JP5470750B2 - アミン化合物、電子写真感光体、画像形成装置 - Google Patents

アミン化合物、電子写真感光体、画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、アミン化合物、電子写真感光体及び画像形成装置に関する。
近年、印刷分野やカラー印刷の分野において、電子写真方式の複写機やプリンターを使用される機会が増加している。該印刷分野やカラー印刷の分野においては、高画質のデジタルのモノクロ画像或いはカラー画像を求める傾向が強い。このような要求に対し、露光光源として短波長のレーザ光を用い、高精細のデジタル画像を形成することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、該短波長レーザ光を用い、露光のドット径を絞り、電子写真感光体上に細密の静電潜像を形成しても、最終的に得られる電子写真画像は、十分な高画質を達成し得ていないのが現状である。
その原因は、電子写真感光体の感光特性や現像剤のトナーの帯電特性等が細密なドット潜像の形成やトナー画像の形成に必要な特性を十分に備えていないことによる。
即ち、電子写真感光体としては、従来の長波長レーザ用に開発された有機感光体(以後、単に感光体とも云う)では、感度特性が劣り、短波長レーザ光を用いて露光のドット径を絞った像露光を行うと、ドット潜像が明瞭に形成されず、ドット画像の再現性が劣化しやすい。この原因は、電荷発生層のみならず、電荷輸送層にもあり、それぞれの層の物質や添加剤の短波長レーザに対する劣化要因を洗い出し、除去することが必要である。
電荷輸送層での劣化要因としては、従来の有機感光体用に開発された電荷輸送物質は、300〜500nmの短波長光を吸収しやすく、短波長光により電荷輸送物質が劣化し、その結果感度低下や残留電位の上昇等の電子写真特性の劣化が促進されやすいと推測している。
このような課題に対して、電荷輸送物質としてパラ位にメチル置換されたフェニル基を有するポリアリールアルカン化合物が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2000−250239号公報 特開2006−104183号公報
しかしながら、短波長光を照射しても劣化しない電荷輸送物質は、いまだ開発されていないのが現状である。
本発明は、短波長レーザ光を搭載した画像形成装置を用いて多数枚プリントしても、画像欠陥(例えばハーフトーン部のポチ欠陥やかぶりの発生)が無く、鮮鋭度に優れたプリント画像を形成できる電荷輸送物質としてのアミノ化合物、電子写真感光体、画像形成装置を提供することにある。
本発明は、下記構成を採ることにより達成される。
1.下記に示す化合物CTM−1、CTM−2、CTM−3、CTM−6およびCTM−13のいずれかであることを特徴とするアミン化合物。
Figure 0005470750
導電性支持体上に、電荷発生物質と電荷輸送物質をそれぞれ含有する感光層からなる電子写真感光体において、該電荷輸送物質が下記一般式(1)で表されるアミン化合物であることを特徴とする電子写真感光体
Figure 0005470750
(一般式(1)中、Ar 、Ar 、Ar 、Ar は、それぞれ独立してメチル基を1個または2個有しても良いフェニル基を表し、Ar 、Ar はそれぞれ独立してメチル基を1個有しても良いフェニレン基を表す。X 、X は上記一般式(2)で示される構造を表す。)
(一般式(2)中、R〜Rはそれぞれ独立して、水素、またはメチル基であり、Rはビフェニル基或いはビフェニルオキシ基を表す。
.前記感光層中に含まれる電荷発生物質が多環キノン化合物であることを特徴とする前記に記載の電子写真感光体。
.感光体上に発振波長が350〜500nmの半導体レーザ又は発光ダイオードの書込み光源を用いて静電潜像を形成する露光手段、該静電潜像をトナー像に顕像化する現像手段を有する画像形成装置において、該感光体が前記2または3に記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
本発明のアミン化合物は短波長レーザ光に暴露されても劣化せず、該アミノ化合物を電子写真用感光体の電荷輸送物質として用いると、短波長レーザ光を搭載した画像形成装置を用いて多数枚プリントしても、画像欠陥(例えばハーフトーン部のポチ欠陥やかぶりの発生)が無く、鮮鋭度に優れたプリント画像を形成できる優れた効果を有する。
本発明者等は、短波長レーザ光を搭載した画像形成装置を用いて多数枚プリントすると、電位特性が低下する原因について検討を行った。
種々検討の結果、短波長光により電荷輸送物質が劣化(分解)していることが判った。そこで、短波長光を照射しても劣化(分解)しない電荷輸送物質の探索を行った。
本発明者等は、300〜400nmの波長が照射されたときに発生するエネルギーを、蛍光に変換させることで電荷輸送物質自体の劣化(分解)を防げるのではと考え、検討を行った。
種々検討の結果、ビフェニル基やナフチル基といった300〜400nmの波長に吸収をもち、400nmを超える波長に吸収を持たず、蛍光を発することのできる置換基を有するアミノ化合物を電荷輸送物質として用いた感光体では、短波長光に対する耐光性が向上し、短波長レーザ光を搭載した画像形成装置を用いて多数枚プリントしても、プリント画像に画像欠陥(例えばハーフトーン部のポチ欠陥やかぶりの発生)が無く、鮮鋭度に優れたプリント画像を形成できることを見出した。
具体的には、特定構造を有する置換機を導入した電荷輸送物質の検討を行った。
種々検討の結果、電荷輸送物質として特定の構造を併せ持つトリアリールアミン系化合物を用いると、短波長光を照射しても劣化を防止できることを見いだした。この化合物を用いて作製した感光体は、短波長光に対する耐光性が向上し、多数枚プリントしても画像欠陥(例えばハーフトーン部のポチ欠陥やかぶりの発生)の発生や、鮮鋭度が低下せず、本発明の問題を解決することができた。
以下、本発明について詳細に説明する。
本願発明のアミン化合物は下記一般式(1)で表されるものである。
Figure 0005470750
(一般式(1)中、Ar、Ar、Ar、Arは、それぞれ独立して置換基を有しても良いアリール基を表し、Ar、Arはそれぞれ独立して置換基を有しても良いアリーレン基を表す。X、Xはそれぞれ独立して置換基を有しても良いアルキル基、アリール基、アルコキシル基を表し、連結して複素環を含む環式構造を有していても良い。更にAr〜Ar、及びX、Xのいずれかにおいて、ビフェニル基或いはナフチル基、それらの誘導体からなる置換基を1つ以上含む。)
又、一般式(1)の構造において、X、Xが一般式(2)で示される構造であることが好ましい。
Figure 0005470750
(一般式(2)中、R〜Rはそれぞれ独立して、水素、または炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは、ビフェニル基或いはナフチル基、それらの誘導体からなる置換基を1つ以上含む)
前記一般式(1)で示されるアミン化合物は、レーザ光源として用いる波長380〜500の短波長に対して蛍光を発し、単位露光量に対する電位減衰値が大きく、繰り返し特性も良好で、小径のドット潜像をシャープに形成することができ、且つ溶媒に対する溶解性、ポリカーボネート等とのバインダーとの相溶性が改善され、電子写真感光体の電荷輸送物質として用いた場合に、塗布後の電荷輸送層の膜物性が改善される優れた特性を有する。
その結果、前記一般式(1)のアミン化合物を電荷輸送物質として用いて作製した電子写真感光体は、380〜500nmと短波長の光源を用いて画像形成しても、画像欠陥が無く、鮮鋭度に優れたプリント画像を得ることができる。
最初に、本発明のアミノ化合物について説明する。
本発明のアミノ化合物としては、一般式(1)で表される化合物で、化合物の中央部分にビフェニル基或いはナフチル基を導入した例示化合物に示されているCTM−1のような化合物である。
前記一般式(1)のアミン化合物の具体例を下記に例示するが、本願発明のアミン化合物はこれら具体例には限定されるものではない。
Figure 0005470750
Figure 0005470750
Figure 0005470750
Figure 0005470750
Figure 0005470750
Figure 0005470750
下記に、一般式(1)で表されるアミン化合物の合成例を例示する。
(合成例1):化合物CTM−1の合成
4つ口フラスコに、N,N−ビス(p−メチルフェニル)アニリンを11質量部、4−(4−biphenylyl)cyclohexanoneを6質量部、酢酸を100質量部計り取り、さらに塩酸を4.1質量部添加した。窒素気流下、75〜85℃で14時間攪拌した後、室温まで冷却し、トルエン150質量部、水100質量部を加え、分液ロートで水層が中性になるまで洗浄した。トルエン層をナスフラスコに移して濃縮した。濃縮後、カラムクロマトグラフィーにて目的物を分離精製した。収量は14.9質量部であった。得られた化合物は、核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルで構造を確認した。
(合成例2):化合物CTM−2の合成
CTM−1の合成において用いた原料のN,N−ビス(p−メチルフェニル)アニリンを3,4−dimethyl−N−phenyl−N−p−tolylanilineに変えた以外は、同様にして、CTM−2を合成した。得られた化合物は、核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルで構造を確認した。
(合成例3):化合物CTM−3の合成
CTM−1の合成において用いた原料の4−(4−biphenylyl)cyclohexanoneを4−(2′−methylbiphenylyl−4−)cyclohexanoneに変えた以外は、同様にして、CTM−3を合成した。
得られた化合物は、核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルで構造を確認した。
(合成例4):化合物CTM−6の合成
CTM−1の合成において用いた原料の4−(4−biphenylyl)cyclohexanoneを4−(biphenyl−4−yl)−3−methylcyclohexanoneに変えた以外は、同様にして、CTM−6を合成した。
得られた化合物は、核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルで構造を確認した。
以下、本発明に係る感光体の構成について説明する。
本発明に係る感光体の構成は、前記一般式(1)のアミン化合物を電荷輸送物質として含有する限り特に制限されるものではなく、例えば、以下に示すような構成が挙げられる。
(1)導電性支持体上に感光層として電荷発生層、電荷輸送層を次積層した構成
(2)導電性支持体上に中間層、感光層として電荷発生層、電荷輸送層を順次積層した構成
(3)導電性支持体上に感光層として電荷輸送材料と電荷発生材料とを含む単層を形成した構成
(4)上記(1)〜(3)の感光体の感光層上に更に表面保護層を形成した構成。
尚、本発明に係る感光体はいずれの構成を有する場合であっても、導電性支持体上、感光層の形成に先だって、支持体と感光層との間に下引層(中間層)が形成されていても良い。
電荷輸送層とは、光露光により電荷発生層で発生した電荷キャリアを有機感光体の表面に輸送する機能を有する層を意味し、該電荷輸送機能の具体的な検出は、電荷発生層と電荷輸送層を導電性支持体上に積層し、光導伝性を検知することにより確認することができる。
次に、感光体の層構成を上記(2)の構成を中心にして説明する。
(導電性支持体)
感光体に用いられる導電性支持体としてはシート状、円筒状のどちらを用いても良いが、画像形成装置をコンパクトに設計するためには円筒状導電性支持体が好ましい。
円筒状導電性支持体とは、回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好ましい。この真直度及び振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難になる。
導電性支持体の材料としては、アルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗10Ωcm以下が好ましい。本発明で用いられる導電性支持体としては、アルミニウム支持体が最も好ましい。該アルミニウム支持体は、主成分のアルミニウム以外にマンガン、亜鉛、マグネシウム等の成分が混合したものも用いられる。
(中間層)
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、中間層を設けることが導電性支持体の欠陥をカバーでき好ましい。
中間層のバインダー樹脂としてはアルコール可溶性ポリアミド樹脂が好ましい。有機感光体の中間層のバインダー樹脂としては、中間層を均一な膜厚で形成するために、溶媒溶解性の優れた樹脂が必要とされている。このようなアルコール可溶性のポリアミド樹脂としては、6−ナイロン等のアミド結合間の炭素鎖の少ない化学構造から構成される共重合ポリアミド樹脂やメトキシメチル化ポリアミド樹脂が用いられる。
本発明に用いられる中間層塗布液は、前記バインダー樹脂、溶媒から構成されるが、好ましくは、表面処理されたN型半導性粒子を分散、添加したものが用いられる。
N型半導性粒子としては、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)が好ましく、特に酸化チタンが特に好ましく用いられる。
N型半導性粒子の表面処理はメチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体で表面処理されたものが好ましい。
N型半導性粒子の中間層中での比率は、中間層のバインダー樹脂との体積比(バインダー樹脂の体積を1とすると)で1.0〜2.0倍が好ましい。中間層中でこのような高密度のN型半導性粒子を用いることにより、中間層の整流性が高まり、膜厚を厚くしても残留電位の上昇やドット画像の劣化を効果的に防止でき、良好な有機感光体を形成することができる。又、このような中間層はバインダー樹脂100体積部に対し、N型半導性粒子を100〜200体積部を用いることが好ましい。
一方、これらの粒子を分散し、中間層の層構造を形成するバインダー樹脂としては、粒子の良好な分散性を得る為にポリアミド樹脂が好ましいが、特に以下に示すポリアミド樹脂が好ましい。
中間層のバインダー樹脂としてはアルコール可溶性ポリアミド樹脂が好ましい。有機感光体の中間層のバインダー樹脂としては、中間層を均一な膜厚で形成するために、溶媒溶解性の優れた樹脂が必要とされている。このようなアルコール可溶性のポリアミド樹脂としては、6−ナイロン等のアミド結合間の炭素鎖の少ない化学構造から構成される共重合ポリアミド樹脂やメトキシメチル化ポリアミド樹脂が用いられる。
(感光層)
本発明に係る感光層の層構成は、前記中間層上に電荷発生機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造の層構成でも良いが、より好ましくは感光層の機能を電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した層構成をとるのが良い。機能を分離した層構成を取ることにより繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御でき、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやすい。負帯電用の感光体では中間層の上に電荷発生層(CGL)、その上に電荷輸送層(CTL)の構成を取ることが好ましい。
以下に、機能分離負帯電感光体の感光層について説明する。
(電荷発生層)
本発明に係る電荷発生層は、電荷発生物質として380nm〜500nmの波長領域に高感度特性を有する電荷発生物質を用いて形成することが好ましい。このような電荷発生物質としてはチタニルフタロシアニン化合物、ガリウムフタロシアニン化合物、アゾ化合物、ペリレン化合物、多環キノン化合物等が好ましく用いられる。
特に、市販の405mm近辺に発振波長を有する短波長レーザに対し、高感度を有する、Cu−Kα特性X線によるX線回折スペクトルで、最大ピーク角度が2θで27.3°のチタニルフタロシアニン化合物や、ジプロムアンスアンスロンの多環キノン系化合物、或いは、下記一般式(CGM−3a)で表される多環キノン化合物が好ましく用いられる。
又、これらの化合物を併用して用いることができる。
Figure 0005470750
電荷発生層の形成時に、CGMの分散媒としてバインダー樹脂を用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用いることができるが、好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し電荷発生物質20〜600質量部が好ましい。これらのバインダー樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.3〜2μmが好ましい。
(電荷輸送層)
電荷輸送層は、電荷輸送物質(CTM)及びバインダー樹脂を含有する。その他の物質としては必要により酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。
電荷輸送物質(CTM)としては、前記一般式(1)のアミン化合物が用いられるが、これ以外に、公知の正孔輸送性(P型)の電荷輸送物質(CTM)を併用しても良い。例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。
電荷輸送層(CTL)の形成に用いられるバインダー樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂いずれの樹脂かを問わない。例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位構造のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。これらの中で吸水率が小さく、CTMの分散性、電子写真特性が良好なポリカーボネート樹脂が好ましい。
バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し電荷輸送物質50〜200質量部が好ましい。
電荷輸送層の膜厚は、10〜25μmが好ましい。電荷輸送層の膜厚が10μm以上とすることで現像時の潜像電位を十分に獲得でき、画像濃度の低下やドット再現性の劣化が発生しない。又、電荷輸送層の膜厚が25μm以下とすることで、電荷キャリアの拡散(電荷発生層で発生した電荷キャリアの拡散)が小さく、ドット再現性が良好となる。
中間層、電荷発生層、電荷輸送層等の層形成に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明ではこれらに限定されるものではないが、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン等の地球環境に優しい溶媒が好ましく用いられる。又、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
中間層、電荷発生層、電荷輸送層等の層を形成する方法としては、スライドホッパー型塗布装置の他に、浸漬塗布、スプレー塗布等の塗布加工法が用いられる。
次に、本発明に係る画像形成装置について説明する。
本願発明に係る画像形成装置は、感光体上に書込み光源を用いて静電潜像を形成する露光手段、該静電潜像をトナー像に顕像化する現像手段を有するものである。
感光体としては本発明のアミノ化合物を電荷輸送層として用いて形成した感光体を用い、露光手段として波長380〜500nmのスポット光源を用いる。
尚、波長380〜500nmのスポット光源としては、紫外レーザ(レーザ発振波長380nm)、バイオレットレーザ(レーザ発振波長408nm)、ブルーレーザ(レーザ発振波長440nm、500nm)、発光ダイオード(発光波長450nm)等を用いることができる。
本発明に係る画像形成装置は、電子写真複写機、レーザプリンター、LEDプリンター、及び液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適応するが、更に、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く適用することができる。
以下、画像形成装置について具体的に説明する。
図1は、本発明に係る感光体が使用可能な画像形成装置の一例を示す断面構成図である。
図1に示す画像形成装置1は、デジタル方式による画像形成装置であって、画像読取り部A、画像処理部B、画像形成部C、転写紙搬送手段としての転写紙搬送部Dから構成されている。
画像読取り部Aの上部には原稿を自動搬送する自動原稿送り手段が設けられていて、原稿載置台11上に載置された原稿は原稿搬送ローラ12によって1枚宛分離搬送され読取り位置13aにて画像の読取りが行われる。原稿読取りが終了した原稿は原稿搬送ローラ12によって原稿排紙皿14上に排出される。
一方、プラテンガラス13上に置かれた場合の原稿の画像は走査光学系を構成する照明ランプ及び第1ミラーから成る第1ミラーユニット15の速度vによる読取り動作と、V字状に位置した第2ミラー及び第3ミラーから成る第2ミラーユニット16の同方向への速度v/2による移動によって読取られる。
読取られた画像は、投影レンズ17を通してラインセンサである撮像素子CCDの受光面に結像される。撮像素子CCD上に結像されたライン状の光学像は順次電気信号(輝度信号)に光電変換されたのちA/D変換を行い、画像処理部Bにおいて濃度変換、フィルタ処理などの処理が施された後、画像データは一旦メモリに記憶される。
画像形成部Cでは、画像形成ユニットとして、像担持体であるドラム状の感光体21と、その外周に、該感光体21を帯電させる帯電手段(帯電工程)22、帯電した感光体の表面電位を検出する電位検出手段220、現像手段(現像工程)23、転写手段(転写工程)である転写搬送ベルト装置45、前記感光体21のクリーニング装置(クリーニング工程)26及び光除電手段(光徐電工程)としてのPCL(プレチャージランプ)27が各々動作順に配置されている。又、現像手段23の下流側には感光体21上に現像されたパッチ像の反射濃度を測定する反射濃度検出手段222が設けられている。感光体21には、本発明に係る有機感光体を使用し、図示の時計方向に駆動回転される。
回転する感光体21へは帯電手段22による一様帯電がなされた後、像露光手段(像露光工程)30としての露光光学系により画像処理部Bのメモリから呼び出された画像信号に基づいた像露光が行われる。書込み手段である像露光手段30としての露光光学系は図示しないレーザダイオードを発光光源とし、回転するポリゴンミラー31、fθレンズ34、シリンドリカルレンズ35を経て反射ミラー32により光路が曲げられ主走査がなされるもので、感光体21に対してAoの位置において像露光が行われ、感光体21の回転(副走査)によって静電潜像が形成される。本実施の形態の一例では文字部に対して露光を行い、静電潜像を形成する。
本発明に係る画像形成装置においては、感光体上に静電潜像を形成するに際し、発振波長が350〜500nmの半導体レーザ又は発光ダイオードを像露光光源として用いることが好ましい。これらの像露光光源を用いて、書込みの主査方向の露光ドット径を10〜50μmに絞り込み、感光体上にデジタル露光を行うことにより、600dpi(dpi:2.54cm当たりのドット数)以上から2500dpiの高解像度の電子写真画像を得ることができる。
前記露光ドット径とは該露光ビームの強度がピーク強度の1/e以上の領域の主走査方向にそった露光ビームの長さ(Ld:長さが最大位置で測定する)を云う。
用いられる光ビームとしては半導体レーザを用いた走査光学系及びLEDの固体スキャナー等があり、光強度分布についてもガウス分布及びローレンツ分布等があるがそれぞれのピーク強度の1/e以上の領域を本発明に係る露光ドット径とする。
感光体21上の静電潜像は現像手段23によって反転現像が行われ、感光体21の表面に可視像のトナー像が形成される。本発明に係る画像形成方法では、該現像手段に用いられる現像剤には重合トナーを用いることが好ましい。形状や粒度分布が均一な重合トナーを本発明に係る有機感光体と併用することにより、より鮮鋭性が良好な電子写真画像を得ることができる。
転写紙搬送部Dでは、画像形成ユニットの下方に異なるサイズの転写材Pが収納された転写紙収納手段としての給紙ユニット41(A)、41(B)、41(C)が設けられ、又側方には手差し給紙を行う手差し給紙ユニット42が設けられていて、それらの何れかから選択された転写材Pは案内ローラ43によって搬送路40に沿って給紙され、給紙される転写材Pの傾きと偏りの修正を行う対の給紙レジストローラ44によって転写材Pは一時停止を行ったのち再給紙が行われ、搬送路40、転写前ローラ43a、給紙経路46及び進入ガイド板47に案内されて、感光体21上のトナー画像が転写位置Boにおいて転写極24及び分離極25によって転写搬送ベルト装置45の転写搬送ベルト454に載置搬送されながら転写材Pに転写され、該転写材Pは感光体21面より分離し、転写搬送ベルト装置45により定着手段50に搬送される。
定着手段50は定着ローラ51と加圧ローラ52とを有しており、転写材Pを定着ローラ51と加圧ローラ52との間を通過させることにより、加熱、加圧によってトナーを定着させる。トナー画像の定着を終えた転写材Pは排紙トレイ64上に排出される。
以上は転写紙の片側への画像形成を行う状態を説明したものであるが、両面複写の場合は排紙切換部材170が切り替わり、転写紙案内部177が開放され、転写材Pは破線矢印の方向に搬送される。
更に、搬送機構178により転写材Pは下方に搬送され、転写紙反転部179によりスイッチバックさせられ、転写材Pの後端部は先端部となって両面複写用給紙ユニット130内に搬送される。
転写材Pは両面複写用給紙ユニット130に設けられた搬送ガイド131を給紙方向に移動し、給紙ローラ132で転写材Pを再給紙し、転写材Pを搬送路40に案内する。
再び、上述したように感光体21方向に転写材Pを搬送し、転写材Pの裏面にトナー画像を転写し、定着手段50で定着した後、排紙トレイ64に排紙する。
本発明に係る画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
図2は、本発明に係る感光体が使用可能なカラー画像形成装置の一例を示す断面構成図である。
このカラー画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成部(画像形成ユニット)10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7と、給紙搬送手段21及び定着手段24とから成る。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読取り装置SCが配置されている。
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Yの周囲に配置された帯電手段(帯電工程)2Y、露光手段(露光工程)3Y、現像手段(現像工程)4Y、一次転写手段(一次転写工程)としての一次転写ローラ5Y、クリーニング手段6Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、一次転写手段としての一次転写ローラ5M、クリーニング手段6Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、一次転写手段としての一次転写ローラ5C、クリーニング手段6Cを有する。黒色画像を形成する画像形成部10Bkは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Bk、帯電手段2Bk、露光手段3Bk、現像手段4Bk、一次転写手段としての一次転写ローラ5Bk、クリーニング手段6Bkを有する。
前記4組の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkを中心に、回転する帯電手段2Y、2M、2C、2Bkと、像露光手段3Y、3M、3C、3Bkと、回転する現像手段4Y、4M、4C、4Bk、及び、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkをクリーニングするクリーニング手段5Y、5M、5C、5Bkより構成されている。
前記画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体1Y、1M、1C、1Bkにそれぞれ形成するトナー画像の色が異なるだけで、同じ構成であり、画像形成ユニット10Yを例にして詳細に説明する。
画像形成ユニット10Yは、像形成体である感光体ドラム1Yの周囲に、帯電手段2Y(以下、単に帯電手段2Y、或いは、帯電器2Yという)、露光手段3Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Y(以下、単にクリーニング手段5Y、或いは、クリーニングブレード5Yという)を配置し、感光体ドラム1Y上にイエロー(Y)のトナー画像を形成するものである。又、本実施の形態においては、この画像形成ユニット10Yのうち、少なくとも感光体ドラム1Y、帯電手段2Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Yを一体化するように設けている。
帯電手段2Yは、感光体ドラム1Yに対して一様な電位を与える手段であって、本実施の形態においては、感光体ドラム1Yにコロナ放電型の帯電器2Yが用いられている。
像露光手段3Yは、帯電器2Yによって一様な電位を与えられた感光体ドラム1Y上に、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段であって、この露光手段3Yとしては、感光体ドラム1Yの軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像素子(商品名;セルフォックレンズ)とから構成されるもの、或いは、レーザ光学系などが用いられる。
本発明に係る画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)として一体に結合して構成し、この画像形成ユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)を形成し、装置本体に着脱自在の単一画像形成ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkより形成された各色の画像は、一次転写手段としての一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bkにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材(定着された最終画像を担持する支持体:例えば普通紙、透明シート等)としての転写材Pは、給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A、22B、22C、22D、レジストローラ23を経て、二次転写手段としての二次転写ローラ5bに搬送され、転写材P上に二次転写してカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された転写材Pは、定着手段24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。ここで、中間転写体や転写材等の感光体上に形成されたトナー画像の転写支持体を総称して転写媒体と云う。
一方、二次転写手段としての二次転写ローラ5bにより転写材Pにカラー画像を転写した後、転写材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6bにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、一次転写ローラ5Bkは常時、感光体1Bkに当接している。他の一次転写ローラ5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに当接する。
二次転写ローラ5bは、ここを転写材Pが通過して二次転写が行われる時にのみ、無端ベルト状中間転写体70に当接する。
又、装置本体Aから筐体8を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成部10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とから成る。
画像形成部10Y、10M、10C、10Bkは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C、1Bkの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7は、ローラ71、72、73、74を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bk、及びクリーニング手段6bとから成る。
以下に、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるものではない。
《アミノ化合物の準備》
上記の合成方法で下記アミノ化合物を作製し準備した。
(合成例1):化合物CTM−1
(合成例2):化合物CTM−2
(合成例3):化合物CTM−3
(合成例4):化合物CTM−6
(合成例5):比較用化合物CTM−25の合成
合成例1で用いた原料の4−(4−biphenylyl)cyclohexanoneの6質量部をシクロヘキサノン5.37質量部に変えた他はCTM−1合成例と同様にして、比較化合物CTM−25を合成した。収量は6.9質量部であった。
Figure 0005470750
(合成例6):比較用化合物CTM−26の合成
合成例1で用いた原料の4−(4−biphenylyl)cyclohexanoneの6質量部をイソペンチルメチルケトン5.44質量部に変えた他はCTM−1合成例と同様にして、比較化合物CTM−26を合成した。収量は4.3質量部であった。
Figure 0005470750
《感光体の作製》
下記の様にして感光体を作製した。
〈感光体1の作製〉
(導電性支持体の準備)
導電性支持体として、洗浄済みの円筒状アルミニウム基体を準備した。
(中間層の形成)
下記中間層塗布液を、上記円筒状アルミニウム基体の表面に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.3μmの「中間層1」を形成した。
中間層塗布液
ポリアミド樹脂(アミランCM−8000:東レ社製) 60質量部
メタノール 1600質量部
(電荷発生層の形成)
下記電荷発生層用材料を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この電荷発生層塗布液を、前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.2μmの「電荷発生層1」を形成した。
電荷発生層(CGL)塗布液
多環キノン化合物(CGM−3a) 60質量部
シリコーン樹脂溶液(KR5240、15%キシレン−ブタノール溶液:信越化学社製) 700質量部
2−ブタノン 2000質量部
(電荷輸送層の形成)
下記電荷輸送層用材料を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を「電荷発生層1」の上に浸漬塗布法で塗布し、100℃、60分の加熱乾燥を行い、膜厚20μmの「電荷輸送層1」を形成して「感光体1」を作製した。
電荷輸送層(CTL)塗布液
電荷輸送物質(化合物CTM−1) 200質量部
ビスフェノールZ型ポリカーボネート(ユーピロンZ300:三菱ガス化学社製)
300質量部
テトラヒドロフラン 1600質量部
トルエン 400質量部
酸化防止剤(ジブチルヒドロキシトルエン) 7.5質量部
(感光体2〜6作製)
感光体1の作製において用いた電荷輸送物質(化合物CTM−1)を、下記表1に示す電荷輸送物質に変えた以外は実施例1と同様にしてそれぞれ「感光体2〜6」を作製した。
(感光体7の作製)
感光体1の作製において用いた電荷発止物質の多環キノン化合物を、Y型チタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線によるX線回折の最大ピーク角度が2θで27.3°)に変更した以外は同様にして「感光体7」を作製した。
(感光体8の作製)
感光体1の作製において用いた電荷輸送層(CTL)塗布液の組成を以下の様にした以外は感光体1と同様にして「感光体8」を作製した。尚、電荷輸送層物質が溶解しないときは加温して溶解させ、その状態で塗布を行った。
電荷輸送層(CTL)塗布液
電荷輸送物質(比較用化合物CTM−25) 200質量部
ビスフェノールZ型ポリカーボネート(ユーピロンZ300:三菱ガス化学社製)
300質量部
テトラヒドロフラン 1600質量部
トルエン 400質量部
酸化防止剤(ジブチルヒドロキシトルエン) 7.5質量部
(感光体9の作製)
感光体8の作製において用いた電荷輸送物質(比較用化合物CTM−21)を、電荷輸送物質(比較用化合物CTM−26)に変えた以外は実施例1と同様にして「感光体9」を作製した。
(感光体10の作製)
感光体8の作製において用いた電荷輸送層(CTL)塗布液の組成を、以下の様にした以外は感光体8と同様にして比較の感光体10を作製した。
電荷輸送層(CTL)塗布液
電荷輸送物質(比較用化合物CTM−25) 150質量部
ビスフェノールZ型ポリカーボネート(ユーピロンZ300:三菱ガス化学社製)
300質量部
テトラヒドロフラン 1600質量部
トルエン 400質量部
酸化防止剤(ジブチルヒドロキシトルエン) 7.5質量部
表1に、感光体の作製に用いた電荷輸送層の電荷輸送物質等を示す。
Figure 0005470750
《評価》
評価装置としては、複写機「bizhub PRO C6500」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)の露光光源をレーザ発振波長408nmのバイオレットレーザに変更、露光ドット径を60μmから20μmに絞り込みした露光手段に変更した装置を準備した。
画像の評価は、ハーフトーン画像におけるポチ欠陥の発生、画像かぶり、画像の鮮鋭度で行った。尚、評価基準として、◎、○を合格、×を不合格(問題有り)とする。
(感光体の耐光性)
上記で作製した感光体を、下記条件でソーラシミュレータ装置にて暴露した後、感光体の吸光度を測定した。その後、上記画像形成装置に該感光体を装填し、ベタ画像をプリントし画像濃度差を評価した。
露光光源:キセノンランプ
光量:約100000lx
暴露時間:30分
暴露面積:2cm×2cm
評価基準:感光体の吸光度差
◎:暴露した部分と未暴露部分で波長280〜320nmにおける吸光度差がない
○:暴露した部分と未暴露部分で波長280〜320nmにおける吸光度差が0.50以下
×:暴露した部分と未暴露部分で波長280〜320nmにおける吸光度差が0.50を超える。
評価基準:画像濃度差
◎:暴露した部分と未暴露部分でプリント画像に濃度差が無い
○:暴露した部分と未暴露部分でプリント画像に濃度差が0.10以下で実用上問題ない
×:暴露した部分と未暴露部分でプリント画像に濃度差が0.10を超えで実用上問題あり。
(ポチ欠陥)
ポチ欠陥の評価は、下記のようにして行った。
上記画像形成装置に「感光体1〜13」を順次黒位置にセットし、低温低湿(10℃、15%RH)環境下で画像濃度0.4のハーフトーン画像をA4上質紙(64g/m)にプリントを行った。その後、印字面積が7%の文字画像を10万枚プリントした後、低温低湿(10℃、15%RH)環境下で画像濃度0.4のハーフトーン画像をA4上質紙(64g/m)にプリントを行った。評価は、初期と10万枚後にプリントした画像濃度0.4のハーフトーン画像上に、目視できる(径0.4mm以上)ポチ欠陥が感光体の一周期あたり何個有るかで行った。
評価基準
◎:ポチ欠陥の発生頻度が、感光体の一周期あたり平均3個以下で良好
○:ポチ欠陥の発生頻度が、感光体の一周期あたり4〜8個で実用上問題なし
×:ポチ欠陥の発生頻度が、感光体の一周期あたり9個以上で実用上問題あり。
(画像かぶり)
画像かぶりは、初期と10万枚プリント終了後の無地画像のかぶり濃度と、上質紙(64g/m)の白紙濃度の差で評価した。
具体的には、上質紙の白紙濃度はA4版の20カ所を測定し、その平均値を白紙濃度とし、10万枚プリント終了後の無地画像のかぶり濃度はA4版の20カ所を測定し、その平均値をかぶり濃度とする。尚、濃度測定は反射濃度計「RD−918(マクベス社製)」を用いて行った。
評価基準
◎:画像かぶりが、0.003未満で良好
○:画像かぶりが、0.003以上、0.010未満で実用上問題ないレベル
×:画像かぶり濃度が、0.010以上で実用上問題となるレベル。
(画像の鮮鋭度)
画像の鮮鋭度は、初期と10万枚プリント修了後、高温常湿環境下(30℃、80%RH)においてオリジナル画像(3、5ポイント文字画像)をプリントし、3ポイント及び5ポイントの文字画像の文字潰れで評価した。
評価基準
◎:3ポイント、5ポイントとも明瞭であり、容易に判読可能
○:3ポイントは一部判読不能、5ポイントは明瞭であり、容易に判読可能
×:3ポイントは殆ど判読不能、5ポイントも一部或いは全部が判読不能。
表2に、評価結果を示す。
Figure 0005470750
表2より明らかなように、本発明のアミン化合物を電荷輸送物質として用いた実施例1〜5および7の「感光体1〜5および7」、および参考例6の感光体6は、初期画像及び10万枚プリント後画像とも良好な評価結果が得られ、本願発明の目的を満足していことが判る。一方、本発明のアミン化合物以外のアミン化合物を電荷輸送物質として用いた比較例1〜3の「感光体8〜10」は評価項目の何れかで不合格となり、本願発明の目的を満足していないことが判る。
本発明に係る感光体が使用可能な画像形成装置の一例を示す断面構成図である。 本発明に係る感光体が使用可能なカラー画像形成装置の一例を示す断面構成図である。
符号の説明
10Y、10M、10C、10Bk 画像形成ユニット
1Y、1M、1C、1Bk 感光体
2Y、2M、2C、2Bk 帯電手段
3Y、3M、3C、3Bk 露光手段
4Y、4M、4C、4Bk 現像手段

Claims (4)

  1. 下記に示す化合物CTM−1、CTM−2、CTM−3、CTM−6およびCTM−13のいずれかであることを特徴とするアミン化合物。
    Figure 0005470750
  2. 導電性支持体上に、電荷発生物質と電荷輸送物質をそれぞれ含有する感光層からなる電子写真感光体において、該電荷輸送物質が下記一般式(1)で表されるアミン化合物であることを特徴とする電子写真感光体
    Figure 0005470750
    (一般式(1)中、Ar 、Ar 、Ar 、Ar は、それぞれ独立してメチル基を1個または2個有しても良いフェニル基を表し、Ar 、Ar はそれぞれ独立してメチル基を1個有しても良いフェニレン基を表す。X 、X は下記一般式(2)で示される構造を表す。)
    Figure 0005470750
    (一般式(2)中、R 〜R はそれぞれ独立して、水素、またはメチル基であり、R はビフェニル基或いはビフェニルオキシ基を表す。)
  3. 前記感光層中に含まれる電荷発生物質が多環キノン化合物であることを特徴とする請求項2に記載の電子写真感光体。
  4. 感光体上に発振波長が350〜500nmの半導体レーザ又は発光ダイオードの書込み光源を用いて静電潜像を形成する露光手段、該静電潜像をトナー像に顕像化する現像手段を有する画像形成装置において、該感光体が請求項2または3に記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置
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