JP5469538B2 - 生育基盤材の生成方法 - Google Patents

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Description

本発明は法面緑化用生育基盤材の生成方法に関するものであり、特に、人工的に造成した法面に空気圧送により吹付け可能であり、簡単な手順で製造でき、かつ長期耐久性を有する生育基盤材の生成方法関するものである。
従来より、人工的に造成した斜面(法面)を植物で覆うことで、降雨等による表面浸食を防止することにより、主要構造物(例えば、堤防など)の安全性と景観を確保するための法面緑化が盛んに行われている。すなわち、短期間における気候条件の変動などによって生育基盤が消失すると、主要構造物の安全性と景観が脅かされるなどの社会的な影響も大きいので、法面緑化によって生育基盤の長期耐久化と景観の向上化との両面が期待できるように、該主要構造物を利用する周辺の人々への配慮がなされている。一方、コンクリート構造物が50年程度の耐用年数を保障しているのに対し、生育基盤を法面緑化した場合はかなり短いサイクル(例えば、数年)で手直しが発生するために、維持管理等に要するコストも大きな負担となる。しかしながら、自然環境との調和を図って環境を保護する観点から考えると、法面緑化は将来に亘って有効な安全対策手段であるので、従来から様々な工法で法面緑化が行われてきた。
以下、法面緑化を行う従来工法の幾つかについて説明する。先ず、有機質系の植生基材吹付工法について説明する。この工法は、緑化工法としては最も一般的に行われている工法であり、バーク堆肥やビートモスを主体とする各種の材料を用いた工法が提案されている。しかし、この工法は、有機物で構成された生育基盤を構成するため、中長期的(例えば、10年程度)には、微生物や気象条件などに起因した土壌の分解によって生育基盤の結合力低下が生じるなど、生育基盤の耐久性に問題がある。すなわち、有機質系の植生基材吹付工法は基盤材の耐久性が乏しいなどの難点がある。
次に、土を使用した吹付緑化工法について説明する。これらの工法は、現地発生土等の土(無機物)を生育基盤材として使用するため、有機質系基盤材によって耐久性が低下するなどの問題は解決される。しかしながら、土をそのままホースによって空気圧送すると管内閉塞を起こしやすいので、該管内閉塞を防ぐための対策が必要である。
管内閉塞防止の対策として、土と、保水性のある吸水材と、非保水性の粘性低減剤とを混合して法面に吹付ける工法の技術が開示されている(特許文献1参照)。この技術による吹付機械搬送用客土材は、黒土に少なくとも保水性を有する吸水材と、非保水性の粘性低減材とを混合したことを特徴としている。特許文献1によれば、保水性を有する吸水材により黒土の含水率を低減させ、さらに非保水性の粘性低減材を混合することにより混合物中に余分な水分を保持させないという効果が得られる。
しかしながら、吹付機による空気圧送中に客土材が分離しやすいため、当該技術では、客土材の内容物である黒土と吸水材(例えばヤシガラチップ)と粘性低減材(例えば砂)が搬送中に分離してしまい、十分な効果が得られず管内閉塞を完全に防止できない。
現地発生土等を法面に配置する有効な手段として、ネッコチップ工法(特許文献2参照)が広く知られている。当該先行技術では、現地発生土と伐採木の生チップ材とをほぼ等量で混ぜ合わせ、さらに、団粒効果のある薬剤を混ぜて結合させた生育基盤を、主にベルトコンベアを使用した専用の搬出機械で法面へ配置する。これによって、基盤材の耐久性に関する課題は解決できるが、伐採木の生チップ材を用いることが必須であり、且つ、専用の搬出機械を必要とするなど、法面緑化の施工条件が限定的である。
次に、現場から出る建設発生土や自然表土を、空気圧送可能な植生基盤土壌にリサイクルする法面緑化工法であるカエルドグリーン工法(特許文献3参照)について説明する。このカエルドグリーン工法は、土を使用した吹付工法として確立した技術であり、建設発生土や自然表土等の土に加水を行って泥状化した後、短繊維及び高分子吸水剤を添加撹拌している。これにより、泥状化した土の余分な水分は高分子吸収剤によって吸水され、さらに短繊維が土の微粒分の間で結合防止効果を発揮するため、乾燥したパラパラな状態で空気圧送に適した材料に変化する。従って、このカエルドグリーン工法によれば、法面への吹付け時にホース内で閉塞状態を起こすことなく、空気圧送可能な状態に土を改良して効果的に法面へ吹付けることが可能である。さらに、このカエルドグリーン工法は土を主体として生育基盤を形成しているために、有機質系基盤材の耐久性低下に関する問題点もクリアして、法面の長期耐久化を図ることもできる。
特開平6−292455号公報 特開平11−43943号公報 特開2002−112629号公報
しかしながら、前述のカエルドグリーン工法は、土を主体として生育基盤を形成しているため、有機質系基盤材の耐久性低下に関する問題点をクリアすることはできるが、建設発生土等に一旦加水し、短繊維及び高分子吸収剤、さらに効果を高めるためには団粒剤を添加撹拌するため、基盤材を生成するための作業工程が増加し煩雑化する。さらに、基盤材製造用の設備や添加する薬剤が高価であるためにコスト高になる等の問題がある。
そこで、法面へ吹付ける基盤材を生成するための作業工程を可能な限り少なくし、且つ、搬送ホースに管内閉塞を発生させないような工法で生育基盤を形成することができる基盤材の生成方法を実現するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、土を主材料として法面緑化を行うための生育基盤材の生成方法であって、加水しない前記土を攪拌槽へ投入し、該土が粒状化されて土粒子となるように攪拌を行う土投入・攪拌工程と、攪拌を継続しながら前記攪拌槽へ凝集剤を添加し、該凝集剤を未反応状態で前記土粒子の間に分散混合させる凝集剤混合工程とを含むことを特徴とする生育基盤材の生成方法を提供する。
この方法によれば、攪拌槽へ投入された土が充分に乾燥している場合は、吸水剤を添加することなく、土が攪拌されている攪拌槽へ凝集剤を直接添加する。これによって、土が粒状化された土粒子と凝集剤とが、凝集反応を起こすことなく、攪拌槽内において未反応状態で分散混合される。このようにして生成された生育基盤材が搬送ホースによって搬送れる過程において、該搬送ホースの内部に水分が発生したときには、前記生育基盤材の粘土・シルト分と凝集剤とが凝集反応を起こす。従って、前記搬送ホースの内壁に粘土・シルト分が付着して管内閉塞を起こすおそれはなくなる。
さらに具体的に説明すると、乾燥した土粒子と凝集剤とを未反応状態で分散混合させた生育基盤材を生成し、この生育基盤材を搬送ホースへ送出して法面への吹付けを行っている。これにより、生育基盤材が搬送ホースによって搬送れる過程で水分が発生したときには、該生育基盤材に含まれる粘土・シルト分と凝集剤とによって凝集反応が発生し、該粘土・シルト分を粒状化させて土粒子の塊にして下流側へ放出する。従って、搬送ホースの内壁に粘土・シルト分が付着して管内閉塞を起こすことなく、効果的に生育基盤材を法面へ吹付けることができる。
請求項2記載の発明は、土を主材料として法面緑化を行うための生育基盤を形成する生育基盤材の生成方法であって、加水しない前記土を攪拌槽へ投入し、該土が粒状化されて土粒子となるように攪拌を行う土投入・攪拌工程と、攪拌を継続しながら上記攪拌槽へ吸水剤を添加し、該吸水剤によって上記土粒子から水分を吸収させる吸水工程と、攪拌を継続しながら前記攪拌槽へ凝集剤を添加し、該凝集剤を未反応状態で前記土粒子の間に分散混合させる凝集剤混合工程とを含むことを特徴とする生育基盤材の生成方法を提供する。
この方法によれば、攪拌槽へ投入された土に水分が含まれている場合は、土が攪拌されている攪拌槽へ吸水剤を添加して、該吸水剤と土粒子とを混合させ、該土粒子に含まれている水分を前記吸水剤によって吸収させる。その後、土が継続的に攪拌されている攪拌槽へ凝集剤を添加する。これにより、土が粒状化された土粒子は充分な乾燥状態となっているので、該土粒子と凝集材とは、凝集反応を起こすことなく、攪拌槽内において未反応状態で分散混合される。このようにして生成された生育基盤材が搬送ホースによって搬送れる過程において、該搬送ホースの内部に水分が発生したときには、前記生育基盤材の粘土・シルト分が凝集剤によって凝集反応を起こす。その結果、粘土・シルト分は土粒子の塊となり、搬送ホースを通過中の生育基盤材と共に下流側へ搬送されて法面へ吹付けられる。これにより、搬送ホースの内壁に粘土・シルト分が付着して管内閉塞を起こすおそれはなくなると共に、攪拌槽で生成された生育基盤材を無駄なく法面へ吹付けることができる。
請求項3記載の発明は、上記吸水剤は吸水ポリマーであることを特徴とする請求項2記載の植生材料の生成方法を提供する。
この方法によれば、土が攪拌されている攪拌槽へ添加する吸水剤として吸水ポリマーを用いることにより、攪拌中の土粒子と吸水ポリマーとをほぼ均一に混合させることができる。これによって、吸水ポリマーは土粒子に含まれる水分を効果的に吸収することができる。従って、生育基盤材を構成する土粒子を充分な乾燥状態にすることができるので、該土粒子と凝集剤とを効果的に分散混合させることが可能となる。
請求項1記載の発明は、攪拌槽で攪拌されている乾燥した土に凝集剤を直接添加すると、土粒子と凝集剤とが未反応状態で分散混合されて生育基盤材が生成される。従って、搬送ホースによって生育基盤材が搬送れる過程で水分が発生しても、生育基盤材の粘土・シルト分が分散混合された凝集剤によって凝集反応を起こすので、搬送ホースの内壁に粘土・シルト分が付着して管内閉塞を起こすおそれはなくなる。
請求項2記載の発明は、水分を含んだ土が攪拌槽で攪拌されているときは、吸水剤を添加して該土粒子に含まれる水分を吸水剤によって吸収するので、水分を含んだ土粒子であっても充分に乾燥させた土粒子に変換されて、該土粒子と凝集剤とを未反応状態で分散混合させて生育基盤材を生成することができる。これにより、搬送ホースによって生育基盤材が搬送れる過程で水分が発生しても、生育基盤材の粘土・シルト分が、分散混合された凝集剤によって凝集反応を起こすので、搬送ホースの内壁に粘土・シルト分が付着して管内閉塞を起こすことを防止することができる。
すなわち、搬送ホースの内部に水分が残留しているときは、該搬送ホースを通過中の生育基盤材に含まれる粘土・シルト分は凝集剤と反応して、該土粒子は団塊状に凝集される。従って、凝集剤によって凝集された土粒子の団塊は搬送ホースを通過中の生育基盤材と共に搬送されて法面へ吹付けられる。これにより、搬送ホースの管内閉塞を防止することができると共に、攪拌槽で生成された生育基盤材を無駄なく法面へ吹付けることができる。
請求項3記載の発明は、吸水剤として吸水ポリマーを用いているので、攪拌中の土粒子と吸水ポリマーとをほぼ均一に混合させることができる。従って、請求項2記載の発明の効果に加えて、吸水ポリマーが土粒子に含まれる水分を効果的に吸収するので、土粒子を充分な乾燥状態にして凝集剤と分散混合させることができる。
本発明に適用される生育基盤材の生成及び搬送施設の全体構成を示す説明図。 本発明による生育基盤材の生成方法の処理手順を示す工程図。 図2の工程図に基づく土の改良過程を示すイメージ図。 一般的に行われているカエルドグリーン工法による土の改良手順を示す工程図。 図4の工程図に基づく土の改良過程を示すイメージ図。
本発明は、法面へ吹付ける生育基盤材を生成するための作業工程を可能な限り少なくし、且つ、搬送ホースに管内閉塞を発生させないような工法で生育基盤を形成することができる生育基盤材の生成方法を実現するという目的を達成するために、土を主材料として法面緑化を行うための生育基盤を形成する植生材料の生成方法であって、加水しない土を攪拌槽へ投入し、該土が粒状化されて土粒子となるように攪拌を行う土投入・攪拌工程と、攪拌を継続しながら攪拌槽へ凝集剤を添加し、該凝集剤を土粒子の間に分散混合させる凝集剤混合工程とを含むことを特徴とする植生材料の生成方法を提供することによって実現した。
以下、本発明に係る生育基盤材の生成方法の好適な一実施例を図1乃至図5に従って詳細に説明する。以下に述べる説明では、土を主材料とした吹付け用法面緑化生育基材の材料配合方法と、その材料配合方法により製造された生育基盤材によって法面への吹付けを行う吹付け方法との、一連の流れを述べることにする。すなわち、本発明に係る生育基盤材の生成方法は、カエルドグリーン工法の施工システムを基本とし、基盤材の製造コストを低減させると共に長期耐久化を図った土の生育基盤材を提供することにより実現される。
先ず、生育基盤材を生成して法面へ搬送するための搬送施設の全体構成について説明する。図1は、本発明に適用される生育基盤材の生成及び搬送施設の全体構成を示す説明図である。図1において、撹拌槽(ミキサー)1は、内部に投入された土2、吸水剤3、及び凝集剤4を攪拌して生育基盤材5を生成するために、モータ6の駆動力で回転する撹拌羽根7を備えている。すなわち、撹拌槽1は、図示しないベルトコンベアやショベルカー等から投入された土2、吸水剤3、及び凝集剤4を強制的に混練して生育基盤材5を生成するように構成されている。尚、吸水剤3の混合量は土2の含水量等に応じて調整バルブ8の開閉操作を行うことにより適宜調整できるように構成されている。また、土2が充分に乾燥している場合は、調整バルブ8を閉めて吸水剤3を混合させないようにすることもできる。
上述のように土2、吸水剤3、及び凝集剤4を撹拌槽1で十分に根練した後、生成した生育基盤材5を撹拌槽1の下部に設置したベルトコンベア21によりホッパー22に搬送する。このホッパー22では、生育基盤材5中の異物を除去処理し、さらにベルトコンベア23により吹付機24に搬送する。
吹付機24の吐出口には、エアポンプ10とモータ11とによって構成されるコンプレッサ12を通じて搬送ホース9内へエアを送風するエアホースが介挿されていて、吹付機24から吐出された生育基盤材5を、搬送ホース9を通じて先端の吹付ノズル13から法面14へ吐出できるように構成されている。なお、上記撹拌槽1、吹付機24、コンプレッサ12等は公知のものを使用でき、且つ、搬送ホース9は公知の可撓性を有するホースや塩ビ管または鋼管等を含むものである。
次に、理解を容易にするために、本発明の基礎となるカエルドグリーン工法を参照しながら、本発明に係る生育基盤材の生成方法について説明する。本発明による生育基盤材の生成方法は、従来のカエルドグリーン工法の施工システムをベースとし、作業工程をさらに削減して基盤材の製造コストを低減させて、長期耐久性に優れた生育基盤材を生成することを目的として開発されたものである。
一般的に、生育基盤材を生成する過程で土に含まれる粘土・シルトなどの細粒分が含水することにより、該生育基盤材は搬送ホースの内壁に付着する性質を持っている。このような性質に起因して、搬送機械や搬送ホースの内壁に生育基盤材が付着し、さらに、生育基盤材の空気圧送中において粘土・シルト同士が結合して団塊となり、搬送ホースの内壁が閉塞する原因となる。尚、シルトとは、粘土よりさらに粒径の小さい土の成分である。
従来より一般的に行われているカエルドグリーン工法では、最初に土を泥状に分解し、粘土・シルト分を凝集剤により凝集させた後、吸水ポリマー等の吸水剤で余分な水を奪うと共に吸水吸着作用によって土を乾燥させて粒状化する。さらに、結合阻害材を添加することで、土粒子同士の表面における水分のやり取りを物理的に阻止させることにより、粘土・シルト分の付着や団塊の形成を防止している。これによって、法面の基盤材となる生育基盤材が搬送ホースの内部を閉塞させることなく、該生育基盤材を法面へ効果的に圧送させることが可能となる。
ここで、本発明に係る生育基盤材の生成方法の理解を容易にするために、その基礎となるカエルドグリーン工法の工程について説明する。図4は、一般的に行われているカエルドグリーン工法による土の改良手順を示す工程図である。また、図5は、図4の工程図に基づく土の改良過程を示すイメージ図である。従って、図5を参照しながら図4に示すカエルドグリーン工法の工程図の流れを説明する。尚、説明を容易にするために、図4と図5における同一のステップにおいては同一ステップ番号が付してある。
図4に示すように、土2の塊を攪拌層(ミキサー)へ投入し(ステップS11)、該土2の塊に水を加えて土を泥状に分解して泥状化土2aにする(ステップS12)。さらに、凝集剤を添加することによって粘土・シルト分2bを団塊状に凝集させる(ステップS13)。その後、吸水剤(吸水ポリマー)を添加して土2から余分な水分を奪うと共に、吸水吸着作用によって土2を粒状化させて、乾燥した土粒子2cにする(ステップS14)。さらに、結合阻害剤15を添加して、土粒子2c同士の表面における水分のやり取りを物理的に阻止させ、粘土・シルト分の付着や団塊の形成を防止する(ステップS15)。
すなわち、図5のイメージ図に示すように、土粒子の大きな塊(ステップS11)に対して水を添加して攪拌すると、土粒子は水によって泥状に分解する(ステップS12)。さらに、凝集剤を添加すると、土粒子の周辺に凝集剤が付着して土粒子の粘土・シルト分を凝集させる(ステップS13)。次に、吸水剤を添加すると、該吸水剤によって粘土・シルト分から余分な水分を吸収して、乾燥、粒状化した土粒子とする(ステップS14)。その後、結合阻害材を添加することにより、粒状化された個々の土粒子は結合阻害材によって分離され、土粒子同士は付着しない状態に維持される(ステップS15)
ところが、このようなカエルドグリーン工法による土の改良工程においては、土粒子同士を付着させないようにして粒状化させることにより、搬送ホース内での閉塞を防止することはできるが、土の改良における工程数が多いために生育基盤材を生成するためのコストが高騰化してしまう。
そこで、本発明に係る生育基盤材の生成方法では、原材料としては従来のカエルドグリーン工法と同様に凝集剤と吸水剤(吸水ポリマー)を使用するが、それらの使用方法や配合順序を変更することによって、生育基盤材の生成工程の低減化と低コスト化を図っている。
すなわち、本発明による生育基盤材の生成方法では、先ず、加水しない土を攪拌槽(ミキサー)で攪拌しながら吸水剤(吸水ポリマー)を混合し、土に含まれる水分を出来る限り奪うと共に、物理的な攪拌力によって土を粒状化させる。その後、さらに攪拌槽で攪拌しながら凝集剤を分散混合させる。このとき、土に含まれていた水分の大半は吸水ポリマーによって奪われているため、凝集剤と粘土・シルト分とは凝集反応を行わず、該凝集剤は攪拌槽内において土粒子の間に未反応で分散混合された状態となる。
図2は、本発明による生育基盤材の生成方法の処理手順を示す工程図である。また、図3は、図2の工程図に基づく土の改良過程を示すイメージ図である。従って、図2と図3における同一のステップにおいては同一ステップ番号を付すことにする。
図2に示すように、先ず、加水しない土2を攪拌槽(ミキサー)に投入して攪拌する(ステップS1)。さらに、攪拌を継続しながら吸水剤(吸水ポリマー)3を攪拌層に添加して混合し、土2に含まれる水分を可能な限り吸収すると共に、攪拌槽の攪拌力によって土2を可能な限り粒状化させて乾燥した土粒子2cにする(ステップS2)。その後、攪拌槽で攪拌しながら凝集剤4を添加して、粒状化した土粒子2cと該凝集剤4とを分散混合させる(ステップS3)。これにより、土粒子2cの水分は殆んど吸水剤(吸水ポリマー)3によって吸収されているため、凝集剤4は粘土・シルト分などと凝集反応を行わずに、該凝集剤4は攪拌層内において土粒子2cの間に分散混合された状態となっている。
尚、ステップS1において攪拌槽に投入した土が充分に乾燥していれば、ステップS2をパスして吸水剤3の添加を行わない状態で、直ちにステップS3において凝集剤4を添加して、粒状化した土粒子2cと凝集剤4とを分散混合させてもよい。
以上のような工程で生成された生育基盤材(基盤材)を法面に吹き付ける際には、図1に示すように、生育基盤材5は、攪拌槽1からベルトコンペア等の手段によって吹付機へ投入され、コンプレッサ12から導入された高圧空気により吹付機から搬送ホース9又は配管材などを通じて先端の吹付ノズル13へ空気圧送され、法面15へ吹付けられる。
すなわち、図3に示す改良過程を示すイメージ図に示すように、土粒子の塊を攪拌槽に投入して攪拌しながら(ステップS1)、土粒子に吸水ポリマーを添加して該土粒子の水分を吸収させると共に(ステップS2)、凝集剤を添加して粒状化した土粒子と該凝集剤とを分散混合させる(ステップS3)。これにより、例えば生成された生育基盤材の搬送中に、土粒子が分解し細粒分(粘土・シルト分)が搬送ホースの内壁等に付着しても、図3のステップS4に示すように、搬送ホース内部の生育基盤中に分散含有されている未反応の凝集剤と搬送ホース内壁に付着した細粒分が反応し、凝集効果により生育基盤内に取り込まれる。そのため、土粒子に含まれる粘土・シルト分が搬送ホースの内壁に付着することなく下流側へ送出される。言い換えると、土粒子が分解した細粒分(粘土・シルト分)は、凝集剤による凝集反応によって再び土粒子の団塊になって下流側へ送出される。
さらに詳しく説明すると、本発明の生育基盤材は、前述したように土粒子として粒状化を呈しているが、化学的な結合ではないために結合力は強固ではない。したがって、搬送ホースによる搬送過程において生育基盤材がコンプレッサからの圧縮空気によって吹付機や搬送ホースの内壁に押圧され、あるいは生育基盤材の土粒子同士がぶつかり合うなどして一部の吸水ポリマーがすり潰され、該吸水ポリマーが保持していた水分が放出される。また、同様にして、粒状化物の一部から粘土・シルト分が放出されることが想定され、放出された粘土・シルト分が前記水分を利用して吹付機や搬送ホースの内壁に付着し、搬送ホースを管内閉塞させる原因となることが懸念される。
そこで、本発明による生育基盤材の配合方法では、図2のステップS3に示すように、搬送ホースの内部において未反応な凝集剤が土粒子の間に分散混合しているので、図3のステップS4に示すように、搬送ホース内を通過する途中の生育基盤材から水分や粘土・シルト分が放出されると、放出された水分により凝集剤が反応を開始する。これによって、吹付機や搬送ホースの内壁に付着しようとする土粒子の細粒分(粘土・シルト分)は団塊状に凝集され、該土粒子の団塊は前記生育基盤材と共に搬送ホース内を下流側へ搬送される。そのため、粘土・シルト分が搬送ホースの内壁に付着することはなくなるので、搬送ホースの管内が閉塞状態となることを防止することができる。
本発明の実証のために下記の実験を行った。
[実験1]
実験1は、凝集剤の投入順序による土の付着度合いの違いを確認する試験である。
使用する材料として関東ロームの土(粘性土)を使用するが、土の水分状況を一定とするため、対象となる土の液性限界と塑性限界の中間点(塑性限界+(液性限界−塑性限界)÷2)まで加水し、やや硬いペースト状とした。使用した土の物性を下記に示す。
Figure 0005469538
使用する材料の配合を下記に示す。なお、後述する実験2との比較のため、吸水剤は同一のもの、凝集剤は実験1については粉末状のものを使用した。
Figure 0005469538
上記配合の材料を下記2パターンの材料投入工程で混練りして生育基盤材を生成した。
(パターン1)
(1).土に吸水剤を添加混合し、余剰水分を吸水する(10分間混練り)。
(2).上記に凝集剤を添加混合する(1分間混練り)。
(パターン2)
(1).土に凝集剤を添加混合する(団粒化を目視で確認するまで混練り)。
(2).上記に吸水剤を添加混合する(10分間混練り)。
上記2パターンで生成した生育基盤材を小型傾動ミキサーに移し、その中に直径5cm程度の石を2.5kg投入した後、小型傾動ミキサーにより撹拌を行い、石の表面への生育基盤材の付着程度を10分間隔で目視確認を行った。また、付着程度の評価は、A:付着なし、B:部分的な付着あり、C:表面被覆の3段階とした。各パターンの実験結果を下記に示す。
実験1において、パターン1は60分撹拌後でも石の表面全体への被覆は見られなかったが、パターン2では40分後に石の表面が完全に被覆された。
従って、実験1の結果、土の余剰水分を十分に吸水したうえで凝集剤を未反応のまま分散混合させることにより、生成した生育基盤材が付着しづらくなることがわかった。
Figure 0005469538
[実験2]
実験2は、凝集剤の形態の違いによる土の付着度合いを確認する試験である。
実験2では、使用する凝集剤として液体のものを選択した。当該液体凝集剤は、実験1で使用した粉末凝集剤に対して水分中の濃度が1/4であるため、使用量を4倍とした。それ以外は実験1と同様として、各パターンの付着程度を確認した。
実験2の結果を下記に示す。
実験2において、パターン1、パターン2ともに20分撹拌後には完全に石の表面が被覆された。
従って、実験1及び2の結果、本発明の生育基盤材内に凝集剤を未反応のまま分散混合しておくためには、粉末の凝集剤を選択すべきであることが判明した。
Figure 0005469538
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
本発明による生育基盤材の生成方法は、生育基盤材を法面へ吹付けるときに搬送ホースの内壁に閉塞状態を発生させるおそれがないので、堤防や道路などの法面緑化や現地掘削土処理などに有効に利用することができる。
1 攪拌槽(ミキサー)
2 土
2a 泥状化土
2b 粘土・シルト分
2c 土粒子
3 吸水剤
4 凝集剤
5 生育基盤材
6、11 モータ
7 攪拌羽根
8 調整バルブ
9 搬送ホース
10 エアポンプ
12 コンプレッサ
13 吹付ノズル
14 道路
15 法面
16 結合阻害剤
21、23 ベルトコンベア
22 ホッパー
24 吹付機

Claims (3)

  1. 土を主材料として法面緑化を行うための生育基盤を形成する生育基盤材の生成方法であって、
    加水しない前記土を攪拌槽へ投入し、該土が粒状化されて土粒子となるように攪拌を行う土投入・攪拌工程と、
    攪拌を継続しながら前記攪拌槽へ凝集剤を添加し、該凝集剤を未反応状態で前記土粒子の間に分散混合させる凝集剤混合工程と
    を含むことを特徴とする生育基盤材の生成方法。
  2. 土を主材料として法面緑化を行うための生育基盤を形成する生育基盤材の生成方法であって、
    加水しない前記土を攪拌槽へ投入し、該土が粒状化されて土粒子となるように攪拌を行う土投入・攪拌工程と、
    攪拌を継続しながら上記攪拌槽へ吸水剤を添加し、該吸水剤によって上記土粒子から水分を吸収させる吸水工程と、
    攪拌を継続しながら前記攪拌槽へ凝集剤を添加し、該凝集剤を未反応状態で前記土粒子の間に分散混合させる凝集剤混合工程と
    を含むことを特徴とする生育基盤材の生成方法。
  3. 上記吸水剤は吸水ポリマーであることを特徴とする請求項2記載の植生材料の生成方法。


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