JP3836459B2 - アルケニルホスホン酸エステルの製造方法 - Google Patents
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R1(C≡CR2)n [1]
(式中、nは1又は2であり、nが1の場合のR1及びR2、並びにnが2の場合のR2は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、同シクロアルキル基、同アルケニル基、同シクロアルケニル基、同アリール基、同アラルキル基、同ヘテロアリール基、同アルコキシ基、同シクロアルコキシ基、同アラルキロキシ基、同アリールオキシ基、同シリル基、又はフェロセニル基を示す。また、nが2の場合のR1は、置換基を有していてもよいアルキレン基、同シクロアルキレン基、同アルケニレン基、同シクロアルケニレン基、同アリーレン基、同アラルキレン基、同ヘテロアリーレン基、同アルキレンジオキシ基、同シクロアルキレンジオキシ基、同アラルキレンジオキシ基、同アリーレンジオキシ基、同シリレン基、又はフェロセニレン基を示す。)で表されるアセチレン化合物を、一般式[2]
HP(O)(OR3)(OR4) [2]
(式中、R3及びR4は、それぞれ独立して、置換基を有していても良いアルキル基、同シクロアルキル基、同アラルキル基又は同アリール基を示す。また、R3及びR4それぞれの基から一個の水素原子又は基そのものを除いてなる残基又は結合手で互いに結合し、環状構造を形成していてもよい。)で表される水素化ホスホン酸エステルと反応させることを特徴とする、一般式[3]
R1{CH=CR2[P(O)(OR3)(OR4)]}n [3]
又は/及び一般式[4]
R1{C[P(O)(OR3)(OR4)]=CHR2}n [4]
(式中、n、R1、R2、R3及びR4は前記と同じ。)で表されるアルケニルホスホン酸エステルの製造方法に関する。
また、置換基を有していてもよいシクロアルキル基のシクロアルキル基としては、例えば、炭素数3〜30、好ましくは3〜20、より好ましくは3〜12の単環、多環又は縮合環式のシクロアルキル基が挙げられ、より具体的には、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基等が挙げられる。
置換基を有していてもよいアルケニル基のアルケニル基としては、例えば、前記した炭素数2以上のアルキル基に1個以上の二重結合を有するものが挙げられ、より具体的には、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、2−ペンテニル基、2−ヘキセニル基等が挙げられる。
置換基を有していてもよいシクロアルケニル基のシクロアルケニル基としては、前記したシクロアルキル基に1個以上の二重結合を有するものが挙げられ、より具体的には、シクロプロペニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロオクテニル基等が挙げられる。
置換基を有していてもよいアラルキル基のアラルキル基としては、例えば、炭素数7〜30、好ましくは7〜20、より好ましくは7〜15の単環、多環又は縮合環式のアラルキル基が挙げられ、より具体的には、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。
置換基を有していてもよいヘテロアリール基のヘテロアリール基としては、酸素、窒素、イオウなどのヘテロ原子を含む各種の複素芳香環基が挙げられ、それに含まれる炭素数は通常4〜12、好ましくは4〜8である。その具体例としては、チエニル基、フリル基、ピリジル基、ピロリル基などが挙げられる。
置換基を有していてもよいアルコキシ基のアルコキシ基としては、例えば炭素数1〜8、好ましくは1〜4のアルコキシ基が挙げられ、その具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。
置換基を有していてもよいシクロアルコキシ基のシクロアルコキシ基としては、例えば、炭素数3〜30、好ましくは3〜20、より好ましくは3〜12の単環、多環又は縮合環式のシクロアルコキシ基が挙げられ、より具体的には、シクロプロピルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、シクロドデシルオキシ基等が挙げられる。
置換基を有していてもよいアラルキロキシ基としては、例えば、炭素数7〜30、好ましくは7〜20、より好ましくは7〜15の単環、多環又は縮合環式のアラルキロキシ基が挙げられ、より具体的には、例えば、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、ナフチルメチルオキシ基、ナフチルエチルオキシ基等が挙げられる。
置換基を有していてもよいアリールオキシ基のアリールオキシ基としては、例えば、炭素数6〜30、好ましくは6〜20、より好ましくは6〜14の単環、多環又は縮合環式の芳香族炭化水素基を有するアリールオキシ基が挙げられ、より具体的には、例えば、フェノキシ基、トリルオキシ基、キシリルオキシ基、ナフトキシ基、メチルナフチルオキシ基、アントリルオキシ基、フェナントリルオキシ基、ビフェニルオキシ基等が挙げられる。
更に、反応系中で容易に3級ホスフィンや3級ホスファイト等の3価のリン化合物を配位子とする低原子価のニッケル錯体[但し、3価のリン原子を2個以上有するホスフィン、或いはトリフェニルホスフィン、トリ(ヒドロキシメチル)ホスフィン、トリ(n−ブチル)ホスフィン又はトリフェニルホスファイトを配位子とする低原子価のニッケル錯体を除く。]に変換し得る前駆体錯体を用い、反応系中で3級ホスフィンや3級ホスファイト等の3価のリン化合物を配位子とする低原子価のニッケル錯体を形成させて反応させることも好ましい態様である。
また、3級ホスフィンや3級ホスファイト等の3価のリン化合物を配位子として含まないニッケル錯体と、3級ホスフィンや3級ホスファイト等の3価のリン化合物とを併用し、
反応系中で3級ホスフィンや3級ホスファイト等の3価のリン化合物を配位子とする低原子価のニッケル錯体[但し、3価のリン原子を2個以上有するホスフィン、或いはトリフェニルホスフィン、トリ(ヒドロキシメチル)ホスフィン、トリ(n−ブチル)ホスフィン又はトリフェニルホスファイトを配位子とする低原子価のニッケル錯体を除く。]を形成させて使用する方法や、3級ホスフィンや3級ホスファイト等の3価のリン化合物を配位子とする低原子価錯体[但し、3価のリン原子を2個以上有するホスフィン、或いはトリフェニルホスフィン、トリ(ヒドロキシメチル)ホスフィン、トリ(n−ブチル)ホスフィン又はトリフェニルホスファイトを配位子とする低原子価のニッケル錯体を除く。]に同種又は異種の3級ホスフィン、3級ホスファイト等の3価のリン化合物を更に添加して使用する方法等も好ましい態様である。
これらのいずれかの方法で有利な性能を発揮する配位子としては、種々の3級ホスフィンや3級ホスファイト等の3価のリン化合物を挙げることが出来るが、好適に用いることが出来る配位子を例示すると、例えば、ジフェニルメチルホスフィン、フェニルジメチルホスフィン等が挙げられる。
前駆ニッケル錯体の具体例としては、例えば、ジクロロビス(ジフェニルメチルホスフィン)ニッケル、ジクロロビス(ジメチルフェニルホスフィン)ニッケルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の反応に用いられるニッケル錯体の使用量はいわゆる触媒量で良く、アセチレン化合物に対して20モル%以下で足りるが、通常は10モル%以下で十分である。
なお、3級ホスフィンや3級ホスファイト等の3価のリン化合物を配位子として用いる場合のこれらの使用量は、特に厳密な制限ではないが、リンのニッケルに対する原子比があまりに過剰であると触媒活性を低下させる傾向にあるので、一般的にはその原子比で50以下、好ましくは10以下に設定するのが好ましい。
これらのホスフィン酸は、例えば一般式[5]
HO−P(O)(R5)2 [5]
(式中、R5はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示す。)で表される。
R5がシクロアルキル基の場合のシクロアルキル基としては、例えば炭素数3〜12、好ましくは5〜12のシクロアルキル基が挙げられ、その具体例としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基などが挙げられる。
R5がアリール基の場合のアリール基としては、例えば炭素数6〜14、好ましくは6〜10のアリール基が挙げられ、その具体例としては、例えば、フェニル基、ナフチル基などが挙げられ、さらにそれらの置換体(トリル基、キシリル基、ベンジルフェニル基など)も包含される。
R5がアラルキル基の場合のアラルキル基としては、例えば炭素数7〜15、好ましくは7〜11のアラルキル基が挙げられ、その具体例としては、例えばベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基などが挙げられる。
R5で示されるアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基は,反応に不活性な置換基、例えば、メトキシ基、メトキシカルボニル基、シアノ基、ジメチルアミノ基、フルオロ基、クロロ基、ヒドロキシ基などで置換されていてもよい。
参考例12
1,4−ジオキサン 1ミリリットルに、HP(O)(OCMe2−Me2CO)1ミリモル、1-オクチン 1ミリモル、触媒として Ni(cod)2 (10モル%)を用い、窒素雰囲気下、室温で5時間反応させたところ、2−(1−オクテン−2−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサホスホラン2−オキシドが36%の収率で得られた。
参考例12と同様の反応条件下、触媒として Ni(cod)2 (10モル%)とPh2P(CH2)3PPh2(10モル%)を用い、反応を行ったところ、2−(1−オクテン−2−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサホスホラン2−オキシドが72%の収率で得られた。
Claims (4)
- 3級ホスフィンや3級ホスファイト等の3価のリン化合物を配位子とする低原子価のニッケル錯体[但し、3価のリン原子を2個以上有するホスフィン、或いはトリフェニルホスフィン、トリ(ヒドロキシメチル)ホスフィン、トリ(n−ブチル)ホスフィン又はトリフェニルホスファイトを配位子とする低原子価のニッケル錯体を除く。]の存在下に、一般式[1]
R1(C≡CR2)n [1]
(式中、nは1又は2であり、nが1の場合のR1及びR2、並びにnが2の場合のR2は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、同シクロアルキル基、同アルケニル基、同シクロアルケニル基、同アリール基、同アラルキル基、同ヘテロアリール基、同アルコキシ基、同シクロアルコキシ基、同アラルキロキシ基、同アリールオキシ基、同シリル基、又はフェロセニル基を示す。また、nが2の場合のR1は、置換基を有していてもよいアルキレン基、同シクロアルキレン基、同アルケニレン基、同シクロアルケニレン基、同アリーレン基、同アラルキレン基、同ヘテロアリーレン基、同アルキレンジオキシ基、同シクロアルキレンジオキシ基、同アラルキレンジオキシ基、同アリーレンジオキシ基、同シリレン基、又はフェロセニレン基を示す。)で表されるアセチレン化合物を、一般式[2]
HP(O)(OR3)(OR4) [2]
(式中、R3及びR4は、それぞれ独立して、置換基を有していても良いアルキル基、同シクロアルキル基、同アラルキル基又は同アリール基を示す。また、R3及びR4それぞれの基から一個の水素原子又は基そのものを除いてなる残基又は結合手で互いに結合し、環状構造を形成していてもよい。)で表される水素化ホスホン酸エステルと反応させることを特徴とする、一般式[3]
R1{CH=CR2[P(O)(OR3)(OR4)]}n [3]
又は/及び一般式[4]
R1{C[P(O)(OR3)(OR4)]=CHR2}n [4]
(式中、n、R1、R2、R3及びR4は前記と同じ。)で表されるアルケニルホスホン酸エステルの製造方法。 - 3級ホスフィンや3級ホスファイト等の3価のリン化合物を配位子とする低原子価のニッケル錯体がフェニルジメチルホスフィン又はジフェニルメチルホスフィンを配位子とする低原子価のニッケル錯体である請求項1に記載の製造方法。
- 反応系中で容易に3級ホスフィンや3級ホスファイト等の3価のリン化合物を配位子とする低原子価のニッケル錯体に変換し得る前駆体錯体を用いて反応を行う請求項1又は2に記載の製造方法。
- 3級ホスフィンや3級ホスファイト等の3価のリン化合物を配位子とする低原子価のニッケル錯体が、3級ホスフィン、3級ホスファイト等の3価のリン化合物を配位子として含まない同金属錯体と、3級ホスフィンや3級ホスファイト等の3価のリン化合物とを併用し、反応系中で形成させた3級ホスフィンや3級ホスファイト等の3価のリン化合物を配位子とする低原子価錯体である請求項1又は2に記載の製造方法。
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