JP5474443B2 - 添加粒子及び添加粒子連結体 - Google Patents

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Description

本発明は、ゲーム機、操作ボード、マウス、携帯電話、リモコン、時計ケースなど、人間の手などに触れる樹脂成型部材に配合するための添加粒子に関する。
ゲーム機の外装、操作ボード、マウス、携帯電話、リモコン、時計ケースなどの樹脂成型部材は、頻繁に人が手で触るため、手の油脂分や汚れ、煙草の灰やなどが付着しており、さらには、やに、微小粉塵なども付着しており、衛生面での問題が残る。一般に、遊技機用樹脂成型部材はコーティングするものが多く、そのコーティングを行う場合には、あらかじめ成形した樹脂の表面にコーティング加工する。しかし、コーティング膜は剥離しやすいという問題がある。
これら従来の問題を解決した先行技術文献として、特許文献1には、不特定多数の人が触れる遊技用操作ハンドル、操作ボード、パチンコ玉収納箱、コイン収納箱、景品交換チップ等の樹脂成型品であって、熱可塑性樹脂に、抗菌剤や抗菌処理を施した粉体と充填剤を配合した材料で作られた樹脂成型品が記載されている。
特開平9−77880
しかし、特許文献1の樹脂成型品においては、機能性成分である抗菌剤や抗菌処理を施した粉体は、樹脂成型品の内部に練り込まれてしまって、樹脂成型品の表面に露出しておらず、抗菌剤等の機能性成分の効果が十分に発現されない。
そこで、本発明の目的は、機能性成分である粉体の除菌、消臭、抗酸化などの作用を最大限に発現させるように、機能性成分である粉体を、その表面に露出させやすくした、樹脂成型部材に配合するための添加粒子を提供することである。
さらに、本発明の他の目的は、樹脂成型部材の表面から離脱されにくくした添加粒子を提供することである。
(1)本発明の添加粒子は、
粗大粒子の表面に粗大粒子よりも粒径が小さい微細粒子を担持して基材となる熱可塑性樹脂中に配合するための添加粒子であって、
前記添加粒子は、
コロイド化剤を加えてコロイド状態にした平均粒径1〜10μmの白金又は金の微細粒子に、
平均粒径1〜100μmのシリカ、アルミナ、ガラスのいずれか又はこれらを混合した粗大粒子、
コロイダルシリカからなる結合剤、
を加えてスラリー状態の液状物質とし、
前記スラリー状態の液状物質を熱風中に噴霧して粉末にした後、
加熱して前記コロイド化剤を除去したものであることを特徴とする。
(2)本発明の添加粒子は、上記(1)において、
前記粗大粒子が、中空体であることを特徴とする。
(3)本発明の添加粒子連結体は、上記(1)又は(2)に記載の添加粒子を熱可塑性樹脂に混合して引き出して添加粒子を連結した樹脂フィラメントとした後、
該樹脂フィラメントの両端を延伸することによって添加粒子の外表面を該樹脂フィラメントの表面から露出させたことを特徴とする。
本発明の添加粒子は、粗大粒子の表面に担持された機能成分を有する微細粒子が樹脂成型部材の表面に露出されやすくなり、樹脂成型部材の表面において、消臭性、抗微生物性、抗酸化性などの機能性を効果的に発現することができる。
また、樹脂成型部材に配合する粗大粒子として中空体を用いることによって、機能成分を有する微細粒子を樹脂成型部材の表面により露出させやすくすることができる。
さらに、樹脂成型部材に配合する添加粒子を連結することによって、樹脂成型部材の表面に露出した添加粒子の離脱を防止できる。
本実施の形態の樹脂成形品の断面模式図である。 粗大粒子(P)の表面に微細粒子(P1)を担持させた添加粒子の外面模式図である。 中空の粗大粒子(P2)の表面に微細粒子(P1)を担持させた添加粒子の外面模式図である。 フィラメントによって連結された添加粒子を示す概略説明図である。 フィラメントによって連結された添加粒子の製造方法を示す説明図である。 フィラメントによって連結された添加粒子を練り込んだ樹脂成型部材の断面模式図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施の形態の樹脂成型部材の断面を模式的に示した模式図である。
図2は、粗大粒子(P2)の表面に微細粒子(P1)を担持させた添加粒子の外面を模式的に示した模式図である。
図3は、中空の粗大粒子(P2)の表面に微細粒子(P1)を担持させた添加粒子の外面を模式的に示した模式図である。
<樹脂成型部材>
本発明の実施形態の樹脂成型部材は、白金などの抗菌作用のある微細粒子(機能性粉体)微細粒子を、粗大粒子の表面に担持させた添加粒子を基礎となる熱可塑性樹脂に練り込んだ構成としている。
図1に示すように、本実施形態の樹脂成型部材10は、その表面に微細粒子P1を担持させた粗大粒子P2(微細粒子を担持させた粗大粒子を添加粒子Pという)を熱可塑性樹脂11に配合したものであり、微細粒子P1が、粗大粒子P2の表面に担持されている状態で樹脂成形部材10の表面に露出している。
すなわち、微細粒子P1を粗大粒子P2の表面に担持させることにより、微細粒子P1を単独で熱可塑性樹脂11に練り込む場合よりも、機能性粉体である微細粒子P1が樹脂成型品の表面に露出されやすくなり、消臭性、抗酸化性などの機能性をその表面に備えた樹脂成型品10を得ることができる。
本実施形態において、樹脂成型部材の基礎となる樹脂は、ガラス転移温度または融点まで加熱することによって軟らかくなり、目的の形に成形できる熱可塑性樹脂である。
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、テフロン(登録商標)、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネイトなどが挙げられるが、本実施形態においてはいずれも使用できる。
ポリエチレンは、エチレンが重合した最も単純な構造をもつ高分子であり、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、があるが、いずれも使用できる。
また、ポリエチレンは、エチレンのホモポリマーのみならず、エチレンを主体とするプロピレンやブテン−1などのα−オレフィンとの共重合体であってもよく、ポリエチレンのメルトインデックス(MI)は、0.1〜100、好ましくは0.2〜80とすることが望ましい。メルトインデックス(MI)は、温度190℃、荷重2160g、オリフィス孔径2.092mmの条件で10分間押し出した試料の質量をg数で表わしたものをいう。
ポリプロピレンは、プロピレンを重合させたポリマーであり、プロピレンのホモポリマーのみならず、プロピレンを主体とするエチレン、ブテン−1などのα−オレフィンとの共重合体であってもよく、ポリプロピレンのメルトフローレート(MFR)は0.3〜400、好ましくは0.5〜200とする。
ポリプロピレンの代表例としては、融点がたとえば150℃以上のプロピレン単独重合体であり、そのような高融点のポリプロピレンを樹脂成型品の基礎とすることが、物性(強度、寸法安定性)などの点において好ましい。メルトフローレート(MFR)は、温度230℃、荷重2160g、オリフィス孔径2.092mmの条件で10分間押し出した試料の質量をg数で表わしたものである。
ABS樹脂とは、アクリロニトリル (Acrylonitrile)、ブタジエン (Butadiene)、スチレン (Styrene)共重合合成樹脂をいう。
ABS樹脂と製法として、グラフト法とポリマーブレンド法があり、乳化グラフト法では、アクリロニトリル、ラテックス、スチレンおよび触媒や乳化剤を重合反応機内で重合させ、水分などを遠心分離機で取り除いた後、押出機でペレット化する。塊状重合法では、重合反応槽を使用してそれぞれを重合させ、未重合のモノマーを回収した後、押出機でペレット化する。
ポリマーブレンド法では、AS樹脂にゴムと添加剤を加えてミキサーでコンパウンドした後、押出機でペレット化する。
<添加粒子P>
樹脂成型部材の基礎となる樹脂に配合する添加粒子Pとしては、粗大粒子と、その表面に担持された微細粒子とがある。
機能性を有する微細粒子を粗大粒子の表面に担持させて添加粒子とし、その添加粒子を樹脂に配合することにより、機能性を有する微細粒子が樹脂成型部材の中に埋もれてしまうことを防止し表面に露出させることにより、樹脂成型部材にその微細粒子の機能を持たせることができる。
<粗大粒子>
粗大粒子(P1)とは、その大きさを特に限定するものではないが、その平均粒径が1〜100μm程度の大きさを有するものが挙げられる。
粗大粒子の種類は、特に限定するものではないが、熱可塑性樹脂成型時の加熱で溶融しないものであればよく、セラミックス、ガラス、樹脂、金属、樹脂などの粒子が挙げられる。
また、その形としては、球状、卵型状、立方体、直方体、多角立体、扁平体、など、特にその形状は限定するものではない。
セラミックス粒子としては、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、などが挙げられ、またこれらの混合物など種々のセラミックスを用いることができる。
その他、セラミックス粒子としては、リン酸、硫酸、硝酸、炭酸などの無機酸の多価金属塩、アルカリ金属やアルカリ土(類)金属のフッ化物やケイフッ化物、コロイダルシリカ、アルコール等の有機溶媒を媒体とするオルガノシリカゾルを用いることができる。
また、各種の粘土鉱物、酸化物、水酸化物、複合酸化物、窒化物、炭化物、ケイ化物、ホウ化物、ゼオライト、クリストバライト、ケイ藻土、ケイ酸の多価金属塩なども用いることができる。
粘土鉱物としては、カオリン、ろう石、セリサイト、ベントナイトなどが挙げられる。酸化物としては、アルミナ、チタニア、シリカ、ジルコニア、マグネシアなどが挙げられる。
水酸化物としては、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、マンガンの水酸化物などが挙げられる。
複合酸化物としてはミョウバン、雲母などが挙げられ、窒化物としては窒化ケイ素、窒化ホウ素などが挙げられ、炭化物としては炭化ケイ素、炭化ホウ素などが挙げられる。
ケイ酸の多価金属塩としては、アルミニウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、マンガン塩などが挙げられる。
<中空体>
さらに、粗大粒子として、図3に示すように、上述した粗大粒子の中空体12を用いることもできる。
中空体とは、粒子内部が、外部と連通しない独立した気泡(閉鎖型中空部12a)を、1つ又は2つ以上有するものをいう。例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、炭酸カルシウム等を素材としたセラミックバルーン、ガラスを素材としたガラスバルーン、シラスバルーンなどが挙げられ、またパーライト発泡体、フライアッシュバルーンも用いることができる。
中空体12の中空部12aの大きさ(径)は特に規定するものではない。樹脂成型部材に、粗大粒子として中空体12を配合することにより、樹脂成型部材を軽量化することができる。
また、閉鎖型中空を有する粗大粒子とすることで、添加粒子の吸水性をなくすことができ、人の汗などの吸収を防止できる。
樹脂を素材とする中空体としては、高融点の樹脂の内部にガスを充填したカプセルなどが挙げられる。
<微細粒子P2>
粗大粒子の表面に担持させる微細粒子P2は上述した粗大粒子の粒径よりも小径のもの、例えば、その平均粒径が1〜10nm程度の直径を有するものが挙げられる。
また、その種類を特に限定するものではないが、白金、金、銀、銅、ニッケル、ステンレス、などの金属粒子が挙げられ、これらにカテキンなどを10〜30質量%程度混合することもできる。
微細粒子をナノオーダーとすることで、微細粒子の有する機能性を樹脂成型部材に具備することができる。
例えば、白金,金、銀などの金属粒子は、光触媒の機能を有するとされるが、微細粒子を粗大粒子の表面に担持させることで、高価である白金,金、銀などの金属粒子を樹脂成型部材の表面に効率よく露出させることができ、樹脂成型部材に、長期にわたる抗菌作用や消臭作用、抗酸化作用などの触媒効果を具備させることができる。
添加粒子における、粗大粒子と微細粒子との間の関係において、粗大粒子100質量部に対し微細粒子を0.1〜10質量部とすることが望ましい。好ましくは0.1〜5質量部、さらに好ましくは0.2〜1質量部である。
微細粒子の割合が余りに少ないときには、所望の抗菌性、消臭性、抗酸化性などの機能性の発揮が不足し、微細粒子の割合が余りに多いときには、粗大粒子に対するバランスを崩し、コスト的にもアップする。
なお、図2に示すように、微細粒子を粗大粒子の表面に担持させるには、例えば、微細粒子と粗大粒子とを混合したものを加熱焼結して、粗大粒子の表面に微細粒子を強固に固着させた添加粒子Pとすることができ、樹脂成型部材である熱可塑性樹脂の中に埋もれずに樹脂成型部材の表面上に露出した場合において、微細粒子の脱落を防止することができる。
また、微細粒子を粗大粒子の表面に担持させるには、以下の方法も適用できる。
すなわち、微細粒子をコロイド化剤によってコロイド状態(微細粒子含有分散液)とし、これに、粗大粒子、結合剤(例えばコロイダルシリカ)、分散媒体(水やアルコールなど)を混合する。
上述のコロイド化剤としては、増粘剤、界面活性剤、カルボキシル基を化学構造中に含むカルボキシル基含有化合物が挙げられ、ポリアクリル酸(Na、Kなどの塩を含む)、ポリメタクリル酸(Na、Kなどの塩を含む)、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリビニルピロリドン(特に、ポリ−1−ビニル−2−ピロリドン)、ポリビニルアルコール、アミノペクチン、ペクチン、メチルセルロース、メチルスロース、グルタチオン、シクロデキストリン、ポリシクロデキストリン、ドデカンチオール、有機酸(クエン酸などのヒドロキシカルバン酸)、グリセリン脂肪酸エステル(ポリソルべー卜)、カチオン性ミセル−臭化セチルトリメチルアンモニウム、界面活性剤(アニオン性、カチオン性、両性、ノニオン性)、アルキル硫酸エステルのアルカリ金属塩、それらの混合物が例示できる。
コロイド化剤がカルボキシ基含有化合物である場合は、微細粒子に対して、カルボキシ基のモル数が白金のモル数を基準として80〜180程度になるように含有させることが望ましい。
結合剤としてのコロイダルシリカの含有量としては、固形分の質量が全体を基準として10質量%以上50質量%以下にすることが望ましく、10質量%以上30質量%以下にすることがより望ましい。
コロイダルシリカは粒径が1nm〜1μm程度のものをいう。
上述の微細粒子含有分散液において、例えば微細粒子を白金とした場合、白金金属塩と保護剤(例えば有機酸)とを、水及びアルコールの混合液に溶解させた溶液を還流することにより白金微細粒子を析出させて微細粒子含有分散液を調整する。
その後、分散液をアルコール(エタノールなど)に置換することもできる。
置換方法としては置換前の分散媒の一部を蒸発させた後に、置換後の分散媒(アルコールなど)を添加する操作を繰り返す方法が例示できる。
微細粒子含有分散液と、粗大粒子と、結合剤とを混合してスラリー状態の液状物質とし、
粗大粒子の表面にコロイド状態の微細粒子(微細粒子含有分散液)を付着させた後(付着させたものを付着物という)、粉末状にし、乾燥することで、付着物中の微細粒子含有分散液中の分散媒を除去して、微細粒子を粗大粒子の表面に固着(担持)させる。
微細粒子含有分散液を粗大粒子の表面に付着させた後、粗大粒子の表面から分散媒を除去する(酸化除去工程)。分散媒の除去は、酸化雰囲気下で、加熱することによりコロイド化剤を酸化除去するが、結合剤であるコロイダルシリカが溶融乃至軟化して、微細粒子が粗大粒子の表面に担持される。
この場合の加熱温度は、結合剤の溶融乃至軟化温度を考慮し、800℃〜1100℃程度にすることが望ましく、900℃〜1000℃にすることが更に望ましい。
加熱時間は、コロイド化剤が酸化除去されるために必要な時間に応じて適正に設定可能であり、例えば、1時間〜3時間程度にすることができる。
上述の付着物の形態を粉末状にするための方法としては、噴霧乾燥処理(スプレードライ法)を採用することができる。
噴霧乾燥処理は、原料となるスラリー状態の液状物質を微細な粉末状の形態に加工する処理方法をいい、スラリー状態の液状物質を、熱風中に噴霧と同時に加熱乾燥を行い粉体を得る方法である。
本実施形態において、噴霧・加熱乾燥の条件としては、分散媒を速やかに蒸発除去することができる温度、例えば、180℃〜250℃程度とすることができる。
なお、添加粒子をフィラメントによって連結することによって、樹脂成型部材の表面から添加粒子個々の離脱を防止することができる。この説明を図4〜6を用いて説明する。
図4は、フィラメント13によって連結された添加粒子を示す概略説明図である。すなわち、図4(b)に示すように、個々の添加粒子Pを樹脂フィラメント13によって連結した添加粒子の連結体を形成し、この連結体を適宜な長さに切断したものを樹脂成型部材に配合する。これによって、樹脂成型部材の表面に露出した添加粒子が樹脂成型部材の表面から離脱することを防止できる。
図5は、添加粒子Pを樹脂フィラメント13によって連結された連結体14の製造方法を示す説明図である。このような連結体14は、図5に示すようなフィラメント製造装置によって製造できる。
すなわち、添加粒子Pを樹脂フィラメント13となる熱可塑性樹脂Rに混ぜて、溶解槽M中で高温に保ち、装置下方から連結体14として引き出す。その後、添加粒子Pを熱可塑性樹脂Rに混合した連結体14を、図4(a)に示すようにその両端を左右に延伸する。その結果、添加粒子Pの外表面が樹脂フィラメント13の表面に顔を出し、粗大粒子Pの表面に担持された微細粒子P1が樹脂フィラメント13の表面に露出するようになる。
そして、図6の樹脂成型部材の断面模式図に示すように、樹脂成型部材に練り込まれた添加粒子Pは、樹脂フィラメント13によって連結されているので、個々の添加粒子Pが樹脂成型部材から離脱されにくくなっている。
基礎となる熱可塑性樹脂に、添加粒子を混練機などを用いて練り込みして樹脂成型部材とする場合、その配合割合は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、添加粒子の割合が1〜50質量部とすることが望ましい。好ましくは2〜30質量部である。
添加粒子の配合量が余りに少ないときは、担持させた微細粒子の具備する所望の抗菌性、消臭性、抗酸化性などの機能性が充分には発揮されず、一方、配合量を余りに多くしても、機能性は一定以上とならないばかりでなく、樹脂成型部材の強度や風合が低下したりするおそれがある。
熱可塑性樹脂には、必要により、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、滑剤、帯電防止剤、艶消し剤、流動性改善剤、可塑剤、難燃剤などの助剤を添加しておくこともできる。特に、複数種類の添加粒子を配合した熱可塑性樹脂には、酸化防止剤等の安定剤と共に、金属石鹸をはじめとする凝集防止性ないし分散性の向上に有効な成形助剤を併用配合して、添加粒子の均一分散を確保することが好ましい。
また、微細粒子として金属粒子を配合する場合には、その担持性を向上させるため、銅塩、鉄塩、カルシウム塩、チタン塩、アルミニウム塩、銀塩、スズ塩、亜鉛塩、クロム塩、コバルト塩などの金属イオン源を適当量共存させておくこともできる。
また、本実施形態の樹脂成型部材は、光触媒機能を有する素材を配合することもできる。
まず、噴霧乾燥装置(スプレードライヤー)を用いて、微細粒子含有分散液を粗大粒子の表面に付着させた。すなわち、シリカ(SiO)が35.5%、HOが64.5%の組成に配合されたコロイダルシリカと、体積平均粒子径5nm程度の白金ナノコロイド分散液(=微細粒子含有分散液、アプト社製、白金(微細粒子)含有量は20μg/0.1g、白金微粒子の体積平均粒径は5μm、コロイド化剤はクエン酸)とを、質量比、コロイダルシリカ50:白金ナノコロイド分散液50で加えて混合したものに、平均粒子径1μm程度のシリカからなる粗大粒子を、質量比が70:30(微細粒子含有分散液:粗大粒子)となるように混合した混合液を得た。
この混合液を、噴霧乾燥機(スプレードライヤー)を使って、180℃〜250℃程度の熱風を用いて槽内に噴霧して乾燥した。
得られた粉末を回収し、その後、セラミックス質の容器(鞘)に入れて、電気炉にて約900〜1000℃、1時間加熱した(酸化除去工程)。
酸化除去工程を行った結果、コロイド化剤としてのクエン酸は酸化・揮散して、体積平均粒径5nm程度の白金ナノ微粒子が1μm程度のシリカ表面に固着させて添加粒子Pを作成した。
次に、この添加粒子Pを、熱可塑性樹脂(高密度ポリエチレン(HDPE))100質量部に対して10質量部配合して、一軸押出機により、230℃で押出成形し、樹脂成型部材を得た。
本発明の添加粒子は、粗粒物に担持した微粒子がその表面に露出しているので、消臭性、抗微生物性、抗酸化性などの機能性が直接発揮され、フィルター、マスク、壁材などに適用でき、産業上の利用可能性が極めて高い。
10 樹脂成型部材
11 熱可塑性樹脂
12 中空体
12a 中空部
13 樹脂フィラメント
14 連結体
P1 微細粒子
P2 粗大粒子
P 添加粒子

Claims (3)

  1. 粗大粒子の表面に粗大粒子よりも粒径が小さい微細粒子を担持して基材となる熱可塑性樹脂中に配合するための添加粒子であって、
    前記添加粒子は、
    コロイド化剤を加えてコロイド状態にした平均粒径1〜10μmの白金又は金の微細粒子に、
    平均粒径1〜100μmのシリカ、アルミナ、ガラスのいずれか又はこれらを混合した粗大粒子、
    コロイダルシリカからなる結合剤、
    を加えてスラリー状態の液状物質とし、
    前記スラリー状態の液状物質を熱風中に噴霧して粉末にした後、
    加熱して前記コロイド化剤を除去したものであることを特徴とする添加粒子。
  2. 前記粗大粒子が、中空体であることを特徴とする請求項1に記載の添加粒子。
  3. 請求項1又は2に記載の添加粒子を熱可塑性樹脂に混合して引き出して添加粒子を連結した樹脂フィラメントとした後、
    該樹脂フィラメントの両端を延伸することによって添加粒子の外表面を該樹脂フィラメントの表面から露出させたことを特徴とする添加粒子連結体。
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