JP5466741B2 - 減速装置 - Google Patents
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Description
外歯歯車は、内歯歯車と異なる歯数を有しており、内歯歯車に囲まれている。外歯歯車は、内歯歯車と噛みあった状態を維持して、内歯歯車の軸線の周りに公転しながら自転する。外歯歯車には、中心からオフセットされた位置に複数個の貫通孔が形成されている。
キャリアは、内歯歯車の軸線の周りに自転可能に支持されている。また、キャリアの一部は、外歯歯車に形成されている一部の貫通孔を通過している。貫通孔とキャリアの間には隙間が確保されている。そのため、キャリアは、外歯歯車がキャリアの軸線の周りに公転することを許容しつつ、外歯歯車の自転に追従して自転する。
クランク軸は、キャリアに対して自転可能な軸部と、軸部に固定されているとともに軸部を自転させる入力歯車部と、軸部に固定されているとともに軸部の軸線からオフセットされた位置に中心を有する偏心円板部を備えている。クランク軸の偏心円板部は、外歯歯車の一部の貫通孔(キャリアが挿入されていない貫通孔)に嵌りこんでいる。
軸受は、クランク軸の軸部とキャリアの間に配置されている。また、軸受は、クランク軸の軸部をキャリアに対して自転可能に支持している。
クランク軸の入力歯車部が自転すると、クランク軸の偏心円板部が偏心回転する。クランク軸の偏心円板部が偏心回転すると、外歯歯車が内歯歯車に対して公転しながら自転する。外歯歯車が自転すると、キャリアが内歯歯車に対して自転する。
本発明の減速装置では、クランク部材の入力歯車部が自転すると、クランク部材に形成されている偏心円板部が偏心回転する。偏心円板部が偏心回転すると、外歯歯車が内歯歯車の軸線の周りを公転する。また、外歯歯車は、内歯歯車の軸線の周りを公転しながら内歯歯車に対して自転する。外歯歯車が内歯歯車に対して自転すると、キャリアが内歯歯車に対して自転する。
上記の減速装置によると、偏心円板部が嵌りこんでいる外歯歯車の貫通孔の内側に軸受を配置することができるために、偏心円板部以外のクランク部材の軸線方向の長さを短縮することができる。より好ましくは、軸受は、クランク部材の軸線に沿って偏心円板部が形成されている範囲内にのみ、あるいは、偏心円板部と入力歯車部が形成されている範囲内にのみ位置している。すなわち、クランク部材を、偏心円板部と入力歯車部だけで形成することができる。クランク部材の軸線方向の長さを最短にすることによって、減速装置の回転軸線方向の長さを短くすることができる。
上記の減速装置によると、クランク部材は、支持軸の周りに自転可能に支持されるのみならず、軸線方向に移動することも拘束される。減速装置の作動中にクランク部材が軸線方向にがたつくことを抑制できる。また、クランク部材を支持軸の周りに自転可能に支持するために、安価な円筒ころ軸受タイプの軸受を使用することができる。減速装置の部品コストを低くすることができる。
上記の減速装置によると、1種類の軸受を配置するだけで、クランク部材が支持軸の周りに自転可能に支持されるのみならず、軸線方向に移動することも拘束される。使用する部品の数を増やすことなく、減速装置の作動中にクランク部材が軸線方向にがたつくことを抑制できる。
キャリアが内歯歯車の外側にまで伸びており、内歯歯車の外側にまで伸びている部分のキャリアと内歯歯車の間に軸受が配置されている減速装置はこれまでも知られていた。しかしながら、従来の技術では、内歯歯車の外側にまで伸びている部分のキャリアと内歯歯車の間に軸受を配置することが、減速装置の回転軸線方向の長さを短くすることに寄与していなかった。上記したように、従来の減速装置では、クランク軸の偏心円板部の両側に軸部を形成する。その軸部とキャリアの間に、クランク軸をキャリアに対して自転可能に支持するための軸受を配置する。従来の減速装置では、上記の方法を採用しても、減速装置の回転軸線方向の長さを短くすることはできない。クランク軸の軸線方向の長さが変化しないからである。従来の減速装置では、減速装置の回転軸線方向の長さを短くするという目的のためには、内歯歯車の外側にまで伸びているキャリアと内歯歯車の間に軸受を配置することが無意味である。キャリアを内歯歯車の外側にまで伸ばすことは、減速装置の半径を大きくするだけであった。クランク軸(本発明のクランク部材に相当する)の軸線方向の長さを短くすることによって初めて、内歯歯車の外側にまで伸びている部分のキャリアと内歯歯車の間に軸受を配置することが、減速装置の回転軸線方向の長さを短くすることに寄与する。
上記の減速装置によると、内歯歯車の軸線とモータ等の軸線を同軸に配置することができる。減速装置とモータ等のレイアウトをコンパクトにすることができる。さらに、複数のクランク部材を使用する場合に、モータ等のトルクを各々のクランク部材に均等に伝達することができる。すなわち、モータ等のトルクが1つのクランク部材にだけ加えられることを防止できる。クランク部材に加えられる負荷が分散されるため、クランク部材の耐久性が高く(寿命が長く)なる。
請求項2の減速装置によると、軸受を、クランク部材の軸線に沿って偏心円板部と外歯歯車が係合する範囲内配置できる。その軸受によって、クランク部材を支持軸の周りに回転可能に支持することができる。その結果、クランク部材の軸線方向の長さをさらに短くできる。
請求項3,4の減速装置によると、クランク部材を支持軸に対して自転可能に支持するとともにクランク部材が軸線方向へ移動することを拘束できる。
(第1特徴) 支持軸24とクランク部材22の間に、針状ころ軸受26が配置されている。針状ころ軸受26によって、クランク部材22は、支持軸24に対して自転可能に支持されている。クランク部材22の軸線方向の両端に、一対のスラストワッシャー23a、23bが配置されている。クランク部材22は、スラストワッシャー23a、23bによって、支持軸24に対して軸線方向へ移動することが拘束されている。
(第2特徴) キャリア38bが内歯歯車56の外側にまで伸びており、支持部50の第1支持部48を形成している。支持部50と内歯歯車56の間に、一対のアンギュラ玉軸受12a、12bが配置されている。内歯歯車56は、一対のアンギュラ玉軸受12a、12bによって、支持部50に対して自転可能であるとともに軸線方向への移動が拘束されている。
(第3特徴) 減速装置10の中心部分に、クランク部材22の歯車30(入力歯車部)に噛みあう平歯車32が配置されている。
(第4特徴) 外歯歯車20a、20bとキャリア38a、38bと平歯車32の中央部分に、貫通孔が形成されている。
(第5特徴) 支持軸124とクランク部材22の間に、一対の円すいころ軸受126a、126bが配置されている。クランク部材22は、一対の円すいころ軸受126a、12bによって、支持軸124に対して自転可能であるとともに軸線方向への移動が拘束されている。
(第6特徴) ロボットアーム200の前段アーム82に減速装置10の支持部50が接続され、後段アーム78に減速装置10の内歯歯車56が接続されている。後段アーム78は、前段アーム82に対して、軸線CLの周りに自転可能である。
(第1実施例)
図1は、本実施例の減速装置10の要部断面図を示している。図2は、図1の減速装置10から、後述するキャリア38aとオイルシール34aとオイルシール18と歯車部32aを取り除き、図中の矢印Aから観察した平面図を示している。図3は、図2の破線で囲った領域Bの拡大図を示している。
減速装置10は、内歯歯車56と、一対の外歯歯車20a,20bと、キャリア38a,38bと、3本のクランク部材22a,22c,22eと、3個の円筒ころ軸受(ここでは、針状ころ軸受)26a,26c,26eを備えている。以下では、複数個が存在する同一種類の部品に共通な事象を説明する場合には、アルファベットの添え字を省略することがある。
上記の外歯歯車20aの説明は、そのまま外歯歯車20bにも適用される。外歯歯車20bの6個の貫通孔は、59a〜59fで示される。外歯歯車20aと外歯歯車20bは、内歯歯車56の軸線60(図1も参照)に対して対称方向に偏心している。
図1に示すように、外歯歯車20a,20bは、共通の内歯ピン16を介して内歯歯車56と噛みあっている。
後記するように、キャリア38bが内歯歯車56の軸線60の周りに自転するので、外歯歯車20a、20bは、内歯歯車56の軸線60の周りに自転する。
一対のアンギュラ玉軸受12a,12bは、内歯歯車56の軸線方向のほぼ全長にわたって配置されている。すなわち、内歯歯車56と外歯歯車20a,20bが噛みあっている軸線方向の長さの範囲内に、一対のアンギュラ玉軸受12a,12bが配置されている。内歯歯車56と外歯歯車20a,20bが噛みあっている軸線方向の長さの範囲内に一対のアンギュラ玉軸受12a,12bが配置されることによって、外歯歯車20a,20bと噛みあう部分以外の内歯歯車56の軸線方向の長さを短縮している。すなわち、内歯歯車56とキャリア38a、38bの間に軸受を配置するために、内歯歯車56の軸線60方向の長さを長くする必要がない。また、アンギュラ玉軸受12a,12bが正面組合わせに配置されているため、アンギュラ玉軸受が背面組合わせに配置されている場合よりも、内歯歯車56の軸線方向の長さが短縮されている。なお、「背面組合わせ」とは、アンギュラ玉軸受12a,12bの「内輪」が、「玉」に対して、内歯歯車56の軸線60方向の外側から圧力をかけている状態のことをいう。
各々のクランク部材22の軸線方向の両端に、一対のスラストワッシャー23a,23bが配置されており、減速装置10の作動中に、クランク部材22が軸線方向にがたつくことを抑制している。
針状ころ軸受26は、クランク部材22の軸線方向の長さのほぼ全長にわたって配置されている。偏心円板部25,27が形成されている軸線方向の長さの範囲内に針状ころ軸受26が配置されることによって、クランク部材22の偏心円板部25,27以外の長さを短縮している。すなわち、クランク部材22とキャリア38a、38bの間に軸受を配置するために、クランク部材22の軸線方向の長さを長くする必要がない。
偏心円板部25,27は、支持軸24の軸線66(図3を参照)からオフセットされた位置に中心65(図3を参照)を有している。偏心円板部25と27では、オフセット方向が逆向きである。すなわち、偏心円板部25の中心65と、偏心円板部27の中心は、支持軸24の軸線66(図3を参照)をはさんだ反対側にある。
偏心円板部25aは、外歯歯車20aの貫通孔58aに嵌りこんでおり、偏心円板部27aは、外歯歯車20bの貫通孔59aに嵌りこんでいる。偏心円板部25cは、外歯歯車20aの貫通孔58cに嵌りこんでおり、偏心円板部27cは、外歯歯車20bの貫通孔59cに嵌りこんでいる。偏心円板部25eは、外歯歯車20aの貫通孔58eに嵌りこんでおり、偏心円板部27eは、外歯歯車20bの貫通孔59eに嵌りこんでいる。
偏心円板部25cと外歯歯車20aの貫通穴58cの間には、針状ころ軸受28cが配置されている。偏心円板部25cは、針状ころ軸受28cによって、外歯歯車20aの貫通穴58cの内側で自転することができる。偏心円板部27cと外歯歯車20bの貫通穴59cの間には、針状ころ軸受29cが配置されている。偏心円板部27cは、針状ころ軸受29cによって、外歯歯車20bの貫通穴59cの内側で自転することができる。
偏心円板部25eと外歯歯車20aの貫通穴58eの間には、針状ころ軸受28eが配置されている。偏心円板部25eは、針状ころ軸受28eによって、外歯歯車20aの貫通穴58eの内側で自転することができる。偏心円板部27eと外歯歯車20bの貫通穴59eの間には、針状ころ軸受29eが配置されている。偏心円板部27eは、針状ころ軸受29eによって、外歯歯車20bの貫通穴59eの内側で自転することができる。
外歯歯車20aが軸線60の周りを公転すると、内歯歯車56に噛み合っているために、外歯歯車20aは内歯歯車56に対して自転する。外歯歯車20aが自転すると、キャリア38a,38bが内歯歯車56に対して自転する。
同様に、各々のクランク部材22の歯車30が自転すると、偏心円板部27a、27c、27eの中心65が、支持軸24a、24c、24eの軸線66の周りを、矢印70に示すように公転する。偏心円板部27a、27c、27eが軸線66の周りに公転すると、外歯歯車20bが、内歯歯車56に対して内歯歯車56の軸線60の周りを矢印62(図2を参照)に示すように公転する。外歯歯車20bが軸線60の周りを公転すると、外歯歯車20bが内歯歯車56に噛み合っているために、外歯歯車20bは内歯歯車56に対して自転する。外歯歯車20bが自転すると、キャリア38a,38bが内歯歯車56に対して自転する。
内歯歯車56の自転が拘束されると、外歯歯車20aは、内歯歯車56の内部を矢印62の方向に公転しつつ、矢印62とは反対方向に自転する。外歯歯車20aが自転すると、支持軸24a、24c、24eと柱状部52b、52d、52fが、外歯歯車20aの自転に追従して公転する。すなわち、キャリア38a、38b(図1参照)が矢印62とは反対方向に自転し、減速装置10の出力部となる。一方、外歯歯車20aの自転が拘束されると、外歯歯車20aは、内歯歯車56の内部を矢印62の方向に公転する。外歯歯車20aが公転すると、内歯歯車56は、矢印62の方向に自転する。内歯歯車56が減速装置10の出力部となる。外歯歯車20aの自転が拘束されるときには、キャリア38a,38bは自転も公転もしない。
本実施例では、内歯歯車56の歯数が52本であり、外歯歯車20aの歯数が51本である。よって、内歯歯車56の自転が拘束されると、外歯歯車20aが52回公転するたびに外歯歯車20aが1回自転する。一方、外歯歯車20aの自転が拘束されると、外歯歯車20aが52回公転するたびに内歯歯車56が1回自転する。
クランク部材22が自転すると、クランク部材22の偏心円板部25、27は、支持軸24の軸線66(図3参照)の周りを公転する。偏心円板部25、27が公転すると、外歯歯車20a、20bは、内歯ピン16を介して内歯歯車56に噛みあった状態で矢印62(図2参照)の方向に公転する。内歯歯車56の自転を拘束すると、外歯歯車20a、20bは、内歯歯車56に噛みあった状態で公転しながら自転する。外歯歯車20a、20bが自転すると、キャリア30a、30bが軸線60の周りを自転する。一方、外歯歯車20a,20bの自転を拘束すると、外歯歯車20a,20bは、内歯歯車56に噛みあった状態で矢印62の方向に公転する。外歯歯車20a,20bが公転すると、内歯歯車56が軸線60の周りを矢印62の方向に自転する。
内歯歯車56と外歯歯車20a,20bの歯数を調整することによって、クランク部材22の自転速度と減速装置10の出力部の自転速度の比を変化させることができる。
図4は、本発明の他の減速装置100の要部断面図を示している。ここでは、第1実施例と相違する部分のみ説明する。第1実施例と同様の部材については、第1実施例と同じ参照番号を付すことによって説明を省略する。
減速装置100では、減速装置10で使用されているスラストワッシャー23a,23bは使用されていない。クランク部材22は、外歯歯車20aの貫通孔58と外歯歯車20bの貫通孔59と、支持軸124の間に介在している。支持軸124とクランク部材22の間に、一対の軸受(ここでは、円すいころ軸受)126a,126bが配置されている。一対の軸受126a,126bによって、クランク部材22が支持軸124の周りに自転可能に支持されるとともに、クランク部材22が軸線方向へ移動することを拘束している。さらに、一対の円すいころ軸受126a,126bによって、支持軸124とクランク部材22の間に、軸線方向と直交する方向に予圧を加えることができる。減速装置100の作動中にクランク部材22が支持軸124の軸線に対してがたつくことを抑制できる。また、一対の円すいころ軸受126a,126bは、クランク部材22の軸線方向の長さのほぼ全長にわたって配置されている。すなわち、偏心円板部25,27が形成されている軸線方向の長さの範囲内に円すいころ軸受126a,126bが配置されている。クランク部材22の偏心円板部25,27以外の長さが短縮されている。
図5に、本発明の減速装置10を使用した産業用ロボットの関節部200の要部断面図を示している。関節部200は、前段アーム82と後段アーム78と減速装置10を有している。前段アーム82は、ボルト80によって、減速装置10の支持部50に固定されている。後段アーム78は、ボルト76によって、減速装置10の内歯歯車56に固定されている。前段アーム82に孔86が形成されており、後段アーム78に孔88が形成されている。孔86と孔88と平歯車32の孔54は連通している。孔86、88、54の内部を、配線や別の減速装置に自転を伝達するための部材が通過することができる。後段アーム78は、前段アーム82に対して軸線CLの周りに自転することができる。
空間84には、自転を出力することが可能なモータ等が配置されている。モータ等の出力部の自転は減速装置10の突条55に伝達される。突条55が自転することによって、内歯歯車56が支持部50に対して自転する。内歯歯車56が自転することによって、後段アーム78が、前段アーム82に対して軸線CL周りに自転することができる。
例えば、上記実施例では、キャリアが、内歯歯車の外側まで伸びて支持部を形成している。内歯歯車は、支持部に対して自転可能であるとともに軸線方向への移動が拘束されている。しかしながら、必ずしもキャリアが、内歯歯車の外側まで伸びて支持部を形成する必要はない。内歯歯車が、内歯歯車の内側のキャリアに対して自転可能であるとともに、軸線方向への移動を拘束されてもよい。その場合は、内歯歯車と外歯歯車の噛みあい部分を避けて、内歯歯車とキャリアの間に軸受を配置すればよい。
上記実施例では、外歯歯車の中央とキャリアの中央と平歯車の中央に、貫通孔が形成されている。減速装置の内部に配線等を通過させない場合は、貫通孔は必ずしも必要ではない。すなわち、貫通孔は、目的と用途に合わせて形成すればよい。
実施例では、キャリアの一部が、外歯歯車に形成されている貫通孔を通過している。キャリアの一部が、外歯歯車に形成されている貫通孔を通過しなくてもよい。本発明では、キャリアに固定されている支持軸が、外歯歯車に形成されている貫通孔を通過している。すなわち、外歯歯車が自転すると、支持軸が外歯歯車に追従して自転する。その結果、外歯歯車の自転に追従してキャリアが自転する。
上記実施例では、3本のクランク部材が形成されており、平歯車を介して、モータ等のトルクが3本のクランク部材に同時に伝達される。クランク部材の数は3本に限定されるものではない。さらに、モータ等のトルクを、複数のクランク部材の内の1本のクランク部材に直接伝達することもできる。モータ等のトルクをクランク部材に伝達する方法は、使用するモータ等の種類に応じて選択すればよい。
上記実施例では、2枚の外歯歯車が使用されており、内歯歯車の軸線に対して対称に偏心している。外歯歯車の枚数は2枚に限られない。外歯歯車の枚数は1枚でもよいし、3枚以上でもよい。外歯歯車の枚数を少なくすると、減速装置の回転軸方向の長さを短くすることに寄与する。外歯歯車の枚数を多くすると、減速装置の回転バランスがより向上する。目的と用途に応じて選択することができる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数の目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
Claims (4)
- 少なくとも、内歯歯車と、外歯歯車と、キャリアと、クランク部材と、一対の軸受を備えている減速装置であり、
外歯歯車は、内歯歯車と異なる歯数を有しており、内歯歯車と噛みあった状態を維持して内歯歯車の軸線の周りに公転しながら自転することが可能な状態で内歯歯車に囲まれており、中心からオフセットされた位置に貫通孔が形成されており、
キャリアは、内歯歯車の軸線の周りに自転可能に支持されているとともに、外歯歯車の貫通孔を通過しており、中間部に大径部が設けられている支持軸を備えており、
クランク部材は、外歯歯車の貫通孔とキャリアの支持軸の間に介在しており、支持軸の周りに自転する入力歯車部と、支持軸の軸線からオフセットされた位置に中心を有するとともに外歯歯車の貫通孔に嵌りこんでいる偏心円板部を備えており、
前記一対の軸受は、キャリアの支持軸とクランク部材の内周面との間に配置されており、クランク部材をキャリアの支持軸の周りに自転可能に支持しているとともにクランク部材がキャリアの支持軸に対してアキシャル方向及びラジアル方向に移動することを規制しており、
前記一対の軸受の各々は、前記大径部に接する内輪と、転動体と、クランク部材の内周面に固定されているリング部材に接する外輪とを備えており、
前記リング部材は、前記大径部が設けられている位置より軸方向外側でクランク部材に固定されており、その内径は前記支持軸の外径より大きく、
クランク部材の入力歯車部が自転すると、偏心円板部が偏心回転し、外歯歯車が内歯歯車に対して公転しながら自転し、キャリアが内歯歯車に対して自転することを特徴とする減速装置。 - 前記一対の軸受の少なくとも一部が、偏心円板部が形成されている軸線方向の範囲に位置していることを特徴とする請求項1の減速装置。
- キャリアが内歯歯車の外側にまで伸びており、内歯歯車の外側にまで伸びている部分のキャリアと内歯歯車の間に、両者が相対的に自転可能であるとともに両者の軸線方向への相対的変位を拘束する軸受が配置されていることを特徴とする請求項1又は2の減速装置。
- 内歯歯車の軸線の周りに自転するとともに入力歯車部に噛みあう平歯車を有し、
その平歯車が自転すると、入力歯車部が自転しながら内歯歯車の軸線の周りに公転し、
入力歯車部に挿入されている支持軸によって、入力歯車部の公転に追従してキャリアが自転することを特徴とする請求項1〜3のいずれかの減速装置。
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