JP3914813B2 - スロットマシン及び制御プログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の領域において図柄が変動表示され遊技者が成立した役に応じた図柄を停止した結果としてボーナスゲームなどの特別遊技を行い得るスロットマシンに関するものであって、特に、役の成立を告知し得る機能を備えたスロットマシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、正面の表示窓内に、複数の図柄が描かれ変動表示及び停止表示を繰り返し行うことが可能な回転リールが横一列に複数並ぶように設けられるとともに、これら回転リールの変動表示を各々個別に遊技者の停止操作により停止表示させることが可能な停止ボタンを各回転リールに対応するように配置し、遊技者の停止ボタンの操作により表示窓内で所定のライン上に停止表示された各回転リールの図柄の組み合わせによって、遊技者に多くのメダルやコインといった遊技媒体などの賞を払い出し得るボーナスゲームなどの特別遊技を提供するパチスロ遊技機が知られている。
【0003】
すなわち、このパチスロ遊技機を用いて行われる遊技は、まず、遊技者がメダルやコインなどの遊技媒体を投入することによって開始される。そして、遊技者がスタートレバーを操作することに応じて、内蔵されているCPUなどの制御手段が回転リールを駆動制御することにより回転させ、表示窓内に複数の図柄を変動表示させる。変動した回転リールは、一定時間内に遊技者によって停止ボタンが停止操作されたことに応じて回転を順次停止する。この際に、表示窓内で所定のライン上に停止表示された各回転リールの図柄が特定の組み合わせ、すなわち入賞役になった場合には、上記遊技媒体を所定枚数払い出すことによって遊技者に賞を提供する。
【0004】
このようなパチスロ遊技機は、複数種類の入賞役を有しており、特に、所定の入賞に応じた役が成立したときは、1回の遊技媒体の払い出しのみならず、所定の期間、通常の状態よりも入賞しやすく遊技者にとって有利な遊技状態となり得るものが存在する。このような入賞に応じた役の中には、最大払出枚数を払い出す役が非常に成立しやすい状態のゲームを連続して複数回行うことが可能であり遊技者にとって多くの賞を提供し得る入賞役(以下「RB(レギュラーボーナス)」と称する)と、このRBを複数回行える可能性があり各RBの間に別途小役が成立しやすい状態のゲームが連続して複数回行われやすく遊技者にとって多くの賞を提供し得る入賞役(以下「BB(ビッグボーナス)」と称する)とが存在する。
【0005】
また、パチスロ遊技機では、表示窓内において各回転リールが3つの図柄が見える位置で停止表示され、例えば、3つの回転リールを有しているときには合計9つの図柄が停止表示されることになる。これら図柄のうち横方向への3つの水平ラインや2つの斜めラインなどのうち、遊技者が投入した遊技媒体数に応じて設定される有効化された入賞ライン(以下「有効ライン」という)に停止表示される図柄の組み合わせは、内蔵されたCPUなどからなる主制御部による内部抽選の抽選結果と、遊技者による停止ボタンの停止操作のタイミングとによって決定される。すなわち、遊技媒体が払い出される役が成立するには、上述の内部抽選の抽選結果、入賞役に当選したとしても、この成立した入賞役の入賞成立を示す図柄の組み合わせを有効ライン上に遊技者が所定のタイミングで停止ボタンを操作しなければ、RBやBBといった特別遊技へ移行させることができない。従って、遊技者は、変動表示中における回転リール上の図柄をよく見て停止させるべき図柄が表示窓内に出現するタイミングを見計らって停止ボタンを操作するといった、いわゆる目押し操作を行う必要がある。一方、内部抽選の抽選結果、はずれとなったときには、遊技者が目押し操作を行って、タイミングよく停止ボタンを操作したとしても、回転リールは入賞役の組み合わせで停止表示することなく強制的にはずれの組み合わせで停止表示する。
【0006】
近年、RBやBBへの移行が内部抽選の抽選結果として役が成立して当選となったときに、入賞役に当選したことを報知する遊技機が複数の公報において提案されている。
すなわち、特開2000−58792号公報には、内部抽選の抽選結果として役が成立したことの種類を発光色を変化させることによって報知したり、変動表示する各回転リールを停止させるストップボタンの操作タイミングをスタートレバーの発光態様によって報知するなどの報知手段を備え、成立した入賞役に関連する情報を遊技者が認識し得る遊技機が記載されている。
【0007】
また、登録実用新案第3055840号公報には、制御部でBBに応じた役が成立したか否かの内部抽選を行い、役が成立した場合、BBに応じた役の成立を設定した際の報知として、内蔵された振動発生部が振動発生装置により機械的に振動を発生させ、ヒットランプを点灯させ、スピーカから役の成立を報知する報知音を出力させるように構成し、遊技者に対して従来とは全く異なる感覚で強い印象を受け、機械的振動を体感することにより強く歓喜が呼び起こされ、興趣あふれる遊技を楽しむことが可能な遊技装置が記載されている。
【0008】
一方、遊技者に対して成立した役の種類が何であるかを当該役の種類に応じて異なる報知を行うことが可能なスロットマシンが提案されている。
すなわち、特開平11−319187号公報には、内部抽選結果、役が成立して内部当り状態が設定されていることを報知する設定報知手段と、報知開始から遅延した時期に特定の賞に応じた報知を遊技者に対し行う賞種報知手段を備え、遊技者に対して、報知が行われるまでの間、より有利な賞を提供する役が成立するように強い期待を抱き、別の新たなゲームのような効果を生み出すような遊技装置が提案されている。
また、特開平10−33750号公報には、ボーナスゲームへの移行が確約される特別入賞フラグが発生したことを条件に、抽選結果を報知する特別報知手段と、通常入賞フラグが発生したことを条件に、抽選結果を報知する通常報知手段と、各報知手段の抽選結果の報知を行うか否かを選択可能な選択手段を備えたスロットマシンが提案されている。
【0009】
さらに、特開2001−112921号公報には、回転リールの動作や表示で情報を報知し得る演出用リールや、光で情報を報知するリールランプなど役の成立を報知する報知手段を少なくとも2種類備え、遊技者が各報知手段で報知された情報を総合的に判断して成立した役が何であるかを予測できるようにした遊技機が提案されている。
【0010】
このように、各当選の役に応じて異なる態様で報知を行うスロットマシンが提案されているが、さらに、当選したことを報知する時期を一定とせずに適宜変化させることが可能なスロットマシンについても種々提案されている。
すなわち、特開2000−37498号公報によれば、BBフラグをセットし、報知時期振り分け抽選を行い、内部抽選の抽選結果として役が成立したことを報知する報知時期をランダムに決定し、この決定した時期にスピーカから報知音を出力するとともに、ヒットランプを点灯させる遊技装置が提案されている。
また、特開平10−305128号公報によれば、内部抽選の抽選結果として役が成立したことを報知する報知時期を任意に設定するとともに、成立した役の種類に応じて異なる報知を行うスロットマシンが提案されている。
【0011】
さらに、特開2001−70509号公報によれば、内部抽選により役が成立したか否かどちらであるかを確定し、役が成立したことを報知する報知手段を備え、報知手段は、役の成立後に予め定めた複数の時間の中から抽選により選択された経過時間の経過後に報知を行う構成とすることにより、通常のゲームの中でも既に入賞しているかも知れないという期待感を持ってゲームを行え、一つ一つの停止操作に工夫ができる遊技機が提案されている。
【0012】
加えて、登録実用新案第3055841号公報によれば、制御部でBBに応じた役が成立したか否かの抽選を行い、役が成立した場合にBBフラグをセットし、報知時期振り分け抽選を行い、役の成立を報知する報知時期をランダムに決定して、スピーカから役の成立に関する報知音を出力するとともにヒットランプを点灯させることにより、遊技者の緊張感を持続させるとともに表示内容に対する興味をも強める遊技装置が提案されている。
【0013】
また、特開2000−288163号公報によれば、内部当り抽選部での抽選が内部当りとなった場合に、スタートレバー、複数のストップボタンのいずれかが遊技者によって操作された後に、内部当りの報知を行わせ、かつ、この報知時期を日あるいは時間単位で異ならせるなど、任意に設定可能とした構成からなり、遊技者に確実に内部当りか否かを知らせ、ゲームの面白さや意外性を増すことを可能とするスロットマシンが提案されている。
【0014】
さらに、特開2000−85630号公報によれば、特定の遊技期間の開始条件の成立を告知するための開始条件成立告知手段と、告知を行うタイミングを決定するための告知タイミング決定手段とを備え、告知タイミングを知ることができない遊技者はチャレンジタイムが開始されるか否かに対する期待感をもって遊技に臨め、遊技の面白さを高めることが可能なスロットマシンが提案されている。
【0015】
上述した構成を有する様々なスロットマシン以外にも、複数の報知パターンと複数の報知時期をともに変化させることが可能なスロットマシンも提案されている。
【0016】
すなわち、特開2001−218888号公報によれば、複数種類の告知パターン及び複数種類の告知時期パターンからそれぞれ抽選により1つのパターンが各々選択され、これに基づき告知を実行させることにより、遊技者はどのような告知がどのタイミングで行われるかを予測することが困難となり、遊技者に対して告知に対する関心の高い状態を維持させる可変表示遊技機が提案されている。
【0017】
これらの公報に記載されているような当選を報知するスロットマシンは、遊技者に対して早期に内部抽選の抽選結果として当選した事実を知らせ、遊技者が目押し操作により狙った図柄を表示窓内の所定位置に停止表示させることが可能であることを条件として、すぐにボーナスゲームなどの特別遊技へ移行させるように誘導し、遊技者が所持するメダルの数を無意味に減少させないようにするとともに、初心者の遊技者に対しても内部抽選の抽選結果として何らかの役が成立したことを確実に知らせ、停止表示させるべき図柄を特定させることにより目押し操作に集中させ、非常に分かりやすく且つ楽しく遊技を行わせることを目的としたものである。
また、遊技者に対して、内部抽選の抽選結果として入賞に応じた役が成立したことを遊技者に対して報知することにより、初心者においても当選したことを容易に把握できるとともに、当選の報知に対する関心を高め、通常のゲームにおいても当選しているかもしれないといった期待感を持たせながら遊技者に遊技を行わせることを目的としたものである
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらスロットマシンは、何らかの役が成立した事実を遊技者に対して単に知らせているのみであり、遊技を何回も繰り返し行って役の成立に対する報知パターンをある程度把握してしまうと、やがてこの報知パターンに慣れてしまい新鮮味を感じなくなり、これに応じて報知に対する関心度も低くなってしまい役の成立に対する期待感も徐々に減少してしまいやすい。また、たとえ、遊技者が上記報知パターンを把握したところで、RBやBBといった特別遊技へ移行させるまでに要する通常ゲームの回数が減少する程度で、遊技結果に大きく影響するものでもない。
【0019】
また、上述したような役の成立を知らせる報知機能を備えた遊技機の提供により、多額の料金を支払って目押し操作はもとより高い遊技テクニックを身に付けて遊技機の特徴や癖などを知り尽くした熟練者である遊技者は、目押し操作により成立した役の組み合わせで即時に停止表示させることは可能であるが、その結果得られたRBやBBといった特別遊技は、常に同じ条件下のもとで遊技が行われ、初心者である遊技者が苦労して何回も目押し操作した結果として、特別遊技をようやく得られたときと何ら条件も変わらないので、初心者である遊技者との間で目押し操作の失敗分のみの遊技結果の差しか出ず、遊技結果に対する満足度や他の遊技者に対する優越感といったものは僅かであるため、遊技に対する意欲を低下させてしまいやすい。
さらに、上述したように役が成立した事実を様々な態様パターン、及び様々なタイミングで遊技者に対して報知しても、従来に比してゲーム性を変えるものでなく、より面白くなりスロットマシン自体の趣向性が高まったとはいえない。
また、通常ゲーム時において、既に役が成立しているのではないかという期待感は持てるものの、役が成立した際に提供される賞の内容に変化が無いので、遊技者に対する遊技意欲を大きく増加させるものではない。
さらに、近年のスロットマシンにおいては、数十ゲームの間に亘って、停止させるべき図柄や停止順序を予め表示部に表示させて遊技者に遊技のアシストを行う、いわゆるAT機能を備えたものをはじめとし、様々な新しいゲームを取り入れたものが提供されている。このような状況下において、遊技者はさらに別の新しいゲーム内容が備えられたスロットマシンの登場を待望しており、上述したような役の成立に関する報知を、たとえ報知態様に工夫を凝らし、報知時期に変化をつけて行ったとしても、遊技者の充分な満足感を得られるものではない。
【0020】
本発明は、上述したような多くの先行技術に記載された報知機能を有するスロットマシンの抱える課題を解決するために、役の成立に関する報知を利用した新しいゲームを行い得る制御手段が備えられ、遊技者の遊技に対する意欲を高め、遊技結果に応じてより有利な遊技状態へ移行させることへの期待感を持たせることが可能なスロットマシンを提供することを課題とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、遊技者に多くのコインやメダルなどの遊技媒体や、得点、ポイントなどを含む賞を多く提供し得るボーナスゲームなどの特別遊技へ移行するための内部抽選の抽選結果として、入賞に応じた役が成立したことを、役の成立した時点からどのタイミングで告知するかを一定とせずに変化をつけて、遊技者に対して抽選結果として役が成立していることを予測させ、そして、遊技者が予測した時期に、例えば、停止入力手段で目押し操作するなどして、役の成立に応じた図柄で停止させた停止結果が、役の成立を告知する告知時期に対してどのタイミングで行われたかによって、遊技者に提供される遊技結果に差をつけることにより、遊技意欲を高めるようにしたスロットマシンを提供するものである。
【0022】
以下、本発明の具体的な手段を示す。(1)の発明は、複数の図柄を少なくとも3つ以上の領域で変動表示し、内部抽選の抽選結果によって役が成立したことに応じて、遊技者の図柄停止操作入力により前記複数の領域において前記役ごとに設定された所定の図柄で停止制御可能とし、前記抽選結果によってボーナス役が成立したことにより、各前記複数の領域において前記ボーナス役に応じた組み合わせで図柄が停止したことを条件に遊技者に多くの遊技媒体を提供し得る特別遊技へ移行し得るとともに前記ボーナス役に応じた組み合わせで図柄が停止できるまで前記ボーナス役を持ち越すよう制御し、前記複数の領域で前記図柄を変動表示した後に停止することを一回の変動表示ゲームとするスロットマシンであって、前記抽選結果によって前記ボーナス役が成立したことを告知する告知手段と、前記抽選結果によって前記ボーナス役が成立した直後の前記変動表示ゲームを基点としてその後何回目の変動表示ゲームの直後に前記告知手段により該ボーナス役の成立を告知するかを抽選により決定する告知時期決定手段とを備え、前記告知時期決定手段により決定された前記ボーナス役の成立の告知を行う直前の変動表示ゲームの時期と、遊技者の図柄停止操作入力により各前記複数の領域において成立した前記ボーナス役に応じた組み合わせで図柄が停止されたときの変動表示ゲームの時期との関係に応じて、遊技者に有利な遊技状態を提供するように設定したことを特徴とするスロットマシンである。(1)の発明によれば、ボーナス役の成立の告知時期と、遊技者の図柄停止操作入力により成立したボーナス役に応じた組み合わせで図柄が停止された停止時期との関係に応じて、遊技者に有利な遊技状態を提供するように設定したので、遊技者は告知手段の告知を単にボーナス役が成立したことのお知らせとは扱わず、告知時期がいつであるかを把握しようと常に告知に対する意識を強く持つことになる。すなわち、遊技者は、有利な遊技状態を得るために、ボーナス役が成立したか否か、及びボーナス役が成立したことを告知する告知時期がいつになるかについて、遊技中のあらゆる現象との関係から把握する努力を行い、これをもとに告知時期の予測をつけて、上記停止時期をいつにするべきかなどの戦略を考えながら遊技を行うことになる。このようにボーナス役が成立したことを告知する告知時期に関して、遊技者に対してこのように戦略を考えさせながら遊技を行わせるスロットマシンは、従来に無く非常に斬新な趣向性の高いゲーム性を備えたものであるといえる。従って、この発明におけるスロットマシンによれば、告知手段における告知を単にボーナス役が成立したことを遊技者に知らせる役割のものにとどまらず、有利な遊技状態を提供するための重要な要因としての役割を持たせて、遊技者に対して告知手段による告知時期の予測、及び告知時期と停止時期との関係を考慮しつつ当該予測した告知時期に成立したボーナス役に応じた図柄で停止させる目押し操作などの遊技力を要求するといった、今までに無い趣向性の高い新しいゲームを遊技者に対して提供することを可能にしたものである。(2)の発明は、(1)の発明に記載のスロットマシンであって、前記特別遊技において、提供し得る遊技媒体数の上限を変化させることにより、遊技者に有利な遊技状態を提供することを特徴とする。(2)の発明によれば、特別遊技において提供し得る遊技媒体数の上限を変化させるので、繰り返し多くの遊技を行い上記告知時期の予測をより確実に行い、この予測に応じて決めた時期を上記停止時期とすべく成立したボーナス役に応じた図柄で停止入力させ得た遊技者に対して、例えばボーナスゲームなどの特別遊技でより多くの遊技媒体を提供し得るといった具体的な設定とすることが可能となるため、上記告知時期の予測及びこの予測に応じた図柄の停止操作に対する意欲をより一層高めることが可能となる。(3)の発明は、(1)の発明に記載のスロットマシンであって、前記特別遊技とは別に、遊技者に多くの遊技媒体を提供し得る別の付加遊技を実行させることにより、遊技者に有利な遊技状態を提供することを特徴とする。(3)の発明によれば、例えばボーナスゲームなどの特別遊技とは別に、遊技者に多くの遊技媒体を提供し得る別の付加遊技を実行させるので、数多くの遊技を経験して告知時期の予測をより正確に行う可能性が高く、当該告知時期の予測に応じた時期を上記停止時期とすべく成立した役に応じた図柄で停止入力させ得た遊技者に対して、多くの遊技媒体数を提供し得る別の付加遊技を実行させることが可能となるため、遊技者に対して遊技に対する意欲をより一層高めることが可能となる。(4)の発明は、(1)から(3)の発明のいずれかに記載のスロットマシンであって、前記ボーナス役の成立の告知を行う直前の変動表示ゲームである第1の変動表示ゲーム、該第1の変動表示ゲームの後に行われる第2の変動表示ゲーム、及び前記第1の変動表示ゲームより以前に行われる第3の変動表示ゲームのうち、いずれの変動表示ゲームのときに各前記複数の領域において成立した前記ボーナス役に応じた組み合わせで図柄が停止されるかによって、遊技者に提供する有利な遊技状態の度合いが異なることを特徴とする。(4)の発明によれば、停止時期は第1乃至第3のいずれの変動表示ゲーム中であるかによって、遊技者に提供する有利な遊技状態の度合いが異なるようにしたので、例えば、告知時期の直前を停止時期とした場合に最も遊技者に提供する有利な度合いが大きくなるように設定した場合に、告知時期を正確に把握して告知時期の直前における第1の変動表示ゲームにおいて停止時期とした遊技者に対して、提供する有利な度合いが大きくなるため、遊技者に対して告知時期の把握をより一層正確に予測するべく努力を行なわせるとともに、多くの遊技媒体が提供されることへの期待感を高めながら遊技を行わせることが可能となる。(5)の発明は、(1)から(4)の発明のいずれかに記載のスロットマシンであって、前記抽選結果によって前記ボーナス役が成立してから前記告知手段により告知されるまでの間に、当該告知手段の告知を遊技者に予告させる演出を行う予告演出手段が備えられていることを特徴とする。(5)の発明によれば、この予告演出を楽しみながら遊技を行わせることが可能になるとともに、予告演出手段の演出によって遊技者に対して告知時期がいつであるかを予測しやすい状態とし、より多くの遊技媒体を得ようと数多く遊技を行ってより正確に予測を行い得る努力を行った遊技者と、初心者の遊技者との遊技結果の差異がつきやすくして、遊技者の遊技意欲を高めることが可能となる。(6)の発明は、(5)の発明に記載のスロットマシンであって、前記予告演出手段は、前方に向かってエアーを吹き出すエアー吹き出し手段であることを特徴とする。(6)の発明によれば、エアー吹き出し手段により前方に向かってエアーを吹き出すことにより、告知手段の告知を遊技者に予告させる演出を行うので、遊技者に対して告知時期が近付いていることを身をもって体感させ、ボーナス役の成立の期待感を高めるとともに、停止時期の推測をより楽しく行わせることが可能となる。上記「前方に向かって」とは、遊技を行う遊技者に向かって前方にという意味をなす。(7)の発明は、(5)の発明に記載のスロットマシンであって、前記予告演出手段は遊技者に振動を体感させる振動手段であり、当該振動手段は遊技者の図柄停止操作入力を可能とする停止入力手段を振動させるべく当該停止入力手段の近傍の位置に設けられていることを特徴とする。(7)の発明によれば、停止入力手段を振動させるべく当該停止入力手段の近傍の位置に設けられた振動手段により告知手段の告知を遊技者に予告させる演出を行うので、停止入力手段は遊技者が遊技を行う際に最も体がスロットマシンに接触しやすい部位であり、遊技者に対して告知時期が近付いていることを効果的に体感させやすく、(6)の発明と同様に、ボーナス役の成立の期待感を高めるとともに、停止時期の予測をより楽しく行わせることが可能となる。(8)の発明は、複数の図柄を少なくとも3つ以上の領域で変動表示し、内部抽選の抽選結果によって役が成立したことに応じて、遊技者の図柄停止操作入力により前記複数の領域において前記役ごとに設定された所定の図柄で停止制御可能とし、前記抽選結果によってボーナス役が成立したことにより、各前記複数の領域において前記ボーナス役に応じた組み合わせで図柄が停止したことを条件に遊技者に多くの遊技媒体を提供し得る特別遊技へ移行し得るとともに前記ボーナス役に応じた組み合わせで図柄が停止できるまで前記ボーナス役を持ち越すよう制御し、前記複数の領域で前記図柄を変動表示した後に停止することを一回の変動表示ゲームとするものであり、前記抽選結果によって前記ボーナス役が成立したことを告知する告知手段と、前記内部抽選の抽選結果によって前記ボーナス役が成立した直後の前記変動表示ゲームを基点としてその後何回目の変動表示ゲームの直後に前記告知手段により該ボーナス役の成立を告知するかを抽選により決定する告知時期決定手段とを備えたスロットマシンを制御するための制御プログラムであって、前記スロットマシンを、前記告知時期決定手段により決定された前記ボーナス役の成立の告知を行う直前の変動表示ゲームの時期と、遊技者の図柄停止操作入力により各前記複数の領域において成立した前記ボーナス役に応じた組み合わせで図柄が停止されたときの変動表示ゲームの時期との関係に応じて、遊技者に有利な遊技状態を提供するように機能させるための制御プログラムである。(8)の発明によれば、スロットマシンの告知手段における告知を単にボーナス役が成立したことを遊技者に知らせる役割のものにとどまらず、有利な遊技状態を提供するための重要な要因としての役割を持たせ、今までにない新しいゲームを遊技者に対して提供するべくスロットマシンに対して告知制御を行うことを可能とする。
【0023】
本発明では、内部抽選の抽選結果として役が成立したことを告知手段が告知することを予告するための予告手段として、エアー吹き出し手段や振動手段を用いているが、これらのエアー吹き出し手段や振動手段については、上記の予告以外の目的に用いることも可能である。
【0024】
具体的に説明すると、複数の図柄を有する回転リールが変動及び停止を繰り返し行い得る状態で複数横一列に並設され、前記回転リールの各々に対応して設けられ各該回転リールの変動を停止させる停止手段を有し、遊技者に多くの遊技媒体を提供し得る特別遊技の当選を抽選する抽選手段を備え、当該抽選手段による抽選の結果が当選であったときに所定タイミングによる各前記停止手段の停止入力が行われた結果として各前記回転リールを当選の組み合わせで停止させ、ボーナスゲームなどの特別遊技を実行させる遊技機であって、遊技状況の変化を予告するためのエアー吹き出し手段又は振動手段を備えたことを特徴とする遊技機である。
【0025】
遊技機がエアー吹き出し手段を備える場合には、遊技機で遊技を行う遊技者側に向かって前方にエアーが吹き出す位置にエアー吹き出し手段を備え、遊技者がエアーの吹き出しを感じ易い位置として、遊技者に対して遊技状況の変化の予兆をより強く体感させることにより期待感を高めることが可能である。特に、各回転リールを停止させるために各回転リールに応じて設けられた停止手段付近であって遊技者が停止手段を手で操作する際にその手がエアーを感じることが可能な位置に吹き出し口が存在するようにエアー吹き出し手段を備えることにより、遊技中に特に敏感になっている指を含む手にエアーが吹き出されるので、遊技状況の変化の予兆をより強く体感でき更に一層の期待感も高まる。エアーの吹き出し態様については、これを限定するものでないが、瞬間的に強くエアーを吹き出すことにより、遊技者への体感を強調し得る。また、エアー吹き出し手段による予告が行われたときは、必ずしも遊技状況が変化するものでないように設定してもよく、例えば、遊技機に設けられた装飾ランプなどの予告に加えてエアー吹き出しが行われたときは遊技状況の変化が非常に高い確率で行われるといった、遊技状況の変化が高確率であるときのみに行うように設定し、遊技状況の変化の予告信頼度を区別化するために用いることも可能である。もちろん、エアー吹き出しの強弱によって、遊技状況の変化の予告信頼度の大小を示すようにしてもよい。
【0026】
また、遊技機が振動手段を備える場合においても、エアー吹き出し手段と同様に、遊技者に対して効果的に振動手段の振動を伝えるために、遊技者が遊技機に直接触れる機会の多い回転リールの変動を停止させるための停止手段又は停止手段の近傍に振動手段を配置することが好ましい。振動手段としては、複数の停止手段が一体的に取り付けられた停止手段ユニット自体を直接的に微動することにより振動させて、遊技者の手に効果的に振動を伝えるようにし得る。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の一実施の形態に関わるスロットマシンの外観斜視図、図2は図1のスロットマシンの正面図、図3は図1のスロットマシンの側面図、図4は図1のスロットマシンの上面図、図5は図1のスロットマシンの筐体の内部構造を示す概略図をそれぞれ示している。
【0028】
(外観構成の説明)
図示するスロットマシン1は、ボックス形状の筐体2の前面開口に扉部3を開閉自在に取り付けて構成されている。前記筐体2の内部空間には、上方にリールユニット10や、後述する制御手段6が搭載された制御基板4(メイン基板4A、サブ基板4B)などが組み込まれ、下方には、多数枚数のメダルを収容するホッパー5Aを有するメダル払出手段5が組み込まれている。
【0029】
前記リールユニット10は、金属フレーム11に3個のリール12(左リール),13(中リール),14(右リール)と、当該リール12,13,14の駆動原となるステッピングモータ12A,13A,14Aと、後述する前記ステッピングモータの回転を制御するための左,中,右リールドライバ12B,13B,14B(図8参照)と、各リール12,13,14の回転位置を検出するためのセンサ12C,13C,14C(図8参照)とを主な構成としている。
【0030】
前記リール12,13,14は、何れも円筒状の筒体の外周面に複数の図柄を連続して列状にシルクスクリーン印刷により印刷した帯状シートを貼着して構成している。この帯状シートを前記リール12,13,14に貼り付けた状態で、前記リール12,13,14の内周側に設けられた光源の光によって、前記帯状シートの外周面の図柄を目立つようにすることができるように、帯状シート自体を透光性の性質を有する樹脂で構成するとともに、リール12,13,14自体の素材を透光性樹脂で形成するか、或いは、図柄の印刷した背面に光通過穴を設ける構成を採用している。
【0031】
前記図柄とは、「7」「チェリ」「ベル」「バー」などの遊技者にとって他の図柄と識別可能なシンボルを使用しているが、この実施の形態では、RB役の図柄とか、ある特定の小役の図柄といった表現にしている。
【0032】
また、筐体2の扉3は、内部のメダルが簡単に窃盗されることがないように金属フレームによって頑強に製作されており、筐体2に対して図示しないヒンジで開閉自在に設けられるとともに鍵3Aで施錠できるようになっている。また、前記扉3の前面開口には、前記筐体2の内部空間に連通した内部に光源を備えた報知光源用の第1のパネル7と、図柄変動表示用の複数の領域を形成するための窓(左リール用窓8A,中リール用窓8B,右リール用窓8C)を形成する第2のパネル8と、スロットマシンの機種名やタイトルロゴを施した化粧用の第3のパネル9とが組み付けられている。
【0033】
前記第2のパネル8と第3のパネル9との間には、メダルを直接機体に投入するためのメダル投入口20が設けられている。また、第2パネル8の左側には本発明の特徴部分である内部抽選の抽選結果によって役が成立したことを遊技者に対して告知するための告知手段としての液晶パネルを含む表示手段21が設けられている。また、メダル投入口20と同様に第2パネル8と第3パネル9との間には、スタートレバー22と、停止入力手段としての停止ボタンスイッチ23(左停止ボタンスイッチ23A,中停止ボタンスイッチ23B,右停止ボタンスイッチ23C)と、ベットボタンスイッチ24(MAXベットスイッチ24A,1枚ベットスイッチ24B)と、精算スイッチ25が設けられている。
【0034】
更に、第2のパネル8と第1のパネル7との間には、正面の遊技者に向かって音を発するための一対のスピーカ16と、第3のパネル9の下方にはウーハとしてのスピーカ26を設けている。上記したベットスイッチボタン24、精算スイッチ25及びスピーカ16、26に関しては、後述するハードブロック図としての図8に図示せずに省略している。
【0035】
また、図1及び図2において、符号27はメダル払出し口,当該メダル払出し口27と連通したメダル受け皿28などが設けられている。前記精算スイッチ25を遊技者が操作して貯留メダルを精算すると、メダル払出し口27よりメダル受け皿28に貯留されたメダルを払出しすることができる。
【0036】
前記第2のパネル8の下方中央部分には、役の入賞によって払い出されるメダル数を表示するためのPAY表示手段29A、ボーナスの数を表示するためのボーナス数/メダル貯留総数表示手段29B、投入メダル数を表示するためのベット表示手段29Cとを設けている。これらの表示手段29A,29B,29Cは何れも7セグメントLEDを採用している。
【0037】
また、停止ボタンスイッチ23の裏面側には、内部抽選の抽選結果によって役が成立してから表示手段21により告知されるまでの間に表示手段21の告知を遊技者に予告させる演出を行う予告演出手段としての振動手段が停止ボタンスイッチ23を振動させるべく停止ボタンスイッチ23の近傍の位置に設けられている。図6は振動手段の構造を説明するための概略斜視図である。また、図7は振動手段を示す概略平面図である。これら図面を用いながら説明すると、振動手段は4つの空圧式のシリンダ101と、これらシリンダ101における伸縮可動部の伸縮動に伴い当該伸縮方向に対して水平方向へスライド移動する2つのスライド体102とを備える。シリンダ101とスライド体102との間にはリンク体103が介在されている。リンク体103は、図7に示すように平面視ほぼL字の形態をなし、その中央部分が軸受ピン104によって水平面上を回動自在に軸支されている。また、リンク体103は、その一方端部がシリンダ101の伸縮可動部における先端部分に連結バー105を介して回動自在に軸支されている。一方、リンク体103の他方端部にはほぼU字の形態をなす切り欠き部103aが形成されており、スライド体102の裏面側に取着された連結ピン106にこの切り欠き部103aが入り込むように装着されている。
【0038】
一方、3つの停止ボタンスイッチ23はABS樹脂などの成形樹脂からなる停止ボタンユニット107によって一体的にユニット化されており、上記シリンダ101における伸縮可動部の伸縮方向とほぼ同じ方向への移動が自在となるように筐体の裏面における停止ボタンユニット107の周辺部に立設された2つの突出ピン108によって垂直平面上の回転をほぼ防止させながらその姿勢を維持させた状態となっている。また、停止ボタンユニット107における裏面側には、スライド体102の表面に形成されたなだらかな曲面部分に接触している回転ローラ109が回転自在に設けられている。
【0039】
2つのスライド体102は、各々2つのシリンダ101にリンク体103を介して連結されている一方、各スライド体102が対向する先端部分に引張ばね110が係止されており、互いが近付く方向へ引張力を付加されている。また、これらスライド体102はほぼ水平方向への移動を可能とするために筐体に固定された枠体111によってその動きを制約されている。
【0040】
尚、枠体111は、2つの引張ばね112によって停止ボタンユニット107を引き寄せる側への力が付加されており、回転ローラ109がスライド体102の曲面部分に常に接触した状態を維持している。また、各停止ボタンスイッチ23A,23B,23Cは従来からよく用いられる構造を有し、その裏面側にスイッチを検知する光学式の光センサあるいは機械式の接触スイッチといった検知手段113が設けられている。
【0041】
このような構造を備えた振動手段においては、内部抽選の抽選結果として役が成立したことを予告する予告演出を行う場合に、所定のタイミング及び所定時間において4つのシリンダ101の伸縮可動部を複数回に亘って伸縮動させる。このとき、シリンダ101の伸縮可動部に連結された連結バー105がリンク体103を正逆方向へ繰り返し回動する。これに伴って、リンク体103の切り欠き部103aに装着された連結ピン106に正方向、逆方向へ交互に押圧力が付加されるので、スライド体102は枠体111に倣って水平方向における往復動を行う。さらに、このスライド体102の水平方向における往復動により、回転ローラ109がこれに接触するスライド体102の曲面部分の形状に倣って押し上げられ、これに伴い停止ボタンユニット107はスライド体102のスライド方向に対して垂直方向への往復動を行うことになる。この垂直方向の往復動が短時間で複数回行われることにより、停止ボタンユニット107は振動するのである。
【0042】
本実施形態の振動手段におけるシリンダ101は、その伸縮可動部が伸縮動を行う間隔時間を適宜変化させることにより、停止ボタンユニット107の振動の大きさを変化させることを可能としている。すなわち、0.1秒間隔で振動させるとき、及び0.25秒間隔で振動させるときの2種類のパターンで、振動の大きさの大小を設定することが可能となっている。また、本実施形態の振動手段におけるシリンダ101では、上記間隔時間で伸縮動を行うトータル時間が0.1秒間及び0.3秒間の2種類の設定が可能となっている。詳しくは、本実施形態における予告演出パターンを説明する際に詳細に述べる。
【0043】
(ハード構成の説明)
次に、図8に基づいて、前述した図1乃至7に示すスロットマシン1のハード構成について説明する。
【0044】
図において、6は制御手段であり、前述した制御基板4のメイン基板4Aとサブ基板4Bを総称して1ブロックで示している。この制御手段6には、メダル投入口20に投入されたメダルを検出しカウントするためのメダル検出手段30と、スターレバー22の操作を検出するためのスタート検出手段31と、前述した左,中,右リールドライバ12B,13B,14Bと、ステッピングモータ12A,13A,14Aによって回転するリール12,13,14の位置検出センサー12C,13C,14Cに接続されて位置検出を実行する回転位置検出手段32とが接続されている。この位置検出センサー12C,13C,14Cは、リール12,13,14の所定位置に設けられた貫通穴を利用して透過型或いは反射型のフォトセンサを採用することができる。
【0045】
また、前記制御手段6には、前記リール12,13,14の変動表示中にそのリール12,13,14の回転を止めるための停止ボタンスイッチ23として、右停止ボタンスイッチ23A,中停止ボタンスイッチ23B,右停止ボタンスイッチ23Cが操作入力検出手段33を介して接続されており、この停止ボタンスイッチ23に対する遊技者の操作を受けて操作入力検出手段33がその操作を検知するとともに、この検知したことを受けて制御手段6が左,中,右リールドライバを制御してリール12,13,14を停止させる制御が可能となっている。
【0046】
次に、前述したメダル払出手段を電気的に制御手段6が制御するために、払出ドライバー34を介して制御手段6に接続されており、精算ボタンを操作したり、貯留メダルのストック数が上限(例えば、50枚)を超えると、その払出すべきメダルの数だけ払出手段5に払い出す制御を前記制御手段6によって実行する。
【0047】
また、同様に制御手段6に接続された、乱数発生手段35、クロック発生手段36、左リールカウンタ37、中リールカウンタ38、右リールカウンタ39、払出率設定手段40、引き込み設定手段41、蹴飛ばし設定手段42、図柄テーブル43、未払出記憶手段44、記憶手段45の機能については、後術する。クロック発生手段36はクロック信号を発生し、このクロック信号に基づいて記憶手段45に予め記憶された各種の制御プログラムや遊技プログラムなどのプログラムを制御手段6が実行する。記憶手段45には、この制御プログラムを実行する場合のワークメモリ領域が形成されている。
【0048】
ここで、制御手段6は、スタートレバー22を操作したことに応じて乱数発生手段35からの操作される乱数に基づいて内部的な抽選を実行し、その抽選結果が役の成立であった場合に、その役に応じて予め設定された前記図柄でリール12,13,14を停止させることができた時に入賞として制御し、以下の動作を実行する。前記役としては、ビックボーナス役、レギュラーボーナス役、及び、複数の小役とを有している。
【0049】
(BB役)
抽選結果がビックボーナス役の成立であった場合には、ビックボーナスフラグを立てて、ビックボーナス図柄としての例えば「7」を、前記引き込み設定手段41に予め定められたビックボーナス役の成立時の引き込みコマ数を参照しつつ、引き込み制御を有効ラインA〜Eに前記「7」を揃えるようなリール制御を制御手段6が実行する。この有効ラインA〜Eの何れかの有効ラインにビックボーナス役の図柄「7」がゾロ目で揃うと、制御手段6がビックボーナス役に応じた所定の図柄で停止したと認識して、メダルの払出制御を行う。このような引き込み制御を伴う前記リール制御によって、前記図柄の変動状態・停止状態を見るための領域(左リール用窓,中リール用窓,右リール用窓)を遊技者が視認識しつつ、停止させたい図柄を狙って停止ボタンスイッチ23A,23B,23Cを操作する時に、その操作タイミングに多少のズレ(失敗)があっても狙った図柄で停止できるようになるのである。そして、一旦成立したビックボーナス役の成立フラグは後述する小役の成立フラグとは異なり、図柄が変動して停止するまでの1サイクル遊技で消滅することなく、ビックボーナスの入賞(ビックボーナス役に対する所定の図柄で停止)できるまで、消滅することがなく次のサイクル遊技に持ち越す制御を制御手段6が実行するのである。
【0050】
ここで、リール12,13,14に対応したカウンタ37,38,39が設けられており、制御手段6は、ステッピングモータ12A,13A,14Aに駆動パルスを出力したときは対応するカウンタ37,38,39を駆動パルス数だけインクリメントするとともに、位置検出センサー12C,13C,14Cがリール12,13,14の基準回転位置を検出したときはカウンタ37,38,39をリセットするようにしている。このようにして、制御手段6は、カウンタ37,38,39のカウント値に基づいてリール12,13,14の基準回転位置からの現在の回転位置を判断する。しかし、回転位置を判断できてもどの図柄で停止するかを判断できなければ、前述したような引き込み制御は実現できないため、このような図柄の判断のために前述した操作入力検出手段33、図柄テーブル43を利用する。つまり、操作入力検出手段33は、各停止ボタンスイッチ23A,23B,23Cに対する操作を検出して制御手段6に通知する。この通知を受けた制御手段6は、操作入力検出手段33から通知に動じて、リール12,13,14の回転位置と図柄種類との位置関係を記憶した図柄テーブル43を利用して、引き込み停止動作を実行するのである。このように、リール12,13,14の外周のどの位置にどのような図柄が設けられているかを示す図柄テーブルを利用することによって、前述した引き込み制御や、後述する蹴飛ばし制御が実行できるのである。このような引き込み制御や蹴飛ばし制御は、一般的に日本においてはパチスロとも呼ばれるスロットマシンにおいて周知の技術である。
【0051】
また、BB役などの各種役の成立のための確率を複数段階に設定できる機能として、払出率設定手段40を設けている。このようにスロットマシン1の払出率を複数段階に設定できることは現在のスロットマシンではポピュラーなものとなっている。しかして、ビックボーナスに入賞すると、制御手段6は、払出ドライバ34を駆動させて所定枚数のメダルの払出制御を実行するのある。
【0052】
(RB役)
複数の図柄列を外周面に設けたリール12,13,14のそれぞれの3図柄を同時に表示可能な大きさを有する3つの表示領域(左リール用窓,中リール用窓,右リール用窓)で変動表示し、内部抽選の抽選結果によってRB役が成立したことに応じて、遊技者の停止ボタンスイッチ23A,23B,23Cの図柄停止操作により、前記複数の領域(左リール用窓,中リール用窓,右リール用窓)において前記役ごとに設定された所定の図柄としてのRB役の図柄で停止制御可能としてなり、更に、前記役は、複数の小役と、BBとRBとの2つのボーナス役とを有し、前記抽選結果として前記RB役と小役との2つの役が同時に成立した状態となり得る制御内容を担う制御プログラムが記憶手段45内に記憶されている。
【0053】
また、制御手段6は、内部抽選の抽選結果によって、RBやBBなどの役が成立した際に、表示手段21を用いて遊技者に対して告知するべく制御を行うとともに、表示手段21に告知を行わせる時期について決定する制御を行うための告知時期決定手段としての役割も果たす。
【0054】
表示手段21は、図示はしないが、演出画像を表示するための液晶表示パネル、及び演出画像に関するキャラクタや背景などの画像データを記憶する画像記憶部、及びこの画像記憶部に記憶された画像データを順次液晶表示パネルへ送信し動画として表示駆動させる表示駆動回路を備える。画像記憶部には、役の成立を告知するための告知パターンとしてキャラクタが登場してコメントを出す演出画像が記憶されている。演出内容は、遊技者が役の成立に応じた図柄で停止させた停止時期と、役の成立を告知する告知時期との関係に応じて少なくとも3種類用意されており、これら3種類のコメントとして、「グッドタイミング!」、「早すぎ!」、「遅すぎ!」といったものが用いられる。その詳細については後述する。
【0055】
また、表示手段21において、これら演出画像を表示して役の成立を告知する告知時期について、内部抽選の抽選結果として入賞に応じた役が成立した後、何回目の変動表示ゲームにおいて実行するかを、図示しない乱数表を参照しながら抽選するか、もしくは乱数発生手段によって発生した乱数から抽選することによって決定される。
【0056】
さらに、表示手段21における告知を予告する予告演出パターンを振動手段によって行うか否かは、図示しない別の乱数表を参照するか、上述した乱数発生手段を用いて抽選によって決定される。
【0057】
振動手段における予告演出態様は、図9に示すように、a、b、c、dの4種類が用意されている。振動態様aは振動時間が0.1秒間で振動の大きさは上述したシリンダ101の駆動方法により小レベルとしており、振動態様bは振動時間が0.3秒間で振動の大きさを小レベルとしている。また、振動態様cは振動時間が0.1秒間で振動の大きさを大レベルとしており、振動態様dは振動時間が0.3秒間で振動の大きさを大レベルとしている。
【0058】
そして、予告演出態様として、これら4種類の振動態様のうち、役の成立を告知するまでの間において、どの振動態様を駆動させるかについて、図10に示すような振動態様選択表を参照し抽選によって決定する。この図に示すとおり、振動態様の選択パターンは、A〜Jの10種類用意されており、内部抽選の抽選結果としてRBやBBなどの入賞に応じた役が成立したときにはA〜Dの選択パターンのうちの一つの選択パターンが抽出され、内部抽選の抽選結果として上記役が成立していないときにはE〜Jの選択パターンのうちの一つの選択パターンが抽出される。この図において、0は演出を行う場合であり、1は演出を行わない場合を示し、図の最右列には表示手段21により役の成立を告知するまでの間に振動手段を用いた演出が行われる予告演出回数を示している。例えば、選択パターンAの場合には振動パターンdのみを行い、また、選択パターンBの場合には振動態様c及び振動態様dが行われるのである。一般に、振動の大きさが大レベルである場合や、振動時間が長い場合には、振動を強く体感して告知時期が近付いている印象を遊技者に与える。役が成立していない場合に抽出される選択パターンE〜Jにおいては振動態様dが抽出されることがないように設定されている。
【0059】
次に、図10に示す振動態様選択表を用い抽選によって決定された選択パターンの中で抽出された各振動態様の予告演出時期について説明する。各振動態様の予告演出時期については、図11に示す演出時期パターン抽選表を用いて各振動態様がどの時期に演出を行うか抽選によって決定する。図11において横軸の0〜Pが表示手段21における役の成立を告知する告知実行時期を示す。ここで、上記告知実行時期について説明する。内部抽選の抽選結果として役が成立した直後の図柄の変動表示ゲームを基点(0回目の変動表示ゲームと称す)として、以後の変動表示ゲーム毎に1回目の変動表示ゲーム、2回目の変動表示ゲーム・・・と定義する。そして、例えば、図11における告知実行時期「2」は2回目の変動表示ゲームにおいて複数の領域の各図柄が停止した直後に表示手段21により告知が実行されることを示している。また、図11における縦軸は予告演出時期を示している。この予告演出時期とは、先述した告知実行時期とほぼ同様であり、予告演出時期「3」は3回目の変動表示ゲームにおいて複数の領域の各図柄が変動を開始してからすべての図柄が停止されるまでの間において振動手段による予告演出が実行されることを示している。上述したような演出時期パターン抽選表を用いて、選択パターンで抽出された各振動態様の演出時期が、図12に示すように順次決定され一旦記憶されるのである。すなわち、振動態様の選択パターンAが抽出された場合、告知時期が3回目の変動表示ゲーム中に行われるところ、振動態様dの予告演出時期が1回目の変動表示ゲーム中において実行されるという抽選結果が得られている。また、図10の振動態様の選択パターンBの場合、告知時期がP回目の変動表示ゲームの終了直後に行われるところ、振動態様cの予告演出時期が1回目の変動表示ゲームの途中において実行され、更に振動態様dの予告演出時期が(P−3)回目の変動表示ゲームの途中において実行されるという抽選結果が得られている。このように、各振動態様の実行時期が個別に抽選されていくのである。
【0060】
次に、本発明の特徴部分である、告知手段(本実施形態では表示手段21)による役の成立の告知時期と、遊技者の図柄停止操作入力により成立した役の組み合わせで図柄が停止された停止時期との関係について説明する。図13は上記告知時期と停止時期との関係を説明するためのタイムテーブルである。図13における左側の縦線は停止時期(T)を示し、図13における右側の縦線は告知時期(P)を示す。そして、図13における最上側の横線は内部抽選の抽選結果としてBBやRBの入賞に応じた役が成立した時期であり、最下側の横線は告知手段が告知を実際に実行する時期P’である。そして、この告知実行時期P’の直前の図柄変動表示に関する遊技を第1の変動表示ゲームと称し、この第1の変動表示ゲーム以後の変動表示ゲームを第2の変動表示ゲームと称し、第1の変動表示ゲーム以前の変動表示ゲームを第3の変動表示ゲームと称する。そして、本実施形態のスロットマシンでは、遊技者が告知実行時期P’の直前である第1の変動表示ゲームにおいて停止時期T’としたとき(P’=T’)、第2の変動表示ゲームにおいて停止時期としたとき(P’>T’)、第3の変動表示ゲームにおいて停止時期としたとき(P’<T’)の3つの関係パターンに応じて、遊技者に提供される特典レベルが異なる(レベル1、レベル2及びレベル3)ように設定されている。
【0061】
図14は本実施形態において、各特典レベルによって設定されている遊技者へ提供される有利な遊技状態を説明するための説明図である。すなわち、告知時期と停止時期との関係がT’<P’である場合に提供される特典レベル2では、ボーナスゲームにおいて払い出される最大枚数がM枚であり、ボーナスゲーム終了後の10ゲームをATゲームとする。また、T’=P’である場合に提供される特典レベル1では、ボーナスゲームにおいて払い出される最大枚数が(M+500)枚であり、ボーナスゲーム終了後の別の付加遊技として100ゲームをATゲームとする。さらに、P’>T’である場合に提供される特典レベル3では、ボーナスゲームにおいて払い出される最大枚数が(M−200)枚であり、ボーナスゲーム終了後の別の付加遊技としてのATゲームは無しとする。尚、後術するが、本実施形態では上記別の付加遊技が行われるかについて必ずしも行われるとは限らず、抽選によってその実行の有無が決定される。
【0062】
(ゲーム制御フロー)
次に、本実施形態における遊技中の動作フローについて説明する。
図15及び図16は本実施形態のスロットマシンを用いたゲーム制御の手順を示すフローチャート図であり、図9の振動態様表、図10の振動態様選択表、図11の演出時期パターン抽選テーブル、図12の演出時期パターン抽選結果表、図13の告知時期及び停止時期との関係を示すタイムテーブル、及び図14の告知時期及び停止時期との関係に応じて遊技者に提供される有利な遊技状態を具体的に示す表などに基づき、役の成立を予告する予告演出及び役の成立を知らせる告知を実行する場合のゲーム制御の流れを示す。なお、以下手順を説明する際に、遊技者がメダル投入口20へメダルを投入し、スタートレバー22を操作して、各停止ボタンスイッチ23を操作することにより、各リール12,13,14が停止するまでを一回の変動表示ゲームと称する。また、表示手段21が役の成立を告知する告知時期は、いずれの回の変動表示ゲームで行われるか常に一定しているものでないが、各回の変動表示ゲーム内においては各リール12,13,14がすべて停止した時などの定められた時期に固定するものとする。さらに、振動手段による予告演出時期についても、いずれの回の変動表示ゲームで行われるか一定していないが、各回の変動表示ゲーム内においては各リール12,13,14が一斉始動した時などの定められた時期に固定するものとする。
【0063】
まず、図15に示すように、ゲームを実行するに際して、遊技者がメダル投入口20へメダルを直接投入するか、いずれかのベットボタンスイッチ24を操作した後に、スタートレバー22を操作する。これらの操作により始動操作がなされたかを否かを判断する(ステップS1)。始動操作がなされなかったと判断したときには再びステップS1に戻るが、始動操作がなされたと判断したときには、既に役が成立しており成立フラグがオン状態となっているかを判断する(ステップS2)。成立フラグがオン状態でないときは、役の成立に関する内部抽選が行われる(ステップS3)。そして、内部抽選の抽選結果について、特別遊技としてのボーナスゲームへ移行する権利が提供されるBBやRBの入賞(以下、ボーナス入賞と称する)に応じた役が成立した状態になっているか否かが判断される(ステップS4)。次いで、ボーナス入賞の役が成立したと判断されたときは成立フラグがオン状態となる(ステップS5)。さらに、成立フラグがオン状態であることをうけて、表示手段21によってボーナス入賞の役が成立したことの告知の実行についての選択手順に移り(ステップS6)、告知を行うか否かを図示しない抽選表に従って判断される(ステップS7)。その結果、告知を行うと判断されたときには告知時期の選択がこれも図示しない抽選表を参照しつつ行われる(ステップS8)。なお、ステップS4においてボーナス入賞の役が成立していないと判断されたときにはステップS5〜S8の手順が省略される。また、ステップS7において告知を行わないと判断されたときはステップS8の手順が省略される。次に、ボーナス入賞の役の成立を予告する振動手段の予告演出を行うか否かが判断される(ステップS9)。予告演出を行うと判断したときには予告演出パターン及び演出時期の選択が行われる(ステップS10)。このステップS10の手順においては、図10の振動態様選択表を参照して選択パターンを決定し、この選択パターンに含まれる各振動態様(図9の振動態様表を参照)の実行時期を図11の演出時期パターン抽選表を参照して各々決定するのである。このようにして告知時期、予告演出パターン及び予告演出時期のうち選択された結果を記憶手段45に一旦記憶する(ステップS11)。ステップS2において、成立フラグが既にオン状態であると判断されたときは、役の成立がなされており告知実行の有無、告知時期の選択、予告演出パターン及び演出時期の選択などが既に完了していると判断され、ステップS3〜S11の手順が省略される。
【0064】
次に、図16に示すように、遊技者がスタートレバー22を操作することにより、ステッピングモータ12A,13A,14Aが駆動し、リール始動が開始され変動表示ゲームがスタートする(ステップS12)。このリール始動が開始されたときに、振動手段による予告演出時期か否かが判断される(ステップS13)。この変動表示ゲームにおいて予告演出が行われると判断されたときには、振動手段による予告演出が実行される(ステップS14)。また、この変動表示ゲームにおいて予告演出が行われないと判断されたときにはステップS14が省略される。次いで、遊技者による停止ボタンスイッチ23の操作が行われたか否かを判断する(ステップS15)。そして、停止操作が行われたと判断したときには、停止操作された停止ボタン(右停止ボタンスイッチ23A,中停止ボタンスイッチ23B,右停止ボタンスイッチ23C)に応じたリール12、13、14のいずれかのリールを停止させる(ステップS16)。また、ステップS15の停止操作の判断は、停止操作が行われるまで繰り返し行われる。次に、3つの各リール12、13、14について停止操作が行われ全て停止したか否かが判断される(ステップS17)。
【0065】
そして、全てのリール12、13、14が停止しているときには、この停止された各リール12、13、14の各図柄が成立したボーナス入賞役に応じた組み合わせで停止されているか否かの入賞判定が行われる(ステップS18)。停止された図柄が入賞役に応じた組み合わせで停止しているか否かが判断され(ステップS19)、入賞したと判断されたときには停止時期T’が記憶される(ステップS20)一方、入賞していないと判断されたときにはステップS20が省略される。さらに、この変動表示ゲームの直後に告知時期P’となるか否かが判断される(ステップS21)。そして、ステップS21において、この変動表示ゲーム直後に告知時期P’となると判断されたときには表示手段21によって所定の態様で告知が実行される(ステップS22)。この表示手段21による告知は、図17〜図19の3種類の表示内容のうち、いずれかによって行われる。すなわち、ステップS21において、告知時期P’の直前に行われる第1の変動表示ゲーム中に停止時期T’となると判断されたときには、図17に示すように、表示手段21でキャラクタが「グッドタイミング!」というコメントを出しながら喜んでいる演出表示が表示される。また、告知時期P’の後に行われる第2の変動表示ゲーム中に停止時期T’となると判断されたときには、図18に示すように、表示手段21でキャラクタが「遅すぎる!」というコメントを出し絶望的になっている演出表示が表示される。さらに、第1の変動表示ゲームより以前に行われる第3の変動表示ゲーム中に停止時期T’となると判断されたときには図19に示すように、表示手段21でキャラクタが「早すぎる!」というコメントを出し残念がる演出表示が表示される。なお、ステップS21において告知時期P’ではないと判断されたときにはステップS22が省略される。
【0066】
そして、この変動表示ゲームにおける入賞に対するメダルの払い出しが行われた(ステップS23)後に、この入賞がボーナス入賞であるかを判断し(ステップS24)、ボーナス入賞ではないときは終了する。一方、ボーナス入賞であると判断されたときには成立フラグをクリアし、ボーナス入賞に応じた特別遊技を実行することを決定する(ステップS25)。さらに、告知時期P’の直前に行われる第1の変動表示ゲーム中に停止時期T’となったか否かが判断される(ステップS26)。仮に、告知時期P’の直前に行われる第1の変動表示ゲーム中に停止時期T’となった(T’=P’)と判断されたときは、遊技者に提供される有利な遊技状態として、特別遊技としてのボーナスゲームの最大払出枚数を(M+500)に設定記憶する(ステップS27)。さらに、上記遊技者にとって有利な遊技状態とは別の付加遊技が行われるか否かを抽選により判別し(ステップS28)、この判別結果に応じて別の付加遊技としてボーナスゲーム後の100ゲームをATゲームを提供することを設定記憶した(ステップS29)後に、ボーナスゲームが開始されるのである(ステップS30)。ステップS28において別の付加遊技を提供しないと判別したときにはステップS29が省略された状態でボーナスゲームが開始されることになる。一方、ステップS26において、告知時期P’の直前に行われる第1の変動表示ゲーム中に停止時期T’となった(T’=P’)と判断されなかったときは、更に、告知時期P’の直前に行われる第1の変動表示ゲームより以前の第3の変動表示ゲーム中に停止時期T’となった(T’<P’)かを判断する(ステップS31)。そして、告知時期P’となる第1の変動表示ゲームより以前の第3の変動表示ゲーム中に停止時期T’となった(T’<P’)と判断したときには遊技者に提供される有利な遊技状態として、特別遊技としてのボーナスゲームの最大払出枚数を(M)に設定記憶する(ステップS32)。さらに、上記遊技者にとって有利な遊技状態とは別の付加遊技が行われるか否かを抽選により判別し(ステップS33)、この判別結果に応じて別の付加遊技としてボーナスゲーム後の10ゲームをATゲームを提供することを設定記憶した(ステップS34)後に、ボーナスゲームが開始されるのである(ステップS30)。他方、ステップS31において、告知時期P’の直前に行われる第1の変動表示ゲームより以前に停止時期とならなかった(T’>P’)と判断したときには遊技者に提供される有利な遊技状態として、特別遊技としてのボーナスゲームの最大払出枚数を(M−200)に設定記憶され(ステップS35)、ボーナスゲームが開始されるのである(ステップS30)。
【0067】
本実施形態では、告知時期の直前に行われる第1の変動表示ゲーム、告知時期の後に行われる第2の変動表示ゲーム、及び第1の変動表示ゲームより以前に行われる第3の変動表示ゲームのうち、いずれの変動表示ゲーム中に停止時期となるかによって、遊技者に提供する有利な遊技状態の度合いが異なるように設定しているが、これに限定されるものでなく、告知時期の直前に行われる第1の変動表示ゲーム中に停止時期となったことのみを条件として、遊技者に提供する有利な遊技状態の度合いを大きくするようにして、有利な遊技状態が提供されることをより難しくして、遊技力の差異を大きくし遊技意欲を高めるようにしてもよい。また、告知時期の直前である第1変動表示ゲームから、停止時期を含む変動表示ゲームがどの程度近いかを細かく区分けして、これの区分けに応じて、有利な遊技状態の度合いを異ならせるように設定してもよい。これによって、告知時期の予測が当たらなくとも、告知時期の非常に近い時期を予測して停止時期を決めるべく成立役に応じた組み合わせの図柄で停止させたときの悔しさを緩和させるとともに、次回告知時期の予測に対する意欲を高めることも可能となる。
【0068】
本発明によれば、役が成立してから告知時期に至るまでの各回の変動表示ゲームにおいて、遊技者に提供される有利な遊技状態の度合いを抽選によって決定するようにしてもよく、これによって停止時期となった回の変動表示ゲームが告知時期の直前の変動表示ゲームからかなり離れた回の変動表示ゲームであったとしても抽選によって上記有利な遊技状態の度合いが大きくなる場合もあり、遊技が単調化せず、遊技者にとって非常に幸運に感じるときもあり、初心者である遊技者にとっては非常に救われた気持ちになり、次回の遊技への意欲を持続させやすくなる。
【0069】
また、本発明によれば、例えば、役が成立した後において、告知時期の直前に行われる上記第1の変動表示ゲーム中に停止時期となり、特別遊技が提供された後に、再び役が成立して告知時期の直前である上記第1の変動表示ゲーム中に停止時期となったときなど、連続して上記第1の変動表示ゲーム中に停止時期となったことを条件に、遊技者に提供する有利な遊技状態の度合いを更に大きくするように設定することも可能であり、この場合には熟練した遊技者に対してさらに遊技意欲を高め、期待感を持たせながら遊技を行わせることが可能となる。
【0070】
本実施形態では、告知手段として表示手段を用いているが、これに限定されるものでなく、例えば、報知光源用の第1のパネル7を用いることも可能である。この場合には発光色を変化させたり、点灯のさせ方(点灯時間を変化、点滅間隔時間の変化など)によって予告演出手段としての機能を持たせて役の成立の信頼度を表示させることも可能である。また、告知手段としてはクレジットされたメダルを一挙に払い出すことにより、役の成立を告知することも可能である。メダルの払い出しは、遊技者にとって最もインパクトのある出来事であるので、これを告知手段として用いることは非常に効果的である。
【0071】
本実施形態では、予告演出手段として振動手段を用いたが、これに限定されるものでなく、前方に向かってエアーを吹き出すエアー吹き出し手段とすることが可能である。図20は、本発明のスロットマシンの変形例を示し、予告演出手段としてエアー吹き出し手段を用いたスロットマシンを示す概略正面図である。この図に示すとおり、並設された3つの停止ボタン201の下方に位置する部分に、無数の複数の貫通穴202が穿設されている。そして、この貫通穴202から所定タイミング及び所定時間でエアーを吹き出すことにより、役が成立したことを告知する予告としての予告演出を行うのである。この貫通穴202は停止ボタン201のほぼ下方部分に位置するので、遊技者が停止ボタンを操作する際に遊技者の手にエアーが直接吹きかけられやすく、遊技者がこのエアーをより強く体感することになり、予告演出として非常に効果的である。予告演出パターンとしては、エアーの吹き出し時間、吹き出し回数、吹き出し間隔時間などをパラメータとして様々なパターンを演出し得る。このようなエアー吹き出し手段を用いることにより、遊技者の手や体に直接エアーを吹き付けられ体感することにより、役の成立の告知への期待感を高めやすくなるとともに、予告演出として吹き付けられるエアーの感触によって告知時期の遠近について体感をもって予測し、頭と体を使った新しいゲームを体感することが可能となる。
【0072】
また、本発明における予告演出手段として、上述した表示手段21を用いることも可能である。すなわち、液晶表示装置などの表示手段を用いて、キャラクタを登場させ、宝物を盗む演出表示を行う。表示手段に表示されるキャラクタが遊技者の対戦相手として扱われ、このキャラクタが宝物を盗み出すことに成功したことにより、告知手段が役の成立を遊技者に対して告知するのである。告知手段における告知時期の直前に、遊技者が役の成立に応じた組み合わせで図柄を停止させたときには、表示手段に表示されるキャラクタは宝物を盗み出すことができずに、警察に捕まるといった演出表示が行われる。また、告知手段における告知時期の直前よりも前の図柄変動表示ゲームにおいて、遊技者が役の成立に応じた組み合わせで図柄を停止させたときには、キャラクタは宝物を盗み出せないものの警察に捕まらずに逃げてしまう演出表示が行われる。さらに、告知手段における告知時期よりも後の図柄変動表示ゲームにおいて、遊技者が役の成立に応じた組み合わせで図柄を停止させたときには、キャラクタは宝物を盗み出し、警察にも捕まらず逃げてしまうといった演出表示が行われるのである。これら演出は、役が成立した直後から告知手段によって告知が行われるまでの間において、図柄変動表示ゲームが消化される毎に進行させるようにしてもよく、また、常に演出表示を行うのではなくランダムなタイミングで表示手段に演出表示を行うようにしてもよい。このような表示手段におけるキャラクタを用いた演出表示によって予告演出を行うことにより、遊技者は役の成立の予告時期をキャラクタの行動や背景など画像内容の違いによって予測しやすいとともに、キャラクタを用いた演出表示を楽しみながら告知時期を予測することが可能となり、趣向性が非常に高い遊技を提供し得る。
【0073】
【発明の効果】
本発明によれば、告知手段における告知を単に役が成立したことを遊技者に知らせる役割のものにとどまらず、有利な遊技状態を提供するための重要な要因としての役割を持たせ、今までにない新しいゲームを遊技者に対して提供することを可能にしたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施の形態に関わるスロットマシンの外観斜視図である。
【図2】 図1のスロットマシンの正面図である。
【図3】 図1のスロットマシンの側面図である。
【図4】 図1のスロットマシンの上面図である。
【図5】 図1のスロットマシンの筐体の内部構造を示す概略図である。
【図6】 本実施形態の振動手段を示す概略斜視図である。
【図7】 本実施形態の振動手段を示す概略平面図である。
【図8】 図1のスロットマシンのハードブロック図である。
【図9】 本実施形態の振動手段における振動態様表である。
【図10】 本実施形態において振動態様を選択する際に用いられる振動態様選択表である。
【図11】 本実施形態において振動手段による予告演出の時期を決定するための予告演出時期パターン抽選表である。
【図12】 本実施形態において選択された各振動態様の予告時期を順次決定し設定する設定テーブルである。
【図13】 本実施形態における告知時期と停止時期との関係を示すタイムテーブルである。
【図14】 本実施形態において遊技者に提供される有利な遊技状態の具体例を示す表である。
【図15】 この発明の実施の形態を示すスロットマシンの変形例の動作フロー図である。
【図16】 この発明の実施の形態を示すスロットマシンの変形例の動作フロー図である。
【図17】 本実施形態において告知手段としての表示手段の告知態様の一例を示す図である。
【図18】 本実施形態において告知手段としての表示手段の告知態様の一例を示す図である。
【図19】 本実施形態において告知手段としての表示手段の告知態様の一例を示す図である。
【図20】 本発明の予告演出手段としてエアー吹き出し手段を用いたスロットマシンを示す概略正面図である。
【符号の説明】
1 スロットマシン
6 制御手段
12 左リール
13 中リール
14 右リール
23 停止ボタンスイッチ
23A 左リール停止ボタンスイッチ
23B 中リール停止ボタンスイッチ
23C 右リール停止ボタンスイッチ
Claims (8)
- 複数の図柄を少なくとも3つ以上の領域で変動表示し、内部抽選の抽選結果によって役が成立したことに応じて、遊技者の図柄停止操作入力により前記複数の領域において前記役ごとに設定された所定の図柄で停止制御可能とし、前記抽選結果によってボーナス役が成立したことにより、各前記複数の領域において前記ボーナス役に応じた組み合わせで図柄が停止したことを条件に遊技者に多くの遊技媒体を提供し得る特別遊技へ移行し得るとともに前記ボーナス役に応じた組み合わせで図柄が停止できるまで前記ボーナス役を持ち越すよう制御し、前記複数の領域で前記図柄を変動表示した後に停止することを一回の変動表示ゲームとするスロットマシンであって、
前記抽選結果によって前記ボーナス役が成立したことを告知する告知手段と、
前記抽選結果によって前記ボーナス役が成立した直後の前記変動表示ゲームを基点としてその後何回目の変動表示ゲームの直後に前記告知手段により該ボーナス役の成立を告知するかを抽選により決定する告知時期決定手段とを備え、
前記告知時期決定手段により決定された前記ボーナス役の成立の告知を行う直前の変動表示ゲームの時期と、遊技者の図柄停止操作入力により各前記複数の領域において成立した前記ボーナス役に応じた組み合わせで図柄が停止されたときの変動表示ゲームの時期との関係に応じて、遊技者に有利な遊技状態を提供するように設定したことを特徴とするスロットマシン。 - 前記特別遊技において、提供し得る遊技媒体数の上限を変化させることにより、遊技者に有利な遊技状態を提供することを特徴とする請求項1に記載のスロットマシン。
- 前記特別遊技とは別に、遊技者に多くの遊技媒体を提供し得る別の付加遊技を実行させることにより、遊技者に有利な遊技状態を提供することを特徴とする請求項1に記載のスロットマシン。
- 前記ボーナス役の成立の告知を行う直前の変動表示ゲームである第1の変動表示ゲーム、該第1の変動表示ゲームの後に行われる第2の変動表示ゲーム、及び前記第1の変動表示ゲームより以前に行われる第3の変動表示ゲームのうち、いずれの変動表示ゲームのときに各前記複数の領域において成立した前記ボーナス役に応じた組み合わせで図柄が停止されるかによって、遊技者に提供する有利な遊技状態の度合いが異なることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のスロットマシン。
- 前記抽選結果によって前記ボーナス役が成立してから前記告知手段により告知されるまでの間に、当該告知手段の告知を遊技者に予告させる演出を行う予告演出手段が備えられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のスロットマシン。
- 前記予告演出手段は、前方に向かってエアーを吹き出すエアー吹き出し手段であることを特徴とする請求項5に記載のスロットマシン。
- 前記予告演出手段は遊技者に振動を体感させる振動手段であり、当該振動手段は遊技者の図柄停止操作入力を可能とする停止入力手段を振動させるべく当該停止入力手段の近傍の位置に設けられていることを特徴とする請求項5に記載のスロットマシン。
- 複数の図柄を少なくとも3つ以上の領域で変動表示し、内部抽選の抽選結果によって役が成立したことに応じて、遊技者の図柄停止操作入力により前記複数の領域において前記役ごとに設定された所定の図柄で停止制御可能とし、前記抽選結果によってボーナス役が成立したことにより、各前記複数の領域において前記ボーナス役に応じた組み合わせで図柄が停止したことを条件に遊技者に多くの遊技媒体を提供し得る特別遊技へ移行し得るとともに前記ボーナス役に応じた組み合わせで図柄が停止できるまで前記ボーナス役を持ち越すよう制御し、前記複数の領域で前記図柄を変動表示した後に停止することを一回の変動表示ゲームとするものであり、前記抽選結果によって前記ボーナス役が成立したことを告知する告知手段と、前記内部抽選の抽選結果によって前記ボーナス役が成立した直後の前記変動表示ゲームを基点としてその後何回目の変動表示ゲームの直後に前記告知手段により該ボーナス役の成立を告知するかを抽選により決定する告知時期決定手段とを備えたスロットマシンを制御するための制御プログラムであって、前記スロットマシンを、前記告知時期決定手段により決定された前記ボーナス役の成立の告知を行う直前の変動表示ゲームの時期と、遊技者の図柄停止操作入力により各前記複数の領域において成立した前記ボーナス役に応じた組み合わせで図柄が停止されたときの変動表示ゲームの時期との関係に応じて、遊技者に有利な遊技状態を提供するように機能させるための制御プログラム。
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