JP4583842B2 - 淡水域対応型防汚塗料組成物、その塗膜および防汚方法 - Google Patents

淡水域対応型防汚塗料組成物、その塗膜および防汚方法 Download PDF

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Description

本発明は、淡水域対応型防汚塗料組成物、その塗膜および防汚方法に関し、さらに詳しくは、海洋(塩水)は元より、中国等の大河川(淡水)用の船舶用塗料等としても使用され、フクレ性・剥離性および防汚性に優れた塗膜を形成し得るような淡水域対応型防汚塗料組成物、その塗膜および防汚方法に関する。
中国等の大陸では近年、経済発展に伴って、太平洋等の海洋に面した港湾地域のみならず、例えば、黄河、揚子江等の大河川流域でも工業が益々盛んになり、大型外航船舶の建造が盛んになってきた。
ところが大河川などのような、主に淡水域で使用される船舶に、従来より公知の亜酸化銅含有加水分解型防汚塗料に代表される海洋船専用の防汚塗料をそのまま適用すると、その塗膜は、真水に対する耐性が十分でないという問題点があり、河川水領域にある造船所でこのような塗膜付き船舶を建造すると、その塗膜に著しい軟化の発生が見られ、また場合によっては、ブリスター(blistering、フクレ)、クラック、剥離などの欠陥が発生することもあった。
そこでこれら船舶に使用されている塗料について、鋭意研究を重ねたところ、塗料には多くの場合、防汚剤成分として、表面未処理の亜酸化銅、表面処理された亜酸化銅等が含まれているが、この亜酸化銅用の表面処理剤の種類などにより、得られる塗膜の真水耐性が変化し上記欠陥が生ずること、などを見出すと共に、特定の表面処理剤にて表面処理された亜酸化銅等を、特定の樹脂成分(塗膜形成成分)と共に用いると、耐フクレ性・耐剥離性および防汚性などの点で良好な特性を示し、海洋(塩水)域のみならず淡水域にも十分に対応できる「淡水域対応型」の塗膜を形成可能であり、これら水域で建造・運行等が行われる船舶あるいは水中構造物用として好適な塗膜を形成できる防汚塗料が得られることなどを見出して、本発明を完成するに至った。
なお、亜酸化銅をステアリン酸で被覆したものは、商品名「REDCOP97N」(アメリカンケメット(株)製)などとして公知である。
しかしながら、これまでのところ、亜酸化銅の表面処理剤(グリセリン、ステアリン酸、ショ糖)など数種あるが、グリセリン、ショ糖処理にて被覆した亜酸化銅を、被膜形成成分である金属含有加水分解型アクリルポリマーに配合してなる防汚塗料では、得られる塗膜は、真水浸漬時に、耐フクレ性・耐剥離性および防汚性などの何れかに劣っており、海洋(塩水)域用船舶用は元より、河川専用船舶用としても好適な塗膜を形成可能な淡水域対応型防汚塗料は得られていない。
なお、亜酸化銅(酸化第一銅、Cu2O)の表面処理に関する技術は、これまでにも種々
提案されている。
例えば、特表平11−507982号公報(対応:特許第3116166号、特許文献1)には、少なくとも約80重量%の酸化第一銅粒子と、前記酸化第一銅粒子を表面酸化して前記粒子表面に黒色被膜又は層を形成することにより生成され、該酸化第一銅粒子に付着した、実質的に残部を占める(substantially the balance)酸化第二銅を有する
複合酸化第一銅粉末及び、該複合粉末を液状溶剤に分散させてなる、船底、鋼杭、その他各種の海洋構造物の基板上に汚損防止被膜を形成するための汚損防止塗料が開示され、溶剤としては塩素化ゴム、エポキシ樹脂、トリブチル錫メチルメタクリル酸、ポリビニルブチラール等が挙げられている。また該汚損防止塗料によれば、外来の黒化顔料を添加する
必要がなく、長期間に渡って海洋汚損生物の作用や付着から海洋構造物を保護でき、制御可能な浸出率を有する防汚塗膜を形成し得ることが記載されている。
しかしながら、該公報に記載の防汚塗料では、得られる塗膜の真水に対する耐性が低く、フクレ、クラック、剥離が発生するなど、塗膜物性面の点で十分でないという問題点があった。
また、特開昭50−58224号公報(特許文献2)には、亜酸化銅粒子に珪酸アルカリゾルを添加し加熱することによりその表面を被覆処理する、船底塗料用として安定化された毒物の製造法が開示され、
特開昭61−64763号公報(特許文献3)には、亜酸化銅表面を、船底塗料用樹脂、油類、ロジン、可塑剤等で表面被覆した亜酸化銅組成物が開示され、
特開平1−213368号公報(特許文献4)には、SiO2またはAl23微粉を核
として亜酸化銅微粒子を強固に結合させた防汚塗料用複合顔料及びその製造方法が開示され、
特開平1−289871号公報(特許文献5)には、銅含有顔料表面に、銅粒子よりも微細なシリカ粒子を含有させ、安定な銅含有顔料が開示され、
特許第2743496号(対応:特開平3-45665号公報、特許文献6)には、市販
の従来より公知の粒度分布を有する亜酸化銅を分級して8〜50μが50重量%以上にして配合した防汚塗料では、塗膜減耗速度が均一な防汚塗膜が得られる旨記載されている。
また、特開平6−263917号公報(特許文献7)には、チオール潤滑剤で少なくとも部分的に被覆されて潤滑された貴金属粉又は貴金属フレークからなる導電性組成物が開示され、さらにバインダーを含む態様も記載され、該導電性組成物は、有機水溶性ビヒクル中において高装填比で容易に分散される旨記載されている。また、従来の製粉用ビヒクルは、アルコール、脂肪族溶剤、ケトン又はグリコール中に溶解又は懸濁された脂肪酸潤滑剤を含むことも記載されている。
しかしながら上記特許文献1〜7を如何に精査しても、これらの何れにも、防汚塗料に配合することにより、耐フクレ性・耐剥離性および防汚性などの点で海洋(塩水)域のみならず淡水域にも十分に対応できる良好な特性を示し、海洋船舶用としてだけでなく河川用船舶用としても好適な塗膜を形成可能な淡水域対応型防汚塗料を得ようとする技術的思想はない。
特表平11−507982号公報 特開昭50−58224号公報 特開昭61−64763号公報 特開平1−213368号公報 特開平1−289871号公報 特許第2743496号(対応:特開平3-45665号公報) 特開平6−263917号公報
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであって、海洋(塩水)域で運行される船舶に使用できるだけでなく、(淡水)河川専用船舶などに適用しても、耐フクレ性・耐剥離性に優れ、防汚性にも優れた塗膜を形成し得るような、淡水域対応型の防汚塗料組成物を提供することを目的としている。
また本発明は、上記特性の淡水域対応型防汚塗膜を有する船舶または水中構造物を提供することを目的としている。
また本発明に係る、船舶または水中構造物の防汚方法は、海洋(塩水)船舶等は元より、淡水と接触する船舶外板または水中構造物の表面に、安全かつ効率的に上記特性の防汚塗膜を形成させることを目的としている。
本発明に係る淡水域対応型防汚塗料組成物は、
[A]下記(A1)および(A2)からなる群から選ばれ、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびアルコキシル基から選ばれた親水性基含有コモノマー成分単位を実質的に含まないかまたはその含有量が10重量%以下である少なくとも1種の金属塩共重合体と、
[B]高級脂肪酸で表面処理された亜酸化銅とを含んでなる。
(A1): 式「CH2=C(R1)−COO−M−O−CO−R2
(Mは2価の金属原子を示し、R1は水素原子またはメチル基を示し、R2はラジカル反応性を有しない有機基を示す。)
で表される(メタ)アクリル酸金属塩単量体から誘導される成分単位(a11)と、
(メタ)アクリル酸エステル単量体から誘導される成分単位(a12)とから形成される側鎖末端構造金属塩共重合体、
(A2):2価金属ジ(メタ)アクリレートから誘導される成分単位(a21)と、
(メタ)アクリル酸エステル単量体から誘導される成分単位(a22)とから形成される架橋性金属塩共重合体。
本発明に係る淡水域対応型防汚塗料組成物では、上記金属塩共重合体[A](固形分)100重量部に対して、上記高級脂肪酸で表面処理された亜酸化銅[B]を0.5〜500重量部の量で含むことが好ましい。
本発明に係る淡水域対応型防汚塗料組成物では、上記ラジカル非反応性金属塩共重合体(A1)中の(メタ)アクリル酸金属塩単量体から誘導される成分単位(a11)の含有量が0.1〜69.9重量%(但し、該共重合体(A1)中の全成分単位の合計を100重量%とする。)であることが望ましい。
また本発明に係る淡水域対応型防汚塗料組成物では、上記金属塩共重合体(A1)の数平均分子量Mn[条件:(GPC装置:東ソー社製、HLC−8120GPC、カラム;Super H2000+H4000、6mmI.D.,15cm)下で測定]が1000〜100000(10万)である
ことが望ましい。
また、本発明に係る淡水域対応型防汚塗料組成物では、上記金属塩共重合体(A2)中の2価金属ジ(メタ)アクリレートから誘導される成分単位(a21)の含有量が0.1〜69.9重量%(但し、該共重合体(A2)中の全成分単位の合計を100重量%とする。)であることが望ましい。
本発明に係る淡水域対応型防汚塗料組成物では、上記共重合体(A2)の数平均分子量Mn[条件:同上のGPCにて測定]が1000〜100000(10万)であることが望ましい。
本発明に係る淡水域対応型防汚塗料組成物には、さらに、有機および/または無機防汚
剤が含まれていてもよい。
本発明に係る淡水域対応型防汚塗膜は、上記の何れかに記載の防汚塗料組成物から形成されたことを特徴としている。
本発明に係る船舶または水中構造物は、特に淡水と接触する船舶外板または水中構造物の表面が、上記の何れかに記載の淡水域対応型防汚塗料組成物から形成された防汚塗膜で
被覆されていることを特徴としている。
また、本発明に係る船舶または水中構造物の防汚方法は、淡水と接触する船舶外板または水中構造物の表面に、上記の何れかに記載の淡水域対応型防汚塗料組成物を塗付し、防汚塗膜を形成させることを特徴としている。
本発明によれば、海洋(塩水)域用船舶等のみならず、(淡水)河川専用船舶などに適用すれば、耐フクレ性・耐剥離性に優れ、防汚性にも優れた塗膜を形成し得るような防汚塗料組成物が提供される。
また本発明によれば、上記の特性の淡水域対応型防汚塗膜を有する船舶または水中構造物を提供することができる。
また本発明に係る、船舶または水中構造物の防汚方法によれば、特に淡水と接触する船舶外板または水中構造物の表面に、安全かつ効率的に上記特性の防汚塗膜を形成させることができる。
以下、本発明に係る淡水域対応型防汚塗料組成物、その塗膜および防汚方法について具体的に説明する。
[淡水域対応型防汚塗料組成物]
本発明に係る淡水域対応型防汚塗料組成物には、下記のような特定の金属塩共重合体[A]と、高級脂肪酸で表面処理された亜酸化銅[B]とが含まれている。
<金属塩共重合体[A]>
本発明で用いられる金属塩共重合体[A]は、下記(A1)および(A2)からなる群から選ばれる1種または2種の共重合体を含み、カルボキシル基(−COOH)、ヒドロ
キシル基(−OH)およびアルコキシル基(−OR、R:アルキル基)から選ばれた親水性基含有コモノマー成分単位を実質的に含まない(すなわち、0重量%)か、またはそれらの親水性基含有コモノマー成分単位の含有量(合計)が共重合体中に10重量%以下、好ましくは8重量%以下、特に好ましくは0.1〜5重量%であることが真水耐水性の点から望ましい。なお、これらの親水性基含有コモノマー成分単位の含有量(合計)が上記範囲より多いと、真水耐水性が劣り塗膜欠陥(ブリスター、剥離等)を招きやすくなる傾向がある。
(A1):
式「CH2=C(R1)−COO−M−O−CO−R2
(Mは2価の金属原子を示し、R1は水素原子またはメチル基を示し、R2はラジカル(重
合)反応性を有しない有機基を示す。)
で表される(メタ)アクリル酸金属塩単量体から誘導される成分単位(a11)と、
(メタ)アクリル酸エステル単量体から誘導される成分単位(a12)とから形成される側鎖末端構造金属塩共重合体。
(A2):
2価金属ジ(メタ)アクリレートから誘導される成分単位(a21)と、(メタ)アクリル酸エステル単量体から誘導される成分単位(a22)とから形成される架橋性金属塩共重合体。
これら金属塩共重合体(A1)、(A2)のうちで、金属塩共重合体(A1)について初めに詳説する。
(金属塩共重合体(A1))
金属塩共重合体(A1)には、(メタ)アクリル酸金属塩単量体から誘導される成分単位(a11)と(メタ)アクリル酸エステル単量体から誘導される成分単位(a12)と
が含まれている。
この金属塩共重合体(A1)においては、上記各成分単位、すなわち(メタ)アクリル酸金属塩成分単位(a11)、(メタ)アクリル酸エステル成分単位(a12)の配列順序等は特に限定されず、例えば、ランダムに、あるいはブロックを形成して配列(結合)していてもよい。
この共重合体(A1)には、成分単位(a11)が通常、0.1〜69.9重量%、好ましくは3〜50重量%の量で含有され、
成分単位(a12)が残部量すなわち、通常、30.1〜99.9重量%、好ましくは50〜97重量%の量で含有され(但し、該共重合体(A1)中の全成分単位の合計を100重量%とする。)の量で含有されていることが真水耐水性、樹脂の溶出速度の点から望ましい。
なお、本発明に係る防汚塗料組成物中の共重合体(A1)におけるこの成分単位(a11)の含有量が上記範囲より少ないと樹脂の溶出速度が極めて遅くなる傾向があり、また、成分単位(a11)の含有量が上記範囲より多いと樹脂の溶出速度が速すぎる傾向がある。
反対に、金属塩共重合体(A1)中のもう一方の成分単位(a12)の含有量が上記範囲より少ないと耐水性が著しく落ちる傾向があり、また、上記範囲より多いと樹脂の溶出速度が遅くなりすぎる傾向がある。
また、上記金属塩共重合体(A1)の数平均分子量Mn[条件:上記と同様にGPCにて測定]は、通常、1,000〜100,000(10万)、好ましくは1,000〜20,000(2万)であることが、得られる共重合体溶液の粘度が高くなり過ぎず、共重合体樹脂内での金属架橋等による樹脂のゲル化を防止でき、しかも、塗膜を形成した際に耐クラック性を有するなどの点から望ましい。
<成分単位(a11)>
上記金属塩共重合体(A1)中における成分単位(a11)は、下記式で表される共重合用モノマー、例えば、(メタ)アクリル酸金属塩(a11)などから誘導される。
式:[CH2=C(R1)−COO−M−O−CO−R2]・・・・(a11)
この式(a11)中、Mは2価の金属原子、例えば、Zn、Cu、Mg等が挙げられ、中でもZn、Cuが、得られる塗膜の耐水性、含まれる樹脂の溶出性が適度に保持でき、樹脂粘度の上昇を抑制可能であるなどの点で好ましい。R1は水素原子またはメチル基を
示す。
式(a11)中、R2はラジカル反応性を有しない有機基、好ましくは、アルキル基、
シクロアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、アラルキル基を示す。
上記式(a11)中の[−O−CO−R2]部分としては、用いられる原料に由来し、
例えば、直鎖状でも分岐を有していてもよい飽和脂肪族カルボン酸残基であるプロピオン酸残基(C25COO−)、吉草酸残基[CH3(CH23COO−]、パルミチン酸残
基[CH3(CH214COO−]、ミリスチン酸残基[CH3(CH212COO−]、ラウリン酸残基[CH3(CH210COO−]、ステアリン酸残基[C1735COO−]、バーサチック酸残基[(C373C−COO−]など;
飽和脂環式カルボン酸残基であるナフテン酸残基[C59(CH2nCOO−]など;
芳香環式カルボン酸残基である安息香酸残基など;
が挙げられる。
これらのうちでは、[−O−CO−R2]部分としては、カルボン酸残基[−O−CO
−R2]部分の総炭素数が2〜30個程度のものが好ましく、例えば、バーサチック酸残
基、ナフテン酸残基が樹脂の粘度上昇を抑えられる点で望ましい。
このような(メタ)アクリル酸金属塩モノマー(a11)としては、具体的には、例えば、メタクリル酸亜鉛:[(CH2=C(CH3)−COO−)2Zn]、アクリル酸亜鉛
:[(CH2=CH−COO−)2Zn]、メタクリル酸マグネシウム:[(CH2=C(
CH3)−COO−)2 Mg]、アクリル酸マグネシウム:[(CH2=CH−COO−)2Mg]、メタクリル酸銅:[(CH2=C(CH3)−COO−)2Cu]、アクリル酸銅:[(CH2=CH−COO−)2 Cu]、バーサチック酸亜鉛メタクリレート:[(C
2=C(CH3)−COO−)(( C373C−COO−)Zn]、バーサチック酸亜鉛アクリレート:[(CH2=CH−COO−)(( C373C−COO−)Zn]、
ナフテン酸亜鉛メタクリレート:[(CH2=C(CH3)−COO−)(ナフテン酸残基)Zn]、ナフテン酸亜鉛アクリレート:[(CH2=CH−COO−)(ナフテン酸残
基)Zn]、安息香酸亜鉛メタクリレート:[(CH2=C(CH3)−COO−)((
65)COO−)Zn]、安息香酸亜鉛アクリレート:[(CH2=CH−COO−)
(( C65)COO−)Zn]、安息香酸マグネシウムメタクリレート:[(CH2=C(CH3)−COO−)(C65COO−)Mg]、バーサチック酸マグネシウムアクリ
レート:[(CH2=CH−COO−)(( C373C−COO−)Mg]、バーサチ
ック酸銅メタクリレート:[(CH2=C(CH3)−COO−)((C373C−CO
O−)Cu]、安息香酸銅メタクリレート:[(CH2=C(CH3)−COO−)((
65)COO−)Cu]、ナフテン酸銅メタクリレート:[(CH2=C(CH3)−COO−)(ナフテン酸残基)Cu]、ナフテン酸銅アクリレート:[(CH2=CH−C
OO−)(ナフテン酸残基)Cu]等が挙げられ、これらの内では、バーサチック酸亜鉛(メタ)アクリレート、ナフテン酸亜鉛(メタ)アクリレートが好ましい。
これら(メタ)アクリル酸金属塩は、1種または2種以上組合わせて用いてもよい。
本発明では、上記(メタ)アクリル酸金属塩成分単位(a11)は、上記のように、ラジカル重合性のモノマーである(メタ)アクリル酸金属塩例えば、バーサチック酸亜鉛(メタ)アクリレートをそのまま共重合体製造用原料(モノマー)として用いることにより導入・形成してもよいが、例えば、共重合体製造時に(メタ)アクリル酸を用い、一旦(メタ)アクリル酸成分単位を前駆共重合体(A’)に導入しておき、次いで、得られた(メタ)アクリル酸成分単位含有共重合体(A1’)に、例えば、ZnO等の2価金属酸化物(MO)と、ナフテン酸等の飽和脂肪族(または飽和脂環族)カルボン酸(R2COO
H)と、水とを添加して反応させることにより、共重合体(A1’)及びカルボン酸(R2COOH)中の各カルボキシル基(−COOH)部位で、2価金属酸化物由来の2価金
属M(Znなど)を介してエステル結合(金属塩結合)を形成させて、最終的に、側鎖末端「R2COO−」が非ラジカル重合性基のナフテン酸残基[C59(CH2nCOO−
]等である(メタ)アクリル酸金属塩成分単位(a11):
Figure 0004583842
(成分単位(a11)中の各略号の定義は、モノマー(a11)と同様。)を導入(形成)させるようにしてもよい。このように、共重合体(A1)製造の際における(メタ)アクリル酸金属塩成分単位(a11)の形成法は特に限定されない。
この(メタ)アクリル酸金属塩成分単位(a11)は、後述する共重合体(A2)中の成分単位(a21)、すなわち2価金属ジ(メタ)アクリレート成分単位(a21)と比して、成分単位(a11)調製用に用いられる(メタ)アクリル酸金属塩中の側鎖末端基R2がラジカル反応性を有しておらず、成分単位(a21)調製用に用いられる2価金属
ジ(メタ)アクリレート中に存在するラジカル反応性の2個の(メタ)アクリル基等と異なり、共重合体中にあって架橋点とならない点で相違する。
<成分単位(a12)>
上記金属塩共重合体(A1)中における成分単位(a12)は、下記式(a12)で表され、好ましくは(メタ)アクリル酸エステルから誘導される。
Figure 0004583842
(式(a12)中のR1、R3の定義は後述するモノマー中のものと同様である。)
(メタ)アクリル酸エステル(モノマー)としては、ヒドロキシ基、アルコキシ基(例:メトキシ基)などを少量(例えば、共重合体中に10重量%以下)有していてもよいが、真水耐水性の点から全く含有しない(=0重量%)ものが望ましい。また、該モノマーは直鎖状でも分岐を有していてもよく、脂環、芳香環などを有していてもよい。
成分単位(a12)形成用モノマーとしては、本発明で好ましく用いられ、下記式(a12)で表される(メタ)アクリル酸エステル類の他、この式(a12)には包含されないイタコン酸等の不飽和カルボン酸(但し、総炭素数3〜40程度);
無水マレイン酸等の酸無水物;
スチレン、α-メチルスチレン等のスチレン類;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;
アクリルアミド等の(メタ)アクリル酸のアミド類;
等が挙げられる。
本発明では、これら(メタ)アクリル酸エステルに代表される、成分単位(a12)形成用モノマーを1種または2種以上組合わせて用いてもよい。
本発明で好ましく用いられる成分単位(a12)形成用のモノマーは、下記式(a12)で表される。
式(a12):CH2=C(R1)−COOR3 ・・・・・(a12)
{式(a12)中、R1は水素原子またはメチル基を示す。
3は、有機基特に炭素数1〜40程度のアルキル基、同様の総炭素数のヒドロキシア
ルキル基、同様の総炭素数のアルコキシアルキル基等が挙げられ、中でも、上記アルキル基が好ましい。これらの有機基中のアルキル基あるいはアルキレン鎖は、直鎖状、分岐鎖状の何れでもよく、またシクロヘキシル環等の脂環構造、ベンゼン環等の芳香環構造を有していてもよい。}
なお、もしもR3がH、すなわち成分単位(a12)がカルボン酸単位であると、塗料が
ゲル化する傾向がある。
上記式(a12)で表される重合性不飽和カルボン酸エステルとしては、式(a12)中で、R3が炭素数(C)1以上、好ましくはC1〜40、さらに好ましくはC1〜20のアルキル基である(メタ)アクリレートが挙げられる。このような(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
上記式(a12)中、R3がヒドロキシアルキル基である(メタ)アクリレートとして
は、R3が炭素数(C)1以上、好ましくはC1〜40、さらに好ましくはC1〜20のヒドロキシアルキル基である(メタ)アクリレートが望ましい。R3がヒドロキシアルキル
基である(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
また、上記式(a12)中、R3がアルコキシアルキル基である(メタ)アクリレート
としては、R3が炭素数(C)が1以上、好ましくはC1〜40、さらに好ましくはC1〜20のアルコキシアルキル基である(メタ)アクリレートが望ましい。R3がアルコキシ
アルキル基である(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−エチルヘキサオキシ)エチル(メタ)アクリレート、1−メチル−2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、3−メチル−3−メトキシブチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
なお、(a12)中のR3がH(水素原子)の場合には、ポリマー側鎖に生ずるカルボ
キシル基(−COOH)をさらにアルコール(HO-R3、R3:アルキル基等)などと反
応させ、最終的には末端を不活性[例:「−COOR3」、R3は式(a12)中のH以外の上記有機基と同様。]にすることが望ましい。
本発明では、上記重合性不飽和カルボン酸エステル成分単位(a12)が、前記式(a
12)中、R1が水素原子またはメチル基であり、R3が炭素数1以上のアルキル基である少なくとも一種の(メタ)アクリレートから導かれる成分単位、すなわち、上記のような(メタ)アクリル酸アルキルエステルから誘導される成分単位であることが好ましい。
(金属塩共重合体(A2))
金属塩共重合体(A2)(単に、「共重合体(A2)」などとも言う。)は、2価金属ジ(メタ)アクリレートから誘導される成分単位(a21)と、(メタ)アクリル酸エステルから誘導される成分単位(a22)と、から形成されている。
この共重合体(A2)に含まれている成分単位(a21)、(a22)のうちで、(メタ)アクリル酸エステル成分単位(a22)は、前記共重合体(A1)中の成分単位(a12)と同様のものである。
この金属塩共重合体(A2)においては、各成分単位(a21)、(a22)の配列順序等は、前記共重合体(A1)の場合と同様に特に限定されず、例えば、ランダムに、あるいはブロックを形成して配列(結合)していてもよい。
この共重合体(A2)には、成分単位(a21)が通常、0.1〜69.9重量%、好ましくは3〜50重量%の量で含有され、
成分単位(a22)が通常、30.1〜99.9重量%、好ましくは50〜97重量%(但し、該共重合体(A2)中の全成分単位の合計を100重量%とする。)の量で含有されていることが前記共重合体(A1)中の各成分単位(a11)〜(a12)と同様の理由すなわち塗膜の耐水性、樹脂溶出性の点、及び塗料中の樹脂粘度の上昇を抑えられる点から望ましい。
なお、本発明に係る防汚塗料組成物中の共重合体(A2)におけるこの成分単位(a21)の含有量が上記範囲より少ないと塗膜中の樹脂の溶出が極めて遅くなる傾向があり、また、成分単位(a21)の含有量が上記範囲より多いと塗膜溶出速度が速すぎる傾向がある。なお、成分単位(a22)の含有量が上記範囲より少ないと塗膜の耐水性が著しく低下する傾向があり、また、上記範囲より多いと塗膜溶出速度が遅すぎる傾向がある。
また、上記金属塩共重合体(A2)の数平均分子量Mnも上記共重合体(A1)と同様な値、すなわち通常、1,000〜100,000(10万)、好ましくは1,000〜20,000(2万)であることが望ましい。
<成分単位(a21)>
上記金属塩共重合体(A2)中における成分単位(a21)すなわち2価金属ジ(メタ)アクリレート成分単位(a21)は、下記式で表される2価金属ジ(メタ)アクリレート(a21)などから誘導される。
式:[CH2=C(R1)−COO]2−M ・・・・(a21)
この式(a21)中、Mは同上の2価の金属原子、例えば、Zn、Cu、Mg等が挙げられ、中でもZn、Cu、Mgが好ましく、特にZn、Cuが塗膜の耐水性の向上、塗料中の樹脂粘度上昇を抑えられる点で好ましい。R1は水素原子またはメチル基を示す。
2価金属ジ(メタ)アクリレートとしては、具体的には、たとえば、アクリル酸マグネシウム:(CH2=CHCOO)2Mg、メタクリル酸マグネシウム:(CH2=C(CH3)COO)2Mg、アクリル酸亜鉛:(CH2=CHCOO)2Zn、メタクリル酸亜鉛:
(CH2=C(CH3)COO)2Zn、アクリル酸銅:(CH2=CHCOO)2Cu、メ
タクリル酸銅:(CH2=C(CH3)COO)2Cu 等を挙げることができ、これらのうちの1種または2種以上を組合わせて用いることができる。
本発明では、2価金属ジ(メタ)アクリレート成分単位(a21)としては、亜鉛ジ(メタ)アクリレート成分単位または銅ジ(メタ)アクリレート成分単位が、塗膜の真水耐性が良好であり、塗膜中の樹脂の溶出性が適正であり、塗料中の樹脂の粘度上昇を抑えられる点で好ましい。
本発明においては、上記金属塩共重合体(A2)が、2価金属ジ(メタ)アクリレートから誘導される成分単位(a21)と、(メタ)アクリル酸エステルから誘導される成分単位(a22)とから形成される金属塩共重合体であることが、塗膜の真水耐水性が良好であり、塗膜中の樹脂の溶出性が適正であり、塗料中の樹脂の粘度上昇を抑えられる点から望ましい。
なお、この成分単位(a21)を有する金属塩共重合体(A2)を製造するには、上記成分単位(a11)等の場合と同様に、金属塩共重合体(A2)の製造の際に、最初から原料モノマーとして2価金属ジ(メタ)アクリレートを用いて金属塩共重合体(A2)を合成してもよく、また、例えば、2価金属ジ(メタ)アクリレートを誘導可能なメタクリル酸メチル(MMA)、アクリル酸(AA)等の共重合用モノマーと、ZnO、MgO、CuOの2価金属酸化物と、水とを溶媒(PGM、N−BuOH、キシレン等)中で接触(反応)させ、次いで、得られた反応混合物(金属含有反応物)と、2価金属ジ(メタ)アクリレートを誘導可能なメチルメタクリレート(MMA)、アクリル酸メチル(MA)、エチルアクリレート(EA)、2−メトキシエトキシアクリレート(2−MEA)、n−ブチルアクリレート(N−BA)等の共重合用モノマーとを、開始剤(例:AIBN、AMBN、t−ブチルパーオクトエート)、連鎖移動剤等の存在下に共重合反応させることにより、共重合体(A2)を製造してもよい。
<高級脂肪酸で表面処理された亜酸化銅[B]>
高級脂肪酸で表面処理された亜酸化銅としては、亜酸化銅を、高級脂肪酸、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などにて、好ましくはパルミチン酸、ステアリン酸など総炭素数Cが8〜30程度、好ましくはC10〜20程度の高級脂肪酸にて表面処理してなる亜酸化銅の表面処理物が挙げられる。
このような高級脂肪酸で表面処理された亜酸化銅[B]を含む防汚塗膜は、成分[B]を含まず、グリセリン、ショ糖、オイル、レシチン等による亜酸化銅の表面処理物や亜酸化銅の未処理物を含む防汚塗膜に比して、真水に対する耐フクレ性・耐剥離性および防汚性などの点でより良好な特性を示し、船舶用として好適な塗膜を形成できる。
表面処理量は、亜酸化銅1g当たり、亜酸化銅表面を被覆している高級脂肪酸量が通常0.1〜100mg程度、好ましくは0.1〜30mgとなるような量であることが塗料の貯蔵安定性の点から望ましい。また表面処理は、均一(一様)に行われ、表面処理物は塗料中に一様に分散されていることが望ましい。
高級脂肪酸としては上記したものが用いられ、好ましくは、含まれるアルキル基の炭素数が8〜25程度、さらに好ましくは10〜20、特に好ましくは15〜20の高級脂肪酸が河川水領域に存在する造船所で船体に塗装した場合や、河川・淡水域で運行した場合に耐フクレ性・耐剥離性および防汚性などの点で良好な特性を示し、河川水建造船舶として好適な塗膜を形成できるなどの点で望ましい。
また、亜酸化銅としては、その平均粒径が比較的大きい、具体的には中粒子径以上(平均粒子径6μ以上)のものが、特に塗膜の耐水性が良好であり、基材表面への付着性が良好である点で好ましい。
なお、亜酸化銅の高級脂肪酸による表面処理は、従来より公知の方法を利用できる。
このような高級脂肪酸で表面処理された亜酸化銅[B]として、市販されているものとしては、例えば、「レッドコップ97N:高級脂肪酸処理」、「パープルコップ:高級脂肪酸処理」(以上、アメリカンケメット社製)等が挙げられる。その他の表面処理剤のものとしては「NC−301、801:グリセリン処理」(NCテック社製)、「ノードックス:レシチン処理」(NORDOX INDUSTRIAL AS(株)製)、「古河GG:グリセリン処理」(古河電気工業(株)製)等が挙げられる。
これら高級脂肪酸で表面処理された亜酸化銅[B]は、1種または2種以上組合わせて用いてもよい。
本発明に係る淡水域対応型防汚塗料組成物には、上記金属塩共重合体[A]と、高級脂肪酸で表面処理された亜酸化銅[B]とが含まれているが、上記金属塩共重合体[A](固形分)100重量部に対して、上記成分[B]は、通常0.5〜500重量部、好ましくは200〜500重量部の量で含まれていることが防汚効果の点から望ましい。なお、共重合体[A]に対する成分[B]量が上記範囲より少ないと防汚効果が激減する傾向があり、また、上記範囲より多いと造膜性に問題が生じワレ、クラックなどが発生する傾向がある。
本発明に係る淡水域対応型防汚塗料組成物には、上記成分[A]、[B]以外に、通常、防汚塗料に含まれるような成分が含まれていてもよく、例えば、有機・無機防汚剤、展色剤、撥水剤、脱水剤、可塑剤、体質顔料、着色顔料、溶剤等が挙げられる。なお、硬化用触媒は通常、不要である。
<任意成分等>
(有機・無機防汚剤)
本発明に係る淡水域対応型防汚塗料組成物には、上記したように、必要により有機・無機防汚剤(防汚剤)が含まれていてもよい。
本発明に係る淡水域対応型防汚塗料組成物(単に、防汚塗料組成物とも言う)からなる塗膜(防汚塗膜)は、特に成分[B]以外の防汚剤が含有されていなくとも、防汚効果をある程度発揮できるが、特に顕著な防汚性向上の観点からは下記のように防汚剤を配合することが好ましい。
なお、必要により用いられる防汚剤としては、上記[B]以外の(C1)「銅および/ま
たは無機銅化合物」、(C2)有機防汚剤等が挙げられる。
上記「銅および/または無機銅化合物」(C1)のうちで無機銅化合物(単に銅化合物と
も言う。)としては、無機系の銅化合物の何れであってもよく、例えば、無処理の亜酸化銅、CDC亜酸化銅[Controlled Depletion Copper:亜酸化銅の表面を酸化銅(Cu
O)でコーティングしたもの]、チオシアン化銅(チオシアン酸第一銅、ロダン銅)などが挙げられ、好ましくはロダン銅が用いられる。このような銅化合物、特にロダン銅は、特に白色塗料以外の着色塗料に好ましく用いられる。
このような無機銅化合物は、亜酸化銅に代えて、あるいは亜酸化銅と共に1種または2種以上組合わせて用いることができる。
このような銅および/または無機銅化合物(C1)は、本発明の淡水域対応型防汚塗料組
成物中の共重合体(塗膜形成性固形分)[A]100重量部に対して、通常、50〜5000重量部、好ましくは200〜2000重量部の量で含まれていてもよい。
この銅および/または無機銅化合物(C1)の含有量が上記の範囲にあると、得られる防
汚塗膜は防汚性に優れる傾向がある。
上記有機防汚剤(C2)としては、金属ピリチオン塩系化合物、カーバメイト系の化合物
、トリフェニルボランのアミン錯体、テトラメチルチウラムスルフィド、テトラエチルチ
ウラムジスルフィド、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、アルキルフェニルジクロロマレイミド、クロロメチル−n−オクチルジスルフィッド、N,N−ジメチルジクロロフェニル尿素、2,4,6−トリクロロフェニルマレイミド、2−メチルチオ−4−tert−ブチルアミノ−6−シクロプロピルSトリアジン、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル等が挙げられる。
このうち上記金属ピリチオン塩系化合物としては、より具体的には、下記式[w]で示される金属−ピリチオン類[式中R1 〜R4は、それぞれ独立に水素、アルキル基、アル
コキシ基、ハロゲン化アルキル基を示し、Mは、Cu、Zn、Na、Mg、Ca、Ba、Pb、Fe、Al等の金属を示し、nは価数を示す]:
Figure 0004583842
が挙げられる。
これらのうちでは、銅ピリチオン(コッパーピリチオン)、ジンクピリチオンが好ましい。
カーバメート系の化合物としては、例えば、ビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメイト、ジンクジメチルジチオカーバメート、マンガン-2-エチレンビスジチオカーバメート等が挙げられ、ビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメイトが好ましく用いられる。
上記トリフェニルボランのアミン錯体としては、具体的には、例えば、トリフェニルボランピリジン錯体、トリフェニルボランアルキルアミン錯体(アルキル基の炭素数:通常3〜30)、が挙げられ、なかでも、トリフェニルボランピリジン錯体、上記トリフェニルボランアルキルアミン錯体が好ましい。
これらの有機防汚剤(C2)のうちでは、金属ピリチオン塩系化合物、ビスジメチルジチ
オカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメイト、トリフェニルボランのアミン錯体、テトラエチルチウラムジスルフィド、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、アルキルフェニルジクロロマレイミド(アルキル基の炭素数:通常1〜5)、クロロメチル−n−オクチルジスルフィッド、N,N−ジメチルジクロロフェニル尿素、2,4,6−トリクロロフェニルマレイミド、2−メチルチオ−4−tert−ブチルアミノ−6−シクロプロピルSトリアジン、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリルが好ましい。
これらの有機防汚剤(C2)は、1種または2種以上組み合わせて用いられる。
このような有機防汚剤(C2)を含む淡水域対応型防汚塗料組成物においては、銅および/または無機銅化合物(C1)と共に、あるいは上記「銅および/または無機銅化合物」(C1)に代えて、上記有機防汚剤(C2)が通常、0.5〜20重量%、好ましくは1〜15重量%
の量で含まれていることが望ましい。また有機防汚剤(C2)を含む場合には、この有機防汚剤(C2)は、本発明の淡水域対応型防汚塗料組成物中の共重合体(塗膜形成性固形分)[A]100重量部に対して、通常、5〜2000重量部、好ましくは10〜1000重量部の量で含まれていることが望ましい。このような量で、「銅および/または無機銅化合物」(C1)と共に上記有機防汚剤(C2)が防汚塗料組成物中に含まれていると、得られる防汚
塗膜は、塩水域は元より、淡水域に生息する広汎な船舶付着生物に対していっそう優れた防汚性能を長期継続的に発揮できる傾向がある。
(体質顔料)
体質顔料は、屈折率が小さく、油やワニスと混練した場合に透明で被塗面を隠さないような顔料であり、かかる体質顔料としては、例えば、タルク、シリカ、マイカ、クレー、酸化亜鉛(亜鉛華)、沈降防止剤としても用いられる炭酸カルシウム、カオリン、アルミナホワイト、艶消し剤としても用いられるホワイトカーボン、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム等が挙げられ、これらのうちでは、好ましくはタルク、シリカ、マイカ、クレー、炭酸カルシウム、カオリン、硫酸バリウムが好ましい。
これらの体質顔料は、1種または2種以上組み合わせて用いられる。また体質顔料の種類によって、消耗度の調整ができる。
(着色顔料)
着色顔料としては、従来より公知の有機、無機顔料を広く使用でき、無機顔料としては、例えば、弁柄、チタン白、黄色酸化鉄等が挙げられる。
(展色剤)
展色剤としては、上記成分[A]以外の樹脂分、例えば、ビニル樹脂、変性ビニル樹脂、スチレン・ブタジエン共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ロジン樹脂などが挙げられる。これらの展色剤用の樹脂は、防汚塗膜に強度を与えるとともに防汚剤の溶出を抑制する効果がある。したがって、これらの樹脂は、防汚塗膜に長期に亘って防汚性を発揮させる場合などに有効である。
(撥水剤)
また、本発明に係る防汚塗料組成物に、液状ないし固形であって、何れも撥水性を有するポリオレフィン類、パラフィン類から選ばれる少なくとも1種の成分(撥水剤)を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
上記液状ないし固形の撥水性を有するポリオレフィン類としては、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどが挙げられる。中でも、数平均分子量が200〜1000のポリブテンが好ましい。このようなポリブテンは、たとえば日本石油株式会社より「LV−5、LV−10、LV−25、LV−50、LV−100」等の商品名で市販されている。このようなポリオレフィン類は、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
また、上記撥水性のパラフィン類としては、具体的には、流動パラフィン、パラフィンワックス、塩化パラフィンなどが挙げられる。
上記のようなポリオレフィン類、パラフィン類の少なくとも1種の成分を、本発明に係る防汚塗料組成物中に配合すると、優れた防汚性能を維持でき、しかも防汚塗料組成物のコストダウンを図ることができる。
(無機系脱水剤)
無機系脱水剤は、防汚塗料組成物の貯蔵安定性、及び付着性を一層向上させる効果があり、このような無機系脱水剤には無水石膏(CaSO4)、焼石膏、合成ゼオライト系吸
着剤(商品名;モレキューラシーブ
3A、4A、5A、13X等)が用いられる。このような無機系脱水剤は1、2種以上組み合わせて用いることができるが、石膏、焼石膏が効果が大きいために特に好ましい。
(有機溶剤)
有機溶剤(溶剤)としては、キシレン、トルエン等の芳香族系有機溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;エタノール、イソプロピルアルコール,n−ブタノール(略称:N-BuOH)、イソブタノール等の脂肪族(炭素数1〜10、
好ましくは2〜5程度)の1価アルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)、プロピレングリコールモノメチーテルアセテート(PGMAC)等のエーテル系溶剤などが挙げられる。
これらの溶剤は、本発明の防汚塗料組成物中に、通常、1〜80重量%、好ましくは、1〜70重量%の量で含まれていることが多い。
<防汚塗料組成物の調製>
本発明に係る淡水域対応型防汚塗料組成物は、常法に従って調製することができる。
例えば、本発明に係る防汚塗料組成物は、上記共重合体[A]及び成分[B]に加えて、必要に応じて防汚剤、有機溶剤、展色剤、撥水剤、無機系脱水剤、ビニル樹脂、変性ビニル樹脂、スチレン・ブタジエン共重合樹脂、ポリエステル樹脂、液状ないし固形の撥水性を有するポリオレフィン類(例:ポリブテン、ポリイソブチレン)、可塑剤(例:塩素化されていても良いパラフィン類、リン酸トリクレジル、フタル酸ジアルキル)、ワックス、ロジン、体質顔料、着色顔料、タレ止め剤などを、ボールミル等を用いて混合・分散することにより得ることができる。
船体および水中構造物
本発明に係る淡水域対応型防汚塗料組成物を船体、水中構造物等の基材表面に塗布硬化してなる塗膜は、水中(すなわち海水中又は淡水中)例えば、中国などの河川水領域の造船所での船舶建造期間中に、一時的に河川水中に塗膜が浸漬されても剥離、フクレ等が生じ難いため、海水域のみならず淡水域でも適用可能であり、「淡水域対応型」の塗膜として好適である。
本発明に係る淡水域対応型防汚塗料組成物は、海水域又は淡水域で生息する各種生物、例えば、海水域で生息するフジツボ、イガイ、カキ等の貝類、およびセルプラ類などの腔腸動物等に対して優れた防汚性を発揮する塗膜を形成することができるため、海水(塩水)域、淡水(真水)域で新造船建設され、これら海域、淡水域で運行利用される船体および水中構造物に対する防汚処理への利用も期待できる。
船体、特に淡水と接触する船舶外板の防汚処理や、水中構造物、特に水中構造物の表面の防汚処理は、淡水域で建造される船体または淡水域水中構造物表面に、本発明に係る淡水域対応型防汚塗料組成物を塗布し、防汚塗膜を形成することにより行なわれる。
淡水域で建造される船舶または水中構造物に対するこのような防汚塗膜の形成方法あるいは防汚方法を適用することにより、淡水と接触する船舶外板または淡水域用水中構造物の表面が、上記の淡水域対応型防汚塗料組成物から形成された防汚塗膜で被覆された船舶または水中構造物が得られる。
[発明の効果]
本発明に係る淡水域対応型防汚塗料組成物には、上記金属塩共重合体[A]と、高級脂肪酸で表面処理された亜酸化銅[B]とが配合されており、(淡水)河川で建造される船舶などに適用すれば、耐フクレ性・耐剥離性に優れ、防汚性にも優れた塗膜を形成し得るような防汚塗料組成物が提供される。
[実施例]
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はかかる実施例により何ら制限されるものではない。なお、以下の合成例、実施例等において、「部」とは、特にその趣旨に反しない限り、「重量部」の意味である。
<架橋性金属塩共重合体(A2)の製造>
[製造例A2-01]
<金属含有モノマー混合物溶液(as21−1)の調製工程>
冷却器、温度計、滴下ロートおよび攪拌機を備えた四つ口フラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)85.4重量部(
0.5モル)および酸化亜鉛40.7重量部g(0.5モル)を仕込み、撹拌しながら75℃に昇温した。
続いて、滴下ロートからアクリル酸メチル(MA)43.1重量部(0.5モル)、アクリル酸(AA)36.1重量部(0.5モル)、水5重量部(0.27モル)からなる混合物を3時間かけて等速滴下した。滴下終了後反応溶液は乳白色状態から透明となった。さらに2時間撹拌した後プロピレングリコールメチルエーテル(PGM)を36重量部添加して、金属含有単量体a21−1を含有する透明な混合物溶液(as21−1)を得た。得られた混合物溶液中における固形分(金属含有単量体a21−1)は44.8重量%であった。この混合物溶液(as21−1)用の原料組成、溶液中に含まれる揮発成分量、固形分量を表1(製造例1)に示す。
<架橋性金属塩含有共重合体(A2-01)の製造工程>
次いで、得られた反応混合物(金属含有反応物)の溶液(as21−1)52重量部に、
滴下ロートから、メチルメタクリレート(MMA)1重量部、
エチルアクリレート(EA)70.2重量部、
2−メトキシエトキシアクリレート(2−MEA)5.4重量部、
開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル、日本ヒドラジン工業(株)製)を2.5重量部と、AMBN(アゾビスメチルブチロニトリル、日本ヒドラジン工業(株)製)を7重量部、
連鎖移動剤として「ノフマーMSD」(日本油脂社製)を1重量部、
を含む透明な混合物を6時間かけて等速滴下した。
次いで、開始剤のt−ブチルパーオクトエートを0.5重量部添加して、1.5時間攪拌することにより共重合反応させて、架橋性金属塩共重合体(A2−01)を含む反応液を得た。
得られた架橋性金属塩共重合体(A2−01)のガードナー粘度が
−Yであり、固形分(加熱残分)が45.6重量%であり、分子量(Mn、測定法:前記の通り。)が5200であり、不溶解物がなく、淡黄色透明な、架橋性金属塩共重合体(A2−01)を含有する反応混合物を得た。
[製造例(A2-02)〜(A2−10)]
製造例(A2-01)において、配合成分を表1および表2に示すように変更した以外
は、製造例(A2-01)と同様にして架橋性金属塩共重合体(A2-02)〜(A2-1
0)を製造した。
得られた架橋性金属塩共重合体あるいは該共重合体を含む反応混合物の物性を製造例(A2-01)と同様に評価した。
結果を表2に示す。
Figure 0004583842
Figure 0004583842
<側鎖末端構造金属塩共重合体(A1)の製造>
[製造例(A1−01)]
冷却器、温度計、滴下ロートおよび攪拌機を備えた四つ口フラスコに
PGM(プロピレングリコールメチルモノエーテル)30重量部及びキシレン40重量部を仕込み、攪拌しながら100℃に昇温した。続いて、滴下ロートから表3に示す単量体及び重合開始剤からなる混合物を3時間で等速滴下した。滴下終了後にt−ブチルパーオクトエート1重量部とキシレン10重量部を2時間で滴下し、さらに2時間攪拌した後、キシレンを20重量部添加して、表3に示す特性値を有する金属含有共重合体(A1−01)を得た。
[製造例(A1−02)〜(A1−13)]
製造例(A1-01)において、配合成分を表3に示すように変更した以外は、製造例
(A1-01)と同様にして側鎖末端構造金属塩共重合体(A1-02)〜(A1-13)
を製造した。
得られた側鎖末端構造金属塩共重合体あるいは該共重合体を含む反応混合物の物性を製造例(A1-01)と同様に評価した。
結果を表3に示す。
Figure 0004583842
[実施例1]
<防汚塗料組成物の調製>
下記表4に示す配合組成の防汚塗料組成物を常法に従って製造した。
すなわち、架橋性金属塩共重合体(A2-01)30重量部、
「タルクFC−1」(タルク、体質顔料、福岡タルク社製)13重量部、
「亜鉛華No.3(3号)」(亜鉛華、体質顔料、九州白水化学社製)5重量部、
「ベンガラ月光BB」(着色顔料、戸田工業社製)0.5重量部、
「ノバパームレッドF5RK」(有機赤色顔料、Clariant North America社製)0.5重量部、
「Dis4200」(沈降防止剤、楠本化成社製)1重量部、
キシレン8重量部、
「Dis630-20XC」(タレ止め剤、楠本化成社製)2重量部、
「亜酸化銅REDCOP97N」(ステアリン酸処理された亜酸化銅、アメリカンケメット社製)40重量部(上記配合成分の合計100重量部)よりなる配合組成の防汚塗料組成物を、常法に従い、各配合成分を配合し攪拌・混合することにより調製した。
<真水耐水性の試験>
(試験板の調整)
150mm×70mm×2.3mm(厚)のサンドブラスト板にエポキシAC塗料[「バンノー500」、エポキシ系さび止め塗料、中国塗料(株)製]を未硬化塗布膜厚が150μmになるように刷毛にて塗布し、次いで、エポキシバインダー塗料(「バンノー500N」、中国塗料(株)製)をその未硬化塗布膜厚が100μmとなるように塗布したのち、上記の防汚塗料組成物を150μm(厚)×2回塗布し(合計未硬化上塗膜厚:150×2=300μm厚)、試験板を作成した。(塗装間隔はいずれの間も1Day/1Coat)
(試験方法)
上記試験板を室温(25℃)下に、7日間乾燥した後、30℃の温度の水道水に浸漬し、6ヶ月経過時に、ASTM D−714に準拠して、外観(フクレ)観察及び付着性(碁盤目法による。)を評価した。
30℃真水浸漬6ヶ月後の塗膜外観は、[○](評価:膨れなく、外観良好。)であり、付着性は、[○](評価:25目中、残存マス目が20〜24個)であった。
結果を併せて表4に示す。
なお塗膜外観の評価基準は以下のとおり。
[○]:膨れなく、外観良好。
[×]:フクレあり、外観不良。
なお付着性の評価基準は以下のとおり。
[◎]:25目中、残存マス目が25個。
[○]:25目中、残存マス目が20〜24個。
[△]:25目中、残存マス目が10〜19個。
[×]:25目中、残存マス目が0〜9個。
<塗膜消耗速度の測定>
この防汚塗料組成物を、50mm×50mm×1.5mmの高質塩化ビニル板に乾燥膜厚が150μmになるようにアプリケーターで塗布した試験板を作成した。
この試験板を、広島県広島湾内の海水中に設置した回転ドラムに取り付け、周速15ノットで回転させ、3ヶ月毎の消耗膜厚を測定することにより、塗膜消耗速度を求めた。
試験開始から3ヵ月後の塗膜消耗膜厚合計は、21μmであり、6ヶ月後の塗膜消耗膜厚合計は、48μmであった。
結果を併せて表4に示す。
<静置防汚性の測定>
(試験板の調整)
また、300mm×100mm×3.2mm(厚)のサンドブラスト板にエポキシAC塗料[バンノー500、エポキシ系さび止め塗料、中国塗料(株)製]を未硬化塗布膜厚が150μm(厚)となるように塗布し、次いで、エポキシバインダー塗料[バンノー500N、中国塗料(株)製]をその未硬化塗布膜厚が100μm(厚)となるように塗布したのち、表4〜5に示す防汚塗料組成物を、その未硬化塗布膜厚が150μmとなるように1回塗布し、試験板を作成した。(塗装間隔はいずれの間も1Day/1Coat)(試験方法)
上記試験板を室温(25)℃下に7日間乾燥した後、長崎県長崎湾内の海中に静置浸漬し、1ケ月毎に付着生物の付着面積を調査した。
その結果、静置防汚性は、静置1〜3ヵ月後では何れも「0」(水生生物の付着なし)、静置4〜6ヵ月後では「0.5」(水生生物の付着面積が全体の10%程度)となった。
結果を併せて表4に示す。
静置防汚性の評価基準は、以下の通り。
「0」:水生生物の付着なし。
「0.5」:水生生物の付着面積が全体の10%程度。
「1」:水生生物の付着面積が全体の20%程度。
「2」:水生生物の付着面積が全体の30%程度。
「3」:水生生物の付着面積が全体の40%程度。
「4」:水生生物の付着面積が全体の50%程度。
「5」:水生生物の付着面積が全体の100%程度。
[実施例2〜27、比較例1〜19]
実施例1において、防汚塗料組成物の配合組成を表4〜8に示すように変えた以外は、実施例1と同様にして、防汚塗料組成物を製造し、また、各試験用の試験板を作成し、実施例1と同様の試験を行った。
結果を表4〜8にまとめて示す。
なお、使用原料等を表9に示す。
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Claims (10)

  1. [A]下記(A1)および(A2)からなる群から選ばれ、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびアルコキシル基から選ばれた親水性基含有コモノマー成分単位を実質的に含まないかまたはその含有量が10重量%以下である少なくとも1種の金属塩共重合体と、
    (A1):式「CH2=C(R1)−COO−M−O−CO−R2
    (Mは2価の金属原子を示し、R1は水素原子またはメチル基を示し、R2はラジカル反応性を有しない有機基を示す。)
    で表される(メタ)アクリル酸金属塩単量体から誘導される成分単位(a11)と、
    (メタ)アクリル酸エステル単量体から誘導される成分単位(a12)とから形成される側鎖末端構造金属塩共重合体、
    (A2):2価金属ジ(メタ)アクリレートから誘導される成分単位(a21)と、
    (メタ)アクリル酸エステル単量体から誘導される成分単位(a22)とから形成される架橋性金属塩共重合体、
    [B]高級脂肪酸で表面処理された亜酸化銅とを含んでなる(淡水)河川専用防汚塗料組成物。
  2. 上記金属塩共重合体[A](固形分)100重量部に対して、上記高級脂肪酸で表面処理された亜酸化銅[B]を0.5〜500重量部の量で含むことを特徴とする請求項1に記載の(淡水)河川専用防汚塗料組成物。
  3. 上記金属塩共重合体(A1)中の(メタ)アクリル酸金属塩単量体から誘導される成分単位(a11)の含有量が0.1〜69.9重量%(但し、該共重合体(A1)中の全成分単位の合計を100重量%とする。)である請求項1〜2の何れかに記載の(淡水)河川専用防汚塗料組成物。
  4. 上記金属塩共重合体(A1)の数平均分子量Mn[条件:(GPC/装置:東ソー社製、HLC−8120GPC、カラム;Super H2000+H4000、 6mmI.D.,15cm)下で測定]が1000〜100000(10万)である請求項1〜3の何れかに記載の(淡水)河川専用防汚塗料組成物。
  5. 上記金属塩共重合体(A2)中の2価金属ジ(メタ)アクリレートから誘導される成分単位(a21)の含有量が0.1〜69.9重量%(但し、該共重合体(A2)中の全成分単位の合計を100重量%とする。)である請求項1〜4の何れかに記載の(淡水)河川専用防汚塗料組成物。
  6. 上記金属塩共重合体(A2)の数平均分子量Mn[条件:GPSにて測定]が1000〜100,000(10万)である請求項1〜5の何れかに記載の(淡水)河川専用防汚塗料組成物。
  7. さらに、有機および/または無機防汚剤が含まれている請求項1〜6の何れかに記載の(淡水)河川専用防汚塗料組成物。
  8. 請求項1〜7の何れかに記載の(淡水)河川専用防汚塗料組成物から形成されたことを特徴とする防汚塗膜。
  9. 淡水と接触する船舶外板または水中構造物の表面が、請求項1〜7の何れかに記載の(淡水)河川専用防汚塗料組成物から形成された防汚塗膜で被覆されていることを特徴とする船舶または水中構造物。
  10. 淡水と接触する船舶外板または水中構造物の表面に、請求項1〜7の何れかに記載の(淡水)河川専用防汚塗料組成物を塗付し、防汚塗膜を形成させることを特徴とする船舶または水中構造物の防汚方法。
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