JPH0842644A - 無段変速機 - Google Patents

無段変速機

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JPH0842644A
JPH0842644A JP6246549A JP24654994A JPH0842644A JP H0842644 A JPH0842644 A JP H0842644A JP 6246549 A JP6246549 A JP 6246549A JP 24654994 A JP24654994 A JP 24654994A JP H0842644 A JPH0842644 A JP H0842644A
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JP
Japan
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gear
rotation
rotating body
rotational force
angular velocity
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JP6246549A
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Kenji Mimura
建治 三村
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Individual
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 動力を効率よく伝達することができ、しかも
変速幅を大きく設定することのできる無段変速機を提供
する。 【構成】 プラネタリーキャリア6が回転すると、各ボ
ール44及び各プラネタリーギヤ45がプラネタリーキ
ャリア6の回転軸を中心に公転し、各ボール44はプラ
ネタリーキャリア6の回転に対して所定の回転比で自転
する。これにより、各プラネタリーギヤ45は各ボール
44と共に公転及び自転し、カウンターギヤ9を介して
サンギヤ8を回転させる。また、各プラネタリーギヤ4
5の回転軸を各ボール44の回転軸に対して偏心させる
と、各ボール44と各プラネタリーギヤ45との回転比
が連続的に変化する。これにより、各プラネタリーギヤ
45の公転と自転の回転比も変化し、サンギヤ8の回転
数がプラネタリーキャリア6に対して無段階に上昇また
は下降する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は動力を伝達する各種機械
装置、特に自動車のオートマテックトランスミッション
に用いられる無段変速機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車等に用いられる内燃機関
は電動機に比べて回転数の低いときにトルクが小さく、
回転数が上昇するとトルクが増大していくという特徴が
ある。従って、このような内燃機関を用いた自動車のオ
ートマチックトランスミッションでは、トルクコンバー
タ等を用いてトルクを増大させることにより、低回転時
のトルク不足を補うようにしている。しかしながら、ト
ルクコンバータは滑りを生じながら動力を伝達するた
め、圧着式のクラッチを用いたマニュアルトランスミッ
ションに比べて加速や燃費の面で劣るし、僅かながら変
速時のショックも残っている。そこで、最近では変速比
を自在に変えることのできる無段変速機が各種開発され
ており、この無段変速機を用いることにより常にエンジ
ンの最強出力または最大トルクの発生域で走行すること
ができる。これにより、オートマチック車の課題である
加速性能及び燃費の向上を達成することができ、変速時
のショックも解消される。現在、最も一般的な無段変速
機としては、金属ベルトと一対のプーリを用いたものが
知られており、このタイプではプーリの溝幅を連続的に
変えることによって、プーリに掛けられたベルトの半径
を変化させて変速するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
ようにベルトとプーリの摩擦力によって動力を伝達する
無段変速機では、機械的な噛み合わせによる構造に比べ
て動力の伝達効率が劣るため、大きな動力を伝達するた
めには装置全体を大型化しなければならず、自動車に搭
載する場合には小型車に限定されていた。また、プーリ
の幅を変えるために必要な動力やベルトの滑りによって
機械的なロスを生ずる上に、部品の摩耗も生じ易いとい
う問題点があった。更に、ベルトとプーリの組合わせで
は変速幅は1:1から1:6程度までが限界であり、入
力側を回転させたままで出力側を停止させること、即ち
入力側に対する変速比を0にすることは不可能である。
このため、発進時に使う電磁クラッチを別途必要とし、
構造が複雑になるという問題点があった。
【0004】本発明は前記問題点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、動力伝達効率の高い
機械的な噛み合わせによる構造を備えた無段変速機を提
供することにある。また、他の目的とするところは、前
記目的に加え、入力側に対する変速比を0にすることの
可能な無段変速機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために、また、請求項5では、外部からの駆動力に
よって回転する入力側回転体と、入力側回転体と同軸に
配置された出力側回転体と、入力側回転体の回転により
入力側回転体の回転軸を中心に公転しながら入力側回転
体に対して所定の回転比で自転する複数の主動回転体
と、各主動回転体と共に入力側回転体の回転軸を中心に
公転する複数の従動回転体と、各従動回転体の自転軸を
主動回転体の自転軸に対して任意の量だけ偏心させる回
転軸偏心機構と、偏心による変則的な回転運動を許容し
ながら各主動回転体の回転力を従動回転体に伝達する複
数の偏心回転力伝達機構と、偏心によって周期的に変化
する各従動回転体の角速度を所定範囲の位相においてほ
ぼ一定に補正する複数の角速度補正機構と、角速度を補
正された回転力のみを取出して出力側に伝達する複数の
補正回転力伝達機構とを備えた無段変速機を構成してい
る。
【0006】また、請求項6では、請求項5記載の無段
変速機において、前記各従動回転体をなす複数の遊星歯
車と、各遊星歯車の回転力を出力側回転体に伝達する太
陽歯車とを備え、各遊星歯車の公転と自転の回転比の可
変範囲を各遊星歯車と前記太陽歯車のギヤ比と等しい回
転比を含むように設定している。
【0007】また、請求項7では、請求項6記載の無段
変速機において、前記各遊星歯車と太陽歯車との間に少
なくとも一つずつの補助歯車を介在させている。
【0008】また、請求項8では、請求項5、6または
7記載の無段変速機において、互いに反対方向に回転す
る主動回転体を同数ずつ備えている。
【0009】また、請求項9では、外部からの駆動力に
よって回転する入力側回転体と、入力側回転体と同軸に
配置された出力側回転体と、入力側回転体の回転軸を中
心に周方向に配置され、入力側回転体の回転力によって
回転する複数の主動回転体と、入力側回転体の回転軸を
中心に周方向に配置され、各主動回転体の回転力によっ
て回転する複数の従動回転体と、各従動回転体の回転軸
を主動回転体の回転軸に対して任意の量だけ偏心させる
回転軸偏心機構と、偏心による変則的な回転運動を許容
しながら各主動回転体の回転力を従動回転体に伝達する
複数の偏心回転力伝達機構と、偏心によって周期的に変
化する各従動回転体の角速度を所定範囲の位相において
ほぼ一定に補正する複数の角速度補正機構と、角速度を
補正された回転力のみを取出して出力側に伝達する複数
の補正回転力伝達機構とを備えた無段変速機を構成して
いる。
【0010】また、請求項10では、請求項9記載の無
段変速機において、入力側回転体の回転力によって公転
し、各従動回転体の回転力によって自転する複数の遊星
歯車と、各遊星歯車の回転力を出力側回転体に伝達する
太陽歯車とを備え、各遊星歯車の公転と自転の回転比の
可変範囲を各遊星歯車と前記太陽歯車のギヤ比と等しい
回転比を含むように設定している。
【0011】また、請求項11では、請求項9または1
0記載の無段変速機において、前記各従動回転体を偏心
させるための力を伝達する機構の一部を弾性を有する部
材によって形成している。
【0012】また、請求項12では、請求項9、10ま
たは11記載の無段変速機において、前記従動回転体の
回転力を出力側に伝達する機構の一部を弾性を有する部
材によって形成している。
【0013】また、請求項13では、請求項9、10、
11または12記載の無段変速機において、出力側の回
転数が入力側の回転数を上回ったときのみ出力側からの
回転力を入力側に伝達する一方向伝達機構を備えてい
る。
【0014】
【作用】請求項1の無段変速機によれば、外部からの駆
動力によって入力側回転体が回転すると、入力側回転体
の回転により各主動回転体が互いに共通の軸を中心に回
転し、各主動回転体の回転により各従動回転体が互いに
共通の軸を中心に回転する。その際、角速度可変機構に
より各主動回転体及び各従動回転体の一方の角速度を他
方の回転に対して周期的に変化させると、周期的に変化
する角速度が角速度補正機構により所定範囲の位相にお
いてほぼ一定に補正され、角速度の補正された回転力の
みが回転力伝達機構によって各従動回転体から取出され
て出力側回転体に伝達される。従って、角速度可変機構
によって角速度の変化量を任意に変えることにより、入
力側回転体と出力側回転体の回転比が無段階に変化す
る。
【0015】また、請求項2によれば、請求項1の作用
に加え、主動回転体の回転軸及び従動回転体の回転軸を
互いに径方向に偏心させ、偏心による回転軸の径方向へ
の移動を許容しながら主動回転体の回転力を各従動回転
体に伝達することにより、各主動回転体及び各従動回転
体の一方の角速度が他方の回転に対して周期的に変化す
る。
【0016】また、請求項3によれば、請求項1の作用
に加え、角速度の変化に同期して揺動する揺動部材を所
定の軌道に沿って案内することにより、周期的に変化す
る角速度が所定範囲の位相においてほぼ一定に補正され
る。
【0017】また、請求項4によれば、請求項1の作用
に加え、各従動回転体のうちで最も角速度の速い回転力
を出力側回転体に伝達することにより、角速度の補正さ
れた回転力のみが各従動回転体から取出されて出力側回
転体に伝達される。
【0018】また、請求項5の無段変速機によれば、外
部からの駆動力によって入力側回転体が回転すると、各
主動回転体が入力側回転体の回転軸を中心に公転しなが
ら入力側回転体に対して所定の回転比で自転し、各従動
回転体が各主動回転体と共に入力側回転体の回転軸を中
心に公転する。その際、各従動回転体の回転軸を主動回
転体の回転軸に対して偏心させると、偏心による変則的
な回転運動を許容しながら各主動回転体の回転力が従動
回転体に伝達され、その偏心量に応じて各従動回転体の
角速度が所定の位相だけずれて周期的に変化する。ま
た、各従動回転体の回転は所定範囲の位相においてほぼ
一定の角速度に補正され、角速度を補正された回転力の
みが取出されて出力側に伝達される。その際、偏心量を
大きくすると出力側回転体の角速度が速くなり、偏心量
を小さくすると出力側回転体の角速度が遅くなる。従っ
て、偏心量を任意に変化させることにより、入力側回転
体と出力側回転体の回転比が無段階に変化する。
【0019】また、請求項6の無段変速機によれば、請
求項5の作用に加え、各遊星歯車は入力側回転体の回転
力によって公転し、主動回転体の回転力によって自転す
ることから、各遊星歯車の公転と自転の回転比に応じた
回転数で太陽歯車が回転し、その回転力が出力側回転体
に伝達される。その際、従動回転体の回転軸を偏心させ
ると、各遊星歯車の公転と自転の回転比が変化し、これ
に応じて太陽歯車の回転数が変わる。この場合、各遊星
歯車の公転と自転の回転比が各遊星歯車と太陽歯車のギ
ヤ比と等しくなると、各遊星歯車は公転した分だけ自転
するから太陽歯車は回転せず、入力側に対する変速比が
0になる。
【0020】また、請求項7の無段変速機によれば、請
求項6の作用に加え、各遊星歯車の回転は補助歯車を介
して太陽歯車に伝達される。その際、回転軸偏心機構に
よって各遊星歯車の回転軸が主動回転体の回転軸に対し
て偏心すると各遊星歯車と太陽歯車との相対的な位置も
移動するが、各遊星歯車が移動した分だけ補助歯車が回
転するため、各遊星歯車と太陽歯車の相対的な回転角は
変化しない。これにより、回転軸偏心機構によって各遊
星歯車が移動しても、各遊星歯車は太陽歯車に対して相
対的に回転しないので、入力側回転体が回転していても
回転軸偏心機構が反力を受けることはない。
【0021】また、請求項8の無段変速機によれば、請
求項5、6または7の作用に加え、各従動回転体の回転
軸が主動回転体の回転軸に対して偏心すると入力側回転
体の回転軸に余計なモーメントが生ずるが、同数の主動
回転体が互いに反対方向に回転するため、前記モーメン
トが打ち消される。
【0022】また、請求項9の無段変速機によれば、外
部からの駆動力によって入力側回転体が回転すると、入
力側回転体の回転力は各主動回転体に伝達され、各主動
回転体の回転力は各従動回転体に伝達される。その際、
各従動回転体の回転軸を主動回転体の回転軸に対して偏
心させると、偏心による変則的な回転運動を許容しなが
ら各主動回転体の回転力が従動回転体に伝達され、その
偏心量に応じて各従動回転体の角速度が所定の位相だけ
ずれて周期的に変化する。また、各従動回転体の回転は
所定範囲の位相においてほぼ一定の角速度に補正され、
角速度を補正された回転力のみが取出されて出力側に伝
達される。その際、偏心量を大きくすると出力側回転体
の角速度が速くなり、偏心量を小さくすると出力側回転
体の角速度が遅くなる。従って、偏心量を任意に変化さ
せることにより、入力側回転体と出力側回転体の回転比
が無段階に変化する。
【0023】また、請求項10の無段変速機によれば、
請求項9の作用に加え、各遊星歯車は入力側回転体の回
転力によって公転し、主動回転体の回転力によって自転
することから、各遊星歯車の公転と自転の回転比に応じ
た回転数で太陽歯車が回転し、その回転力が出力側回転
体に伝達される。その際、従動回転体の回転軸を偏心さ
せると、各遊星歯車の公転と自転の回転比が変化し、こ
れに応じて太陽歯車の回転数が変わる。この場合、各遊
星歯車の公転と自転の回転比が各遊星歯車と太陽歯車の
ギヤ比と等しくなると、各遊星歯車は公転した分だけ自
転するから太陽歯車は回転せず、入力側に対する変速比
が0になる。
【0024】また、請求項11の無段変速機によれば、
請求項9または10の作用に加え、回転軸偏心機構によ
って各従動回転体の回転軸を主動回転体の回転軸に対し
て偏心させる際、各従動回転体を偏心させるための力が
入力側回転体の回転によって反力を受けると、各従動回
転体を偏心させるための力を伝達する機構の一部が弾性
変形し、入力側回転体からの反力が解除されると、これ
が復元して従動回転体を偏心させるための力が伝達され
る。
【0025】また、請求項12の無段変速機によれば、
請求項9、10または11の作用に加え、従動回転体の
回転軸を主動回転体の回転軸に対して偏心させると、従
動回転体の角速度が周期的に変化して振動が発生する
が、従動回転体の回転力は弾性を有する部材を介して出
力側に伝達されるため、振動が吸収される。
【0026】また、請求項13の無段変速機によれば、
請求項9、10、11または12の作用に加え、出力側
に入力側の回転数を上回る回転力が発生した場合、一方
向伝達機構によって出力側と入力側が接続状態となり、
出力側に入力側の回転抵抗を作用させることができる。
【0027】
【実施例1】図1乃至図21は本発明の第1の実施例を
示すもので、図1乃至図3は無段変速機の断面図、図4
乃至図7はその分解斜視図、図8は無段変速機の部分断
面図、図9及び図10はその部分分解斜視図、図11は
無段変速機の概略構成図である。尚、図4乃至図7、図
9及び図10における一点鎖線は各図に対応する同一の
番号で連続することを示す。
【0028】この無段変速機は、一端を開口した本体ケ
ース1と、本体ケース1の一端を閉塞するドライブディ
スク2と、ドライブディスク2の外側に設けられたコン
トロールケース3とを備え、ドライブディスク2はボル
ト4によって本体ケース1に締結され、コントロールケ
ース3はボルト5によってドライブディスク2に締結さ
れている。本体ケース1、ドライブディスク2及びコン
トロールケース3の中央には互いに同軸上に配置された
軸受け1a,2a,3aが設けられ、ドライブディスク
2及びコントロールケース3には軸心よりもやや上方に
位置する軸受け2b,3bが設けられている。
【0029】本体ケース1内には、入力側回転体をなす
プラネタリーキャリア6と、回転軸偏心機構をなすバリ
アブルキャリア7と、太陽歯車をなすサンギヤ8と、補
助歯車をなす計3個のカウンターギヤ9が収容され、プ
ラネタリーキャリア6、バリアブルキャリア7及びサン
ギヤ8は互いに同軸上に配置されている。プラネタリー
キャリア6は軸心に沿って延びる部分を中空に形成さ
れ、その一端には入力側と結合するスプライン構成の連
結部6a及びネジ構成の連結部6bが設けられている。
また、その外周面には軸心方向に延びる複数の長孔6c
が設けられ、その内周面には軸心に対して傾斜した傾斜
溝6dが設けられている。プラネタリーキャリア6の他
端側は径方向外側に向かって延び、その先端側には軸心
を中心に円周方向等間隔で配置された計3つの支持部6
eがそれぞれ設けられている。各支持部6eは円環状に
形成され、その内周面にはスプラインが形成されてい
る。バリアブルキャリア7は軸心に沿って延びる部分を
一部中空に形成され、その一端側の外周面にはスプライ
ン構成の連結部7aが形成されている。バリアブルキャ
リア7は連結部7aに軸心方向に摺動自在に嵌合する筒
状のアングルアジャスタ10を介してプラネタリーキャ
リア6の内部に挿入され、アングルアジャスタ10の外
周面に支持された複数のボール11がプラネタリーキャ
リア6の傾斜溝6dに移動自在に嵌合している。バリア
ブルキャリア7の他端側は径方向外側に向かって延び、
その先端側には軸心を中心に円周方向等間隔で配置され
た計3つの軸受け7b及び円弧状のアジャストギヤ7c
がそれぞれ設けられている。各軸受け7bはプラネタリ
ーキャリア6の各支持部6e内に余裕をもって挿入さ
れ、その軸心は各支持部6eの軸心を通る円周上に配置
されている。また、バリアブルキャリア7の本体ケース
1側には計3つの支軸7dが設けられ、各支軸7dはバ
リアブルキャリア7の軸心と各軸受け7bとの間に配置
されている。サンギヤ8は軸心方向に延びる支軸8aを
有し、その一端には出力側と結合するスプライン構成の
連結部8b及びネジ構成の連結部8cが設けられてい
る。サンギヤ8の一端側は計2個のベアリング12を介
して本体ケース1の軸受け1aに挿入され、軸受け1a
内には各ベアリング12を固定するCリング13が嵌着
されている。サンギヤ8の連結部8bには出力フランジ
14が取付けられ、出力フランジ14はサンギヤ8の連
結部8cに螺着されたナット15によって固定されてい
る。また、軸受け1aと出力フランジ14との間にはシ
ール材16が介装され、出力フランジ14には軸受け1
aの端部を覆うカバー17が取付けられている。サンギ
ヤ8の他端側はベアリング18を介してバリアブルキャ
リア7の内部に挿入され、バリアブルキャリア7とサン
ギヤ8が互いに回動自在に連結されている。各カウンタ
ーギヤ9はベアリング20及びCリング21を介してバ
リアブルキャリア7の各支軸7dに取付けられ、ボルト
22及びホルダ23によって支軸7dに固定されてい
る。
【0030】ドライブディスク2の中央の軸受け2aに
はプラネタリーキャリア6の一端側が挿入され、軸受け
2aとプラネタリーキャリア6との間にはベアリング2
4及びCリング25が介装されている。また、ドライブ
ディスク2のプラネタリーキャリア6側の面には後記す
るボール44と嵌合するボール溝2cが設けられ、この
ボール溝2cはプラネタリーキャリア6の軸心を対称に
して計4箇所に断続的に形成されている。
【0031】コントロールケース3内には、回転軸偏心
機構をなすアジャストギヤ26及びコントロールギヤ2
7が収容され、これらは軸方向に摺動自在に噛み合って
いる。アジャストギヤ26は筒状に形成され、その外周
面には平歯車が形成されている。アジャストギヤ26内
にはプラネタリーキャリア6の一端側及びドライブディ
スク2の軸受け2aが挿入され、軸受け2aの外周面に
支持された複数のボール28がアジャストギヤ26の内
周面に設けられた螺旋溝26aに移動自在に嵌合してい
る。また、アジャストギヤ26内には周方向に配置され
た複数のアジャストホルダ29が収容され、各アジャス
トホルダ29とアジャストギヤ26との間にはベアリン
グ30及びCリング31が介装されている。各アジャス
トホルダ29はプラネタリーキャリア6の各長孔6cに
移動自在に挿入され、各長孔6cを介してプラネタリー
キャリア6内のアングルアジャスタ10にボルト32に
よって固定されている。また、アジャストギヤ26を貫
通したプラネタリーキャリア6の一端側はコントロール
ケース3の中央の軸受け3aに挿入され、軸受け3aと
プラネタリーキャリア6との間にはベアリング33が介
装されている。プラネタリーキャリア6の連結部6aに
は入力フランジ34が取付けられ、入力フランジ34は
プラネタリーキャリア6の連結部6bに螺着されたナッ
ト35によって固定されている。また、軸受け3aと入
力フランジ34との間にはシール材36及びスペーサ3
6aが介装され、入力フランジ34には軸受け3aの端
部を覆うカバー37が取付けられている。コントロール
ギヤ27はプラネタリーキャリア6の軸心に平行に延び
る支軸27aを有し、その一端にはスプライン構成の連
結部27b及びネジ構成の連結部27cが設けられてい
る。コントロールギヤ27の他端側はベアリング38を
介してドライブディスク2の上方の軸受け2bに挿入さ
れ、その一端側はベアリング39、シール材40及びス
ペーサ41を介してコントロールケース3の上方の軸受
け3bに挿入されている。また、コントロールギヤ27
の連結部27bにはコントロールケース3の外部に配置
された操作ギヤ42が取付けられ、操作ギヤ42はコン
トロールギヤ27の連結部27cにナット43によって
固定されている。尚、本発明を自動車に適用する場合、
操作ギヤ42は図示しない制御装置によって回動し、車
速,エンジン回転数,アクセル開度等の情報に基づいて
制御される。
【0032】また、図8乃至図10に示すように、プラ
ネタリーキャリア6の各支持部6e及びバリアブルキャ
リア7の各軸受け7bには主動回転体をなす計2個のボ
ール44と、従動回転体としての遊星歯車をなす複数の
プラネタリーギヤ45が取付けられ、各ボール44はド
ライブディスク2のボール溝2cに嵌合するようになっ
ている。
【0033】各ボール44はプラネタリーキャリア6の
軸心方向に重なり合う一対のスライドアーム46,47
によって支持され、各スライドアーム46,47には長
手方向に延びる長孔46a,47aが設けられている。
各スライドアーム46,47の一端にはボール44を転
動自在に収容するボール孔46b,47bが設けられ、
各スライドアーム46,47は各ボール44の位置が同
一円周上に揃うよう段違いに形成されている。また、各
ボール孔46b,47bの背面側には支軸46c,47
cが設けられ、各支軸46c,47cには回動自在なボ
ールローラ48,49がCリング50によって取付けら
れている。各スライドアーム46,47の長孔46a,
47aには互いに同心軸上に設けられた一対のアームシ
ャフト51,52が長孔46a,47aに沿って摺動自
在に挿入され、一方のスライドアーム46は一方のアー
ムシャフト51に、他方のスライドアーム47は他方の
アームシャフト52によってそれぞれ支持されている。
一方のアームシャフト51は中空に形成され、その内部
には他方のアームシャフト52が回動自在に挿入されて
いる。また、各アームシャフト51,52の頭部は各長
孔46a,47aに沿って横長に形成され、各アームシ
ャフト51,52が各スライドアーム46,47と一体
に回転するようになっている。各ボール44及び各スラ
イドアーム46,47は円環状のボールホルダ53内に
収容され、各ボール44はボールホルダ53内を円周方
向に移動できるようになっている。ボールホルダ53は
プラネタリーキャリア6の支持部6eの外側にボルト5
4によって固定され、図1に示すように一端側をドライ
ブディスク2に対向させている。ボールホルダ53の一
端にはガードリング55がネジ56によって取付けら
れ、ガードリング55の円周方向半分にはガード壁55
aが設けられている。一方、ボールホルダ53にはガー
ド壁55aに対応する位置にガイド溝53aが設けら
れ、各スライドアーム46,47に支持されたボール4
4がガード壁55aによってボールホルダ53側に突出
した分だけガイド溝53aに受容されるようになってい
る。この場合、ガード壁55aのない部分のボール44
はボールホルダ53の平坦部分によってガードリング5
5の外側に突出する。これにより、各ボール44がドラ
イブディスク2のボール溝2cに円周方向180゜ずつ
嵌合する。プラネタリーキャリア6の支持部6eとボー
ルホルダ53の他端側との間には、各ボール44と一体
に回転するホルダリング57と、各スライドアーム4
6,47のボールローラ48,49を支持するローラガ
イド58が収容され、ローラガイド58内にはアジャス
トリング59が収容されている。ローラガイド58の外
周面には支持部6eの内周面に嵌合するスプラインが形
成され、ローラガイド58が支持部6e内に軸心方向に
移動自在に収容されている。また、ローラガイド58の
一端側には各ボールローラ48,49を転動自在に受容
するガイドカム58aが設けられ、各ボールローラ4
8,49がガイドカム58aに沿って移動するようにな
っている。ガイドカム58aはローラガイド58が軸心
方向に移動することにより各ボールローラ48,49と
の接触位置が変わるようになっており、その円周方向一
部はローラガイド58の移動方向に対して斜めに形成さ
れている。また、ローラガイド58の内周面には螺旋溝
58bが設けられ、アジャストリング59の外周面に支
持された複数のボール60が螺旋溝58bに移動自在に
嵌合している。アジャストリング59にはプラネタリー
キャリア6の他端側に配置されたギヤリング61がネジ
62によって取付けられ、ギヤリング61はバリアブル
キャリア7のアジャストギヤ7cに噛み合っている。ま
た、バリアブルキャリア7の軸受け7bには外側のアー
ムシャフト51が挿入され、軸受け7bとアームシャフ
ト51との間にはベアリング63が介装されている。
【0034】プラネタリーギヤ45は軸心方向に延びる
中空の支軸45aを有し、バリアブルキャリア7の軸受
け7b内にベアリング64を介して挿入されている。プ
ラネタリーギヤ45の内部には各アームシャフト51,
52が挿入され、内側のアームシャフト52の先端には
アームシャフト52と一体に回転するホルダ65がボル
ト66によって取付けられている。プラネタリーギヤ4
5と外側のアームシャフト52との間にはアームシャフ
ト52からの回転力をプラネタリーギヤ45に伝達する
ワンウェイクラッチ67が介装され、プラネタリーギヤ
45とホルダ65との間には内側のアームシャフト51
からの回転力をプラネタリーギヤ45に伝達する同様の
ワンウェイクラッチ68が介装されている。
【0035】以上の構成においては、図12(a) に示す
ように入力フランジ34に入力された駆動力によりプラ
ネタリーキャリア6が時計回りに回転すると、各ボール
44及び各プラネタリーギヤ45がプラネタリーキャリ
ア6の回転軸を中心に時計回りに公転する。その際、各
ボール44はドライブディスク2のボール溝2cに沿っ
て移動し、各スライドアーム46,47をプラネタリー
キャリア6の回転に対して1:2の回転比で反時計回り
に自転させる。この場合、各ボール44はガードリング
55によって180゜ずつ交互にボール溝2cに嵌合す
る。これにより、各プラネタリーギヤ45は各アームシ
ャフト51,52を介して各ボール44と共に自転し、
カウンターギヤ9を介してサンギヤ8に噛み合いながら
時計回りに公転する。その際、プラネタリーギヤ45の
公転と自転の回転比がプラネタリーギヤ45とサンギヤ
8のギヤ比と異なっていれば、その差の分だけサンギヤ
8がプラネタリーギヤ45によって回転し、出力フラン
ジ14がサンギヤ8と一体に回転する。即ち、プラネタ
リーギヤ45とサンギヤ8のギヤ比を1:1とすれば、
各プラネタリーギヤ45の回転軸が各ボール44の回転
中心に一致しているときはプラネタリーギヤ45の公転
と自転の回転比は1:2となるから、プラネタリーギヤ
45はカウンターギヤ9を介してサンギヤ8を入力軸に
対して1:1の回転比で反時計回りに回転させる。
【0036】次に、操作ギヤ42を回動することによ
り、図12(b) に示すように各プラネタリーギヤ45の
回転軸を各ボール44の回転軸に対して任意の位置まで
偏心させると、各ボール44と各プラネタリーギヤ45
との回転比が連続的に変化し、各プラネタリーギヤ45
の公転と自転の回転比も変化する。これにより、プラネ
タリーギヤ45の公転と自転の回転比とプラネタリーギ
ヤ45とサンギヤ8のギヤ比との差が変わり、サンギヤ
8と一体に回転する出力フランジ14の回転数が入力軸
に対して無段階に上昇または下降する。詳しくは、操作
ギヤ42を回動するとコントロールギヤ27がアジャス
トギヤ26を回転させ、アジャストギヤ26は螺旋溝2
6aに嵌合するボール28によってベアリング30上を
回転しながら軸心方向に移動する。これにより、各アジ
ャストホルダ29がプラネタリーキャリア6の長孔6c
に沿って移動し、プラネタリーキャリア6内のアングル
アジャスタ10がバリアブルキャリア7に嵌合しながら
軸心方向に移動する。その際、アングルアジャスタ10
のボール11がプラネタリーキャリア6の傾斜溝6dに
沿って移動するため、アングルアジャスタ10はバリア
ブルキャリア7をプラネタリーキャリア6に対して軸心
回りに相対的に回動させる。その結果、バリアブルキャ
リア7の軸受け7bがプラネタリーキャリア6の支持部
6e内をプラネタリーキャリア6の回転軸を中心に円周
方向に移動し、各プラネタリーギヤ45の回転軸をなす
各アームシャフト51,52が各ボール44の回転中心
に対して偏心する。この状態で各ボール44が回転する
と、各アームシャフト51,52が各スライドアーム4
6,47の長孔46a,47aに沿って移動しながら回
転し、各スライドアーム46,47が互いに角度を変え
ながら回転する。即ち、各スライドアーム46,47及
び各アームシャフト51,52は、偏心による変則的な
回転運動を許容しながら各ボール44の回転力を各プラ
ネタリーギヤ45に伝達する偏心回転力伝達機構を構成
している。その結果、各アームシャフト51,52に支
持されたプラネタリーギヤ45は公転することなく自転
する。その際、図13に示すようにプラネタリーギヤ4
5の回転軸が各ボール44の回転中心と一致していると
きは、各ボール44がθ゜だけ回転すればプラネタリー
ギヤ45も同じくθ゜だけ回転するが、図14に示すよ
うにプラネタリーギヤ45の回転軸を各ボール44の回
転中心に対して偏心させてプラネタリーギヤ45の回転
軸とボール44の軌跡との距離を変えると、各ボール4
4がθ゜だけ回転した場合、プラネタリーギヤ45はそ
の回転軸を中心に(θ+φ)゜だけ回転する。即ち、こ
の回転角φの大きさはプラネタリーギヤ45の偏心量に
よって連続的に変化するから、操作ギヤ42の回動量に
応じて入力軸と出力軸の変速比を無段階に変えることが
できる。
【0037】また、前記無段変速機においては、プラネ
タリーギヤ45の公転と自転の回転比の可変範囲をプラ
ネタリーギヤ45とサンギヤ8のギヤ比よりも小さい値
と大きい値とを含むように設定することにより、入力軸
の回転に拘らず出力軸の逆転及び停止が可能となる。例
えば、プラネタリーギヤ45とサンギヤ8のギヤ比を
1:2.2、入力軸と各ボール44の回転比を1:2と
し、プラネタリーギヤ45の公転と自転の回転比を1:
2から1:3まで変化させた場合、出力軸の回転は以下
のようになる。
【0038】まず、図15に示すようにプラネタリーギ
ヤ45の回転軸を各ボール44の回転中心に一致させて
プラネタリーギヤ45の公転と自転の回転比を1:2に
し、プラネタリーキャリア6を正方向に500rpmで
回転させると、各ボール44は逆方向に1000rpm
で自転、正方向に500rpmで公転する。これによ
り、プラネタリーギヤ45は逆方向に1000rpmで
自転、正方向に500rpmで公転し、カウンターギヤ
9は正方向に1000rpmで自転、正方向に500r
pmで公転する。この場合、プラネタリーギヤ45とサ
ンギヤ8のギヤ比が1:2.2であるのに対し、カウン
ターギヤ9の公転と自転の回転比が1:2になるので、
カウンターギヤ9は逆方向に454.54rpmで自転
しながら正方向に500rpmで公転し、その差の分、
即ち正方向に45.46rpmだけサンギヤ8を回転さ
せる。
【0039】次に、図16に示すようにプラネタリーギ
ヤ45の公転と自転の回転比が1:2.2になる位置ま
でプラネタリーギヤ45の回転軸を各ボール44の回転
中心に対して偏心させ、プラネタリーキャリア6を正方
向に500rpmで回転させると、各ボール44は逆方
向に1000rpmで自転、正方向に500rpmで公
転する。これにより、プラネタリーギヤ45は逆方向に
1100rpmで自転、正方向に500rpmで公転
し、カウンターギヤ9は正方向に1100rpmで自
転、正方向に500rpmで公転する。この場合、プラ
ネタリーギヤ45とサンギヤ8のギヤ比が1:2.2で
あるのに対し、カウンターギヤ9の公転と自転の回転比
が1:2.2になるので、カウンターギヤ9は逆方向に
500rpmで自転しながら正方向に500rpmで公
転し、その差が0になってサンギヤ8は正方向及び逆方
向の何れにも回転しない。
【0040】また、図17に示すようにプラネタリーギ
ヤ45の公転と自転の回転比が1:3になる位置までプ
ラネタリーギヤ45の回転軸を各ボール44の回転中心
に対して偏心させ、プラネタリーキャリア6を正方向に
500rpmで回転させると、各ボール44は逆方向に
1000rpmで自転、正方向に500rpmで公転す
る。これにより、プラネタリーギヤ45は逆方向に15
00rpmで自転、正方向に500rpmで公転し、カ
ウンターギヤ9は正方向に1500rpmで自転、正方
向に500rpmで公転する。この場合、プラネタリー
ギヤ45とサンギヤ8のギヤ比が1:2.2であるのに
対し、カウンターギヤ9の公転と自転の回転比が1:3
になるので、カウンターギヤ9は逆方向に681.82
rpmで自転しながら正方向に500rpmで公転し、
その差の分、即ち逆方向に181.82rpmだけサン
ギヤ8を回転させる。
【0041】本実施例においては、プラネタリーギヤ4
5の回転軸を偏心させると、図18(a)(b)に示すように
プラネタリーギヤ45とサンギヤ8の相対的な位置も変
わるが、プラネタリーギヤ45が移動した分だけカウン
ターギヤ9が回転するため、図中三角印で示すようにプ
ラネタリーギヤ45とサンギヤ8の相対的な回転角は変
化しない。これにより、プラネタリーギヤ45を移動さ
せても、プラネタリーギヤ45はサンギヤ8に対して相
対的に回転しないので、プラネタリーギヤ45の回転軸
を偏心させる際、プラネタリーキャリア6が回転してい
てもその反力を受けることがない。
【0042】ところで、プラネタリーギヤ45の回転軸
を各ボール44の回転中心に一致させているときは、各
ボール44がプラネタリーギヤ45の回転軸に与える角
速度は一定になるが、プラネタリーギヤ45の回転軸を
偏心させると、ボール44に接するボール溝2cの角度
がプラネタリーギヤ45の回転軸とボール44の回転中
心とでは異なるため、各ボール44がプラネタリーギヤ
45の回転軸に与える角速度は一定にならない。即ち、
図19に示すようにボール44の回転中心P1で等分さ
れた線がボール44の移動軌跡と交わる点におけるボー
ル溝2cがプラネタリーギヤ45の回転軸P2 で等分さ
れた線と交わる点を結ぶ線(図中破線)をボール44が
通れば、ボール44に接するボール溝2cがプラネタリ
ーギヤ45の回転軸P2 に与える角速度を一定にする角
度になる。換言すれば、各ボール44の角速度を変化さ
せることにより、プラネタリーギヤ45の角速度を一定
にしている。この場合、補正される移動軌跡はプラネタ
リーギヤ45の偏心量に応じて異なり、偏心量が大きく
なれば補正量も大きくなる。
【0043】そこで、本実施例の無段変速機では、各ボ
ール44の角速度を前述の補正条件に基づいて連続的に
変化させることにより、プラネタリーギヤ45の所定偏
心位置における角速度をほぼ一定にする手段、即ちプラ
ネタリーギヤ45の回転軸を偏心させるとローラガイド
58のガイドカム58aによって各ボール44の移動軌
跡が補正される角速度補正機構を備えている。詳しく
は、操作ギヤ42の回動によってプラネタリーギヤ45
の回転軸が偏心すると、バリアブルキャリア7のアジャ
ストギヤ7cがプラネタリーキャリア6側のギヤリング
61を回動させ、ギヤリング61に接続されたアジャス
トリング59がプラネタリーギヤ45の偏心量に応じた
分だけ回動する。これにより、ローラガイド58がアジ
ャストリング59のボール60に嵌合する螺旋溝58b
によって軸心方向に移動し、図20に示すようにガイド
カム58aとボールローラ48,49との接触位置が距
離Aだけずれる。その結果、スライドアーム47が長孔
47aに沿って移動し、ボール44の位置がプラネタリ
ーギヤ45の回転軸に対して距離Bだけずれるが、ガイ
ドカム58aはボールローラ48,49との接触位置に
応じて形状が異なっており、具体的には先に説明したボ
ール44の移動軌跡の補正、即ち図19に示す破線に沿
ってボールローラ48,49を案内するように形成され
ている。この場合、ガイドカム58aは接触位置の距離
Aが大きくなるに従って補正量も大きくなるよう軸心方
向に対して斜めに形成されている。
【0044】一方、本実施例では合計6個のボール44
のうち一度に計3個のボール44が180゜ずつボール
溝2cと接触するよう構成されているが、図12の斜線
に示すように実際にはそのうち1個のボール44が60
゜ずつの範囲で動力を伝達している。即ち、先に述べた
ようにプラネタリーギヤ45の偏心に伴って各ボール4
4の移動軌跡を補正する必要があり、この補正を180
゜の範囲に亘って行うことも可能であるが、補正範囲が
広くなると補正量も大きくなるので、これを3等分にし
て補正量を小さくしている。つまり、1個のボール44
が補正範囲内を移動しているときは他の2個のボール4
4は補正範囲外を移動することになるので、角速度の異
なる補正範囲外のボール44からは動力が伝達されない
ようにしなければならない。そこで、本実施例では各ア
ームシャフト51,52とプラネタリーギヤ45との間
に設けたワンウェイクラッチ67,68により、補正範
囲内を移動するボール44のみから動力が伝達されるよ
うになっている。具体的には、補正範囲外のボール44
はガイドカム58aによって補正範囲内のボール44よ
りも角速度が遅くなるようになっており、このため補正
範囲内のボール44によって回転するプラネタリーギヤ
45の角速度に補正範囲外のボール44の角速度が追い
つかず、補正範囲外のボール44がワンウェイクラッチ
67または68によって空転し、動力が伝達されないよ
うになっている。即ち、各ワンウェイクラッチ67,6
8は、角速度を補正された回転力のみを取出して出力側
に伝達する補正回転力伝達機構を構成している。
【0045】また、前記実施例では一対のボール44か
らなる計3組の駆動回転体を備え、各ボール44を同一
方向に回転させているが、プラネタリーギヤ45を偏心
させると、回転中に各スライドアーム46,47の状態
が常時変化するため、プラネタリーキャリア6の軸心に
余計なモーメントが発生する恐れがある。そこで、図2
1に示すようにプラネタリーキャリア6の回転軸に対称
的な位置に計3組の駆動回転体を追加し、その各ボール
44を前述と反対方向に回転させるようにすれば、前記
モーメントが打ち消され、プラネタリーキャリア6の回
転ムラを確実に防止することができる。
【0046】尚、前記実施例ではプラネタリーキャリア
6を回転させることによりドライブディスク2のボール
溝2cに嵌合する各ボール44を回転させるようにした
が、反対にドライブディスク2に相当する部材側を回転
させてボールを回転させるようにしてもよい。また、前
記実施例では駆動回転体としてボール44とボール溝2
cとの組合わせを用いたが、実際の設計においてはこの
限りではなく、歯車等の他の機械的な構造を用いてもよ
い。
【0047】
【実施例2】図22乃至図41は本発明の第2の実施例
を示すもので、図22及び図23は無段変速機の断面
図、図24乃至図28はその分解斜視図、図29乃至図
33はその要部拡大図、図34はその概略構成図であ
る。尚、図24乃至図28における一点鎖線は各図に対
応する同一の番号で連続することを示す。
【0048】この無段変速機は、軸方向に分割されたト
ランスミッションケース70及びエクステンションケー
ス71と、トランスミッションケース70の一端を閉塞
するケースカバー72によって外装を形成され、その中
心にはエンジンからの駆動力が入力されるメインシャフ
ト73と、駆動力を出力するアウトプットフランジ74
を同軸状に備えている。各ケース70、71はボルト7
5及びピン76によって互いに連結され、ケースカバー
72はボルト77及びピン78によってトランスミッシ
ョンケース70に締結されている。
【0049】トランスミッションケース70内の一端側
には内壁を形成するシリンダディスク79が取付けら
れ、トランスミッションケース70の他端側にはメイン
シャフト73を挿通する孔70aと、周方向に等間隔で
配列された計4つの孔70bが設けられている。シリン
ダディスク79にはメインシャフト73を挿通する孔7
9aと、周方向に等間隔で配列された計4つの孔79b
と、トランスミッションケース70の各孔70bに対応
する計4つのシリンダ79cが設けられ、各シリンダ7
9cには後述する回転軸偏心機構が取付けられる。ケー
スカバー72にはメインシャフト73を挿通する孔72
aが設けられ、この孔72aを通じてメインシャフト7
3の一端が外部に突出し、メインシャフト73はボール
ベアリング80を介してケースカバー72に支持されて
いる。トランスミッションケース70内には計2つのロ
ーラーベアリング81がホルダ82及びボルト83によ
って固定され、各ローラーベアリング81は回転軸偏心
機構を支持するようになっている。また、メインシャフ
ト73にはギヤ比の異なった大小2つの歯車を有するピ
ニオンギヤ84が取付けられ、ピニオンギヤ84はCリ
ング85によって固定されている。一方、ケースカバー
72には変速操作を行うためのコントロールギヤ86が
取付けられ、コントロールギヤ86の一端はケースカバ
ー72に設けられた孔72bを介して外部に突出してい
る。コントロールギヤ86にはリングギヤ87が噛み合
っており、リングギヤ87はホルダ88及びボルト88
aによってケースカバー72に回動自在に取付けられて
いる。更に、リングギヤ87はコントロールギヤ86の
回転を伝達するための機構、即ちピニオンギヤ89、一
対のトーションバー90、トーションバーケース91、
マイタギヤ92及びギヤシャフト93に連結され、これ
ら伝達機構は図示を省略したが周方向に計4組設けられ
ている。各トーションバー90は捻り方向に弾性を有す
る材料からなり、互いに平行にトーションバーケース9
1内に収容されている。各トーションバー90の一端は
トーションバーケース91に、その他端はギヤシャフト
93にそれぞれトーションバーロッド94を介して固定
され、トーションバーケース91及びギヤシャフト93
が互いに同軸状に連結されている。これにより、トーシ
ョンバーケース91及びギヤシャフト93は各トーショ
ンバー90を介して捻り方向の回転を弾性的に許容され
ている。この場合、図30に示すように各トーションバ
ー90の一端側はトーションバーロッド94を捻れ方向
に押圧するスクリュープラグ95によって自然状態にお
いても一定の捻れ力が与えられており、トーションバー
ケース91及びギヤシャフト93の捻れ方向に対して初
期段階から適度な弾性力が作用するようになっている。
一方、ピニオンギヤ89はトーションバーケース91の
一端に取付けられ、リングギヤ87に噛み合っている。
また、マイタギヤ92はギヤシャフト93に取付けら
れ、ギヤシャフト93はシリンダディスク79の孔79
dを介してトランスミッションケース70に回動自在に
支持されている。
【0050】エクステンションケース71内ではセンタ
ーギヤ96がワンウェイクラッチ97、ボールベアリン
グ98、ワッシャ99及びCリング100を介してメイ
ンシャフト73に支持され、ワンウェイクラッチ97は
センターギヤ96の回転力をメインシャフト73に伝達
するようになっている。センターギヤ96にはキャリア
ディスク101が取付けられ、キャリアディスク101
にはその一端側を覆うプラネタリーキャリア102が取
付けられている。プラネタリーキャリア102内には、
メインシャフト73に連結されたセンターディスク10
3と、センターディスク103にボルト104を介して
取付けられたインターナルギヤ105と、周方向に等間
隔で配列された計4つのプラネタリーギヤ106と、各
プラネタリーギヤ106の中央に配置されたサンギヤ1
07が収容され、センターディスク103はキャリアデ
ィスク101にローラーベアリング108を介して支持
されている。また、各プラネタリーギヤ106は計4本
のシャフト109にワッシャ110及び多数のローラ1
11を介して回動自在に支持されている。プラネタリー
キャリア102内には各シャフト109を支持するキャ
リアリング112がボルト113及びピン114を介し
て固定され、各シャフト109の先端はプラネタリーキ
ャリア102に設けられた孔102aに挿入されてCリ
ング115で固定されている。また、プラネタリーキャ
リア102はボールベアリング116を介してエクステ
ンションケース71内に回動自在に支持されている。一
方、サンギヤ107の一端にはメインシャフト73の先
端がローラーベアリング117を介して支持されるとと
もに、センターディスク103がスラストベアリング1
18及びスラストワッシャ119を介して接している。
また、サンギヤ107は軸方向に延びるシャフト107
aを有し、このシャフト107a及びボールベアリング
120を介してエクステンションケース71内に回動自
在に支持されている。シャフト107aにはアウトプッ
トフランジ74が取付けられ、アウトプットフランジ7
4とエクステンションケース71との間にはシール部材
121が介装されている。
【0051】前記シリンダディスク79の各シリンダ7
9cには、その外側にリバイスギヤ122がCリング1
23及びワッシャ124を介して回動自在に取付けら
れ、リバイスギヤ122はピニオンギヤ84の小さい方
の歯車84bに噛み合っている。リバイスギヤ122の
内側には主動回転体をなすクレセントシャフト125が
挿入され、クレセントシャフト125はボールベアリン
グ126及びCリング127を介してシリンダ79cの
内側に回動自在に支持されている。また、リバイスギヤ
122の端面には周方向に連続して延びる波形の溝12
2aが設けられている。クレセントシャフト125の一
端にはピニオンギヤ128がCリング129によって固
定され、ピニオンギヤ128は前記ピニオンギヤ84の
大きい方の歯車84aに噛み合っている。クレセントシ
ャフト125の他端には周方向の一部を切り欠かれた円
形の固定ブロック125aが一体に設けられ、固定ブロ
ック125aの切り欠き部分には対応形状の可動ブロッ
ク130が取付けられている。固定ブロック125a及
び可動ブロック130は互いに多数のローラ131を介
して一体に嵌合することにより円形をなし、固定ブロッ
ク125aの切り欠き部分に設けられた孔125bには
可動ブロック130のピン130aが挿入され、可動ブ
ロック130がピン130aを中心に回動できるように
なっている。また、可動ブロック130には軸方向に貫
通した孔130bが設けられ、この孔130bにローラ
132及びCリング133を介して挿入されたピン13
4の先端がリバイスギヤ122の溝122aに嵌入され
ている。更に、可動ブロック130には径方向に延びる
溝130cが設けられ、この溝130cにはスライダ1
35が多数のローラ135bを介して摺動自在に取付ら
れている。スライダ135には従動回転体をなすオフセ
ットディスク136のピン136aが挿入される孔13
5aが設けられ、オフセットディスク136はバリアブ
ルシャフト137の一端にCリング138及びワッシャ
139を介して回動自在に支持されている。オフセット
ディスク136にはクラッチシリンダ140が回動自在
に嵌合しており、クラッチシリンダ140はボールベア
リング141、ワッシャ142、ワンウェイクラッチ1
43及びワッシャ144を介してバリアブルシャフト1
37に支持されている。この場合、ワンウェイクラッチ
143はクラッチシリンダ140の回転力をバリアブル
シャフト137に伝達するようになっている。また、オ
フセットディスク136及びクラッチシリンダ140の
外周面には互いに対応する多数の溝136b,140a
が設けられ、各溝136b,140aにはオフセットデ
ィスク136及びクラッチシリンダ140の両者に亘る
多数のバースプリング145が挿入されている。各バー
スプリング145は曲げ方向に弾性を有する材料からな
り、オフセットディスク136及びクラッチシリンダ1
40が互いに捻り方向の回転を弾性的に許容されてい
る。即ち、図32(a) に示すようにオフセットディスク
136が回転すると、図32(b) に示すようにバースプ
リング145が曲げ方向に弾性変形しながらオフセット
ディスク136の回転力をクラッチシリンダ140に伝
達するようになっている。この場合、各溝136b,1
40aはバースプリング145の弾性変形を許容すべく
一端が幅広に形成されている。また、オフセットディス
ク136及びクラッチシリンダ140の外周には各バー
スプリング145を覆うホルダ146が装着されてい
る。オフセットディスク136はローラベアリング14
7を介してバリアブルケース148内に支持され、バリ
アブルケース148内にはクラッチシリンダ140がボ
ールベアリング149及びCリング150,151を介
して回動自在に支持されている。また、クラッチシリン
ダ140はボールベアリング140b及びCリング14
0c介してバリアブルシャフト137に支持されてい
る。バリアブルケース148はトランスミッションケー
ス70の内周面に接する多数のローラ152と前記ロー
ラーベアリング81との間に介装され、トランスミッシ
ョンケース70の周方向に移動できるようになってい
る。バリアブルケース148にはウォームホイール15
3がボルト154及びピン155を介して取付けられ、
ウォームホイール153にはウォームギヤ156が噛み
合っている。ウォームギヤ156はホルダ157に回動
自在に支持されたギヤシャフト158に取付けられ、ホ
ルダ157はボルト159を介してトランスミッション
ケース70内に固定されている。ギヤシャフト158の
先端にはマイタギヤ160が設けられ、マイタギヤ16
0は前記マイタギヤ92に噛み合っている。即ち、前記
コントロールギヤ86を回動すると、リングギヤ87、
ピニオンギヤ89、トーションバーケース91、各トー
ションバー90、ギヤシャフト93、マイタギヤ92、
マイタギヤ160、ギヤシャフト158、ウォームギヤ
156及びウォームホイール153が連動し、図33に
示すようにバリアブルケース148が周方向に移動する
ようになっている。一方、バリアブルシャフト137の
他端にはピニオンギヤ161がCリング161aを介し
て固定され、ピニオンギヤ161はセンタギヤ96に噛
み合っている。
【0052】以上の構成においては、外部からの駆動力
によってメインシャフト73が回転すると、メインシャ
フト73の回転力はピニオンギヤ84の大歯車84aを
介してピニオンギヤ128に伝達され、ピニオンギヤ1
28によってクレセントシャフト125が回転する。ま
た、メインシャフト73の回転力はピニオンギヤ84の
小歯車84bを介してリバイスギヤ122にも伝達さ
れ、リバイスギヤ122がクレセントシャフト125と
同一方向にピニオンギヤ128の各歯車のギヤ比の差だ
け遅い角速度で回転する。これにより、リバイスギヤ1
22の溝122aに嵌合するピン134が溝122aに
沿って移動する。また、クレセントシャフト125の回
転力は可動ブロック130、スライダ135及びピン1
36aを介してオフセットディスク136に伝達され、
オフセットディスク136がクレセントシャフト125
と同一方向に回転する。オフセットディスク136の回
転力は各バースプリング145を介してクラッチシリン
ダ140に伝達され、クラッチシリンダ140の回転力
はワンウェイクラッチ143を介してバリアブルシャフ
ト137に伝達される。そして、バイアブルシャフト1
37によりピニオンギヤ161が回転し、ピニオンギヤ
161の回転力はセンターギヤ96を介してプラネタリ
ーキャリア102に伝達される。これにより、プラネタ
リーキャリア102に取付けられた各プラネタリーギヤ
106がサンギヤ107を中心として公転する。その
際、各プラネタリーギヤ106に噛み合うインターナル
ギヤ105はメインシャフト73と一体に回転し、イン
ターナルギヤ105とプラネタリーキャリア102の回
転差によって各プラネタリーギヤ106が自転する。そ
の際、各プラネタリーギヤ106の公転と自転の回転比
が各プラネタリーギヤ106とサンギヤ107のギヤ比
よりも小さければ、その差の分だけサンギヤ107が各
プラネタリーギヤ106の公転と同一方向に回転し、各
プラネタリーギヤ106の公転と自転の回転比が各プラ
ネタリーギヤ106とサンギヤ107のギヤ比よりも大
きければ、その差の分だけサンギヤ107が各プラネタ
リーギヤ106の公転の反対方向に回転し、サンギヤ1
07の回転力はアウトプットフランジ74を介して外部
に出力される。
【0053】次に、前述の動作においてコントロールギ
ヤ86を回動すると、その回動量に応じて各バリアブル
ケース148がメインシャフト73を中心に周方向に移
動する。これにより、バリアブルシャフト137、オフ
セットディスク136、クラッチシリンダ140及びピ
ニオンギヤ161の回転軸がクレセントシャフト125
の回転軸に対して偏心すると、クレセントシャフト12
5の回転力はスライダ135の往復運動によって許容さ
れながらオフセットディスク136に伝達される。即
ち、スライダ135は、偏心による変則的な回転運動を
許容しながらクレセントシャフト125の回転力をオフ
セットディスク136に伝達する偏心回転力伝達機構を
構成している。この場合、オフセットディスク136の
角速度は、図38(a) に示すようにスライダ135の往
復運動に伴って周期的に変化し、その最大値と最小値の
差はオフセットディスク136の偏心量が大きいほど大
きくなる。その際、オフセットディスク136と接続さ
れている可動ブロック130は、これに挿入されている
ピン134がリバイスギヤ122の波形の溝122aに
沿って移動するため、ピン130aを中心に常に一定の
周期で揺動している。即ち、図36及び図37に示すよ
うにクレセントシャフト125が回転すると可動ブロッ
ク130がピン130aを中心に一方へ傾き、クレセン
トシャフト125の回転角が45゜のとき傾きが最大と
なる。この後、回転角が45゜を越えると可動ブロック
130の傾きが小さくなり、回転角が90゜のとき傾き
のない状態に戻る。尚、図中白抜き矢印はオフセットデ
ィスク136の偏心方向を示す。また、回転角が90゜
を越えると可動ブロック130は他方へ傾き、回転角が
125゜のとき傾きが最大となる。この後、回転角が1
25゜を越えると可動ブロック130の傾きが小さくな
り、回転角が180゜のとき傾きのない状態に戻る。ま
た、回転角180゜〜360゜においても可動ブロック
130は前述と同様に揺動する。即ち、可動ブロック1
30の傾斜角は180゜周期のサインカーブを描いて変
化し、可動ブロック130に接続されているオフセット
ディスク136の角速度が図38(b) に示すように最大
値及び最小値付近で平らなカーブを描くように補正され
る。即ち、可動ブロック130及びこれを揺動させる溝
122aは、偏心によって周期的に変化する各従動回転
体の角速度を所定範囲の位相においてほぼ一定に補正す
る角速度補正機構を構成している。また、計4つのオフ
セットディスク136の角速度はそれぞれ90゜ずつ位
相がずれており、各ワンウェイクラッチ143によって
バリアブルシャフト137に伝達される回転力は、図3
5の斜線で示すように各オフセットディスク136ごと
に角速度の最大値を中心とする90゜の範囲ずつ取出さ
れる。これにより、可動ブロック130によって平らな
カーブを描くように補正された角速度が各オフセットデ
ィスク136ごとに連続して取出されることから、図3
8(c) に示すように出力側へ伝達される角速度αはほぼ
一定になる。この場合、角速度αはオフセットディスク
136の偏心量Lが大きくなると速くなり、偏心量Lが
小さくなると遅くなる。尚、可動ブロック130は入力
側の回転力に伴って常に揺動するが、オフセットディス
ク136が偏心していないときは可動ブロック130の
ピン130aの回転軸とオフセットディスク136のピ
ン136aの回転軸とが一致しているため、可動ブロッ
ク130の揺動によってオフセットディスク136の角
速度が補正されることはない。
【0054】ここで、前記無段変速機における変速比の
具体例を示す。尚、以下に述べる数値は各部品の設計寸
法によって決まるが、ここでは具体的な寸法についての
記載は省略する。
【0055】まず、図39に示すようにクレセントシャ
フト125とオフセットディスク136の回転軸が一致
している場合は、例えばメインシャフト73に入力され
た回転数を1000rpmとすると、ピニオンギヤ84
の大歯車84aが1000rpmで回転し、クレセント
シャフト125が571.43rpmで回転する。ま
た、ピニオンギヤ84の小歯車84bは1000rpm
で回転し、リバイスギヤ122は500rpmで回転す
る。この場合、オフセットディスク136はクレセント
シャフト125と回転軸が一致しているので、クレセン
トシャフト125と同様、571.43rpmで回転す
る。また、オフセットディスク136が571.43r
pmで回転すると、プラネタリーキャリア102は68
5.71rpmで回転し、各プラネタリーギヤ106は
685.71rpmで公転する。その際、インターナル
ギヤ105はメインシャフト73と同様、1000rp
mで回転しているから、インターナルギヤ105とプラ
ネタリーキャリア102の回転差によって各プラネタリ
ーギヤ106が2121.43rpmで自転する。これ
により、サンギヤ107が各プラネタリーギヤ106の
公転の反対方向、即ち−63.03rpmで回転し、入
力側と出力側の変速比は1000:−63.03とな
る。
【0056】次に、図40に示すようにオフセットディ
スク136の回転軸がクレセントシャフト125の回転
軸から偏心し、その偏心量が1/2Lである場合は、例
えばメインシャフト73に入力された回転数を1000
rpmとすると、ピニオンギヤ84の大歯車84aが1
000rpmで回転し、クレセントシャフト125が5
71.43rpmで回転する。また、ピニオンギヤ84
の小歯車84bは1000rpmで回転し、リバイスギ
ヤ122は500rpmで回転する。この場合、オフセ
ットディスク136はクレセントシャフト125に対し
て回転軸が偏心している分、即ち1.25倍の回転数7
14.29rpmで回転する。また、オフセットディス
ク136が714.29rpmで回転すると、プラネタ
リーキャリア102は857.14rpmで回転し、各
プラネタリーギヤ106は857.14rpmで公転す
る。その際、インターナルギヤ105はメインシャフト
73と同様、1000rpmで回転しているから、イン
ターナルギヤ105とプラネタリーキャリア102の回
転差によって各プラネタリーギヤ106が964.12
rpmで自転する。これにより、サンギヤ107が各プ
ラネタリーギヤ106の公転と同一方向に516.89
rpmで回転し、入力側と出力側の変速比は1000:
516.89となる。尚、例示していないが、偏心量0
〜1/2Lの間には変速比が1000:0となる位置が
ある。
【0057】次に、図40に示すようにオフセットディ
スク136の回転軸がクレセントシャフト125の回転
軸から偏心し、その偏心量がLである場合は、例えばメ
インシャフト73に入力された回転数を1000rpm
とすると、ピニオンギヤ84の大歯車84aが1000
rpmで回転し、クレセントシャフト125が571.
43rpmで回転する。また、ピニオンギヤ84の小歯
車84bは1000rpmで回転し、リバイスギヤ12
2は500rpmで回転する。この場合、オフセットデ
ィスク136はクレセントシャフト125に対して回転
軸が偏心している分、即ち1.5倍の回転数857.1
4rpmで回転する。また、オフセットディスク136
が857.14rpmで回転すると、プラネタリーキャ
リア102は1028.57rpmで回転し、各プラネ
タリーギヤ106は1028.57rpmで公転する。
その際、インターナルギヤ105はメインシャフト73
と同様、1000rpmで回転しているから、インター
ナルギヤ105とプラネタリーキャリア102の回転差
によって各プラネタリーギヤ106が−192.90r
pmで自転する。これにより、サンギヤ107が各プラ
ネタリーギヤ106の公転と同一方向に1096.64
rpmで回転し、入力側と出力側の変速比は1000:
1096.64となる。
【0058】ところで、前記無段変速機では、計4つの
オフセットディスク136のうち何れか1つにクレセン
トシャフト125からの動力が伝達されているが、変速
時に各オフセットディスク136を偏心させる際、動力
を伝達しているオフセットディスク136を偏心方向へ
移動させるためには他のオフセットディスク136に比
べて極めて大きな力が必要となる。そこで、本実施例で
はコントロールギヤ86の回動力は各トーションバー9
0を介して各バリアブルケース148に伝達されるた
め、動力を伝達しているオフセットディスク136のバ
リアブルケース148に対してはコントロールギヤ86
の回動力は一旦トーションバー90の捻り方向の弾性変
形によって蓄えられ、オフセットディスク136が動力
を伝達していない状態になると、トーションバー90が
復元してバリアブルケース148がオフセットディスク
136の偏心方向に移動する。この場合、変速機はエン
ジンによって常に高速で回転しているため、オフセット
ディスク136の偏心は瞬時に完了する。
【0059】また、オフセットディスク136が偏心状
態で回転すると、オフセットディスク136の角速度が
周期的に変化して振動が発生するが、オフセットディス
ク136の回転力はクラッチシリンダ140に各バース
プリング145を介して伝達されるため、各バースプリ
ング145の弾性により振動が吸収され、滑らかな回転
が得られる。
【0060】一方、前記無段変速機の構造では、各オフ
セットディスク136の回転力は各ワンウェイクラッチ
143を介して伝達されるため、この伝達系においては
逆方向からの回転力は伝達されないが、センターギヤ9
6とメインシャフト73の間に設けられたワンウェイク
ラッチ97は出力側からの回転力を入力側に伝達する一
方向伝達機構をなすことから、例えばアクセルをオフに
したときなど、出力側に入力側の回転数を上回る回転力
が発生した場合、メインシャフト73とセンターギヤ9
6がワンウェイクラッチ97によって接続状態となり、
出力側に入力側の回転抵抗、即ちエンジンブレーキを作
用させることができる。
【0061】
【実施例3】図42乃至図51は本発明の第3の実施例
を示すものであり、図42乃至図46は無段変速機の断
面図、図47乃至図50はその分解斜視図である。尚、
図47乃至図50における一点鎖線は各図に対応する同
一の番号で連続することを示す。
【0062】本実施例の無段変速機は、両端を開口した
筒状のトランスミッションケース170と、トランスミ
ッションケース170の一端を閉塞するケースカバー1
71と、トランスミッションケース170の他端を閉塞
するケースカバー172によって外装を形成され、各ケ
ースカバー171,172はボルト173,174によ
ってトランスミッションケース170に締結されてい
る。また、トランスミッションケース170の中心から
やや一方に偏心した軸上には、エンジンからの駆動力が
入力されるメインシャフト175と、駆動力を出力する
アウトプットシャフト176が同軸状に配置されてい
る。
【0063】一方のケースカバー171はメインシャフ
ト175を挿通する孔171aを有し、メインシャフト
175はボールベアリング177及びCリング178,
179を介してケースカバー171に回動自在に支持さ
れている。また、ケースカバー171内には軸心がメイ
ンシャフト175に対して垂直方向に延びるウオームギ
ヤ180が設けられ、ウオームギヤ180はケースカバ
ー171に側方から挿入されたコントロールシャフト1
81に取付けられている。
【0064】他方のケースカバー172はアウトプット
シャフト176を挿通する孔172aを有し、アウトプ
ットシャフト176はボールベアリング182及びCリ
ング183を介してケースカバー172に回動自在に支
持されている。
【0065】メインシャフト175は一端を筒状に拡大
しており、その内周面にはインターナルギヤ175aが
形成されている。また、メインシャフト175の一端面
中央には孔175bが設けられ、他端寄りの外周面には
ギヤ175cが形成されている。
【0066】アウトプットシャフト176は一端をメイ
ンシャフト175の孔175bにローラベアリング17
6aを介して回動自在に挿入され、一端寄りの外周面に
はギヤ176bが形成されている。
【0067】トランスミッションケース170の内部空
間はメインシャフト175が中心になるように径方向に
やや偏って形成され、メインシャフト175に対して偏
心した軸上にはインターナルギヤ184及びウォームホ
イール185が配置されている。インターナルギヤ18
4にはメインシャフト175のギヤ175cが内接して
噛み合っており、その外周面には一対のボールベアリン
グ186及びCリング187,188を介してウォーム
ホイール185が回動自在に支持されている。ウォーム
ホイール185には筒状のオフセットハウジング190
がピン191を介して結合されており、オフセットハウ
ジング190はウォームホイール189と一体に回動す
るようになっている。
【0068】オフセットハウジング190内にはギヤデ
ィスク192、オフセットリング193、計4つの可動
ブロック194及びブロックハウジング195が収容さ
れ、オフセットハウジング190の内部空間はメインシ
ャフト175が中心になるように径方向にやや偏って形
成されている。ギヤディスク192はボールベアリング
196を介してウォームホイール185に回動自在に支
持され、その一端側の中央にはインターナルギヤ184
に内接して噛み合うギヤ192aが一体に形成されてい
る。オフセットリング193はギヤディスク192とブ
ロックハウジング195との間に回動自在に支持され、
ブロックハウジング195側の面には楕円形の溝193
aが設けられている。また、オフセットリング193の
周面にはピニオンギヤ197が回動自在に挿入され、ピ
ニオンギヤ197はオフセットハウジング190側に固
定されたリングギヤ198とトランスミッションケース
170側に固定されたリングギヤ199に噛み合ってい
る。ブロックハウジング195はローラベアリング20
0を介してオフセットハウジング190に回動自在に支
持され、その一端にはギヤディスク192がボルト20
1によって固定されている。また、ブロックハウジング
195の他端には周方向に配列された計4つの孔195
aが軸方向に貫通して設けられ、各孔195a内には各
可動ブロック194がそれぞれ収容されている。各可動
ブロック194はブロックハウジング195の径方向に
延びる溝194aを有し、この溝194aの中央部分を
ギヤディスク192に固定されたシャフト202に回動
自在に支持されている。また、各可動ブロック194は
回動中心から径方向に偏位した部分に孔194bを有
し、この孔194bには先端をオフセットリング193
の溝193aに嵌入したピン203が多数のローラ20
4を介して挿入されている。
【0069】また、ブロックハウジング195には筒状
のラチェットシリンダ205が対向して配置され、ラチ
ェットシリンダ205はローラベアリング206を介し
てメインシャフト175に、ボールベアリング207及
び一対のCリング207a,207bを介してトランス
ミッションケース170にそれぞれ回動自在に支持され
ている。ラチェットシリンダ205内には周方向に配列
された計4つのバリアブルリング208が収容され、各
バリアブルリング208は多数のローラ209を介して
ラチェットシリンダ205に回動自在に支持されてい
る。また、各バリアブルリング208は互いにワッシャ
210を介して同軸状に配置され、その周方向の一部に
はブロックハウジング195側に延びるロッド208a
とラチェットシリンダ205の内周面に臨む孔208b
が一体に設けられている。この場合、各バリアブルリン
グ208ではそれぞれのロッド208a及び孔208b
の軸方向の位置が一致するようにリング部分を互い違い
にずらして形成されている。各バリアブルリング208
は各可動ブロック194に一つずつ対向しており、各可
動ブロック194の溝194aには各バリアブルリング
208のロッド208aが多数のローラ211、スペー
サリング212及び一対のワッシャ213を介して径方
向に摺動自在に挿入されている。また、各バリアブルリ
ング208の孔208b内にはラチェットフック214
がシャフト215を介して回動自在に支持され、各ラチ
ェットフック214はスプリング216によって爪がラ
チェットシリンダ205の内周面側に突出するように付
勢されている。即ち、ラチェットシリンダ205の内周
面には各ラチェットフック214に係合する内歯205
aが形成され、各ラチェットフック214は一方向のみ
で内歯205aに係止するようになっている。各孔20
8b内にはラチェットフック214に当接するシリコン
ゴム217が組込まれ、ラチェットフック214が内歯
205aから受ける衝撃をシリコンゴム217で吸収す
るようになっている。また、各バリアブルリング208
は多数のボール218を介してラチェットシリンダ20
5の内周面に接しており、そのリング部分はラチェット
シリンダ205に取付けられたリングホルダ220によ
って保持されている。
【0070】アウトプットシャフト176のギヤ176
bには計4つのプラネタリーギヤ221が噛み合ってお
り、各プラネタリーギヤ221はメインシャフト175
のインターナルギヤ175aに内接して噛み合ってい
る。各プラネタリーギヤ221は多数のローラ222、
シャフト223、ワッシャ224及びリングホルダ22
5を介してプラネタリーキャリア226に回動自在に取
付けられ、プラネタリーキャリア226はラチェットシ
リンダ205に固定されている。また、プラネタリーキ
ャリア226とインターナルギヤ175aの間にはロー
ラベアリング227が介装され、プラネタリーキャリア
226と他方のケースカバー172の端面との間にはス
ラストベアリング228及び一対のワッシャ229が介
装されている。
【0071】以上の構成においては、外部からの駆動力
によってメインシャフト175が回転すると、メインシ
ャフト175の回転力はギヤ175c、インターナルギ
ヤ184及びギヤ197を介してギヤディスク192に
伝達され、ギヤディスク192、ブロックハウジング1
95及び各可動ブロック194が一体に回転する。ま
た、各可動ブロック194の溝194aには各バリアブ
ルリング208のロッド208aが挿入されているの
で、各バリアブルリング208もブロックハウジング1
95等と一体に回転する。そして、各バリアブルリング
208の回転力は各ラチェットフック214及び内歯2
05aを介してラチェットシリンダ205に伝達され、
ラチェットシリンダ205及びプラネタリーキャリア2
26が一体に回転する。これにより、各プラネタリーギ
ヤ221がアウトプットシャフト176を中心に公転
し、各プラネタリーギヤ221の回転力はアウトプット
シャフト176のギヤ176aに伝達される。その際、
プラネタリーキャリア226の回転速度はメインシャフ
ト175のギヤ175cからインターナルギヤ184に
伝達される過程で減速されているので、メインシャフト
175のインターナルギヤ175aとプラネタリーキャ
リア226との間に回転差が生ずる。これにより、各プ
ラネタリーギヤ221が自転し、この自転の分だけ遅れ
を生じながらアウトプットシャフト176が回転する。
【0072】次に、前述の前述の動作においてコントロ
ールシャフト181を回動すると、その回動量に応じて
ウォームホイール185が回動し、ウォームホイール1
85と一体にオフセットハウジング190が回動する。
その際、オフセットハウジング190の軸心はトランス
ミッションケース170の軸心に対して偏心しているた
め、オフセットハウジング190内のギヤディスク19
2及びブロックハウジング195の回転軸Xを、図51
(a) に示すようにメインシャフト175の軸心に一致し
た位置から図51(b) に示すようにトランスミッション
ケース170の径方向に偏心した位置まで移動させるこ
とができる。この偏心により、各可動ブロック194の
溝194aと各バリアブルリング208のロッド208
aとの連結位置が径方向に偏位するため、ブロックハウ
ジング195の回転は各バリアブルリング208のロッ
ド208aが各可動ブロック194の溝194a内を往
復移動することによって許容されながら各バリアブルリ
ング208側に伝達され、ブロックハウジング195側
の回転に対して各バリアブルリング208側の角速度が
一回転に一周期で変化することになる。この場合、角速
度変化の位相は各バリアブルリング208ごとに90゜
ずつずれており、このうちで角速度の最大となるバリア
ブルリング208の回転力がラチェットフック214及
び内歯205aを介して出力側に伝達される。また、各
可動ブロック194はピン203をオフセットリング1
93に設けられた楕円形の溝193aに係合させている
ため、ブロックハウジング195が回転すると、溝19
3aの案内でシャフト202を中心にそれぞれ揺動す
る。この揺動が各バリアブルリング208の角速度の変
化に同期し、各バリアブルリング208の角速度が最大
値付近でほぼ一定に補正される。この原理は前記第2の
実施例と同様である。また、オフセットハウジング19
0を偏心させると、ピニオンギヤ197がオフセットハ
ウジング190側のリングギヤ198とトランスミッシ
ョンケース170側のリングギヤ199間を回転しなが
らトランスミッションケース170の周方向に移動し、
オフセットリング193がピニオンギヤ197に追従し
ながら同方向に回動する。この場合、オフセットリング
193はピニオンギヤ197の転動を介して回動するこ
とになるので、オフセットリング193の回動量はオフ
セットリング193の半分になる。これは各可動ブロッ
ク194の揺動が常に各バリアブルリング208の角速
度の変化に同期するようにオフセットリング193の溝
193aの向きを変えるためである。また、各可動ブロ
ック194はオフセットハウジング190が偏心してい
ないときでも揺動するが、この場合は各可動ブロック1
94の揺動中心が各バリアブルリング208のロッド2
08aと一致するため、各バリアブルリング208の角
速度が補正されることはない。このように、オフセット
ハウジング190の偏心量に応じて角速度の変化した各
バリアブルリング208の回転力が各ラチェットフック
214及び内歯205aの一方向伝達機能によって取出
され、アウトプットシャフト176に伝達される。
【0073】
【実施例4】図52乃至図63は本発明の第4の実施例
を示すものであり、図52乃至図55は無段変速機の断
面図、図56乃至図60はその分解斜視図である。尚、
図56乃至図60における一点鎖線は各図に対応する同
一の番号で連続することを示す。
【0074】本実施例の無段変速機は、一端を開口した
トランスミッションケース230と、トランスミッショ
ンケース230の一端を閉塞するケースカバー231に
よって外装を形成され、ケースカバー231はボルト2
32によってトランスミッションケース230に締結さ
れている。また、トランスミッションケース230の中
心からやや一方に偏心した軸上には、エンジンからの駆
動力が入力されるメインシャフト233と、駆動力を出
力するアウトプットシャフト234が同軸状に配置され
ている。
【0075】トランスミッションケース230はアウト
プットシャフト234を挿通する孔230aを有し、ア
ウトプットシャフト234はシール材235を介してト
ランスミッションケース230に回動自在に支持されて
いる。トランスミッションケース230内には軸心がメ
インシャフト233に対して垂直方向に延びるウオーム
ギヤ236が設けられ、ウオームギヤ236はトランス
ミッションケース230に側方から挿入されたコントロ
ールシャフト237に取付けられている。
【0076】ケースカバー231はメインシャフト23
3を挿通する孔231aを有し、メインシャフト233
はボールベアリング238を介してケースカバー231
に回動自在に支持されている。
【0077】メインシャフト233は一端側にインター
ナルギヤ239を有し、その他端側にはギヤ240がC
リング241と共に取付けられている。インターナルギ
ヤ239はギヤディスク239aを介してメインシャフ
ト233に取付けられ、ギヤディスク239aはボルト
239bを介してインターナルギヤ239に結合されて
いる。
【0078】アウトプットシャフト234は一端にギヤ
シャフト242を連結され、ギヤシャフト242は一対
のボールベアリング243を介してトランスミッション
ケース230に回動自在に支持されている。ギヤシャフ
ト242の一端にはギヤ242aが形成されており、そ
の端面中央には孔242bが設けられ、この孔242b
にはメインシャフト233の一端がローラベアリング2
44を介して回動自在に挿入されている。また、ギヤシ
ャフト242の一端面とギヤディスク239aとの間に
は一対のスラストワッシャ245及びスラストベアリン
グ246が介装されている。
【0079】トランスミッションケース230の内部空
間はメインシャフト233を中心として径方向にやや偏
って形成され、メインシャフト233に対して偏心した
軸上にはインターナルギヤ247及びウォームホイール
248が配置されている。インターナルギヤ247は一
対のボールベアリング249及びCリング250を介し
てケースカバー231に回動自在に支持され、その内周
面にはメインシャフト233のギヤ240が内接して噛
み合っている。また、インターナルギヤ247にはギヤ
240よりも径の大きいギヤ251がボルト252によ
って取付けられ、ギヤ251はインターナルギヤディス
ク253に内接して噛み合っている。ウォームホイール
248には筒状のオフセットハウジング254がピン2
55を介して結合されており、オフセットハウジング2
54はウォームホイール248と一体に回動するように
なっている。また、ウォームホイール248の一端には
リングギヤ248aが形成されている。
【0080】オフセットハウジング254内にはインタ
ーナルギヤディスク253、オフセットリング256、
計4つの可動ブロック257及びブロックハウジング2
58が収容され、オフセットハウジング254の内部空
間はメインシャフト175が中心になるように径方向に
偏って形成されている。インターナルギヤディスク25
3はボルト259を介してブロックハウジング258に
固定され、ブロックハウジング258は一対のボールベ
アリング260及びCリング261を介してオフセット
ハウジング254に回動自在に支持されている。オフセ
ットリング256はオフセットハウジング254内に回
動自在に支持され、ブロックハウジング258側の面に
は楕円形の溝256aが設けられている。また、オフセ
ットリング256の周面にはピニオンギヤ262が回動
自在に挿入され、ピニオンギヤ262はオフセットハウ
ジング254側のウォームホイール248に形成された
リングギヤ248aとトランスミッションケース230
側に固定されたリングギヤ263に噛み合っている。ブ
ロックハウジング258は周方向に配列された計4つの
孔258aを有し、各孔258a内には各可動ブロック
257がそれぞれ収容されている。各可動ブロック25
7はブロックハウジング258の径方向に延びる溝25
7aを有し、この溝257aの裏側に設けたロッド25
7bをブロックハウジング258にCリング264を介
して回動自在に支持されている。また、各可動ブロック
257は回動中心から径方向に偏位した部分に孔257
cを有し、この孔257cには先端をオフセットリング
256の溝256aに嵌入したピン265が多数のロー
ラ266を介して挿入されている。更に、ブロックハウ
ジング258の端面には各可動ブロック257を保持す
るリングホルダ267が取付けられている。また、各可
動ブロック257の溝257aにはスライダ268が摺
動自在に保持され、各スライダ268にはそれぞれ孔2
68aが設けられている。
【0081】ブロックハウジング258には筒状のラチ
ェットシリンダ269が対向して配置され、ラチェット
シリンダ269は一対のボールベアリング270、一対
のスペーサリング271及びワンウェイクラッチ272
を介してメインシャフト233に回動自在に支持されて
いる。ラチェットシリンダ269内には周方向に配列さ
れた計4つのバリアブルリング273が収容され、各バ
リアブルリング273は多数のローラ274を介してラ
チェットシリンダ269に回動自在に支持されている。
また、各バリアブルリング273は互いにワッシャ27
5を介して同軸状に配置され、その周方向の一部にはブ
ロックハウジング258側に延びるロッド273aとラ
チェットシリンダ269の内周面に臨む孔273bが一
体に設けられている。この場合、各バリアブルリング2
73ではそれぞれのロッド273a及び孔273bの軸
方向の位置が一致するようにリング部分を互い違いにず
らして形成されている。各バリアブルリング273は各
可動ブロック257に一つずつ対向しており、各可動ブ
ロック257の溝257aに保持されたスライダ268
の孔268aには各バリアブルリング273のロッド2
73aが回動自在に挿入されている。また、各バリアブ
ルリング273の孔273b内にはラチェットフック2
76がシャフト277を介して回動自在に支持され、各
ラチェットフック276はスプリング276aによって
爪がラチェットシリンダ269の内周面側に突出するよ
うに付勢されている。即ち、ラチェットシリンダ269
の内周面には各ラチェットフック276に係合する内歯
269aが形成され、各ラチェットフック276は一方
向のみで内歯269aに係止するようになっている。各
孔269b内にはラチェットフック276に当接するシ
リコンゴム278が組込まれ、ラチェットフック276
が内歯269aから受ける衝撃をシリコンゴム278で
吸収するようになっている。また、各バリアブルリング
273は多数のボール279を介してラチェットシリン
ダ269の内周面に接しており、それぞれラチェットシ
リンダ269の端面に取付けられたリングホルダ280
によって保持されている。
【0082】ギヤシャフト242のギヤ242aには計
4つのプラネタリーギヤ281が噛み合っており、各プ
ラネタリーギヤ281には大径歯車281a及び小径歯
車281bが形成されている。即ち、各プラネタリーギ
ヤ281の大径歯車281aはギヤシャフト242のギ
ヤ242aに噛み合っており、各プラネタリーギヤ28
1の小径歯車281bはメインシャフト233のインタ
ーナルギヤ239に内接して噛み合っている。各プラネ
タリーギヤ281は多数のローラ282、シャフト28
3、ワッシャ284及びリングホルダ285を介してプ
ラネタリーキャリア286に回動自在に取付けられ、プ
ラネタリーキャリア286はラチェットシリンダ269
にボルト287によって固定されている。また、プラネ
タリーキャリア286とトランスミッションケース23
0との間にはボールベアリング288が介装され、ギヤ
ディスク239aとラチェットシリンダ269との間に
はローラベアリング289が介装されている。
【0083】本実施例においては、各バリアブルリング
273のロッド273aがスライダ268を介して可動
ブロック257の溝257a内を往復移動する点と、メ
インシャフト233とラチェットシリンダ269との間
にワンウェイクラッチ272を設けて出力側に入力側の
回転抵抗を作用させるようにした点を除いては前記第3
の実施例と同等の構成であり、原理や動作についても同
様である。
【0084】また、図61乃至図63は前記第4の実施
例の変形例を示すもので、図61は無段変速機の要部正
面断面図、図62はその要部側面断面図、図63はその
要部分解斜視図である。ここでは、前記実施例が各バリ
アブルリング273から出力側への伝達手段にラチェッ
ト構造を用いたのに対し、これに代わる伝達手段として
ワンウェイクラッチを用いている。尚、前記実施例と同
等の構成部分には同一の符号を付して示し、構成の相違
点以外は図示を省略する。
【0085】本構成においては、前記ラチェットシリン
ダ269に対応するクラッチシリンダ290内にワンウ
ェイクラッチ291が設けられ、ワンウェイクラッチ2
91の内側にはバリアブルリング292が配置されてい
る。ワンウェイクラッチ291は多数のスプラグ293
と、各スプラグ293を保持する環状のスプラグホルダ
294と、各スプラグ293を一方向に付勢するリング
スプリング295とからなる。スプラグホルダ294は
周方向に配列された多数の孔294aを有し、各孔29
4aには各スプラグ293が互いに間隔をおいて回動自
在に保持されている。リングスプリング295はスプラ
グホルダ294の外周に装着され、周面に設けた多数の
バネ片295aで各スプラグ293を一方向に押圧して
いる。一方、バリアブルリング292はクラッチシリン
ダ290の内周面に臨む湾曲面292aを有し、この湾
曲面292aにはワンウェイクラッチ291の各スプラ
グ293が接触するようになっている。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の無段変
速機によれば、機械的な噛み合いによって動力を伝達す
ることができるので、従来のように摩擦力を利用したも
のに比べて動力を効率よく伝達することができ、しかも
部品同士の滑りや摩耗を極めて少なくすることができ
る。従って、より一層の低燃費化と小型化を図ることが
できるため、高出力エンジンの大型車にも搭載すること
が可能になり、大型車の課題であった低燃費化を達成す
ることができる。
【0087】また、請求項2によれば、請求項1の効果
に加え、角速度可変機構を具体的に実現することができ
るので、実用化に際して極めて有利である。
【0088】また、請求項3によれば、請求項1の効果
に加え、角速度補正機構を具体的に実現することができ
るので、実用化に際して極めて有利である。
【0089】また、請求項4によれば、請求項1の効果
に加え、回転力伝達機構を具体的に実現することができ
るので、実用化に際して極めて有利である。
【0090】また、請求項5の無段変速機によれば、請
求項1記載の無段変速機を具体的に実現することができ
るので、実用化に際して極めて有利である。
【0091】また、請求項6の無段変速機によれば、請
求項5の効果に加え、出力側の回転数を入力側に対して
変えるだけでなく、入力側に対する変速比を0にするこ
とができるので、入力側を回転させたまま出力側を停止
させることができる。従って、自動車に搭載する場合に
は発進用のクラッチを別途必要とせず、構造の簡素化及
び製造コストの低減を図ることができる。また、この構
成では変速比を0から無限大まで変えることができるの
で、変速範囲を使用目的に応じて自由に設定することが
できる。
【0092】また、請求項7の無段変速機によれば、請
求項6の効果に加え、変速する際に入力側の回転による
反力を受けることがないので、変速動作を何等支障なく
行うことができ、実用化に際して極めて有利である。
【0093】また、請求項8の無段変速機によれば、請
求項5、6または7の効果に加え、駆動回転体による余
計なモーメントが発生することがないので、出力軸の回
転ムラを確実に防止することができる。
【0094】また、請求項9の無段変速機によれば、請
求項1記載の無段変速機を具体的に実現することができ
るので、実用化に際して極めて有利である。
【0095】また、請求項10の無段変速機によれば、
請求項9の効果に加え、出力側の回転数を入力側に対し
て変えるだけでなく、入力側に対する変速比を0にする
ことができるので、入力側を回転させたまま出力側を停
止させることができる。従って、自動車に搭載する場合
には発進用のクラッチを別途必要とせず、構造の簡素化
及び製造コストの低減を図ることができる。また、この
構成では変速比を0から無限大まで変えることができる
ので、変速範囲を使用目的に応じて自由に設定すること
ができる。
【0096】また、請求項11の無段変速機によれば、
請求項9または10の効果に加え、変速する際に入力側
の回転による反力を受けることがないので、変速動作を
何等支障なく行うことができ、実用化に際して極めて有
利である。
【0097】また、請求項12の無段変速機によれば、
請求項9、10または11の効果に加え、偏心による振
動を吸収することができるので、常に滑らかな回転を得
ることができる。
【0098】また、請求項13の無段変速機によれば、
請求項9、10、11または12の効果に加え、出力側
に入力側の回転抵抗を作用させることができるので、自
動車に搭載する際には極めて有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す無段変速機の側面断面
【図2】図1のA−A線矢視方向断面図
【図3】図1のB−B線矢視方向断面図
【図4】無段変速機の分解斜視図
【図5】無段変速機の分解斜視図
【図6】無段変速機の分解斜視図
【図7】無段変速機の分解斜視図
【図8】無段変速機の要部側面断面図
【図9】無段変速機の要部分解斜視図
【図10】無段変速機の要部分解斜視図
【図11】無段変速機の概略構成図
【図12】無段変速機の動作説明図
【図13】非偏心状態の動作を示す原理図
【図14】偏心状態の動作を示す原理図
【図15】正転方向の回転を示す動作説明図
【図16】停止状態を示す動作説明図
【図17】逆転方向の回転を示す動作説明図
【図18】偏心時における歯車の位置関係を示す説明図
【図19】ボールの移動軌跡を示す説明図
【図20】角速度補正時における無段変速機の要部側面
断面図
【図21】本発明の変形例を示す無段変速機の概略構成
【図22】本発明の第2の実施例を示す無段変速機の側
面断面図
【図23】図22の矢視方向断面図
【図24】無段変速機の分解斜視図
【図25】無段変速機の分解斜視図
【図26】無段変速機の分解斜視図
【図27】無段変速機の分解斜視図
【図28】無段変速機の分解斜視図
【図29】無段変速機の要部拡大図
【図30】無段変速機の要部拡大図
【図31】無段変速機の要部拡大図
【図32】無段変速機の要部拡大図
【図33】無段変速機の要部拡大図
【図34】無段変速機の概略構成図
【図35】無段変速機の動作説明図
【図36】角速度補正機構の動作説明図
【図37】角速度補正機構の動作説明図
【図38】角速度の変化を示すグラフ
【図39】正転方向の回転を示す動作説明図
【図40】逆転方向の回転を示す動作説明図
【図41】逆転方向の回転を示す動作説明図
【図42】本発明の第3の実施例を示す無段変速機の側
面断面図
【図43】図42のA−A線矢視方向断面図
【図44】図42のB−B線矢視方向断面図
【図45】図42のC−C線矢視方向断面図
【図46】図42のD−D線矢視方向断面図
【図47】無段変速機の分解斜視図
【図48】無段変速機の分解斜視図
【図49】無段変速機の分解斜視図
【図50】無段変速機の分解斜視図
【図51】無段変速機の動作説明図
【図52】本発明の第4の実施例を示す無段変速機の側
面断面図
【図53】図52のA−A線矢視方向断面図
【図54】図52のB−B線矢視方向断面図
【図55】図52のC−C線矢視方向断面図
【図56】無段変速機の分解斜視図
【図57】無段変速機の分解斜視図
【図58】無段変速機の分解斜視図
【図59】無段変速機の分解斜視図
【図60】無段変速機の分解斜視図
【図61】第4の実施例の変形例を示す無段変速機の要
部正面断面図
【図62】無段変速機の要部側面断面図
【図63】無段変速機の要部分解斜視図
【符号の説明】
6…プラネタリーキャリア、7…バリアブルキャリア、
8…サンギヤ、9…カウンターギヤ、27…コントロー
ルギヤ、44…ボール、45…プラネタリーギヤ、73
…メインシャフト、86…コントロールギヤ、97…ワ
ンウェイクラッチ、106…プラネタリーギヤ、107
…サンギヤ、125…クレセントシャフト、136…オ
フセットディスク、148…バリアブルケース、175
…メインシャフト、176…アウトプットシャフト、1
81…コントロールシャフト、190…オフセットハウ
ジング、193…オフセットリング、194…可動ブロ
ック、208…バリアブルリング、214…ラチェット
フック、233…メインシャフト、234…アウトプッ
トシャフト、237…コントロールシャフト、254…
オフセットハウジング、256…オフセットリング、2
57…可動ブロック、273…バリアブルリング、27
6…ラチェットフック、ワンウェイクラッチ 291、292…バリアブルリング。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年11月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図42
【補正方法】変更
【補正内容】
【図42】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図43
【補正方法】変更
【補正内容】
【図43】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図44
【補正方法】変更
【補正内容】
【図44】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図45
【補正方法】変更
【補正内容】
【図45】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図46
【補正方法】変更
【補正内容】
【図46】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図47
【補正方法】変更
【補正内容】
【図47】
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図48
【補正方法】変更
【補正内容】
【図48】
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図49
【補正方法】変更
【補正内容】
【図49】
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図50
【補正方法】変更
【補正内容】
【図50】
【手続補正10】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図51
【補正方法】変更
【補正内容】
【図51】
【手続補正11】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図52
【補正方法】変更
【補正内容】
【図52】
【手続補正12】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図53
【補正方法】変更
【補正内容】
【図53】
【手続補正13】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図54
【補正方法】変更
【補正内容】
【図54】
【手続補正14】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図55
【補正方法】変更
【補正内容】
【図55】
【手続補正15】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図56
【補正方法】変更
【補正内容】
【図56】
【手続補正16】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図57
【補正方法】変更
【補正内容】
【図57】
【手続補正17】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図58
【補正方法】変更
【補正内容】
【図58】
【手続補正18】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図59
【補正方法】変更
【補正内容】
【図59】
【手続補正19】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図60
【補正方法】変更
【補正内容】
【図60】
【手続補正20】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図61
【補正方法】変更
【補正内容】
【図61】
【手続補正21】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図62
【補正方法】変更
【補正内容】
【図62】
【手続補正22】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図63
【補正方法】変更
【補正内容】
【図63】

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部からの駆動力によって回転する入力
    側回転体と、 入力側回転体と同軸に配置された出力側回転体と、 入力側回転体の回転により互いに共通の軸を中心に回転
    する複数の主動回転体と、 各主動回転体の回転により互いに共通の軸を中心に回転
    する複数の従動回転体と、 各主動回転体及び各従動回転体の一方の角速度を他方の
    回転に対して周期的に変化させる角速度可変機構と、 周期的に変化する角速度を所定範囲の位相においてほぼ
    一定に補正する角速度補正機構と、 角速度の補正された回転力のみを各従動回転体から取出
    して出力側回転体に伝達する回転力伝達機構とを備えた
    ことを特徴とする無段変速機。
  2. 【請求項2】 前記角速度可変機構を、主動回転体の回
    転軸及び従動回転体の回転軸を互いに径方向に偏心させ
    る偏心手段と、偏心による回転軸の径方向への移動を許
    容しながら主動回転体の回転力を各従動回転体に伝達す
    る伝達手段とから構成したことを特徴とする請求項1記
    載の無段変速機。
  3. 【請求項3】 前記角速度補正機構を、角速度の変化に
    同期して揺動する揺動部材と、揺動部材を所定の軌道に
    沿って案内する案内部とから構成したことを特徴とする
    請求項1記載の無段変速機。
  4. 【請求項4】 前記回転力伝達機構を、各従動回転体の
    うちで最も角速度の速い回転力を出力側回転体に伝達す
    る一方向伝達手段から構成したことを特徴とする請求項
    1記載の無段変速機。
  5. 【請求項5】 外部からの駆動力によって回転する入力
    側回転体と、 入力側回転体と同軸に配置された出力側回転体と、 入力側回転体の回転により入力側回転体の回転軸を中心
    に公転しながら入力側回転体に対して所定の回転比で自
    転する複数の主動回転体と、 各主動回転体と共に入力側回転体の回転軸を中心に公転
    する複数の従動回転体と、 各従動回転体の自転軸を主動回転体の自転軸に対して任
    意の量だけ偏心させる回転軸偏心機構と、 偏心による変則的な回転運動を許容しながら各主動回転
    体の回転力を従動回転体に伝達する複数の偏心回転力伝
    達機構と、 偏心によって周期的に変化する各従動回転体の角速度を
    所定範囲の位相においてほぼ一定に補正する複数の角速
    度補正機構と、 角速度を補正された回転力のみを取出して出力側に伝達
    する複数の補正回転力伝達機構とを備えたことを特徴と
    する無段変速機。
  6. 【請求項6】 前記各従動回転体をなす複数の遊星歯車
    と、各遊星歯車の回転力を出力側回転体に伝達する太陽
    歯車とを備え、 各遊星歯車の公転と自転の回転比の可変範囲を各遊星歯
    車と前記太陽歯車のギヤ比と等しい回転比を含むように
    設定したことを特徴とする請求項5記載の無段変速機。
  7. 【請求項7】 前記各遊星歯車と太陽歯車との間に少な
    くとも一つずつの補助歯車を介在させたことを特徴とす
    る請求項6記載の無段変速機。
  8. 【請求項8】 互いに反対方向に回転する主動回転体を
    同数ずつ備えたことを特徴とする請求項5、6または7
    記載の無段変速機。
  9. 【請求項9】 外部からの駆動力によって回転する入力
    側回転体と、 入力側回転体と同軸に配置された出力側回転体と、 入力側回転体の回転軸を中心に周方向に配置され、入力
    側回転体の回転力によって回転する複数の主動回転体
    と、 入力側回転体の回転軸を中心に周方向に配置され、各主
    動回転体の回転力によって回転する複数の従動回転体
    と、 各従動回転体の回転軸を主動回転体の回転軸に対して任
    意の量だけ偏心させる回転軸偏心機構と、 偏心による変則的な回転運動を許容しながら各主動回転
    体の回転力を従動回転体に伝達する複数の偏心回転力伝
    達機構と、 偏心によって周期的に変化する各従動回転体の角速度を
    所定範囲の位相においてほぼ一定に補正する複数の角速
    度補正機構と、 角速度を補正された回転力のみを取出して出力側に伝達
    する複数の補正回転力伝達機構とを備えたことを特徴と
    する無段変速機。
  10. 【請求項10】 入力側回転体の回転力によって公転
    し、各従動回転体の回転力によって自転する複数の遊星
    歯車と、各遊星歯車の回転力を出力側回転体に伝達する
    太陽歯車とを備え、 各遊星歯車の公転と自転の回転比の可変範囲を各遊星歯
    車と前記太陽歯車のギヤ比と等しい回転比を含むように
    設定したことを特徴とする請求項9記載の無段変速機。
  11. 【請求項11】 前記各従動回転体を偏心させるための
    力を伝達する機構の一部を弾性を有する部材によって形
    成したことを特徴とする請求項9または10記載の無段
    変速機。
  12. 【請求項12】 前記従動回転体の回転力を出力側に伝
    達する機構の一部を弾性を有する部材によって形成した
    ことを特徴とする請求項9、10または11記載の無段
    変速機。
  13. 【請求項13】 出力側の回転数が入力側の回転数を上
    回ったときのみ出力側からの回転力を入力側に伝達する
    一方向伝達機構を備えたことを特徴とする請求項9、1
    0、11または12記載の無段変速機。
JP6246549A 1993-10-12 1994-10-12 無段変速機 Pending JPH0842644A (ja)

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TW085101577A TW348126B (en) 1994-10-12 1996-02-08 Strepless speed varying device

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JP25431193 1993-10-12
JP11507294 1994-05-27
JP6-115072 1994-05-27
JP5-254311 1994-05-27
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