以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。本実施形態に係る遊技媒体案内ユニットは、遊技結果に応じて遊技媒体を外部の受皿に払い出す遊技機毎に設置される。
図1に示すように、本実施形態では、遊技媒体案内ユニット1がパチンコ機100に設置される場合を例示する。説明においてはパチンコ機100に対して遊技者側を前側、前側の反対側を後側とし、遊技者から見て左を左側、右を右側とし、遊技者から見て上を上側、下を下側とする。
<遊技媒体案内ユニット1の概略構成>
図1に示すように、遊技媒体案内ユニット1は、遊技媒体Bを受け入れて一時貯留する遊技媒体受入具11と、この遊技媒体受入具11で一時貯留された遊技媒体Bを玉計数機103に案内する案内流路部12と、端玉を返却する端玉返却部13とを主体に構成されている。なお、本実施形態に係る端玉は、所定数に達しない遊技媒体を言い、玉貸機101の払出しボタンを押すと払い出される。
遊技媒体案内ユニット1は、一対のパチンコ機100及び玉貸機101毎に対応付けて設置され、パチンコ機100の前面下部の受皿102から落下する遊技媒体Bを玉貸機101の下端側に収納されている玉計数機103に案内するための器具である。
パチンコ機100から受皿102に払い出された遊技媒体Bは、遊技者の排出レバー102aのスライド操作によってシャッタ102bが開くことにより、開口した落下口から遊技媒体受入具11へ落下する。
玉計数機103は、通過する遊技媒体Bをそれぞれ検知して計数する遮光型フォトセンサなどの計数センサであり、この計数センサにて計数を終えた遊技媒体Bは、玉計数機103の後側の排出口105からパチンコ島の内部に排出されて回収される。
案内流路部12は、図1及び図2に示すように、遊技媒体受入具11で貯留された遊技媒体Bを玉計数機103に導く流路である。案内流路部12は、遊技媒体受入具11に連結された下部流路12aと、下部流路12aと玉計数機103とを接続する接続部12bとを有する。具体的な図示はしないが、下部流路12a及び接続部12bには、玉計数機103側に連通する流路が形成されている。この流路は、玉計数機103側に向けて遊技媒体Bが流下するよう緩やかに傾斜している。
端玉返却部13は、図1及び図2に示すように、遊技媒体受入具11及び案内流路部12に並設されており、端玉を遊技者に返却するための部材である。端玉返却部13は、玉計数機103に接続される接続部13aと、下部流路12aの上に形成された上部流路13bと、上部流路13bに接続された端玉保持部13cとを有する。具体的な図示はしないが、接続部13a及び上部流路13bには、端玉保持部13c側に連通する流路が形成されている。この流路は、端玉保持部13cに向けて遊技媒体Bが流下するよう緩やかに傾斜している。
端玉保持部13cは、遊技媒体Bを複数個保持できる中空部を備えている。端玉保持部13cは、本実施形態では、可動蓋部材13dを備えており、遊技者の手で可動蓋部材13dを下方から押し上げることで、端玉が遊技者の手に流下するように形成されている。
図1に示すように、パチンコ機100は、膳板Zに設置されている。膳板Zは、パチンコ機100が設置される遊技台設置面Z1と、遊技媒体受入具11が設置される受入具設置面Z2と、段差面Z3とで構成されている。受入具設置面Z2は、遊技台設置面Z1よりも一段下がった位置に形成されている。段差面Z3は、遊技台設置面Z1及び受入具設置面Z2に対して垂直に形成されている。段差面Z3の高さは、パチンコ機100を複数並設して構成された遊技島の構造によって異なるが、例えば、10mm〜20mmになっている。
<遊技媒体受入具11の詳細な構成>
遊技媒体受入具11は、図3に示すように、本体部材21(21A,21B)と、弾性壁部材22と、玉はね防止カバー23と、付勢手段24と、ガイド機構25と、スカートカバー26とで主に構成されている。
図4に示すように、本体部材21は、下部本体部材21Aと、上部本体部材21Bとで構成されている。下部本体部材21Aは、中底部30と、中底部30に対してそれぞれ垂直に形成された前壁部31、後壁部32、左壁部33、右壁部34を備えている。
中底部30は、各壁部の略中間の高さ位置に形成されている。中底部30には、後記する高さ調節ネジ81(図8参照)が螺合されるネジ溝35と、左壁部33を貫通し案内流路部12に連通する流路12dと、が形成されている。また、中底部30には、ガイド機構25を構成する一対のガイドベース60がビスで固定されている。
後壁部32には、上下方向に貫通した爪係合孔32a,32aが所定の間隔をあけて形成されている。また、後壁部32には、前後方向に貫通する貫通孔32bが四箇所に形成されている。
上部本体部材21Bは、図4に示すように、受け部41と、受け部41の周囲に立設する側壁42と、係合爪43と、脚部44とを有する。受け部41は、平面視略矩形を呈し、落下する遊技媒体Bを受けて、遊技媒体Bを貯留しつつ案内流路部12方向に流下させる部位である。受け部41の表面には、遊技媒体Bが跳ねるのを防止するために、ゴムなどの低反発材が敷設されている。また、受け部41には、下部本体部材21Aの流路12dに向けて傾斜する傾斜流路41aが形成されている。受け部41は、傾斜流路41aに遊技媒体Bが流下するように緩やかに傾斜している。
係合爪43は、側壁42の後側から下方に延設されており、爪係合孔32aに対応する位置に左右に一対設けられている。係合爪43は、下部本体部材21Aの爪係合孔32aにそれぞれ係合される。
脚部44は、受け部41の裏面に所定の長さで五箇所に形成されている。脚部44は、後記する玉はね防止カバー23の挿通孔51c,51d(図5参照)を挿通して、ガイドベース60の支持溝65又は下部本体部材21Aの中底部30に当接する。
係合爪43が爪係合孔32aに係合されるとともに、脚部44がそれぞれ支持溝65及び中底部30に当接することにより、上部本体部材21Bの受け部41は、中底部30から所定の空間をあけて配置される。下部本体部材21Aの中底部30と上部本体部材21Bの受け部41との間に、玉はね防止カバー23が配設される。
弾性壁部材22は、図4に示すように、基部46と、基部46から立ち上がる立壁47とを有する。基部46には、後側に突出する係合突起46aが四箇所に形成されている。係合突起46aは、下部本体部材21Aの貫通孔32bに係合される部位である。立壁47は、上部本体部材21Bの左右方向の長さと略同等の長さで形成されている。弾性壁部材22を下部本体部材21Aに係合させると、立壁47が下部本体部材21Aの後壁部32の上端よりも上方に突出する。立壁47の左端部47a,右端部47aは、前方に向けて傾斜しており、受け部41側に張り出すようになっている。
弾性壁部材22は、このように形成されているため、受け部41で跳ねた遊技媒体Bが、受け部41の後側から遊技媒体受入具11とパチンコ機100(図1参照)との隙間に入り込んでしまうのを防止することができる。
玉はね防止カバー23は、図5の(a)及び(b)に示すように、底部51と、底部51の周囲に立設する立設壁部52と、底部51の裏面に形成されたガイド溝53と、付勢手段24が挿通する突条54とを主に有する。玉はね防止カバー23は、下部本体部材21A(図4参照)の内部に配設されるように下部本体部材21Aの表面側の内周よりも一回り小さくなっている。
底部51は、玉はね防止カバー23の底を形成する板状部材であって、逃げ孔51aと、孔部51bと、挿通孔51c,51dと、を有する。逃げ孔51aは、平面視矩形を呈し、上部本体部材21B(図4参照)の傾斜流路41aを逃がすための孔である。孔部51bは、平面視円形を呈し、後記する高さ調節ネジ81を逃がすための孔である。挿通孔51cは、平面視円形を呈し、前記した上部本体部材21Bの四隅の脚部44を逃がすための孔である。挿通孔51dは、平面視矩形を呈し、前記した上部本体部材21Bの中央の脚部44を逃がすための孔である。
立設壁部52は、平面視コの字状を呈し、底部51の前側及び左右両側に立設している。立設壁部52は、遊技媒体Bが遊技媒体受入具11の外部へ跳び出すのを阻止する部材である。立設壁部52は、内側に配設された内側壁52aと、外側に配設された外側壁52bと、上端を構成する上部材(上端部)52cと、内側壁52aと外側壁52bを結ぶ横部材52dとを有する。つまり、立設壁部52は、内側壁52aと外側壁52bとを備えた二重壁構造になっている。横部材52dは、内側壁52aと外側壁52bに対してそれぞれ垂直に配設された板状部材である。このように、立設壁部52を二重壁構造とすることにより、玉はね防止カバー23の耐久性を高めている。
立設壁部52の上部材(上端部)52cの四つの角部には、それぞれ外側に向けて下方に傾斜する第一切欠き部56、第二切欠き部57、第三切欠き部58及び第四切欠き部59が形成されている。つまり、第一切欠き部56〜第四切欠き部59は、玉はね防止カバー23の中心から離間するにつれて下方に傾斜するようになっている。第一切欠き部56〜第四切欠き部59は、パチンコ機100(図1参照)の前扉104の開閉を阻害しないための傾斜部分である。
より詳しくは、第一切欠き部56及び第四切欠き部59は、前側から後側に向けて下方に傾斜している。第二切欠き部57は、平面視三角形状に切り欠かれており、前側及び右側に向けて下方に傾斜している。第三切欠き部58は、平面視三角形状に切り欠かれており、前側及び左側に向けて下方に傾斜している。なお、前扉104の開閉動作の際に、前扉104と立設壁部52とが当接しない部位には切欠き部を設けなくてもよい。つまり、本実施形態では、立設壁部52の右側前方の角部と前扉104とが当接しないため、第二切欠き部57は設けなくてもよい。
ガイド溝53は、図5に示すように、後記するガイド部材64(図6参照)を上下方向にガイドする溝である。ガイド溝53は、底部51の裏面に左右に一対設けられている。また、ガイド溝53,53は、左右方向の中心に対して線対称となるように配設されている。ガイド溝53は、側部ガイド面53aと、前後ガイド面53b,53bと、端部ガイド面53c,53cとを有する。前後ガイド面53b,53bは互いに向かい合わせになっており、側部ガイド面53aに対して垂直になっている。端部ガイド面53c,53cは、前後方向に間隔をあけて形成されており、前後ガイド面53b,53bに対してそれぞれ垂直になっている。ガイド溝53の内側は内方に向けて開放されている。
突条54は、後記する付勢手段24(図6参照)が挿入される部位である。突条54は、円柱状を呈し、底部51の裏面に左右一対設けられている。突条54は、本実施形態では、ガイド溝53の内側に設けられている。なお、本実施形態においては、ガイド溝53の前後に、突条54と同等の形状からなる予備突条54a,54aが形成されている。
付勢手段24は、図6に示すように、本実施形態ではコイルスプリングを用いている。付勢手段24は、鉛直方向上方に向って玉はね防止カバー23を付勢する部材である。付勢手段24は、本実施形態では左右に一対設けている。玉はね防止カバー23の左右方向の中心から各付勢手段24,24までの距離は同等になっている。付勢手段24は、後記するガイドベース60の受け座62に保持されるとともに、その中空部に突条54が挿入される。つまり、付勢手段24は、一端が受け座62に当接し、他端が玉はね防止カバー23の底部51に当接する。
なお、付勢手段24は、本実施形態ではコイルスプリングを用いたが、これに限定されるものではない。付勢手段24は、本体部材21に対して玉はね防止カバー23を鉛直方向上方に付勢するとともに、玉はね防止カバー23に作用する力を吸収する部材であれば他の部材を用いてもよい。
ガイド機構25は、玉はね防止カバー23の裏面に形成されたガイド溝53と下部本体部材21A(本体部材21)に固定されたガイドベース60とによって構成されている。ガイドベース60は、図6に示すように、基板61と、受け座62と、支持板63と、ガイド部材64と、支持溝65と、凸型ガイド部材66とを有する。ガイドベース60は、ガイド溝53に対応して左右に一対設けられており、左右方向の中心に対して線対称になっている。
受け座62は、円筒状を呈し基板61に立設されている。受け座62の中空部に付勢手段24が保持される。なお、本実施形態では、支持板63の前後に、予備受け座62a,62aが形成されている。予備受け座62a,62aは、予備突条54a,54aに対応して形成されている。
ガイド部材64は、基板61に垂直に立設された支持板63に形成されている。ガイド部材64は、ガイド溝53に対応して形成されており、玉はね防止カバー23の上下動に伴ってガイド溝53内を上下動する。
ガイド部材64は、図7の(a)に示すように、中央部分に形成された幅狭部64aと、幅狭部64aの上下端に形成された幅広部64b,64bとを備えている。幅広部64bの外周は、円弧を含んで形成されている。
凸型ガイド部材66は、図7の(a)及び(b)に示すように、支持板63に形成されており、ガイド部材64を挟んで一対設けられている。凸型ガイド部材66は、ガイド溝53の端部ガイド面53cと対向する位置に形成されている。凸型ガイド部材66は、中央部66aと、中央部66aの上下端に形成されたテーパー部66b,66bとを有する。中央部66aの断面形状は、一定の半径からなる半円になっている。
上側のテーパー部66bは、中央部66aに連続して形成されており、上側に向かって幅狭となるテーパーが形成されている。つまり、上側のテーパー部66bの断面形状は、半円になっており、その半径が上側に向かって徐々に小さくなっている。一方、下側のテーパー部66bは、中央部66aに連続して形成されており、下側に向かって幅狭となるテーパーが形成されている。つまり、下側のテーパー部66bの断面形状は、半円になっており、その半径が下側に向かって徐々に小さくなっている。
支持溝65は、図6に示すように、基板61において、玉はね防止カバー23の挿通孔51cに対応する位置に形成されている。支持溝65は、上部本体部材21Bの脚部44が当接する部位である。上部本体部材21Bの四隅の脚部44は、玉はね防止カバー23の挿通孔51cを挿通して支持溝65に当接する。
ここで、付勢手段24及びガイド機構25の作用について説明する。
図6及に示すように、付勢手段24の付勢によって、下部本体部材21Aに固定されたガイドベース60に対して玉はね防止カバー23が鉛直方向上方に常時付勢される。玉はね防止カバー23に外力が加えられた際には、ガイド部材64及び凸型ガイド部材66が玉はね防止カバー23のガイド溝53にガイドされて上下動する。
図6及び図7の(c)に示すように、一対のガイド部材64の幅広部64bが、対向する一対の前後ガイド面53b,53bに沿って摺動するか、又は微細な隙間をあけて移動するため、玉はね防止カバー23が左右のガイド溝53を通る軸(図1の左右方向軸)及び玉はね防止カバー23の中心を通る鉛直方向の軸(図1の上下方向軸)の回りに回転するのを防ぐことができる。
また、図6及び図7の(d)に示すように、一対の凸型ガイド部材66が、対向するガイド溝53の一対の端部ガイド面53c,53cに沿って摺動するか、又は微細な隙間をあけて移動するため、玉はね防止カバー23が、玉はね防止カバー23の中心を通って前扉104に対して垂直な軸(図1の前後方向軸)回りに回転するのを所定の範囲で防ぐことができる。
ガイド部材64には幅狭部64aが形成されているため、ガイド部材64と前後ガイド面53b,53bとの接触面積が小さい。これにより、ガイド溝53とガイド部材64との摩擦が小さくなるため、玉はね防止カバー23をスムーズに上下動させることができる。
また、凸型ガイド部材66にはテーパー部66bが形成されているため、このテーパー部66bに沿って、対向するガイド溝53の端部ガイド面53cをスムーズに案内することができる。
スカートカバー26は、図8に示すように、本体部材21(下部本体部材21A)の下部において、スカート調節機構70を介して本体部材21に対して上下に移動可能に形成されている。また、本体部材21(下部本体部材21A)の下部には、受入具設置面Z2(図1参照)に対して本体部材21の上下方向の高さを調節する本体調節機構80が形成されている。まずは、下部本体部材21Aの裏側の構成について説明する。
図9に示すように、下部本体部材21Aの中底部30の裏面には、第一係合部36と、ロック係合部37とが形成されている。
第一係合部36は、枠状を呈し、中底部30の裏面に形成されている。第一係合部36は、スカートカバー26の第二係合部73と係合することにより、スカート調節機構70を構成する。第一係合部36は、左右に離間して形成された一対の側板36a,36aと、前後に離間して形成された一対の前後板36b,36bと、を有する。側板36aの中央には、下方が開放されたスリット36cがそれぞれ形成されている。また、側板36aの内側には、内方に向けて突出した位置決め突起36dが形成されている。位置決め突起36dは、本実施形態では、上下方向に四段並設されている。
一方、ロック係合部37は、中底部30の裏面において、ネジ溝35周りに形成されている。ロック係合部37は、後記するロック部材82(図10参照)が係合される部位である。ロック係合部37は、基部面37aと、基部面37aに形成された一対の挿入溝37b,37bと、ストッパ爪37cと、を有する。
挿入溝37bは、ネジ溝35を挟んで左右両側に形成されおり、左右線対称になっている。挿入溝37bは、前後方向に延設された溝を備えており、後側が開放され、前側が塞がれている。ストッパ爪37cは、基部面37aにおいて、ネジ溝35の後側において、後側に向かって延設された爪である。ストッパ爪37cの周囲には逃げ穴が形成されているため、ストッパ爪37cの先端は自由端になっている。ストッパ爪37cの爪部37dは、基部面37aよりも下方に向けて突出している。
スカートカバー26は、図9に示すように、平面視矩形を呈する部材である。スカートカバー26は、下部本体部材21Aの裏側の内周よりも一回り小さく形成されている。スカートカバー26は、基板部71と、基板部71の周囲に垂下する周壁部72と、基板部71に形成された第二係合部73と、を主に有する。
基板部71には、開口71aが形成されており、第二係合部73が露出している。開口71aは、下部本体部材21Aの第一係合部36が挿通される孔である。また、基板部71には、開口71bが形成されている。開口71bは、ロック係合部37が挿通されるための孔である。
周壁部72は、基板部71の全周の縁から下方に向けて所定の高さで延設されている。周壁部72は、下部本体部材21Aの下部から下方に迫り出して、下部本体部材21Aと受入具設置面Z2との隙間への遊技媒体Bの進入を防ぐ部位である。
第二係合部73は、基板部71の裏面に形成されており、受入部74と、可撓板75と、を主に有する。受入部74は、基板部71に取り付けられており、前後方向に一対形成されている。受入部74は、断面視U字状を呈し、第一係合部36の前後板36bが挿入される部位である。
可撓板75は、受入部74の左右端に一対設けられている。可撓板75の下端は、受入部74の下部に取り付けられており、上端は自由端になっている。可撓板75には、外側に向けて突出した押圧部76が形成されている。また、可撓板75の上端には、外側に向けて突出した係止爪77が形成されている。係止爪77は、押圧部76を挟んで前後に一対設けられている。
スカート調節機構70によって高さを調節する場合、使用者は、指で第二係合部73の押圧部76,76を内側に押圧して可撓板75を内方に撓ませつつ、押圧部76を第一係合部36のスリット36cに挿入し、前後板36bに受入部74を挿入する。所望の高さで、押圧部76の入力を解除すると、係止爪77が位置決め突起36dに係合する。これにより、下部本体部材21Aに対してスカートカバー26を所望の高さ位置で係合できる。
本体調節機構80は、図10に示すように、前記したロック係合部37と、高さ調節ネジ81と、ロック部材82とで構成されている。高さ調節ネジ81は、円板状の回動部81aと、回動部81aに立設する軸部81bとを有する。軸部81bの外周面にはネジ溝が刻設されている。ネジ溝のピッチは特に制限されないが、本実施形態では、高さ調節ネジ81を一回転させると2mm上昇又は下降するようになっている。また、図10の(b)に示すように、軸部81bには、ロック部材82が当接する当接面81c,81cが形成されている。軸部81bは、下部本体部材21Aのネジ溝35に螺合される。
ロック部材82は、図10の(b)に示すように、押込バー82aと、押込バー82aに連続する挟持部82bと、挟持部82bから外側に張り出した張出部82c,82cと、一方の張出部82cに形成された摘み部82dとを有する。
挟持部82bは、軸部81bの当接面81cに係合可能な形状になっている。張出部82cは、挟持部82bの両側から側方に張り出しており、挿入溝37b,37bにそれぞれ挿入される。摘み部82dは、張出部82cから斜め側方に張り出しており、押込バー82aに対して近接又は離間するように撓む部材である。摘み部82dには、掛止突起82eが形成されている。
本体調節機構80によって、高さを調節する場合、使用者はまず、図10の(b)に示すように、ロック部材82を軸部81bに対峙させる。具体的には、下方(図10上では紙面上方)からストッパ爪37cにロック部材82を押し当て、爪部37dが露出する位置までロック部材82を軸部81b方向へスライドさせる。爪部37dが露出すると、張出部82cの一部は挿入溝37bに挿入され、挟持部82bが軸部81bに対して係合しない状態(以下、この状態を「係合前状態」ともいう)で対峙する。
ロック部材82を係合前状態にセットしたら、高さ調節ネジ81を回動させて、下部本体部材21Aに対する高さ調節ネジ81の高さ位置を調節する。高さ位置が確定したら、ロック部材82を押し込み、挟持部82bを軸部81bの当接面81cに係合させる。図10の(c)に示すように、挟持部82bと軸部81bとが係合すると、摘み部82dが挿入溝37bに入り込むとともに、掛止突起82eが挿入溝37b内の凹部(図示省略)に掛止されてロックされる。
ロックを解除する場合には、摘み部82dと押込バー82aの端部を摘みつつロック部材82を爪部37d方向にスライドさせ、軸部81bと挟持部82bとの係合を解除する。高さの微調節を行う場合には、ロック部材82を前記した係合前状態に位置させて行うのが好ましい。係合前状態であれば、挿入溝37b及びストッパ爪37cがあるため、軸部81bが回動する状態において、ロック部材82を軸部81bの近傍に位置させることができ、かつ、ロック部材82が落下しない。これにより、高さの微調節を容易に行うことができる。
なお、図11に示すように、受入具設置面Z2に対して高さ調節ネジ81(遊技媒体案内ユニット1)を位置決めする際に、ベース91を介設してもよい。ベース91は、固定板92と、固定板92から中央に向けて張り出す一対の係止溝93,93とを有する。受入具設置面Z2にベース91を両面テープ等で固定しつつ、高さ調節ネジ81の回動部81aを係止溝93,93に挿入することで、受入具設置面Z2に対して高さ調節ネジ81を容易に位置決めできる。つまり、受入具設置面Z2に対して遊技媒体案内ユニット1(図1参照)の位置決めを容易に行うことができる。
次に、本実施形態に係る遊技媒体案内ユニット1の取り付け手順について説明する。
まず、図3等に示すように、本体部材21、弾性壁部材22、玉はね防止カバー23、付勢手段24及びガイド機構25を組み付けて遊技媒体受入具11を一体形成する。また、案内流路部12、端玉返却部13も組み付けて遊技媒体案内ユニット1を一体形成する。
そして、図1に示すように、遊技媒体案内ユニット1の一端を玉貸機101の下部に接続しつつ、遊技媒体受入具11を受入具設置面Z2に設置した際に、遊技媒体案内ユニット1が傾かないように高さ調節ネジ81を調節する。
より詳しくは、膳板Zの段差面Z3(図1参照)の高さを計測した計測値に基づくか、又は段差面Z3の高さと対比しながら高さ調節ネジ81を回動させて遊技媒体受入具11の高さ調節を行う。本実施形態では、ベース91を介設するため、ベース91の固定板92の厚みも考慮して高さ調節を行う。この高さ調節については、予め段差面Z3の標準寸法を決めておき、実際に計測した計測値と標準寸法との差で高さ調節ネジ81の回転数が決定できるようにすれば高さを調節しやすい。
さらに、遊技媒体受入具11を受入具設置面Z2に設置した際に、受入具設置面Z2と下部本体部材21Aとの間に形成される隙間を塞ぐようにスカートカバー26を調節する。より詳しくは、スカートカバー26の押圧部76を内側に押し込みながらスカートカバー26をフリー状態にし、受入具設置面Z2とスカートカバー26の下端とを当接させるか、又は、受入具設置面Z2とスカートカバー26の下端の隙間が遊技媒体Bの直径よりも小さくなるように調節する。
最後に、ベース91に高さ調節ネジ81を挿入しつつ、図1に示す玉計数機103に対して案内流路部12の接続部12b、端玉返却部13の接続部13aを接続する。これにより、玉貸機101及び受入具設置面Z2に対して遊技媒体案内ユニット1が固定される。
図12の(a)及び(b)に示すように、遊技媒体案内ユニット1(遊技媒体受入具11)が受入具設置面Z2に固定されると、本体部材21と受入具設置面Z2の隙間はスカートカバー26で塞がれる。また、玉はね防止カバー23は、本体部材21の上端よりも上方に迫り出している。玉はね防止カバー23の立設部壁部52の高さは、本体部材21に貯留される遊技媒体Bが受皿102に収容される遊技媒体Bの最大容量と略同等の容量を収容可能に決定される。さらに、玉はね防止カバー23の立設壁部52の高さは、上部本体部材21Bに落下した遊技媒体Bが外部に跳び出さないことを同時に満足させる高さに決定される。
なお、玉はね防止カバー23と受皿102との隙間は、玉はね防止カバー23が上方に迫り出すことにより、遊技媒体Bの直径よりも小さくしてもよい。また、玉はね防止カバー23が受皿102に当接するようにしてもよい。
なお、図12の仮想ラインLは、前扉104を開閉する際の、前扉104の下端104aの移動ラインを示す。弾性壁部材22及び玉はね防止カバー23の上端は、仮想ラインLよりも上方に位置している。
次に、図12等を参照して、遊技媒体案内ユニット1(遊技媒体受入具11)の作用について説明する。
図12の(b)に示すように、玉はね防止カバー23は、付勢手段24によって本体部材21に対して鉛直方向上方に付勢され、本体部材21の上端よりも上方に迫り出している。これにより、受皿102から上部本体部材21Bに落下した遊技媒体Bが、前側及び左右側から外部に跳び出ることが阻止される。
また、本体部材21の後側には、弾性壁部材22が形成されており、立壁47が本体部材21の上端よりも上方に迫り出している。これにより、受皿102から上部本体部材21Bに流下した遊技媒体Bが、後側から外部に跳び出ることが阻止される。
また、図2及び図12に示すように、立設壁部52の角部に第一切欠き部56、第二切欠き部57、第三切欠き部58及び第四切欠き部59が形成されているため、前扉104の開閉動作を阻害しない。つまり、前扉104を開く時には、前扉の104の下端104aが、第一切欠き部56及び第四切欠き部59に沿って玉はね防止カバー23の上端を摺動しつつ、玉はね防止カバー23を押し下げる(図12の矢印Y参照)。
一方、前扉104を閉じる時には、前扉104の下端104aが、第三切欠き部58に沿って玉はね防止カバー23の上端を摺動しつつ、玉はね防止カバー23を押し下げる。これにより、遊技媒体案内ユニット1を受入具設置面Z2に固定した状態で、前扉104をスムーズに開閉することができる。これにより、パチンコ機100のメンテナンス等における作業を省力化できる。
また、弾性壁部材22は、ゴムなどの可撓性部材であるため、前扉104の下端104aと接触すると前扉104の移動に対応して撓む。これにより、前扉104の開閉を阻害しない。
ここで、図1等を参照するように、前扉104は、左端を支点として右端が回動するヒンジ構造になっている。したがって、前扉104を開く際には玉はね防止カバー23の後側右端が最初に当接し、閉じる際には玉はね防止カバー23の前側左端が最初に当接する。したがって、前扉104が開閉する際には、玉はね防止カバー23が水平面に対して傾きながら玉はね防止カバー23を押し下げることになる。
つまり、本実施形態では、玉はね防止カバー23の底部51を鉛直方向上方に付勢する付勢手段24,24を備えているため、前扉104と玉はね防止カバー23とが当接した際に、玉はね防止カバー23を水平面に対して傾倒させて玉はね防止カバー23に作用する力を吸収することができる。これにより、遊技媒体受入具11の耐久性を高めることができる。
また、本実施形態では、一対の付勢手段24,24を左右方向の中心から等距離に配設した。これにより、バランスよく力を吸収することができるため、より耐久性を高めることができる。
また、ガイド機構25を備えているため、玉はね防止カバー23を安定して上下動させることができる。なお、前記したガイド機構25のガイド溝53とガイド部材64及び凸型ガイド部材66とが密接すると玉はね防止カバー23が水平面に対して傾かないため、玉はね防止カバー23の傾きを許容する範囲でガイド溝53とガイド部材64及び凸型ガイド部材66との間に多少隙間をあけて配設することが好ましい。
また、玉はね防止カバー23は、内側壁52a、外側壁52b及び横部材52dを備えた二重壁構造としたため、玉はね防止カバー23の耐久性を高めることができる。
また、受入具設置面Z2と本体部材21と隙間にスカートカバー26が配設されるため、この隙間に遊技媒体Bが入り込むのを防ぐことができる。また、遊技島によって段差面Z3の高さが異なっても、本体調節機構80を備えているため、受入具設置面Z2に対する本体部材21の高さを調節することで、遊技媒体案内ユニット1が傾かないように設置することができる。また、スカート調節機構70を備えているため、本体調節機構80の高さ調節に対応して、スカートカバー26の高さも調節することができる。
また、本実施形態によれば、玉はね防止カバー23、スカート調節機構70及び本体調節機構80を備えているため、遊技媒体受入具11からの遊技媒体Bの跳び出しや本体部材21下部への遊技媒体Bの入り込みを阻止しつつ、本体部材21の大容量化を図れる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の趣旨に反しない範囲において、適宜設計変更が可能である。例えば、本実施形態では、二個の付勢手段24を用いたが、一個でもいいし、三個以上設けてもよい。付勢手段24が一個の場合は、玉はね防止カバー23がバランスよく傾倒する位置に設置することが好ましい。本実施形態では、図6に示したように、玉はね防止カバー23に予備突条54a、ガイドベース60に予備受け座62aを形成している。これにより、付勢手段24の数を増やす場合に柔軟に対応できる。
また、本実施形態では、玉はね防止カバー23にガイド溝53を、本体部材21にガイド部材64を設けたが、これに限定されるものではなく、玉はね防止カバー23にガイド部材64を、本体部材21にガイド溝53を設けてもよい。
また、本実施形態では、下部本体部材21Aと玉はね防止カバー23との間に付勢手段24を介設させたが、これに限定されるものではなく、本体部材21に対して玉はね防止カバー23が上下動する形態であればよい。例えば、図3を参照すると、上部本体部材21Bと玉はね防止カバー23との間に付勢手段24を介設させてもよい。また、例えば、上部本体部材21Bの上に玉はね防止カバー23を配設して、上部本体部材21Bと玉はね防止カバー23との間に付勢手段24を介設させてもよい。
また、例えば、前記した実施形態では、パチンコ店やゲームセンタなどの遊技店舗に設置され、入賞役の抽選を実行し、抽選結果に応じて遊技媒体を払出す機能を有するパチンコ機100に対応付けて設置される遊技媒体案内ユニット1について説明したが、これに限らず、遊技結果に応じて遊技媒体(球状の遊技媒体や、球状以外の形状の遊技媒体など)を外部の受皿に払出すことができる遊技機であれば他の遊技機に対応付けて設置される遊技媒体案内ユニット1とすることも可能である。
また、前記した実施形態では、付勢手段24としてコイルスプリングを例に説明したが、これに限らず、電気的に付勢することができる機構部を設けるようにしてもよい。
また、前記した実施形態では、図11に示すベース91を設けたが、ベース91に代えて板状のベース部材を一枚又は複数枚用いてもよい。その他、前記した実施形態における各部材の構成、形状、材質などは単なる例として記載したものであり、本発明はこれらにより限定されない。