティングを行った。メンブレンは5%スキムミルク(Bio-rad株式会社)入りTTBS(Bio-rad株式会社)で室温30分間のブロッキング後、終夜4℃で1000倍希釈のラクトフェリン抗体(ウサギで作製、Sigma-Aldrich株式会社)と反応させた。TTBSで洗浄後、抗rabbit HRPの2次抗体を5000倍に希釈し室温60分間の反応を行い、ECL plus(GE healthcare株式会社)を用いて検出した。また、分泌したラクトフェリン量は、同じメンブレン上にヒトラクトフェリンの検量線を作製し、バンドのデンシティーの比較により、定量を行った。
表3に示すように、配列番号3に示すアミノ酸配列を含むポリペプチドであるポリペプチド1は、涙液タンパク質の分泌マーカーの一つであるラクトフェリンの分泌を促進した。
Figure 0005475640
製剤例1 角膜上皮シート調製用培養液
4mLのHCGS増殖添加剤(内容物:mEGF、ハイドロコーチゾン、インスリン、トランスフェリンおよびBPE、倉敷紡績株式会社 カタログ番号:KC-6150)および15mgのポリペプチド1にEpiLife培地(角膜上皮細胞基礎培地 Cascade Biologics社 カタログ番号:M-EPI-500-CA)を加え、全量500mLの培養液を調製する。
製剤例2 ラクリチン部分ペプチドを含有する点眼液
常法により下に示す点眼液を調製する。
ポリペプチド1 0.1g
リン酸二水素ナトリウム 0.1g
塩化ナトリウム 0.9g
水酸化ナトリウム 適量
滅菌精製水 適量
全量100mL(pH7)
本出願は、日本で出願された特願2008−071065を基礎としており、それらの内容は本明細書に全て包含されるものである。

Claims (10)

  1. 配列番号1に示すアミノ酸配列を含み、34〜55残基のアミノ酸長を有するポリペプチド。
  2. 配列番号1に示すアミノ酸配列以外の部分が配列番号2に示すアミノ酸配列の部分配列で構成されている、請求項1記載のポリペプチド。
  3. 配列番号2に示すアミノ酸配列の部分配列からなる請求項1記載のポリペプチド。
  4. 配列番号3〜5のいずれかに示すアミノ酸配列からなるポリペプチド。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載のポリペプチドを含有する、細胞接着促進剤。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載のポリペプチドの有効濃度を細胞に接触させることを含む、細胞外マトリックスをコーティングしたプレート上で細胞の接着を促進させる方法。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリペプチドの有効濃度を角膜上皮細胞に接触させることを含む、角膜上皮シート調製時に角膜上皮細胞と細胞外マトリックスとの接着を促進させる方法。
  8. 配列番号1に示すアミノ酸配列を含み、70残基以下のアミノ酸長を有するポリペプチドを含有する、細胞接着促進剤。
  9. 配列番号1に示すアミノ酸配列を含み、70残基以下のアミノ酸長を有するポリペプチドの有効濃度を細胞に接触させることを含む、細胞外マトリックスをコーティングしたプレート上で細胞の接着を促進させる方法。
  10. 配列番号1に示すアミノ酸配列を含み、70残基以下のアミノ酸長を有するポリペプチドの有効濃度を角膜上皮細胞に接触させることを含む、角膜上皮シート調製時に角膜上皮細胞と細胞外マトリックスとの接着を促進させる方法。
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