JP3090863B2 - 過給機の変速装置 - Google Patents

過給機の変速装置

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JP3090863B2 JP07216131A JP21613195A JP3090863B2 JP 3090863 B2 JP3090863 B2 JP 3090863B2 JP 07216131 A JP07216131 A JP 07216131A JP 21613195 A JP21613195 A JP 21613195A JP 3090863 B2 JP3090863 B2 JP 3090863B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は燃料混合空気を強制
的にエンジンのシリンダ内に送り込んで吸入圧を高める
過給機に用いられ、エンジンの回転数に応じて過給機の
回転速度を制御する過給機の変速装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の高性能,高出力化に伴
い、燃料の吸入圧を高める過給機を備えたエンジンが用
いられるようになっている。過給機は排気タービンによ
って駆動されるターボチャージャーと、エンジンの出力
軸によって機械的に駆動されるスーパーチャージャーと
に大別され、それぞれ混合空気を強制的にエンジンのシ
リンダ内に送り込んで吸入空気の密度を高めることによ
り、トルクや燃費の向上を図るための装置である。
【0003】従来、一般の自動車に搭載される過給機と
してはターボチャージャーが多くを占めていたが、最近
ますます厳しくなる自動車の排気ガス規制により、エン
ジン始動時に排気ガスの温度が低いために発生する有害
ガスを減らすため、排気系の熱容量の低減、つまり排気
ガスを流通する部材を少なくして排気ガスの温度を短時
間で上昇させようとする傾向がある。このため、ターボ
チャージャーのように排気ガスを別経路によってタービ
ンに送り込んでから排出する構造では、排気系に使用す
る部材が多くなって前述の排気ガス規制に対応すること
ができないという欠点がある。そこで、構造的に排気系
とは無縁のスーパーチャージャーがターボチャージャー
に代わる過給機として注目され始めている。
【0004】スーパーチャージャーには容積型と速度型
の二つのタイプがあり、容積型はルーツ式,バンケル
式,Gラーダー式,リショルム式等、いわゆる密閉型の
圧縮機を用いたもので、速度型は遠心式タービン等の開
放型の圧縮機を用いたものである。しかしながら、容積
型は大型で高価な上に、内部に異物等が侵入すると回転
が止まり、このため吸気閉塞を起こしてエンジンを破壊
する恐れがあるなど、実用化に多くの難点があった。一
方、速度型は構造が簡単であるとともに、故障等により
タービンが停止した場合でも空気の通る隙間があるため
吸気閉塞の恐れがなく、実用化には好都合であるという
利点がある。しかしながら、速度型のスーパーチャージ
ャーはターボチャージャーと同様、エンジンの回転数が
低いときには有効な過給圧が得られず、逆にエンジンの
回転数が高いときは過給圧が過大になるため意図的に圧
力を逃がさなければならず、効率の面で不利であった。
そこで、エンジンの出力軸と速度型のスーパーチャージ
ャーとの間に変速装置を設け、エンジンの回転数に応じ
てスーパーチャージャーを適正な回転速度で駆動するこ
とにより、低速域から高速域まで常に安定した過給圧を
得られるようにしたものが提案されている(例えば、特
開平4−265422号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】現在、最も一般的な無
段変速機としては、金属ベルトと一対のプーリを備え、
プーリの溝幅を連続的に変えることによってプーリに掛
けられたベルトの半径を変化させて変速するようにした
ものが存在している。しかしながら、このタイプでは構
造上、各プーリの回転軸が互いに間隔をおいて平行に配
置されているため、変速機自体が大型になり、最近の自
動車の雑多なエンジンルーム内では十分なスペースを確
保することができず、実車への搭載が極めて困難である
という問題点があった。
【0006】本発明は前記問題点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、エンジンの回転数に
応じて過給機の回転速度を制御することができ、しかも
小型で自動車等への搭載スペースを小さくすることので
きる過給機の変速装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために、請求項1では、エンジンの駆動力によって
回転する過給機の回転速度をエンジンの回転数に応じて
変える過給機の変速装置において、エンジンの駆動力に
よって回転する入力側回転体と、入力側回転体と同軸に
配置され、過給機の回転軸に同軸に連結された出力側回
転体と、入力側回転体の回転軸上を入力側回転体の回転
力によって回転する主動回転体と、入力側回転体の回転
軸を中心とする所定の円周上に配置され、この円周上を
主動回転体の回転力によって回転する複数の従動回転体
と、各従動回転体の角速度を主動回転体の角速度に対し
て周期的に変化させる角速度可変手段と、周期的に変化
する各従動回転体の角速度を所定範囲内の位相において
ほぼ一定に補正する角速度補正手段と、角速度の補正さ
れた回転力のみを各従動回転体から抽出して出力側回転
体に伝達する回転力抽出手段とを備えている。これによ
り、エンジンの駆動力によって入力側回転体が回転する
と、入力側回転体の回転力は主動回転体に伝達され、主
動回転体の回転力は各従動回転体に伝達される。その
際、各従動回転体の角速度を主動回転体の角速度に対し
て周期的に変化させると、周期的に変化する各従動回転
体の角速度が所定範囲内の位相においてほぼ一定に補正
され、角速度の補正された回転力のみが各従動回転体か
ら抽出されて出力側回転体に伝達される。従って、各従
動回転体の角速度を主動回転体の角速度に対して変化さ
せることにより、エンジンの回転数に対して過給機の回
転速度が無段階に変わる。また、入力側回転体と出力側
回転体とが同軸状に配置されていることから、変速装置
自体の小型化が可能となる。
【0008】また、請求項2では、請求項1記載の過給
機の変速装置において、前記角速度可変手段を、各従動
回転体の回転軸を径方向に偏心させる偏心手段と、偏心
による回転軸の径方向への移動を許容しながら主動回転
体の回転力を各従動回転体に伝達する伝達手段とから構
成している。これにより、請求項1の作用に加え、各従
動回転体の回転軸を互いに径方向に偏心させ、偏心によ
る回転軸の径方向への移動を許容しながら主動回転体の
回転力を各従動回転体に伝達することにより、各従動回
転体の角速度が主動回転体の角速度に対して周期的に変
化する。
【0009】また、請求項3では、請求項1または2記
載の過給機の変速装置において、前記角速度補正手段
を、角速度の変化に同期して揺動する揺動体と、揺動体
を所定の軌道に沿って案内する案内手段とから構成して
いる。これにより、請求項1または2の作用に加え、角
速度の変化に同期して揺動する揺動体を所定の軌道に沿
って案内することにより、周期的に変化する角速度が所
定範囲の位相においてほぼ一定に補正される。
【0010】また、請求項4では、請求項1、2または
3記載の過給機の変速装置において、前記回転力抽出手
段を、各従動回転体のうちで最も角速度の速い回転力を
出力側回転体に伝達する一方向伝達手段から構成してい
る。これにより、請求項1、2または3の作用に加え、
各従動回転体のうちで最も角速度の速い回転力を出力側
回転体に伝達することにより、角速度の補正された回転
力のみが各従動回転体から抽出されて出力側回転体に伝
達される。
【0011】また、請求項5では、請求項1、2、3ま
たは4記載の過給機の変速装置において、前記出力側回
転体の回転速度を増加させて過給機の回転軸に伝達する
増速手段を備えている。これにより、請求項1、2、3
または4の作用に加え、過給機の回転速度を増加するこ
とが可能である。
【0012】また、請求項6では、請求項5記載の過給
機の変速装置において、前記増速手段を、出力側回転体
と一体に回転する内歯車と、内歯車の中心軸上を過給機
の回転軸と一体に回転する中心側歯車と、内歯車及び中
心側歯車の間を内歯車及び中心側歯車に噛み合いながら
回転する複数の連動歯車とから構成し、各連動歯車が内
歯車と噛み合う部分の外径を中心側歯車と噛み合う部分
の外径よりも小さく形成している。これにより、請求項
5の作用に加え、前記増速手段が具体的に実現されると
ともに、各連動歯車が内歯車と噛み合う部分の外径が中
心側歯車と噛み合う部分の外径よりも小さく形成されて
いることから、内歯車の外径が各連動歯車の全てを配列
した外径よりも大きくなることがなく、増速手段の小型
化が可能となる。
【0013】また、請求項7では、請求項1、2、3、
4、5または6記載の過給機の変速装置において、前記
角速度可変手段を駆動する駆動手段と、エンジンの回転
数を検出する回転数検出手段と、回転数検出手段によっ
て検出された回転数に応じて前記駆動手段を制御する制
御手段とを備えている。これにより、請求項1、2、
3、4、5または6の作用に加え、エンジンの回転数に
応じて過給機の回転速度が制御される。
【0014】
【発明の実施の形態】図1乃至図13は本発明の一実施
形態を示すもので、図1は過給機の変速装置の全体側面
図、図2乃至図6は変速装置の断面図、図7乃至図11
はその分解斜視図である。尚、図7乃至図11における
一点鎖線は各図に対応する同一の番号で連続することを
示す。
【0015】変速装置は、変速機構部を収容する筒状の
変速ユニットケース1と、増速手段を収容する筒状の増
速ユニットケース2によって外装を形成され、変速ユニ
ットケース1及び増速ユニットケース2はボルト3によ
って互いに一端同士を連結されている。変速ユニットケ
ース1の他端はケースカバー4によって閉塞され、ケー
スカバー4はボルト5によって変速ユニットケース1に
締結されている。また、増速ユニットケース2の他端は
ケースカバー6によって閉塞され、ケースカバー6はボ
ルト7によって増速ユニットケース2に締結されてい
る。
【0016】変速ユニットケース1内には入力側回転体
をなすインプットシャフト8と、出力側回転体をなすア
ウトプットシャフト9が互いに同軸状に設けられ、これ
らシャフト8,9は変速ユニットケース1の軸心から偏
心して配置されている。
【0017】変速ユニットケース1のケースカバー4は
インプットシャフト8を挿通する孔4aを有し、インプ
ットシャフト8はボールベアリング10及びCリング1
1,12を介してケースカバー4に回動自在に支持され
ている。また、ケースカバー4の内側には軸心がインプ
ットシャフト8に対して垂直方向に延びるウオームギヤ
13が設けられ、ウオームギヤ13はケースカバー4に
側方から挿入されたコントロールシャフト14に取付け
られている。
【0018】変速ユニットケース1の他端面にはアウト
プットシャフト9を挿通する孔1aが設けられ、アウト
プットシャフト9はボールベアリング15及びCリング
16を介して変速ユニットケース1に回動自在に支持さ
れている。
【0019】インプットシャフト8は一端を筒状に拡大
されており、その内周面にはインターナルギヤ8aが形
成されている。また、インプットシャフト8の一端面中
央には孔8bが設けられ、他端寄りの外周面にはギヤ8
cが形成されている。
【0020】アウトプットシャフト9は一端をインプッ
トシャフト8の孔8bにローラベアリング17を介して
回動自在に挿入され、一端寄りの外周面にはギヤ9aが
形成されている。
【0021】変速ユニットケース1の内形はインプット
シャフト8が中心になるように径方向にやや偏って形成
され、インプットシャフト8に対して偏心した軸上には
インターナルギヤ18及びウォームホイール19が配置
されている。インターナルギヤ18にはインプットシャ
フト8のギヤ8cが内接して噛み合っており、その外周
面には一対のボールベアリング20及びCリング21,
22を介してウォームホイール19が回動自在に支持さ
れている。ウォームホイール19には主動回転体をなす
筒状のオフセットハウジング23がピン24を介して結
合されており、オフセットハウジング23はウォームホ
イール19と一体に回動するようになっている。
【0022】オフセットハウジング23内にはギヤディ
スク25、オフセットリング26、揺動体をなす計4つ
の可動ブロック27及びブロックハウジング28が収容
され、オフセットハウジング23の内形はインプットシ
ャフト8が中心になるように径方向にやや偏って形成さ
れている。ギヤディスク25はボールベアリング29を
介してウォームホイール19に回動自在に支持され、そ
の一端側の中央にはインターナルギヤ18に内接して噛
み合うギヤ25aが一体に形成されている。オフセット
リング26はギヤディスク25とブロックハウジング2
8との間に回動自在に支持され、ブロックハウジング2
8側の面には楕円形の溝26aが設けられている。ま
た、オフセットリング26の周面にはピニオンギヤ30
が回動自在に挿入され、ピニオンギヤ30はオフセット
ハウジング23側に固定されたリングギヤ31と変速ユ
ニットケース1側に固定されたリングギヤ32に噛み合
っている。ブロックハウジング28はローラベアリング
33を介してオフセットハウジング23に回動自在に支
持され、その一端にはギヤディスク25がボルト34に
よって固定されている。また、ブロックハウジング28
の他端には周方向に配列された計4つの孔28aが軸方
向に貫通して設けられ、各孔28a内には各可動ブロッ
ク27がそれぞれ収容されている。各可動ブロック27
はブロックハウジング28の径方向に延びる溝27aを
有し、この溝27aの中央部分をギヤディスク25に固
定されたシャフト35に回動自在に支持されている。ま
た、各可動ブロック27は回動中心から径方向に偏位し
た部分に孔27bを有し、この孔27bには先端をオフ
セットリング26の溝26aに嵌入したピン36が多数
のローラ37を介して挿入されている。
【0023】ブロックハウジング28には筒状のワンウ
ェイクラッチシリンダ38が対向して配置され、ワンウ
ェイクラッチシリンダ38はローラベアリング39を介
してインプットシャフト8に、ボールベアリング40及
び一対のCリング41,42を介して変速ユニットケー
ス1にそれぞれ回動自在に支持されている。ワンウェイ
クラッチシリンダ38内には周方向に配列された従動回
転体をなす計4つのバリアブルリング43が収容され、
各バリアブルリング43は多数のローラ44を介してワ
ンウェイクラッチシリンダ38に回動自在に支持されて
いる。また、各バリアブルリング43は互いにワッシャ
45を介して同軸状に配置され、その周方向の一部には
ブロックハウジング28側に延びるロッド43aとワン
ウェイクラッチシリンダ38の内周面に臨む溝43bが
一体に設けられている。この場合、各バリアブルリング
43ではそれぞれのロッド43a及び溝43bの軸方向
の位置が一致するようにリング部分を互い違いにずらし
て形成されている。各バリアブルリング43は各可動ブ
ロック27に一つずつ対向しており、各可動ブロック2
7の溝27aには各バリアブルリング43のロッド43
aがスペーサリング46、多数のローラベアリング47
及び一対のワッシャ48を介して径方向に摺動自在に挿
入されている。また、各バリアブルリング43の溝43
b内には複数のスクラブ49が設けられ、各スクラブ4
9は溝43b内にネジ50で固定された複数のスクラブ
ブロック51の間に揺動自在に収容されている。この場
合、各スクラブ49はスクラブブロック51に支持され
たスプリング52によって一方向に付勢されている。即
ち、各スクラブ49はスプリング52の付勢によりワン
ウェイクラッチシリンダ38の内周面に圧接しており、
バリアブルリング43が一方に回転するときはワンウェ
イクラッチシリンダ38との間に滑り摩擦を生じて回転
を停止させ、他方に回転するときはワンウェイクラッチ
シリンダ38に対して摺動して回転を許容するようにな
っている。
【0024】アウトプットシャフト9のギヤ9aには計
4つのプラネタリーギヤ53が噛み合っており、各プラ
ネタリーギヤ53はインプットシャフト8のインターナ
ルギヤ8aに内接して噛み合っている。各プラネタリー
ギヤ53は多数のローラ54、シャフト55、ワッシャ
56及びリングホルダ57を介してプラネタリーキャリ
ア58に回動自在に取付けられ、プラネタリーキャリア
58はワンウェイクラッチシリンダ38に固定されてい
る。また、プラネタリーキャリア58とインターナルギ
ヤ8aの間にはローラベアリング59が介装され、プラ
ネタリーキャリア59と変速ユニットケース1の内面と
の間にはスラストベアリング60及び一対のワッシャ6
1が介装されている。
【0025】増速ユニットケース2内には、アウトプッ
トシャフト9と一体に回転するインターナルギヤ62
と、アウトプットシャフト9と同軸状に設けられたサン
ギヤシャフト63と、サンギヤシャフト63のサンギヤ
63a及びインターナルギヤ62に噛み合う計2つのプ
ラネタリーギヤ64が収容され、インターナルギヤ62
は内歯車を、サンギヤ63aは中心側歯車を、各プラネ
タリーギヤ64は連動歯車をなす。インターナルギヤ6
2はアウトプットシャフト9の一端に連結され、増速ユ
ニットケース2の孔2aにボールベアリング65及びC
リング66を介して回動自在に支持されている。また、
インターナルギヤ62の他端側中央にはサンギヤホルダ
67がアウトプットシャフト9の一端に螺合するネジ6
8によって取付けられている。サンギヤシャフト63は
一端をサンギヤホルダ67の孔67aにローラベアリン
グ69を介して回動自在に支持され、他端側をケースカ
バー6の孔6aから外部に臨ませている。各プラネタリ
ーギヤ64は互いに一体に形成された大径ギヤ64aと
小径ギヤ64bとからなり、大径ギヤ64aをサンギヤ
63aに、小径64bをインターナルギヤ62にそれぞ
れ噛み合わせている。また、各プラネタリーギヤ64は
ローラベアリング70、ボールベアリング70a及びC
リング70bを介してプラネタリーシャフト71に回動
自在に支持されている。各プラネタリーシャフト71の
一端はリング状に形成されたシャフトホルダ72の孔7
2aに保持され、各シャフトホルダ72はボルト73に
よってケースカバー6に固定されている。また、各プラ
ネタリーシャフト71の他端はケースカバー6に設けた
孔6bに圧入されている。
【0026】以上の構成においては、インプットシャフ
ト8を回転させると、インプットシャフト8の回転力は
ギヤ8c、インターナルギヤ18及びギヤ25aを介し
てギヤディスク25に伝達され、ギヤディスク25、ブ
ロックハウジング28及び各可動ブロック27が一体に
回転する。また、各可動ブロック27の溝27aには各
バリアブルリング43のロッド43aが挿入されている
ので、各バリアブルリング43もブロックハウジング2
8等と一体に回転する。そして、各バリアブルリング4
3の回転力は各スクラブ49によってワンウェイクラッ
チシリンダ38に伝達され、ワンウェイクラッチシリン
ダ38及びプラネタリーキャリア58が一体に回転す
る。これにより、各プラネタリーギヤ53がアウトプッ
トシャフト9を中心に公転し、各プラネタリーギヤ53
の回転力はアウトプットシャフト9のギヤ9aに伝達さ
れる。その際、プラネタリーキャリア58の回転速度は
インプットシャフト8のギヤ8cからインターナルギヤ
18に伝達される過程で減速されているので、インプッ
トシャフト8のインターナルギヤ8aとプラネタリーキ
ャリア58との間に回転差が生ずる。これにより、各プ
ラネタリーギヤ53が自転し、各プラネタリーギヤ53
の自転の分だけ遅れを生じながらアウトプットシャフト
9が回転する。
【0027】次に、前述の前述の動作においてコントロ
ールシャフト14を回動すると、その回動量に応じてウ
ォームホイール19が回動し、ウォームホイール19と
一体にオフセットハウジング23が回動する。その際、
オフセットハウジング23の軸心は変速ユニットケース
1の軸心に対して偏心しているため、オフセットハウジ
ング23内のギヤディスク25及びブロックハウジング
28の回転軸Xを図12(a) に示すようにインプットシ
ャフト8の軸心に一致した位置から図12(b)に示すよ
うに変速ユニットケース1の径方向に偏心した位置まで
移動させることができる。この偏心により、各可動ブロ
ック27の溝27aと各バリアブルリング43のロッド
43aとの連結位置が径方向に偏位するため、ブロック
ハウジング28の回転は各バリアブルリング43のロッ
ド43aが各可動ブロック27の溝27a内を往復移動
することによって許容されながら各バリアブルリング4
3側に伝達され、ブロックハウジング28側の回転に対
して各バリアブルリング43側の角速度が一回転に一周
期で変化することになる。この場合、角速度変化の位相
は各バリアブルリング43ごとに90゜ずつずれてお
り、このうちで角速度の最大となるバリアブルリング4
3の回転力が各スクラブ49及びワンウェイクラッチシ
リンダ38を介して出力側に伝達される。また、各可動
ブロック27はピン36をオフセットリング26に設け
られた楕円形の溝26aに係合させているため、ブロッ
クハウジング28が回転すると、溝26aの案内でシャ
フト35を中心にそれぞれ揺動する。この揺動が各バリ
アブルリング43の角速度の変化に同期し、各バリアブ
ルリング43の角速度が最大値付近でほぼ一定に補正さ
れる。また、オフセットハウジング23を偏心させる
と、ピニオンギヤ30がオフセットハウジング30側の
リングギヤ31と変速ユニットケース1側のリングギヤ
32間を回転しながら変速ユニットケース1の周方向に
移動し、オフセットリング26がピニオンギヤ30に追
従しながら同方向に回動する。この場合、オフセットリ
ング26はピニオンギヤ30の転動を介して回動するこ
とになるので、オフセットリング26の回動量はオフセ
ットハウジング28の半分になる。これは各可動ブロッ
ク27の揺動が常に各バリアブルリング43の角速度の
変化に同期するようにオフセットリング26の溝26a
の向きを変えるためである。また、各可動ブロック27
はオフセットハウジング28が偏心していないときでも
揺動するが、この場合、各可動ブロック27の揺動中心
が各バリアブルリング43のロッド43aと一致するた
め、各バリアブルリング43の角速度が補正されること
はない。このように、オフセットハウジング23の偏心
量に応じて角速度の変化した各バリアブルリング43の
回転力が各スクラブ49及びワンウェイクラッチシリン
ダ38の一方向伝達機構によって取出され、アウトプッ
トシャフト9に伝達される。従って、コントロールシャ
フト14の回動量に応じてアウトプットシャフト9の回
転速度が無段階に変速される。
【0028】また、増速ユニットケース2内では、アウ
トプットシャフト9の回転によってインターナルギヤ6
2が回転し、インターナルギヤ62の回転力は各プラネ
タリーギヤ64の小径ギヤ64bに伝達された後、各プ
ラネタリーギヤ64の大径ギヤ64aからサンギヤシャ
フト63のサンギヤ63aに伝達される。その際、アウ
トプットシャフト9の回転は、インターナルギヤ62か
ら各プラネタリーギヤ64の小径ギヤ64bに伝達され
る段階で増速され、更に各プラネタリーギヤ64の大径
ギヤ64aからサンギヤ63aに伝達される段階で増速
される。
【0029】尚、前記実施形態では、図13に示すよう
にバリアブルリング43の溝43b内を複数のスクラブ
ブロック51で仕切り、その間に各スクラブ49を収容
したものを示したが、図14に示すように一端面を円形
に形成されたスクラブ73を用い、バリアブルリング4
3の溝43b内に各スクラブ73の円形面に面接触する
円形面を設ければ、各スクラブ73を常にこの円形面に
沿って安定的に揺動させることができる。
【0030】図1に示す過給機74は前記変速装置の増
速ユニットケース2側の一端に取付けられ、内部のイン
ペラ74aの回転軸を前記サンギヤシャフト63に連結
されている。また、変速装置のインプットシャフト8に
はエンジン(図示せず)の出力軸に連結されたプーリ7
5が取付けられ、エンジンの回転力が変速装置を介して
過給機74に伝達されるようになっている。更に、変速
装置には前記コントロールシャフト14に連結されたモ
ータ76が取付けられ、モータ76によってコントロー
ルシャフト14が回動するようになっている。モータ7
6はステッピングモータやサーボモータ等、回転量を制
御可能なものであればよいが、油圧シリンダ等の各種ア
クチュエータを用いることも可能である。
【0031】以上の構成においては、モータ76はマイ
クロコンピュータ等によって構成される制御部77に接
続され、制御部77にはエンジンの回転数を検出する回
転センサ78が接続されている。即ち、制御部77では
過給機74に対してエンジンの回転数に応じた所定の回
転速度が設定されていて、回転センサ78の検出結果に
基づいてモータ76を制御し、過給機74が常にエンジ
ンの回転数に応じた設定速度で回転するように変速装置
の変速比を変えるようになっている。
【0032】例えば、一般の自動車の場合、図15に示
すようにエンジンの回転数が約2000rpm以下のと
きは、過給機74をエンジンの回転数に対して高速で回
転させ(約1:60)、エンジンの回転数が約2000
rpm以上のときは、過給機74をエンジンの回転数に
対して低速で回転させる(約1:4)。
【0033】このように、本実施形態に示す過給機の変
速装置によれば、過給機74の回転速度をエンジンの回
転数に応じて無段階に変速することができるので、低速
域から高速域まで常に安定した過給圧を得ることができ
る。また、本実施形態の変速装置では、入力軸であるイ
ンプットシャフト8と出力軸であるアウトプットシャフ
ト9を互いに同軸状に設けているので、変速装置自体の
小型化を図ることができ、自動車等への搭載スペースを
大幅に小さくすることができる。また、各プラネタリー
ギヤ64においては、インターナルギヤ62と噛み合う
小径ギヤ64bの外径がサンギヤ63aと噛み合う大径
ギヤ64aの外径よりも小さく形成されていることか
ら、インターナルギヤ62の外径が各プラネタリーギヤ
64の全てを配列した外径よりも大きくなることがな
く、これらによって構成される増速手段を小型化するこ
とができる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1によれ
ば、過給機の回転速度をエンジンの回転数に応じて無段
階に変速することができるので、低速域から高速域まで
常に安定した過給圧を得ることができる。また、変速装
置自体の小型化を図ることができるので、自動車等への
搭載スペースを大幅に小さくすることができ、実車への
搭載を実現することができる。
【0035】また、請求項2によれば、請求項1の効果
に加え、角速度可変手段を具体的に実現することができ
るので、実用化に際して極めて有利である。
【0036】また、請求項3によれば、請求項1または
2の効果に加え、角速度補正手段を具体的に実現するこ
とができるので、実用化に際して極めて有利である。
【0037】また、請求項4によれば、請求項1、2ま
たは3の効果に加え、回転力抽出手段を具体的に実現す
ることができるので、実用化に際して極めて有利であ
る。
【0038】また、請求項5によれば、請求項1、2、
3または4の効果に加え、過給機の回転速度を増加する
ことができるので、変速装置の変速により過給圧の可変
範囲を広くすることができる。
【0039】また、請求項6によれば、請求項5の効果
に加え、増速手段を具体的に実現することができるとと
もに、増速手段の小型化を図ることができるので、実用
化に際して極めて有利である。
【0040】また、請求項7によれば、請求項1、2、
3、4、5または6の効果に加え、エンジンの回転数に
応じて過給機の回転速度を制御することができるので、
実用化に際して極めて有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す過給機の変速装置の
全体側面図
【図2】変速装置の側面断面図
【図3】図2のA−A線矢視方向断面図
【図4】図2のB−B線矢視方向断面図
【図5】図2のC−C線矢視方向断面図
【図6】図2のD−D線矢視方向断面図
【図7】変速装置の分解斜視図
【図8】変速装置の分解斜視図
【図9】変速装置の分解斜視図
【図10】変速装置の分解斜視図
【図11】変速装置の分解斜視図
【図12】変速装置の動作説明図
【図13】変速装置の要部拡大図
【図14】変速装置の変形例を示す要部拡大図
【図15】回転速度の制御例を示すグラフ
【符号の説明】
8…インプットシャフト、9…アウトプットシャフト、
23…オフセットハウジング、27…可動ブロック、4
3…バリアブルリング、62…インターナルギヤ、64
…プラネタリーギヤ、63a…サンギヤ、74…過給
機、76…モータ、77…制御部、78…回転センサ。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの駆動力によって回転する過給
    機の回転速度をエンジンの回転数に応じて変える過給機
    の変速装置において、 エンジンの駆動力によって回転する入力側回転体と、 入力側回転体と同軸に配置され、過給機の回転軸に同軸
    に連結された出力側回転体と、 入力側回転体の回転軸上を入力側回転体の回転力によっ
    て回転する主動回転体と、 入力側回転体の回転軸を中心とする所定の円周上に配置
    され、この円周上を主動回転体の回転力によって回転す
    る複数の従動回転体と、 各従動回転体の角速度を主動回転体の角速度に対して周
    期的に変化させる角速度可変手段と、 周期的に変化する各従動回転体の角速度を所定範囲内の
    位相においてほぼ一定に補正する角速度補正手段と、 角速度の補正された回転力のみを各従動回転体から抽出
    して出力側回転体に伝達する回転力抽出手段とを備えた
    ことを特徴とする過給機の変速装置。
  2. 【請求項2】 前記角速度可変手段を、各従動回転体の
    回転軸を径方向に偏心させる偏心手段と、偏心による回
    転軸の径方向への移動を許容しながら主動回転体の回転
    力を各従動回転体に伝達する伝達手段とから構成したこ
    とを特徴とする請求項1記載の過給機の変速装置。
  3. 【請求項3】 前記角速度補正手段を、角速度の変化に
    同期して揺動する揺動体と、揺動体を所定の軌道に沿っ
    て案内する案内手段とから構成したことを特徴とする請
    求項1または2記載の過給機の変速装置。
  4. 【請求項4】 前記回転力抽出手段を、各従動回転体の
    うちで最も角速度の速い回転力を出力側回転体に伝達す
    る一方向伝達手段から構成したことを特徴とする請求項
    1、2または3記載の過給機の変速装置。
  5. 【請求項5】 前記出力側回転体の回転速度を増加させ
    て過給機の回転軸に伝達する増速手段を備えたことを特
    徴とする請求項1、2、3または4記載の過給機の変速
    装置。
  6. 【請求項6】 前記増速手段を、出力側回転体と一体に
    回転する内歯車と、内歯車の中心軸上を過給機の回転軸
    と一体に回転する中心側歯車と、内歯車及び中心側歯車
    の間を内歯車及び中心側歯車に噛み合いながら回転する
    複数の連動歯車とから構成し、 各連動歯車が内歯車と噛み合う部分の外径を中心側歯車
    と噛み合う部分の外径よりも小さく形成したことを特徴
    とする請求項5記載の過給機の変速装置。
  7. 【請求項7】 前記角速度可変手段を駆動する駆動手段
    と、 エンジンの回転数を検出する回転数検出手段と、 回転数検出手段によって検出された回転数に応じて前記
    駆動手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴とす
    る請求項1、2、3、4、5または6記載の過給機の変
    速装置。
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