JP2004536570A - 眼涙増殖因子様タンパク質 - Google Patents

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Abstract

本発明は、新規涙腺タンパク質(ラクリチンと称する)およびそのタンパク質をコードする核酸配列に関する。ラクリチンは、それを産するヒト角膜上皮細胞および涙液腺房細胞の両方で、増殖因子として活性を有する。したがって、本発明の1つの態様は、ラクリチンを用い、ドライ・アイおよび目のを湿らすことが必要な他の疾患を処置することを目的とする。

Description

【技術分野】
【0001】
米国政府の権利
本発明は、National Institutes of Healthにより付与された承認番号R01 EY09747およびR01 EY13143の下、米国政府の援助により行われた。米国政府は本発明の特定の権利を有している。
【0002】
関連出願
本出願は、35USC§199(e)により、2001年2月20日出願の米国仮出願番号60/269,900に基づき、優先権を主張する。その開示は、引用により本願に加える。
【0003】
本発明の分野
本発明は、ラクリチン(lacritin)と称する新規な目のタンパク質およびそのタンパク質をコードする核酸配列を目的とする。本発明のある実施態様では、ラクリチンを含む組成物を用い、角膜の創傷治癒を促進し、および/または涙の排出に欠損を有する患者を処置する。
【背景技術】
【0004】
本発明の背景
眼の表面の健全性は、涙腺からの涙液分泌に依存する。涙腺を含む涙液腺房細胞は、分極化し、高度に分化した、複合小房周囲基底膜に付着する涙分泌細胞である。先端細胞の細胞質のバルクは、涙タンパク質(tear protein)で充填された巨大な分泌粒子を含む。既知の涙タンパク質は、角膜表面で顕著な殺菌の役割をするリゾチーム;殺菌剤として、および補体活性化の可能性あるインヒビターとして、それら両方として機能するラクトフェリン;IgAの、腺房管腔中への経細胞膜移動を調節する(それは角膜表面で作用し細菌付着を阻害する)分泌成分;および涙リポカリン(tear lipocalin)(涙特異的プレアルブミン)および増殖因子TGFα、TGFβおよびEGF(それらの機能は知られていない)を含む。ラットでは、ペルオキシダーゼは、実験的な研究では、通常のマーカーとして役割をする涙成分(tear component)である。涙は、重要な殺菌作用を有するばかりでなく、角膜を清潔に保ち、潤滑し、角膜上皮の健全性(well-being)に重要である。
【0005】
涙液腺房細胞の涙の排出に全体として欠陥があるとき、「ドライ・アイ」(角結膜炎シッカ[KCS]としても知られる)が生ずる。ドライ・アイは、眼に通常現れるシェーグレン症候群、世界中の数百万の人に影響を与える未知の病因による自己免疫疾患である。種々程度の重篤度の更年期の閉経後の女性が、最も一般的に影響を受ける。処置しなければ、ドライ・アイは、角膜剥離、潰瘍、細菌感染および視力消失を生じ得る。主涙腺(main lacrimal gland)による分泌物排出の病理学的減少の根源的分子機構は、可能性として複数ある。シェーグレン症候群患者の涙腺は、ウイルス性傷害(viral insult)の原因となる可能性のある病因の拡大が涙液腺房を破壊し得る、BおよびTリンパ球の病因(foci)を含む。腺房体積の喪失は、主涙腺の理論的過剰許容量に関し不十分であるとしばしば思われる。通常の水性涙液膜層(aqueous tear film layer)の維持に必要である量の10倍を超える潜在的分泌物排出が示唆される。それゆえ、他の機構は、直接または間接的に涙液腺房細胞の機能を変えおよび/または神経感応(neural innervation)の衰えを生じ得る、1つまたは幾つかの通常のサイトカインの異常分泌のような、他の機構も注意に値する。涙液腺房細胞により涙液膜中へ放出する新規オートクリン/パラクリン因子は、涙分泌機構、管系および角膜上皮の健康に必要であり得る。小房周囲基底膜もまた、ラミニン-1との明らかな共同作用により涙の分泌を刺激する「BM180」により、ある程度、通常の分泌機能に必要である。ホルモン変化を伴う、または当該変化に非依存のこれら各因子の変化は、分泌能力の減少の原因となり得る。
【0006】
ドライ・アイを処置するための現在あるプロトコールは、幾つかの制限の影響を受ける。特に、局所用人工涙置換液は、多くの製薬会社により広く流通されているが、効能は弱く、有効期間が短い。効能の弱さは、天然のヒトの涙の成分は部分的にのみ知られているという事実に一部依存する。
【0007】
本発明は、シェーグレン症候群で顕著に減少する「ラクリチン」と称される新規ヒト細胞外グリコプロテインを目的とする。更に、ラクリチンは、非刺激性(しかし、刺激しない)(unstimulated (but not stimulated))涙分泌を増進するように自己分泌で作用することがわかった。ラクリチンは、涙液腺房細胞により産生され、その大部分が、腺房細胞で発現したTGFβと同様に、涙液中に放出される。このグリコプロテインは、ヒト角膜上皮細胞の培養物に、精製組換え体型で加えると、増殖因子のように作用し、フィードバック機構では、それを産生する同じ涙腺細胞に対しても作用するものと見られる。したがって、本発明のある実施態様では、ラクリチンは、人工涙製品において有効成分として含まれる。
【0008】
本発明の要約
本発明は、新規涙腺タンパク質およびそのタンパク質をコードする核酸配列の単離および特性解析を目的とする。精製組換えラクリチンは、ヒト角膜上皮細胞およびそれを産生する涙液腺房細胞の両方に対して増殖因子としての活性を有する。したがって、本発明の1つの実施例では、方法は、ドライ・アイおよびラクリチンポリペプチドを含む組成物を投与することによる目の湿潤を必要とする他の疾患の処置のために提供される。加えて、ラクリチン遺伝子発現を調節する遺伝子プロモーターは、任意の従前に記載の涙腺遺伝子の最高の特異性のため、この遺伝子の調節エレメントを用い、その目中での他の遺伝子産物を発現し得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図面の簡単な説明
【図1】図1は、組換えラクリチンが、単離ラット涙液腺房細胞による非刺激性分泌を促進することを示す図面である。非刺激性分泌の促進は、ラクリチン被覆ウェルでのラクリチン量の増加によって観察される。
【図2A】図2は、ラクリチン誘導性増殖およびチロシンリン酸化を示す。図2Aは、血清フリーの培地中のヒト唾液腺(HSG)細胞へ種々量のラクリチン(0から10ng/mlのラクリチン)を投与、4日後に測定したHSG細胞数の図面である。
【図2B】図2は、ラクリチン誘導性増殖およびチロシンリン酸化を示す。図2Bは、BSA(レーン1;10ng/ml)または血清(レーン2;10%)の投与におけるHSG細胞の増殖を示す棒グラフである。全ての実験は、ラミニン−1−(0.05μM)被覆ウェルで行った。
【0010】
発明の詳細な説明
定義
記載および請求の本発明では、以下の技術用語は、以下に開示に定義に従い使用する。
【0011】
本明細書で使用するように、「核酸」、「DNA」および同様の用語はまた、核酸類似体、すなわち、他のホスホジエステルバックボーンを有する類似体を含む。たとえば、当分野で既知であり、バックボーンにホスホジエステル結合の代わりにペプチド結合を有する、いわゆる「ペプチド核酸」は、本発明の範囲内にあると考えられる。
【0012】
用語「ペプチド」は、3またはそれより多いアミノ酸の配列を含み、ここで、当該アミノ酸は、天然に生じるかまたは合成(天然では生じない)のアミノ酸である。ペプチド擬態物(mimetics)は、以下の1つまたはそれより多い修飾を有するペプチドを含む:
1.1つまたはそれより多いペプチジル--C(O)NR--連結(結合)は、--CH2-カルバメート連結(--CH2OC(O)NR--)、ホスホネート連結、-CH2-スルホンアミド(-CH2--S(O)2NR--)連結、尿素(--NHC(O)NH--)連結、--CH2-第二級アミン連結のような非ペプチジル連結により、またはアルキル化ペプチジル連結(--C(O)NR--)で置換されたペプチド(式中、Rは、C1-C4アルキルである);
2.N末端が、--NRR1基、--NRC(O)R基、--NRC(O)OR基、--NRS(O)2R基、--NHC(O)NHR基に誘導されているペプチド(式中、RおよびR1は水素またはC1-C4アルキルであり、但し、RおよびR1は両方とも水素ではない);
3.C末端が、--C(O)R2(式中、R2はC1-C4アルコキシからなる群から選択される)、および--NR3R4(式中、R3およびR4は水素およびC1-C4アルキルからなる群から独立して選択される)に誘導されているペプチド。
【0013】
ペプチド中で天然に生ずるアミノ酸残基は、以下のように、IUPAC-IUB Biochemical Nomenclature Commissionにより推奨されているように略する:フェニルアラニンはPheまたはF;ロイシンはLeuまたはL;イソロイシンはIleまたはI;メチオニンはMetまたはM;ノルロイシンはNle;バリンはValまたはV;セリンはSerまたはS;プロリンはProまたはP;スレオニンはThrまたはT;アラニンはAlaまたはA;チロシンはTyrまたはY;ヒスチジンはHisまたはH;グルタミンはGlnまたはQ;アスパラギンはAsnまたはN;リシンはLysまたはK;アスパラギン酸はAspまたはD;グルタミン酸はGluまたはE;システインはCysまたはC;トリプトファンはTrpまたはW;アルギニンはArgまたはR;グリシンはGlyまたはG、およびXは任意のアミノ酸である。他の天然に生ずるアミノ酸は、例示するなら4−ヒドロキシプロリン、5−ヒドロキシリシンなどを含む。
【0014】
合成または天然には生じないアミノ酸とは、天然にインビボでは生じないが、それにも拘わらず、本明細書に記載のペプチド構造中に組み込まれ得るアミノ酸をいう。得られた「合成ペプチド」は、20の天然に生じる、当該ペプチドの1、2またはそれより多い位置で遺伝的にコードされているアミノ酸以外のアミノ酸を含む。例えば、ナフチルアラニンは合成を促進するトリプトファンに置換され得る。ペプチドに置換され得る他の合成アミノ酸は、L-ヒドロキシプロピル、L-3,4-ジヒドロキシフェニルアラニル、L-α-ヒドロキシリシルおよびD-α-メチルアラニル、L-α-メチルアラニルのようなα-アミノ酸、β-アミノ酸、およびイソキノリルを含む。Dアミノ酸および天然には生じない合成アミノ酸はまた、ペプチド中に組み込まれ得る。他の誘導体は、他の側鎖による、20の遺伝的にコードしたアミノ酸(または任意のLまたはDアミノ酸)の天然に生ずる側鎖の置換を含む。
【0015】
本明細書に使用するように、用語「保存アミノ酸置換(conservative amino acid substitution)」は、以下の5つのグループの1つ内の交換として明細書で定義される:
I.小さい脂肪族、非極性または僅かに極性の残基:
Ala、Ser、Thr、Pro、Gly;
II.極性、陰性荷電残基およびそのアミド:
Asp、Asn、Glu、Gln;
III.極性、陽性荷電残基:
His、Arg、Lys;
IV.大きな、脂肪族、非極性残基:
Met Leu、Ile、Val、Cys
V.大きな、芳香族残基:
Phe、Tyr、Trp。
【0016】
「ポリリンカー」は、一連の、3またはそれより多い異なる制限エンドヌクレアーゼ認識配列であって、他のものとは僅かに(すなわち、互いの部位間で10ヌクレオチド未満)離れている当該配列を含む核酸配列である。
【0017】
本明細書で使用するように、用語「ベクター」は、宿主細胞中で自律的に複製する能力を有し、所望により、ある細胞から他の細胞へDNAセグメントを転移する能力を有し得る核酸分子に関して使用する。ベクターは、外来DNAを宿主細胞へ導入するために使用し得、大量に複製(すなわち、再生成)し得る。ベクターの例は、プラスミド、コスミド、λファージベクター、ウイルスベクター(レトロウイルスベクターのような)を含む。
【0018】
本明細書で使用するように、「遺伝子」は、核酸コーディング配列、ならびにメッセンジャーRNA(mRNA)へ転写され、次いで特定ポリペプチドに特徴的なアミノ酸の配列に翻訳されるDNA配列に必要な調節エレメントをいう。
【0019】
「マーカー」は、そのようなマーカーを有さない類似分子の存在下、そのマーカーを含むある分子を特異的に検出できる原子または分子である。マーカーは、例えば、放射活性同位元素、抗原決定基、ハイブリダイゼーションに利用可能な核酸、クロモホア、フルオロホア、化学ルミネセンス分子、電気化学的に検出可能な分子、変更された蛍光偏向または変更された光散乱を供与する分子、および細胞または生物の生存を促進し得る分子(すなわち、選択マーカー)を含む。レポーター遺伝子はマーカーをコードする遺伝子である。
【0020】
プロモーターは、遺伝子の核酸コーディング配列のような、DNA配列の転写を指示するDNA配列である。典型的に、プロモーターは、遺伝子の5'領域に、構造遺伝子の転写開始部位の近くに位置する。プロモーターは、誘導性(転写速度は特定試薬に応答して変化する)、組織特異的(幾つかの組織でのみ発現する)、時間的特異的(特定時間でのみ発現する)または構造的(すべての組織で、および一定速度の転写で発現する)であり得る。
【0021】
コアプロモーターは、TATAボックスを含むプロモーター機能に必須のヌクレオチド配列および転写の開始を含む。この定義により、コアプロモーターは、当該活性を促進するか組織特異的活性を供与する特定配列の非存在下で検出可能な活性を有してもよいし、または有しなくてもよい。
【0022】
「エンハンサー」は、転写開始部位に対するエンハンサーの距離または方向にかかわらず、転写の効率は増加し得るDNA調節エレメントである。
【0023】
本明細書で使用するように、用語「相補的」または「相補性」は、塩基対形成ルールにより関係するポリヌクレオチド(すなわち、ヌクレオチドの配列)に関し使用する。例えば、配列「A−G−T」では、配列「T−C−A」に相補的である。
【0024】
本明細書に使用するように、用語「ハイブリダイゼーション」は、相補性核酸の塩基対形成に関し使用する。ハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーションの強度(すなわち、核酸間での分離の強度)は、核酸間の相補性の程度、含まれる条件のストリンジェンシー、形成するハイブリッドの長さ、および核酸中のG:C比のような因子により影響を受ける。
【0025】
本明細書で使用するように、用語「精製した」などの用語は、天然または自然環境の分子または化合物を通常付随する汚染物が実質的に含まれない(free)形態の分子または化合物の単離に関する。
【0026】
本明細書で使用するように、用語「ラクリチンポリペプチド」等の用語は、配列番号4のアミノ酸配列およびその生物学的活性フラグメントを含むペプチドをいう。
【0027】
本明細書で使用するように、ラクリチンポリペプチドの、用語「生物学的に活性なフラグメント」または「生物活性フラグメント」は、天然ラクリチンポリペプチドの少なくとも1つの天然リガンドに特異的に結合し得る、アミノ酸配列
【化1】
Figure 2004536570
の天然または合成部分を含む。
【0028】
「作動可能なように連結した」とは、コンポーネントが通常機能を果たすように配置する、ジャックスタポジションをいう。そのため、コーディング配列に作動可能なように連結した制御配列またはプロモーターは、コーディング配列の発現を行い得る。
【0029】
本明細書に使用のように、用語「医薬的に許容される担体」は、リン酸緩衝性生理食塩水溶液、水および油/水または水/油エマルジョンのようなエマルジョンのような標準的な任意の医薬的担体、および種々の型の湿潤試薬を含む。
【0030】
本明細書で使用するように、用語「処置する」は、特定疾患または病状に付随する徴候を緩和すること、および/または当該徴候を予防または排除することを含む。
【0031】
本発明
本発明は、新規ヒト増殖因子様分子、「ラクリチン」およびラクリチンを含む組成物を目的とする。本発明はまた、ラクリチンをコードする核酸配列およびラクリチンの発現を制御する核酸制御エレメントを含む。全長「ラクリチン」cDNAは、ヒト涙腺ライブラリー(配列番号2)からクローニングし、相当するゲノム遺伝子(配列番号1)をクローニングし、配列決定すると、5.2kbの上流および2.8kbの下流のゲノム配列を含んでいた。
【0032】
ある実施態様では、本発明は、配列番号4、配列番号10のアミノ酸配列、配列番号4の生物活性フラグメント、または1もしくはそれより多い保存アミノ酸置換により配列番号4とは異なるアミノ酸配列を含む精製したポリペプチドを目的とする。より好ましくは、精製したポリペプチドは、20またはそれ未満の保存アミノ酸置換、より好ましくは10またはそれ未満の保存アミノ酸置換により配列番号4とは異なるアミノ酸配列を含む。他にポリペプチドは、1から5の変化により配列番号4とは異なるアミノ酸配列を含み得、ここで当該変化は単一アミノ酸欠失、挿入または置換から独立して選択される。ある実施態様では、組成物は、配列番号4、または配列番号10からなる群から選択されるポリペプチド、及び医薬的に許容される担体を含み提供される。
【0033】
ラクリチンの天然レセプターを含むラクリチンポリペプチドに結合するリガンド、およびそのリガンドを単離する方法もまた本発明に含まれる。ある実施態様では、ラクリチンポリペプチドまたはその生物活性フラグメントは、生理条件下のラクリチンポリペプチドに結合するリガンドの単離に使用する。当該方法は、ラクリチンポリペプチドと化合物混合物とを生理条件下で接触させ、非結合および非特異的結合物質を除去し、そしてラクリチンポリペプチドに結合したままの化合物を単離する、ステップを含む。典型的に、ラクリチンポリペプチドは、標準技術を用い固体支持体に結合し、化合物を迅速にスクリーニングし得る。当該固体支持体は、生物学的化合物の固定化に使用する任意の表面から選択され得、以下に限らないが、ポリスチレン、アガロース、シリカまたはニトロセルロースを含む。ある実施態様では、固体表面は、官能性シリカまたはアガロースビーズを含む。その化合物のスクリーニングは、医薬試薬のライブラリーおよび技術ある医師に既知の標準的技術を用い行い得る。
【0034】
他の実施態様では、細胞に基づくアッセイは、ラクリチン(ラクリチンの天然のレセプターを含む)に結合するリガンドの検出に使用する。当該方法は、トランスフェクトした細胞をラクリチンに接触させること、およびラクリチン依存カルシウムシグナリングを示す細胞から関連遺伝子を単離することを含む。より好ましくは、ある実施態様では、オーファン(orphan)Gタンパク質結合レセプターcDNAの従前に述べられているプールは、HEK293TおよびRH7777細胞のような細胞系で発現し、当該トランスフェクト細胞はラクリチンに接触する。ラクリチン依存カルシウムシグナリングを示すトランスフェクタントはレセプターを発現する。レセプターが、オーファンGタンパク質結合レセプターcDNAの利用可能なプール中で検出されないならば、唾液腺(salivary ductal)細胞ライブラリー由来のcDNAを293T細胞中にトランスフェクトし、エクスプレッサーは蛍光性標識ラクリチンでFACSによりスクリーニングする。ある実施態様では、ラクリチンにより活性化され得るレセプターを発現する細胞は、細胞フリーの系を用い検出される。より好ましくは、レセプター活性はトランスフェクト細胞から単離した細胞膜を用いGTP[γ35S]結合アッセイで検出する。
【0035】
本発明のある観点では、ラクリチンレセプターを検出する方法を提供する。当該方法は、可能性ある細胞レセプターをコードする核酸配列でトランスフェクトした細胞を提供し、トランスフェクトした細胞とラクリチンを接触させ、そしてラクリチン依存カルシウムシグナリングを示すそれらの細胞を検出する、ステップを含む。ラクリチン依存カルシウムシグナリングを示す細胞が、遺伝子配列をコードする1より多いタンパク質でトランスフェクトされるならば、ラクリチンレセプターをコードする核酸配列は、配列分析または他の分子技術により同定される。例えば、導入された組換え核酸は、シグナリング細胞から単離され、細胞のトランスフェクトに使用した得られたサブクローンでサブクローニングされ、細胞へのラクリチン依存カルシウムシグナリングの供与に応答する特有配列を決定する。
【0036】
本発明はまた、ラクリチンポリペプチドおよびその誘導体をコードする核酸配列を含む。特に、本発明は、配列番号1、配列番号2、配列番号3またはそのフラグメントの配列を含む核酸配列を目的とする。ある実施態様では、配列番号1の任意の8連続ヌクレオチドに同一の少なくとも8連続ヌクレオチド(すなわち、ハイブリダイズ可能部分)を含む精製した核酸を提供する。他の実施態様では、核酸は、配列番号1の少なくとも25(連続)ヌクレオチド、50ヌクレオチド、100ヌクレオチド、200ヌクレオチドまたは500ヌクレオチドを含む。他の実施態様では、核酸配列は、配列番号3の配列または配列番号3の連続25bp配列に同一の25bp核酸配列を含む。
【0037】
本発明はまた、配列番号1で表される全部または一部のヌクレオチド配列にハイブリダイズする(本明細書で定義の条件下)核酸またはその相補体を含む。ハイブリダイジング核酸のハイブリダイジング部分は、典型的に少なくとも15(例えば、20、25、30、または50)ヌクレオチドの長さである。本明細書に記載のタイプのハイブリダイジング核酸を、例えば、クローニングプローブ、プライマー(例えば、PCRプライマー)、または診断プローブとして使用し得る。配列番号1のDNA配列またはそのフラグメントをプローブとして使用し、他の脊椎動物種から相同性遺伝子を検出し得る。
【0038】
核酸二重鎖またはハイブリッドの安定性は、溶解温度またはTmとして表され、それは、核酸二重鎖がそのコンポーネントである一本鎖DNAに分離する温度である。この溶解温度は、必要なストリンジェンシー条件の決定に使用される。典型的に、1%のミスマッチで、Tmは1℃減少し、それゆえ、ハイブリダイゼーション反応の最終洗浄の温度が減少する(例えば、2つの配列が95%を超える同一性を有するならば、最終洗浄温度は、Tmから5℃減少する)。実施では、Tmの変化は、1%ミスマッチあたり0.5℃と1.5℃の間となり得る。
【0039】
本発明は、配列番号1の核酸配列、およびストリンジェントまたは高ストリンジェント条件下でその配列(またはそのフラグメント)にハイブリダイズする核酸配列を目的とする。ある実施態様では、本発明は、配列番号1の100ヌクレオチドフラグメントまたはその相補体にストリンジェント条件下でハイブリダイズする精製した核酸配列を目的とする。本発明により、高ストリンジェント条件は、−5℃Tm以上のハイブリダイゼーションおよび洗浄の条件を構成するように定義される。ストリンジェント条件は、5×SSC/5×Denhard't溶液/1.0%SDS中、68℃でハイブリダイズすること、および0.2×SSC/0.1%SDS中、68℃で洗浄することを含むように定義される。適度のストリンジェント条件は、5×SSC/5×Denhard't溶液/1.0%SDS中、68℃でハイブリダイズすること、および3×SSC/0.1%SDS中、42℃で洗浄することを含む。その条件に関する更なるガイダンスは当分野では容易に入手可能であり、例えば、Sambrook at al., 1989, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Press, N.Y.、およびAusubel et al., (eds.) 1995, Current Protocols in Molecular Biology, (John Wiley & Sons, N.Y.) at Unit 2.10。
【0040】
本発明の他の実施態様では、ラクリチンポリペプチドをコードする核酸配列を発現ベクター中に挿入し、細胞へのトランスフェクトに使用し、標的細胞中で組換えラクリチンを発現させ得る。ある実施態様では、配列番号3の核酸配列を、当該遺伝子配列を適当な調節配列に作動可能なように連結する方法で真核性発現ベクター中へ挿入され、ラクリチンは、真核性宿主細胞中で発現する。適当な真核性宿主細胞およびベクターは当業者に既知である。特に、ラクリチンをコードする核酸配列を、リポソーム、ウイルスに基づくベクター、またはマイクロインジェクションのような送達機構を用い、インビトロまたはインビボで単一の細胞または細胞郡に加え得る。したがって、本発明の1つの観点は、配列番号4のラクリチンポリペプチドを発現する組換え遺伝子を含むトランスジェニック細胞系を目的とする。
【0041】
本発明はまた、ラクリチン遺伝子プロモーターの制御の下、異種性遺伝子の発現用の核酸構成物を目的とする。ある実施態様では、核酸構成物は、異種性遺伝子に作動可能なように連結した配列番号5、配列番号6、配列番号7および配列番号8からなる郡から選択される核酸を含むように提供される。ある実施態様では、異種性遺伝子は、マーカーをコードするレポーター遺伝子である。当該マーカーは、検出可能シグナルを生ずる任意の遺伝子産物であり得、緑色蛍光タンパク質(GFP)(Chalfie et al., 1994, Science 11: 263: 802-805)またはルシフェラーゼ(Gould et al., 1988, Anal. Biochem. 15: 175:5-13)のような光を放射し得るタンパク質、および基質を触媒し得るタンパク質(例えば、β−ガラクトシダーゼ)を含む。当該マーカーはまた、抗体により検出可能な細胞内または細胞表面タンパク質を含み得る。レポーター分子は、更に、または他に、細胞内に通常含まれない特有核酸配列の利点により検出し得る。
【0042】
本明細書で使用するように、「GFP」とは、天然に生ずる蛍光タンパク質のファミリーのメンバーをいい、その蛍光は、主に、スペクトルの緑色領域にある。当該用語は、スペクトル特性を変えまたは促進したタンパク質の変異型を含む。これらの変異型の幾つかは、Cormack, et al., 1996, Gene 173: 33-38およびOrmo, 1996, Science 273: 1392-1395に記載されており、それらは、引用により本明細書に加える。当該用語はまた、1つまたはそれより多いアミノ酸残基の同一性または位置において天然に生ずる型とは異なり(例えば、欠失、置換または挿入)、そして検出可能シグナル(例えば、蛍光)を生ずる限り天然に生ずる型の性質の幾つかまたは全てを有するGFPポリペプチドのポリペプチド類似体、フラグメントまたは誘導体を含む。野生型GFPは、395nmで最大吸収し、509nmで放射する。高レベルのGFP発現が、酵母からヒトまでの細胞で得られた。当該用語はまた、青色蛍光タンパク質(BFP)を含み、そのコーディング配列は、Anderson, et al., 1996, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93: 16, 8508-8511に記載されており、その文献は引用により本明細書に加える。
【0043】
本発明の他の実施態様は、ラクリチンポリペプチドに対し生ずる抗体を含む。これらの抗体は、標準的担体で製剤化され、所望により標識されて治療用または診断用の組成物を製造し得る。ラクリチンに対する抗体は、当分野に既知の方法を用い作成する。その抗体は、以下に限らないが、ポリクローナル、モノクローナル、キメラ(すなわち、「ヒト化」抗体)、一本鎖(組換え体)、Fabフラグメント、およびFab発現ライブラリーにより産生するフラグメントを含み得る。これらの抗体は、ラクリチンの発現または過剰発現により特徴付けられる病状または疾患の診断のための診断薬として、または不適当なラクリチン発現により特徴付けられる病状または疾患を処置する患者をモニターするアッセイにおいて、使用され得る。診断目的に有用な抗体は、治療のための上記と同じ方法で作成し得る。当該抗体は、修飾して、または修飾せずに使用し得、そしてそれを共有結合的または非共有結合的のいずれかでマーカーに結合させることにより標識し得る。ある実施態様荷より、抗体は、配列番号4のタンパク質に特異的に結合するように提供され、より好ましくはモノクローナル抗体である。
【0044】
本発明はまた、抗イディオタイプ抗体を含む抗体、アンタゴニストおよびアゴニスト、ならびにラクリチン遺伝子の発現を阻害するか(転写因子インヒビター、アンチセンスおよびリボザイム分子、または遺伝子または調節配列置換構成物)またはラクリチンの発現を促進する(例えば、配列番号3のようなラクリチンコーディング配列を、プロモーター、プロモーター/エンハンサーなどのような発現制御エレメントに作動可能なように結合する発現構成物)化合物またはヌクレオチド構成物を含む。
【0045】
本発明はまた、ラクリチンに対する抗体を生ずる抗原性組成物を含む。ある実施態様では、抗原性組成物は、配列番号4のポリペプチドまたはその抗原性フラグメントを含むように提供される。
【0046】
ラクリチンは、有糸分裂促進活性を有し、非刺激性であるが刺激しない分泌を促進し、涙液腺房および角膜上皮細胞の両方でシグナリングを促進する。E. coliで調製した組換えラクリチンは、ヒト角膜上皮細胞およびマウス&ラット涙液腺房細胞の両方を特異的および迅速に活性化し、後者は、オートクリン法で涙の合成を促進する。ラクリチンは、ng/mlレベルで活性化され、汚染細菌性LPS(エンドトキシン)は検出できない。精製した組換えラクリチンの活性により、ヒト角膜上皮細胞およびそれを産生する涙液腺房細胞の両方において増殖因子として作用することが示される。重要なことに、ラクリチンは、目においてのみ増殖因子として作用するようであり、唾液腺ではより弱い程度作用するようである。これらの器官特異的な有益な効果を用いると、現在利用可能な局所的人工涙製品の効能を劇的に増加し得る。
【0047】
現在の涙サプリメントは患者に普及しておらず、それは、幾分、その製品から得られる効果が非常に短時間だからである(15分未満)。代用涙アプローチの例には、緩衝性、等張性生理食塩水溶液、溶液をより粘性化しそれにより目から簡単にはこぼれないようにする水溶性ポリマーを含む水溶液の使用を含む。涙の再構成はまた、リン脂質およびオイルのような涙液膜の1つまたはそれより多い成分を提供することにより試みられる。これらの処置アプローチの例は、米国特許番号4,131,651(Shah et al.)、米国特許番号4,370,325(Packman)、米国特許番号4,409,205(Shively)、米国特許番号4,744,980および4,883,658(Holly)、米国特許番号4,914,088(Glonek)、米国特許番号5,075,104(Gressel et al.)および米国特許番号5,294,607(Glonek et al.)に開示されており、それらの開示は引用により本明細書に加える。今ある眼の製剤はまた、TGF−β、コルチコステロイドまたはアンドロゲンを含み得る。全て目に非特異的であり、全身性の効果を有する。他方、ラクリチンは、目に高度に限定されており、ヒトの涙および涙液膜の天然成分である。
【0048】
ラクリチンを含む眼の製剤(例えば、ラクリチンを含む人工涙液)は、ラクリチンの活性およびその局所性効果により非常に望ましい。本発明の1つの実施態様では、ラクリチンを含む組成物を用い、角膜創傷治癒を促進し、および/または涙の排出に欠損を有する患者を処置する。より好ましくは、ラクリチンは、シェーグレン症候群を含むドライ・アイ症候群を処置し、ラクリチンポリペプチドを含む組成物の局所適用による角膜創傷治癒を促進する1つの実施態様で使用する。1つの実施態様では、当該組成物は、医薬的に許容される担体を含み、そして配列番号4のアミノ酸配列を含む医薬的に有効量の実質的に純粋なポリペプチドを用い、ドライ・アイ症候群を処置する。
【0049】
本発明のラクリチン組成物は、標準の眼科用成分を用い製剤化し得、好ましくは、当該組成物は、溶液、懸濁液および局所投与用の他の用量型として製剤化される。水溶液が、製剤化の容易さ、生物学的適合性(特に、処置すべき疾患の観点から、例えばドライ・アイ型の病気および疾患)により、および作用を受ける目に1から2滴の当該溶液をたらす手段により患者はその組成物を容易に投与できるため、一般的に好ましい。しかし、当該組成物はまた、懸濁液、粘性または半粘性ゲル、または固体もしくは半固体組成物の他の型であり得る。
【0050】
本発明の組成物は、界面活性剤、保存剤、抗酸化剤、強化剤、緩衝剤、保存剤、共溶媒および粘性成形剤を含み得る。眼製剤に有用な種々の界面活性剤が本組成物に用いられ得る。これらの界面活性剤は、ラクリチンの化学的分解を防止し、また、当該組成物をパックするコンテナーとのラクリチンの結合を阻止する。界面活性剤の例は、以下に限らないが、Cremophor. RTM. EL、ポリオキシ20セトステアリールエーテル、ポリオキシ40水素化カストールオイル、ポリオキシ23ラウリルエーテルおよびポリオキサマー407が含まれ、当該組成物に使用され得る。抗酸化剤を本発明の組成物に加え、保存の間の酸化からラクリチンポリペプチドを保護し得る。その抗酸化剤の例には、以下に限らないが、ビタミンEおよびその類似体、アスコルビン酸およびその誘導体、およびブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)が含まれる。
【0051】
今ある人工涙製剤はまた、ラクリチン活性化剤のための医薬的に許容される担体として使用され得る。そのため、ある実施態様では、ラクリチンを用い、今ある、ドライ・アイ症候群用の人工涙製品を改善し、角膜創傷治癒目的の製品を開発する。担体として有用な人工涙組成物の例には、以下に限らないが、Tears Naturale.RTM.、Tears Naturale II. RTM.、Tears Naturale Free. RTM.、およびBion Tears. RTM.のような製品(Alcon Laboratories, Inc., Fort Worth, Tex.)が含まれる。他のリン脂質担体製剤の例には、米国特許番号4,804,539(Guo et al.)、米国特許番号4,883,658(Holly)、米国特許番号4,914,088(Glonek)、米国特許番号5,075,104(Gressel et al.)、米国特許番号5,278,151(Korb et al.)、米国特許番号5,294,607(Glonek et al.)、米国特許番号5,371,108(Korb et al.)、米国特許番号5,578,586(Glonek et al.)が含まれ;上記特許は、本発明のリン脂質担体として有用なリン脂質組成物を開示する範囲で、引用により本明細書に加える。
【0052】
他の化合物はまた、本発明の眼の組成物に加えられ、当該担体の粘性を増大し得る。粘性促進剤の例には、以下に限らないが、ヒアルロン酸およびその塩、硫酸コンドロイチンおよびその塩、デキストラン、セルロースファミリーの種々のポリマーのようなポリサッカライド;ビニルポリマー;およびアクリル酸ポリマーが含まれる。一般に、リン脂質担体または人工涙担体組成物は、1から400センチポイズ(「cps」)の粘性を示す。人工涙またはリン脂質担体を含む好ましい組成物は、約25cpsの粘性を示す。
【0053】
局所用の眼の製品は、複数用量型で典型的にパッケージされる。そのため、保存剤は、使用の間の微生物学的汚染を防止するため必要である。適当な保存剤には、ベンズアルコニウムクロリド、クロロブタノール、ベンゾドデシニウムブロミド、メチルパラベン、プロピルパラベン、フェニルエチルアルコール、エデト酸2ナトリウム、ソルビン酸、ポリクオタニウム-1または当業者に既知の他の剤が含まれる。その保存剤は、0.001から1.0%w/vのレベルで典型的に用いられる。本発明の単位用量組成物は、滅菌されるが、典型的には保存されない。そのため、その組成物は一般には保存剤を含まない。
【0054】
ヒトでは、ラクリチンは、涙腺(多量)、唾液腺(適度)、角膜上皮の基底細胞(抗ラクリチン抗体によるヒト角膜の免疫染色に基づく;およびヒト角膜上皮細胞培養物中のラクリチンのELISA検出)で産生され、甲状腺で産生される可能性があり、その他では産生されない。ラクリチンは、非刺激性であるが、刺激しない分泌を促進し、有糸分裂促進活性を有し、そして涙液腺房および角膜上皮細胞の両方におけるシグナリングを促進する。このグリコプロテインは、腺分布が非常に制限されており、機能特性と組み合わされた高度に制限されたこの発現パターンは、涙腺および付近の眼組織での推定されるオートクリン/パラクリンの区別される役割の証明となる。ラクリチン遺伝子発現を調節する遺伝子プロモーターは、従前記載された任意の涙腺遺伝子の殆どの特異性のため、この遺伝子の調節エレメントを用い、目における他の遺伝子産物を発現し得る。特に、ラクリチン遺伝子プロモーターは、広く多様の外来遺伝子に作動可能なように連結され、涙腺に対し遺伝子産物の発現を調節し得、および/またはドライ・アイ症候群を処置する遺伝子治療として使用され得る。
【0055】
他に、ラクリチンプロモーターを含む組換え構成物を用い、ラクリチン機能のアゴニストおよびアンタゴニストをスクリーニングする手段としてインビトロで宿主細胞を形質転換し得る。ある実施態様により、ラクリチン遺伝子プロモーターは異種性遺伝子に連結され、患者に再導入され、ドライ・アイ症候群の遺伝子治療処置を施す。簡単に述べると、当該プロモーターを用い、これらのタンパク質の通常の遺伝子制御を失い得る患者の涙タンパク質の合成および分泌を人工的に行い得る。
【0056】
E. coliにより生ずる組換えラクリチンを用いる生理学的実験は、それが増殖因子であるように示唆する。ラクリチンは、ヒト角膜上皮細胞およびマウス涙液腺房細胞におけるカルシウムシグナリングを刺激する。それは、ラット涙液腺房およびヒト唾液管細胞でチロシンリン酸化を刺激し、涙タンパク質を産する同じ腺房細胞からのそのタンパク質を放出する量を促進する。
【0057】
全長「ラクリチン」cDNAをヒト涙腺ライブラリー(配列番号2)からクローニングし、相当するゲノム遺伝子(配列番号1)をクローニングし、配列決定すると、ゲノム配列の上流5.2kbと下流2.8kbを含んでいた。マウス同種性遺伝子はまた、部分的にRT−PCRでクローニングされ、この単離マウスラクリチン遺伝子配列は、ヒトの配列と99%の同一性を有する。ラクリチンの発現は、顕著に制限される。52種の組織ポリA+またはトータルRNAをスクリーニングし、ラクリチンmRNAは、涙腺(非常に多量)、唾液腺(僅か〜中程度)および甲状腺(僅か)で検出された。当該文献のレビューは、このレベルの転写制御は、他のすべての既知涙タンパク質に一致しないことを示唆する。
【0058】
実施例1
ラクリチン遺伝子の単離
ラクリチンのcDNAおよびゲノムクローニング
ヒト涙腺cDNAライブラリー(Dickinson & Thiesse, 1995)の10のサブライブラリーのそれぞれからのプラーク(フィルターあたり5×104)を含む二重のフィルターを、5×Denhard't、6.76×SSC、10mM リン酸ナトリウム、1mM EDTA、0.5%SDSおよび182μg/mlサケ精子DNA中で4時間、42℃で事前にハイブリダイゼーションし、次いで、[32P]gATP 7000 Ci/mmole(ICN, IrvineCA)で末端標識し精製した2つのオーバーラッピング23merオリゴヌクレオチド(「S1」[AGCTGGGGCACAGGCACCCGCAC;配列番号11]および「S2」[GGGGTTCTGGGGCTGCAGCTGGG;配列番号12])のうちの1つを用い一夜42℃でハイブリダイズさせた。最終の洗浄条件は、2×SSC(45℃)、S1またはS2Tm(何れも2×SSCで74.5℃)未満の29.5℃に相当する。両フィルターでプラーク陽性をピックし、それぞれオリゴヌクレオチドを伴う二重鎖で3回、再スクリーニングし、47クローンを得た。その後、それぞれを、増加した洗浄ストリンジェンシーで再分析した(−29.5、−24.5、−19.5、および−14.5℃)。挿入物をpBluescript中に切除し、両鎖をPrizm377DNA Sequencer(Perkin-Elmer, Branchburg, NJ; University of Virginia Biomolecular Research Facility)で配列決定した。同一クローンでは、ポリGリッチS1およびS2オリゴヌクレオチドが得られたBM180(ベストフィットクオリティー=16対ランダムクオリティー17±2)との相同性を欠く新規配列が最も共通する。417bpのオープンリーディングフレームが予測され、予測タンパク質産物は、涙腺発現で維持する「ラクリチン」と名付けられた。その後、ラクリチン挿入物を用い、ヒトP1ゲノムライブラリーをスクリーニングし(Genome Systems Inc; St. Louis MOで行った)、制限消化およびサザン分析により決定し3つの同一クローンを得た。最も大きいラクリチン陽性フラグメント(12.4kb)を、pBluescript中にそのままサブクリーニングし、両鎖を完全に配列決定した。cDNAおよびゲノム配列のアライメントおよび分析(Kumar et al. 2000)は、主に、ディフォルト設定および5またはそれ未満のE値(FASTA)を用いる、Unix(登録商標)-based(Gelstart, Gap)およびweb-based(FASTA, BestFit, Gap)Genetics Computer Group(Madison WI)ソフトウエアであった。ゲノムエキソン探索およびスプライス部位の同定は、Baylor College of Medicine Human Genome Sequencing Center webサイトにより促進した。すべてのヌクレオチド配列は、受け入れ番号af238867(cDNA)およびay005150(ゲノム)でGenBank/EBI Data Bankに提出した。
【0059】
ノーザン分析
ヒト涙腺および顎下腺は、自己分解性崩壊が最小である、死亡後18時間以内、最も8時間以内に、Cooperative Human Tissue NetworkのSouthern部門を通して解剖により得た。Declaration of Helsinkiの教義に従い、そしてインフォームドコンセントおよび完全なIRB認可を得た。ドナーには、既知の全身性の細菌性またはウイルス性感染がなく、組織は、死因、病因報告および殆どの場合には組織学的検査で検査したときは通常であった。組織は、除去後、液体窒素で瞬間冷凍し、RNA調製に使用するまで−85℃で保存した。トータルRNAを、市場版の酸性化グアニジンチオシアネート/フェノール法(RNazol B, Tel-Test, The Woodlands, TX)を用い、組織100−300mgから抽出した。精製したRNAは、ジエチルピロカーボネート処理水に溶解し、濃度および純度は、A260/280吸収値から決定した。2.0に近い比は許容され得ると考えられた。RNA純度(integrity)は、0.22Mホルムアルデヒドを含むゲル中のエチジウムブロミド複合化RNAサンプルの電気泳動により最初に決定した。UV光のもと、1:1−2:1比で顕著な28Sおよび18S rRNAバンドを示さなかったサンプルは、捨てた。ブロッティングの場合、RNA(5μg/レーン)を変性条件下0.8%アガロースゲルで分離し(Laurie et al, 1989)、ニトロセルロースに移した。2つ購入した(cat# 7756-1および7751-1; Clontech Labs, Palo Alto CA)、複数のヒト胎児および成人ポリA+RNAを伴うノーザンブロット、および対照RNAおよびDNAを伴う50種類のヒトポリA+RNAを含むドットプロット(cat#7770-1; Clontech Labs)もまたアッセイした。ブロットは、[32P]-標識ラクリチン挿入物とハイブリダイズさせ、0.1×SSC、0.1%SDS(ノーザン)または2×SSC、0.1%SDS(ドットプロット)中、55℃で洗浄し、X線フィルムに感光させた。次いで、ドットプロットを、各ドットのピクセルグレー値の測定によるNIHイメージを用い定量した。
【0060】
PCR分析およびクロモソームマッピング
他のスプライシングは、ヒト顎下腺または涙トータルRNAを用いるRT−PCRにより、オリゴdTで最初にプライミングすることにより、またはラクリチンcDNAのヌクレオチド523から503に相当するラクリチンリバースプライマーCGCTACAAGGGTATTTAAGGC(配列番号13)を用いる遺伝子特定方法で、調べた。その後の、ラクリチンのフォワードプライマーACTCACTCCTCATCCCAAAG(エキソン1由来の配列番号14;ラクリチンcDNAヌクレオチド32から51)およびリバースプライマーTTTTCAGCTTCTCATGCCC(エキソン5由来の配列番号15;ラクリチンcDNAヌクレオチド480から462)による増幅は、94℃2分間の変性、30サイクルの増幅(94℃30秒間、52℃30秒間および72℃1分間)、および最終サイクルの72℃5分間を含んでいた。PCR産物はアガロースゲルで分析した。
【0061】
FISHマッピング(Genome Systems; St. Louis, MO)では、ラクリチンゲノムDNAをニックトランスレーションによりジゴキシゲニンdUTPで標識し、PHA刺激性ヒト末梢血液リンパ球由来の分裂中期クロモソームにハイブリダイズ(50%ホルムアミド、10%デキストラン、2×SSC)させた。洗浄後、特異的標識を、蛍光性抗ジゴキシゲニン抗体およびDAPIで検出し、Nikon Labophot顕微鏡で調べた。全部で80の細胞中期細胞を、60の提示特異的標識で分析した。確認は、12q15マーカーを用いる二重標識により、およびヒトゲノムプロジェクトドラフト配列との比較により行った。写真は、最終倍率1,435×のNikon AFXでとった。
【0062】
結果
涙液腺房細胞は、遺伝子データバンクで顕著に表示不十分であり、分化因子(あまり使用されないヒト涙腺cDNAライブラリーの対オリゴヌクレオチドスクリーニングに基づく推定)のリッチアレイをコードし得る幾つかのmRNAを含む外分泌腺の分泌細胞に分極する。このアプローチにより同定したクローンの中には、幾つかの独立クローンおよび760bp転写物に相当するクローンにより表される新規cDNA配列(配列番号2)および相当するアミノ酸配列(配列番号4)があった。この涙腺特異的転写物の分泌遺伝子産物を「ラクリチン」と名付けた。当該ラクリチン核酸配列は、等電点5の成熟分泌コアタンパク質12.3kDaに対し生ずる19アミノ酸シグナルペプチドを有する14.3kDa親水性タンパク質コアが予想される417bpのオープンリーディングフレーム含む。注目すべきは、52残基と64残基の間の6つの推定O−グリコシル化部位を有する適度に高レベルのグリコシル化、およびC末端付近の単一のN−グリコシル化部位であり、それは、ラクリチンが、ラクリチンが部分的相同性を生ずるニューログリカンCグリコサミノグリカン結合ドメインおよびフィブリン−2アミノ球状ドメインのような適度に十分にグリコシル化したコアタンパク質であることを示している。ノーザンブロット分析は、高レベルの涙腺特異性を示す。
【0063】
主要なデータベースのFASTAサーチでは、部分的ホモロジーは、ヒトニューログリカンC(102を超えるアミノ酸で32%同一性;ラクリチン配列をランダム化したとき、ベストフィットクオリティー=83対37±5)のグリコサミノグリカン結合領域で、およびヒトフィブリン-2(81を超えるアミノ酸で30%同一性;ベストフィットクオリティー81対38±5(ランダム))の「システインフリー」のムチン様の可能性のあるアミノの球状領域で検出される。3つすべてがO−グリコシル化でリッチであるが、セリンおよびスレオニンのポジショニングは、厳密には分けられない;およびラクリチンおよびフィブリン-2は、両方ともグリコサミノグリカン結合部位を欠損している。ニューログリカンC(af059274)は脳細胞外マトリクス(トランスメンブレンドメインにより固定される;Yasuda et al, 1998)の成分である。フィブリン-2(x89494)は、基底膜および胚および成体組織のストロマに広く分散する(Sasaki et al, 1999)。主要でないデータベースの探索は、T. Cruziムチン様タンパク質(af036464;ベストフィットクオリティー=78対46±10);P. falciparumメロゾイト表面抗原2(u91656; ベストフィットクオリティー=76対53±6)およびP. Taeda推定アラビノガラクタンタンパク質(af101791; ベストフィットクオリティー=74対37±4)との適度の相同性を示した。
【0064】
マッチせず、または相同性のないESTが検出され、ヒト涙腺ではラクリチンは豊富に維持され他のでは発現が制限されていた。ノーザン分析では、強力な760bp涙腺メッセージを示し、同じ大きさのより弱い顎下腺および甲状腺メッセージを示す。ヒトの成人の副腎、精巣、胸腺、膵臓、小腸または胃ではメッセージは検出されず;ヒト胎児の脳、肺、肝臓または腎臓でも検出されなかった。同様に、涙腺を除く50種のヒト組織ポリA+RNAの商業上のドットプロットでは、ラクリチン発現は、顎下腺(「唾液腺」)でのみ見られ、甲状腺ではあまり見られなかった。ラクリチンコーディング配列をpET−28bおよびpcDNA3.1/myc−His(+)Cにサブクローニングし、それぞれ組換え細菌性および哺乳類性(293-T細胞)ラクリチンを得た。何れの型のラクリチンも、SDS PAGEで変則的な移動を示した。
【0065】
実施例2
ラクリチン発現および機能の特性解析
組換えラクリチンおよび抗ラクリチン抗血清の調製
全長ラクリチンcDNAを挿入により完全に配列決定することにより確認した方向を有するpET−28b(Novagen, Madison WI)中にフレームをあわせてサブクローニングした。次いで、組換えHisタグ化ラクリチンは、BL−21形質転換細胞のIPTG誘導により産生させ、標準的変性方法を用いるTalon(Clontech; Palo Alto CA)の培地から精製した。当該結合ステップの変性条件の必須の使用は、グリコシル化の非存在下のホールディングにより、Hisタグのインアクセシビリティー(inaccessibility)に影響を与えると予想される。溶出後、ラクリチンはPBSで大量に透析し、Hisタグはトロンビン切断で除去した。タンパク質純度をSDS PAGEおよび抗His抗体(Santa Cruz Biotechnology; Santa Cruz CA)によるウエスタンブロッティングにより評価した。ラクリチンは、SDS PAGEで変則的な移動を示す。細菌性リポポリサッカライド汚染がないことを、limulus 変形細胞ライゼートアッセイ(MRL Reference Lab; Cypres CA)で確認した。分析比較のため、少量の哺乳類ラクリチンを、ラクリチン挿入物を含むpcDNA3.1/myc−His(+)(Invitrogen, Carlsbad CA)を用い293T細胞中で発現させ、次いで天然条件下で精製した。
【0066】
その後、抗細菌性ラクリチン抗血性は、ウサギ(Covance Research Products, Denver PA)で調製し、被覆として組換え細菌性ラクリチン(4μg/ml)および参照として事前免疫(preimmune)血清(1/1000)を用いるELISA(1/1000希釈)により評価した。免疫組織化学の場合、ジンクホルマリン固定化、パラフィン埋め込みヒト組織のセクションおよびヒト組織マイクロアレイを脱パラフィン化し、再水和し、マイクロ波で加熱(10mM クエン酸緩衝液、pH6.0中に20分間)し、抗原にさらした。内在性のペルオキシダーゼをブロックし、次いで免疫検出を、抗ラクリチン抗血清または事前免疫血清(1/1000)と1時間室温でインキュベーションした後、アビジン-ビオチン-ペルオキシダーゼ複合化法(Vectastain Elite kit, Vector Laboratories, Burlingame, CA)を用い、行った。セクションは、ヘマトキシリンで対比染色し、硫酸第二銅中に置き、次いで炭酸リチウム中に浸した。
【0067】
細胞機能分析
新しく単離したラット涙液腺房細胞、およびHSG(ヒト唾液腺)管およびHCE(ヒト角膜上皮)細胞系を用い、ラクリチン機能を研究した。分泌研究の場合、ラット腺房細胞を、0.05μM ラミニン1(付着を確実にする)および0〜20μM ラクリチン、または他にラミニン-1(0.05μM)で共被覆したウェル上の血清フリーに一晩置き、次の日に、可溶性ラクリチン0〜162ng/mlを含む血清フリー培地で4時間処理した。次いで、非刺激性および刺激性(カルバコール 10-4M/VIP 10-8M)分泌物を回収し、評価(ペルオキシダーゼアッセイ)し、そしてμg細胞性DNAに標準化した。チロシンリン酸化の研究のため、ラット涙液腺房およびHSG細胞の両方の一夜の血清フリー培地を洗浄し、0.5、2.5、10および30分間、可溶性ラクリチン10ng/mlで処理した。次いで、細胞ライゼートのPy(20)抗ホスホチロシン抗体免疫沈澱を、検出のためにPy(20)およびECLを用い7%SDS PAGEゲルのウエスタンブロットで検査した。ヒト角膜上皮細胞中のカルシウムシグナリングが、血清フリー培地中で同様に行われた(Trinkaus-Randall et al, 2000; Klepeis & Trinkaus-Randall、調製)。HCE細胞は、ウシ下垂体抽出物(30μg/ml)、EGF(0.1ng/ml)およびペニシリン/ストレプトマイシンを含むケラチン生成細胞培地(Life Technologies, Rockville MD)中のカバーガラスの上でコンフルエンス(confluency)にまで増殖させ、Fluo−3AMと共に負荷する18時間前の30分間、37℃で静止させる。視覚化のため、逆にしたZeiss 510LSMを用い、50秒間ベースラインイメージを最初に記録した。レーザーを作動(running)させる間、ラクリチンを加え(最終濃度4および40ng/ml)、その応答を786msec毎に最低200sec間、連続してモニターした。
【0068】
ECM結合の研究
結合の研究は、10μg/ウェルの、コラーゲンIV、ラミニン−1、エンタクチン(entactin)/ニドロゲン−1、コラーゲンI、フィブロネクチン、ビトロネクチン、EGF、ヘパリンまたはBMS(Matter & Laurie, 1994)で被覆した96ウェルプレートで行った。ウェルを洗浄し、ブロックし(PBS−T)、0−30nMラクリチン(1%BSAを含むPBS−T中)と共に1時間(4℃)インキュベーションし、洗浄し、抗ラクリチン抗体(1/1000)でELISAにより検出した。
【0069】
結果
細菌性ラクリチンに対し調製した抗体を、ヒト涙腺および唾液腺のセクションに、および75種類のヒト組織および器官の、ホルマリン固定化、パラフィン埋め込みセクションを含む組織ミクロアレイに適用した(表I参照)。免疫反応性は、涙腺ならびに主要および小唾液腺における腺房細胞の分泌粒子中で明らかに観察されたが、他の上皮またはストロマでは明らかではなかった。甲状腺中の存在ははっきりしない(表I)。腺房細胞染色の頻度が、涙腺で高く、その一方、散乱唾液腺房細胞のみが反応性があった。免疫反応性はまた、涙管および唾液管のルーメン内での分泌を明らかとした。ELISAにより、ラクリチンは、ヒトの涙で検出され、唾液中では僅かな程度検出された。
【0070】
表1
ヒトの器官におけるラクリチンの免疫局在化の制限
【表1】
Figure 2004536570
相対強度;全組織では見られず
【0071】
ラクリチン機能は、分泌(腺房)、増殖(管)、チロシンリン酸化(腺房、管)およびカルシウムシグナリング(角膜上皮)アッセイを用い、涙液腺房、唾液腺および角膜上皮細胞の血清フリー培地においてアッセイした。新しく単離したラット涙液腺房細胞は、増加した量のラクリチン(付着を確実とする一定少量のラミニン1を伴う)に、またはラクリチンを培地に加えたラミニン−1被覆ウェルにプレートした。被覆および可溶性の両方のラクリチンが、用量依存法での非刺激性分泌を促進するが(図1参照)、アゴニストカルバコールおよびVIPにより行われる刺激性分泌経路において効果はまったく観察されなかった。これらの結果は、管腔性腺房細胞表面上のレセプターを介する可能性のあるオートクリンまたはパラクリンの役割を示唆する。ラクリチンが腺房から流れるため、それは、管上皮細胞および最終的に角膜上皮細胞に接触する。
【0072】
静止したヒト顎下腺管(「HSG」)細胞は、増大する量のラクリチンを含む血清フリー培地中で培養し、細胞増殖を研究した。当該ラクリチン培養物は健常なように見える;4日後、管細胞数の用量依存増加により、BSA(10ng/ml)陰性対照(図2b参照)の2倍を超えるレベルに到達することが明らかであった(図2a参照)。同レベルのラクリチンは、HSGおよびラット涙細胞の両方の48kDaバンドの一時的なチロシンリン酸化を促進する。
【0073】
次に、ヒト角膜上皮細胞のカルシウムシグナルを検査した。基底レベルのシグナリングが無視できる一方、ラクリチンの付加により、細胞を通じて増大する迅速で持続性のカルシウム波を生じた。波の始まりは、上皮細胞増殖因子(20−40秒)に対する通常応答に先行し、当該応答の大きさは、ラクリチンの濃度に依存した。細菌性リポポリサッカライド(組換えタンパク質プレップの可能性ある汚染)が含まれないことを確実とするため、サンプルをlimulus変形細胞ライゼートアッセイで試験し、そしてリポポリサッカライドは検出されなかった(<0.05EU/ml)。最終的に、涙液膜成分フィブロネクチンまたはビトロネクチンに結合するラクリチンの能力を試験し、少量のラクリチンをハーバーし得る小房周囲基底膜の成分は、免疫組織化学法により検出できない。ラクリチンはフィブロネクチンおよびビトロネクチンの顕著なアビディティーを示し、フィブリン−2に類似する(Sasaki et al, 1995)、コラーゲンIV、ニドジェン/エンタクチンおよびラミニン−1に帰する強力な基底膜結合が存在した。コラーゲンI、EGFまたはヘパリンに対する結合が観察されなかった。
【0074】
かなり広いラクリチン涙腺メッセージは、他のスプライス型、またはRNA崩壊を示唆した。別々の、しかしあまり強くないシグナルが見られる顎下腺と同じではなかった。この問題点に取り組むため、およびどのようにラクリチン遺伝子を配置するかという情報を得るため、12.4kbゲノムフラグメントを配列決定し、最も大きいラクリチン陽性フラグメントは、ラクリチンゲノムクローンから容易に入手可能であった。当該遺伝子は、翻訳開始部位の推定プロモーター配列109から59bp上流後の5つのエキソンからなる(プロモータースコア=1.0;NNPP/真核)。エキソン1は、完全シグナルペプチドをコードし、38bpの5'非翻訳配列を含む。エキソン3は、全ての推定O−グリコシル化部位の配列を含む。推定N−グリコシル化部位は、エキソン4/エキソン5スプライスジャンクションで形成される。エキソン5は、53bpの3'非翻訳配列を含む。3つの可能性あるポリアデニル化部位は、エキソン5の367、474および534bp下流で検出され、その最初のものは、760bp転写物に維持されていた。エキソン−イントロン境界での配列は、エキソン4スプライスアクセプターを除き、推定スプライスドナーまたはアクセプターに適合する。イントロン配列は、共通のイントロンリピートエレメントを示した。38bpの5'エキソン1配列を欠く偽遺伝子はまた、別々のゲノムフラグメントで独立して発見された。
【0075】
可能な他のスプライシングを試験するため、RT−PCRを、鋳型として顎下腺または涙腺cDNAならびにエキソン1および5にそれぞれ由来するフォワードおよびリバースプライマー(それぞれ非翻訳フランキング配列を含む)により用いた。単一のPCR産物が、サイズ(449bp)が全てのエキソン由来の転写物が他のスプライシングなしに維持されている、両方の器官で検出した。FISHは、ラクリチン遺伝子がクロモソーム12に位置することを示し、それは、12q15用のプローブでの二重標識により確認した結果である。10の特異的に標識したクロモソームの測定から、ラクリチン遺伝子は、12qのセントロメアからテロメアへの約16%の距離に位置し、12q13に相当する領域であった。Triple A症候群として知られるあまりない遺伝学的無涕症はまた、12q13で見られた。ラクリチンゲノムプライマーおよびトリプルA症候群領域に広がるBAC鋳型を用い試みたPCRでは、PCR産物は産生されなかった。ラクリチン遺伝子は、セントロメアの12q13のおおよそ65.1から65.9Mbpの位置に向いている(pointing to)ドラフト配列AC068789.4、AC025686.2およびAC025570.6に部分的に含まれる。
【0076】
ラクリチンの発見は、複数の細胞外因子が、腺分化、特に増殖因子および周囲の細胞外マトリクスの成分を誘発するという仮説から得た。実に、部分的または不成功の腺房形成は、TGFbスーパーファミリーメンバーまたはレセプター、ErbB4、プロゲステロンレセプター、細胞外マトリクスグリコプロテインオステオポンチン、EGFレセプター(TGFaおよびアンフィレグリン(amphiregulin)を有する)、線維芽細胞増殖因子レセプター2(IIIb)、または増殖因子FGF−10を欠損しているマウスで報告されている。そのファクターと、培養物における腺房細胞の分泌機能との結合は、より複雑であると証明された。それにもかかわらず、小房周囲間葉性およびホルモン性環境は、腺発達および機能に影響すること、およびオートクリンおよびパラクリン制御の両方は、重要な役割をすることが明らかである。新たに単離した外分泌細胞、特にラクリマル−1ならびに細胞外マトリクスおよび他のところ由来の低分子量因子の非存在下、機能的に脱分化する涙液腺房細胞の主要な培養物は最もデリケートである。
【0077】
涙液腺房、唾液管および角膜上皮細胞の培養物に対する組換えラクリチンの導入により、目的の機能的洞察が得られた。涙液腺房細胞は、促進した非刺激性(しかし刺激しない)分泌および48kDaタンパク質の迅速なチロシンリン酸化を示した。管細胞(ductal cell)は、同じ48kDaバンドをリン酸化し、増殖した。迅速で持続性のカルシウム移行が角膜上皮細胞で見られた。そのため、ラクリチン流出に寄与するか、または当該流出が利点となる全ての細胞型は、ラクリチン誘導性であることがあり、その一方、対照は陰性であり、細菌性リポポリサッカライド(免疫細胞培養物において増大することが知られる)の汚染の証拠はなかった。どのようにラクリチンが作用するか、解明すべきままである。可能性として、共通レセプターは仲介的であり、そのライゲーションは、チロシンキナーゼが、容量性カルシウム流入および細胞内カルシウム貯蔵のイノシトール−3−ホスフェート誘導性放出を付随する神経網膜でのチロシンリン酸化およびカルシウム放出と共同的に連結し得る。他に、3つの細胞型でのラクリチンシグナリングは異なり得る。涙液腺房、管および角膜上皮細胞は著しく異なる機能を実行する。幾つかの細胞内シグナリング機構が共通であり得るけれども、他のものは特有であり、そして幾つかの共通機構が、異なる使用に付され得る。涙液腺房細胞中のカルシウムシグナリングは、刺激性分泌経路、ラクリチンにより明らかに影響を受けない経路による、涙タンパク質の放出を仲介するムスカリン性レセプターライゲーションの最も頻度の高い下流効果である。また、アゴニストの性質および用量に依存する、カルシウム規模(amplitude)、頻度および局在性における敏感性(subtleties)は、劇的な異なる効果を有し得る。対比させるラクリチンは、BM180、刺激性分泌経路においてのみ作用することが明らかな小房周囲基底膜成分である。利用可能なラクリチンおよびBM180の量のバランシングは、成体および発達中の腺の分泌容量を制御し得る単純な機構を供し得る。
【0078】
分泌粒子、管の分泌成分および涙中のラクリチンの免疫局在化は、涙成分フィブロネクチンおよびビトロネクチンに対し顕著な親和性を示す結合研究により、広がった。他の場所では免疫検出されてないけれども、ラクリチンはまた、共通小房周囲基底膜成分ニドジェン/エンタクチン、コラーゲンIV、およびラミニン−1に結合したが、コラーゲンI、EGFまたはヘパリンには結合しなかった。同様の結合性がフィブリン−2で報告されている(Sasaki et al, 1995)。これらの相互作用の重要性および正確性が決定されるべきままであるが、基底膜結合は、機能的に強力であるが細胞外マトリクス蓄積が、確実な免疫検出でしばしば非常に低くなる増殖因子に恐らく類似する。他に、基底膜結合(たとえあるとすると)は、可能性として二次的に組織損傷を生じ得る。
【0079】
実施例3
ラクリチンプロモーターの特性解析
作業仮説は、ラクリチン遺伝子活性が、適当な転写因子および共レギュレイターの環境中の特有エンハンサー(および可能性あるリプレッサー)と共同して作用する非典型的に制限された強力なプロモーターに帰することである。その組織特異的転写制御は、aA−クリスタリン(レンズ)、ロドプシン(網膜)、アルデヒドデヒドロゲナーゼクラス3およびケラトカン(keratocan)遺伝子(角膜)と同等またはそれらを超え、ヒト涙腺の遺伝子発現の中核的管理に関する文献の本文を新たに開始する独自の機会を提供する。
【0080】
ラクリチン遺伝子調節エレメントのマッピング
どのようにラクリチン遺伝子発現が涙腺を標的とするのかという解明から、以下に記載のような、よりよく理解できるラクリマル遺伝子制御が決定される。第一に同一性、ラクリチン転写開始部位を実験的に確認する。コンピューターによるプロモーター分析に基づき、転写は、ATG翻訳開始部位の69bp上流(「−69bp」;「神経ネットワーク」)に位置する単一部位で開始すると予期される。コアプロモーターの「TATA−ボックス」および/または「イニシエーター」(「Inr」)エレメントは、多くの遺伝子、特に高度に発現する遺伝子における転写の開始部位を確定する重要な役割をする。例として、+1、+220(また+190bpのTATA−ボックス)および+316bp(イントロンの)のInrエレメントは、プライマー伸張により実験的に確認されるようなヒトケラトカン遺伝子中の転写開始部位を作成し(Tasheva ES, Conrad AH, Conrad GW. Identification and characterization of conserved cis-regulatory elements in the human keratocan gene promoter. Biochem Biophys Acta. 2000 Jul 24; 1492 (2-3): 452-9)、TATA−ボックスは、aAクリスタリン、ロドプシンおよびアルデヒドデヒドロゲナーゼ遺伝子プロモーターの転写開始において顕著に現れる。神経ネットワークが予想する−94から−46bp領域が、−69bpに転写開始部位を有するラクリチンコアプロモーター(スコア=1.0)を実は含むならば、それぞれ−52および−67bpの推定TATA−ボックスおよびInrエレメントは、転写開始の鍵の役割をする。他に、転写は、「CorePromoter」により示唆されるように、−62bpで開始し得る。プライマー伸張およびRNAリガーゼ仲介5'−RACEがこの疑問を解く。
【0081】
プライマー伸張の場合、有利点は、ラクリチンmRNAのヌクレオチド64から83bpに相補的な「Prime」(GCG, Madison WI)により作製された20merリバースプライマー(「LacP83」)で得られる。ルーチンの手順の通り、LacP83を、[g32P]ATP存在下でT4ポリヌクレオチドキナーゼを用いるリン酸化により末端標識し、トータルラクリマルRNA(10μgRNAあたり100fmolプライマー)と20分間、58℃でアニーリングさせ、冷却し、次いで、デオキシヌクレオチド存在下でAMV逆転写酵素(Promega, Madison WI)と共に30分間41℃でインキュベーションする。変性SDS PAGE分析/ラジオグラフィーにより分析すると、新しく形成されたcDNAのサイズは、スケールアップした非放射性伸張反応およびRNAリガーゼ仲介5'−RACEからのcDNAのセミオートマティックABIシーケンシングにより決定された5'末端(i)の同定と共に、おおよその転写開始部位位置を算出するための重要な情報を提供する。プライマー伸張制御には、ラクリマルRNAとトータル酵母RNA(またはRNAなし)との置換、およびプライマー伸張条件が従前に確立している付随プライマー(Promega, Madison WI)によるインビトロ転写により調製されたRNAの使用が含まれる。
【0082】
コンフォメーションに関しては、RNAリガーゼ仲介5'−RACE('GeneRacer';Invitrogen)を用いる。これは、プライマー伸張の強力な、PCRに基づく修飾である。この目的のため、トータルヒトラクリマルRNA1−5μgを、ウシ腸ホスファターゼで処理(10μl反応ミックスあたり1U)し、崩壊したRNAおよび非−mRNA汚染物から5'ホスフェートを取り除く。タバコ酸(tobacco acid)ピロホスファターゼ(10μl反応ミックスあたり0.5-1U)を伴うインキュベーションにより、真正の5'‐末端でのみに存在する5'‐CAP構造を取り除き、T4 RNAリガーゼ(10μl反応ミックスあたり5U)によるキット特異的RNAオリゴヌクレオチド(「GeneRacer RNA Oligo」)のライゲーションが可能となる。その後のLacP83プライム化逆転写は、一本鎖cDNAを作成する。次いで、cDNAは、LacP83およびプライマー対として5'RNAオリゴに相補的なプライマーを用いPCR増幅し、配列決定して、開始部位を同定する。陰性PCR対照では、増幅は、LacP83またはGeneRacer RNAオリゴの非存在下または鋳型なしで試み、バンドまたはスメアが観察されるならば、更にPCR最適化を行なう(すなわち、少ない鋳型か少ないPCRサイクルの使用か、または増幅量をふやすネスト化PCR、またはタッチダウンPCRの使用)。
【0083】
152(または145)bpの一本鎖プライマー伸張cDNAバンドが、−69bp(または−62bp)に転写開始部位を維持しつつ、そしてプライマーの5'末端から翻訳開始点までの83bpを含む[69+83bp(または62+83bp)]ことが観察される。この予想は、ヒト唾液腺のノーザン分析により明らかとなる一本鎖転写物と一致する。より広いヒトラクリマルバンドは、幾つか僅かな崩壊の可能性を合わせた多量mRNAに帰すると解釈される。他のスプライシングは観察されないが、第二の転写の可能性は完全には除外され得ない。
【0084】
ルシフェラーゼレポーター構成物はまた、作成され、ラクリチン遺伝子調節エレメントの、トランスフェクションに基づく領域マッピングが開始される。ヒトおよびマウスラクリチン遺伝子のベイズアライメント(Bayesian alignment)は、レポーター構成物活性の解釈に優れた根拠を提供し、進化での保存は、同様に、トランスフェクション宿主(任意の種の涙腺由来の不死化細胞系のみ)としてのウサギ涙液腺房細胞の実行可能な利用を成し得ると、仮定される。この調査アプローチは、インビトロおよびインビボの両方でのより詳細な研究のための概念上基礎作業を形成する。
【0085】
ラクリチンの組織特性は、天然、および遺伝子プロモーターおよび推定エンハンサー領域を含む転写因子結合モジュールの種類で恐らく見られる。aA−クリスタリン遺伝子の、レンズでの好ましい発現は、例えば、CREB/CREM、aA−CRYBP1、Pax6、TBP、USF、AP−1(組織特異性に重要なAP−1の状況)および150bpaA−クリスタリンプロモーターで核となるL−mafの転写複合体により、左右される。従前では、未処理のまたは連続的に5'が短くなった(または変異した)プロモーター領域の制御の下、ルシフェラーゼまたはクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ発現を人工的に配置するトランスフェクトプラスミド構成物を用い、プロモーターのシス−作用性調節領域を同定した。多用途的および感受性的な「Dual-Luciferase Reporter Assay System」(Promega)は、例えば、研究下のトランスフェクト遺伝子プロモーター(発現するホタルルシフェラーゼのレベルにより明らかとなるように)および一定のベースラインレベル(以下参照)で明確な基質特性を有する合成ウミシイタケルシフェラーゼを独立して発現するように設計された共トランスフェクト内部陽性HSV‐TK制御プロモーターの両方を連続してアッセイする。レポーターとしてb−ガラクトシダーゼを用いるトランスジェニックマウスでのその後の研究では、染色体コンテクスト(chromosomal context)を利用する。ウサギ涙細胞系の最近の利用可能性(Nguyen DH, Beuerman RW, Halbert CL, MaQ, Sun G. Characterization of immortalized rabbit lacrimal gland epithelial cells In Vitro Cell Dev Biol Anim. 1999 Apr; 35(4):198-204)およびラクリチンのゲノムクローニングは、現在、涙腺分野にこの系の研究を切り開いている。
【0086】
転写が実は−69または−62bpで開始するならば、−2435から−10bp(「Lacrgen2.4」)、−1619から−10bp(「Lacrgen1.6」)または−856から−10bp(「Lacrgen0.9」)に広がる上流ゲノム構成物は、組織特異的および増大化発現に必要な全てまたは殆どのエレメントを含み得る。それぞれの調製は、XhoI部位を導入するリバースプライマー「LacP−10/XhoI」(−10から−31bp)、およびフォワードプライマー「LacP−2960」(−2960から−2942bp)を用いる12.4kbラクリチンゲノムフラグメントからのPCRにより作成される親アンプリコン「LacrgenInit」(−2960から−10bp)の利点を得る。プライマー対は、「Prime」(GCG, Madison WI)により設計する。XhoI、BglII/XhoIまたはHindIII/XhoIによるLacrgenInitのその後の消化により、プロモーターがなくエンハンサーがないルシフェラーゼ遺伝子(luc+)のちょうど上流のpGL3−Basicのマルチプルクローニング部位中に容易にライゲーションする(ゲル精製後)ために適当な末端をそれぞれ有するフラグメントLacrgen2.4、Lacrgen1.6またはLacrgen0.9が生ずる。
【0087】
難なく12ヶ月関培養した新しいウサギ涙液腺房細胞系(Nguyen et al, '99)をトランスフェクション研究に使用する。当該細胞は、強い上皮形態性を示し、分泌成分、トランスフェリンおよびトランスフェリンレセプターを合成する。重要なことに、それらはまた、ラクリチンを発現し、容易にトランスフェクト可能である。トランスフェクションを行なうため、96ウェルプレート中の、80%までのコンフルエントの血清含有培養物を、0.8μl/ウェルまでのLipofectAMINE2000試薬(Invitrogen Life Technologies)を用い、pGL3−Basicプラス内部対照phRL−TKプラスミド(合計0.24μgプラスミド/ウェル;phRL-TKに対するpGL3-Basicの比50:1)中のLacrgen2.4、Lacrgen1.6またはLacrgen0.9で一時的にトランスフェクトする。48時間後、培養物を静かにPBSで三回洗浄し、1×「Passive Lysis Buffer」(20μl/ウェル; Promega)中で15分間溶解させ、L-Max96ウェルプレートルミノメーター(Molecular Devices, Menlo CA; コンピューターによるオンライン)で「Luciferase Assay Reagent II」(100μl/ウェル)を加えホタルルシフェラーゼでアッセイする。読み値をゼロ化し、同様に、トランスフェクトしていない細胞のライゼートを含むウェルを処理する。その後、「Stop & Glo Reagent」(100μl/ウェル)を、ウミシイタケ(Renilla)ルシフェラーゼのアッセイ用に加える。同様にトランスフェクトしたヒト293細胞の含有は、陰性対照の役割をし、その一方、Araki-Sasakiヒト角膜上皮細胞(HCE-T)およびHSGヒト唾液細胞(両方ラクリチンを分泌)は陽性対照として適当である。最適なラクリマルLipofectAMINEトランスフェクションおよび「Bright-Glo」ルシフェラーゼアッセイ条件(Promega)は、pGL3−Controlベクターの利点(トランスフェクトした細胞がSV40プロモーターおよびエンハンサー制御の下のluc+発現から利益を得る)を有する。トランスフェクション効率は75−90%であり、Lacrgen1.6またはLacrgen0.9のようなLacrgen2.4、Lacrgen1.6またはLacrgen0.9のうちの1つは、ラクリチンプロモーター活性に必要な最小配列を最もよく決定する。
【0088】
本研究のこの過程は、ネスト化欠失により5'を連続的に短くした(ラクリチン遺伝子およびフランキング領域のゲノムシーケンシングに適用されるアプローチ)Lacrgen2.4、Lacrgen1.6またはLacrgen0.9誘導化構成物の作成および試験のための、理論的開始点を提供する。これにより、pGL3−Basicマルチプルクローニング領域中の各挿入物のすぐ上流に単一のKpnIおよびSacI部位を作成することが可能であり、Lacrgen2.4、Lacrgen1.6またはLacrgen0.9中に内部KpnIまたはSacI部位を全く欠いている(Map(GCG)により決定するときは後者)。そのため、KpnIおよびSacIで消化すると、直鎖状プラスミドが生じ、そのKpnI末端は、エキソヌクレアーゼIII耐性であり(3'突出)、SacI(3'陥凹)は感受性である。Lacrgen2.4、Lacrgen1.6またはLacrgen0.9はSacI部位に近接し、それらをエキソヌクレアーゼショートニングに対し感受的とする。これを行なうため、プラスミド構成物2μgはKpnIおよびSacI消化される。酵素不活性化(70℃で10分間)および氷上での冷却の後、エキソヌクレアーゼIII緩衝液中の直鎖状プラスミドを、3分間間隔の連続的50−100bp欠失を行なうように25℃または15℃で最終体積40μl中のエキソヌクレアーゼIIIで処理する。それぞれ3分の時点の2μlアリコートを、S1ヌクレアーゼを含む氷上のチューブに取り出す。全時間のアリコートを採取した後、プラスミド消化物を氷から取り出し、オーバーハングのS1ヌクレアーゼ消化のため30分間室温でインキュベーションし、熱不活性化し、T4DNAリガーゼの存在下、平滑末端ライゲーションにより再環状化し、アガロースゲルで試験し、アンピシリン選択と共にコンピテント細胞中に形質転換する。次いで、それぞれのプラスミドプレップを、涙液腺房細胞のトランスフェクション(内部対照プラスミドによる)、およびルシフェラーゼ発現の評価に適用する。

Claims (22)

  1. 配列番号4のアミノ酸配列、または配列番号4の抗原性フラグメントを含む精製ポリペプチド。
  2. 配列番号4のアミノ酸配列および医薬的に許容される担体を含む組成物。
  3. 当該組成物が、局所用眼製剤である、請求項2の組成物。
  4. 医薬的に許容されるリン脂質またはオイルを更に含む請求項3の組成物。
  5. ストリンジェントな条件下、配列番号1の100ヌクレオチドフラグメントに、またはその相補体にハイブリダイズする精製核酸配列。
  6. 配列番号2または配列番号5の連続25bp配列と同一の25bp核酸配列を含む精製核酸配列。
  7. 配列番号3、配列番号5および配列番号6を含む群から選択される配列を含む、請求項6の核酸配列。
  8. 異種性遺伝子に作動可能なように連結した、配列番号5、配列番号6、配列番号7および配列番号8からなる群から選択される核酸配列を含む核酸構成物。
  9. 当該異種性遺伝子がマーカーをコードする、請求項8の核酸構成物。
  10. 当該マーカーが蛍光シグナルを発する、請求項9の核酸構成物。
  11. 当該構成物がプラスミドである、請求項9の核酸構成物。
  12. 請求項8、9または11のヌクレオチド配列を含むトランスジェニック宿主細胞。
  13. ポリリンカーに作動可能なように連結した、配列番号5、配列番号6、配列番号7および配列番号8からなる群から選択される核酸配列を含む核酸構成物。
  14. 当該構成物がプラスミドである、請求項13の核酸構成物。
  15. 配列番号4のアミノ酸配列、または1以上の保存アミノ酸置換により配列番号4とは異なるアミノ酸配列、または単一の変異(ここで、単一変異とは単一アミノ酸の欠失、挿入または置換を示す)により配列番号4とは異なるアミノ酸配列を含む精製ポリペプチド。
  16. 配列番号4のタンパク質に特異的に結合する抗体。
  17. ラクリチン活性を修飾し得る試験化合物を同定する方法であって、
    (a)ラクリチンを含む溶液を当該試験化合物と接触させること、および
    (b)当該試験化合物の存在下および非存在下でラクリチン活性を測定すること(これにより、当該試験化合物の存在下で得られるレベルがその非存在下で得られるものとは異なるならば、ラクリチン遺伝子遺伝子発現を修飾する化合物が同定される)、
    を含む当該方法。
  18. 測定されるラクリチン活性が、管細胞増殖を促進するラクリチンの能力である、請求項17の方法。
  19. 測定されるラクリチン活性が、チロシンリン酸化またはカルシウムシグナリングを促進するラクリチンの能力である、請求項17の方法。
  20. ドライ・アイを処置する方法であって、配列番号4のアミノ酸配列、または1以上の保存アミノ酸置換により配列番号4とは異なるアミノ酸配列、または単一変異(ここで、単一変異とは単一アミノ酸の欠失、挿入または置換を示す)により配列番号4とは異なるアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む組成物と眼の表面を接触させるステップを含む当該方法。
  21. ヒト角膜上皮細胞および涙液腺房細胞の増殖を促進する方法であって、配列番号4のアミノ酸配列、または1以上の保存アミノ酸置換により配列番号4とは異なるアミノ酸配列、または単一変異(ここで、単一変異とは単一アミノ酸の欠失、挿入または置換を示す)により配列番号4とは異なるアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む組成物と当該細胞を接触させるステップを含む当該方法。
  22. ラクリチンレセプターを検出する方法であって、
    可能性ある細胞レセプターをコードする核酸配列でトランスフェクトされた細胞を提供すること、
    当該トランスフェクトされた細胞をラクリチンと接触させること、
    ラクリチン依存カルシウムシグナルを示す細胞を検出すること、
    検出した細胞から核酸配列を単離すること、および
    その核酸配列でトランスフェクトされた細胞でラクリチン依存カルシウムシグナリングを供する核酸配列を同定すること、
    を含む当該方法。
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