JP3564503B2 - アルケニルホスホン酸エステル類およびその製造方法 - Google Patents

アルケニルホスホン酸エステル類およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なアルケニルホスホン酸エステル類及びこれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルケニルホスホン酸エステル類は、その基本骨格が天然に見出され、酵素などと作用することにより、それ自身が生理活性を示すことが知られている。また、同化合物を出発原料として用い、例えば、カルボニル化合物への付加反応により、効率よくHorner−Emmons反応が達成されることから、オレフィン類の合成手法として広く用いられている。
【0003】
このようなアルケニルホスホン酸エステルを炭素−リン結合の生成を伴って合成する方法としては、一般的に、対応するハライド化合物をジアルキルホスファイトで置換する方法が知られている。しかし、この方法では、反応に伴って同時に生成するハロゲン化水素を捕捉するための塩基の添加が必要であり、これによって、大量のハロゲン化水素塩を併産する。また、その出発原料である不飽和ハロゲン化合物は、工業的には必ずしも入手が容易でなく、また一般に毒性を有する。このため、この方法は、工業的に有利な方法とは考えられない。
一方、最近になって、パラジウム触媒の存在下で、アセチレン化合物に非環式第2級ホスホン酸エステルを付加させる方法が見出されたが(米国化学会誌118巻、1571ページ、1996年;日本特許第2775426号)、この方法は選択性が低く、また、得られる主生成物であるホスホン酸エステル化合物は非環式のものであり、また末端アセチレンとの反応では、リンが炭素−炭素不飽和結合の内部の炭素に結合したもの(α付加物)であるため、末端炭素への付加物(β付加物)を得ることはできない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、第2級環状ホスホン酸エステルを出発原料に用いることによって、従来にはみられない新規なアルケニルホスホン酸エステル類及びこのものの簡便な製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記した問題点を回避するために、容易に入手可能な第2級環状ホスホン酸エステルとアセチレン化合物の反応について鋭意研究の結果、この反応は特定な触媒存在下で付加反応が進行し、高い収率と選択性で対応する新規なアルケニルホスホン酸エステル類を与えることを見出し、これらの事実に基づいて本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1) ロジウム触媒の存在下に、一般式(II)
RC≡CR(II)
(式中、R及びRは、水素、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基又はシリル基を示す。またこれらの基はメトキシ基、メトキシカルボニル基、シアノ基、ジメチルアミノ基、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ基で置換されていてもよい。)で表されるアセチレン化合物に、一般式(III)
HP(O)(OCRRCRRO) (III)
(式中、R、R、R及びRは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリール基を示す)で表される環状第2級ホスホン酸エステルを反応させることを特徴とする、一般式(I)
R1CH=CR[P(O)(OCRRCRRO)] (I)
(R、R、R、R、R及びRは、前記と同じ。)で表されるアルケニルホスホン酸エステル化合物の製造方法。
(2) ロジウム触媒の存在下に、一般式(V)
RC≡C−R8−C≡CR(V)
(式中、R及びRは、水素、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基又はシリル基を示し、Rは、アルキレン基、シクロアルキシレン基又はアリーレン基を示す。)で表されるジアセチレン化合物に、一般式(III)
HP(O)(OCRRCRRO) (III)
(式中、R、R、R及びRは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリール基を示す。)で表される環状第2級ホスホン酸エステルを反応させることを特徴とする、一般式(IV)
RCH=C[P(O)(OCRRCRRO)]-R8-C[P(O)(OCRRCRRO)]=CHR (IV)
(式中、R、R、R、R、R、R及びRは、前記と同じ。)で表されるアルケニルジホスホン酸エステルの製造方法。
(3) 反応の実施に当たり、極性溶媒を用いることを特徴とする、上記(1)または2に記載のアルケニルジホスホン酸エステルの製造方法。
(4) 一般式(IV)
RCH=C[P(O)(OCRRCRRO)]-R8-C[P(O)(OCRRCRRO)]=CHR (IV)
(式中、R 、R 、R 、R 、R 、R 及びR は、請求項2と同じ。)で表されるアルケニルジホスホン酸エステル化合物。
【0007】
本発明で得られる前記一般式(I)で表されるアルケニルホスホン酸エステル並びに一般式( IV で表されるアルケニルジホスホン酸エステルは、環状ホスホン酸エステル構造を有する文献未載の新規な化合物であり、炭素−炭素結合生成試剤、例えば特に医薬・農薬などの生理活性物質の合成中間体として有用である。また、一般的に環状構造を有することにより、類似の非環状化合物に比べ、化合物の反応活性(加水分解によるホスホン酸への変換など)が著しく向上し、同アルケニル環状ホスホン酸エステルを用いることにより、通常では、進行しにくい若しくは進行しない化学変換を、より温和な条件下で効率よく進行させることができるものと期待される。
【0008】
本発明の前記一般式(I)で表されるアルケニルホスホン酸エステル化合物は、ロジウム触媒の存在下に、前記一般式(II)で表されるアセチレン化合物に、前記一般式(III)で表される環状第2級ホスホン酸エステルを反応させることにより簡単に合成することができる。
【0009】
本発明において反応原料として用いるアセチレン化合物は、前記一般式(II)で示されるが、式中R及びRは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基又はシリル基を示す。
また、Rが水素、Rが水素以外の置換基の場合は、末端アセチレンであり、前記一般式(III)で表される環状第2級ホスホン酸エステルとを反応させることにより、前記一般式(I)において、β付加物のアルケニルホスホン酸エステル化合物を与える。
【0010】
前記アルキル基の炭素数は1〜18、好ましくは1〜10である。その具体例としては、メチル、エチル、プロピル、ヘキシル、デシルなどが例示される。
前記シクロアルキル基の炭素数は5〜18、好ましくは5〜10である。その具体例としては、シクロヘキシル、シクロオクチル、シクロドデシルなどが例示される。
【0011】
前記アリール基の炭素数は6〜14、好ましくは6〜10である。その具体例としては、フェニル、ナフチル、それらの置換体(トリル、キシリル、ベンジルフェニルなど)が例示される。
【0012】
前記ヘテロアリール基は、酸素、窒素、イオウなどのヘテロ原子を含む各種の複素芳香環基であり、それに含まれる原子数は4〜12、好ましくは4〜8である。その具体例としては、チエニル基、フリル基、ピリジル基、ピロリル基などが例示される。
【0013】
前記アラルキル基の炭素数は7〜13、好ましくは7〜9である。その具体例としては、ベンジル、フェネチル、フェニルベンジル、ナフチルメチルなどが例示される。
前記アルケニル基の炭素数は2〜18、好ましくは2〜10である。その具体例として、ビニル、3−ブテニルなどが例示される。
前記アルコキシ基の炭素数は1〜8、好ましくは1〜4である。その具体例としては、メトキシ、エトキシ、ブトキシなどが例示される。
【0014】
前記アリールオキシ基の炭素数は6〜14、好ましくは6〜10である。その具体例としては、フェノキシ、ナフトキシなどが例示される。
前記シリル基には、アルキル基やアリール基、アラルキル基、アルコキシ基で置換されたものが含まれる。その具体例として、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリフェニルシリル、フェニルジメチルシリル、トリメトキシシリルなどが例示される。
【0015】
前記R 及びR は、さらに反応に不活性な官能基、すなわち、メトキシ、メトキシカルボニル、シアノ、ジメチルアミノ、フルオロ、クロロ、ヒドロキシで置換されていてもよい。

【0016】
本発明で好ましく用いられるアセチレン化合物を例示すると、無置換アセチレン、ブチン、オクチン、フェニルアセチレン、トリメチルシリルアセチレン、エチニルチオフェン、ヘキシノニトリル、シクロヘキセニルアセチレンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0017】
本発明において反応原料として用いる環状第2級ホスホン酸エステルは、前記一般式(III)で表されるものであるが、R、R、R及びRは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリール基を示す。
前記アルキル基の炭素数は1〜6、好ましくは1〜4である。その具体例としては、メチル、エチル、プロピル、ヘキシルなどが例示される。
前記シクロアルキル基の炭素数は3〜12、好ましくは5〜6である。その具体例としては、シクロヘキシル、シクロオクチル、シクロドデシルなどが例示される。
前記アリール基の炭素数は6〜14、好ましくは6〜12である。その具体例としては、フェニル、ナフチル、それらの置換体(トリル、キシリル、ベンジルフェニルなど)が例示される。
【0018】
本発明の前記一般式( IV で表されるアルケニルジホスホン酸エステル化合物は、ロジウム触媒の存在下に、前記一般式( V)で表されるジアセチレン化合物に、前記一般式(III)で表される環状第2級ホスホン酸エステルを反応させることにより簡単に合成することができる。
【0019】
本発明において反応原料として用いるジアセチレン化合物は、前記一般式 ( )で表されるものであるが、式中、R及びRは、水素、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基又はシリル基を示し、Rは、アルキレン基、シクロアルキシレン基又はアリーレン基を示す。
【0020】
前記アルキル基の炭素数は1〜18、好ましくは1〜10である。その具体例としては、メチル、エチル、プロピル、ヘキシル、デシルなどが例示される。
前記シクロアルキル基の炭素数は5〜18、好ましくは5〜10である。その具体例としては、シクロヘキシル、シクロオクチル、シクロドデシルなどが例示される。
【0021】
前記アリール基の炭素数は6〜14、好ましくは6〜10である。その具体例としては、フェニル、ナフチル、それらの置換体(トリル、キシリル、ベンジルフェニルなど)が例示される。
【0022】
前記ヘテロアリール基は、酸素、窒素、イオウなどのヘテロ原子を含む各種の複素芳香環基であり、それに含まれる原子数は4〜12、好ましくは4〜8である。その具体例としては、チエニル基、フリル基、ピリジル基、ピロリル基などが例示される。
前記アラルキル基の炭素数は7〜13、好ましくは7〜9である。その具体例としては、ベンジル、フェネチル、フェニルベンジル、ナフチルメチルなどが例示される。
【0023】
前記アルケニル基の炭素数は2〜18、好ましくは2〜10である。その具体例として、ビニル、3−ブテニルなどが例示される。
前記アルコキシ基の炭素数は1〜8、好ましくは1〜4である。その具体例としては、メトキシ、エトキシ、ブトキシなどが例示される。
前記アリールオキシ基の炭素数は6〜14、好ましくは6〜10である。その具体例としては、フェノキシ、ナフトキシなどが例示される。
前記シリル基には、アルキル基やアリール基、アラルキル基、アルコキシ基で置換されたものが含まれる。その具体例として、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリフェニルシリル、フェニルジメチルシリル、トリメトキシシリルなどが例示される。
【0024】
前記アルキレン基の炭素数は1〜20、好ましくは1〜10である。その具体例としては、メチレン基、テトラメチレン基等が挙げられる。
前記シクロアルキレン基の炭素数は5〜18、好ましくは5〜10である。その具体例としては、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基等が挙げられる。
前記アリーレン基の炭素数は、6〜30、好ましくは6〜14である。その具体例としては、フェニレン基、ナフチレン基などが例示される。
本発明で好ましく用いられるジアセチレン化合物を例示すると、1,4−ペンタジイン、1,8−ノナジイン、ジエチニルベンゼンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない
【0025】
本発明の反応を効率よく生起させるには、周期律表第9属の金属触媒、例えば、コバルト、ロジウム、イリジウム金属触媒の使用が好ましく、特にロジウム金属触媒が好ましい。
これらの触媒は種々の構造のものを用いることができるが、好適なものはいわゆる低原子価のものであり、3級ホスフィンや3級ホスファイトを配位子とする一価のものが特に好ましい。また、反応系中で容易に低原子価に変換される適当な前駆体を用いることも好ましい態様である。
【0026】
さらに、反応系中で、3級ホスフィンや3級ホスファイトを配位子として含まない錯体と3級ホスフィンやホスファイトを混合し、反応系中で3級ホスフィンまたはホスファイトを配位子とする低原子価錯体を発生する方法も好ましい態様である。これらのいずれかの方法で有利な性能を発揮する配位子としては、種々の3級ホスフィンや3級ホスファイトを挙げられるが、いわゆる電子供与性が極度に強い物は反応速度の面で必ずしも有利ではない。
【0027】
本発明において、好適に用いることができる配位子を例示すると、トリフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィン、フェニルジメチルホスフィン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、トリメチルホスファイト、トリフェニルホスファイトなどが挙げられる。これに組み合わせて用いられる、3級ホスフィンや3級ホスファイトを配位として含まない錯体としては、アセチルアセトナトビス(エチレン)ロジウム、クロロビス(エチレン)ロジウムダイマー、ジカルボニル(アセチルアセトナト)ロジウム、ヘキサロジウムヘキサデカカルボニル、クロロ(1,5−シクロオクタジエン)ロジウム、クロロ(ノルボルナジエン)ロジウムなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、好適に用いられるホスフィンまたはホスファイト錯体としては、クロロカルボニルビス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、クロロカルボニルビス(トリメチルホスファイト)ロジウムなどが挙げられる。
【0028】
これらの錯体触媒の使用量はいわゆる触媒量でよく、一般的にアセチレン化合物に対して20モル%以下で十分である。アセチレン化合物と2置換環状ホスホン酸エステル化合物の使用率は、一般的にモル比で1:1が好ましいが、これより大きくても小さくても、反応の生起を阻害するものではない。
反応は特に溶媒を用いなくてもよいが、必要に応じて溶媒中で実施することもできる。溶媒としては、種々のものが使用でき、このような溶媒としては、炭化水素類、ハロゲン炭化水素類、エーテル類、ケトン類、ニトリル類、エステル類などが挙げられる。これらは単独若しくは2種以上の混合物として使用される。
この内、本発明において、好ましく使用される溶媒は極性溶媒であり、特に誘電率が3.5以上のもの、例えばアセトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジエチルエーテルなどである。
反応温度は、あまりに低温では反応が有利な速度で進行せず、あまりに高温では触媒が分解するので、一般的には、零下20℃ないし300℃の範囲から選ばれ、好ましくは室温ないし150℃の範囲で実施される。
【0029】
本反応に用いられる触媒は、酸素に敏感であり、反応の実施は、窒素やアルゴン、メタン等の不活性ガス雰囲気で行うのが好ましい。反応混合物からの生成物の分離は、クロマトグラフィー、蒸留または再結晶によって容易に達成される。
【0030】
【実施例】
本発明を以下の実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0031】
実施例1
トルエン 1ミリリットルに、HP(O)(OCMe−CMeO) 1ミリモル、フェニルアセチレン 1ミリモル、触媒として RhCl(PPh(1.5モル%)を加え、窒素雰囲気下、100℃で1時間反応させた。反応液を濃縮し、液体クロマトグラフィーにより単離精製すると、2−[(E)−2−フェニルエテニル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサホスホラン2−オキシドが96%の収率で得られた。
この化合物は文献未収載の新規物質であり、そのスペクトルデータ以下の通りである。
H NMR (500 MHz, CDCl) δ 7.61 (dd, 1H, J = 17.3 Hz, JHP = 23.7 Hz), 7.35−7.49 (m, 5H), 6.13 (dd, 1H, J = 17.3 Hz, JHP = 20.1 Hz), 1.52 (s, 6H), 1.40 (s, 6H)。
13C NMR (125.4 MHz, CDCl) δ 150.7, 134.8, 130.4, 128.9, 127.9, 114.6 (JCP = 188.3 Hz), 88.2, 24.7 (JCP = 3.1 Hz), 24.2 (JCP = 5.2 Hz)。
31P NMR (201.9 MHz, CDCl) δ 30.1。
IR (KBr) 3005, 1640, 1490, 1460, 1392, 1263, 1151, 963, 932, 882, 800, 732 cm−1
1419PとしてのHRMS, 計算値: 266.1072, 実測値: 266.1092。
元素分析, 計算値: C, 63.15; H, 7.19。実測値: C, 63.48; H, 7.27。
【0032】
実施例2
トルエン 1ミリリットルに、HP(O)(OCMe−CMeO) 1ミリモル、フェニルアセチレン 1ミリモル、触媒として [RhCl(cod)] (cod= 1,5−シクロオクタジエン)/PhPの混合物(ロジウム原子当たり2モル%、Rh/P (モル比) = 1/2)を加え、窒素雰囲気下、80℃で2時間反応させた。反応液を濃縮し、液体クロマトグラフィーにより単離精製すると、2−[(E)−2−フェニルエテニル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサホスホラン2−オキシドが95%の収率で得られた。
【0033】
実施例3
実施例2と同様な条件下で、室温で反応を行ったところ、20時間後に、生成物2−[(E)−2−フェニルエテニル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサホスホラン2−オキシドが32%の収率で得られた。
【0034】
実施例4
実施例3と同様な条件下で、触媒として [RhCl(cod)] (cod= 1,5−シクロオクタジエン)/PhPの混合物(ロジウム原子当たり2モル%、Rh/P (モル比) = 1/1)を加え、室温で反応を行ったところ、20時間後に、生成物2−[(E)−2−フェニルエテニル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサホスホラン2−オキシドが65%の収率で得られた。
【0035】
実施例5〜15
実施例1と同様の手法により、種々のアセチレン化合物を用いて本発明のホスホン酸エステルを合成した。その結果を表1にまとめて示した。
【0036】
【表1】
Figure 0003564503
【0037】
これらの生成物は文献未収載の新規物質であり、そのスペクトルデータおよび/または元素分析値は以下の通りである。
【0038】
[実施例5の生成物]
H NMR (500 MHz, CDCl) δ 6.90 (ddt, 1H, J = 6.7, 17.1 Hz,JHP = 23.1 Hz), 5.53 (dd, 1H, J = 17.1 Hz, JHP = 23.8 Hz), 2.16−2.31 (m, 2H), 1.45 (s, 6H), 1.35 (s, 6H), 1.21−1.45 (m, 8H), 0.87 (t, 3H, J = 6.7 Hz)。
13C NMR (125.4 MHz, CDCl) δ 156.4, 117.1 (JCP = 183.1 Hz), 87.8, 34.2 (JCP = 21.7 Hz), 31.6, 28.8, 27.7, 24.7, 24.1 (JCP = 4.2 Hz), 22.5 (JCP = 5.2 Hz), 14.0。
31P NMR (201.9 MHz, CDCl) δ 29.4。
IR (液膜) 2988, 2862, 1626, 1460, 1377, 1267, 1141, 965, 930, 872 cm−1
1427PとしてのHRMS, 計算値: 274.1698, 実測値: 274.1713。
元素分析, 計算値: C, 61.29; H, 9.92。 実測値: C, 60. 86; H, 9.92。
【0039】
[実施例6の生成物]
H NMR (500 MHz, CDCl) δ 6.88 (dd, 1H, J =17.0 Hz, JHP = 24.0 Hz), 5.41 (dd, 1H, J = 17.0 Hz, JHP = 22.8 Hz), 1.45 (s, 6H), 1.34 (s, 6H), 1.03 (s, 9H)。
13C NMR (125.4 MHz, CDCl) δ 165.5, 112.1 (JCP = 184.1 Hz), 87.9, 35.0 (JCP = 19.7 Hz), 28.3, 24.6 (JCP = 4.2 Hz), 24.1 (JCP = 5.2 Hz)。
31P NMR (201.9 MHz, CDCl) δ 30.8。
IR (KBr) 2958, 2870, 1620, 1464, 1381, 1247, 1172, 1139, 1015, 915, 874, 833 cm−1
1223PとしてのHRMS, 計算値: 246.1385, 実測値: 246.1413。
元素分析:計算値C, 58.52; H, 9.41。実測値: C, 58.87; H, 9.45。
【0040】
[実施例7の生成物]
H NMR (500 MHz, CDCl) δ 6.88 (ddt, 1H, J = 7.0, 16.8 Hz, JHP = 22.8 Hz), 5.53 (ddt, 1H, J = 1.6, 16.8 Hz, JHP = 22.8 Hz), 3.52 (t, 2H, J = 6.4 Hz), 2.37−2.42 (m, 2H), 1.89−1.95 (m, 2H), 1.49 (s, 6H), 1.35 (s, 6H)。
13C NMR (125.4 MHz, CDCl) δ 154.0, 118.8 (JCP = 183.1 Hz), 88.1, 44.0, 31.2 (JCP = 22.8 Hz), 30.5, 24.7 (JCP = 4.1 Hz), 24.1 (JCP = 5.2 Hz)。
31P NMR (201.9 MHz, CDCl) δ 28.7。
IR (液膜) 2988, 1628, 1448, 1400, 1379, 1251, 1137, 963, 932, 882, 845, 818 cm−1
1120ClOPとしてのHRMS, 計算値: 266.0839, 実測値: 266.0861。
元素分析, 計算値: C, 49.54; H, 7.56。実測値: C, 49.97; H, 7.68.5。
【0041】
[実施例8の生成物]
H NMR (500 MHz, CDCl) δ 6.82 (ddt, 1H, J = 6.7, 16.8 Hz, JHP = 23.0 Hz), 5.53 (dd, 1H, J = 16.8 Hz, JHP = 22.2 Hz), 2.34−2.40 (m, 4H), 1.78−1.84 (m, 2H), 1.47 (s, 6H), 1.34 (s, 6H)。
13C NMR (125.4 MHz, CDCl) δ 152.8, 119.5 (JCP = 183.1 Hz), 119.0, 88.2, 32.6 (JCP = 23.8 Hz), 24.6 (JCP = 4.1 Hz), 24.1 (JCP = 5.2 Hz), 23.5, 16.6。
31P NMR (201.9 MHz, CDCl) δ 28.1。
IR (KBr) 2992, 2946, 2240, 1628, 1460, 1398, 1377, 1267, 1143, 1017, 965, 932, 870, 841, 814, 799 cm−1
1220NOPとしてのHRMS, 計算値: 257.1181, 実測値: 257.1180。
元素分析, 計算値: C, 56.02; H, 7.84; N, 5.44。実測値: C, 56.59; H, 7.85; N, 5.31。
【0042】
[実施例9の生成物]
H NMR (500 MHz, CDCl) δ 6.92 (ddd, 1H, J = 3.4, 16.8 Hz, JHP = 23.5 Hz), 5.53 (ddd, 1H, J = 2.2, 16.8 Hz, JHP = 23.2 Hz), 2.38 (bs, 1H), 1.47 (s, 6H), 1.34 (s, 6H), 1.32 (s, 6H)。
13C NMR (125.4 MHz, CDCl) δ 161.7, 113.5 (JCP = 184.1 Hz), 71.5 (JCP = 20.7 Hz), 29.1, 24.6 (JCP = 4.2 Hz), 24.1 (JCP = 6.1 Hz)。
31P NMR (201.9 MHz, CDCl) δ 30.4。
IR (KBr) 3342, 2980, 1624, 1460, 1398, 1249, 1133, 961, 938, 872, 810 cm
1122P (M+1)としてのHRMS, 計算値: 249.1256, 実測値:249.1349。
元素分析:計算値 C, 53.22; H, 8.53。実測値: C, 53.65; H, 8.66。
【0043】
[実施例10の生成物]
H NMR (500 MHz, CDCl) δ 7.20 (dd, 1H, J = 17.1 Hz, JHP = 23.2 Hz), 6.14 (bs, 1H), 5.53 (dd, 1H, J = 17.1 Hz, JHP = 21.0 Hz), 2.03 (bs, 2H), 2.11 (bs, 2H), 1.58−1.68 (m, 4H), 1.50 (s, 6H), 1.36 (s, 6H)。
13C NMR (125.4 MHz, CDCl) δ 154.2, 138.9, 135.2 (JCP = 22.8 Hz), 109.5 (JCP = 188.3 Hz), 87.8, 26.3, 24.7 (JCP = 4.1 Hz), 24.1 (JCP = 5.1 Hz), 23.9, 22.1。
31P NMR (201.9 MHz, CDCl) δ 31.9。
IR (KBr) 2982, 2914, 1634, 1595, 1450, 1398, 1379, 1253, 1222, 1141, 1013, 953, 928, 874 cm−1
1423PとしてのHRMS, 計算値: 270.1385, 実測値:270.1404。
元素分析, 計算値: C, 62.21; H, 8.58。実測値: C, 61.90; H, 8.54。
【0044】
[実施例11の生成物]
H NMR (500 MHz, CDCl) δ 6.90 (ddt, 2H, J = 6.7, 16.7 Hz, JHP = 22.8 Hz), 5.56 (dd, 1H, J = 16.7 Hz, JHP = 23.8 Hz), 2.19−2.23 (m, 4H), 1.32−1.52 (m, 6H), 1.49 (s, 12H), 1.36 (s, 12H)。
13C NMR (125.4 MHz, CDCl) δ 156.0, 117.4 (JCP = 183.1 Hz), 87.9, 34.1 (JCP = 22.8 Hz), 28.6, 27.5, 24.7 (JCP = 4.1 Hz), 24.1 (JCP = 5.2 Hz)。
31P NMR (201.9 MHz, CDCl) δ 29.3。
IR (液膜) 2988, 2936, 2334, 1626, 1377, 1263, 1139, 963, 930, 872, 799 cm−1
2138としてのHRMS, 計算値: 448.2144, 実測値: 448.2176.
元素分析, 計算値: C, 56.24; H, 8.54。 実測値: C, 56.49; H, 8.43。
【0045】
[実施例12の生成物]
H NMR (500 MHz, CDCl) δ 7.61 (dd, 2H, J = 17.4 Hz, JHP = 23.5 Hz), 7.35−7.49 (m, 5H), 6.13 (dd, 2H, J = 17.4 Hz, JHP = 19.5 Hz), 1.54 (s, 12H), 1.42 (s, 12H)。
13C NMR (125.4 MHz, CDCl) δ 149.5, 135.2, 128.3, 115.7 (JCP = 187.2 Hz), 88.3, 24.7 (JCP = 3.1 Hz), 24.2 (JCP = 5.2 Hz)。
31P NMR (201.9 MHz, CDCl) δ 29.4。
IR (KBr) 2986, 1611,1296, 1261, 1135, 963, 938, 882, 797 cm−1
元素分析, C2232としての計算値: C, 58.15; H, 7.10。実測値: C, 58.53; H, 7.27。
【0046】
[実施例13の生成物]
H NMR (500 MHz, CDCl) δ 7.70 (dd, 1H, J = 17.0 Hz, JHP = 23.0 Hz), 7.01−7.36 (m, 3H), 5.84 (dd, 1H, J = 17.0 Hz, JHP = 18.9 Hz), 1.52 (s, 6H), 1.40 (s, 6H)。
13C NMR (125.4 MHz, CDCl) δ 143.2, 140.3 (JCP = 27.0 Hz), 130.8, 128.6, 128.1, 112.5 (JCP = 190.3 Hz), 88.2, 24.7 (JCP = 4.1 Hz), 24.2 (JCP = 6.2 Hz)。
31P NMR (201.9 MHz, CDCl) δ 29.8。
1217PSとしてのHRMS, 計算値: 272.0636, 実測値: 272.0636。
元素分析, 計算値: C, 52.93; H, 6.29。 実測値: 52.77; H, 6.28。
【0047】
[実施例14の生成物]
H NMR (500 MHz, CDCl) δ 7.30 (dd, 1H, J = 20.5 Hz, JHP = 35.7 Hz), 6.15 (dd, 1H, J = 20.5 Hz, JHP = 30.2 Hz), 1.46 (s, 6H), 1.33 (s, 6H), 0.08 (s, 9H)。
13C NMR (125.4 MHz, CDCl) δ 158.1, 132.0 (JCP= 168.6 Hz), 88.1, 24.7 (JCP = 4.1 Hz), 24.1 (JCP = 5.1 Hz), −2.1。
31P NMR (201.9 MHz, CDCl) δ 27.0。
IR (KBr) 2958, 1700, 1506, 1379, 1255, 1139, 1011, 950, 870, 758 cm−1
1123PSiとしてのHRMS, 計算値: 262.1154, 実測値:262.1096。
元素分析, 計算値: C, 50.36; H, 8.84。実測値: C, 50.64; H, 8.89。
【0048】
[実施例15の生成物]
H NMR (500 MHz, CDCl) δ 6.40 (dt, 1H, J = 7.3 Hz, JHP = 24.3 Hz), 2.25−2.32 (m, 2H), 2.10−2.15 (m, 2H), 1.42−1.56 (m, 4H), 1.50 (s, 6H), 1.32 (s, 6H), 0.92 (t, 6H, J = 7.3 Hz)。
13C NMR (125.4 MHz, CDCl) δ 144.8, 130.8 (JCP = 170.7 Hz), 87.8, 30.3 (JCP = 20.0 Hz), 29.6 (JCP = 12.4 Hz), 25.1 (JCP = 4.2 Hz), 24.1 (JCP = 5.1 Hz), 22.5, 21.9, 14.1, 13.9。
31P NMR (201.9 MHz, CDCl) δ33.3。
IR (液膜) 2964, 2876, 1620, 1460, 1377, 1263, 1139, 963, 928, 872, 804 cm−1
1427PとしてのHRMS, 計算値: 274.1698, 実測値: 274.1714。
元素分析, 計算値: C, 61.29; H, 9.92。実測値: C, 61.08; H, 9.93。
【0049】
実施例16
テトラヒドロフラン 1ミリリットルに、HP(O)(OCMe−CMeO) 1ミリモル、フェニルアセチレン 1ミリモル、触媒として RhCl(PPh(3モル%)を加え、窒素雰囲気下、23℃で48時間反応させた。反応液を濃縮し、液体クロマトグラフィーにより単離精製すると、2−[(E)−2−フェニルエテニル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサホスホラン2−オキシドが97%の収率で得られた。
【0050】
実施例17
ジクロロメタン 1ミリリットルに、HP(O)(OCMe−CMeO) 1ミリモル、フェニルアセチレン 1ミリモル、触媒として RhCl(PPh(3モル%)を加え、窒素雰囲気下、23℃で6時間反応させた。反応液を濃縮し、液体クロマトグラフィーにより単離精製すると、2−[(E)−2−フェニルエテニル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサホスホラン2−オキシドが92%の収率で得られた。
られた。
【0051】
実施例18
アセトニトリル 1ミリリットルに、HP(O)(OCMe−CMeO) 1ミリモル、フェニルアセチレン 1ミリモル、触媒として RhCl(PPh(3モル%)を加え、窒素雰囲気下、23℃で6時間反応させた。反応液を濃縮し、液体クロマトグラフィーにより単離精製すると、2−[(E)−2−フェニルエテニル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサホスホラン2−オキシドが91%の収率で得られた。
【0052】
実施例19
アセトン 1ミリリットルに、HP(O)(OCMe−CMeO) 1ミリモル、フェニルアセチレン 1ミリモル、触媒として RhCl(PPh(3モル%)を加え、窒素雰囲気下、23℃で4時間反応させた。反応液を濃縮し、液体クロマトグラフィーにより単離精製すると、2−[(E)−2−フェニルエテニル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサホスホラン2−オキシドが98%の収率で得られた。
【0053】
実施例20
アセトン 1ミリリットルに、HP(O)(OCMe−CMeO) 1ミリモル、フェニルアセチレン 1ミリモル、触媒として RhBr(PPh(3モル%)を加え、窒素雰囲気下、23℃で5時間反応させた。反応液を濃縮し、液体クロマトグラフィーにより単離精製すると、2−[(E)−2−フェニルエテニル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサホスホラン2−オキシドが99%の収率で得られた。
【0054】
実施例21
アセトン 1ミリリットルに、HP(O)(OCMe−CMeO) 1ミリモル、フェニルアセチレン 1ミリモル、触媒として RhI(PPh(3モル%)を加え、窒素雰囲気下、23℃で5時間反応させた。反応液を濃縮し、液体クロマトグラフィーにより単離精製すると、2−[(E)−2−フェニルエテニル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサホスホラン2−オキシドが99%の収率で得られた。
【0055】
実施例22〜31
実施例20と同様の手法により、種々のアセチレン化合物を用いて本発明のホスホン酸エステルを合成した。その結果を表2にまとめて示した。
【0056】
【表2】
Figure 0003564503
【0057】
実施例32
アセトン 1ミリリットルに、HP(O)(OCMe−CMeO) 1ミリモル、触媒として RhBr(PPh(3モル%)を加え、大気圧アセチレンガス雰囲気下、23℃で20時間反応させた。反応液を濃縮し、液体クロマトグラフィーにより単離精製すると、2−エテニル−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサホスホラン2−オキシドが81%の収率で得られた。
この化合物は文献未収載の新規物質であり、そのスペクトルデータは以下の通りである。
H NMR (500 MHz, CDCl) δ 6.41 (ddd, 1H, J = 2.1, 18.6 Hz, JHP = 26.2 Hz), 6.17 (ddd, 1H, J = 2.1, 12.9 Hz, JHP = 52.8 Hz), 6.04 (ddd, 1H, J = 12.9, 18.6 Hz, JHP = 24.7 Hz), 1.51 (s, 6H), 1.36 (s, 6H)。
13C NMR (125.4 MHz, CDCl) δ 137.2, 126.5 (JCP = 180.0 Hz), 88.3, 24.7 (JCP = 5.2 Hz), 24.1 (JCP = 3.1 Hz)。
31P NMR (201.9 MHz, CDCl) δ 28.0。
IR (液膜) 2992, 1398, 1379, 1137, 1021, 963, 936 cm−1
15PとしてのHRMS, 計算値: 190.0759, 実測値: 190.0779.
【0058】
【発明の効果】
本発明に係る前記一般式(I)で表されるアルケニルホスホン酸エステル並びに一般式( IV で表されるアルケニルジホスホン酸エステルは、環状ホスホン酸エステル構造を有する文献未載の新規な化合物であり、炭素−炭素結合生成試剤、例えば特に医薬・農薬などの生理活性物質の合成中間体として有用であり、特に環状構造を有することにより、類似の非環状化合物に比べ、化合物の反応活性が向上し、通常では、進行しにくい若しくは進行しない化学変換を、温和な条件下で効率よく進行させることができるものと期待される。
従って、本発明は工業的に多大の効果をもたらす。

Claims (4)

  1. ロジウム触媒の存在下に、一般式(II)
    Figure 0003564503
    (式中、R及びRは、水素、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基又はシリル基を示す。またこれらの基はメトキシ基、メトキシカルボニル基、シアノ基、ジメチルアミノ基、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ基で置換されていてもよい。)で表されるアセチレン化合物に、一般式(III)
    HP(O)(OCRRCRRO) (III)
    (式中、R、R、R及びRは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリール基を示す)で表される環状第2級ホスホン酸エステルを反応させることを特徴とする、一般式(I)
    R1CH=CR[P(O)(OCRRCRRO)] (I)
    (R、R、R、R、R及びRは、前記と同じ。)で表されるアルケニルホスホン酸エステル化合物の製造方法。
  2. ロジウム触媒の存在下に、一般式(V)
    RC≡C−R8−C≡CR(V)
    (式中、R及びRは、水素、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基又はシリル基を示し、Rは、アルキレン基、シクロアルキシレン基又はアリーレン基を示す。)で表されるジアセチレン化合物に、一般式(III)
    HP(O)(OCRRCRRO) (III)
    (式中、R、R、R及びRは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリール基を示す。)で表される環状第2級ホスホン酸エステルを反応させることを特徴とする、一般式(IV)
    RCH=C[P(O)(OCRRCRRO)]-R8-C[P(O)(OCRRCRRO)]=CHR (IV)
    (式中、R、R、R、R、R、R及びRは、前記と同じ。)で表されるアルケニルジホスホン酸エステルの製造方法。
  3. 反応の実施に当たり、極性溶媒を用いることを特徴とする、請求項1または2に記載のアルケニルジホスホン酸エステルの製造方法。
  4. 一般式(IV)
    RCH=C[P(O)(OCRRCRRO)]-R8-C[P(O)(OCRRCRRO)]=CHR (IV)
    (式中、R 、R 、R 、R 、R 、R 及びR は、請求項2と同じ。)で表されるアルケニルジホスホン酸エステル化合物。
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