JP5464953B2 - フローリング床材の下に施工される冷暖房装置及びこの冷暖房装置が施工された部屋におけるフローリング床材の貼り替え方法 - Google Patents

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本発明は、フローリング床材の下に施工される冷暖房装置であって、前記フローリング床材を支持するための小根太を入れていない所謂ネダレスタイプと称される冷暖房装置と、この冷暖房装置が施工された部屋における前記フローリング床材の貼り替え方法に関する。
ネダレスタイプの温水マットが施工された部屋において、フローリング床材のみを貼り替え、温水マットはそのまま残して再使用する方式の温水マット及びフローリング床材の貼り替え方法として、本件出願人は、特開2008−185244号公報に掲載された温水マットとフローリング床材の貼り替え方法を提案している。
この提案の温水マットは、マット本体の表面に形成した溝内に放熱用の温水パイプを配管すると共に、この温水パイプを含むマット本体の表面に放熱シートを貼り合わせ、更に、この放熱シートの表面に剥離層を形成した温水マットから成り、施工現場においてフローリング床材の裏面に接着剤を塗布してこれを前記剥離層の表面に貼り付ける内容である。
また、前記温水マットを施工した部屋において、フローリング床材を貼り替える場合には、フローリング床材を温水マット側の剥離層の表面で剥がしとり、次に、新規のフローリング床材の裏面に接着剤を塗布し、これを剥がしとった後の剥離層の表面に貼り付ける内容である。
特開2008−185244号公報
しかし、上記温水マット側の剥離層に直接フローリング床材を貼り付ける方式で施工した場合、長年の利用により特にフローリング床材の下面に緩衝材層が形成されている場合、フローリング床材が部分的に浮き上がったり、ズレたりすることがある。
また、この浮き上がりやズレを防ぐためにフローリング床材を剥離層に対して強力に接着してしまうと、貼り替え時に旧いフローリング床材を剥がし取るのに大きな力が必要となり、また、温水マット側を損傷したり、剥離層までもフローリング床材と一緒に剥がしてしまうと云った欠点がある。
本発明は、叙上の如き課題の存在に鑑みて提供されるものであって、その目的は、フローリング床材の下に施工される冷暖房装置において、経年的にフローリング床材が浮き上がったり、ズレたりすることがないと共にフローリング床材の貼り替えに際し、旧いフローリング床材を簡単に剥がし取ることができると共に、この剥がし取りに際して冷暖房装置側を損傷しない前記冷暖房装置が施工された部屋におけるフローリング床材の貼り替え方法を提供することである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の冷暖房装置は、表面に冷暖房手段を組み付けると共にこの表面全体に放熱シートを粘着して成るマット本体と、前記マット本体の放熱シートの表面全体に粘着された剥離シートと、この剥離シートの上面にストライプ状又は平行斜線状又は格子状又はクロス状に粘着された剥離テープと、この剥離テープ上に接着される下面に緩衝材層が形成されたフローリング床材と、から成ることを特徴とするものである。
この発明によると、フローリング床材を直接剥離シートの表面に接着せず、剥離テープを利用しているため、フローリング床材の接着強度を十分に確保して経年的にフローリング床材が浮き上がったり、ズレたりするのを防ぐ事ができると共にフローリング床材の貼り替えに際し、旧いフローリング床材を剥離シート上から簡単に剥し取ることができる。また、剥離テープを間隔を空けて剥離シートの表面に貼り付けているため、剥離シート及びフローリング床材の裏面に形成した緩衝材層の表面に凹凸があっても、全体的には良くフィットさせることができる。
次に、請求項2に記載の冷暖房装置は、請求項1に記載の冷暖房装置において、温水が循環する放熱パイプ又は電熱ヒータを用いた床暖房又は冷媒が循環する放熱パイプをマット本体に組み付けた床冷房装置であることを特徴とするものである。
この発明によると、温水式又は電熱式の床暖房装置あるいは冷媒を用いた床冷房装置に本発明を適用できる。
次に、請求項3に記載のフローリング床材の貼り替え方法は、請求項1又は2に記載の冷暖房装置が施工された部屋において、先ずフローリング床材に対してその表面から小区画となるように任意の切り込み溝を形成し、その上でフローリング床材に力をかけて前記切り込み溝により形成された小区画ごとにフローリング床材を剥離テープから剥がし取り、次に剥離シートの表面に残った剥離テープを剥がして除去し、次に新規に剥離シートの上面に剥離テープを粘着し、その上で新規にフローリング床材を前記剥離テープ上に接着することを特徴とするものである。
この発明によると、フローリング床材の貼り替え時に旧いフローリング床材を切り込み溝で形成された小区画で剥がし取ることができるため、剥がし取るときの1枚の大きさは小さくなることから、この分剥がし取る力は小さくて済み、作業性が向上すると共に冷暖房装置側に傷をつけたりする心配がない。
本発明の効果
本発明は以上のとおり、剥離シートの表面に剥離テープを例えばストライプ状に貼り付け、この上にフローリング床材を貼り付けるようにしたため、フローリング床材の貼り付けを確実に行うことができる。また、経年的にフローリング床材が浮き上がったり、ズレたりしたためにフローリング床材の貼り替えが必要となった際は、フローリング床材をカットして小区画に区分けしてからこの小区画ごとに剥がして取るようにしたため、小さな力で剥がし取りを行うことができると共に剥がし取りに際して、冷暖房装置側に傷をつけたりすることもなく、また作業性が向上するという結果がある。
本発明を実施した温水マットの平面図である。 A−A´線拡大断面図である。 (A)(B)(C) 剥離テープの貼り付けパターン例の説明図である。 温水マット上にフローリング床材を貼り付ける直前の説明図である。 フローリング床材を貼り付けた状態とフローリング床材に丸ノコを利用して切り込み溝を入れている状態の説明図である。 フローリング床材を剥がし取っている状態の説明図である。 剥離シート上から剥離テープを剥がして除去している状態の説明図である。
第1実施形態
本実施形態は、温水式床暖房装置であって、請求項1に記載した発明に対応しており、図1〜図4に基づいて詳細に説明する。符号の1は発泡ポリスチレン製のパネル板の表面に断面U字状の配管溝3を形成し、この配管溝3内に温水パイプ2を配管した構造のマット本体、4は、前記マット本体1の上面に粘着剤5を用いて貼り付けたアルミニュウム箔製の放熱シートである。
6は、上記放熱シート4の表面に粘着剤7により貼り付けたポリエチレンフィルム製の剥離シート、8はこの剥離シート6の表面に図3(A)に示すように粘着剤9によりストライプ状に貼り付けたアルミニュム箔製の剥離テープである。
なお、この剥離テープ8は、伝熱性が良好な材質のものであれば、アルミニュウム箔以外のものであっても良い。又、貼り付けパターンとしては、図3(B)に示すような平行傾斜パターン、あるいは図3(C)に示すような格子状パターン、その他斜めクロス状のパターン等としても良く、このパターンは任意である。
図1において、2aは前記温水パイプ2に熱源機(図示せず)から送られて来た温水を分配し、かつ一巡して来た温水を集合して熱源機側へ返送するヘッダーである。
第2実施形態
本実施形態は、請求項2に記載した温水パイプ2内に冷媒発生機から送られて来た冷媒、例えば冷水を循環させることにより床冷房を行う実施形態であって、装置の構造は実施例1と同一である。
第3実施形態
本実施形態は、請求項2に記載した電熱ヒータを温水パイプ2に替えて配置し、電熱で床暖房を行う床暖房装置の実施形態であって、温水パイプ2が電熱ヒータに替った以外の装置の構造は実施例1と同一である。
第4実施形態
本実施形態は、請求項3に記載したフローリング床材の貼り替え方法であって、図4〜図7に基づいて詳細に説明する。図4は下面に緩衝材層11を形成したフローリング床材10を貼り付ける直前の状態、図5は貼り付けを終えた状態、図6はフローリング床材10を剥がし取っている状態、図7は剥離テープを剥がして除去している状態を示すものである。
先ず、実施例1の冷暖房装置は、図4に示すように下地13の表面に直貼りされていて、フローリング床材10は、下面の緩衝材層11の表面に接着剤12を塗布し、この接着剤12で剥離テープ8の表面に貼り付ける。この貼り付けた状態を図5に示す。但し、フローリング床材10を貼り付けるための接着剤12は、フローリング床材10側ではなく、剥離テープ8側に塗布するようにしても良い。
次に、フローリング床材10の貼り替えを行う場合には、図5に示すように、既設のフローリング床材10の表面から、丸ノコ14を用いてフローリング床材10に小区画の切り込み溝15を形成する。この時の切り込み溝15の先端には、図5においてαで示すように僅かな切り残し(0.5〜1mm)を形成することにより、間違って剥離シート6あるいは放熱シート4側に傷をつけないように注意する。なお、この小区画の大きさは任意であるが、本実施例では30cm角とした。
次に、図6に示すように、切り込み溝15から小区画を単位としてフローリング床材10を剥がすと、フローリング床材10は、基本的には剥離テープ8上から剥がれ、剥離テープ8は剥離シート6側に残るので、この残った剥離テープ8は図7に示すように剥がして除去する。
新規にフローリング床材10を貼り付ける際は、剥離シート6上に新規に剥離テープ8を粘着し、その上でフローリング床材10の下面(緩衝材層11)又は剥離テープ8の表面に接着剤12を塗布し、フローリング床材10を剥離テープ8上に接着して行うもので、手順は先に説明した図4及び図5の状態となる。
なお、図2、図4〜図7において、放熱シート4、粘着剤5、7、9、剥離シート6、剥離テープ8、緩衝材層11、接着剤12の厚み及び剥離シート6と接着剤12間の間隔は、判り易くするために誇張した図解としてある。
1.温水式床暖房
2.電熱式床暖房
3.冷媒式床冷房
1.マット本体
2.温水パイプ
2a.ヘッダー
3.配管溝
4.放熱シート
5.粘着剤
6.剥離シート
7.粘着剤
8.剥離テープ
9.粘着剤
10.フローリング床材
11.緩衝材層
12.接着剤
13.下地
14.丸ノコ
15.切り込み溝

Claims (3)

  1. 表面に冷暖房手段を組み付けると共にこの表面全体に放熱シートを粘着して成るマット本体と、前記マット本体の放熱シートの表面全体に粘着された剥離シートと、この剥離シートの上面にストライプ状又は平行斜線状又は格子状又はクロス状に粘着された剥離テープと、この剥離テープ上に接着される下面に緩衝材層が形成されたフローリング床材と、から成るフローリング床材の下に施工される冷暖房装置。
  2. 請求項1に記載の冷暖房装置とは、温水が循環する放熱パイプ又は電熱ヒータを用いた床暖房又は冷媒が循環する放熱パイプをマット本体に組み付けた床冷房装置であることを特徴とするフローリング床材の下に施工される冷暖房装置。
  3. 請求項1又は2に記載の冷暖房装置が施工された部屋において、そのフローリング床材を貼り替える際は、先ずフローリング床材に対してその表面から小区画となるように任意の切り込み溝を形成し、その上でフローリング床材に力をかけて前記切り込み溝により形成された小区画ごとにフローリング床材を剥離テープから剥がし取り、次に剥離シートの表面に残った剥離テープを剥がして除去し、次に新規に剥離シートの上面に剥離テープを粘着し、その上で新規にフローリング床材を前記剥離テープ上に接着することにより行う冷暖房装置が施工された部屋におけるフローリング床材の貼り替え方法。
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