本発明に係る携帯端末の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る携帯端末の実施形態を示す概略的な機能ブロック図である。
本発明に係る携帯端末は、例えば携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ、携帯型ゲーム機、携帯型音楽再生機、携帯型動画再生機などの携帯端末に適用することができる。
無線通信部10は、アンテナ11を介して移動通信網に収容される基地局から所定の通信処理システムで送信される無線信号を空間から受信する。また、無線通信部10は、アンテナ11を介して所定の通信処理システムで無線通信できるように空間に所定のアクセス方式の無線信号を放射する。
通信制御部12は、アプリケーション実行制御部13の制御に基づいて、無線通信部10が基地局から受信した受信信号をスペクトラム逆拡散処理してデータを復元する。このデータは、アプリケーション実行制御部13の指示により、入出力制御部14に伝送されてスピーカ15から出力されたり、ディスプレイ16に表示されたり、または記憶部17に記録されたりする。また通信制御部12は、アプリケーション実行制御部13の制御に基づいて、マイクロフォン18で集音された音声データや操作部19を介して入力されたデータや記憶部17に記憶されたデータを取得すると、これらのデータに対してスペクトラム拡散処理を行い、基地局に対して無線通信部10に送信させる。
アプリケーション実行制御部13は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)などからなる。CPUは、ROMに記憶されているプログラムまたは記憶部17からRAMにロードされた、オペレーティングシステム(OS)を含む各種のアプリケーションプログラムや制御プログラムに従って種々の処理を実行する。また、CPUは、種々の制御信号を生成し、各部に供給することにより携帯端末1を統括的に制御する。RAMは、CPUが各種の処理を実行する上において必要なデータなどを適宜記憶する。また、アプリケーション実行制御部13は、通知等処理決定部31で決定された通知などの指示に基づいて、各種通知処理などを実行する。
入出力制御部14は、操作部19、ディスプレイ16、カメラ20、マイクロフォン18、スピーカ15、バイブレータ21および記憶部17に対する入出力インターフェースを備える。
操作部19は、例えば操作キーやタッチパネルタイプの操作面に対する入力動作を検出する。入出力制御部14は、操作部19のいずれかが入力を受け付けたことを検知すると、入力信号を生成してアプリケーション実行制御部13に伝送する。
ディスプレイ16は、文字や画像などからなるデータを表示する領域を備える。このディスプレイ16は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、無機ELディスプレイにより構成される。入出力制御部14は、アプリケーション実行制御部13の制御に基づいて、文書データや画像データなどをディスプレイ16に表示する。
カメラ20は、静止画像や動画像を撮像する。入出力制御部14は、撮像された画像データを記憶部17に記憶したり、ディスプレイ16やスピーカ15から出力したりする。
マイクロフォン18は、音声通話時や動画像撮影時などにおいて音声を集音する。入出力制御部14は、アプリケーション実行制御部13の制御に基づいて、マイクロフォン18で集音された音声からアナログ音声信号を生成し、このアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換する。
スピーカ15は、音声通話時や動画像再生時などにおいて音声を出力する。入出力制御部14は、デジタル音声信号を取得すると、アプリケーション実行制御部13の制御に基づいて、このデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換し、スピーカ15から出力させる。
バイブレータ21は、着信をはじめとする各種通知を振動を用いてユーザに伝える。入出力制御部14は、アプリケーション実行制御部13の制御に基づいて、バイブレータ21をオン・オフしたり、バイブレータ21の振動強度を所定の段階に切り替えたりする。
なお、スピーカ15より出力される通知音の音量は、複数段階のレベルに制御可能となっている。また、バイブレータ21の振動強度は、複数段階のレベルに制御可能となっている。
記憶部17は、例えば、電気的に書換えや消去が可能な不揮発性メモリであるフラッシュメモリ素子やHDD(Hard Disc Drive)などからなる。記憶部17は、アプリケーション実行制御部13のCPUより実行される種々のアプリケーションプログラムや種々のデータ群、携帯端末1の制御プログラムや制御データ、携帯端末1またはユーザに固有に割り当てられた識別情報を格納する。この他にも、記憶部17は、例えば名前、電話番号、住所および位置情報が連絡先情報として登録された電話帳データや、データ通信により取得したデータやダウンロードしたデータ、送受信された電子メールデータなどを適宜記憶する。入出力制御部14は、アプリケーション実行制御部13の指示に基づいて、各種データの入出力制御を行う。
加速度センサ32は、携帯端末1の加速度を測定する加速度測定部である。加速度センサ32は、加えられた加速度の検出結果を加速度情報として移動手段判定部33に出力する。
GPS受信制御部34は、携帯端末の位置を測定する位置測定部である。GPS受信制御部34は、GPS用アンテナ35を介してGPS衛星(図示せず)からのGPS波(GPS情報)を受信する。GPS情報には、送信元を示すGPS衛星の識別情報や送信時刻情報などが含まれる。GPS受信制御部34は、取得されたGPS情報を用いて携帯端末1の現在地を示す位置情報(緯度経度の情報)を算出する。現在地情報は、例えば3つや4つのGPS情報から計算することが望ましい。なお、このGPS情報に基づいて求められる位置情報に代えて、移動通信網に収容される基地局より得られる携帯端末1の位置を位置情報として用いてもよい。GPS受信制御部34は、得られた位置情報を移動手段判定部33および通知等処理決定部31に出力する。
クロック36は、現在の正確な時刻を測定する時刻測定部である。クロック36は、測定により得られた時刻情報を通知等処理決定部31に出力する。
移動手段判定部33は、加速度センサ32より得られた加速度情報に基づいて、携帯端末1の移動手段を判定する。移動手段判定部33の詳細な構成については、後述する。
通知等処理決定部31は、アプリケーション実行制御部13により行われる通知処理などを決定する。通知等処理決定部31は、移動手段判定部33より得られた携帯端末1の移動手段に関する情報、GPS受信制御部34より得られた位置情報およびクロック36より得られた時刻情報が、決定条件テーブルDB37に格納された条件に一致するか否かを判定し、アプリケーション実行制御部13で行われる各種処理を決定する。
通知等処理決定部31は、位置情報を用いて処理を決定する場合には、通信制御部12に所定のサーバ(図示せず)から位置情報に対応する地図情報を取得させる。通知等処理決定部31は、位置情報および地図情報から、携帯端末1がユーザの自宅、会社、学校、交通機関の経路上、駅、買い物目的地などに位置するか否かの情報を取得する。
通知等処理決定部31は、時刻情報を用いて処理を決定する場合には、予めユーザより登録された時刻に関連付けられたイベントを参照する。例えば、通知等処理決定部31は、現在時刻がユーザの自宅出発時間、出勤・登校時間、退社・下校時間、帰宅時間、乗車・下車時間、就寝時間などの時刻(イベント時刻)に該当するか否かの情報を取得する。
なお、詳細な位置情報を取得する際に用いられるユーザの自宅、会社などの情報、およびユーザのイベント時刻は、予めユーザにより登録された情報、またはユーザの行動履歴から携帯端末1により自動的に取得される情報である。
図2は、図1の移動手段判定部33の詳細な構成を示す機能ブロック図である。なお、移動手段判定部33の各構成は一例であって、加速度情報から移動手段の判定や移動速度の判定が可能であれば他の構成で実現してもよい。
重力推定部41は、加速度センサ32より加速度情報が供給されると、重力推定バッファ42に保持された過去の加速度情報から重力成分を算出する。算出された重力成分は、重力成分除去部43に供給される。重力成分除去部43は、加速度センサ32より供給された加速度情報から、重力推定部41より供給された重力成分を除去することにより、加速度の値を算出する。
加速度特徴量計算部44は、重力成分除去部43より加速度の値を取得し、加速度の変化の特徴量を算出する。加速度特徴量計算部44で算出された所定時間(例えば10秒)分の特徴量は、特徴量バッファ45に蓄積される。加速度統計量計算部46は、特徴量バッファ45に蓄積された所定時間分の特徴量に基づいて、変化の統計量を分析する。
移動手段決定部47は、加速度統計量計算部46より取得した統計量に基づいて、携帯端末1の移動手段を決定する。移動手段決定テーブルDB48には、統計量から移動手段を判定するための基準となる移動手段決定テーブルが格納される。移動手段決定部47は、この移動手段決定テーブルと取得した統計量とのマッチングを行い、携帯端末1の移動手段を決定する。本実施形態においては、移動手段決定部47により決定される移動手段は、静止している状態を示す「静止」、携帯端末1のユーザが歩いている状態を示す「歩行」、ユーザが走っている状態を示す「走行」、ユーザが電車、バス、自動車などの乗り物に乗っている状態を示す「乗車」であるものとする。また、移動手段決定部47は、各移動手段の目安となる移動速度の値についても算出し、必要に応じて移動手段とともに出力されるものとする。なお、各移動手段の移動速度の関係は、「静止」<「歩行」<「走行」<「乗車」とする。
本実施形態における携帯端末1は、加速度情報を用いて携帯端末1(携帯端末1を所持するユーザ)の移動手段を取得し、この移動手段に応じてユーザに対して通知などの処理が好適に行えるようになっている。以下、本実施形態における携帯端末1により実行される各種通知処理などを説明する。
まず、移動手段判定部33により実行される移動手段等判定処理について説明する。移動手段等判定処理は、以下に説明する各種処理で用いられる移動手段および位置情報を取得するための処理である。
図3は、本実施形態における携帯端末1の移動手段判定部33により実行される移動手段等判定処理を説明するフローチャートである。この移動手段判定処理は、所定時間毎(例えば十数秒〜数十秒毎)に繰り返し実行される。
ステップS1において、移動手段判定部33は、加速度センサ32により測定された携帯端末1の加速度情報を取得する。ステップS2において、移動手段判定部33は、GPS受信制御部34により測定された携帯端末1の位置情報を取得する。なお、位置情報取得ステップS2は、必要に応じて実行される処理であり省略してもよい。
ステップS3において、移動手段判定部33は、取得された加速度情報に基づいて、携帯端末1の移動手段を判定する。ステップS4において、移動手段判定部33は、判定した移動手段に関する情報および位置情報を通知等処理決定部31へ通知する。以上で移動手段等判定処理は終了する。
次に、携帯端末1の移動手段の変化のパターン(取得された移動手段の種類と前回取得された移動手段の種類の変化。以下、「変化パターン」という。)に応じてスピーカ15より出力される通知音の音量およびバイブレータ21の振動強度を制御する、通知パターン決定処理について説明する。この通知パターン決定処理は、ユーザに対して行われる何らかの通知(例えば音声着信通知、電子メール受信通知、ToDo通知、アラーム通知)を行う際の通知音量および振動強度(以下、「通知パターン」という。)を制御する処理である。通知パターン決定処理は、例えばユーザにより通知パターン決定処理を実行する指示を受け付けた場合に実行される。または、特に指示を受け付けることなく常時実行される。また、この通知パターン決定処理は、例えば処理を終了する指示をユーザより受け付けるまで繰り返し実行される。
図4は、本実施形態における携帯端末1により実行される通知パターン決定処理を説明するフローチャートである。
ステップS11において、通知等処理決定部31は、移動手段判定部33より判定された移動手段に関する情報を取得する。
ステップS12において、通知等処理決定部31は、取得した移動手段に基づいて、携帯端末1の移動手段は「歩行」または「走行」であるか否かの判定を行う。通知等処理決定部31は、移動手段が「歩行」または「走行」であると判定した場合、ステップS13において、前回通知された携帯端末1の移動手段は、「静止」または「乗車」であるか否かの判定を行う。
通知等処理決定部31は、前回通知された移動手段は「静止」または「乗車」ではないと判定した場合、すなわち前回通知された移動手段が「歩行」または「走行」であり、移動手段に変化がないと判定した場合、処理は再び移動手段判定ステップS12に戻る。新たに通知された移動手段が前回の移動手段から変化がないため、特に通知パターンを変更する必要がないためである。
一方、通知等処理決定部31は、前回通知された移動手段は「静止」または「乗車」であると判定した場合、すなわち移動手段の変化パターンが「静止」または「乗車」から「歩行」または「走行」であった場合、ステップS14において、アプリケーション実行制御部13は、スピーカ15より出力される通知音量を大きくし、バイブレータ21の振動強度を大きくする。このとき、通知音量および振動強度は、例えば現在の設定値よりも一つ以上大きいレベルに変更されればよい。また、携帯端末1が、通知音が出力されないマナーモードなどに設定されている場合には、通知音が出力される状態に移行するように制御してもよい。
ユーザが比較的通知音や振動に気づき易い「静止」または「乗車」から、通知音や振動に気づきにくいと想定される「歩行」または「走行」に移動手段が変化した場合に通知音量または振動強度を大きくすることで、よりユーザに通知を気づき易くさせることができる。
一方、移動手段判定ステップS12において移動手段は「歩行」または「走行」ではないと判定された場合、すなわち移動手段は「静止」または「乗車」であると判定された場合、ステップS15において、通知等処理決定部31は、前回通知された携帯端末1の移動手段は、「歩行」または「走行」であるか否かの判定を行う。通知等処理決定部31は、前回通知された移動手段は「歩行」または「走行」ではないと判定した場合、すなわち前回通知された移動手段が「静止」または「乗車」であり、移動手段に変化がないと判定した場合、処理は再び移動手段判定ステップS12に戻る。
一方、通知等処理決定部31は、前回通知された移動手段は「歩行」または「走行」であると判定した場合、すなわち移動手段の変化パターンが「歩行」または「走行」から「静止」または「乗車」であった場合、ステップS16において、移動手段判定部33より通知された移動手段に基づいて、携帯端末1の移動手段は「静止」であるか否かの判定を行う。通知等処理決定部31は、移動手段が「静止」であると判定した場合、ステップS17において、アプリケーション実行制御部13は、スピーカ15より出力される通知音量およびバイブレータ21の振動強度をユーザ設定に変更する。
ユーザが比較的通知音や振動に気づきにくい「歩行」または「走行」から、通知音や振動に気づき易い「静止」に移動手段が変化した場合には、ユーザにより設定された通知音量および振動強度で通知が可能であると想定されるため、不必要に大きな通知音量および強い振動で通知する必要がないためである。
一方、前回移動手段判定ステップS16において移動手段が「静止」ではないと判定された場合、すなわち移動手段が「乗車」である場合、ステップS18において、アプリケーション実行制御部13は、スピーカ15より出力される通知音量およびバイブレータ21の振動強度をマナーモードに設定する。マナーモードは、例えば通知音の出力を行わずにバイブレータ21の振動のみで通知を行わせるモードである。移動手段が「乗車」である場合には、周囲への影響を考慮して通知音の出力を行わないことが望ましいためである。なお、通知音の出力を行わない場合であってもユーザに確実に通知を行えるよう、バイブレータ21の振動強度が大きくなるように制御してもよい。
図4の通知パターン決定処理においては、携帯端末1の移動手段の変化パターンに基づいて通知パターンが決定された。しかし、移動手段のみならず携帯端末1の位置情報および時刻情報をも考慮して通知パターン決定処理を行ってもよい。
図5は、通知音量および振動強度を現在の設定値より大きくする通知パターンが割り当てられた決定条件テーブルの一例を示す表である。この決定条件テーブルは、通知等処理決定部31が参照可能な決定条件テーブルDB37に格納される。図5の決定条件テーブルは、通知音量および振動強度を現在の設定値より大きくする通知パターンが割り当てられた移動手段の変化パターンと、位置情報および時刻情報との組み合わせの一例を示す。通知等処理決定部31はこの決定条件テーブルを参照し条件と一致した場合には通知パターンの変更を行う。位置情報および時刻情報は、例えば図4の移動手段取得ステップS11において、移動手段に関する情報とともに移動手段判定部33またはGPS受信制御部3およびクロック36から取得される。
通知等処理決定部31は、条件1に示すように、移動手段の変化パターンが「静止」から「歩行」または「走行」であり、かつ位置情報が「会社内」から「会社外」、「学校内」から「学校外」、または「自宅内」から「自宅外」に移動した場合、通知音量および振動強度が大きい(ユーザ設定値より大きい)通知パターンを割り当てる。すなわち、ユーザが建物内で静止している状態から屋外へ出発した際には通知に気づきにくくなるため、通知パターンをよりユーザが気づき易いものに変更する。
通知等処理決定部31は、条件2に示すように、移動手段の変化パターンが「静止」から「歩行」または「走行」であり、かつ時刻情報が「退社時刻」、「下校時刻」または「自宅出発時刻」であった(各時刻が到来した)場合、通知音量および振動強度が大きい通知パターンを割り当てる。すなわち、ユーザが静止している状態から歩行または走行を開始し、かつユーザが屋外へ出発すると想定される各イベント時刻到来時には通知に気づきにくくなるため、通知パターンをよりユーザが気づき易いものに変更する。
また、通知等処理決定部31は、条件3に示すように、条件1で示した位置情報の条件と、条件2で示した時刻情報の条件とを組み合わせて通知パターンを割り当ててもよい。
通知等処理決定部31は、条件4に示すように、移動手段の変化パターンが「乗車」から「歩行」または「走行」であり、かつ位置情報が「下車駅内」であった場合、時刻情報が「下車時刻」であった場合、または位置情報が「下車駅内」から「下車駅外」であり、かつ時刻情報が「下車時刻」であった場合、通知音量および振動強度が大きい通知パターンを割り当てる。すなわち、電車を下車して駅外に移動を始めた際には周囲の騒音などで通知に気づきにくくなるため、通知パターンをよりユーザが気づき易いものに変更する。
図6は、通知音量および振動強度を現在の設定値より小さくする通知パターンが割り当てられた決定条件テーブルの一例を示す表である。図6の決定条件テーブルは、通知音量および振動強度を現在のユーザ設定値より小さくする通知パターンが割り当てられた移動手段の変化パターンと、位置情報および時刻情報との組み合わせからなる条件の一例を示す。図6に示す条件5〜8は、周囲の騒音により通知が気づきにくい場所および時間から、比較的気づき易い場所および時間に移行した場合に、通知音量および振動強度を現在の設定値より小さくする通知パターンを割り当てたものである。条件5〜8は、図5の条件1〜4とほぼ逆の条件となっているため、詳細な説明は省略する。なお、図6の条件に割り当てられる通知パターンは、通知音量および振動強度を現在の設定値より小さくするものに代えて、マナーモードの設定を割り当ててもよい。
次に、移動手段の変化パターンに応じて、ユーザに好適なタイミングで各種通知を行う通知時決定処理について説明する。以下に説明する通知時決定処理で行われる通知は、既に受信の通知が行われたが未読状態である電子メールの受信の再通知(以下、「受信メールの再通知」という。)、ユーザにより登録されたユーザが実施すべきタスクの通知(以下、「ToDo通知」という。)などである。通知時決定処理は、例えばユーザにより通知時決定処理を実行する指示を受け付けた場合に実行される。または、特に指示を受け付けることなく常時実行される。
図7は、本実施形態における携帯端末1により実行される通知時決定処理を説明するフローチャートである。
ステップS21において、通知等処理決定部31は、移動手段判定部33より判定された移動手段に関する情報を取得する。ステップS22において、通知等処理決定部31は、前回取得された移動手段との比較を行い、移動手段の変化パターンを取得する。
ステップS23において、通知等処理決定部31は、移動手段判定部33またはGPS受信制御部34から位置情報を取得する。また、ステップS24において、通知等処理決定部31は、クロック36より時刻情報を取得する。なお、位置情報および時刻情報を後述する決定条件テーブル参照時に条件として用いない場合には、位置情報取得ステップS23および時刻情報取得ステップS24は省略される。
ステップS25において、通知等処理決定部31は、決定条件テーブルDB37に格納された決定条件テーブルを参照する。
図8は、受信メール再通知を行うための条件を示す決定条件テーブルの一例を示す表である。図9は、ToDo通知を行うための条件を示す決定条件テーブルの一例を示す図である。
図8の条件9に示すように、受信メールの再通知は、移動手段の変化パターンが「乗車」から「歩行」、「走行」または「静止」であった場合に実行される。また、受信メールの再通知は、移動手段の変化パターンと位置情報と時刻情報とが組み合わされた条件を満たす場合にも実行される。例えば、受信メールの再通知は、条件9に加え、位置情報が「下車駅内」から「下車駅外」に変化した場合(条件10)、時刻情報が「下車時刻」であった場合(条件11)、位置情報が「下車駅内」から「下車駅外」に変化し、かつ時刻情報が「下車時刻」であった場合(条件12)に実行される。
また、条件13に示すように、受信メールの再通知は、移動手段の変化パターンが「歩行」または「走行」から「静止」であった場合に実行される。また受信メールの再通知は、条件13に加え、位置情報が「会社内」、「学校内」または「自宅内」であった場合(条件14)、条件14に加え、時刻情報がそれぞれ「出社時刻から(〜)退社時刻間」、「登校時刻から(〜)下校時刻間」または「帰宅時刻から(〜)出社または登校時刻間」であった場合(条件15)に実行される。
これらの受信メール再通知の条件は、いずれもユーザが電子メールの受信通知に気づきにくい環境から気づき易い環境へ移動したと想定されるものが列挙されている。
一方、ToDo通知を実行する条件は、それぞれToDo通知の内容によって設定されるのが好ましい。例えば、ToDo通知の内容が第三者に電話をかけることをタスクとした場合、ユーザが買い物をすることをタスクとした場合、調べ物をすることをタスクとした場合など、各タスクに応じてより好適な通知タイミングとなるように条件が設定される。
例えば、「電話をする」ためのToDo通知は、図9の条件16に示すように、移動手段の変化パターンが「乗車」から「歩行」、「走行」または「静止」であった場合に実行される。また、ToDo通知は、条件16に加え、位置情報が「下車駅内」から「下車駅外」に変化した場合(条件17)、時刻情報が「下車時刻」であった場合(条件18)、位置情報が「下車駅内」から「下車駅外」に変化し、かつ時刻情報が「下車時刻」に変化した場合(条件19)に実行される。以下、図9の条件20〜条件25に示すとおり、「電話をする」タスクに関するToDo通知を行う条件が設定される。
「買い物をする」タスクに関するToDo通知についても、ユーザが買い物をすると想定されるタイミングにおいて好適に通知が行えるよう、条件26〜条件33の条件が設定される。条件26〜条件33の詳細な説明については省略する。
「調べ物をする」タスクに関するToDo通知についても、ユーザが調べ物をすると想定されるタイミングにおいて好適に通知が行えるよう、条件34〜条件37の条件が設定される。条件34〜条件37の詳細な説明については省略する。
ステップS26において、通知等処理決定部31は、決定条件テーブルDB37に格納された条件を満たすか否かの判定を行う。通知等処理決定部31は、例えば受信したが未読状態となっている電子メールが存在する場合には、図8の決定条件テーブルを参照していずれかの条件を満たすか否かの判定を行う。また、通知等処理決定部31は、ToDo通知が設定されている場合には、設定されたタスクに対応する図9の決定条件テーブルを参照していずれかの条件を満たすか否かの判定を行う。通知等処理決定部31は、通知条件を満たさないと判定した場合、移動手段取得ステップS21に戻り以降の処理を繰り返す。
一方、通知等処理決定部31はいずれかの通知条件を満たすと判定した場合、ステップS27において、アプリケーション実行制御部13は、所定の通知処理を実行する。例えば、受信メール再通知に割り当てられた条件が満たされた場合には、アプリケーション実行制御部13は電子メール受信通知音を出力したり、ディスプレイに電子メールを受信した旨のポップアップを表示したりして、ユーザに電子メールの受信を通知する。またToDo通知に割り当てられた条件が満たされた場合には、アプリケーション実行制御部13はアラーム音を出力したり、ディスプレイ16にタスクの内容を通知するポップアップを表示したりして、ユーザにタスクの通知を行う。
この携帯端末1は、移動手段に関する情報や位置情報、時刻情報を利用した通知時決定処理を実行することで、ユーザが通知に気づき易いタイミングやユーザが通知を必要とするタイミングを自動的に判定し、通知を行うことができる。
なお、図7の通知時決定処理においては、主に受信メール再通知およびToDo通知を行う例を説明したが、他の通知に関するタイミングを決定するために用いてもよい。またこの他にも、スヌーズ機能を備えたアラーム通知機能を備えた携帯端末1において、移動手段に関する情報や位置情報、時刻情報を利用することによりスヌーズ機能の解除時を自動的に判定するようにしてもよい。なお、スヌーズ機能は、一旦アラーム音を止めても特定の操作を行わない限りは再び鳴り出す機能をいう。
図10は、スヌーズ機能の解除を行うための条件を示す決定条件テーブルの一例を示す表である。図10に示す決定条件テーブルは、一例として、目覚まし時計としてアラーム通知機能を利用する場合のスヌーズ機能の解除の条件を示したものである。
条件38に示すように、スヌーズ機能は、移動手段の変化パターンが「静止」から「歩行」または「走行」である場合に解除される。また、スヌーズ機能の解除は、条件38に加え、位置情報が「自宅内」から「自宅外」に変化した場合(条件39)、時刻情報が「自宅出発時刻」であった場合(条件40)、位置情報が「自宅内」から「自宅外」に変化し、かつ時刻情報が「自宅出発時刻」であった場合(条件41)に解除される。
このように、携帯端末1は、ユーザに対する通知を行うタイミングのみならず、通知を解除するためのタイミングを移動手段に関する情報や位置情報、時刻情報から判定してもよい。
携帯端末1は、通知音量や振動強度の制御、各種通知や通知の解除のタイミングの判定のみならず、移動手段に関する情報や位置情報、時刻情報から得られた情報をユーザに好適に提示するために用いることもできる。例えば、携帯端末1は、ユーザが電車やバスなどの交通機関を利用するために移動中、駅やバス停などの乗車場所までの所要時間や乗車すると推定される交通機関の出発時刻を通知することができる。
図11は、本実施形態における携帯端末1により実行されるナビゲーション通知処理を説明するフローチャートである。このナビゲーション通知処理は、ユーザにより処理を開始する指示を受け付けることで開始される。以下に説明するナビゲーション通知処理は、一例として携帯端末1のユーザが電車に乗るために最寄り駅に向かう場合を適用して説明する。
ステップS31において、通知等処理決定部31は、移動手段判定部33またはGPS受信制御部34より位置情報を取得する。ステップS32において、通知等処理決定部31は、地図情報を取得する。通知等処理決定部31は、例えばアプリケーション実行制御部13が通信制御部12を介してサーバより取得した地図情報や、記憶部17に予め保持された地図情報を取得する。
ステップS33において、通知等処理決定部31は、位置情報および地図情報に基づき、最寄り駅を推定する。通知等処理決定部31は、例えば携帯端末1の位置から最も近い駅や、携帯端末1の移動方向に位置する駅を最寄り駅と推定する。
ステップS34において、通知等処理決定部31は、携帯端末1の現在地から最寄り駅までの距離を算出する。ステップS35において、通知等処理決定部31は、移動手段判定部33より携帯端末1の移動速度を取得する。ステップS36において、通知等処理決定部31は、最寄り駅までの距離および移動速度に基づいて最寄り駅までの所要時間を算出して、携帯端末1(携帯端末1のユーザ)が最寄り駅に到達する予定時刻を算出する。通知等処理決定部31は、取得した到達予定時刻をアプリケーション実行制御部13に通知する。
ステップS37において、アプリケーション実行制御部13は、最寄り駅から発車する電車の時刻表である時刻表情報を取得する。アプリケーション実行制御部13は、時刻表情報を通信制御部12を介してサーバより取得したり、時刻表情報が記憶部17に予め格納されている場合には記憶部17より取得したりする。
ステップS38において、アプリケーション実行制御部13は、取得した最寄り駅到達予定時刻および時刻表示情報をユーザに通知する。アプリケーション実行制御部13は、例えば「あと○分でA駅に到着します。B駅行きは○○:○○発車、C駅行きは○○:○○発車です」のような文書をディスプレイ16に表示することで通知を行う。
ステップS39において、通知等処理決定部31は、推定した最寄り駅に到着したか否かの判定を行う。通知等処理決定部31は最寄り駅に到着したと判定した場合、ナビゲーション通知処理を終了する。一方、通知等処理決定部31は最寄り駅に未だ到着していないと判定した場合、処理は位置情報取得ステップS31に戻り、以降の処理を繰り返す。
アプリケーション実行制御部13は、移動速度取得ステップS35において移動手段に関する情報も取得し、移動手段に関する通知を行ってもよい。アプリケーション実行制御部13は、例えば「このまま行くと07:55の電車に乗ることになりますが、あと2分だけ走るとその前の07:45の電車に乗れます。」のような移動手段のナビゲーションを含めた文書をディスプレイ16に表示する。また、ユーザが携帯端末1のナビゲーションに従い2分間走行した場合には、「このまま行くと07:45の電車に乗れます。これ以上走らなくても大丈夫でしょう。」のように前回の通知内容を反映した上でユーザにナビゲーションを行う。このように、移動手段、位置情報、時刻情報を利用してナビゲーションを行うことで、よりユーザの求める情報をリアルタイムに提供することができる。
なお、本発明の実施形態において説明した一連の処理は、フローチャートで記載された順序に沿って時系列的に行われる処理例を示したが、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別実行される処理をも含むものである。