JP3626877B2 - 発生土処理方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建設土木工事で発生する建設発生土や掘削工事で発生する水分量の多い建設汚泥などの発生土を粒状化する解砕造粒装置及びこの解砕造粒装置を用いて発生土を処理する発生土処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5に従来の発生土処理の工程の概略を示す。
【0003】
従来の発生土処理において、図5に示すように、一次処理系001では、建設現場、例えば、シールド掘削機によるトンネル掘削作業現場で発生した発生土002を分級機003によって砂礫成分(粒径>74μm)004を分別し、ポンプ005によって二次処理系011に搬送する。この二次処理系011では、砂礫成分004が分別された発生土006に対して凝集剤添加装置012によって凝集剤013を添加し、脱水機014によって脱水処理することで、粘土シルト成分(粒径≦74μm)の脱水ケーキ015が生成される。そして、一次処理系001で分別された砂礫成分004は埋め戻し材などとして再利用され、二次処理系011で生成された脱水ケーキ015は産業廃棄物として処理場に搬送し、廃棄処分される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように従来の発生土処理装置では、一次処理系001での砂礫成分004は埋め戻し材などとして再利用されるものの、二次処理系011での脱水ケーキ015は産業廃棄物として処理される。これはシールド掘削機によるトンネル掘削作業現場では、泥水や泥土に流動性を与えて切羽の安定を確保するために、ベントナイト(粘土)を添加している。そのため、脱水ケーキ015はこのベントナイトを含有してスラリー状となっており、埋め戻し材などとして再利用することができない。この場合、脱水ケーキ015を産業廃棄物処理場まで輸送する運送費や、処分そのものの費用が多大なものとなり、施工コスト全体が上昇してしまうという問題が生じると共に、最終処分場の不足や不法投棄などの社会問題となっている。
【0005】
そこで、本出願人は、特願平10−31015号の「建設汚泥処理装置」にて、脱水ケーキ015を産業廃棄物とはせずに粒状化処理することで、埋め戻し材などとして再利用することを提案している。この「建設汚泥処理装置」は、二次処理系011で処理された脱水ケーキ015にセメントを添加すると共に水ガラスを添加して攪拌混合機で攪拌混合し、その後、セメントと水ガラスが混合された脱水ケーキ015を解砕造粒機で内部物質を分断しながら粒子化させることで粒状体を生成するものである。
【0006】
そして、この「建設汚泥処理装置」では、脱水ケーキ015の内部の物質を分断、粒子化して粒状体を生成し、生成した粒状体を中和処理装置に送り、空気や炭酸ガスを送風して粒状体の表面を中和している。ところが、脱水ケーキは、水ガラスが微粒子を拘束すると共に自由水を取り込んでゲル化され、セメントが数時間から数日で水和物を生成して安定固化されるものであり、セメントによる水和物の生成はアルカリ雰囲気でないと好ましくない。この「建設汚泥処理装置」では、生成した粒状体に対して直ちに中和処理を行うため、セメントによる水和物の生成をアルカリ雰囲気で行うことが難しく、水和物の生成による安定固化した粒状体の生成に長期間を要してしまう。
【0007】
本発明はこのような問題を解決するものであって、発生土を処理して再利用可能とすることで処理コストの低減を図ると共に、適正に中和処理を行うことで中和処理効率及び安全性の向上を図った発生土処理方法及び装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するための請求項1の発明の発生土処理方法は、発生土に吸水剤及び固化剤を添加して攪拌混合してゲル化し、ゲル化した発生土の内部物質を分断して粒子化させて粒状体を生成し、生成された粒状体が安定固化されるまで放置した後に表面を中和処理して被膜を形成することを特徴とするものである。
【0009】
また、請求項2の発明の発生土処理方法では、前記粒状体の生成処理をアルカリ雰囲気で行い、さらにこのアルカリ雰囲気を維持したまま生成された粒状体を放置し、前記粒状体の表面に中和剤を付着させることで中和処理を行うことを特徴としている。
【0010】
また、請求項3の発明の発生土処理方法では、前記粒状体を中和剤が貯溜された液槽内に浸漬することで表面中和処理を行うことを特徴としている。
【0011】
また、請求項4の発明の発生土処理方法では、前記粒状体に中和剤を噴射することで表面中和処理を行うことを特徴としている。
【0012】
更に、請求項5の発明の発生土処理装置は、発生土に吸水剤及び固化剤を添加して攪拌混合してゲル化させる攪拌混合手段と、該攪拌混合手段によってゲル化した発生土の内部物質を分断して粒子化させて粒状体を生成する解砕造粒手段と、該解砕造粒手段によって生成された粒状体が安定固化されるまで放置した後に表面を中和処理して被膜を形成する表面処理手段とを具えたことを特徴とするものである。
【0013】
また、請求項6の発明の発生土処理装置は、掘削工事によって発生した発生土から砂礫成分を除去する一次処理手段と、該一次処理手段で処理された発生土に凝集剤を添加して脱水処理する二次処理手段と、該二次処理手段で処理された発生土に吸水剤及び固化剤を添加して攪拌混合した後に内部物質を分断して粒子化させて粒状体を生成する三次処理手段と、該三次処理手段で生成された粒状体が安定固化されるまで放置した後に表面を中和処理して被膜を形成する四次処理手段とを具えたことを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0015】
なお、以下に複数の実施形態を説明するが、各実施形態で取扱う発生土は、建設発生土と建設汚泥からなるものである。この建設発生土は、建設工事に伴って発生する土砂であって、港湾、河川の浚渫に伴って生ずる土砂、その他に類する浚渫土と、この浚渫土以外のものからなる。また、建設汚泥は、浚渫以外の建設工事等に係る掘削工事に伴って排出されるもののうち、標準ダンプトラックに山積みができず、また、その上を人が歩けない状態のものである。
【0016】
[第1実施形態]
図1に本発明の第1実施形態に係る発生土処理装置の処理工程を表す概略、図2に三次処理系の処理工程を表す概略、図3に四次処理系の処理工程を表す概略を示す。
【0017】
本実施形態の発生土処理装置は、泥水式シールド掘削機によって排出された発生土(建設汚泥)を処理するものであって、図1に示すように、この発生土Aから砂礫成分Bを除去する一次処理系11と、この一次処理系11で処理された発生土Cに凝集剤Dを添加して脱水処理することで脱水ケーキEを生成する二次処理系21と、この脱水ケーキEに吸水剤(水ガラス)Gと固化剤(セメント)Hを添加して攪拌混合した後に、内部物質を分断しながら粒子化させて粒状体Fを生成する三次処理系31と、この粒状体Fを所定期間放置した後に表面を中和処理して被膜を形成する四次処理系41とから構成されている。
【0018】
一次処理系11には、建設現場で発生した発生土Aから砂礫成分(粒径>74μm)Bを分別する分級機12と、この砂礫成分Bを分離除去した発生土Cを二次処理系21に搬送するポンプ13とが設けられている。また、二次処理系21は、一次処理系11から搬送された発生土Cにポンプ22によって凝集剤Dを添加する凝集剤添加装置23と、凝集剤Dが添加された発生土Cを脱水処理することで、粘土シルト成分(粒径≦74μm)の脱水ケーキEを生成する脱水機24とが設けられている。
【0019】
そして、三次処理系31には、図1及び図2に示すように、二次処理系21で処理された脱水ケーキEを搬送するスクリューコンベヤ32と、この脱水ケーキEに吸水剤としての水ガラス(珪酸ソーダの粉末でもよい)Gを添加(数μm以下の粘土の微粒子成分の5〜15%)する吸水剤添加装置33と、固化剤としてのセメントHを添加(珪酸ソーダの4〜10倍)する固化剤添加装置34と、水ガラスGとセメントHとが添加された脱水ケーキEを駆動モータ35によって駆動して攪拌混合する攪拌混合機36と、攪拌混合された脱水ケーキEの内部物質を分断しながら粒子化させることで粒状体Fを生成する解砕造粒機37と、この生成した粒状体Fを搬送する搬送コンベヤ38とが設けられている。
【0020】
また、四次処理系41には、図1及び図3に示すように、三次処理系31にて処理されて搬送コンベヤ38で搬送された粒状体Fを所定期間放置する放置場42と、この放置場42に放置された粒状体Fを搬送する油圧ショベル43及びベルトコンベヤ44と、ベルトコンベヤ44によって搬送された粒状体Fに中和剤としての炭酸Iを添加して表面を中和処理するホッパ(液槽)45と、中和処理した粒状体Fを搬送するトラック46とが設けられている。
【0021】
ここで、このように構成された本実施形態の発生土処理装置による発生土の処理方法について説明する。
【0022】
図1に示すように、泥水式シールド掘削機によるトンネル掘削現場で発生した発生土Aにはベントナイトなどの粘土質が含まれており、この発生土Aは一次処理系11に送られ、分級機12によって砂礫成分(粒径>74μm)Bが分離除去され、発生土Cとして二次処理系21に送られる。この二次処理系21では、発生土Cに凝集剤添加装置23から凝集剤Dが添加された後、脱水機24によって機械的に脱水され、粘土シルト成分(粒径≦74μm)よりなる脱水ケーキEが生成され、三次処理系31に送られる。なお、この脱水ケーキEは比重が1.4〜1.6となっており、74μm以下の微粒子成分100%、含水率40〜55%程度のものである。
【0023】
三次処理系31では、図2に示すように、脱水ケーキEをスクリューコンベヤ32によって攪拌混合機36内に搬送し、この攪拌混合機36にて、脱水ケーキEに対して、まず、吸水剤添加装置33によって水ガラスGを添加し、次に、固化剤添加装置34によってセメントHを添加する。攪拌混合機36は水ガラスGとセメントHが添加された脱水ケーキEを各添加物G,Hが均等に分布するまで攪拌混合するが、このとき、水ガラスGとセメントHとの反応により、脱水ケーキE中のベントナイトの微粒子同志が拘束し合うと共に水分を吸収してゲル化する。そして、ゲル化した脱水ケーキEは攪拌混合機36のらせん状の攪拌翼によって解砕造粒機37に投入され、ここで、内部の物質を分断、粒子化させることで粒状体Fを生成し、搬送コンベヤ38上に排出して装置の外に搬出する。
【0024】
即ち、脱水ケーキEにセメントHが添加されることで脱水ケーキE中水分のpHが変動し、これによって水ガラスGは脱水ケーキE中の微粒子間に珪酸ポリマーを形成し、微粒子を拘束すると共に、脱水ケーキE中の自由水を取り込みゲル化させる。これにより、脱水ケーキEの粘性が増加し、解砕造粒機37によって分散粒状化が可能となる。また、セメントHは水硬性を保有しており、粒状体Fの内部に混合されており、内部に取り込まれた水分などと反応し、数時間から数日で水和物を生成して安定固化する。脱水ケーキE中の微粒子は、水ガラスGによって拘束された状態で硬化するために大粒化しており、粒状体Fは微粒子成分が低減している。
【0025】
なお、ここで粒状体Fとは、土の品質区分で第1種の発生土に相当するもので、埋戻しや盛り土などに適用できるものである。具体的には、以下を満たすものである。
▲1▼粒度:74μm以下の微粒子分が10%以下、最大粒径:13mm以下
▲2▼締め固め地盤支持力:CBR12%以上(砕石路盤との相対比較基準)
▲3▼排水中に指定有害物質を基準濃度以上含まない。
▲4▼pH:5.8〜8.6(生活排水基準)
などであるが、いずれも適用箇所や自治体によって多少の相違がある。
【0026】
そして、四次処理系41では、図3に示すように、搬送コンベヤ38で搬送された粒状体Fは、放置場42の所定位置に順次所定量積み上げられて多数の山が形成され、この状態で所定期間放置する。この粒状体Fの放置期間は、三次処理系31で添加されたセメントHの種類によって異なるが、一般的なセメントであれば1〜3日であり、アルミナ系セメントなど早期性の固化剤を用いると更に放置期間が短縮できるものであり、セメントHにより粒状体Fの内部に生成された水和物の内部に、ある程度の骨格が形成されて安定固化されるまで放置すればよい。
【0027】
そして、この粒状体Fを放置場42で所定期間放置したら、油圧ショベル43によってベルトコンベヤ44に搬送し、このベルトコンベヤ44によってホッパ45まで搬送する。このホッパ45内には炭酸Iが貯留されており、この炭酸Iの貯留量に対応した粒状体Fを所定量ホッパ45に投入する。このホッパ45内の粒状体F及び炭酸Iは下部から上部に循環攪拌され、粒状体Fの表面に炭酸Iが付着して炭酸カルシウムの中性被膜が生成される。この場合、セメントHによりに生成された水和物の内部には骨格が形成されているため、粒状体Fの内部のアルカリ雰囲気は確保されており、更に水和物内部の骨格の成長は促進されている。そして、粒状体Fの表面に中性被膜が生成されると、ホッパ45から粒状体Fをトラック46に積載して所定の場所まで搬送する。
【0028】
即ち、粒状化した粒状体Fをホッパ45内で炭酸Iに浸漬することにより、表面のアルカリが炭素と反応して炭酸カルシウムを生成し、粒状体Fの表面に炭酸カルシウムの中性被膜が形成され、粒状体Fの表面のアルカリ性が中和されることとなる。
【0029】
このように本実施形態の発生土処理装置にあっては、無機系の材料を用いて生成された粒状体Fが強度と安全性を保有しているため、建設資材として埋戻し材や盛り土材など、良質土相当として再利用が可能となり、廃却処分などの費用を低減することが可能となる。この場合、粒状体Fからなる建設資材は、軽量で透水性が良好であるため、運動場や植木の土壌や造成地の盛土として最適であり、また、埋立地の排水ドレーン材として使用することもできる。また、水ガラスGとセメントHを粒子化剤とすることで処理費用が低減すると共に、処理作業が容易となる。
【0030】
つまり、安全な無機材料である水ガラスG(珪酸ソーダ)と、セメントHなど無機系の水硬性材料とを併用する装置とすることで、安全性を確保できる。また、水ガラスGで吸水することにより、比較的高含水比の泥土に対しても、分散造粒に必要な粘性の増加を可能とすると共に、微粒子を拘束して大粒化することで粒状体中の微粒成分を低減できる。更に、従来、処理でコストや時間が必要であった乾燥や脱水などの処理が不要となり、低コストで高効率に粒状化することができる。そして、固化剤を、水ガラスGのゲル化反応剤と水和反応による長期強度発現との2つの効果を1度に達成し、装置の簡素化と低コスト化が図れる。
【0031】
更に、生成した粒状体Fを放置場42で所定期間放置してから、ホッパ45内の炭酸Iに浸漬して炭酸カルシウムの中性被膜を生成している。従って、粒状体Fの表面のアルカリ性が中和され、雨水等によってアルカリが外部に流れだすことはなく、この間に内部のアルカリ雰囲気で水和物内の骨格の成長が促進されて粒状体Fが安定固化する。そのため、この粒状体Fを建設資材として埋戻し材や盛り土に適用した場合の、対環境性が向上して粒状体の適用対象が拡大される。
【0032】
[第2実施形態]
図4に本発明の第2実施形態に係る発生土処理装置における四次処理系の処理工程を表す概略を示す。なお、前述した実施形態で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0033】
本実施形態の発生土処理装置は、前述の実施形態と同様に、泥水式シールド掘削機によって排出された発生土(建設汚泥)を処理するものであって、一次処理系、二次処理系、三次処理系は同様であるために説明は省略し、四次処理系のみについて説明する。
【0034】
本実施形態の発生土処理装置における四次処理系51には、図4に示すように、三次処理系31にて処理されて搬送コンベヤ38で搬送された粒状体Fを所定期間放置するホッパ52と、このホッパ52内に放置された粒状体Fを搬送するベルトコンベヤ53と、ベルトコンベヤ53によって搬送される粒状体Fに中和剤としての炭酸Iを噴霧して表面を中和処理する多数の噴射ノズル54を有する噴射装置55と、中和処理した粒状体Fを堆積する堆積場56とが設けられている。
【0035】
ここで、このように構成された本実施形態の四次処理系51による発生土の処理方法について説明する。
【0036】
搬送コンベヤ38で搬送された粒状体Fは、多数並設されたホッパ52内に順次投入され、この状態で所定期間放置する。そして、この粒状体Fをホッパ52内で所定期間放置したら、ベルトコンベヤ44上に排出して搬送し、この搬送途中の粒状体Fに対して、噴射装置55の各噴射ノズル54から炭酸Iを噴霧する。ここで粒状体Fの表面に炭酸Iが付着して炭酸カルシウムの中性被膜が生成される。そして、粒状体Fの表面に中性被膜が生成されながら、ベルトコンベヤ44によって粒状体Fが堆積場56まで搬送される。
【0037】
なお、炭酸Iが噴霧された粒状体Fを攪拌機等に投入して粒状体Fの表面にまんべんなく炭酸Iを付着させてもよい。この場合、セメントHによりに生成された水和物の内部には骨格が形成されているため、粒状体Fの内部のアルカリ雰囲気は確保されており、更に水和物内部の骨格の成長は促進されている。
【0038】
このように本実施形態の発生土処理装置にあっては、生成した粒状体Fをホッパ52内で所定期間放置してから、炭酸Iを噴霧して炭酸カルシウムの中性被膜を生成している。従って、粒状体Fの表面のアルカリ性が中和され、雨水等によってアルカリが外部に流れだすことはなく、この間に内部のアルカリ雰囲気で水和物内の骨格の成長が促進されて粒状体Fが安定固化する。
【0039】
なお、上述した各実施形態では、中和剤として炭酸Iを適用したが、これに限定されるものではなく、酸性の中和剤であればよく、例えば、リン酸、水、塩酸などでもよく、5%程度の塩化第二鉄溶液を用いることがコスト的に好ましい。
【0040】
また、上述した各実施形態では、粒状体Fを所定期間放置した後に中和剤として炭酸Iによって表面中和処理を行う場合、ホッパ45内に貯留された炭酸Iに粒状体Fを浸漬したり、の噴射ノズル54から噴霧したりしたが、表面中和処理方法としてはこれらに限るものではなく、例えば、炭酸ガスを送風したりしてもよい。
【0041】
更に、この吸水剤としては水ガラスGの他に、例えば、珪酸塩としての珪酸ソーダ、ポリマーやモノマーなどの有機系吸水剤でもよく、固化剤としてはセメントHの他に、石灰系、石膏系の固化剤でもよい。
【0042】
また、上述の各実施形態では、泥水式シールド掘削機によって排出された発生土Aを処理するものとしたが、土圧式シールド掘削機によって排出された発生土を処理することもでき、この場合、一次処理系及び二次処理系を省いて、発生土を直接三次処理系に搬入すればよい。これは、土圧式シールド掘削機によって排出された発生土の比重が、脱水ケーキEの比重1.4〜1.6とほぼ同様となっており、数cmの石や砂を含む泥土で含水率20〜50%程度であるからである。更に、この発生土は前述した建設発生土や建設汚泥であってもよい。
【0043】
【発明の効果】
以上、実施形態において詳細に説明したように請求項1の発明の発生土処理方法によれば、発生土に吸水剤及び固化剤を添加して攪拌混合してゲル化し、ゲル化した発生土の内部物質を分断して粒子化させて粒状体を生成し、生成された粒状体が安定固化されるまで放置した後に表面を中和処理して被膜を形成するようにしたので、中性被膜の生成によって雨水等によりアルカリが外部に流れだすことはなく、この間に内部のアルカリ雰囲気で水和物内の骨格の成長が促進されて粒状体を安定固化することができ、その結果、適正に中和処理を行うことで中和処理効率及び安全性の向上を図ることができる。
【0044】
また、請求項2の発明の発生土処理方法によれば、粒状体の生成処理をアルカリ雰囲気で行い、さらにこのアルカリ雰囲気を維持したまま生成された粒状体を放置し、粒状体の表面に中和剤を付着させることで中和処理を行うようにしたので、粒状体の内部では骨格の成長が促進されて粒状体を安定固化することができる。
【0045】
また、請求項3の発明の発生土処理方法によれば、粒状体を中和剤が貯溜された液槽内に浸漬することで表面中和処理を行うようにしたので、粒状体の表面にまんべんなく中和剤を付着させることで、中性被膜を適正に生成することができる。
【0046】
また、請求項4の発明の発生土処理方法によれば、粒状体に中和剤を噴射することで表面中和処理を行うようにしたので、中和剤による処理装置を簡単な構成で容易に製造することができる。
【0047】
更に、請求項5の発明の発生土処理装置によれば、発生土に吸水剤及び固化剤を添加して攪拌混合してゲル化させる攪拌混合手段と、ゲル化した発生土の内部物質を分断して粒子化させて粒状体を生成する解砕造粒手段と、生成された粒状体が安定固化されるまで放置した後に表面を中和処理して被膜を形成する表面処理手段とを設けたので、発生土に吸水剤及び固化剤を添加することで、微粒子間にポリマーが形成されて微粒子を拘束すると共に、自由水を取り込みゲル化させることで発生土の粘性が増加して分散粒状化が容易となり、また、粒状体を所定期間放置した後に表面を中和処理して被膜を形成することで、中性被膜によりアルカリが外部に漏れだすことはなく、この間に内部のアルカリ雰囲気で水和物内の骨格の成長が促進されて粒状体を安定固化することができ、その結果、適正に中和処理を行うことで中和処理効率及び安全性の向上を図ることができると共に、発生土を再利用することで処理コストの低減を図ることができる。
【0048】
また、請求項6の発明の発生土処理装置によれば、掘削工事によって発生した発生土から砂礫成分を除去する一次処理手段と、処理された発生土に凝集剤を添加して脱水処理する二次処理手段と、処理された発生土に吸水剤及び固化剤を添加して攪拌混合した後に内部物質を分断して粒子化させて粒状体を生成する三次処理手段と、生成された粒状体が安定固化されるまで放置した後に表面を中和処理して被膜を形成する四次処理手段とを設けたので、発生土に吸水剤及び固化剤を添加することで、微粒子間にポリマーが形成されて微粒子を拘束すると共に、自由水を取り込みゲル化させることで発生土の粘性が増加して分散粒状化が容易となり、また、粒状体を所定期間放置した後に表面を中和処理して被膜を形成することで、中性被膜によりアルカリが外部に漏れだすことはなく、この間に内部のアルカリ雰囲気で水和物内の骨格の成長が促進されて粒状体を安定固化することができ、その結果、適正に中和処理を行うことで中和処理効率及び安全性の向上を図ることができると共に粒子化処理を効率的に行うことができ、発生土を再利用することで処理コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る発生土処理装置の処理工程を表す概略図である。
【図2】三次処理系の処理工程を表す概略図である。
【図3】四次処理系の処理工程を表す概略図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る発生土処理装置における四次処理系の処理工程を表す概略図である。
【図5】従来の発生土処理の工程の概略図である。
【符号の説明】
11 一次処理系
12 分級機
21 二次処理系
23 凝集剤添加装置
24 脱水機
31 三次処理系
32 スクリューコンベヤ
33 吸水剤添加装置
34 固化剤添加装置
36 攪拌混合機
37 解砕造粒機
38 搬送コンベヤ
41 四次処理系
42 放置場
45 ホッパ
A,C 発生土
B 砂礫成分
D 凝集剤
E 脱水ケーキ
F 粒状体
G 水ガラス(吸水剤)
H セメント(固化剤)
I 炭酸(中和剤)

Claims (6)

  1. 発生土に吸水剤及び固化剤を添加して攪拌混合してゲル化し、ゲル化した発生土の内部物質を分断して粒子化させて粒状体を生成し、生成された粒状体が安定固化されるまで放置した後に表面を中和処理して被膜を形成することを特徴とする発生土処理方法。
  2. 請求項1記載の発生土処理方法において、前記粒状体の生成処理をアルカリ雰囲気で行い、さらにこのアルカリ雰囲気を維持したまま生成された粒状体を放置し、前記粒状体の表面に中和剤を付着させることで中和処理を行うことを特徴とする発生土処理方法。
  3. 請求項1記載の発生土処理方法において、前記粒状体を中和剤が貯溜された液槽内に浸漬することで表面中和処理を行うことを特徴とする発生土処理方法。
  4. 請求項1記載の発生土処理方法において、前記粒状体に中和剤を噴射することで表面中和処理を行うことを特徴とする発生土処理方法。
  5. 発生土に吸水剤及び固化剤を添加して攪拌混合してゲル化させる攪拌混合手段と、該攪拌混合手段によってゲル化した発生土の内部物質を分断して粒子化させて粒状体を生成する解砕造粒手段と、該解砕造粒手段によって生成された粒状体が安定固化されるまで放置した後に表面を中和処理して被膜を形成する表面処理手段とを具えたことを特徴とする発生土処理装置。
  6. 掘削工事によって発生した発生土から砂礫成分を除去する一次処理手段と、該一次処理手段で処理された発生土に凝集剤を添加して脱水処理する二次処理手段と、該二次処理手段で処理された発生土に吸水剤及び固化剤を添加して攪拌混合した後に内部物質を分断して粒子化させて粒状体を生成する三次処理手段と、該三次処理手段で生成された粒状体が安定固化されるまで放置した後に表面を中和処理して被膜を形成する四次処理手段とを具えたことを特徴とする発生土処理装置。
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