JP5468987B2 - 既設マンホールの耐震化方法 - Google Patents
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Description
下水道本管がマンホール側壁に剛接合されている既設マンホールでは、地震動が加わると、マンホールと下水道管との動きに違いが生じる。この動きの違いを吸収できない場合には、マンホールや下水道管の破損を招く。
しかし、以前に敷設された下水道管渠施設には、マンホールにフレキシブルジョイントが取り付けられていないのが現状である。
このため、阪神淡路大震災(平成7年1月発生)では、マンホールと下水道管との接合部、およびマンホールから1本目の下水道管に多くの被害が見られた。
熟練を要する。施工費が嵩む。工期がかかる。交通障害を引き起こす。
マンホール側壁の側壁孔に下水道本管が剛接合されている既設マンホールを以下の工程を経て耐震化する
(下水道本管削除工程)
マンホール側壁の側壁孔に下水道本管が剛接合されている既設マンホールの、剛接合部分の下水道本管の管基部を外壁近傍部分を残して削除し、耐震継手の収容スペースを確保する。
マンホール側壁の厚さより管長が長く、下水道本管の内径に管外径が略等しく、基部外周に耐震継手を取り付けた代用管を、マンホール内から下水道本管内へ先部から挿入する。
(充填材充填工程)
耐震継手が収納されている収容スペースのマンホール内壁側に充填材をマンホール本体内から充填して隙間を塞ぐ。
マンホール側壁の側壁孔に下水道本管が剛接合されている既設マンホールを以下の工程を経て耐震化する
(下水道本管削除工程)
マンホール側壁の側壁孔に下水道本管が剛接合されている既設マンホールの、剛接合部分の下水道本管の管基部を外壁近傍部分を残して削除し、耐震継手の収容スペースを確保する。
マンホール側壁の厚さより管長が長く、下水道本管の内径に管外径が略等しい代用管を、マンホール内から下水道本管内へ先部から挿入する。
(耐震継手取付工程)
代用管の基部外周の収容スペースへ耐震継手を嵌め込んで取り付ける。
(充填材充填工程)
耐震継手が収納されている収容スペースのマンホール内壁側に充填材をマンホール本体内から充填して隙間を塞ぐ。
下水道本管−代用管間を軟接続するため、ゴム製パッキンを代用管の先端に取り付けている。
下水道本管削除工程において、既設マンホールの、剛接合部分の下水道本管の管基部を外壁近傍部分を残して削除しているのでマンホール内が地山と連通しないため、地下水や土砂がマンホール内へ流入しない。この為、簡単な工具で剛接合部分の管基部を削除することができる。
このため、代用管が下水道本管として機能し、施工後は勿論、施工時においても、下水道本管からマンホールへの汚水の流れ込みを阻害しない。なお、代用管の基部外周に耐震継手を取り付けているので、代用管の挿入と同時に耐震継手を収容スペースへ収納することができる。
代用管の基部外周の収容スペース内に耐震継手を収容しているので、既設マンホールを耐震化することができる。
下水道本管削除工程において、既設マンホールの、剛接合部分の下水道本管の管基部を外壁近傍部分を残して削除しているのでマンホール内が地山と連通しないため、地下水や土砂がマンホール内へ流入しない。この為、簡単な工具で剛接合部分の管基部を削除することができる。
下水道本管の口径が大きくても、外壁近傍部分を残して、削岩機等の簡単な工具で剛接合部分の管基部を削除することができる。
このため、代用管が下水道本管として機能し、施工後は勿論、施工時においても、下水道本管からマンホールへの汚水の流れ込みを阻害しない。
代用管の基部外周の収容スペース内に耐震継手を嵌め込んで取り付けているので、既設マンホールを耐震化することができる。
ゴム製パッキンを代用管の先端に取り付けているので、下水道本管と代用管とが軟接続される。
下水道本管が地震動で動くとゴム製パッキンが、その動きを吸収して地震動が代用管へ伝わるのを防ぐので、代用管の破損を防止できる。
マンホール側壁の側壁孔に下水道本管が剛接合されている既設マンホールの、剛接合部分の下水道本管の管基部を外壁近傍部分を残して削除し、耐震継手の収容スペースを確保する(下水道本管削除工程)。
代用管の基部外周の収容スペースへ耐震継手を嵌め込んで取り付ける(耐震継手取付工程)。
耐震継手が収納されている収容スペースのマンホール内壁側に充填材をマンホール内から充填して隙間を塞ぐ(充填材充填工程)。
マンホール内が地山と連通しないため、耐震化工事中に、地山の地下水や土砂がマンホール内へ流入しない。
切削マシンを必要としない。
また、下水道本管の口径が大きくても、外壁近傍部分を残して、簡単な工具で剛接合部分の下水道本管の管基部を削除することができる。
代用管が下水道本管として機能し、施工後は勿論、施工時においても、下水道本管からマンホールへの汚水の流れ込みを阻害しない。
本発明の実施例1(請求項1に対応)に係る既設マンホールの耐震化方法を図1および図2に基づいて説明する。
土中に埋設された既設マンホール(コンクリート製)は、底版の端縁から立設するマンホール側壁の側壁孔に下水道本管(ヒューム管)を剛接合してなる。
(下水道本管削除工程)
マンホール側壁11の側壁孔10に下水道本管2が剛接合されている既設マンホールの、剛接合部分の下水道本管2の管基部を、削岩機等の工具(図示せず)を用い、外壁近傍部分を残して撤去し、耐震継手3の収容スペース12を確保する(図1参照)。
マンホール側壁11の厚さより管長が長く、下水道本管2の内径に管外径が略等しく、基部外周に耐震継手3を取り付けた代用管4を、マンホール本体1内から、下水道本管2内へ先部から挿入する{図2の(a)、(b)参照}。
耐震継手3が収納されている収容スペース12のマンホール内壁側にマンホール充填材mをマンホール本体1内から充填して隙間を塞ぐ{図2の(c)参照}。
マンホール側壁11の側壁孔10に下水道本管2が剛接合されている既設マンホールの、剛接合部分の下水道本管2の管基部を、削岩機等の工具を用い、外壁近傍部分を残して撤去する工法であるので、大がかりな切削マシンを必要としない。
また、マンホール本体1内が地山と連通しないため、地山の地下水や土砂がマンホール本体1内へ流入しない。
このため、代用管4が下水道本管2として機能し、施工後は勿論、施工時においても、下水道本管2からマンホール本体1への汚水の流れ込みを阻害しない。なお、代用管4の基部外周に耐震継手3を取り付けているので、代用管4の挿入と同時に耐震継手3を収容スペース12へ収納することができる。
代用管4の基部外周の収容スペース12内に耐震継手3を収容しているので、既設マンホールを耐震化することができる。なお、地中からマンホール本体1や下水道本管2を掘り起こしたり、埋め直す必要がない。
本発明の実施例2(請求項2に対応)に係る既設マンホールの耐震化方法を図1〜図3に基づいて説明する。
土中に埋設された既設マンホール(コンクリート製)は、底版の端縁から立設するマンホール側壁の側壁孔に下水道本管(ヒューム管)を剛接合してなり、後述する工程を経て耐震化済マンホールBに改修される。
マンホール側壁11の側壁孔10に下水道本管2が剛接合されている既設マンホールの、剛接合部分の下水道本管2の管基部を、削岩機等の工具(図示せず)を用い、外壁近傍部分を残して撤去し、耐震継手3の収容スペース12を確保する(図1参照)。
マンホール側壁11の厚さより管長が長く、下水道本管2の内径に管外径が略等しい代用管5を、マンホール本体1内から、下水道本管2内へ先部から挿入する{図3の(a)参照}。
マンホール本体1内から収容スペース12へ耐震継手3を嵌め込み、代用管5の基部外周に耐震継手3を取り付ける{図3の(b)および図2の(b)参照}。
耐震継手3が収納されている収容スペース12のマンホール内壁側にマンホール充填材mをマンホール本体1内から充填して隙間を塞ぐ{図2の(b)、(c)参照}。
既設マンホールの、下水道本管2とマンホール側壁11とが剛接合されている剛接合部分の下水道本管2の管基部を、削岩機等の工具を用い、外壁近傍部分を残して削除しているので、大がかりな切削マシンを必要としない。
また、マンホール内が地山と連通しないため、地下水や土砂がマンホール内へ流入しない。
このため、代用管5が下水道本管2として機能し、施工後は勿論、施工時においても、下水道本管2からマンホール本体1への汚水の流れ込みを阻害しない。
代用管5の基部外周の収容スペース12に耐震継手3を嵌め込んで取り付けているので、既設マンホールを耐震化することができる。なお、地中からマンホール本体1や下水道本管2を掘り起こしたり、埋め直す必要がない。
本発明の実施例3(請求項3に対応)に係る既設マンホールの耐震化方法を図1、図4に基づいて説明する。
土中に埋設された既設マンホール(コンクリート製)は、底版の端縁から立設するマンホール側壁の側壁孔に下水道本管(ヒューム管)を剛接合してなり、後述する工程を経て耐震化済マンホールCに改修される。
マンホール側壁11の側壁孔10に下水道本管2が剛接合されている既設マンホールの、剛接合部分の下水道本管2の管基部を、削岩機等の工具(図示せず)を用い、外壁近傍部分を残して撤去し、耐震継手6の収容スペース12を確保する(図1参照)。
マンホール側壁11の厚さより管長が長く、下水道本管2の内径に管外径が略等しく、基部外周に耐震継手6を取り付けた代用管4を、マンホール本体1内から、下水道本管2内へ先部から挿入する{図4の(a)、(b)参照}。
耐震継手6が収納されている収容スペース12のマンホール内壁側にマンホール充填材mをマンホール本体1内から充填して隙間を塞ぐ{図4の(c)参照}。
マンホール側壁11の側壁孔10に下水道本管2が剛接合されている既設マンホールの、剛接合部分の下水道本管2の管基部を、削岩機等の工具を用い、外壁近傍部分を残して撤去する工法であるので、大がかりな切削マシンを必要としない。
また、マンホール本体1内が地山と連通しないため、地山の地下水や土砂がマンホール本体1内へ流入しない。
下水道本管2の口径が大きくても、剛接合部分の下水道本管2の管基部を、外壁近傍部分を残して、削岩機等の簡単な工具で撤去することができる。
下水道本管2が地震動で動くとゴム製パッキン7が、その動きを吸収して地震動が代用管4へ伝わるのを防ぐので、代用管4の破損を防止できる。
図7は、地震動で下水道本管2が破壊されると予想される箇所41を示し、代用管4が、その箇所41より奥へ挿入されているので代用管4が破損せず、汚水の流出を防止できる。
なお、ゴム製パッキン7により、下水道本管2と代用管4との間の隙間がなくなるので、下水道本管2から汚水が円滑にマンホール本体内1へ流れる。
このため、代用管4が下水道本管2として機能し、施工後は勿論、施工時においても、下水道本管2からマンホール本体1への汚水の流れ込みを阻害しない。なお、代用管4の基部外周に耐震継手6を取り付けているので、代用管4の挿入と同時に耐震継手6を収容スペース12へ収納することができる。
代用管4の基部外周の収容スペース12内に耐震継手6を収容しているので、既設マンホールを耐震化することができる。なお、地中からマンホール本体1や下水道本管2を掘り起こしたり、埋め直す必要がない。
m マンホール充填材
1 マンホール本体
2 下水道本管
3、6 耐震継手
4、5 代用管
7 ゴム製パッキン
10 側壁孔
11 マンホール側壁
12 収容スペース
Claims (3)
- マンホール側壁の側壁孔に下水道本管が剛接合されている既設マンホールの、剛接合部分の下水道本管の管基部を外壁近傍部分を残して削除し、耐震継手の収容スペースを確保する下水道本管削除工程と、
前記マンホール側壁の厚さより管長が長く、前記下水道本管の内径に管外径が略等しく、基部外周に前記耐震継手を取り付けた代用管を、マンホール内から下水道本管内へ先部から挿入する代用管挿入工程と、
前記耐震継手が収納されている前記収容スペースのマンホール内壁側に充填材をマンホール本体内から充填して隙間を塞ぐ充填材充填工程とからなる既設マンホールの耐震化方法。 - マンホール側壁の側壁孔に下水道本管が剛接合されている既設マンホールの、剛接合部分の下水道本管の管基部を外壁近傍部分を残して削除し、耐震継手の収容スペースを確保する下水道本管削除工程と、
前記マンホール側壁の厚さより管長が長く、前記下水道本管の内径に管外径が略等しい代用管を、マンホール内から下水道本管内へ先部から挿入する代用管挿入工程と、
前記代用管の基部外周の前記収容スペースへ前記耐震継手を嵌め込んで取り付ける耐震継手取付工程と、
前記耐震継手が収納されている前記収容スペースのマンホール内壁側に充填材をマンホール本体内から充填して隙間を塞ぐ充填材充填工程とからなる既設マンホールの耐震化方法。 - ゴム製パッキンを前記代用管の先端に取り付け、前記下水道本管−前記代用管間を軟接続したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の既設マンホールの耐震化方法。
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