JP5466347B2 - 防汚塗料組成物、その塗膜、該塗膜で被覆された船舶または水中構造物及び防汚方法 - Google Patents

防汚塗料組成物、その塗膜、該塗膜で被覆された船舶または水中構造物及び防汚方法 Download PDF

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本発明は、防汚塗料組成物、その塗膜、該塗膜で被覆された船舶または水中構造物及び防汚方法に関し、さらに詳しくは、実質上有機、無機防汚剤を配合しなくとも優れた防汚性能を長期間発揮でき、環境汚染の恐れがないかあっても極少量に低減可能な塗膜等を形成しうる防汚塗料組成物、その塗膜、該塗膜で被覆された船舶または水中構造物及び防汚方法に関する。
船舶用防汚塗料には、従来、防汚剤として有機スズ等の有機化合物が用いられていたが、近年では生体系への安全性の観点から、このような防汚剤の使用が再検討されている。
これに代わる防汚剤として、最近では無機系の亜酸化銅、チオシアン化銅を主成分とし、これに有機錫不含の各種防汚剤すなわち非有機錫系防汚剤を配合することにより、亜酸化銅等を主成分とする防汚剤の防汚性能の向上を図った防汚塗料が検討されてきた。
(1)例えば、特開平5-171066号公報(特許文献1)には、(a)二重結合を2〜3個有し、かつ金属を含有する重合性単量体2〜30重量%、(b)水酸基および/または
アミノ基を含有するビニル単量体2〜30重量%および(c)共重合可能な他の単量体40
〜96重量%からなる加水分解性の共重合体をビヒクル成分とする防汚性塗料組成物が開示され、これに防汚剤として亜酸化銅、亜鉛華、ビス(ジメチルジチオカルバミン酸)亜鉛を配合したものがあげられ、長期間防汚性が持続される旨記載されている。
(2)特開平8-209005号公報(特許文献2)には、Rp−COO−M−OH(
式中、Rpは基体樹脂を示し、Mは2価の金属原子を示す。)で表される分子内に金属カルボキシレートを有する樹脂を有効成分とする防汚性樹脂組成物が開示され、Mとしては、2価の金属原子の銅、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、鉄があげられている。この樹脂は、優れた防汚作用を有し、防汚塗料に使用できる旨記載されている。
(3)特開平9-286933号公報(特許文献3)には、Rp−COOM−OH(式
中、Rpは基体樹脂を示し、Mは2価の金属原子を示す。)で表される分子内に金属カルボキシレートを有する樹脂(A)及び亜酸化銅等の防汚剤(B)を有効成分とする防汚塗料組成物が開示され、Mとしては、同上の2価の金属原子があげられ、また上記樹脂(A)と併用
可能な樹脂成分として、ロジン(c)があげられている。該公報には、この組成物は優れた
防汚効果を発揮できる旨記載されている。
しかしながら、上記(1)〜(3)の各公報に記載の防汚塗料組成物(防汚塗料)およびその硬化塗膜では、含まれる樹脂(共重合体)が、例えば、銅(メタ)アクリレート系共重合体などであり、含まれる防汚剤が亜酸化銅であるような場合には、塗膜の研磨性(消耗度)が長期間安定して継続(持続)できるか否かの点で問題があり、また貯蔵安定性の点では、併用する防汚剤によっては防汚剤が分解したり、また塗料の保管または保存時に粘度が増加し、ゲル化が生ずるという問題点がある。また、塗膜の研磨性を上げるために、共重合体中に、共重合可能な親水性モノマーなどから誘導される成分単位を導入しなければならないという問題点もある。このため例えば従来のような亜酸化銅等を配合した防汚塗料組成物からなるこれらの塗膜では、初期防汚性を有していても、経時的に消耗度が低下し、長期の防汚性が充分でないとの問題点があった。
このため、船舶・水中構造物の進水または浸漬初期(これらをまとめて、単に初期とも
言う。)から安定した適度な塗膜消耗速度を有し、船底等への付着生物に対して優れた防汚性能を長期継続的に発揮し得るような塗膜を形成できる非錫系防汚塗料組成物の出現が求められていた。
そこで、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、防汚塗料組成物中の樹脂分が、不飽和カルボン酸金属直鎖脂肪族カルボキシレート化合物成分単位含有共重合体であり、かつ、含まれる金属が二価金属特に銅、亜鉛などであると、得られる防汚塗料組成物を塗付した場合に、特に低温乾燥した場合における塗膜の締まりが良く、耐盤木加圧性に優れ、しかも塗膜消耗性が比較的高く低稼働船用の防汚塗料組成物として好適であること等を見出して、特開2001-72869号公報(特願平11−252320号、特許文献4)とし
て先に提案している。
しかしながら特開2001-72869号公報に記載の塗膜では、特に環境への負荷が
低減された防汚剤不含〜低減された系では、水中静置構造物、船速の遅い船舶、あるいは稼働率の低い(すなわち、同一箇所に長期間停泊することの多い)船舶において、防汚性能、特に長期防汚性の点でさらなる改良の余地があった。
なお、特開平10−168351号公報(特許文献5)には、互いに相溶しない少なくとも2種の樹脂組成物からなり、前記樹脂組成物のうち少なくとも1種からなる粒状又は円盤状の微小な突起が形成されたミクロ不均一構造の塗膜を形成することができる防汚塗料組成物であって、前記粒状又は円盤状の微小な突起を形成する樹脂組成物のうち少なくとも1種は、防汚成分単量体及びこれと共重合可能なエチレン性不飽和単量体からなる防汚塗料組成物が開示され、エチレン性不飽和単量体が、エチレン性不飽和結合を有するシリコーンマクロモノマーである態様、防汚成分単量体が、(メタ)アクリル酸の銀塩、銅塩、鉛塩、ポリオキシアルキレン鎖からなる鎖状構造を介して炭素数6〜10のアルキル基で置換されたフェノールが導入された(メタ)アクリル系単量体などである態様も記載され、また、必要により防汚剤、シリコーンオイル、パラフィンなどを添加しうることも記載されている。
しかしながら、該公報に記載の防汚塗料組成物からなる塗膜では、長期防汚性の点で更なる改良の余地がある。
特開平5-171066号公報 特開平8-209005号公報 特開平9-286933号公報 特開2001-72869号公報(特願平11−252320号) 特開平10−168351号公報
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであって、長期防汚性に優れ、有機・無機防汚剤、特に有機防汚剤を含まない実用可能な防汚塗膜を形成できる非錫系の防汚塗料組成物を提供することを目的としている。
本発明は、この防汚塗料組成物から形成されており環境汚染のおそれが少なく、適度な塗膜消耗速度を有し、長期防汚性に優れた防汚塗膜および該防汚塗膜で被覆された船舶または水中構造物ならびに該防汚塗料組成物を用いた船舶外板または水中構造物表面の安全かつ効率的な防汚方法を提供することを目的としている。
本発明に係る防汚塗料組成物は、
[A]下記(A1)〜(A3)からなる群から選ばれた少なくとも1種のポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体と、
[B]シリコーンオイル
とを含んでなることを特徴としている。
上記本発明の好ましい態様では、上記ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体[A]([A]成分)とシリコーンオイル([B]成分)とが完全に相溶していることが望ましい。
(A1):ポリシロキサンブロック含有重合性不飽和単量体から誘導される成分単位(a11)と、
式:CH2=C(R3)−COO−M−O−CO−R4
(Mは2価の金属原子を示し、R3は水素原子またはメチル基を示し、R4はラジカル反応性を有しない有機基を示す。)で表される重合性不飽和カルボン酸金属塩から誘導される成分単位(a12)と、
重合性不飽和カルボン酸またはそのエステルから誘導される成分単位(a13)と、
から形成されるポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体、
(A2):ポリシロキサンブロック含有重合性不飽和単量体から誘導される成分単位(a21)と、2価金属ジ(メタ)アクリレートから誘導される成分単位(a22)と、重合性不飽和カルボン酸またはそのエステルから誘導される成分単位(a23)と、
から形成されるポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体、
(A3):ポリシロキサンブロック(a31)と、アクリル樹脂ブロック(a32)とが、
式:[−M−O−CO−(G−CO−O−)r−(CH2p−](式中、Mは2価の金
属原子を示し、Gは2価の炭化水素基を示し、rは0または1を示し、pは0〜5の整数を示す。)
で表される金属含有結合(a33)で結合されたポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体。
本発明に係る防食塗料組成物の好ましい態様においては、
上記ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A1)が、ポリシロキサンブロック含有重合性(メタ)アクリレートから誘導される成分単位(a11)と、
式:[CH2=C(R3)−COO−M−O−CO−R4](Mは2価の金属原子を示し
、R3は水素原子またはメチル基を示し、R4はラジカル反応性を有しない有機基を示す。)で表される(メタ)アクリル酸金属塩から誘導される成分単位(a12)と、
(メタ)アクリル酸またはそのエステルから誘導される成分単位(a13)と、から形成されるポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体であることが望ましい。
本発明の防汚塗料組成物の好ましい態様においては、
上記ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A1)中の重合性不飽和カルボン酸金属塩から誘導される成分単位(a12)中の金属Mの含有量が0.5〜16重量%、好ましくは3〜12重量%(但し、該共重合体(A1)中の全成分単位の合計を100重量%とする。)であることが望ましい。
本発明の防汚塗料組成物の好ましい態様においては、
上記ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A1)中のポリシロキサンブロック含有重合性不飽和単量体から誘導される成分単位(a11)の含有量が5〜80重量%、好ましくは10〜50重量%(但し、該共重合体(A1)中の全成分単位の合計を100重量%とする。)であることが望ましい。
また本発明の防汚塗料組成物の好ましい態様においては、上記ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A1)の数平均分子量Mn[条件:液体クロマトグラフィー「Waters 2695」、検出器「Shodex RI−104」、カラム「東ソーSuper H4000+H2000」(6mm(ID)×15cm)、カラム温度40℃、溶離液:THF、流速:0.6ml/min.下で測定]が1,000〜50,000(5万)、好ましくは1000〜1万であることが望ましい。
また、本発明の防汚塗料組成物の好ましい態様においては、上記ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A2)が、ポリシロキサンブロック含有(メタ)アクリレートから誘導される成分単位(a21)と、2価金属ジ(メタ)アクリレートから誘導される成分単位(a22)と、(メタ)アクリル酸またはそのエステルから誘導される成分単位(a23)と、から形成されるポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体であることが望ましい。
また、本発明の防汚塗料組成物の好ましい態様においては、
上記ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A2)中の2価金属ジ(メタ)アクリレートから誘導される成分単位(a22)中の金属Mの含有量が0.5〜10重量%、好ましくは2〜8重量%(但し、該共重合体(A2)中の全成分単位の合計を100重量%とする。)であることが望ましい。
本発明の防汚塗料組成物の好ましい態様においては、
上記ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A2)中のポリシロキサンブロック含有重合性不飽和単量体から誘導される成分単位(a21)の含有量が5〜80重量%、好ましくは10〜60重量%(但し、該共重合体(A2)中の全成分単位の合計を100重量%とする。)であることが望ましい。
本発明の防汚塗料組成物の好ましい態様においては、
上記ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A2)の数平均分子量Mn[測定条件:同上]が1,000〜50,000(5万)、好ましくは1000〜1万であることが望ましい。
本発明の防汚塗料組成物の好ましい態様においては、
上記ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A3)は、
ポリシロキサンブロック(a31)と、アクリル樹脂ブロック(a32)とが、アクリル樹脂ブロック中の(メタ)アクリル酸由来のカルボキシル基を介して、
式:[−M−O−CO−(G−CO−O−)r−(CH2p−]
(式中、Mは2価の金属原子を示し、Gは2価の炭化水素基を示し、rは0または1を示し、pは0〜5の整数を示す。)で表される金属含有結合(a33)のMと結合することにより、結合されたものであることが望ましい。
本発明の防汚塗料組成物の好ましい態様においては、
ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A3)中の
式:[−M−O−CO−(G−CO−O−)r−(CH2p−]
(式中、Mは2価の金属原子を示し、Gは2価の炭化水素基を示し、rは0または1を示し、pは0〜5の整数を示す。)
で表される金属含有結合(a33)中の金属Mの含有量が0.5〜16重量%、好ましくは2〜14重量%(但し、該共重合体(A3)中の金属含有結合を含む成分単位の合計を100重量%とする。)であることが望ましい。
本発明の防汚塗料組成物の好ましい態様においては、
ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A3)中のポリシロキサンブロック含有重合性不飽和単量体から誘導される成分単位(a31)の含有量が5〜80重量%、好ましくは10〜60重量%(但し、該共重合体(A3)中の全成分単位の合計を100重量%とする。)であることが望ましい。
本発明の防汚塗料組成物の好ましい態様においては、
ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A3)の数平均分子量Mn[測定条件:同上]が1,000〜50,000(5万)、好ましくは1500〜1万であることが望ましい。
本発明の防汚塗料組成物の好ましい態様においては、
上記ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体[A]を塗料中の固形分換算で5〜99重量%、好ましくは20〜95重量%(但し、該塗料中の固形分換算量の合計を100重量%とする。)の量で含有することが望ましい。
本発明の防汚塗料組成物の好ましい態様においては、
上記ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体[A](固形分)100重量部に対して、シリコーンオイル[B]を1〜50重量部、好ましくは10〜30重量部の量で含有することが望ましい。
本発明の防汚塗料組成物の好ましい態様においては、環境への影響を考慮すると、実質的に亜酸化銅を含まないことが望ましい。
本発明に係る防汚塗膜は、上記の何れかに記載の防汚塗料組成物から形成されたことを特徴としている。
本発明に係る船舶または水中構造物は、海水と接触する船舶外板または水中構造物の表面が、上記の何れかに記載の防汚塗料組成物から形成された防汚塗膜で被覆されていることを特徴としている。
本発明に係る、船舶または水中構造物の防汚方法は、海水と接触する船舶外板または水中構造物の表面に、上記の何れかに記載の防汚塗料組成物を塗付し、防汚塗膜を形成させることを特徴としている。
本発明によれば、長期防汚性に優れ、有機、無機防汚剤、特に有機防汚剤を含まない実用性のある防汚塗膜を形成できる非錫系の防汚塗料組成物を提供することができる。
本発明に係る防汚塗膜は、この防汚塗料組成物から形成されており環境汚染のおそれが少なく、適度な塗膜消耗速度を有し、長期防汚性に優れている。また本発明によれば、該防汚塗膜で被覆された上記塗膜特性を有する船舶または水中構造物ならびに上記塗料組成物を用いた船舶外板または水中構造物表面の効率的かつ安全な防汚方法が提供される。
以下、本発明に係る防汚塗料組成物、その塗膜、該塗膜で被覆された船舶または水中構造物及び防汚方法に具体的に説明する。
[防汚塗料組成物]
本発明に係る防汚塗料組成物は、
[A]下記(A1)〜(A3)からなる群から選ばれた少なくとも1種のポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(成分[A])と、
[B]シリコーンオイル(成分[B])
とを含んでなることを特徴としている。特に、成分[A]として共重合体(A3)を含む
場合には、共重合体(A1)又は(A2)をも含むことが好ましい。
本発明の好ましい態様では、前記[A]成分と[B]成分とが完全に相溶している。
ここで、[A]成分と[B]成分とが「完全に相溶している」とは、ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体[A]の固形分40重量部、シリコーンオイル[B]の固形分(オイルが液状物の場合は、乾燥させた際の不揮発分を意味する。)10重量部、キシレン40重量部、n−ブタノールまたはプロピレングリコールモノメチルエーテル10重量部の混合液を、温度20℃で24時間静置した場合、層分離が無いか、あるいは、
この混合液を十分攪拌し、ガラス板に10〜1000μmの厚みで塗布し、温度20℃で24時間乾燥した場合、肉眼で析出や分離が認められないものをいう。
なお、特開平10−168351号公報(特許文献5)の実施例1に示す混合物(メタクリル酸/アクリル酸n−ブチル/メタクリル酸メチルの共重合体であって銀(Ag)含有結合を有するもの10部と、湿気硬化型シリコーン樹脂45部と、キシレン10部と、トルエン35部との混合液)は、上記と同様の条件下(温度20℃で24時間)に静置した場合、シリコーン樹脂液中に、全く相溶せず分離、沈降したアクリル系共重合体の赤濁・粒状のゲル状物の発生が認められる。
また、この特許文献5の実施例1に示す混合物を十分攪拌し、ガラス板に10〜1000μmの厚みで塗布し、温度20℃で24時間乾燥した場合、シリコーン樹脂と全く相溶せず、分離したアクリル系共重合体の白濁物の発生が肉眼でも認められる。
<ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A1)>
ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A1)(単に、「共重合体(A1)」などとも言う。)は、ポリシロキサンブロック含有重合性不飽和単量体から誘導される成分単位(a11)と、
式:CH2=C(R3)−COO−M−O−CO−R4
(Mは2価の金属原子を示し、R3は水素原子またはメチル基を示し、R4はラジカル重合反応性を有しない有機基を示す。)で表される重合性不飽和カルボン酸金属塩から誘導される成分単位(a12)と、
重合性不飽和カルボン酸またはそのエステルから誘導される成分単位(a13)と、
から形成されている。
このポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A1)においては、上記各成分単位、すなわちポリシロキサンブロック含有不飽和単量体成分単位(a11)、重合性不飽和カルボン酸金属塩成分単位(a12)、重合性不飽和カルボン酸またはそのエステル成分単位(a13)の配列順序等は特に限定されず、例えば、ランダムに、あるいはブロックを形成して配列(結合)していてもよい。
この共重合体(A1)には、成分単位(a11)が通常、5〜80重量%、好ましくは10〜50重量%、特に好ましくは20〜45重量%の量で含有され、
成分単位(a12)中の金属Mが通常、0.5〜16重量%、好ましくは3〜12重量%、特に好ましくは3.5〜10重量%の量で含有され、
成分単位(a13)が通常、15〜80重量%、好ましくは25〜50重量%(但し、該共重合体(A1)中の全成分単位の合計を100重量%とする。)の量で含有されていることが得られる塗膜の防汚性能の点から望ましい。
なお、本発明に係る防汚塗料組成物中の共重合体(A1)におけるこの成分単位(a11)の含有量が上記範囲より少ないと塗膜の防汚性能が劣る傾向があり、また、成分単位(a11)の含有量が上記範囲より多いと塗膜物性が劣る傾向がある。
また、この成分単位(a12)中の金属元素Mの含有量、あるいはこの成分単位(a1
2)の含有量が上記範囲より少ないと共重合体(A1)の溶出が少なく防汚性が劣る傾向
があり、また、上記範囲より多いと共重合体(A1)の過溶出となり長期防汚性が劣る傾向がある。
また、この成分単位(a13)の含有量が上記範囲より少ないと塗膜物性が劣る傾向があり、また、上記範囲より多いと塗膜の防汚性が劣る傾向がある。
また、上記ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A1)の数平均分子量Mn[測定条件:同上]は、通常、1,000〜50,000(5万)、好ましくは1000〜10,000(1万)、特に好ましくは2,000〜5,000であることが、得られる共重合体溶液の粘度が高くなり過ぎず、共重合体樹脂内での金属架橋等による樹脂のゲル化を防止でき、しかも、塗膜を形成した際に防汚性が良好であるなどの点から望ましい。<成分単位(a11)>
上記ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A1)中における成分単位(a11)は、ポリシロキサンブロック含有重合性(メタ)アクリレートから誘導される。
ポリシロキサンブロック含有重合性(メタ)アクリレートとしては、例えば、(メタ)アクリル酸(またはその誘導体)と、式(I)で示すようなポリシロキサンブロックとが、(メタ)アクリル酸に存在するカルボキシル基(-COOH基)部位で、「−(CH2p
」(p:0〜5、好ましくは1〜5の整数)を介して結合したもの;等が挙げられる。
すなわち、本発明で好ましく用いられる上記ポリシロキサンブロックは、式(I):
Figure 0005466347
{式(I)中、R1、R2は、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜5のアルキル基またはフェニル基を示し、m1は5〜7000の数を示し、n1は0〜50の数を示す。}で表される。
このようなポリシロキサンブロック含有重合性(メタ)アクリレートのうちでは、上記ポリシロキサンブロックが、上記式(I)において、そのR2が全てCH3であり、また、ポリシロキサンの低表面自由エネルギー性と重合性の点を考慮するとm1が3〜200、好ましくは10〜70程度の整数であることが望ましい。また、n1が0であることが好ましい。このようなポリシロキサンブロック(I)に、(メタ)アクリロキシ基[CH2
=CR3(COO)−、R3:H又はCH3]がアルキレン鎖(―Cn2n―、n:2〜4、好ましくは3の整数)を介して結合した構造のものが好ましい。
このようなポリシロキサンブロック含有重合性(メタ)アクリレートとして、具体的には、例えば、メタクリロキシプロピルポリジメチルシロキサン{商品名「FM0711」(数平均分子量Mn=約1000)、商品名「FM0721」(数平均分子量Mn=約5
000)、商品名「FM0725」(数平均分子量Mn=約10,000(1万))、何れもチッソ(株)製}等が挙げられる。
また、上記成分単位(a11)は、好ましくは下記式(a11):
Figure 0005466347
(式(a11)中、R1、R2、m1、n1は式(I)に同じ。R3はH又はCH3を示し、p:0〜5、好ましくは1〜5、特に2〜4の整数を示す。)で表される。
上記ポリシロキサンブロック含有重合性(メタ)アクリレートあるいは該化合物から誘導される成分単位(a11)の数平均分子量Mn[測定条件:同上]は、通常、1,000〜50,000(5万)、好ましくは1,000〜10,000(1万)、特に好ましくは2,000〜5,000であることが上記共重合体(A1)の場合と同様の理由から望ましい。
<成分単位(a12)>
上記ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A1)中における成分単位(a12)は、下記式で表される共重合用モノマー:(メタ)アクリル酸金属塩(a12)などから誘導される。
式:[CH2=C(R3)−COO−M−O−CO−R4]・・・・(a12)
この式(a12)中、Mは2価の金属原子、例えば、Zn、Cu、Mg等が挙げられ、中でもZn、Cuが塗膜溶出性の点で好ましい。R3は水素原子またはメチル基を示す。
式(a12)中、R4はラジカル(重合)反応性を有しない有機基を示す。
上記式(a12)中の[−O−CO−R4]部分としては、用いられる原料に由来し、
例えば、直鎖状でも分岐を有していてもよい飽和脂肪族カルボン酸残基であるプロピオン酸残基(C25COO−)、吉草酸残基[CH3(CH23COO−]、パルミチン酸残
基[CH3(CH214COO−]、ミリスチン酸残基[CH3(CH212COO−]、ラウリン酸残基[CH3(CH210COO−]、ステアリン酸残基[C1735COO−]、バーサチック酸残基[(C373C−COO−]など;
飽和脂環式カルボン酸残基であるナフテン酸残基[C59(CH2nCOO−]など;
芳香環式カルボン酸残基である安息香酸残基など;
が挙げられる。
これらのうちでは、[−O−CO−R4]部分としては、カルボン酸残基[−O−CO
−R4]部分の総炭素数が3〜20個程度のものが好ましく、例えば、バーサチック酸残
基、ナフテン酸残基、ロジン系樹脂酸残基が塗膜物性、塗膜溶出性の点で望ましい。
このような(メタ)アクリル酸金属塩モノマー(a12)としては、具体的には、例えば、バーサチック酸亜鉛(メタ)アクリレート、ナフテン酸亜鉛(メタ)アクリレート、
ロジン系樹脂酸亜鉛(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらの内では、バーサチック酸亜鉛(メタ)アクリレート、ナフテン酸亜鉛(メタ)アクリレート、ロジン系樹脂酸亜鉛(メタ)アクリレートが好ましい。
これら(メタ)アクリル酸金属塩は、1種または2種以上組合わせて用いてもよい。
本発明では、上記(メタ)アクリル酸金属塩成分単位(a12)は、上記のように、ラジカル重合性のモノマーである(メタ)アクリル酸金属塩例えば、バーサチック酸亜鉛(メタ)アクリレートをそのまま共重合体製造用原料(モノマー)として用いることにより導入・形成してもよいが、例えば、共重合体製造時に(メタ)アクリル酸を用い、一旦(メタ)アクリル酸成分単位を前駆共重合体(A’)に導入しておき、次いで、得られた(メタ)アクリル酸成分単位含有共重合体(A1’)に、例えば、ZnO等の2価金属酸化物(MO)と、ナフテン酸等の飽和脂肪族(または飽和脂環族)カルボン酸(R4COO
H)と、水とを添加して反応させることにより、共重合体(A1’)及びカルボン酸(R4COOH)中の各カルボキシル基(−COOH)部位で、2価金属酸化物由来の2価金
属M(Znなど)を介してエステル結合(金属塩結合)を形成させて、最終的に、側鎖末端「R4COO−」が非ラジカル重合性基のナフテン酸残基[C59(CH2nCOO−
]等である(メタ)アクリル酸金属塩成分単位(a12):
Figure 0005466347
を導入(形成)させるようにしてもよい。このように、共重合体(A1)製造の際における(メタ)アクリル酸金属塩成分単位(a12)の形成法は特に限定されない。
この(メタ)アクリル酸金属塩成分単位(a12)は、後述する共重合体(A2)中の成分単位(a22)、すなわち2価金属ジ(メタ)アクリレート成分単位(a22)と比して、成分単位(a12)調製用に用いられる(メタ)アクリル酸金属塩中の側鎖末端基R4がラジカル反応性を有しておらず、成分単位(a22)調製用に用いられる2価金属
ジ(メタ)アクリレート中に存在するラジカル反応性の2個の(メタ)アクリル基等と異なり、共重合体中にあって架橋点とならず非架橋性である点で相違する。
<成分単位(a13)>
上記ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A1)中における成分単位(a13)は、好ましくは重合性不飽和カルボン酸またはそのエステルから誘導される。
重合性不飽和カルボン酸またはそのエステル(モノマー)としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸以上の多価カルボン酸の何れであってもよく、また、酸無水物でもよく、ヒドロキシ基、アルコキシ基(例:メトキシ基)などを有していてもよく、また、該モノマーは直鎖状でも分岐を有していてもよく、脂環、芳香環などを有していてもよい。
また、本発明では、成分単位(a13)を誘導し得る重合性不飽和カルボン酸またはそのエステルに代えて、アミド、飽和カルボン酸の不飽和エステル等の「重合性不飽和単量体」{但し、前記成分単位(a11)、(a12)形成用のモノマーを除く。}を用いてもよい。
成分単位(a13)形成用モノマーとしては、本発明で好ましく用いられ、下記式(a13)で表される(メタ)アクリル酸またはそのエステル類の他、この式(a13)には包含されないイタコン酸等の不飽和カルボン酸(但し、総炭素数3〜40程度);
無水マレイン酸等の酸無水物;
スチレン、α-メチルスチレン等のスチレン類;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;
アクリルアミド等の(メタ)アクリル酸のアミド類;
等が挙げられる。
本発明では、これら重合性不飽和カルボン酸またはそのエステルに代表される、成分単位(a13)形成用モノマーを1種または2種以上組合わせて用いてもよい。
本発明で好ましく用いられる成分単位(a13)形成用のモノマーは、下記式(a13)で表される。
式(a13):CH2=C(R3)−COOR8 ・・・・・(a13)
{式(a13)中、R3は水素原子またはメチル基を示す。
8は、H(水素原子)あるいは、有機基特に炭素数1〜40程度のアルキル基、同様
の総炭素数のヒドロキシアルキル基、同様の総炭素数のアルコキシアルキル基等が挙げられ、中でも、H(水素原子)と、上記アルキル基が好ましい。これらの有機基中のアルキル基あるいはアルキレン鎖は、直鎖状、分岐鎖状の何れでもよく、またシクロヘキシル環等の脂環構造、ベンゼン環等の芳香環構造を有していてもよい。}
上記式(a13)で表される重合性不飽和カルボン酸またはそのエステルとしては、式(a13)中で、R8がH(水素原子)の(メタ)アクリル酸の他に、R8が炭素数(C)1以上、好ましくはC1〜40、さらに好ましくはC1〜20のアルキル基である(メタ
)アクリレートが挙げられる。このような(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
上記式(a13)中、R8がヒドロキシアルキル基である(メタ)アクリレートとして
は、R8が炭素数(C)1以上、好ましくはC1〜40、さらに好ましくはC1〜20のヒドロキシアルキル基である(メタ)アクリレートが望ましい。R8がヒドロキシアルキル
基である(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
また、上記式(a13)中、R8がアルコキシアルキル基である(メタ)アクリレート
としては、R8が炭素数(C)が1以上、好ましくはC1〜40、さらに好ましくはC1〜20のアルコキシアルキル基である(メタ)アクリレートが望ましい。R8がアルコキシ
アルキル基である(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−エチルヘキサオキシ)エチル(メタ)アクリレート、1−メチル−2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、3−メチル−3−メトキシブチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
本発明では、上記重合性不飽和カルボン酸またはそのエステル成分単位(a13)が、前記式(a13)中、R3が水素原子またはメチル基であり、R8がH(水素原子)、ある
いは炭素数1以上のアルキル基である少なくとも一種の(メタ)アクリレートから導かれる成分単位、すなわち、上記のような(メタ)アクリル酸および/または(メタ)アクリル酸アルキルエステルから誘導される成分単位であることが好ましい。
<ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A2)>
ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A2)(単に、「共重合体(A2)」などとも言う。)は、ポリシロキサンブロック含有重合性不飽和単量体から誘導される成分単位(a21)と、2価金属ジ(メタ)アクリレートから誘導される成分単位(a22)と、重合性不飽和カルボン酸またはそのエステルから誘導される成分単位(a23)と、から形成されている。
この共重合体(A2)に含まれている成分単位(a21)、(a22)、(a23)のうちで、成分単位(a22)以外の成分単位(a21)、(a23)は、それぞれ、前記共重合体(A1)中のポリシロキサンブロック含有重合性不飽和単量体成分単位(a11)、重合性不飽和カルボン酸またはそのエステル成分単位(a13)と同様のものである。
このポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A2)においては、各成分単位(a21)、(a22)、(a23)の配列順序等は、前記共重合体(A1)の場合と同様に、特に限定されず、例えば、ランダムに、あるいはブロックを形成して配列(結合)していてもよい。
この共重合体(A2)には、成分単位(a21)が通常、5〜80重量%、好ましくは10〜60重量%、特に好ましくは20〜45重量%の量で含有され、
成分単位(a22)中の金属元素M含有量が通常、0.5〜10重量%、好ましくは2〜8重量%、特に好ましくは3〜6重量%の量で含有され、
成分単位(a23)が通常、15〜80重量%、好ましくは25〜70重量%(但し、該共重合体(A2)中の全成分単位の合計を100重量%とする。)の量で含有されていることが前記共重合体(A1)中の各成分単位(a11)〜(a13)と同様の理由:防汚性能、塗膜物性の点から望ましい。
なお、本発明に係る防汚塗料組成物中の共重合体(A2)におけるこの成分単位(a21)の含有量が上記範囲より少ないと塗膜の防汚性低下となる傾向があり、また、成分単位(a21)の含有量が上記範囲より多いと塗膜物性が劣る傾向がある。
また、この成分単位(a22)中の金属Mの含有量が上記範囲より少ないと共重合体(A2)の溶出が少なく防汚性が劣る傾向があり、また、上記範囲より多いと共重合体(A2)が過度に溶出するようになり長期防汚性が低下する傾向がある。
また、この成分単位(a23)の含有量が上記範囲より少ないと塗膜物性が低下する傾向があり、また、上記範囲より多いと塗膜の防汚性が低下する傾向がある。
また、上記ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A2)の数平均分子量Mnも上記共重合体(A1)と同様に、通常、1000〜50,000(5万)、好ましくは1000〜10,000(1万)、特に好ましくは2,000〜5,000であることが望ましい。
<成分単位(a22)>
上記ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A2)中における成分単位(a22)すなわち2価金属ジ(メタ)アクリレート成分単位(a22)は、下記式で表される2価金属ジ(メタ)アクリレート(a22)などから誘導される。
式:[CH2=C(R3)−COO]2−M ・・・・(a22)
この式(a22)中、Mは同上の2価の金属原子、例えば、Zn、Cu、Mg等が挙げられ、中でもZn、Cu、Mgが好ましく、特にZn、Cuが防汚性の点で好ましい。R3は水素原子またはメチル基を示す。
2価金属ジ(メタ)アクリレートとしては、具体的には、たとえば、アクリル酸マグネシウム:(CH2=CHCOO)2Mg、メタクリル酸マグネシウム:(CH2=C(CH3)COO)2Mg、アクリル酸亜鉛:(CH2=CHCOO)2Zn、メタクリル酸亜鉛:
(CH2=C(CH3)COO)2Zn、アクリル酸銅:(CH2=CHCOO)2Cu、メ
タクリル酸銅:(CH2=C(CH3)COO)2Cu 等を挙げることができ、これらのうちの1種または2種以上を組合わせて用いることができる。
本発明では、2価金属ジ(メタ)アクリレート成分単位(a22)としては、亜鉛ジ(メタ)アクリレート成分単位または銅ジ(メタ)アクリレート成分単位が塗膜の防汚性が良好となる点で好ましい。
本発明においては、上記ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A2)が、ポリシロキサンブロック含有(メタ)アクリレートから誘導される成分単位(a21)と、2価金属ジ(メタ)アクリレートから誘導される成分単位(a22)と、(メタ)アクリル酸またはそのエステルから誘導される成分単位(a23)と、から形成されるポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体であることが塗膜の防汚性、塗膜物性の点から望ましい。
<ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A3)>
ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A3)[共重合体(A3)]は、ポリシロキサンブロック(a31)と、アクリル樹脂ブロック(a32)とが、
式:[−M−O−CO−(G−CO−O−)r−(CH2p−]・・・・・(a33)
{式(a33)中、Mは上記と同様に2価の金属原子を示し、Gは2価の炭化水素基を示し、rは0または1を示し、pは0〜5の整数を示す。}
で表される金属含有結合(a33)にて結合された構造を有している。
この共重合体(A3)では、ポリシロキサンブロック(a31)と、アクリル樹脂ブロック(a32)とが、アクリル樹脂ブロック中の(メタ)アクリル酸由来のカルボキシル基(−COOH)を介して、上記金属含有結合(a33)のMと結合することにより、結合されている。

このポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A3)は、本願出願人が先に提案した特開2001−72869号公報(特願平11−252320号)、特にその[0022]〜[0034]欄あるいは、[0044]〜[0087]欄等に記載のポリシロキサン−アクリル樹脂ブロック共重合体と同様のものである。
すなわち、該共重合体(A3)におけるポリシロキサンブロック(a31)は、前記共重合体(A1)における、式(I)で表されるポリシロキサンブロックと同様のものである。そして、このポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A3)では、金属含有結合(a33)は、上記特開2001−72869号公報にも記載されているように、ポリシロキサンブロックと、アクリル樹脂ブロック(a32)との間に、あるいはアクリル樹脂ブロック(a32)に存在している。
このポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A3)は、好ましくは上記公報に記載されているものと同様であって、下記式(A−a)、(A−b)で表される。なお、式(A−a)は、上記公報の式[III-a]に対応し、式(A−b)は上記公報の式[III-b
]に対応している。
Figure 0005466347
{式(A-a)中、R3は、上記と同様に水素原子またはメチル基を示し、R6は、ヒドロキ
シ基、炭素数1〜5のアルコキシ基またはアミノ基で置換されていてもよい炭素数1〜18の炭化水素基を示し、m2は1〜1000の数を示し、kは1〜100の数を示す。
式(A-a)中、ポリシロキサンブロック部分は、前記(I)と同様であり、R1、R2
、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜5のアルキル基またはフェニル基を示し、m1は5〜7000の数を示し、n1は0〜50の数を示し、Mは2価の金属原子を示し、pは0〜5の整数を示す。}
Figure 0005466347
{式(A−b)中、R3、R6、m2、k、R1、R2、m1、n1、M、p等は、上記(A−a)の場合と同様である。Gは2価炭化水素基であり、2塩基酸残基ともいう。}
このようなブロック共重合体(A3)における主鎖となるアクリル樹脂ブロックの分子量は、通常1500〜50,000(5万)程度であり、その酸価は、通常40〜150mgKOH/g程度であり、酸価がこのような範囲では防汚塗膜用成分として用いた場合に、加水分解による溶出量が好適である。また側鎖となるポリシロキサンブロック(I)の分子量は、通常、1000〜10,000程度である。
このような共重合体(A3)は、上記公報[0058]〜[0061]欄等にも記載されているような、従来より公知の方法で得られる。
例えば、まず、上記(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとを触媒および/または溶剤の存在下に共重合させ、カルボキシル基(−COOH)を有するアクリル樹脂ブロック(ポリマー)を形成させる。
このアクリル樹脂ブロック(特にそのカルボキシル部位)に亜鉛、銅等の2価金属を介してエステル結合(金属塩結合)により、カルボキシル基(−COOH)やヒドロキシル基(−OH)を有するシリコーン(シリコーンマクロモノマー)などを結合させればよい。なお、この際には該2価金属は、通常、酸化物、水酸化物、有機酸化物として用いることができ、例えば、亜鉛華、水酸化亜鉛、酢酸第2銅、水酸化第2銅等が挙げられる。
上記触媒としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイルなど、通常、ビニル化合物のラジカル重合用触媒として用いられているものが挙げられる。
溶剤としては、例えば、n−ブタノール等のアルコール類とそれ以外の溶剤例えば、キシレン、トルエン、アセトン、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレンカーボネート等とを併用することが好ましい。
これらブロック共重合体(A−a)、(A−b)で代表される共重合体(A3)の極限粘度[η](キシレン/n−ブタノールの重量比が4/1の混合溶媒中で測定)は、通常、0.002〜1.5dl/g、好ましくは0.005〜1.5dl/g、さらに好ましくは0.01〜1.5dl/g、特に好ましくは、0.02〜0.5dl/gであることが塗膜の防汚性能、塗膜物性の点から望ましい。
上記ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A3)の数平均分子量Mn[測定条件:同上]は、通常、1000〜50,000(5万)、好ましくは1500〜10,000(1万)、特に好ましくは2,000〜5,000であることが、得られる共重合体溶液の粘度が高くなり過ぎず、共重合体樹脂内での金属架橋等による樹脂のゲル化を防止でき、しかも、塗膜を形成した際に防汚性に優れるなどの点から望ましい。
本発明においては、共重合体(A3)中のポリシロキサンブロック含有重合性不飽和単量体から誘導される成分単位(a31)の含有量が通常、5〜80重量%、好ましくは10〜60重量%、特に好ましくは25〜50重量%であり、
アクリル樹脂ブロック(a32)の含有量が15〜70重量%、好ましくは30〜60重量%であり、
金属含有結合(a33)中の金属Mの含有量が通常、0.5〜16重量%、好ましくは2〜14重量%、特に好ましくは4〜10重量%であり、(但し、該共重合体(A3)中の金属含有結合を含む成分単位の合計を100重量%とする。)であることが望ましい。<シリコーンオイル[B]>
シリコーンオイルとしては、具体的には、例えば、「シリコーンハンドブック、伊藤邦
雄編、日刊工業新聞社発行、1990年8月31日」の112〜113頁に記載のジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、等のストレートシリコーンオイル;
変性基が上記「シリコーンハンドブック」の160頁の表6.1に記載の下記の基である変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
例えば、変性基としては、クロロフェニル基、
メチルスチレン基[−CH2CH(CH3)C65]、
長鎖アルキル基[−(CH2nCH3(n:1以上の繰り返し数)]、
ポリエーテル基[−C36O(CH2CH2O)nR(R:アルキル基など、n:1以上の繰り返し数)]、
カルビノール基[−C36O(CH2CH2O)nR(C36O)mR(R:アルキル基など、n,m:1以上の繰り返し数)]又は[−C36OCH2CH2OH]、
アミノ基[−C36NH2]又は[−C36NHC24NH2]、
エポキシ基[−C36OCH2CHCH2O]、
カルボキシル基[−(CH2nCOOH(n:1以上の繰り返し数)]、
高級脂肪酸由来の基[−OCO(CH2nCH3(n:1以上の繰り返し数)]、
メルカプト基[−C36SH]、
メタクリル基[−C36OCOC(CH3)=CH2]、
などが挙げられる。
このようなストレートシリコーンオイルのうちで、上市されているジメチルシリコーンオイルとしては、例えば、上記「シリコーンハンドブック」(113頁の表5.1)に記載の「KF96」(信越化学工業(株)製)、「SH200」(トーレ・シリコーン社製)、「TSF451」(東芝シリコーン(株)製)、「DC200」(ダウコーニング社製)、「Fluid47」((仏)ローヌプラン社製)等が挙げられる。
メチルフェニルシリコーンオイルとしては、例えば、「KF50,KF54」(信越化学工業(
株)製)、「SH510、SH550、SH710」(トーレ・シリコーン社製)、などが挙げられる。
メチルハイドロジェンシリコーンオイルとしては、例えば、「KF99」(信越化学工業(株)製)等が挙げられる。
変性シリコーンオイルのうちで、
これらのシリコーンオイルのうちでは、ポリエーテル(変性)シリコーンが好ましく、本願出願人が先に提案した特開2002−80778号公報の[0027]〜[0033]欄に記載のポリエーテル変性シリコーンオイル:
Figure 0005466347
{式(b1)中、Rは炭素数(C)1〜3のアルキル基、好ましくはメチル基を示す。R1は、C1〜4のアルキレン基、好ましくはエチレン、プロピレン基を示す。R2は、H(水素原子)又はC1〜15、好ましくはC1のアルキル基を示す。R3は、オキシアルキレン基、好ましくは「−(C24O)a−(C36O)b−」(aは1〜50、好ましくは5
〜23の数、bは0〜30、好ましくは0〜9の数。)で示されるオキシアルキレン基であり、異なるオキシアルキレン基の結合順序は特に限定されない。mは、1〜7,000、好ましくは50〜150の数であり、nは、1〜50、好ましくは3〜10の数である。}
が挙げられる。
このポリエーテル変性シリコーンオイルのうちでも、特に親水性親油性バランス(HLB=「高分子中のポリオキシエチレンの重量%/5」。このHLBの値が大きいほど親水性が大きいことを示す。)が2〜7のポリエーテル(変性)シリコーンが塗膜の防汚性が良好となる点で好ましい。
また、このポリエーテル変性シリコーンオイルに代表されるシリコーンオイルの数平均分子量Mnが、通常500〜20,000(2万)程度であると、得られる防汚塗膜中のシリコーンオイルの塗膜表面への移行が適度な速度で徐々に行なわれるなどの点で好ましい。
<防汚塗料組成物の組成、物性等>
本発明に係る防汚塗料組成物には、上記ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体[A]は、塗料中の固形分換算で1〜99重量%、好ましくは30〜95重量%(但し、該塗料中の固形分換算量の合計を100重量%とする。)の量で含有されていることが望ましい。この共重合体[A]の含有量が上記範囲より少ないと塗膜の防汚性が低下する傾向があり、またこの共重合体[A]の含有量が上記範囲より多いとシリコーンオイル[B]量が相対的に少なくなり、防汚性が低下する傾向がある。なお、固形分、固形分換算値とは、防汚塗料組成物を基材表面に塗布し含まれる溶剤等を揮散除去させることなどにより、乾燥・硬化させて得られた塗膜中の固形分、あるいはそれに換算した量をいう。
また、本発明の防汚塗料組成物には、上記ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体[A](固形分)100重量部に対して、シリコーンオイル[B]は、通常、2〜40重量部、好ましくは5〜30重量部の量で含有されていることが望ましい。このシリコーンオイル[B]の含有量が上記範囲より少ないと塗膜の防汚性が低下する傾向があり、またこのシリコーンオイル[B]の含有量が上記範囲より多いと塗膜物性不良となる傾向がある。
<任意成分等>
本発明の防汚塗料組成物には、上記ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体[A]とシリコーンオイル[B]の他に、本発明の目的に反しない範囲で、酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物[C]、防汚剤[D]、体質顔料、着色顔料、タレ止め・沈降防止剤、吸水性樹脂、溶剤(有機溶剤)、可塑剤(例:塩素化パラフィンなど)、撥水剤、展色剤(被膜形成成分)、消泡剤等を含んでいてもよい。
(酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物[C])
酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物は、本発明の防汚塗膜中にあって、防汚効果を高め、しかも塗膜強度を高める効果がある。
酸化チタンとしては、ルチル型、アナターゼ型などが挙げられ、光触媒効果を有し、有機化合物の分解能力に優れる点でアナターゼ型が好ましい。 酸化亜鉛も光触媒効果を有するが、酸化亜鉛は、「JIS K−5102」規格品中であれば1号、3号の何れでも
よい。
光触媒効果を有する金属酸化物としては、上記の酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(
ZnO)の他に、酸化バナジウム(V25)、酸化タングステン(WO3)、酸化ルビジ
ウム(RuO2)等が挙げられる。
金属酸化物としては、上記酸化チタン、酸化亜鉛などの他に、酸化アルミナ、酸化ケイ素、酸化ジルコニア等種々のものが使用でき、1種または2種以上組合わせて用いてもよ
い。
(防汚剤[D])
本発明に係る防汚塗料組成物には、上記したように、必要により防汚剤が含まれていてもよい。
本発明に係る防汚塗料組成物からなる塗膜(防汚塗膜)は、特に防汚剤[D]が含有されていなくとも、優れた防汚効果を発揮でき、(特に顕著な防汚性向上の観点からは上記のように防汚剤を配合してもよいが、)環境への負荷のより一層の低減を図る観点からは、防汚剤、例えば、亜酸化銅等の無機防汚剤や有機防汚剤などを含まないことが好ましく、特に有機防汚剤を実質上に含まないことが望ましく、また防汚剤を実質上含まない態様においても十分な防汚効果を有している。
なお、必要により用いられる防汚剤としては、(b)銅および/または無機銅化合物、(c)有機防汚剤等が挙げられる。
上記「銅および/または無機銅化合物」(b)のうちで無機銅化合物(単に銅化合物とも
言う。)としては、無機系の銅化合物の何れであってもよく、例えば、亜酸化銅、チオシアン化銅(チオシアン酸第一銅、ロダン銅)、塩基性硫酸銅、塩基性酢酸銅、塩基性炭酸銅、水酸化第二銅などが挙げられ、好ましくは亜酸化銅、ロダン銅が用いられる。このような銅化合物は、特に白色塗料以外の着色塗料に好ましく用いられる。
このような無機銅化合物は、銅に代えて、あるいは銅と共に1種または2種以上組合わせて用いることができる。
このような銅および/または無機銅化合物(b)を含む場合には、銅および/または無機
銅化合物は、本発明の防汚塗料組成物中の共重合体(塗膜形成性固形分)[A]100重量部に対して、通常、50〜5000重量部、好ましくは200〜2000重量部の量で含まれていることが望ましい。また防汚塗料組成物(塗料組成物)100重量%中に、該銅および/または無機銅化合物(b)は、合計で通常、1〜50重量%、好ましくは5〜4
0重量%の量で含まれていることが望ましい。
この銅および/または無機銅化合物(b)の含有量が上記の範囲にあると、得られる防汚
塗膜は防汚性に優れる傾向がある。
上記有機防汚剤(c)としては、金属ピリチオン塩系化合物、カーバメイト系の化合物、トリフェニルボランのアミン錯体、テトラメチルチウラムスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、アルキルフェニルジクロロマレイミド、クロロメチル−n−オクチルジスルフィッド、N,N−ジメチルジクロロフェニル尿素、2,4,6−トリクロロフェニルマレイミド、2−メチルチオ−4−tert−ブチルアミノ−6−シクロプロピルSトリアジン、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル等が挙げられる。
このうち上記金属ピリチオン塩系化合物としては、より具体的には、下記式[w]で示される金属−ピリチオン類[式中R1 〜R4は、それぞれ独立に水素、アルキル基、アル
コキシ基、ハロゲン化アルキル基を示し、Mは、Cu、Zn、Na、Mg、Ca、Ba、Pb、Fe、Al等の金属を示し、nは価数を示す]:
Figure 0005466347
が挙げられる。
これらのうちでは、銅ピリチオン、ジンクピリチオンが好ましい。
カーバメート系の化合物としては、例えば、ビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメイト、ジンクジメチルジチオカーバメート、マンガン-2-エチレンビスジチオカーバメート等が挙げられ、ビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメイトが好ましく用いられる。
上記トリフェニルボランのアミン錯体としては、具体的には、例えば、トリフェニルボランピリジン錯体、トリフェニルボランアルキルアミン錯体(アルキル基の炭素数:通常3〜30)、トリフェニルボランアルキルエーテルアミン錯体、ジフェニルメチルボランイソプロピルピリジン錯体が挙げられる。
これらの有機防汚剤(c)のうちでは、金属ピリチオン塩系化合物、ビスジメチルジチオ
カルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメイト、トリフェニルボランのアミン錯体、テトラエチルチウラムジスルフィド、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、アルキルフェニルジクロロマレイミド(アルキル基の炭素数:通常1〜5)、クロロメチル−n−オクチルジスルフィッド、N,N−ジメチルジクロロフェニル尿素、2,4,6−トリクロロフェニルマレイミド、2−メチルチオ−4−tert−ブチルアミノ−6−シクロプロピルSトリアジン、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリルが好ましい。
これらの有機防汚剤(c)は、1種または2種以上組み合わせて用いられる。
このような有機防汚剤(c)を含む防汚塗料組成物においては、銅および/または無機銅
化合物(b)と共に、あるいは銅および/または無機銅化合物(b)に代えて、上記有機防汚剤(c)が通常、1〜20重量%、好ましくは2〜15重量%の量で含まれていることが望
ましい。またこの有機防汚剤(c)は、本発明の防汚塗料組成物中の共重合体(塗膜形成性
固形分)[A]100重量部に対して、通常、10〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部の量で含まれていることが望ましい。このような量で、銅および/または無機銅化合物(b)と共に上記有機防汚剤(c)が防汚塗料組成物中に含まれていると、得
られる防汚塗膜は、広範な船舶付着生物に対していっそう優れた防汚性能を長期継続的に発揮できる傾向がある。
(展色剤)
展色剤としては、例えば、アクリル樹脂、ビニル樹脂、変性ビニル樹脂、スチレン・ブタジエン共重合樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられ、好ましくはアクリル樹脂が用いられる。これらの展色剤用の樹脂は、防汚塗膜に強度を与えるとともに防汚剤の溶出を抑制する効果がある。したがって、これらの樹脂は、防汚塗膜に長期に亘って防汚性を発揮させる場合などに有効である。
(撥水剤)
また、本発明に係る防汚塗料組成物に、液状ないし固形であって、何れも撥水性を有す
るポリオレフィン類、パラフィン類およびロジンから選ばれる少なくとも1種の成分(撥水剤)を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
上記液状ないし固形の撥水性を有するポリオレフィン類としては、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどが挙げられる。中でも、数平均分子量が200〜1000のポリブテンが好ましい。このようなポリブテンは、たとえば日本石油株式会社よりLV−5、LV−10、LV−25、LV−50、LV−100等の商品名で市販されている。このようなポリオレフィン類は、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
また、上記撥水性のパラフィン類としては、具体的には、流動パラフィン、パラフィンワックス、塩化パラフィンなどが挙げられる。
上記のようなポリオレフィン類、パラフィン類およびロジンの少なくとも1種の成分を、本発明に係る防汚塗料組成物中に配合すると、優れた防汚性能を維持でき、しかも防汚塗料組成物のコストダウンを図ることができる。
(有機溶剤)
有機溶剤(溶剤)としては、キシレン、トルエン等の芳香族系有機溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;エタノール、イソプロピルアルコール,n−ブタノール、イソブタノール等の脂肪族(炭素数1〜10、好ましくは2〜5程度)の1価アルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;等が挙げられる。
これらの溶剤は、本発明の防汚塗料組成物中に、通常、20〜80重量%、好ましくは、30〜70重量%の量で含まれていることが多い。
<防汚塗料組成物の調製>
本発明に係る防汚塗料組成物は、常法に従って調製することができる。
例えば、本発明に係る防汚塗料組成物は、上記共重合体[A]及びシリコーン[B]に加えて、必要に応じて防汚剤、有機溶剤、アクリル樹脂、ビニル樹脂、変性ビニル樹脂、スチレン・ブタジエン共重合樹脂、ポリエステル樹脂、液状ないし固形の撥水性を有するポリオレフィン類(例:ポリブテン、ポリイソブチレン)、可塑剤(例:塩素化されていても良いパラフィン類、リン酸トリクレジル、フタル酸ジアルキル)、ワックス、ロジン、体質顔料、着色顔料、タレ止め剤などを、ボールミル等を用いて混合・分散することにより得ることができる。
船体および水中構造物の防汚処理
本発明に係る防汚塗料組成物は、フジツボ等の蔓脚類、イガイ等の貝類、および腔腸動物例えばヒドロ虫類等に対して優れた防汚性を発揮する塗膜を形成することができるため、船体および水中構造物に対する防汚処理への利用も期待できる。
船体、特に海水と接触する船舶外板の防汚処理や、水中構造物、特に水中構造物の表面の防汚処理は、船体または水中構造物表面に、本発明に係る防汚塗料組成物を塗布し、防汚塗膜を形成することにより行なわれる。
船舶または水中構造物に対するこのような防汚塗膜の形成方法あるいは防汚方法を適用することにより、海水と接触する船舶外板または水中構造物の表面が、上記の防汚塗料組成物から形成された防汚塗膜で被覆された船舶または水中構造物が得られる。
漁具、漁 網の防汚処理
本発明に係る防汚塗料組成物は、上述したように、フジツボ等の蔓脚類、イガイ等の貝類および腔腸動物の1種であるヒドロ虫類等に対して優れた防汚性を発揮する塗膜を形成することができるため、釣り糸等の漁具、漁網に対する防汚処理に適している。
漁具、漁網の防汚処理は、例えば、本発明に係る防汚塗料組成物中に漁具、漁網などを
浸漬したり、漁具、漁網に防汚塗料組成物を塗布することにより行なわれる。このような防汚処理を行うと、防汚塗料組成物を漁具、漁網内部に含浸させることができるとともに漁具、漁網表面に付着させることができる。
[発明の効果]
本発明に係る防汚塗料組成物には、ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体[A]とシリコーンオイル[B]とが配合されており、このうちで共重合体[A]は、シリコーンの持つ低表面自由エネルギーによる海中生物付着防止効果と、金属エステルの加水分解による研掃性との両特性を併有しており、また、シリコーンオイル[B]は、徐々に防汚塗膜表面に滲出してくるため、塗膜の低表面エネルギー化が良好に確保できる。
そのため、防汚剤を使用しなくとも、また使用するとしても少量の防汚剤の使用により、防汚性が良好で、かつ環境への負荷や人体への悪影響の極めて少ない防汚塗膜を形成できる。
このような本発明に係る防汚塗料組成物を用いれば、藻類、フジツボ、貝類(例:イガイ等)および腔腸動物(例:ヒドロ虫類)などの水中生物に対して優れた防汚性を示す塗膜を基材例えば、漁具、漁網、船体、水中構造物などの表面に形成することができる。
上記のような効果を有する、本発明に係る防汚塗料組成物は、船体、水中構造物などの防汚処理に好適であり、漁具、漁網の防汚処理への利用も期待できる。
本発明に係る基材の防汚処理方法によれば、海水または真水と接触する基材の表面、例えば、漁具、漁網、水中構造物などの表面に、上記防汚塗料組成物を含浸、塗布させて、環境汚染を引き起こすことなく効率的かつ経済的に被膜を形成させることができ、藻類、フジツボ、イガイに代表される貝類、および、ヒドロ虫類に代表される腔腸動物などの水中生物の付着を有効に防止することができる。
[実施例]
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はかかる実施例により何ら制限されるものではない。なお、以下の合成例、実施例において、「部」とは、特にその趣旨に反しない限り、「重量部」の意味である。
なお、以下の合成例、実施例等で用いられる値等は、以下のようにして測定、算出等が行われる。
(イ)ワニスの固形分:「JISK5407の4」に準拠して測定。
(ロ)ワニスの数平均分子量Mn:[条件:液体クロマトグラフィー「Waters 2695」、検出器「Shodex RI−104」、カラム「東ソーSuper H4000+H2000」(6mm(ID)×15cm)、カラム温度40℃、溶離液:THF、流速:0.6ml/min.下で測定。]
(ハ-1)ワニスの固形分酸価:「JISK5407の11」に準拠して測定。(ここで記述する酸価と亜鉛量はかならずしも関係がない。)
例えば、ポリマー(A1)、(A2)の酸価=「2価金属(Zn)含有量(%)×561×2/65.4」で示され、
ポリマー(A3)の酸価=「{2価金属(Zn)含有量(%)×561×2/65.4}+{2塩基酸酸価/2}」で示される。
[合成例1]
ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A2)の合成>
攪拌機、還流冷却器、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテル20部、キシレン87部を仕込み90℃に昇温し、その温度で保持した。
次いで、このフラスコ内に亜鉛ジメタクリレート3部、
亜鉛ジアクリレート7部、
メチルメタクリレート20部、
エチルアクリレート40部、
純水0.5部、
プロピレングリコールモノメチルエーテル12部、
メタクリロキシプロピルポリジメチルシロキサン(商品名「FM0711」、チッソ(株)製、数均分子量Mn約1000)を30部、重合用触媒としてアゾビスイソブチロニトリル3部の混合液を2時間かけて滴下し、滴下後、約4時間この温度(90℃)を保持して、仕込み量に基いて算出されるメタクリロキシプロピルポリジメチルシロキサン成分単位(a21)が30重量%であり、亜鉛ジ(メタ)アクリレート単位(a22)中の金属Znの含有量が3重量%であり、メチルメタクリレート、エチルアクリレートから誘導される成分単位(a23)の含有量が60重量%のポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A2)を含むワニス(但し、共重合体(A2)中の全成分単位の合計を100重量%とする。)であって、固形分44.5%、数平均分子量Mn2520、粘度3ポイズ、固形分酸価52mgKOH/gのワニス(α-1)を得た。
[合成例2]
<ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A2)の合成>
攪拌機、還流冷却器、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテル20部、キシレン82部を仕込み90℃に昇温し、その温度で保持した。
次いで、このフラスコ内に亜鉛ジメタクリレート7部、
亜鉛ジアクリレート7部、
メチルメタクリレート6部、
エチルアクリレート45部、
純水0.5部、
プロピレングリコールモノメチルエーテル16部、
メタクリロキシプロピルポリジメチルシロキサン(商品名「FM0711」、チッソ(株)製、数均分子量約1000)を35部、重合用触媒としてアゾビスイソブチロニトリル3部の混合液を2時間かけて滴下し、滴下後、約4時間この温度(90℃)を保持して、仕込み量に基いて算出されるメタクリロキシプロピルポリジメチルシロキサン成分単位(a21)が35重量%であり、亜鉛ジ(メタ)アクリレート単位(a22)中の金属Znの含有量が4.2重量%であり、メチルメタクリレート、エチルアクリレートから誘導される成分単位(a23)の含有量が51重量%のポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A2)を含むワニス(但し、共重合体(A2)中の全成分単位の合計を100重量%とする。)であって、固形分45.2%、数平均分子量Mn2380、粘度12ポイズ、固形分酸価71mgKOH/gのワニス(α-2)を得た。
[合成例3]
<ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A1)の合成>
攪拌機、還流冷却器、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、n−ブタノール60部、キシレン60部、酢酸ブチル30部を仕込み90℃に昇温し、その温度で保持した。
次いで、このフラスコ内にアクリル酸11部、
エチルアクリレート30部、
メチルメタクリレート9部、
ブチルアクリレート10部、
メタクリロキシプロピルポリジメチルシロキサン(商品名「FM0721」、チッソ(株)製、数平均分子量Mn約5000)を38部、重合用触媒としてアゾビスイソブチロニトリル2.5部の混合液を2時間かけて滴下し、滴下後、約4時間この温度(90℃)を保持して、固形分40.2%、数平均分子量Mnが6,500、粘度4ポイズ、固形分酸
価77のワニス(β−1)を得た。
上記と同様の装置に、このワニス(β−1)を250部、
酸化亜鉛11.2部、ナフテン酸40部、純水5部を仕込み、90℃の温度で3時間保持した後、110〜120℃の温度に2時間かけて昇温して、3時間この温度で保持するとともに、生ずる反応水を分離し、
仕込み量に基いて算出されるメタクリロキシプロピルポリジメチルシロキサン成分単位(a11)が25重量%であり、ナフテン酸亜鉛(メタ)アクリレート単位(a12)中の金属Znの含有量が5.9重量%であり、アクリル酸、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレートから誘導される成分単位(a13)の含有量が32重量%のポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A1)を含むワニス(但し、共重合体(A1)中の全成分単位の合計を100重量%とする。)であって、固形分42.5%、粘度66ポイズのワニス(α−3)を得た。
[合成例4]
<ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A2)の合成>
攪拌機、還流冷却器、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、n−ブタノール40部、キシレン110部を仕込み90℃に昇温し、その温度で保持した。
次いで、このフラスコ内にメタクリル酸13.5部、
エチルアクリレート60部、
メタクリロキシプロピルポリジメチルシロキサン(商品名「FM0711」、チッソ(株)製、数平均分子量約1000)を26部、アゾビスイソブチロニトリル2部、アゾビス−2−メチルブチロニトリル2部の混合液を2時間かけて滴下し、滴下後、約4時間この温度(90℃)を保持して、固形分40.1%、数平均分子量Mnが2,900、粘度12ポイズ、固形分酸価88のワニス(β−2)を得た。
上記と同様の装置に、このワニス(β―2)を250部、酸化亜鉛6.3部、純水6部を仕込み、90℃の温度で3時間保持した後、110〜120℃の温度に2時間かけて昇温して、3時間この温度で保持するとともに、生ずる反応水を分離し、
仕込み量に基いて算出されるメタクリロキシプロピルポリジメチルシロキサン成分単位(a21)が24重量%であり、メタクリル酸亜鉛アクリレート単位(a22)中の金属Znの含有量が4.7重量%であり、メタクリル酸、エチルアクリレートから誘導される成分単位(a23)の含有量が56重量%のポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A2)を含むワニス(但し、共重合体(A2)中の全成分単位の合計を100重量%とす
る。)であって、
固形分42.1%、粘度7ポイズのワニス(α−4)を得た。
[合成例5]
<ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A1)の合成>
攪拌機、還流冷却器、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテル30部、キシレン68部を仕込み90℃に昇温し、保持した。
次いで、このフラスコ内に亜鉛ジアクリレート7部、
バーサチック酸亜鉛メタクリレート6部、
メチルメタクリレート20部、
エチルアクリレート27部、
純水0.5部、プロピレングリコールモノメチルエーテル20部、
メタクリロキシプロピルポリジメチルシロキサン(商品名「FM0711」、チッソ(株)製、数平均分子量約1000)を40部、アゾビスイソブチロニトリル3.5部の混合液を2時間かけて滴下し、滴下後、約4時間この温度(90℃)を保持して、
仕込み量に基いて算出されるメタクリロキシプロピルポリジメチルシロキサン成分単位
(a11)が40重量%であり、亜鉛ジアクリレート及びバーサチック酸亜鉛メタクリレート由来の成分単位(a12)中の金属Znの含有量が3.9重量%であり、メチルメタクリレート、エチルアクリレートから誘導される成分単位(a13)の含有量が47重量%のポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A1)を含むワニス(但し、共重合体(
A1)中の全成分単位の合計を100重量%とする。)であって、固形分44.2%、数平均分子量Mnが2800、粘度6ポイズ、固形分酸価67mgKOH/gのワニス(α−5)を得た。
[合成例6]
<ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A3)の合成>
攪拌機、還流冷却器、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、n−ブタノール40部、キシレン110部を仕込み90℃に昇温し、その温度で保持した。
次いで、このフラスコ内にアクリル酸12.8部、
エチルアクリレート50部、メチルメタクリレート15部、
メタクリロキシプロピルポリジメチルシロキサン(商品名「FM0721」、チッソ(株)製、数平均分子量Mn約5000)を20部、重合用触媒としてアゾビスイソブチロニトリル2部、アゾビス−2−メチルブチロニトリル2部の混合液を2時間かけて滴下し、滴下後、約4時間この温度(90℃)を保持して、固形分40.4%、数平均分子量Mnが3,500、粘度4ポイズ、固形分酸価90mgKOH/gのワニス(β−2)を得た。
上記と同様の装置に、リノール酸―アクリル酸付加物である2塩基酸(播磨化成社製、商品名「ダイアシッド1550」、酸価272)を41.3部、
ヒドロキシエトキシプロピルポリジメチルシロキサン((チッソ(株)製、商品名「FM-0411」、分子量約1100)を111部仕込み110℃で1時間保温した後、
170〜180℃に昇温して、3時間この温度で保持し淡褐色で
透明なワニス(β−3)を得た。
上記と同様の装置に、このワニス(β−2)を250部、バーサチック酸23.5部、(β−3)を38部、純水5部、酸化亜鉛13部を仕込み、90℃の温度で3時間保持した後、110〜120℃の温度に2時間かけて昇温して、3時間この温度で保持するとともに、生ずる反応水を分離し、
仕込み量に基いて算出される(メタクリロキシプロピルポリジメチルシロキサン及びヒドロキシエトキシプロピルポリジメチルシロキサンの)成分単位(a31)が28重量%であり、(バーサチック酸亜鉛アクリレート成分)単位(a32)及び2塩基酸亜鉛アクリレートポリジメチルシロキサンプロピルオキシエチルエステルから誘導される成分単位(a33)中の金属亜鉛含有量合計が6.1重量%のポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A3)を含むワニス(但し、共重合体(A3)中の全成分単位の合計を100重量%とする。)であって、
固形分52.5%、粘度5ポイズのワニス(α−6)を得た。
なお、得られるポリマーの推定構造(1)、原料の配合組成(2)等を以下に示す。
Figure 0005466347
[比較合成例1]
<ポリシロキサンブロックを含有しない金属塩共重合体の合成>
攪拌機、還流冷却器、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテル20部、キシレン58部を仕込み90℃に昇温し、その温度で保持した。
次いで、このフラスコ内に亜鉛ジアクリレート10部、
バーサチック酸亜鉛メタクリレート8部、
メチルメタクリレート30部、
エチルアクリレート52部、
純水0.5部、
プロピレングリコールモノメチルエーテル40部、
アゾビスイソブチロニトリル4部の混合液を2時間かけて滴下し、滴下後、約4時間この温度(90℃)を保持して、固形分44.7%、数平均分子量Mnが2200、粘度5ポイズ、固形分酸価93のワニス(γ−1)1を得た。
[比較合成例2]
<ポリシロキサンブロックを含有しない金属塩共重合体の合成>
攪拌機、還流冷却器、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテル20部、キシレン67部を仕込み90℃に昇温し、その温度で保持した。
次いで、このフラスコ内に亜鉛ジメタクリレート5部、
亜鉛ジアクリレート10部、
メチルメタクリレート20部、
エチルアクリレート65部、
純水0.5部、
プロピレングリコールモノメチルエーテル32部、
アゾビスイソブチロニトリル3.5部の混合液を2時間かけて滴下し、滴下後、約4時間この温度(90℃)を保持して、固形分44.4%、数平均分子量Mnが2900、粘度5ポイズ、固形分酸価78のワニス(γ―2)を得た。
[実施例1〜11、比較例1〜10]
<防汚塗料組成物の製造>
上記合成例1〜6、比較合成例1〜2で合成したワニスを用いて表2に示す実施例1〜11、比較例1〜10の防汚塗料組成物(防汚塗料)を製造し、各々の防汚塗料を防衛庁
の塗料規格番号:「DSP K5005C」鋼船船底用塩化ビニール樹脂塗料1号が塗布された板の上に、その乾燥膜厚が200±20μmになるように塗布して室内にて乾燥させて、得られた試験板を海中(広島湾の宮島沖、水深1m)に浸漬して、海中生物の付着状況を調査した。
また、実施例4〜11、比較例4〜10の塗料を用いて、上記と同様にして得た試験板を広島湾の海中に設置した周速20ノットで回転するロータリー試験機に取り付けて3ヶ月間回転させた後、塗膜の消耗度(消耗した塗膜の厚み:μm)を測定した。
その結果を表2に示す。
なお、防汚性評価は、生物付着面積(%)で評価した。
Figure 0005466347
表2によれば、本発明の防汚塗料組成物からなる防汚塗膜では、含まれる共重合体中の
金属塩(金属エステル)の加水分解により古い塗膜表面が消失し、新しい塗膜表面が現われて更新される現象である自己研磨性(自己研創性)の発現と、含まれるシリコーンオイル(ポリシロキサン)の塗膜表面への移行・滲出により低表面自由エネルギー化が促進されることによる海中生物の付着防止効果との両機能により、防汚剤が実質上含まれていなくとも優れた防汚性を発揮し、また防汚剤が含まれていると一層長期に亘り優れた防汚効果を発揮することが分かる。

Claims (19)

  1. [A]下記(A1)〜(A3)からなる群から選ばれた少なくとも1種のポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体と、
    [B]シリコーンオイル
    とを含んでなることを特徴とする防汚塗料組成物;
    (A1):ポリシロキサンブロック含有重合性不飽和単量体から誘導される成分単位(a11)と、
    式:CH2=C(R3)−COO−M−O−CO−R4
    (Mは2価の金属原子を示し、R3は水素原子またはメチル基を示し、R4はラジカル反応性を有しない有機基を示す。)で表される重合性不飽和カルボン酸金属塩から誘導される成分単位(a12)と、
    重合性不飽和カルボン酸またはそのエステルから誘導される成分単位(a13)と、から形成されるポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体、
    (A2):ポリシロキサンブロック含有重合性不飽和単量体から誘導される成分単位(a21)と、2価金属ジ(メタ)アクリレートから誘導される成分単位(a22)と、重合性不飽和カルボン酸またはそのエステルから誘導される成分単位(a23)と、
    から形成されるポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体、
    (A3):ポリシロキサンブロック(a31)と、アクリル樹脂ブロック(a32)とが、
    式:[−M−O−CO−(G−CO−O−)r−(CH2p−]
    (式中、Mは2価の金属原子を示し、Gは2価の炭化水素基を示し、rは0または1を示し、pは0〜5の整数を示す。)
    で表される金属含有結合(a33)で結合されたポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体。
  2. 上記ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体[A]と、シリコーンオイル[B]とが完全に相溶していることを特徴とする請求項1に記載の防汚塗料組成物。
  3. 上記ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A1)が、ポリシロキサンブロック含有重合性(メタ)アクリレートから誘導される成分単位(a11)と、
    式:[CH2=C(R3)−COO−M−O−CO−R4
    (Mは2価の金属原子を示し、R3は水素原子またはメチル基を示し、R4はラジカル反応性を有しない有機基を示す。)で表される(メタ)アクリル酸金属塩から誘導される成分単位(a12)と、
    (メタ)アクリル酸またはそのエステルから誘導される成分単位(a13)と、から形成されるポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体である請求項1または2に記載された防汚塗料組成物。
  4. 上記ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A1)中の重合性不飽和カルボン酸金属塩から誘導される成分単位(a12)中の金属Mの含有量が0.5〜16重量%(但し、該共重合体(A1)中の全成分単位の合計を100重量%とする。)である請求項1〜3の何れかに記載された防汚塗料組成物。
  5. 上記ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A1)中のポリシロキサンブロック含有重合性不飽和単量体から誘導される成分単位(a11)の含有量が5〜80重量%(但し、該共重合体(A1)中の全成分単位の合計を100重量%とする。)である請求項1〜3の何れかに記載された防汚塗料組成物。
  6. 上記ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A1)の数平均分子量Mn[条件:液体クロマトグラフィー「Waters 2695」、検出器「Shodex RI−104」、カラム「東ソーSuper H4000+H2000」(6mm(ID)×15cm)、カラム温度40℃、溶離液:THF、流速:0.6ml/min.下で測定]が1,000〜50,000(5万)である請求項1〜5の何れかに記載された防汚塗料組成物。
  7. 上記ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A2)が、ポリシロキサンブロック含有(メタ)アクリレートから誘導される成分単位(a21)と、2価金属ジ(メタ)アクリレートから誘導される成分単位(a22)と、(メタ)アクリル酸またはそのエステルから誘導される成分単位(a23)と、から形成されるポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体である請求項1〜6の何れかに記載された防汚塗料組成物。
  8. 上記ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A2)中の2価金属ジ(メタ)アクリレートから誘導される成分単位(a22)中の金属Mの含有量が0.5〜10重量%(但し、該共重合体(A2)中の全成分単位の合計を100重量%とする。)である請求項1〜7の何れかに記載された防汚塗料組成物。
  9. 上記ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A2)中のポリシロキサンブロック含有重合性不飽和単量体から誘導される成分単位(a21)の含有量が5〜80重量%(但し、該共重合体(A2)中の全成分単位の合計を100重量%とする。)である請求項1〜8の何れかに記載された防汚塗料組成物。
  10. 上記ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A2)の数平均分子量Mn[測定条件:請求項6の場合と同様]が1,000〜50,000(5万)である請求項1〜9の何れかに記載された防汚塗料組成物。
  11. 上記ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A3)
    ポリシロキサンブロック(a31)と、アクリル樹脂ブロック(a32)とが、アクリル樹脂ブロック中の(メタ)アクリル酸由来のカルボキシル基を介して、
    式:[−M−O−CO−(G−CO−O−)r−(CH2p−]
    (式中、Mは2価の金属原子を示し、Gは2価の炭化水素基を示し、rは0または1を示し、pは0〜5の整数を示す。)で表される金属含有結合(a33)の金属Mと結合することにより、結合されたポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体である請求項1〜10の何れかに記載された防汚塗料組成物
  12. ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A3)中の
    式:[−M−O−CO−(G−CO−O−)r−(CH2p−]
    (式中、Mは2価の金属原子を示し、Gは2価の炭化水素基を示し、rは0または1を示し、pは0〜5の整数を示す。)
    で表される金属含有結合(a33)中の金属Mの含有量が0.5〜16重量%(但し、該共重合体(A3)中の金属含有結合を含む成分単位の合計を100重量%とする。)である請求項1〜11の何れかに記載された防汚塗料組成物。
  13. ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A3)中のポリシロキサンブロック含有重合性不飽和単量体から誘導される成分単位(a31)の含有量が5〜80重量%(但し、該共重合体(A3)中の全成分単位の合計を100重量%とする。)である請求項1〜12の何れかに記載された防汚塗料組成物。
  14. ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体(A3)の数平均分子量Mn[測定条件:請求項6の場合と同様]が1,000〜50,000(5万)である請求項1〜13の何れかに記載された防汚塗料組成物。
  15. 上記ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体[A]を塗料中の固形分換算で5〜99重量%(但し、該塗料中の固形分換算量の合計を100重量%とする。)の量で含有する請求項1〜14の何れかに記載された防汚塗料組成物。
  16. 上記ポリシロキサンブロック含有金属塩共重合体[A](固形分)100重量部に対して、シリコーンオイル[B]を1〜50重量部の量で含有する請求項1〜15の何れかに記載された防汚塗料組成物。
  17. 実質的に亜酸化銅を含まない請求項1〜16の何れかに記載された防汚塗料組成物。
  18. 海水と接触する船舶外板または水中構造物の表面が、請求項1〜17の何れかに記載の防汚塗料組成物から形成された防汚塗膜で被覆されていることを特徴とする船舶または水中構造物。
  19. 海水と接触する船舶外板または水中構造物の表面に、請求項1〜17の何れかに記載の防汚塗料組成物を塗付し、防汚塗膜を形成させることを特徴とする船舶または水中構造物の防汚方法。
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