JPH10231913A - 無段変速機 - Google Patents

無段変速機

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JPH10231913A
JPH10231913A JP9033919A JP3391997A JPH10231913A JP H10231913 A JPH10231913 A JP H10231913A JP 9033919 A JP9033919 A JP 9033919A JP 3391997 A JP3391997 A JP 3391997A JP H10231913 A JPH10231913 A JP H10231913A
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rotator
driven
continuously variable
ring
rotating body
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JP9033919A
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Inventor
Kenji Mimura
建治 三村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 動力を効率的に伝達することのできる無段変
速機を提供する。 【解決手段】 インプットシャフト6によって回転する
オフセットハウジング21を径方向に偏心させ、これに
より周期的に角度度の変化する各バリアブルリング39
の回転力を一方向伝達手段としての各スプラグ45によ
って出力側に伝達するようにしたので、動力を機械的な
噛み合いによって伝達することができ、従来のようにベ
ルトとプーリを用いたものに比べ、動力の伝達を効率よ
く行うことができる。また、このような構成により、イ
ンプットシャフト6とアウトプットシャフト7とを同軸
状に配置することができるので、変速機本体の小型化を
図ることも可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動力を伝達する各
種機械装置のうち、自動車または自転車等に用いられる
無段変速機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車に用いられる内燃機関は
電動機に比べて回転数の低いときにトルクが小さく、回
転数が上昇するとトルクが増大していくという特徴があ
る。従って、このような内燃機関を用いた自動変速車で
は、トルクコンバータ等を用いてトルクを増大させるこ
とにより、低回転時のトルク不足を補うようにしてい
る。しかしながら、トルクコンバータは滑りを生じなが
ら動力を伝達するため、圧着式のクラッチを用いたマニ
ュアル変速車に比べて加速や燃費の面で劣るし、僅かな
がら変速時のショックも残っている。そこで、最近では
変速比を自在に変えることのできる無段変速機が各種開
発されており、この無段変速機を用いることにより常に
エンジンの最高出力または最大トルクの発生域で走行す
ることができる。これにより、自動変速車の課題である
加速性能及び燃費の向上を達成することができ、変速時
のショックも解消される。現在、最も一般的な無段変速
機としては、金属ベルトと一対のプーリを用いたものが
知られており、このタイプでは各プーリの溝幅を連続的
に変えることによって、各プーリに巻回されたベルトの
半径を変化させて変速するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
ようにベルトとプーリの摩擦力によって動力を伝達する
無段変速機では、ベルトの滑りによって動力の伝達効率
が低下するため、大きな動力を伝達するためには装置全
体を大型化しなければならない。このため、例えば自動
車に搭載する場合には小型車に限定されるなど、幅広い
分野に利用することができないという問題点があった。
【0004】本発明は前記問題点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、動力を効率的に伝達
することのできる無段変速機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の無段変速機は前
記目的を達成するために、請求項1では、外部からの駆
動力によって回転する入力側回転体と、入力側回転体と
同軸状に配置された出力側回転体と、入力側回転体の回
転軸に対して径方向に偏心可能な回転軸を中心に回転す
る主動回転体と、主動回転体の回転軸を任意の偏心位置
に移動させる回転体偏心手段と、出力側回転体の回転軸
を中心に回転自在に設けられ、主動回転体側に径方向に
移動自在に係合する複数の従動回転体と、各従動回転体
の所定の回転方向のみの回転力を出力側に伝達する一方
向伝達手段とを備え、前記一方向伝達手段を各従動回転
体の所定の回転方向のみ出力側の所定の係止面に係止す
る複数の係止部材から構成し、各係止部材を各従動回転
体の周面に設けている。これにより、外部からの駆動力
によって入力側回転体が回転すると、入力側回転体の回
転力は主動回転体に伝達され、主動回転体の回転力は各
従動回転体及び一方向伝達手段を介して出力側回転体に
伝達される。その際、回転体偏心手段によって主動回転
体の回転軸を任意の偏心位置に移動させると、各従動回
転体における主動回転体側との係合位置から各従動回転
体の回転軸までの距離が一定でなくなるため、各従動回
転体の角速度が周期的に変化し、一方向伝達手段によっ
て所定の回転方向に対して最も角速度の速い従動回転体
の回転力が出力側に伝達され、回転体偏心手段による主
動回転体の偏心量に応じて出力側回転体の回転速度が無
段階に変速される。その際、一方向伝達手段において
は、各従動回転体の周面に配置された係止部材が従動回
転体の所定の回転方向のみそれぞれ出力側の所定の係止
面に係止することから、出力側係止面の全体に係止部材
を配置する必要がない。
【0006】また、請求項2では、請求項1記載の無段
変速機において、前記主動回転体に周方向に配置されて
揺動自在に設けられ、前記各従動回転体に径方向に移動
自在に係合する複数の揺動体と、従動回転体の角速度が
所定範囲内の位相においてほぼ一定になるように各揺動
体を従動回転体の角速度の変化に同期して揺動させる案
内手段とを備えている。これにより、外部からの駆動力
によって入力側回転体が回転すると、入力側回転体の回
転力は主動回転体に伝達され、主動回転体の回転力は各
揺動体、各従動回転体及び一方向伝達手段を介して出力
側回転体に伝達される。その際、回転体偏心手段によっ
て主動回転体の回転軸を任意の偏心位置に移動させる
と、各従動回転体における主動回転体側との係合位置か
ら各従動回転体の回転軸までの距離が一定でなくなるた
め、各従動回転体の角速度が周期的に変化するととも
に、各揺動体が案内手段によって従動回転体の角速度の
変化に同期して揺動し、従動回転体の角速度が所定範囲
内の位相においてほぼ一定になるように補正される。
【0007】
【発明の実施の形態】図1乃至第図12は本発明の一実
施形態を示すもので、図1乃至図5は無段変速機の断面
図、図6乃至図9はその分解斜視図、図10は無段変速
機の動作説明図、図11は角速度の変化を示すグラフ、
図12は無段変速機の要部拡大図である。尚、図6乃至
図9における一点鎖線は各図に対応する同一の番号で連
続することを示す。
【0008】本実施形態の無段変速機は、両端を開口し
た筒状のトランスミッションケース1と、トランスミッ
ションケース1の一端を閉塞するケースカバー2と、ト
ランスミッションケース1の他端を閉塞するケースカバ
ー3によって外装を形成され、各ケースカバー2,3は
ボルト4,5によってトランスミッションケース1に締
結されている。また、トランスミッションケース1の中
心からやや一方に偏心した軸上には、外部からの駆動力
が入力されるインプットシャフト6と、駆動力を出力す
るアウトプットシャフト7が同軸状に配置されている。
【0009】一方のケースカバー2はインプットシャフ
ト6を挿通する孔2aを有し、インプットシャフト6は
ボールベアリング8及びCリング9,10を介してケー
スカバー2に回動自在に支持されている。また、ケース
カバー2内には軸心がインプットシャフト6に対して垂
直方向に延びるウオームギヤ11が設けられ、ウオーム
ギヤ11はケースカバー2に側方から挿入されたコント
ロールシャフト12に取付けられている。
【0010】他方のケースカバー3はアウトプットシャ
フト7を挿通する孔3aを有し、アウトプットシャフト
7はボールベアリング13及びCリング14を介してケ
ースカバー3に回動自在に支持されている。
【0011】インプットシャフト6は一端を筒状に拡大
しており、その内周面にはインターナルギヤ6aが形成
されている。また、インプットシャフト6の一端面中央
には孔6bが設けられ、他端寄りの外周面にはギヤ6c
が形成されている。
【0012】アウトプットシャフト7は一端をインプッ
トシャフト6の孔6bにローラベアリング7aを介して
回動自在に挿入され、一端寄りの外周面にはギヤ7bが
形成されている。
【0013】トランスミッションケース1の内部空間は
インプットシャフト6が中心になるように径方向にやや
偏って形成され、インプットシャフト6に対して偏心し
た軸上にはインターナルギヤ15及びウォームホイール
16が配置されている。インターナルギヤ15にはイン
プットシャフト6のギヤ6cが内接して噛み合ってお
り、その外周面には一対のボールベアリング17及びC
リング18,19を介してウォームホイール16が回動
自在に支持されている。ウォームホイール16には筒状
のオフセットハウジング21がピン22を介して結合さ
れており、オフセットハウジング21はウォームホイー
ル16と一体に回動するようになっている。この場合、
オフセットハウジング21はウォームホイール16に対
して径方向に偏心して取付けられている。
【0014】オフセットハウジング21内には主動回転
体をなすギヤディスク23、オフセットリング24、揺
動体をなす計4つの可動ブロック25及びブロックハウ
ジング26が収容され、オフセットハウジング21の内
部空間はインプットシャフト6が中心になるように径方
向にやや偏って形成されている。ギヤディスク23はボ
ールベアリング27を介してウォームホイール16に回
動自在に支持され、その一端側の中央にはインターナル
ギヤ15に内接して噛み合うギヤ23aが一体に形成さ
れている。オフセットリング24はギヤディスク23と
ブロックハウジング26との間に回動自在に支持され、
ブロックハウジング26側の面には楕円形の溝24aが
設けられている。また、オフセットリング24の周面に
はピニオンギヤ28が回動自在に挿入され、ピニオンギ
ヤ28はオフセットハウジング21側に固定されたリン
グギヤ29とトランスミッションケース1側に固定され
たリングギヤ30に噛み合っている。ブロックハウジン
グ26はローラベアリング31を介してオフセットハウ
ジング21に回動自在に支持され、その一端にはギヤデ
ィスク23がボルト32によって固定されている。ま
た、ブロックハウジング26の他端には周方向に配列さ
れた計4つの孔26aが軸方向に貫通して設けられ、各
孔26a内には各可動ブロック25がそれぞれ収容され
ている。各可動ブロック25はブロックハウジング26
の径方向に延びる溝25aを有し、この溝25aの背面
側中央部分をギヤディスク23に固定されたシャフト3
3に回動自在に支持されている。また、各可動ブロック
25は回動中心から径方向に偏位した部分に孔25bを
有し、この孔25bには先端をオフセットリング24の
溝24aに嵌入するピン34が多数のローラ35を介し
て挿入されている。
【0015】ブロックハウジング26には筒状のクラッ
チシリンダ36が対向して配置され、クラッチシリンダ
36はローラベアリング37を介してインプットシャフ
ト6に、ボールベアリング38及び一対のCリング38
a,38bを介してトランスミッションケース1にそれ
ぞれ回動自在に支持されている。クラッチシリンダ36
内には周方向に配列された従動回転体をなす計4つのバ
リアブルリング39が収容され、各バリアブルリング3
9は多数のローラ40を介してクラッチシリンダ36に
回動自在に支持されている。また、各バリアブルリング
39は互いにワッシャ41を介して同軸状に配置され、
その周方向の一部にはブロックハウジング26側に延び
るロッド39aとクラッチシリンダ36の内周面に臨む
溝39bが一体に設けられている。この場合、各バリア
ブルリング39ではそれぞれのロッド39a及び溝39
bの軸方向の位置が一致するようにリング部分を互い違
いにずらして形成されている。各バリアブルリング39
は各可動ブロック25に一つずつ対向しており、各可動
ブロック25の溝25aには各バリアブルリング39の
ロッド39aがスペーサリング42、ローラベアリング
43及び一対のワッシャ44を介して径方向に摺動自在
に挿入されている。また、各バリアブルリング39の溝
39b内には一方向伝達手段としての伝達部材をなす複
数のスプラグ45が設けられ、各スプラグ45は溝39
b内にネジ46で固定された複数のスプラグブロック4
7の間に揺動自在に収容されている。この場合、各スプ
ラグ45はスプラグブロック47に支持されたスプリン
グ48によって一方向に付勢されている。即ち、各スプ
ラグ45はスプリング48の付勢によりクラッチシリン
ダ36の内周面に圧接しており、バリアブルリング39
の回転速度がクラッチシリンダ36に対して速くなった
ときはクラッチシリンダ36の内周面に滑り摩擦によっ
て係止して回転力を伝達し、バリアブルリング39の回
転速度がクラッチシリンダ36に対して遅くなったとき
はクラッチシリンダ36の内周面を滑動してクラッチシ
リンダ36との回転差を許容するようになっている。ま
た、各バリアブルリング39は、そのリング部分をクラ
ッチシリンダ36に取付けられたリングホルダ49によ
って保持され、リングホルダ49はボルト49aによっ
てクラッチシリンダ36に固定されている。
【0016】アウトプットシャフト7のギヤ7bには計
4つのプラネタリーギヤ51が噛み合っており、各プラ
ネタリーギヤ51はインプットシャフト6のインターナ
ルギヤ6aに内接して噛み合っている。各プラネタリー
ギヤ51は多数のローラ52、シャフト53、ワッシャ
54及びリングホルダ55を介してプラネタリーキャリ
ア56に回動自在に取付けられ、プラネタリーキャリア
56はクラッチシリンダ36に固定されている。また、
プラネタリーキャリア56とインターナルギヤ6aの間
にはローラベアリング57が介装され、プラネタリーキ
ャリア56と他方のケースカバー3の端面との間にはス
ラストベアリング58及び一対のワッシャ59が介装さ
れている。
【0017】以上の構成においては、外部からの駆動力
によってインプットシャフト6が回転すると、インプッ
トシャフト6の回転力はギヤ6c、インターナルギヤ1
5及びギヤ23aを介してギヤディスク23に伝達さ
れ、ギヤディスク23、ブロックハウジング26及び各
可動ブロック25が一体に回転する。また、各可動ブロ
ック25の溝25aには各バリアブルリング39のロッ
ド39aがそれぞれ挿入されているので、各バリアブル
リング39もブロックハウジング26等と一体に回転す
る。そして、各バリアブルリング39の回転力は各スプ
ラグ45によってクラッチシリンダ36に伝達され、ク
ラッチシリンダ36及びプラネタリーキャリア56が一
体に回転する。これにより、各プラネタリーギヤ51が
アウトプットシャフト7を中心に公転し、各プラネタリ
ーギヤ51の回転力はアウトプットシャフト7のギヤ7
bに伝達される。その際、プラネタリーキャリア56の
回転速度はインプットシャフト6のギヤ6cからインタ
ーナルギヤ15に伝達される過程で減速されているの
で、インプットシャフト6のインターナルギヤ6aとプ
ラネタリーキャリア56との間に回転差が生ずる。これ
により、各プラネタリーギヤ51が自転し、この自転の
分だけ遅れを生じながらアウトプットシャフト7が回転
する。即ち、前記構成においてはインプットシャフト6
からブロックハウジング26までが入力側回転体を構成
し、クラッチシリンダ36からアウトプットシャフト7
までが出力側回転体を構成している。
【0018】次に、前述の動作においてコントロールシ
ャフト12を回動すると、その回動量に応じてウォーム
ホイール16が回動し、ウォームホイール16と一体に
オフセットハウジング21が回動する。その際、オフセ
ットハウジング21の軸心はトランスミッションケース
1の軸心に対して偏心しているため、オフセットハウジ
ング21内のギヤディスク23及びブロックハウジング
26の回転軸Xを、第10図(a) に示すようにインプッ
トシャフト6の軸心に一致した位置から第10図(b) に
示すようにトランスミッションケース1の径方向に偏心
した位置まで移動させることができる。この偏心によ
り、各可動ブロック25の溝25aと各バリアブルリン
グ39のロッド39aとの係合位置が径方向に偏位する
ため、この係合位置から各バリアブルリング39の回転
軸までの距離が一定でなくなり、各バリアブルリング3
9の角速度が周期的に変化する。即ち、ブロックハウジ
ング26の回転は、各バリアブルリング39のロッド3
9aが各可動ブロック25の溝25a内を往復移動する
ことにより、径方向への移動を許容されながら各バリア
ブルリング39側に伝達され、図11(a) に示すように
ブロックハウジング26側の回転に対して各バリアブル
リング39側の角速度ωが一回転に一周期で変化するこ
とになる。この場合、角速度変化の位相θは各バリアブ
ルリング39ごとに90゜ずつずれており、このうちで
角速度ωの最大となるバリアブルリング39の回転力が
各スプラグ45及びクラッチシリンダ36を介して出力
側に伝達される。また、各可動ブロック25はピン34
をオフセットリング24に設けられた楕円形の溝24a
に係合させているため、ブロックハウジング26が回転
すると、各可動ブロック25が溝24aの案内でシャフ
ト33を中心にそれぞれ揺動する。この揺動が各バリア
ブルリング39の角速度ωの変化に同期し、図11(b)
に示すように各バリアブルリング39の角速度ωが最大
値付近でほぼ一定に補正される。この場合、各バリアブ
ルリング39の角速度ωの位相が90゜ずつずれている
ので、図11(c) に示すように各バリアブルリング39
ごとに補正された角速度ωが連続して取出され、出力側
へ伝達される角速度ωがほぼ一定になる。また、オフセ
ットハウジング21を偏心させると、ピニオンギヤ28
がオフセットハウジング21側のリングギヤ29とトラ
ンスミッションケース1側のリングギヤ30との間を回
転しながらトランスミッションケース1の周方向に移動
し、オフセットリング24がピニオンギヤ28に追従し
ながら同方向に回動する。この場合、オフセットリング
24はピニオンギヤ28の転動を介して回動することに
なるので、ピニオンギヤ28の回動量はオフセットリン
グ24の半分になる。これは各可動ブロック25の揺動
が常に各バリアブルリング39の角速度の変化に同期す
るようにオフセットリング24の溝24aの向きを変え
るためである。また、各可動ブロック25はオフセット
ハウジング21が偏心していないときでも揺動するが、
この場合は各可動ブロック25の揺動中心が各バリアブ
ルリング39のロッド39aと一致するため、各バリア
ブルリング39の角速度が補正されることはない。この
ように、オフセットハウジング21の偏心量に応じて角
速度の変化した各バリアブルリング39の回転力が各ス
プラグ45及びクラッチシリンダ36の内周面による一
方向伝達手段によって取出され、アウトプットシャフト
7に伝達される。従って、コントロールシャフト12の
回動量に応じてアウトプットシャフト7の回転速度が無
段階に変速される。その際、各バリアブルリング39の
周面に配置された各スプラグ45が各バリアブルリング
39の一方の回転方向のみそれぞれクラッチシリンダ3
6の内周面に係止することから、クラッチシリンダ36
の内周面の全体にスプラグ45を配置する必要がない。
【0019】このように、本実施形態の無段変速機によ
れば、インプットシャフト6によって回転するオフセッ
トハウジング21を径方向に偏心させ、これにより周期
的に角度度の変化する各バリアブルリング39の回転力
を一方向伝達手段としての各スプラグ45によって出力
側に伝達するようにしたので、動力を機械的な噛み合い
によって伝達することができ、従来のようにベルトとプ
ーリを用いたものに比べ、動力の伝達を効率よく行うこ
とができる。また、このような構成により、インプット
シャフト6とアウトプットシャフト7とを同軸状に配置
することができるので、変速機本体の小型化を図ること
も可能である。更に、各バリアブルリング39の周面に
配置したスプラグ45をクラッチシリンダ36の内周面
に係止させるようにしたので、クラッチシリンダ36の
内周面の全体にスプラグ45を配置する必要がなく、簡
単な構造によって確実な動作を得ることができる。
【0020】尚、前記実施形態では、図12に示すよう
にバリアブルリング39の溝39b内を複数のスプラグ
ブロック47で仕切り、その間に各スプラグ45を収容
したものを示したが、図13に示すように一端面を円形
に形成されたスプラグ50を用い、バリアブルリング3
9の溝39b内に各スプラグ50の円形面に面接触する
円形面を設けるようにすれば、各スプラグ50を常にこ
の円形面に沿って安定的に揺動させることができ、一方
向伝達手段としての動作をより確実にすることができ
る。
【0021】また、前記実施形態では、各可動ブロック
25を各バリアブルリング39の角速度の変化に同期す
るように揺動させることにより、各バリアブルリング3
9の角速度を所定範囲内の位相においてほぼ一定に補正
するようにしたが、このような構成を省略した場合で
も、本発明の無段変速機としての機能を達成することは
可能である。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の無段変
速機によれば、機械的な噛み合いによって動力を伝達す
ることができるので、従来のようにベルトとプーリを用
いたものに比べて動力を効率よく伝達することができ、
部品同士の滑りや摩耗も極めて少なくすることができ
る。また、このような構成により、入力軸と出力軸とを
同軸状に配置することができるので、変速機本体の小型
化を図ることも可能である。更に、一方向伝達手段にお
いて、出力側係止面の全体に係止部材を配置する必要が
ないので、簡単な構造によって確実な動作を得ることが
できる。
【0023】また、請求項2の無段変速機によれば、請
求項1の効果に加え、従動回転体の角速度を所定範囲内
の位相においてほぼ一定になるように補正することがで
きるので、出力側の回転を常に安定させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す無段変速機の側
面断面図
【図2】図1のA−A線矢視方向断面図
【図3】図1のB−B線矢視方向断面図
【図4】図1のC−C線矢視方向断面図
【図5】図1のD−D線矢視方向断面図
【図6】無段変速機の分解斜視図
【図7】無段変速機の分解斜視図
【図8】無段変速機の分解斜視図
【図9】無段変速機の分解斜視図
【図10】無段変速機の動作説明図
【図11】角速度の変化を示すグラフ
【図12】無段変速機の要部拡大図
【図13】一方向伝達手段の変形例を示す無段変速機の
要部拡大図
【符号の説明】 6…インプットシャフト、7…アウトプットシャフト、
16…ウォームホイール、23…ギヤディスク、25…
可動ブロック、39…バリアブルリング、45,50…
スプラグ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部からの駆動力によって回転する入力
    側回転体と、 入力側回転体と同軸状に配置された出力側回転体と、 入力側回転体の回転軸に対して径方向に偏心可能な回転
    軸を中心に回転する主動回転体と、 主動回転体の回転軸を任意の偏心位置に移動させる回転
    体偏心手段と、 出力側回転体の回転軸を中心に回転自在に設けられ、主
    動回転体側に径方向に移動自在に係合する複数の従動回
    転体と、 各従動回転体の所定の回転方向のみの回転力を出力側に
    伝達する一方向伝達手段とを備え、 前記一方向伝達手段を各従動回転体の所定の回転方向の
    み出力側の所定の係止面に係止する複数の係止部材から
    構成し、各係止部材を各従動回転体の周面に設けたこと
    を特徴とする無段変速機。
  2. 【請求項2】 前記主動回転体に周方向に配置されて揺
    動自在に設けられ、前記各従動回転体に径方向に移動自
    在に係合する複数の揺動体と、 従動回転体の角速度が所定範囲内の位相においてほぼ一
    定になるように各揺動体を従動回転体の角速度の変化に
    同期して揺動させる案内手段とを備えたことを特徴とす
    る請求項1記載の無段変速機。
JP9033919A 1997-02-18 1997-02-18 無段変速機 Pending JPH10231913A (ja)

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JP (1) JPH10231913A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012229816A (ja) * 2006-06-13 2012-11-22 Nabtesco Corp 減速装置

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JP2012229816A (ja) * 2006-06-13 2012-11-22 Nabtesco Corp 減速装置

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