JP5473895B2 - アルケニルホスホン酸誘導体の製造方法 - Google Patents

アルケニルホスホン酸誘導体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、錯体触媒系の存在でホスホン酸誘導体をアルキンと反応させることによるアルケニルホスホン酸誘導体の製造方法に関する。
ビニルホスホン酸誘導体、特にビニルホスホン酸ジアルキルエステルは、ビニルホスホン酸類を製造するための中間体として並びに接着剤及び難燃性プラスチックを製造するための共重合用モノマーとして重要である。
それらの製造については、多様な方法が知られている。
アルケニルホスホン酸ジエステルを製造する1つの方法は、パラジウム錯体触媒の存在でのホスホン酸ジエステルへのアルキンの付加である。この合成経路の利点は、純粋な付加反応であり、化学量論量の副生物又は副産物(Neben- oder Koppelprodukten)を形成しない。欠点は、高価な前記貴金属触媒の使用である。
米国特許第3,673,285号明細書には、130〜200℃の温度で、ジカルボニル−ビス(トリフェニルホスフィノ)−ニッケル(0)、ビス(トリス(ヒドロキシメチル)ホスフィノ)−ニッケル(II)−クロリド、ビス(トリ−n−ブチルホスフィノ)−ニッケル(II)−ブロミド及びテトラカルボニル−ニッケル(0)の中からのニッケル錯体触媒の存在でアルケニルホスホン酸ジエステルの形成下でのホスホン酸ジエステルへのアルキンの付加が記載されている。亜リン酸ジエチルエステル(ジエチルホスフィット)へのエチンの付加の際に、ビス(トリ−n−ブチルホスフィノ)−ニッケル(II)−ブロミドの存在で40%のビニルホスホン酸ジエチルエステル収率が達成された(例15)。この方法の欠点は、50%を明らかに下回る低い収率及び200℃までの必要な高い反応温度であり、前記温度は前記ホスホン酸エチルエステルの発熱分解をまねく。
欧州特許出願公開(EP-A1)第1 203 773号明細書(BASF Aktiengesellschaft)には、錯体触媒系の存在でホスホン酸誘導体をアルキンと反応させることによるアルケニルホスホン酸誘導体の製造方法が記載されており、その際に、(a)ニッケルと(b)三結合性リン原子少なくとも2個を有するホスフィンとを含有する錯体触媒系が使用される。
欧州特許出願公開(EP-A)第1 528 064号明細書には、錯体触媒系の存在でホスホン酸誘導体をアルキンと反応させることによるアルケニルホスホン酸誘導体の製造方法が記載されており、前記方法は、錯体触媒系が、(a)ニッケル、(b)三結合性リン原子少なくとも2個を有するホスフィン及び(c)三結合性リン原子1個を有するホスフィンを含有することによって特徴付けられている。
欧州特許出願公開(EP-A)第1 528 065号明細書(BASF Aktiengesellschaft)には、対応する方法が記載されており、前記アルキンの添加が、前記ホスホン酸誘導体が少なくとも1分間に亘って錯体触媒系と接触された後にはじめて行われる。
これらの方法は、前記収率及び選択率の改善を生じさせる。しかしながら収率及び選択率のさらなる改善は依然として可能であり、かつ望ましい。さらなる改善は場合により、前記反応の際に使用される工業用ホスホン酸誘導体がまず最初に、例えば蒸留により、精製され、かつ副生物、例えば酸が分離される場合に、達成されることができる。
本発明の課題は、技術水準の欠点を克服し、副産物を形成せず、200℃を明らかに下回る反応温度を可能にし、50%を明らかに上回る、特に75%を上回る高い収率を可能にし、高価な貴金属触媒を使用せずにかつ前記ホスホン酸誘導体を予め精製もしくは蒸留もせずに行える、アルケニルホスホン酸誘導体の製造方法を見出すことにあった。
それに応じて、錯体触媒系と、共役酸がジメチルスルホキシド中(25℃、1bar)で少なくとも6のpKa値を有する塩基との存在で、ホスホン酸誘導体をアルキンと反応させることによるアルケニルホスホン酸誘導体の製造方法が見出された。
ホスホン酸誘導体について
本発明による方法の際に使用されることができるホスホン酸誘導体は、一般的に知られており、かつ例えば、式(II)
Figure 0005473895
[式中、R5及びR6はそれぞれ互いに独立して、炭素を含有する有機残基(organischer Rest)を表す]を有する。概念"炭素を含有する有機残基"の定義については、式(I)の残基R1〜R4の定義での上記の説明が指摘される。
好ましくは、R5、R6は(R1-4から独立して)、R1-2について上記でも定義されたような残基(Reste)及び基(Gruppen)を表す。
式(II)のホスホン酸誘導体は一般的に、三塩化リンを、相応するアルコール及び/又は相応するフェノール類と反応させることによって製造される。さらなる詳細は、例えばUllmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 第6版, 1999 Electronic Release, 章"Phosphorous Compounds, Organic - Phosphites and Hydrogenphosphonates"に見出すことができる。
好ましくは、本発明による方法の場合に、残基R5及びR6が互いに独立して、
* 脂肪族炭素原子1〜20個を有し、非分枝鎖状又は分枝鎖状で、非環状又は環状で、非置換の又は置換されたアルキル残基、ここで、前記CH2基の1つ又はそれ以上が、ヘテロ原子、例えば−O−により又はヘテロ原子を含有する基、例えば−CO−又は−NR−により、置き換えられていてもよく、かつ前記水素原子の1個又はそれ以上が、置換基、例えばアリール(例えばフェニル)、アルキル(例えばC1-10−アルキル)、ヒドロキシアルキル(例えばC1-10−ヒドロキシアルキル)、ハロゲンアルキル(例えばC1-10−ハロゲンアルキル)、アセトキシアルキル(例えばアセトキシ−C1-10−アルキル)により、置き換えられていてよい;
* 1つの環又は2又は3つの縮合環を有する非置換の又は置換された芳香族残基、ここで、1個又はそれ以上の環原子が、ヘテロ原子、例えば窒素によって、置換されていてよく、かつ前記水素原子の1個又はそれ以上が、置換基、例えばアルキル基又はアリール基により、置き換えられていてよい;
を表すか、又は残基R5はR6と一緒になって、
* アルキレン鎖中に原子4〜10個を有し、非分枝鎖状又は分枝鎖状で、非環状又は環状で、非置換の又は置換されたC4〜C20−アルキレン残基、ここで、CH2基はヘテロ基、例えば−CO−、−O−又は−NR−によって、置き換えられていてもよく、かつ前記水素原子の1個又はそれ以上が、置換基、例えばアリール基により置き換えられていてよい;
を表す、ホスホン酸誘導体(II)が使用される。
好ましい残基R5及びR6の例として、
* C1〜C12−アルキル、特に好ましくはメチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチル−1−プロピル、2−メチル−2−プロピル、1−ペンチル、1−ヘキシル、1−オクチル、2−エチル−1−ヘキシル、1−デシル及び1−ドデシル;
* C6〜C10−アリール、特に好ましくはフェニル;
* C7〜C10−アラルキル、特に好ましくはフェニルメチル;及び
* C7〜C10−アルカリール、特に好ましくは2−メチルフェニル、3−メチルフェニル及び4−メチルフェニル;
を挙げることができる。
殊に、前記ホスホン酸誘導体は、ジアルキルエステル又はジアリールエステルである。
極めて特に好ましくは、本発明による方法の場合に、ホスホン酸誘導体として、前記ホスホン酸のジメチルエステル、ジエチルエステル、ジプロピルエステル、ジブチルエステル、ジ−(2−エチルヘキシル)−エステル又はジフェニルエステルが使用される。
アルキンについて
本発明による方法の際に使用されることができるアルキンは、式(III)
7−C≡C−R8 (III)
[式中、R7及びR8はそれぞれ互いに独立して、水素を表すか、又は炭素を含有する有機残基を表す]を有する。場合により、R7及びR8は互いに結合されていてもよい。概念"炭素を含有する有機残基"の定義については、式(I)の残基R1〜R4の定義での上記の説明を指摘することができる。
好ましくは、R7、R8は(R1-4から独立して)、R1-2について上記でも定義されたような残基及び基を表す。
好ましくは、本発明による方法の場合に、残基R7及びR8が互いに独立して、
* 水素(H);
* 又は脂肪族炭素原子1〜20個を有する置換されたアルキル残基、ここで、前記CH2基の1つ又はそれ以上が、ヘテロ原子、例えば−O−により、又はヘテロ原子を含有する基、例えば−CO−又は−NR−により、置き換えられていてもよく、かつ前記水素原子の1個又はそれ以上が、置換基、例えばアリール基により、置き換えられていてよい;
* 1つの環又は2又は3つの縮合環を有する非置換の又は置換された芳香族残基、ここで、1個又はそれ以上の環原子が、ヘテロ原子、例えば窒素によって、置換されていてよく、かつ前記水素原子の1個又はそれ以上が、置換基、例えばアルキル基又はアリール基により、置き換えられていてよい;
を表す、アルキン(III)が使用される。
好ましい残基R7及びR8の例として、
* 水素(H);
* C1〜C10−アルキル、特に好ましくはメチル、エチル、1−プロピル、1−ブチル、1−ペンチル及び1−ヘキシル;
* C6〜C10−アリール、特に好ましくはフェニル;
* C7〜C10−アラルキル、特に好ましくはフェニルメチル;及び
* C7〜C10−アルカリール、特に好ましくは2−メチルフェニル、3−メチルフェニル及び4−メチルフェニル;
を挙げることができる。
特に好ましくは、本発明による方法の場合にアルキンとしてエチン又はプロピンが使用され、エチン(アセチレン)が極めて特に好ましい。
錯体触媒系について
本方法は、好ましくはNi錯体の存在で実施される。
殊に、前記錯体触媒系は有機リンNi錯体である。
これは殊に、ニッケルが二価である、すなわちNi(II)であるか、又はニッケル原子として0の酸化状態で存在する[=Ni(0)]、有機リン錯体であってよい。
Ni(0)が存在する。有機リンNi(0)錯体が極めて特に好ましい。
この種の有機リンNi(0)錯体は、好ましくは、
(a)ニッケル、
(b)三結合性リン原子少なくとも2個を有する少なくとも1つのホスフィン及び場合により追加的に
(c)三結合性リン原子1個を有する少なくとも1つのホスフィン
を含有する。
ホスフィン(b)
一般的な慣用語法において、三結合性リン原子1個を有するホスフィンはモノホスフィンなどと呼ばれ、三結合性リン原子2個を有するホスフィンはジホスフィンなどと呼ばれ、三結合性リン原子3個を有するホスフィンはトリホスフィンなどと呼ばれる。
好ましくは、前記錯体は、三結合性リン原子2個を有するホスフィンを含有する。
一般的に、本発明による方法の際に使用される三結合性リン原子少なくとも2個を有するホスフィンは、一般式(I)
Figure 0005473895
[式中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ互いに独立して、炭素を含有する有機残基を表し、かつXは、炭素を含有する有機橋かけ基を表す]を有する。
炭素を含有する有機残基は、炭素原子1〜30個を有し、非置換の又は置換された、脂肪族残基、芳香族残基又は芳香脂肪族残基であると理解されるべきである。この残基は、1個又はそれ以上のヘテロ原子、例えば酸素、窒素、硫黄又はリン、例えば−O−、−S−、−NR−、−CO−、−N=、−PR−及び/又は−PR2を有していてよく、及び/又は例えば酸素、窒素、硫黄及び/又はハロゲンを有する1つ又はそれ以上の官能基によって、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素及び/又はシアノ基によって、置換されていてよい(ここで、残基Rは、この場合も同様に炭素を含有する有機残基である)。炭素を含有する有機残基が1個又はそれ以上のヘテロ原子を含有する場合には、この残基は、ヘテロ原子を介して結合されていてもよい。それゆえ、例えば、エーテル基、チオエーテル基及び第三級アミノ基も含まれる。前記の炭素を含有する有機残基は、一価又は多価の残基、例えば二価の残基であってもよい。
炭素を含有する有機橋かけ基は、炭素原子1〜20個及び鎖中に原子1〜10個を有し、非置換の又は置換された、二価の脂肪族基、芳香族基又は芳香脂肪族基であると理解されるべきである。有機橋かけ基は、1個又はそれ以上のヘテロ原子、例えば酸素、窒素、硫黄又はリン、例えば−O−、−S−、−NR−、−CO−、−N=、−PR−及び/又は−PR2を有していてよく、及び/又は例えば酸素、窒素、硫黄及び/又はハロゲンを有する1つ又はそれ以上の官能基によって、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素及び/又はシアノ基によって、置換されていてよい(ここで、残基Rは、この場合も同様に炭素を含有する有機残基である)。有機橋かけ基が、1個又はそれ以上のヘテロ原子を有する場合には、この橋かけ基もそれぞれ、ヘテロ原子を介して結合されていてもよい。それゆえ、例えば、エーテル基、チオエーテル基及び第三級アミノ基も含まれる。
好ましくは、本発明による方法の場合に、残基R1、R2、R3及びR4が互いに独立して、
* 脂肪族炭素原子1〜20個を有し、非分枝鎖状又は分枝鎖状で、非環状又は環状で、非置換の又は置換されたアルキル残基、ここで、前記CH2基の1つ又はそれ以上が、ヘテロ原子、例えば−O−により、又はヘテロ原子を含有する基、例えば−CO−又は−NR−により、置き換えられていてもよく、かつ前記水素原子の1個又はそれ以上が、置換基、例えばアリール基により、置き換えられていてよい;
* 1つの環又は2又は3つの縮合環を有する非置換の又は置換された芳香族残基、ここで、1個又はそれ以上の環原子が、ヘテロ原子、例えば窒素によって、置換されていてよく、かつ前記水素原子の1個又はそれ以上が、置換基、例えばアルキル基又はアリール基により、置き換えられていてよい;
を表すか、又は残基R1がR2と一緒になって及び/又はR3がR4と一緒になって、
* 鎖中に原子3〜10個を有し、非置換の又は置換された、脂肪族基、芳香族基又は芳香脂肪族基;
を表す、ホスフィン(I)が使用される。
好ましい一価の残基R1、R2、R3及びR4の例として、メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル(s−プロピル)、1−ブチル、2−ブチル(s−ブチル)、2−メチル−1−プロピル(イソブチル)、2−メチル−2−プロピル(t−ブチル)、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチル−2−ブチル(t−アミル)、1−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−3−ペンチル、2−メトキシ−2−プロピル、メトキシ、エトキシ、1−プロポキシ、2−プロポキシ(s−プロポキシ)、1−ブトキシ、2−ブトキシ(s−ブトキシ)、2−メチル−1−プロポキシ(イソブトキシ)、2−メチル−2−プロポキシ(t−ブトキシ)、1−ペントキシ、2−ペントキシ、3−ペントキシ、2−メチル−2−ブトキシ(t−アモキシ)、1−ヘキソキシ、2−ヘキソキシ、3−ヘキソキシ、2−メチル−2−ペントキシ、3−メチル−3−ペントキシ、フェニル、2−メチルフェニル(o−トリル)、3−メチルフェニル(m−トリル)、4−メチルフェニル(p−トリル)、2,6−ジメチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル、5−ピリダジニル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、2−ピラジニル、2−(1,3,5−トリアジン)イル、1−ナフチル、2−ナフチル、2−キノリル、8−キノリル、1−イソキノリル及び8−イソキノリルを挙げることができる。
1がR2と一緒になった及び/又はR3がR4と一緒になった好ましい二価の残基の例として、1,4−ブチレン、1,4−ジメチル−1,4−ブチレン、1,1,4,4−テトラメチル−1,4−ブチレン、1,4−ジメトキシ−1,4−ブチレン、1,4−ジメチル−1,4−ジメトキシ−1,4−ブチレン、1,5−ペンチレン、1,5−ジメチル−1,5−ペンチレン、1,5−ジメトキシ−1,5−ペンチレン、1,1,5,5−テトラメチル−1,5−ペンチレン、1,5−ジメチル−1,5−ジメトキシ−1,5−ペンチレン、3−オキサ−1,5−ペンチレン、3−オキサ−1,5−ジメチル−1,5−ペンチレン、3−オキサ−1,5−ジメトキシ−1,5−ペンチレン、3−オキサ−1,1,5,5−テトラメチル−1,5−ペンチレン、3−オキサ−1,5−ジメチル−1,5−ジメトキシ−1,5−ペンチレン、
Figure 0005473895
Figure 0005473895
Figure 0005473895
を挙げることができる。
特に好ましくは、本発明による方法の場合に、R1、R2、R3及び/又はR4が互いに独立して、非置換の又は置換されたC3〜C12−アルキル残基を表し、ここで、前記α−炭素原子に、水素、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素の中からの多くとも1個の原子が結合されている;及び/又はR1、R2、R3及び/又はR4が互いに独立して、環原子6個を有する非置換の又は置換された芳香族残基を表し、ここで、1、2又は3個の環原子が窒素によって置換されていてよい;及び/又はR1がR2と一緒になって及び/又はR3がR4と一緒になって、鎖中に原子4〜7個及び全部で炭素原子30個以下を有し、非置換の又は置換された、脂肪族基、芳香族基又は芳香脂肪族基を表す、ホスフィン(I)が使用される。
前記α−炭素原子に水素、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素の中からの多くとも1個の原子が結合されている非置換の又は置換されたC3〜C12−アルキル残基は、いわゆる、α−炭素原子上で分枝したアルキル残基である。好ましくは、前記α−炭素原子に、少なくとも2個の別の炭素原子が結合されている。前記α−炭素原子に結合された三番目の原子は、好ましくは、水素、炭素であるか又はヘテロ原子、例えば酸素、窒素又は硫黄である。好ましい例として、2−プロピル(s−プロピル)、2−ブチル(s−ブチル)、2−メチル−2−プロピル(t−ブチル)、2−メチル−2−ブチル(t−アミル)及び2−メトキシ−2−プロピルを挙げることができる。
1、2又は3個の環原子が窒素によって置換されていてよい環原子6個を有する非置換の又は置換された芳香族残基の好ましい例として、フェニル、2−メチルフェニル(o−トリル)、3−メチルフェニル(m−トリル)、4−メチルフェニル(p−トリル)、2,6−ジメチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル及び2−ピリジルを挙げることができる。
1がR2と一緒になった及び/又はR3がR4と一緒になった二価の残基の好ましい例として、1,1,4,4−テトラメチル−1,4−ブチレン、1,4−ジメチル−1,4−ジメトキシ−1,4−ブチレン、1,1,5,5−テトラメチル−1,5−ペンチレン、1,5−ジメチル−1,5−ジメトキシ−1,5−ペンチレン、1,5−ジメチル−1,5−シクロオクチレン、1,3,5,7−テトラメチル−3,7−ビシクロ[3.3.1]ノニレン及び4,8,9−トリオキサ−1,3,5,7−テトラメチル−3,7−ビシクロ[3.3.1]ノニレンを挙げることができる。
極めて特に好ましくは、本発明による方法の場合に、残基R1、R2、R3及びR4がそれぞれ2−メチル−2−プロピル(t−ブチル)基又はフェニル基を表すホスフィン(I)が使用される。
好ましくは、本発明による方法の場合に、Xが、鎖中に原子1〜8個、好ましくは原子2〜4個及び全部で炭素原子20個以下を有し、非置換の又は置換された、脂肪族基、芳香族基又は芳香脂肪族基を表すホスフィン(I)が使用される。前記の基の場合に、前記CH2基の1つ又はそれ以上は、ヘテロ原子、例えば−O−によって、又はヘテロ原子を含有する基、例えば−CO−又は−NR−によって、及び/又は前記芳香族環原子の1個又はそれ以上は、ヘテロ原子、例えば窒素によって、置換されていてよい。
好ましい橋かけ基Xの例として、1,2−エチレン、1,3−プロピレン、1,2−プロピレン、1,4−ブチレン、2−メチル−1,3−プロピレン、1,5−ペンチレン、2,2−ジメチル−1,3−プロピレン、1,6−ヘキシレン、−O−CH2CH2−O−、−O−CH2CH2CH2−O−、o−フェニレン、o−キシリレン(=ortho−CH2−C64−CH2−)又は2,2′−ビフェニレンを挙げることができる。
特に好ましくは、本発明による方法の場合に、橋かけ基Xが1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基又はo−キシリレン基を表すホスフィン(I)が使用される。
極めて特に好ましくは、本発明による方法の場合に、残基R1〜R4がそれぞれ2−メチル−2−プロピル(t−ブチル)基又はフェニル基を表し、かつXが1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基又はo−キシリレン基を表すホスフィン(I)が使用される。極めて特に好ましい例として、1,2−ビス(ジ−t−ブチル−ホスフィノ)−エタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)−エタン、1,3−ビス(ジ−t−ブチル−ホスフィノ)−プロパン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)−プロパン、1,4−ビス(ジ−t−ブチル−ホスフィノ)−ブタン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)−ブタン、ビス(ジ−t−ブチル−ホスフィノ)−o−キシレン及びビス(ジフェニルホスフィノ)−o−キシレン、殊に1,3−ビス(ジ−t−ブチル−ホスフィノ)−プロパン及び1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)−プロパンを挙げることができる。
ジホスフィンの合成は、一般的に知られており、かつ例えばL. Brandsma et al., "Application of Transition Metal Catalysts in Organic Synthesis", Springer-Verlag, Berlin 1997, pp. 6〜9に記載されている。
ホスフィン(c)
前記の三結合性リン原子少なくとも2個を有するホスフィン(b)に加えて、前記錯体は場合により追加的に三結合性リン原子1個を有する少なくとも1つのホスフィン(c)を含有していてよい。特別な一実施態様において、前記錯体は、ホスフィン(b)並びにホスフィン(a)を含有する。
一般的に、Ni錯体触媒系中の追加的な三結合性リン原子1個を有するホスフィン(c)は、一般式(IV)
Figure 0005473895
[式中、R9、R10、R11はそれぞれ互いに独立して、炭素を含有する有機残基を表す]で示されるホスフィンである。
炭素を含有する有機残基は、炭素原子1〜30個を有し、非置換の又は置換された、脂肪族残基、芳香族残基又は芳香脂肪族残基であると理解されるべきである。この残基は、1個又はそれ以上のヘテロ原子、例えば酸素、窒素、硫黄又はリン、例えば−O−、−S−、−NR−、−CO−、−N=、−PR−及び/又は−PR2を有していてよく、及び/又は例えば酸素、窒素、硫黄及び/又はハロゲンを有する1つ又はそれ以上の官能基によって、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素及び/又はシアノ基によって、置換されていてよい(ここで、残基Rは、この場合も同様に炭素を含有する有機残基である)。前記の炭素を含有する有機残基が1個又はそれ以上のヘテロ原子を含有する場合には、この残基は、ヘテロ原子を介して結合されていてもよい。それゆえ、例えば、エーテル基、チオエーテル基及び第三級アミノ基も含まれる。前記の炭素を含有する有機残基は、一価又は多価の残基、例えば二価の残基であってもよい。
好ましくは、R9、R10、R11は(R1-4から独立して)、R1-4について上記でも定義されたような残基及び基を表す。
極めて特に好ましくは、R9、R10、R11は、C3-6−環式脂肪族残基及び/又は芳香族残基、例えばシクロヘキシル又はフェニルを表す。
一般式(IV)を有するNi錯体触媒系中の三結合性リン原子1個を有するホスフィン(c)は、好ましい一実施態様において、トリフェニルホスフィン及び/又はトリシクロヘキシルホスフィンである。
前記錯体の製造
本発明による方法の場合に、前記錯体触媒系は一般的に、Ni(0)錯体及び所望のホスフィン(b、もしくはb及びc)を合一することによるか、又はNi(II)化合物、還元剤及び所望のホスフィン(b、もしくはb及びc)を合一することにより、製造される。
それぞれの前記ホスホン酸誘導体は還元剤としても作用しうるので、前記錯体触媒系は、別の還元剤を添加せずにNi(II)化合物及び前記ホスフィンを合一することによっても得ることができる。
Ni(0)錯体として、最初に挙げた変法を実施する際に、前記ホスフィンとの反応条件下に前記錯体触媒系の形成下に反応する原則的に全てのNi錯体が適している。適しているNi錯体の例として、テトラカルボニルニッケル、ビス(シクロオクタ−1,5−ジエン)ニッケル及び(シクロドデカ−1,5,9−トリエン)ニッケルを挙げることができる。
二番目に挙げた変法に必要なNi(II)化合物は、無機的性質、有機的性質又は混ざった性質であってよい。例として、ハロゲン化ニッケル(II)(例えばNiCl2)、硫酸ニッケル(II)、ニッケル(II)−アセチルアセトナート、1,3−ビス(ジフェニル−ホスフィノ)−プロパン−ニッケル(II)−クロリド、ヘキサアンミン−ニッケル(II)−クロリド、臭化ニッケル(II)・ジエチレングリコールジメチルエーテル−錯体、ジメチルニッケル(II)−錯体(CH32NiL2(L=例えばトリフェニルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン)及びジメチルニッケル(II)−錯体(CH32NiL(L=例えばテトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン)を挙げることができる。適している還元剤は、例えば元素亜鉛、トリアルキルホウ素化合物、トリアルキルアルミニウム化合物、水素化ジイソブチルアルミニウム及びホスホン酸誘導体である。
前記錯体触媒系は、前記ホスホン酸誘導体の実際のアルケニル化の前の別個の工程において並びにその場で、前記の成分を合一することにより製造されることができる。
前記錯体触媒系の製造の際の温度は、一般的に30〜120℃、好ましくは60〜110℃である。
溶剤として、一般的に、前記ホスホン酸誘導体が、これが反応条件下に液体である場合には、使用されることができる。しかしまた、前記錯体触媒系を別の不活性溶剤の存在で製造することが可能であり、かつ場合により有利である。好ましくは、同一の溶剤が使用され、これらの溶剤はアルケニル化反応用の溶剤としても使用されることができ、かつさらに以下に記載されている。
本発明による方法の場合に、一般的に、0.5〜6、好ましくは1〜4及び特に好ましくは1.5〜2.5の前記錯体触媒系のホスフィン(複数のホスフィンの場合にモル総和で)とニッケルとの間のモル比が使用される。
ホスフィン(b)並びにホスフィン(c)を有する錯体の場合に、ニッケル:(三結合性リン原子少なくとも2個を有するホスフィン):(三結合性リン原子1個を有するホスフィン)のモル比は、好ましくは1:(0.5〜2):(1〜4)、特に1:(1〜1.3):(1.5〜2)である。
前記錯体触媒系のニッケル及び前記ホスホン酸誘導体のリン及びそれらから生じた生成物の間のモル比は、本発明による方法の場合に一般的に0.01〜10%、好ましくは0.05〜5%及び特に好ましくは0.05〜3%である。
塩基について
本発明による方法は、共役酸が少なくとも6のpKa値を有する塩基の存在で、実施される。pKa値は酸強度を示し、かつ酸濃度の10を底とする負の対数である。
pka値は酸強度を示し、かつジメチルスルホキシド中で25℃、1barで測定される。
好ましくは、前記共役酸は、6〜20、極めて特に好ましくは6〜16及び殊に6〜14のpka値を有する。特別な一実施態様において、前記下限は少なくとも8であり、好ましい範囲は相応して8〜20、8〜16及び8〜14である。
極めて特別な一実施態様において、pka値は11.5〜12.5である。
好ましくは、前記塩基は有機窒素化合物である。
前記塩基は、一般的に、1000g/mol未満、特に500g/mol未満のモル質量を有する低分子化合物である。
塩基として、殊にジアゾ化合物が好ましい。
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)が特に好ましい。
前記塩基は、前記ホスホン酸誘導体を基準として、好ましくは0.1〜5mol%の量、特に好ましくは0.2〜3mol%の量及び極めて特に好ましくは0.5〜2mol%の量で使用される。
反応について
本発明による方法は殊に、0〜200℃、好ましくは20〜150℃、特に好ましくは50〜120℃、殊に50〜100℃の温度で、実施されることができる。
本方法は一般的に、0.01〜5MPa abs、好ましくは0.05〜2.5MPa abs、特に好ましくは0.05〜0.14MPa absの圧力で、殊に大気圧で行われる。
本発明による方法は、追加的な溶剤の不在で("溶剤不含で")又は不活性溶剤の存在で実施されることができる。不活性溶剤は、調節された反応条件下に、使用される化合物と化学的に反応しない溶剤であると理解されるべきである。適している不活性溶剤は、例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N−メチル−ピロリドン、N−メチル−ピペリドン、ジメチルスルホキシド、トルエン、キシレン、グリコールエーテル(例えば1,2−ジメトキシエタン(エチレングリコールジメチルエーテル)、ビス(2−メトキシエチル)−エーテル(ジエチレングリコールジメチルエーテル)、トリエチレングリコールジメチルエーテル又はテトラエチレングリコールジメチルエーテル)、ジメチルホルムアミド、ジメチルホルムアニリド、クロロベンゼン及びそれらの混合物である。不活性溶剤の添加は、例えばより高分子量の、粘稠な又は反応条件下で固体の、ホスホン酸誘導体を使用する場合に、有利でありうる。
本発明による方法を、添加剤としていわゆるラジカル抑制剤の存在で実施することが場合により有利である。ラジカル抑制剤として、一般的に工業的に常用の抑制剤、例えばN,N′−ビス(1−メチルプロピル)−1,4−フェニレンジアミン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチル−フェノール又は1,2−ジヒドロキシベンゼン(ブレンツカテキン)が原則的に適している。ラジカル抑制剤が使用される場合には、通例、ラジカル抑制剤及び前記ホスホン酸誘導体のリン及びそれらから生じた生成物の間のモル比は、0.01〜10%、好ましくは0.05〜5%及び特に好ましくは0.5〜3%に調節される。
本発明による方法の場合に、エテニルホスホン酸ジメチルエステル、エテニルホスホン酸ジエチルエステル、エテニルホスホン酸ジ−n−プロピルエステル及びエテニルホスホン酸ジ−n−ブチルエステルの製造が極めて特に好ましい。
例えばフェニルアセチレン又は例えば1−オクチン及びジメチルホスフィットの使用の際に、次の反応式に相応して3つの異性体アルケニルホスホン酸ジエステルが、反応生成物として形成されうる(R′=フェニルもしくはR′=n−ヘキシル):
Figure 0005473895
本発明による方法は、不連続に、半連続的に又は連続的に実施されることができる。
不連続に実施するための例示的な一実施態様において、前記ホスフィン、(例えば双方のホスフィン(b、c)、特に式I及びIVによる双方のホスフィン)、前記Ni(0)錯体(もしくは前記Ni(II)化合物及び前記還元剤)、前記ホスホン酸誘導体、前記塩基、場合により溶剤及び場合によりラジカル抑制剤は、合一され、混合され、かつ反応条件にされる。短い時間の後に、一般的に1〜60分、好ましくは5〜30分後に、前記アルキンは、反応条件にされた反応混合物へ添加される。前記反応が終了した後に、反応混合物は、好ましくは蒸留による後処理にさらに導かれ、かつ所望のアルケニルホスホン酸誘導体が単離される。
半連続的に実施するための例示的な一実施態様において、前記ホスフィン、(例えば双方のホスフィン(b、c)、特に式I及びIVによる双方のホスフィン)、前記Ni(0)錯体(もしくは前記Ni(II)化合物及び前記還元剤)、前記ホスホン酸誘導体、前記塩基、場合により溶剤及び場合によりラジカル抑制剤は、合一され、混合され、かつ反応温度にされる。前記アルキンは、目下、好ましくは前記反応混合物が短い時間、一般的に1〜60分、好ましくは5〜30分、反応温度に保持された後で、所望の量に達成するまで連続的に供給される。双方のホスフィン(b、c)、前記Ni錯体(もしくは前記Ni(II)化合物及び前記還元剤)及び前記ホスホン酸誘導体が合一され、混合され、かつ反応条件にされた後で、前記アルキンを添加することが有利である。前記供給は、ガス状又は液状の形で行われることができる。液状の形での添加の場合に、純粋な液状のアルキン又は溶剤中の溶液も使用されることができる。アルキンの供給の終了後に、反応混合物はなお、さらなる時間にわたって、反応条件下で放置されることができる。前記反応が終了した後に、前記反応混合物は、好ましくは蒸留による後処理にさらに導かれ、かつ所望のアルケニルホスホン酸誘導体が単離される。
連続的に実施するための例示的な一実施態様において、前記ホスフィン、(例えば双方のホスフィン(b、c)、特に式I及びIVによる双方のホスフィン)、前記Ni(0)錯体(もしくは前記Ni(II)化合物及び前記還元剤)、前記塩基、場合により溶剤及び場合によりラジカル抑制剤は、合一され、混合され、かつ反応温度にされる。前記ホスホン酸誘導体及び前記アルキンは、目下、連続的に所望の比で計量供給される。一般的に、前記ホスホン酸誘導体は、液状の形で、場合により溶剤中に溶解されて、添加される。前記供給は、ガス状又は液状の形で行われることができる。液状の形での添加の場合に、純粋な液状のアルキン又は溶剤中の溶液も使用されることができる。液状の反応混合物は、連続的に除去され、かつ形成されたアルケニルホスホン酸誘導体は、後接続された段階において、例えば蒸留により又は抽出により、単離される。場合により、より高沸点の副生物も分離される。主に未反応のホスホン酸誘導体及び場合により使用された溶剤を含有する残留している混合物は、場合により再び返送されることができる。
本発明による方法は、好ましくは150℃を下回る反応温度で、高価な貴金属触媒を使用せずに、1つのみの合成工程において、簡単に入手可能な出発化合物から出発して、アルケニルホスホン酸誘導体の製造を可能にする。極めて選択的な付加反応であるので、副産物が形成されず、かつ少量の副生物のみが形成されるに過ぎない。本発明による方法は、良好な方法の経済性で、欧州特許出願公開(EP-A1)第1 203 773号明細書に比較して低下された触媒コストで、50%を明らかに上回る、特に75%を上回る高い収率を可能にする。極めて高い収率及び選択率は、出発化合物、特に前記ホスホン酸誘導体を精製もしくは蒸留せずとも、達成される。
得られたアルケニルホスホン酸誘導体から、加水分解により容易に前記ビニルホスホン酸が製造されることができる。
得られたアルケニルホスホン酸誘導体又はそれらから製造されたビニルホスホン酸は、それ自体で多種多様な使用に適したポリマーの製造用のモノマーとして適している。この種のポリマーは、塗料、ラッカー又は特に防食を生じさせるその他の保護被覆用の結合剤として特に適している。
内部温度計、冷却器及びガス導入管を備えた三つ口フラスコ中で、工業用ジメチルホスフィット(DMP)50gを、酢酸ニッケル四水和物0.3mol%(DMPを基準として)、dppp(dppp=1,3−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−プロパン)0.6mol%及びDBU 1mol%と混合し、反応溶液を95℃に加熱し、この温度で10分間撹拌した。その後、1.5時間に亘ってアセチレン8l/hを100℃及び大気圧で前記反応溶液中へ導通した。蒸留による後処理後に、ビニルホスホン酸ジメチルエステル(VPSDME)が収率87%で単離された。
工業用ジメチルホスフィットでのアセチレンのヒドロホスホニル化の際の収率を、異なる塩基の添加下で決定した。反応混合物中の質量割合の評価及び決定は、ガスクロマトグラフィーを用いて内標準としてのNMPの使用下に行った。全ての塩基を、ジメチルホスフィットを基準として1mol%の量で使用した。
Figure 0005473895

Claims (9)

  1. ニッケルと1,3−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−プロパンを含有する有機リンNi錯体である錯体触媒系と、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)との存在で、ホスホン酸誘導体をアルキンと反応させることによって、アルケニルホスホン酸誘導体を製造する方法。
  2. ホスホン酸誘導体が、ジアルキルエステル又はジアリールエステルである、請求項1記載の方法。
  3. ホスホン酸誘導体が、ホスホン酸のジメチルエステル、ジエチルエステル、ジプロピルエステル、ジブチルエステル、ジ−(2−エチルヘキシル)−エステル又はジフェニルエステルである、請求項1又は2記載の方法。
  4. アルキンが、エチン(アセチレン)又はプロピンである、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 錯体触媒系を、Ni(0)錯体及びホスフィンを合一することにより又はNi(II)化合物、還元剤及びホスフィンを合一することにより製造する、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
  6. 反応すべきホスホン酸誘導体を基準として、前記錯体触媒系のニッケル0.01〜10mol%を使用する、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
  7. 1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)を、前記ホスホン酸誘導体を基準として、0.05〜5mol%の量で使用する、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
  8. 反応を、20〜150℃の温度及び0.05〜2.5MPa absの圧力で実施する、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
  9. ビニルホスホン酸ジアルキルエステルを、相応するホスホン酸ジアルキルエステルとアセチレンとの反応によって製造する、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
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