本第1実施例のパチンコ遊技機は、図1ないし図19に示されるように、遊技機において、前記遊技機の所定の位置に配設され、衝撃を検知すると衝撃の大きさに応じた検知信号を出力する衝撃検知手段としての衝撃検知センサ500と、前記衝撃検知センサ500から出力される前記検知信号の出力レベルと予め設定された基準レベルとを比較し、前記検知信号の出力レベルが前記基準レベルよりも大きい場合に不正行為が行われたと判定する不正行為判定手段600と、遊技者が操作可能であって、遊技者によって操作されると操作信号が出力されるように構成されている操作手段700と、前記操作手段700が操作された時の前記操作信号が出力された場合には、前記検知信号の出力レベルと前記基準レベルとの相対的な大小関係を変更する変更手段とから成り、遊技者の操作に伴う衝撃による誤検知を防止するように構成されているものである。
また前記変更手段が、前記操作手段が操作された時の前記操作信号に基づいて前記不正行為判定手段の前記基準レベルを変更する基準レベル変更手段800によって構成されているものである。
さらに本第1実施例のパチンコ遊技機は、前記不正行為判定手段600によって前記遊技機に与えられた衝撃が不正行為によるものであると判定された場合に、不正行為が行われたことを報知する報知手段900を備えているものである。
ここで本第1実施例のパチンコ遊技機における前記衝撃検知センサ500および前記不正行為判定手段600等の概念的な関係について、図14に示される機能ブロック図を用いて簡単に説明する。
前記衝撃検知センサ500は、衝撃に伴う加速度変化を検知するための加速度センサとしての圧電素子によって構成され、遊技者によって衝撃が加えられた際にその衝撃の大きさに応じた加速度変化の検知信号を前記不正行為判定手段600に対して出力する。
前記不正行為判定手段600は、前記衝撃検知センサ500から出力される前記検知信号の出力レベルと予め設定された参照基準電圧としての基準レベルとを比較するコンパレータ1000によって構成され、前記検知信号の出力レベルが前記基準レベルよりも大きい場合に不正行為が行われたと判定する。
前記操作手段700は、遊技者によって操作されると前記基準レベル変更手段800に対して操作信号が出力されるように構成され、前記基準レベル変更手段800は、前記操作信号が出力されている場合には当該操作信号に基づき前記不正行為判定手段の前記基準レベルを変更する。
すなわち前記基準レベル変更手段800は、所定電圧Vの直流電源と、抵抗値Rの2個の抵抗R1,R2が直列に接続され、2個の抵抗R1,R2の間のV/2の電圧が出力される中間出力点MOと、抵抗R1と直流電源Sとの接続点のVの電圧が出力される出力点HOを備えた基準電圧発生部801と、前記操作手段700から操作信号が出力されるとスイッチ切換信号を出力するスイッチ切換手段802と、前記出力点HOと前記中間出力点MOと前記コンパレータ1000の基準入力端との選択的接続を実現するスイッチ手段803とから成る。
前記コンパレータ1000は、信号入力端に前記衝撃検知センサ500の検知信号がアンプを介して入力され、基準入力端は前記スイッチ手段803を介して電圧Vの前記出力点HOと電圧V/2の前記中間出力点MOとが選択的に接続される差動増幅器によって構成され、基準電圧に対して前記衝撃検知センサ500から出力される検知信号の出力レベルが大きいときには、不正衝撃が加えられたことを示す信号が出力される。
前記報知手段900は、前記不正行為判定手段600によって前記遊技機に与えられた衝撃が不正行為によるものであると判定された場合に、不正行為が行われたことを報知する。
そこでまず本発明の第1実施例のパチンコ遊技機の全体構成について、図1に示される正面図を用いて具体的に説明する。
本第1実施例のパチンコ遊技機は、遊技機本体1が外郭となる矩形形状の外枠2を有し、当該外枠2内に納められる図示しない内枠に対して遊技盤3が着脱可能に取り付けられている。
前面枠16は、例えば前面主要部を構成する透明なガラス窓17、下端中央の突出部に形成された受け皿部18、右端略中央部に形成された鍵穴19、上部左右および前記図示しない内枠に対して固定されたスピーカ24および前記鍵穴19下方に配設された発射ハンドル25等を備え、前記遊技盤3の前面側に前記外枠2に対して揺動開閉可能に取り付けられている。
前記受け皿部18は、前記前面枠16の下部に配設され、前記発射ハンドル25を操作することにより発射される遊技球が貯留されるように構成されている。また、当該受け皿部18は、その上部に、貯留された遊技球の玉抜きを行うための玉抜きレバー26aや、演出やその他の所定の用途に使用される演出ボタン21等を備えた後述する操作部20を備える。さらに、前記受け皿部18は、その前面略中央部に、遊技球の玉貸しボタン27、ICカード等の返却ボタン28および残高表示部29などが配設され、その下部に、玉抜きボタン26bが配設されている。
前記発射ハンドル25は、当該発射ハンドル25の軸部に対して相対回転可能に配設され、前記受け皿部18に貯留された遊技球を打ち出すために遊技者が回転操作する発射レバー25aと、当該ハンドル操作を行っている状態で遊技球の発射を一時的に停止させるためのウェイトボタン25bと、前記発射ハンドル25の外周部に施された導電性メッキ部を用いて、当該導電性メッキ部に接している物体の静電気容量の変化を検出することによりハンドル操作が遊技者の手によるものであるか否かを判断するタッチセンサ25cとを備える。前記発射ハンドル25は、図示しない発射制御基板と電気的に接続され、後述する不正行為判定処理によって不正行為が検知された場合に、発射制御基板に対して遊技球の発射を禁止するための制御信号を出力し、遊技球の発射を強制的に抑制するように構成することもできる。具体的には、発射ソレノイドや球送りソレノイドを強制的に停止状態にすることにより、遊技球の発射を禁止することができる。
前記スピーカ24は、前記前面枠16の上部左右に配設された上スピーカ24aと、図示しない前記内枠に対して配設された下スピーカ24bとを備え、各種の演出音または報知音等を出力する。特に本第1実施例において不正行為による衝撃が検出された場合には、所定の不正報知音を出力するように構成されている。
枠ランプ76は、前記前面枠16の所定の位置に配設され、演出等と連動して点灯・点滅などの態様により各種の発光手段として機能する。特に本第1実施例において不正行為による衝撃が検出された場合には、所定の不正報知発光態様で点灯・点滅を行うように構成されている。
次に本第1実施例の遊技盤の具体的構成について説明する。
前記遊技盤3は、図1に示されるように、レールによって囲まれる略円形状の遊技領域3aと、当該遊技領域3aの略中央部に配設されたセンター役物4、当該センター役物4後方に配設された図柄変動装置5と、当該センター役物4下方に配設された第1始動入賞口7および第2始動入賞口8と、当該第1始動入賞口7下方に配設された可変入賞装置6と、当該可変入賞装置6下方に配設された大入賞口10と、前記センター役物左方に配設されたゲート11と、前記遊技領域3aの所定の複数箇所に配設された普通入賞口12と、遊技球を前記遊技領域3aから排出するためのアウト口13等を備える。
前記センター役物4は、前記遊技盤3の略中央部に前方に開口して配設され、ステージ15、可動役物14および図柄変動装置5等を備える。前記ステージ15は、前記センター役物4の下部に左右方向および前後方向に延在して配設され、当該ステージ15上に導かれた遊技球を転動させるための転動面等を備える。また、前記可動役物14は、前記センター役物4の周囲(例えば上方または右方)に可動自在に配設され、各種の演出に対応して、独立してまたは映像や音声と連動して様々な態様で可動し演出を盛り上げる。
前記図柄変動装置5は、前記遊技盤3の略中央部に位置する開口部に対して後方から配設され、装飾図柄等の各種の図柄を変動表示したり、それぞれの演出や遊技状態に応じた演出画像等を表示する液晶画面90をその前面に備える。特に本第1実施例において不正行為による衝撃が検出された場合には、所定の不正報知用の画像を表示するように構成することもできる。
前記第1始動入賞口7は、前記センター役物4の下方に配設され、遊技球が入賞すると所定個数の賞球がなされるとともに図柄変動権利が付与され、後述する大当り判定処理等がなされた後、前記図柄変動装置5において装飾図柄の変動表示が行われる。ここで本第1実施例の前記衝撃検知センサ500aは、前記第1始動入賞口7が配設されている位置近傍に配設されている。具体的には、前記遊技盤3内面の前記第1始動入賞口7が配設されている位置に対して上下左右の空いたスペース等に適宜配設可能であるが、前記第1始動入賞口7に対する衝撃を好適に検知可能であれば前記第1始動入賞口7付近のその他の部分に配設することも可能である。
前記衝撃検知センサ500は、図15に示されているように直立した基部Bの両側に圧電素子Sを配設して更にその両側に垂錘Wを配設した上で、貫通ボルトKにより挟着されているせん断型の圧電式加速度センサによって構成され、衝撃の大きさに応じた加速度変化の検知信号を後述する演出制御基板50に出力するように構成されている。
ここで前記図柄変動装置5に変動表示される装飾図柄は、停止図柄が予め定められた図柄の組合せ、例えば「7・7・7」のように同一図柄の組合せや所定の停止図柄態様となった場合等に大当り状態となるように構成されている。また装飾図柄は、第1始動入賞口7又は第2始動入賞口8への遊技球の入賞を契機として、例えば液晶画面の上方から下方に流れるように変動するなどして、所定の変動パターンで所定時間変動して図柄が停止するように構成されている。その際、前記図柄変動装置5における有効ライン上において最後の停止図柄を除く2つの停止図柄が同一図柄である場合にリーチ状態となり、当該リーチ状態において有効ライン上の残った最後の停止図柄が、既に停止している前記2つの停止図柄と同一の図柄となった場合に大当り状態が発生する。なお装飾図柄としては、数字図柄、アルファベット図柄、記号図柄等に、装飾用のデザインなどを組み合わせたもの、さらにキャラクターを象った図柄や実写図柄、ムービー演出等の機能を併せ持つ図柄等その他の態様の図柄が適宜使用可能である。
また前記可変入賞装置6は、前記センター役物4の下方であって、前記第1始動入賞口7の真下に配設され、前記第2始動入賞口8、電動チューリップ9とから構成される。前記第1始動入賞口7および第2始動入賞口8は、これらに遊技球が入賞すると大当り抽選を行うとともに前記図柄変動装置9の装飾図柄を変動表示させる契機となる。また、前記電動チューリップ9は、前記第2始動入賞口8の左右に対向配設され、揺動支持端を支点として揺動自在に開閉動する左右一対の可動片を備え、普通図柄の抽選結果に応じて当該可動片を開閉動させる。
さらに前記大入賞口10は、前記可変入賞装置6の下方に配設され、大当り抽選に当選して大当り遊技状態となった場合に複数回開閉動して、前記遊技領域3aを流下する遊技球を入賞させ得るよう構成されている。
次に本第1実施例のパチンコ遊技機の操作部の構成について、図13を用いて簡単に説明する。
前記操作部20は、遊技者が操作可能な入力装置としての役割を果たすものであり、操作手段を構成する操作ボタンとしての前記演出ボタン21と、前記十字キー22および前記ENTERキー23を備えている。これらは、前記受け皿部18の上面の右端寄りの部位に対してわずかに上方に突出して配設され、押し下げ可能な凸状ボタンにより構成される。
前記演出ボタン21は、遊技者が当該演出ボタン21を操作することにより、前記図柄変動装置5に表示される画像や前記スピーカ24によって出力される音声などによる演出に様々な変化を与え、遊技演出の興趣を向上させる用途等に用いられる。
また前記十字キー22は、前記図柄変動装置5の液晶画面に表示される文字や図形などの選択位置を変更する用途等に用いられ、上カーソルキー22a、右カーソルキー22b、下カーソルキー22cおよび左カーソルキー22dによって構成される。さらに、前記十字キー22の操作によって選択された文字や図形などを前記ENTERキー23を押すことによって確定することができる。
前記操作部20は、前記操作手段700を構成するもので、例えば遊技者によって前記演出ボタン21等が操作されると、その操作内容に対応する操作信号が後述する演出制御基板50に出力されるように構成されている。
次に本第1実施例のパチンコ遊技機の盤裏の構成について、図2に示される斜視図を用いて簡単に説明する。
前記パチンコ遊技機1は、具体的に後述する各種の制御基板等が前記遊技盤3の裏面に配設され、その中でも主制御基板40は、主制御基板ケース34内に不正防止のため封印して収容され、演出制御基板50および画像・音声制御基板60は、副制御基板カバー35内に納められている。
また払出制御基板80は、図2中右下部のスペースに配された払出制御基板カバー36内に納められ、図示しない電源制御基板は、その隣の電源制御基板カバー37内に納められている。
次に本第1実施例のパチンコ遊技機の遊技制御を行う遊技制御装置の構成について、図3に示されるブロック図を用いて説明する。
当該遊技制御装置は、パチンコ遊技機全体の主たる制御を行う主制御基板40を備えるとともに、副制御基板として、遊技の演出全体を制御する演出制御基板50、画像や音声を制御する画像・音声制御基板60、各種の発光手段を制御するランプ制御基板70および賞球を制御する払出制御基板80等を備える。
以下主制御基板40、演出制御基板50、画像・音声制御基板60、ランプ制御基板70および払出制御基板80のそれぞれの具体的構成について説明する。
まず初めに主制御基板について説明する。
前記主制御基板40は、メインCPU41、メインROM42、メインRAM43および入出力インターフェースI/O(以下、I/Oという)44,45を有し、前記パチンコ遊技機全体の主たる基本的な制御を行う。
前記メインCPU41は、各種の乱数値(例えば、大当り乱数、大当り図柄乱数およびリーチ乱数等)を所定の周期ごとに更新処理等する。また、前記メインROM42は、前記パチンコ遊技機全体を制御するための主制御プログラムや演出のベースとなる複数種類の変動パターン等を記憶保持している。さらに、前記メインRAM43は、前記パチンコ遊技機の制御中に随時書き換え等される乱数値などが所定の記憶領域に記憶されるように構成されている。
また前記I/O44は、前記可変入賞装置6の前記第1始動入賞口7に設けられた第1始動入賞口SW7aや前記第2始動入賞口8に設けられた第2始動入賞口SW8a、前記ゲート11に設けられたゲートSW11aとが接続される。さらに、当該I/O44は、その他にも前記遊技盤3の前記普通入賞口12に設けられた普通入賞口SW12a、前記大入賞口10に設けられた大入賞口SW10a、前記大入賞口10の開閉扉を開閉動作させるための大入賞口ソレノイド10s、前記可変入賞装置6に備えられた前記電動チューリップ9を開閉動作させるための電チューソレノイド9sなどが接続されている。
前記I/O45は、前記演出制御基板50に設けられているI/O55および前記払出制御基板80に設けられているI/O84とが接続され、前記メインCPU41は、前記演出制御基板50に対して演出制御信号を出力するとともに、前記払出制御基板80との間では互いに各種の制御信号のやりとりをして双方向通信を行う。
前記メインCPU41は、前記メインROM42に格納された主制御プログラムに基づいて、メイン処理およびタイマ割込処理を実行する。
まず初めに主制御基板のメイン処理について、図4に示されるフローチャートを用いて説明する。
ステップS200において、前記メインCPU41は、まず初期化処理を行う。当該初期化処理において、前記メインCPU41は、電源投入に伴い前記メインROM42から起動プログラムを読み込むとともに、前記メインサブRAM5343に記憶されるフラグ情報等を初期化する初期化処理を実行する。
またステップS201において、前記メインCPU41は、演出乱数としての変動パターン乱数の更新を行う演出乱数更新処理を実行する。
さらにステップS202において、前記メインCPU41は、大当り初期値乱数、大当り図柄初期値乱数、リーチ乱数の更新を行う初期値乱数更新処理を実行する。
なお前記メインCPU41は、所定の割込処理が行われるまで前記ステップS201において行われる演出乱数更新処理および前記ステップS202において行われる初期値乱数更新処理を繰り返し実行する。
次に主制御基板のタイマ割込処理について、図5に示されるフローチャートを用いて説明する。
前記メインCPU41は、前記主制御基板40に搭載されたリセット用クロックパルス回路に基づき所定の周期(4ミリ秒)毎にクロックパルスを発生させることによりタイマ割込処理を実行する。
ステップS300において、前記メインCPU41は、まず当該メインCPU41のレジスタに格納されている各種の情報をスタック領域に退避させる。
また具体的な説明は省略するが、前記メインCPU41は、ステップS310において各種タイマカウンタを更新する時間制御処理、ステップS320において乱数カウンタを更新する乱数更新処理、さらにステップS330において初期値乱数カウンタを更新する初期値乱数更新処理を実行する。
次にステップS340において、前記メインCPU41は、サブルーチンとしての入力制御処理を実行する。具体的な説明は省略するが、当該処理において普通入賞口12、大入賞口10、第1始動入賞口7および第2始動入賞口8等の各種のスイッチ入力処理等を実行する。
またステップS350において、前記メインCPU41は、サブルーチンとしての特図特電制御処理を実行する。具体的な説明は省略するが、当該処理において各種の乱数値を参照して大当り判定処理や変動パターン決定処理を実行する。
さらに前記メインCPU41は、ステップS360において普図普電制御処理、ステップS370において払出制御処理、ステップS380においてデータ作成処理を行う。
次にステップS390において、前記メインCPU41は、出力制御処理を行う。当該出力制御処理において、前記メインCPU41は、前記ステップS380のデータ作成処理において作成されたデータを出力するポート出力処理や、前記第1特別図柄表示器32等の各LEDを点灯させるための表示装置出力処理、さらには前記メインRAM43の出力データ格納領域にセットされている各種のコマンドを送信するコマンド送信処理を行う。
最後に前記メインCPU41は、ステップS400において、前記ステップS300においてスタック領域に退避させた各種の情報を前記メインCPU41のレジスタに復帰させる処理を行ってタイマ割込処理を終了する。
次に演出制御基板について説明する。
前記演出制御基板50は、サブCPU51、サブROM52、サブRAM53およびI/O55,56,57を有し、前記主制御基板40からの制御信号に基づき、前記画像・音声制御基板60および前記ランプ制御基板70を統括的に制御し、演出全体の制御を行う。
前記演出制御基板50の前記サブCPU51は、各種の乱数値を所定周期毎に更新処理等するとともに、本第1実施例の不正行為判定処理および不正報知処理を実行する。また、前記サブROM52は、前記画像・音声制御基板60および前記ランプ制御基板70を統括的に制御するための演出制御プログラム等が記憶されている。さらに、前記サブRAM53は、前記パチンコ遊技機の制御中に随時書き換え等される乱数値などが所定の記憶領域に記憶されるように構成されている。
また前記I/O55は、前記主制御基板40の前記I/O45と前記衝撃検知センサ500と前記操作部20とが接続され、前記メインCPU41から送信されるコマンドが入力されるとともに、前記衝撃検知センサ500からの検知信号や前記操作部20の前記演出ボタン21等が操作されたことを示す操作信号などが入力される。
さらに前記I/O56は、前記画像・音声制御基板60のI/O64が接続され、前記サブCPU51は、前記主制御基板40から送信されるコマンド情報等に基づき、前記画像・音声制御基板60に対して画像制御データおよび音声制御データを出力する。
また前記I/O57は、前記ランプ制御基板70のI/O74が接続され、前記演出制御基板50の前記サブCPU51は、前記主制御基板40からの制御信号に基づき、前記ランプ制御基板70に対してランプ制御データを出力する。
前記演出制御基板50の前記サブCPU51は、前記サブROM52に格納された演出制御プログラムに基づいて、メイン処理およびタイマ割込処理を実行する。
まず初めに演出制御基板のメイン処理について、図6に示されるフローチャートを用いて説明する。
ステップS500において、前記サブCPU51は、まず初期化処理を行う。当該初期化処理において、前記サブCPU51は、電源投入に伴い前記サブROM52からメイン処理プログラムを読み込むとともに、前記サブRAM53に記憶されるフラグ情報等を初期化する初期化処理を実行する。
またステップS510において、前記サブCPU51は、演出用乱数としての各種の乱数値(装飾図柄乱数等)の更新を行う演出用乱数更新処理を実行する。なお演出用乱数は、主制御基板40において取得される演出乱数とは異なり、演出制御基板50において取得され、演出を形成する各種の演出情報を決定するために用いられる乱数である。
なお前記サブCPU51は、所定の割込処理が行われるまで前記ステップS501において行われる演出用乱数更新処理を繰り返し実行する。
次に演出制御基板のタイマ割込処理について、図7に示されるフローチャートを用いて説明する。
前記サブCPU51は、前記演出制御基板50に搭載されたリセット用クロックパルス回路に基づき所定の周期(2ミリ秒)毎にクロックパルスを発生させることによりタイマ割込処理を実行する。
ステップS600において、前記サブCPU51は、まず当該サブCPU51のレジスタに格納されている各種の情報をスタック領域に退避させる。
次にステップS700において、前記サブCPU51は、演出制御基板50において使用する各種タイマカウンタを更新する更新処理を実行する。
次にステップS800において、前記サブCPU51は、前記サブRAM53の受信バッファに格納されているコマンドを解析するサブルーチンとしてのコマンド解析処理を実行する。具体的には、図8および図9のフローチャートを用いて後述する。なお、前記演出制御基板50は、前記主制御基板40から送信されたコマンドを受信すると、図示しない演出制御基板のコマンド受信割込処理を実行し、受信したコマンドを受信バッファに格納する。
次にステップS900において、前記サブCPU51は、演出ボタン21等の操作部20からの入力信号を入力する演出入力制御処理を実行する。具体的には、図10のフローチャートを用いて後述する。
次にステップS1000において、前記サブCPU51は、本第1実施例の不正行為判定処理を実行する。具体的には、図11のフローチャートを用いて後述する。
次にステップS1100において、前記サブCPU51は、前記サブRAM53の送信バッファにセットされている各種のデータを画像・音声制御基板60やランプ制御基板70等へ送信するデータ出力処理を行う。具体的には、図12に示されるフローチャートを用いて後述する。
最後にステップS1200において、前記サブCPU51は、前記ステップS600においてスタック領域に退避させた各種の情報を前記メインCPU41のレジスタに復帰させる処理を行ってタイマ割込処理を終了する。
次に演出制御基板のコマンド解析処理について、図8および図9に示されるフローチャートを用いて説明する。なお、図9のコマンド解析処理2は、図8のコマンド解析処理1に引き続き実行されるものである。
まず初めにステップS801において、前記サブCPU51は、受信バッファに前記主制御基板40から送信されたコマンドがあるか否か、すなわちコマンドを受信したか否かを判定する。
前記ステップS801において、コマンドを受信していない(N)との判定結果の場合、前記サブCPU51は、コマンド解析処理を終了する。
一方、前記ステップS801においてコマンドを受信した(Y)との判定結果の場合、前記サブCPU51は、ステップS802において、デモ指定コマンドを受信したか否かを判定する。
前記ステップS802において、デモ指定コマンドを受信した(Y)との判定結果の場合、前記サブCPU51は、ステップS803においてデモ演出パターン決定処理を実行してコマンド解析処理を終了する。
一方、前記ステップS802において、デモ指定コマンドを受信していない(N)との判定結果の場合、前記サブCPU51は、ステップS804において、始動入賞指定コマンドを受信したか否かを判定する。
前記ステップS804において、始動入賞指定コマンドを受信した(Y)との判定結果の場合、前記サブCPU51は、ステップS805において保留表示態様決定処理を実行してコマンド解析処理を終了する。
一方、前記ステップS804において、始動入賞指定コマンドを受信していない(N)との判定結果の場合、前記サブCPU51は、ステップS806において、変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判定する。
前記ステップS806において、変動パターン指定コマンドを受信した(Y)との判定結果の場合、前記サブCPU51は、ステップS807においてサブルーチンとしての変動演出パターン決定処理を実行した後、ステップS808において保留表示態様決定処理を実行してコマンド解析処理を終了する。
一方、前記ステップS806において、変動パターン指定コマンドを受信していない(N)との判定結果の場合、前記サブCPU51は、ステップS809において、図柄確定コマンドを受信したか否かを判定する。
前記ステップS809において、図柄確定コマンドを受信した(Y)との判定結果の場合、ステップS810において装飾図柄停止処理を実行してコマンド解析処理を終了する。
一方、前記ステップS809において、図柄確定コマンドを受信していない(N)との判定結果の場合、前記サブCPU51は、ステップS811において、遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定する。
前記ステップS811において、遊技状態指定コマンドを受信した(Y)との判定結果の場合、ステップS812において遊技状態設定処理を実行してコマンド解析処理を終了する。
一方、前記ステップS811において、遊技状態指定コマンドを受信していない(N)との判定結果の場合、前記サブCPU51は、ステップS813において、オープニングコマンドを受信したか否かを判定する。
前記ステップS813において、オープニングコマンドを受信した(Y)との判定結果の場合、ステップS814において当り開始演出パターン決定処理を実行してコマンド解析処理を終了する。
一方、前記ステップS813において、オープニングコマンドを受信していない(N)との判定結果の場合、前記サブCPU51は、ステップS815において、大入賞口開放指定コマンドを受信したか否かを判定する。
前記ステップS815において、大入賞口開放指定コマンドを受信した(Y)との判定結果の場合、ステップS816において大当り演出パターン決定処理を実行してコマンド解析処理を終了する。
一方、前記ステップS815において、大入賞口開放指定コマンドを受信していない(N)との判定結果の場合、前記サブCPU51は、ステップS817において、エンディングコマンドを受信したか否かを判定する。
前記ステップS817において、エンディングコマンドを受信した(Y)との判定結果の場合、ステップS818において当り終了演出パターン決定処理を実行してコマンド解析処理を終了する。
一方、前記ステップS817において、エンディングコマンドを受信していない(N)との判定結果の場合、前記サブCPU51は、コマンド解析処理を終了する。
次に演出制御基板のタイマ割込処理において行われる演出入力制御処理について、図10に示されるフローチャートを用いて説明する。
まず初めにステップS841において、前記サブCPU51は、前記図柄変動装置5において行われている演出が、ボタン操作の絡んだ演出か否かを判定する。
前記ステップS841において、ボタン操作の絡んだ演出ではない(N)との判定結果の場合、前記サブCPU51は、演出入力制御処理を終了する。
逆に前記ステップS841において、ボタン操作の絡んだ演出である(Y)との判定結果の場合、次にステップS842において、前記サブCPU51は、さらにボタン操作が可能なボタン操作有効期間か否かを判定する。
前記ステップS842において、ボタン操作有効期間ではない(N)との判定結果の場合、前記サブCPU51は、演出入力制御処理を終了する。
逆に前記ステップS842において、ボタン操作有効期間である(Y)との判定結果の場合、次にステップS843において、前記サブCPU51は、前記演出ボタン21等のボタン操作が有ったか否かを判定する。
前記ステップS843において、ボタン操作無し(N)との判定結果の場合、前記サブCPU51は、演出入力制御処理を終了する。
逆に前記ステップS843において、ボタン操作有り(Y)との判定結果の場合、次にステップS844において、前記サブCPU51は、操作内容に対応した操作データを前記サブRAM53の出力データ格納領域にセットする。
次にステップS845において、前記サブCPU51は、ボタン操作フラグをONにして演出入力制御処理を終了する。
次に演出制御基板のタイマ割込処理において行われる不正行為判定処理について、図11に示されるフローチャートを用いて説明する。
まず初めにステップS1000−1において、前記サブCPU51は、ボタン操作フラグがONになっているか否かを判定する。
前記ステップS1000−1において、ボタン操作フラグがONになっていない(N)との判定結果の場合、次にステップS1000−2において、前記サブCPU51は、前記衝撃検知センサ500の検知信号の出力レベルと比較される基準レベルとしての参照基準電圧を予め定められたVref1に維持する。なお当該基準レベルVref1は、後述する基準レベルVref2の電圧値Vよりも低い電圧値(例えばV/2)が設定され、通常時は基準レベルVref1が設定されている。
前記ステップS1000−1において、ボタン操作フラグがONになっている(Y)との判定結果の場合、次にステップS1000−3において、前記基準レベル変更手段800は、基準レベルをVref1からVref2に変更する。
より具体的には、前記基準レベル変更手段800が、図16に示される一例としての電子回路において、前記操作手段700としての前記操作部20から入力された操作信号に基づいて、スイッチSを切り換えることによって基準レベルをVref1からVref2へと変更する。
なお前記コンパレータ1000は、その+端子に前記衝撃検知センサ500の検知信号が入力され、その−端子に基準レベルVref(前記Vref1または前記Vref2)が入力される。
前記衝撃検知センサ500の検知信号の出力レベルVinが前記基準レベルVrefよりも小さい場合には、図17(A)に示されるように前記コンパレータの出力レベルVoutは0となり、前記衝撃検知センサ500の検知信号の出力レベルVinが前記基準レベルVrefよりも大きい場合には、図17(B)に示されるように前記コンパレータから信号が出力され、出力レベルVoutはVHとなる。
図11のフローチャートに示される不正行為判定処理において、次に前記ステップS1000−4において、前記サブCPU51は、前記コンパレータの出力レベルVoutがVHであるか否かを判定する。
前記ステップS1000−4において、前記コンパレータからの出力が無く、出力レベルVoutがVHではない(N)との判定結果の場合、前記サブCPU51は、不正行為による衝撃ではないと判定して不正行為判定処理を終了する。
逆に前記ステップS1000−4において、前記コンパレータからの信号が出力され、出力レベルVoutがVHである(Y)との判定結果の場合、前記サブCPU51は、不正行為による衝撃であると判定する。
前記ステップS1000−6において不正行為による衝撃であると判定されたら、次にステップS1000−7において、前記サブCPU51は、不正行為報知処理を実行して不正行為判定処理を終了する。
なお具体的な説明は省略するが、前記不正報知処理において、前記サブCPU51は、不正報知を行うための各種の制御データを前記サブRAM53の出力データ格納領域にセットする処理を行う。
本第1実施例の報知手段900は、前記サブCPU51によって出力された不正報知をするための制御データに基づいて、後述する画像・音声CPU61およびランプCPU71が前記図柄変動装置5、前記スピーカ24および前記枠ランプ32等を駆動制御するための制御信号を出力することにより不正報知を行うものである。
次に演出制御基板のタイマ割込処理において行われるデータ出力処理について、図12に示されるフローチャートを用いて説明する。
まず初めにステップS850−1において、前記サブCPU51は、前記サブRAM53の出力データ格納領域から読み出したデータの種類を特定する。
次にステップS850−2において、前記サブCPU51は、前記ステップS850−1において特定したデータが画像制御データか否かを判定する。
前記ステップS850−2において、画像制御データではない(N)との判定結果の場合、ステップS850−4の処理に移行する。
逆に前記ステップS850−2において、画像制御データである(Y)との判定結果の場合、前記サブCPU51は、ステップS850−3において、画像制御データを前記画像・音声制御基板60へ出力してステップS850−4に移行する。特に前記不正行為判定手段600によって不正行為による衝撃であると判定された場合には、前記図柄変動装置5において不正報知用の画像を表示するための画像制御データを出力する。
次にステップS850−4において、前記サブCPU51は、特定したデータが音声制御データか否かを判定する。
前記ステップS850−4において、音声制御データではない(N)との判定結果の場合、ステップS850−6の処理に移行する。
逆に前記ステップS850−4において、音声制御データである(Y)との判定結果の場合、前記サブCPU51は、ステップS850−5において、音声制御データを前記画像・音声制御基板60へ出力してステップS850−6に移行する。特に前記不正行為判定手段600によって不正行為による衝撃であると判定された場合には、前記スピーカ24によって不正報知音を出力するための音声制御データを出力する。
次にステップS850−6において、前記サブCPU51は、特定したデータがランプ制御データか否かを判定する。
前記ステップS850−6において、ランプ制御データではない(N)との判定結果の場合、ステップS850−8の処理に移行する。
逆に前記ステップS850−4において、ランプ制御データである(Y)との判定結果の場合、前記サブCPU51は、ステップS850−7において、ランプ制御データを前記画像・音声制御基板60へ出力してステップS850−8に移行する。特に前記不正行為判定手段600によって不正行為による衝撃であると判定された場合には、前記枠ランプ32等において不正報知態様の点灯・表示を行うための画像制御データを出力する。
次にステップS850−8において、前記サブCPU51は、特定したデータがその他の制御データか否かを判定する。
前記ステップS850−8において、その他の制御データではない(N)との判定結果の場合、前記サブCPU51は、データ出力処理を終了する。
逆に前記ステップS850−8において、その他の制御データである(Y)との判定結果の場合、前記サブCPU51は、ステップS850−9において、その他の制御データを対応する制御基板等へ出力してデータ出力処理を終了する。
次に画像・音声制御基板について説明する。
前記画像・音声制御基板60は、画像・音声CPU61、画像・音声ROM62、画像・音声RAM63およびI/O64,65を有し、前記主制御基板40および前記演出制御基板50から出力された制御信号(コマンドや制御データ等)に基づき、前記図柄変動装置5や前記スピーカ24等に対して画像及び音声の制御を行うための制御信号を出力する。
前記画像・音声ROM62は、前記図柄変動装置5の表示内容を制御するための表示制御プログラムや前記スピーカ24を制御するための音声制御プログラムが記憶されているとともに、各種の画像データや音声データが記憶されている。また、前記画像・音声RAM63は、前記パチンコ遊技機の制御中に随時書き換え等される各種の情報が所定の記憶領域に記憶されるように構成されている。
さらに、前記I/O65は、前記図柄変動装置5および前記スピーカ24等が接続され、前記画像・音声CPU61は、前記主制御基板40および前記演出制御基板50からの制御信号に基づき、前記図柄変動装置5の表示内容や前記スピーカ24の出力態様を制御するための制御信号を出力する。
また前記画像・音声CPU61は、前記サブCPU51によって出力された不正報知をするための制御信号に基づいて、前記図柄変動装置5および前記スピーカ24を所定の不正報知態様で駆動制御するための制御信号を出力するものである。
次にランプ制御基板について説明する。
前記ランプ制御基板70は、ランプCPU71、ランプROM72、ランプRAM73およびI/O74,75を有し、各種のランプ制御を行う。
前記ランプROM72は、各種の発光手段の発光態様を制御するためのランプ制御プログラムなどが記憶されている。また前記ランプRAM73は、前記パチンコ遊技機の制御中に随時書き換え等される各種の情報が所定の記憶領域に記憶されるように構成されている。
さらに前記I/O75は、各種の発光手段、例えば枠ランプ76、盤ランプ77、可動役物14、前記演出ボタン21内に配設されたボタンLED79等が接続され、前記ランプCPU71は、前記主制御基板40および前記演出制御基板50からの制御信号に基づき、これらの発光手段の発光態様を制御するための制御信号を出力する。
また前記ランプCPU71は、前記サブCPU51によって出力された不正報知をするための制御信号に基づいて、前記枠ランプ32等を所定の不正報知態様で駆動制御するための制御信号を出力するものである。
次に払出制御基板について説明する。
前記払出制御基板80は、払出CPU81、払出ROM82、払出RAM83、I/O84,85を有し、前記払出制御基板80の前記払出CPU81は、前記主制御基板40からの払出制御信号に基づいて、前記I/O85に接続されている払出駆動モータ86の駆動制御を行う。また、当該I/O85は、その他にも定位置検出SW87aや、払出球検出SW87b、玉有り検出SW87c、満タン検出SW87d等が接続され、これらのスイッチの検出信号などが随時入力される。
次に前記衝撃検知センサ500の検知信号の出力レベルVinと前記基準レベル変更手段800によって変更される基準レベルVrefと前記コンパレータ1000の出力レベルVoutとの関係について、図18および図19を用いて説明する。
まず初めに前記衝撃検知センサ500によって検知される衝撃を、その衝撃強度に応じて第1の衝撃、第2の衝撃および第3の衝撃として定義する。
前記第1の衝撃は、一定値以下の衝撃が加えられている場合であり、遊技者によって何ら衝撃が加えられていない場合であっても、通常に遊技を行っている状態で遊技機内部に配設されたモータ等を駆動制御することによって自然に伝わる振動によるものが検知されるのである。
前記第2の衝撃は、遊技者によって例えば前記演出ボタン21等の前記操作部20を操作することに伴い強打された場合の衝撃である。
前記第3の衝撃は、遊技者によって前記衝撃検知センサ500が配設された前記第1始動入賞口7付近を不正行為の意図のもとで強打された場合の衝撃である。
前記第1の衝撃ないし前記第3の衝撃が加えられた場合の前記衝撃検知センサ500の検知信号の出力レベルは、その衝撃強度および衝撃位置の関係から、図18(A)および図19(A)に示されるように前記第1の衝撃が加えられた場合が最も小さくなり、図18(B)および図19(B)に示されるように前記第2の衝撃が加えられた場合が次に大きく、図18(C)および図19(C)に示されるように前記第3の衝撃が加えられた場合が最も大きくなる。
ここで前記基準レベルVref1と前記第1の衝撃ないし前記第3の衝撃が加えられた場合の前記衝撃検知センサ500の検知信号の出力レベルVinとの関係について説明する。
前記第1の衝撃が加えられた場合には、図18(A)に示されるように前記出力レベルVinは、前記第1の衝撃の衝撃強度が弱いため前記基準レベルVref1を超えることはない。
この場合の前記コンパレータの出力レベルVoutは、LOW側の0となるため不正行為であると判定されないとともに不正報知も行われない。
次に前記第2の衝撃が加えられた場合には、図18(B)に示されるように前記出力レベルVinは、前記衝撃検知センサ500が配設された前記第1始動入賞口7付近から離れた前記操作部20を強打された場合であっても、その衝撃強度が強いため、前記基準レベルVref1を超える場合がある。
この場合の前記コンパレータの出力レベルVoutは、前記衝撃検知センサ500の検知信号の出力レベルVinが基準レベルVref1を超えた場合にHIGH側のVHとなるため、仮に本第1実施例のように前記操作部20が操作された場合には前記基準レベルVref1を前記基準レベルVref2に変更する措置をとらなかった場合には、前記操作部20を操作に伴い叩いた場合であるにもかかわらず不正行為と判定されてしまうとともに不正報知(いわゆる誤報知)も行われてしまう結果となる。したがって本第1実施例のパチンコ遊技機においては、後述するように前記操作部20を操作された場合には、基準レベルが前記基準レベルVref1から前記基準レベルVref2へと変更されるのである。
次に前記第3の衝撃が加えられた場合には、図18(C)に示されるように前記出力レベルVinは、前記衝撃検知センサ500が配設された前記第1始動入賞口7付近を強打された場合であるため、前記基準レベルVref1を簡単に超えることとなる。
この場合の前記コンパレータは、前記衝撃検知センサ500の検知信号の出力レベルVinが基準レベルVref1を超えた場合は、信号を出力して、出力レベルVoutがHIGH側のVHとなるため、不正行為と判定されるとともに不正報知も行われる。
次に前記基準レベルVref2と前記第1の衝撃ないし前記第3の衝撃が加えられた場合の前記衝撃検知センサ500の検知信号の出力レベルVinとの関係について説明する。
前記第1の衝撃が加えられた場合には、図19(A)に示されるように前記出力レベルVinは、前記第1の衝撃の衝撃強度が弱いため前記基準レベルVref2を超えることはない。
この場合、前記コンパレータから信号は出力されず、出力レベルVoutは、LOW側の0となるため不正行為であると判定されないとともに不正報知も行われない。
次に操作に伴う前記第2の衝撃が加えられた場合には、図19(B)に示されるように前記出力レベルVinは、操作信号が出力されているため基準レベルが前記基準レベルVref1よりも大きな電圧値として設定されている基準レベルVref2となり、前記衝撃検知センサ500の検知信号の出力レベルVinが基準レベルVref2を超えない。
この場合の前記コンパレータは、信号を出力しないので、出力レベルVoutは、LOW側の0となるため不正行為であると判定されないとともに不正報知も行われない。
次に前記第1始動入賞口7に前記第3の衝撃が加えられた場合には、図19(C)に示されるように前記出力レベルVinは、前記衝撃検知センサ500が配設された前記第1始動入賞口7付近を強打された場合であるため、基準レベルVrefが前記基準レベルVref1から基準レベルVref2となっても当該基準レベルVref2を超えることとなる。
この場合の前記コンパレータの出力レベルVoutは、前記衝撃検知センサ500の検知信号の出力レベルVinが基準レベルVref2を超えた場合にHIGH側のVHとなるため、不正行為と判定されるとともに不正報知も行われる。
すなわち、仮に遊技者が前記操作部20を操作したことにより基準レベルが基準レベルVref1から基準レベルVref2へと変更された場合であっても、前記衝撃検知センサ500が配設された前記第1始動入賞口7付近を強打した場合には、その不正行為による衝撃を検知できるようにVref2の値が設定されていることを意味する。
以下上記構成より成る本第1実施例のパチンコ遊技機の作用および効果について説明する。
本第1実施例のパチンコ遊技機は、前記遊技機の所定の位置に配設された前記衝撃検知センサ500が、衝撃を検知すると衝撃の大きさに応じた検知信号を出力し、前記不正行為判定手段600が、前記衝撃検知センサ500から出力される前記検知信号の出力レベルと予め設定された基準レベルとを比較し、前記検知信号の出力レベルが前記基準レベルよりも大きい場合に不正行為が行われたと判定して、遊技者が前記操作部20を操作したことに伴い操作信号が出力された場合には、前記基準レベル変更手段800が、前記操作部20が操作された時の前記操作信号に基づいて前記不正行為判定手段600の前記基準レベルを変更するので、基準レベルの変更によって遊技者の操作に伴う衝撃を不正行為による衝撃であると誤検知するのを確実に防止できるという効果を奏する。
また本第1実施例のパチンコ遊技機は、通常時においては基準レベルを前記基準レベルVref2よりも電圧値の低い前記基準レベルVref1として設定しているので、通常時の不正行為による衝撃を確実に検知できるという効果を奏する。
さらに本第1実施例のパチンコ遊技機は、前記操作部20が操作された場合には、基準レベルVrefを前記基準レベルVref1から前記基準レベルVref2へと変更して、前記操作部20を強打した場合の衝撃を不正行為による衝撃であると誤検知することがないようにするとともに、衝撃検知センサ500を無効化するわけではなく、前記第1始動入賞口7付近を強打した場合の衝撃はなお有効に検知するものであるため、前記操作部20を操作した場合の誤検知および誤報知を防止するとともに、併せて不正行為による衝撃も正確に検知できるという効果を奏する。
また本第1実施例のパチンコ遊技機は、前記報知手段900が、前記不正行為判定手段600によって前記遊技機に与えられた衝撃が不正行為によるものであると判定された場合に、前記図柄変動装置5、前記スピーカ24および前記枠ランプ32等を駆動制御して不正行為が行われたことを報知するので、与えられた衝撃が不正行為によるものであることを周知することができるという効果を奏する。
さらに本第1実施例のパチンコ遊技機は、前記不正行為判定手段600によって不正行為による衝撃であると判定された場合に、前記発射制御基板が遊技球の発射を禁止できるので、不正行為発生時の遊技の継続を効果的に禁止できるという効果を奏する。
また本第1実施例のパチンコ遊技機は、衝撃が加えられた箇所に応じて前記基準レベル変更手段800が前記スイッチのON・OFFの切り換えにより、前記基準レベルVrefを変更するものであるため、動作が安定かつ確実であるという効果を奏する。
本第3実施例のパチンコ遊技機は、図26ないし図28に示されるように前記衝撃検知センサ500の検知信号の出力レベルを増幅するためのアンプ1200を備え、また前記アンプ1200の増幅率を変更する増幅率変更手段1300を備える点などが、上述の第1実施例および第2実施例との主な相違点であり、以下相違点を中心に説明して、同一部分の説明を省略する。
本第3実施例のパチンコ遊技機は、図26に示されるように前記衝撃検知センサ500によって出力された前記検知信号を所定の割合で増幅する第1の増幅率と、前記検知信号を前記第1の増幅率よりも低い割合で増幅する第2の増幅率を実現する増幅手段としてのアンプ1200を備え、前記操作手段700が操作された時の前記操作信号に基づいて前記アンプ1200の増幅率を前記第1の増幅率から前記第2の増幅率へと変更する増幅率変更手段1300によって構成されている。
前記アンプ1200は、図27に示されるように前記衝撃検知センサ500の検知信号の出力レベルを増幅する負帰還増幅回路を構成するものであり、オペアンプ1201と、図示の位置に配設された抵抗R31と、抵抗R32と、抵抗R33とを備えるものである。
入力抵抗として作用する前記抵抗R31の一端は前記衝撃検知センサ500の出力端に接続され、他端はスイッチS32を介して前記オペアンプ1201の反転入力端子に接続されているとともに、スイッチS31を介して入力抵抗または帰還抵抗として作用する抵抗R32の一端に接続されている。また前記オペアンプ1201の反転入力端子と出力端子との間に増幅率を変更するための帰還抵抗として作用する前記抵抗R33が接続されている。前記抵抗R32の他端は、抵抗R33の一端に接続されるとともに、スイッチS33を介して前記オペアンプ1201の反転入力端子に接続されている。
前記アンプ1200の増幅率は、入力抵抗の抵抗値と帰還抵抗の抵抗値の割合によって決定され、前記入力抵抗の抵抗値が前記帰還抵抗の抵抗値に比して大きくなると増幅率が小さくなる。
また前記アンプ1200の増幅率は、一例として前記衝撃検知センサ500の検知信号の出力レベルを高い増幅率で増幅する第1の増幅率と、当該第1の増幅率よりも低い増幅率で増幅を行う第2の増幅率を備え、通常時の入賞装置に衝撃が加えられた場合には、前記第2の増幅率よりも高い割合で増幅を行う第1の増幅率が前記アンプ1200の増幅率として設定されている。
前記増幅率変更手段1300は、遊技者の操作に伴い前記操作手段700から操作信号が出力されると、当該操作信号に基づいて、前記第1のスイッチS31および前記第3のスイッチS33を「ON」にするとともに、前記第2のスイッチS32を「OFF」に成るように切り換えるので、入力抵抗が(R31+R32)となり、帰還抵抗がR33となるため、ゲインGは−R33/(R31+R32)となり、低いゲインが設定されるように構成されている。
前記操作信号が出力されていない場合は、スイッチ切換信号に基づいて前記スイッチS31および前記スイッチS32を「ON」にするとともに、前記第3のスイッチS33が「OFF」になるように切り換えられているので、入力抵抗がR31となり、帰還抵抗が(R32+R33)となるため、ゲインGは−(R32+R31)/R31となり、大きなゲインが設定されるように構成されている。
仮に前記アンプ1200の増幅率を前記第1の増幅率に固定した場合、前記操作部20が強打された場合の衝撃強度によっても、図28(A)に示されるように前記衝撃検知センサ500の出力信号Vinが前記コンパレータ1100の基準レベルVrefを超えることとなり、不正行為による衝撃であると誤検知および誤報知してしまうこととなる。
したがって本第3実施例のパチンコ遊技機においては、前記操作部20が遊技者によって操作された場合には、前記増幅率変更手段1300が、前記アンプ1200の増幅率を前記第1の増幅率から低いゲインの前記第2の増幅率へと変更するために前記入力抵抗に対する前記帰還抵抗の比率を小さくすることによって、図28(B)に示されるように前記操作部20を強打された場合の衝撃強度によっては前記衝撃検知センサ500の出力信号Vinが前記コンパレータ1000の基準レベルVrefを超えないように調整されている。
以下上記構成より成る本第3実施例のパチンコ遊技機の作用および効果について説明する。
本第3実施例のパチンコ遊技機は、前記アンプ1200が、前記第1の増幅率によって前記衝撃検知センサ500によって出力された前記検知信号を所定の割合で増幅し、または前記第2の増幅率によって前記検知信号を前記第1の増幅率よりも低い割合で増幅するとともに、前記増幅率変更手段1300が、前記操作手段700が操作された時の前記操作信号に基づいて前記入力抵抗に対する前記帰還抵抗の比率を小さくすることによって前記アンプ1200の増幅率が前記第1の増幅率から低い前記第2の増幅率へと変更されるので、アンプによる増幅された出力レベルの低レベルへの変更によって遊技者の操作に伴う衝撃を不正行為による衝撃であると誤検知するのを確実に防止できるという効果を奏する。
また本第3実施例のパチンコ遊技機は、通常時の入賞手段に衝撃が加えられた時においては前記アンプ1200の増幅率を前記第2の増幅率よりも高い割合で増幅する前記第1の増幅率に設定しているので、通常時の入賞手段に対する不正行為による衝撃を確実に検知できるという効果を奏する。
さらに本第3実施例のパチンコ遊技機は、前記操作部20が操作された場合には、前記アンプ1200の増幅率を前記第1の増幅率から前記第2の増幅率へと変更して、前記操作部20を強打した場合の衝撃を不正行為による衝撃であると誤検知することがないようにするとともに、衝撃検知センサ500を無効化するわけではなく、前記特定入賞口160付近を強打した場合の衝撃はなお有効に検知するものであるため、前記操作部20を操作した場合の誤検知および誤報知を防止するとともに、併せて不正行為による衝撃も正確に検知できるという効果を奏する。
また本第3実施例のパチンコ遊技機は、衝撃が加えられた箇所に応じて前記増幅率変更手段が前記スイッチ手段のON・OFFの切り換えにより、前記オペアンプの増幅率を変更するものであるため、動作が安定かつ確実であるという効果を奏する。
上述の実施例は、説明のために例示したもので、本発明としてはそれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲、発明の詳細な説明および図面の記載から当業者が認識することができる本発明の技術的思想に反しない限り、変更および付加が可能である。
上述の実施例においては、特定入賞口、始動入賞口が配設されている位置に衝撃検知センサを配設する例について説明したが、本発明としてはそれらに限定されるものではなく、衝撃が加えられやすい場所や不正行為であると誤検知され易い衝撃態様等を考慮して適宜その他の場所に衝撃検知センサを配設する態様も採用可能である。
また上述の実施例においては、前記特定入賞口160近傍、前記始動入賞口7近傍に各衝撃検知センサを配設する例について説明したが、各衝撃検知センサの配設位置は、前記特定入賞口160等を中心として半径5cm以内とすることが望ましい。この範囲は、設計の都合上多少の大小は許容されるものであり、また衝撃検知センサによる衝撃検知の精度が担保されれば、前記特定入賞口160等を中心としない態様も適宜採用可能である。
さらに上述の実施例においては、操作手段として前記受け皿部18に配設された前記演出ボタン21等で構成される前記操作部20を採用する例について説明したが、本発明としてはこれに限定されるものではなく、適宜その他の位置に配設される操作手段や、その他の構成を備える操作手段を採用することも可能である。
また前記報知手段900による報知態様は、上述の実施例において例示した報知態様以外にも適宜異なる報知態様を採用可能である。
上述の第1実施例においては、衝撃検知センサとしてせん断型の圧電式加速度センサを用いる例について説明したが、本発明としてはそれらに限定されるものではなく、例えば図29に示されるように水平に配置された基部Bの上に一対の圧電素子Sを載置して、その上に垂錘を載置した上で貫通ボルトにより挟着される圧縮型の圧電式加速度センサや、図30に示されるように垂直に配置された基部Bに一端を固着した片持梁BEの他端に垂錘Wを固着して、前記片持梁の上面または下面にひずみゲージを配設して、衝撃が加えられると垂錘が上下動するため片持梁の歪みを検出するひずみゲージ式加速度センサ等、その他のものが必要に応じて採用可能である。
また上述の実施例においては、前記演出制御基板50等において不正行為判定処理や不正報知等を行う態様について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、前記主制御基板40のみまたは前記演出制御基板50のみで各処理を行う態様や、これらとは別に新たな中継基板を採用し、当該中継基板が、前記主制御基板40や前記演出制御基板50等からの情報に基づいて不正行為判定処理から報知処理に至る全ての処理を行う態様等も適宜採用可能である。
さらに上述の第1実施例においては、前記不正行為判定手段600が前記衝撃検知センサの検知信号から不正行為による衝撃であるか否かを判定するにあたり、前記衝撃検知センサ500の出力信号Vinと前記基準レベルVrefとの大小関係を前記コンパレータ1000の出力信号によって判定する例について説明したが、本発明としてはそれらに限定されるものではなく、例えば各衝撃検知センサの検知信号をA/Dコンバータを用いて衝撃の大きさに応じたデジタル値に変換して、コンパレータ等を用いることなく、当該デジタル値に基づいて前記サブCPU51が予め設定された基準電圧に対応する基準デジタル値を超えたか否かを判定することによって不正行為判定処理を行う態様も適宜採用可能である。
上述の実施例においては、一例としていわゆる入賞装置に衝撃が加えられた場合には、不正報知を行う態様について説明したが、本発明としてはそれらに限定されるものではなく、例えば入賞装置に対して衝撃が加えられた場合には、不正報知を行うとともに、または不正報知を行うことなく、演出を直ちに停止終了したり、演出の内容および展開のテンポ等を変化させることにより、遊技機を遊技者にとって好ましくない状況に制御することで衝撃が加えられることを抑止する態様等も適宜採用可能である。
また上述の第3実施例においては、図27に示されるような前記アンプ1200および前記増幅率変更手段1300を採用する例について説明したが、本発明としてはこれに限定されるものではなく、図31に示されるような構成によって帰還抵抗の抵抗値を直接制御することにより前記アンプ1200の増幅率を変更する態様も適宜採用可能である。
具体的には、前記増幅率変更手段1300が、前記操作手段700から操作信号に基づいて可変抵抗1203の抵抗値を小さくするための制御信号を出力して、抵抗1202の抵抗値に対して可変抵抗1203の抵抗値を小さくすることによって増幅率を小さくする態様が考えられる。
また上述の実施例においては、前記衝撃検知センサ500の検知感度等を調整する方法として、前記衝撃検知センサ500の検知感度自体を直接調整する方法や、前記衝撃検知センサ500に接続される増幅回路の増幅率を変更する方法について説明したが、本発明としてはこれらに限定されるものではなく、例えば上述の変形例において示したようにA/Dコンバータ等を用いる場合にあっては、当該A/Dコンバータによるアナログ値をデジタル値に変換する際の変換範囲を変更する方法や、その後の信号処理によって変更する方法等、適宜その他の態様も採用可能である。
上述の実施例においては、各種切り換えにスイッチ手段を用いる例について説明したが、本発明としてはそれに限定されるものではなく、ソレノイドその他のアクチュエータを用いて実施してもよく、また切り換えの遅れを考慮して前記衝撃検知センサとコンパレータの間に検知信号を一定時間遅延させる遅延回路を介挿する実施形態も適宜採用可能である。
さらに上述の変形例においては、遊技者によって前記操作手段700が操作され前記操作手段700から操作信号が出力された場合にのみ基準レベルVrefや増幅率等を変更する例について説明したが、本発明としてはこれらに限定されるものではなく、必要に応じて前記操作手段700が操作されたか否かによらず、例えば前記操作手段700を操作可能な演出が行われている場合やボタン操作有効期間である場合に前記基準レベルVref等を自動で変更する態様も適宜採用可能である。
また本発明は、明細書に記載された全ての特徴事項について、一つの項目内において複数の特徴事項が組み合わされて記載されている場合であっても、常にその全ての特徴事項を一緒に採用しなければならないものではなく、その一部の特徴事項のみを取り出して採用したり、項目の枠組みを越えて各特徴事項を適宜組み合わせて採用することができる。