JP5463486B2 - 疎水性修飾ポリロタキサン - Google Patents
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Description
かかる物理ゲルは、高分子間に働く物理的引力相互作用によってネットワークを構成しているため、温度や溶媒に対する安定性が低い。
しかし、化学ゲルでは、架橋点が固定されているため、架橋反応において形成される不均一な構造が永久に保持され、機械強度が著しく低いという欠点があった。
このポリロタキサンは、環状分子(回転子:rotator)の開口部を直鎖状分子(軸:axis)で串刺し状に貫通して環状分子を直鎖状分子で包接し、且つ環状分子が脱離しないように直鎖状分子の両末端に封鎖基を配置して成るもので、かかるポリロタキサンを複数架橋して成り、環動ゲルに適用可能な架橋ポリロタキサンが開示されている(特許文献1参照。)。
更に、かかる水酸基はグルコース環に結合しており、立体障害が大きいため反応性に乏しい。
このため、ポリロタキサンの適用範囲が狭くなりがちであり、特に耐久性が必要される塗料や接着剤等への適用が困難であるという問題があった。
また、本発明の疎水性修飾ポリロタキサンは、環状分子と、この環状分子を串刺し状に包接する直鎖状分子と、この直鎖状分子の両末端に配置され上記環状分子の脱離を防止する封鎖基とを有し、上記環状分子がシクロデキストリンであり、当該シクロデキストリンの水酸基の一部または全部が、カプロラクトンによる修飾反応を活性化する活性基となる化合物に修飾されて形成された水酸基からなる残基を有し、その残基がカプロラクトンによる修飾基である(−CO(CH2)5OH)基で修飾されたことを特徴とする。
また、本発明の疎水性修飾ポリロタキサンの他の製造方法は、上記疎水性修飾ポリロタキサンを製造するに当たり、(1)シクロデキストリンと直鎖状分子とを混合し、シクロデキストリンの開口部を直鎖状分子で串刺し状に貫通して直鎖状分子にシクロデキストリンを包接させ、(2)得られた擬ポリロタキサンの両末端である上記直鎖状分子の両末端を封鎖基で封鎖して、環状分子が串刺し状態から脱離しないように調整し、(3)得られたポリロタキサンのシクロデキストリンの水酸基を修飾する際にカプロラクトンによる修飾反応を活性化する活性基となる化合物に修飾されて形成された水酸基からなる残基を修飾する際にε−カプロラクトンで修飾する、ことを特徴とする。
また、直鎖状分子は、環状分子の開口部を串刺し状に貫通することによって当該環状分子を包接しており、更に、その両末端に配置された封鎖基が包接した環状分子の脱離を防止しており、更にまた、環状分子は、シクロデキストリンにより構成され、当該シクロデキストリンがカプロラクトンによる修飾基である(−CO(CH2)5OH)基を有する。
このような構成とすることにより、有機溶剤に可溶なものとなる。
かかる有機溶剤への可溶性の発現は、従来は有機溶剤に難溶性ないしは不溶性であったポリロタキサンに対し、有機溶剤という反応場、典型的には架橋場を提供するものである。即ち、本発明の疎水性修飾ポリロタキサンは、有機溶剤の存在下で他のポリマーとの架橋や修飾基による修飾が容易に行える反応性の向上したものである。
0.02未満であると、有機溶剤への溶解性が十分なものとならず、不溶性ブツが生成することがある。
また、シクロデキストリンの水酸基が修飾され得る最大数とは、換言すれば、修飾する前にシクロデキストリンが有していた全水酸基数のことである。
更に、修飾度とは、換言すれば、修飾された水酸基数の全水酸基数に対する比のことである。
なお、多数のシクロデキストリンを有する場合には、有するシクロデキストリンの全てにおいて、その全部又は一部の水酸基がカプロラクトンによる修飾基である(−CO(CH2)5OH)基によって修飾されている必要はない。
かかるシクロデキストリンとしては、特にα−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリンが良好であり、被包接性の観点からはα−シクロデキストリンが好ましい。
なお、当該疎水性修飾ポリロタキサンとして疎水性であれば、疎水性の修飾基の全部又は一部が親水基を有していてもよい。
また、当該疎水性修飾ポリロタキサンの有機溶媒への溶解性向上効果をあまり低下させなければ、疎水性修飾基は、ポリマーであってもよく、溶解性の観点からは、例えば、分子量が数千程度であることが望ましい。
かかる官能基は、そのシクロデキストリンの外側にあることが立体構造的に好ましく、ポリマーと結合又は架橋する際、この官能基を用いて容易に反応を行うことができる。
更に、本発明においては、官能基の具体例として、例えば水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基、チオール基及びアルデヒド基などを挙げることができるが、これに限定されるものではない。
かかる官能基としては、特にシクロデキストリンの水酸基と結合した化合物の残基であり、当該残基が、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基を有するものが良好であり、反応の多様性の観点からは水酸基が好ましい。
このような官能基を形成する化合物としては、例えばプロピレンオキシドなどを挙げることができるが、これに限定されるものではない。
例えば、当該疎水性修飾ポリロタキサンの有機溶剤への溶解性向上効果をあまり低下させなければ、官能基を形成する化合物がポリマーであってもよく、溶解性の観点からは、例えば、分子量が数千程度であることが望ましい。
なお、上述の官能基としては、後述する封鎖基が脱離しない反応条件において反応する基であることが好ましい。
また、環状分子を構成するシクロデキストリンの大きさにも影響を受けるが、その長さも環状分子が滑車効果を発揮できる限り特に限定されない。
かかる反応基としては、採用する封鎖基の種類などに応じて適宜変更することができるが、水酸基、カルボキシル基、アミノ基及びチオール基などを例示できる。
0.06未満では滑車効果が発現しないことがあり、0.61を超えると、環状分子であるシクロデキストリンが密に配置され過ぎてシクロデキストリンの可動性が低下することがあり、またシクロデキストリン自体の有機溶剤に対する非溶解性が強化されてしまい、得られるポリロタキサンの有機溶剤への溶解性も低下することがある。
分子量が1,000未満では、カプロラクトンによる修飾基である(−CO(CH2)5OH)基により修飾されたシクロデキストリンの数が少なく、有機溶剤に対する溶解性が低くなって、得られる疎水性修飾ポリロタキサンの有機溶剤への溶解性が低下し、500,000を超えても、有機溶剤への溶解性が低下することがある。
かかる直鎖状分子としては、特に限定されるものではなく、ポリアルキレン類、ポリカプロラクトンなどのポリエステル類、ポリエチレングリコールなどのポリエーテル類、ポリアミド類、ポリアクリル類及びベンゼン環を有する直鎖状分子を挙げることができる。
かかる直鎖状分子としては、特にポリエチレングリコール、ポリカプロラクトンが良好である。
かかる基としては、「嵩高さ」を有する基又は「イオン性」を有する基などを挙げることができる。またここで、「基」とは、分子基及び高分子基を含む種々の基を意味する。
また、「イオン性」を有する基のイオン性と、環状分子の有するイオン性とが相互に影響を及ぼし合い、例えば反発し合うことにより、環状分子が直鎖状分子に串刺しにされた状態を保持することができる。
上述の如き、疎水性修飾ポリロタキサンは、(1)環状分子と直鎖状分子とを混合し、環状分子の開口部を直鎖状分子で串刺し状に貫通して直鎖状分子に環状分子を包接させる工程と、(2)得られた擬ポリロタキサンの両末端(直鎖状分子の両末端)を封鎖基で封鎖して、環状分子が串刺し状態から脱離しないように調整する工程と、(3)得られたポリロタキサンの環状分子を構成するシクロデキストリンの水酸基を修飾する際にε−カプロラクトンで修飾する工程、で処理することにより得られる。
なお、上記(1)工程において、環状分子として、予めシクロデキストリンの水酸基を修飾する際にε−カプロラクトンで修飾したものを用いることによっても、疎水性修飾ポリロタキサンを得ることができ、その場合には、上記(3)工程を省略することができる。
かかる有機溶剤としては、特に限定されるものではないが、酢酸エチルや酢酸ブチル、酢酸イソブチルなどのようなエステル類、メチルエチルケトンやメチルイソブチルケトンなどのようなケトン類、ジエチルエーテルやジオキサンなどのようなエーテル類、トルエンやキシレン、ソルベッソなどのような炭化水素溶剤、または疎水性の高い長鎖アルコール類などを挙げることができ、本発明の疎水性修飾ポリロタキサンは、これらの2種以上を混合した溶剤についても良好な溶解性を示す。
また、水やブチルセロソルブアセテートなどの水系溶剤が若干含まれていても、全体として有機溶剤とみなすことができれば、有機溶剤としてよい。
架橋ポリロタキサンは、上述した本発明の疎水性修飾ポリロタキサンをポリマーと架橋して成るものであり、ポリマーは疎水性修飾ポリロタキサンの環状分子を介して疎水性修飾ポリロタキサンと結合している。
なお、光架橋基としては、ケイ皮酸、クマリン、カルコン、アントラセン、スチリルピリジン、スチリルピリジニウム塩及びスチリルキノリン塩などを例示できる。
更に、かかるポリマーは、ホモポリマーでもコポリマーでもよい。コポリマーの場合、2種以上のモノマーから構成されるものでもよく、ブロックコポリマー、交互コポリマー、ランダムコポリマー又はグラフトコポリマーのいずれであってもよい。
誘導体としては、上述した水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、ビニル基、チオール基又は光架橋基及びこれらの組合せに係る基を有するものが好ましい。
架橋剤としては、分子量が2000未満、好ましくは1000未満、更に好ましくは600未満、いっそう好ましくは400未満のものを用いることができる。
同図において、この疎水性修飾ポリロタキサン5は、直鎖状分子6と、環状分子であるシクロデキストリン7と、直鎖状分子6の両末端に配置された封鎖基8を有し、直鎖状分子6は環状分子7の開口部を貫通して環状分子7を包接している。
そして、シクロデキストリン7は、カプロラクトンによる修飾基である(−CO(CH2)5OH)基7aを有している。
同図において、架橋ポリロタキサン1は、ポリマー3と疎水性修飾ポリロタキサン5を有する。また、疎水性修飾ポリロタキサン5は、直鎖状分子6と、環状分子であるシクロデキストリン7と、直鎖状分子6の両末端に配置された封鎖基8を有し、直鎖状分子6は環状分子7の開口部を貫通して環状分子であるシクロデキストリン7を包接している。そして、この疎水性修飾ポリロタキサン5は、環状分子であるシクロデキストリン7を介して架橋点9によってポリマー3及びポリマー3’と結合している。
なお、シクロデキストリン7は、図示しないカプロラクトンによる修飾基である(−CO(CH2)5OH)基7aを有している。
即ち、図2(B)に示すように、環状分子であるシクロデキストリン7は滑車効果によって直鎖状分子6に沿って移動可能であるため、上記応力をその内部で吸収可能である。
また、この架橋ポリロタキサンの前駆体である本発明の疎水性修飾ポリロタキサンは、上述の如く、有機溶剤への溶解性が改善されており、有機溶剤中での架橋などが容易である。
即ち、架橋ポリロタキサンは、その適用範囲が拡大されており、例えば有機溶剤に可溶な塗膜ポリマーを用いる塗料や接着剤、特に耐洗車性、耐引っ掻き性、耐チッピング性、耐衝撃性及び耐候性の要求される自動車用の塗料、樹脂基材及び接着剤、並びに家電用の塗料や樹脂基材等についても適用可能であり、これらの用途においても優れた滑車効果を発現できるものである。
従って、以下に説明する架橋ポリロタキサンの製造方法によれば、上記ポリマーの物性と、疎水性修飾ポリロタキサン自体の物性を併有する材料が得られるのみならず、ポリマー種を選択することにより、所望の機械的強度などを有する水溶性の材料、特にゲル状物などを得ることができる。
この架橋ポリロタキサンは、まず上述の如く疎水性修飾ポリロタキサンを製造し、(a)得られた疎水性修飾ポリロタキサンをポリマーと混合し、(b)ポリマーの少なくとも一部を物理的及び/又は化学的に架橋し、(c)ポリマーの少なくとも一部とポリロタキサンとを環状分子を介して結合させる、ことにより製造できる。
なお、本発明の疎水性修飾ポリロタキサンは、有機溶剤に可溶であるため、(a)〜(c)工程を有機溶剤中で円滑に行なうことができる。
例えば、(i)ポリマーがエポキシ基のような活性な置換基を有している場合は、加熱又はアミンや酸無水物のような活性水素の存在下で架橋反応を起こせばよい。また、光酸発生剤、光塩基発生剤の存在下で光照射を行うことでも架橋反応を起こすことができる。
(ii)ポリマーがビニル基のような不飽和二重結合を有している場合は、熱又は光ラジカル発生剤の存在下で加熱又は光照射を行うことにより架橋反応を起こせる。
(iii)ポリマーが上述の光架橋基を有している場合は、加熱又は光照射によって架橋反応を起こせる。
(iv)ポリマーが水酸基、アミノ基、カルボキシル基などを有している場合は、多置換イソシアネート類やカルボジイミド類、トリアジン類、シラン類の存在により架橋官能を起こすことができる。
(v)ポリマーが各種の基を有していない場合は、電子線照射によって架橋反応を生じさせることができる。
この結合工程の条件は、ポリマーが有する基、環状分子が有する基などに影響を受けるが、上述の架橋条件を適用することができる。
(1)PEGのTEMPO酸化によるPEG‐カルボン酸の調製
ポリエチレングリコール(PEG)(分子量5000)10g、TEMPO(2,2,6,6‐テトラメチル‐1‐ピペリジニルオキシラジカル)100mg、臭化ナトリウム1gを水100mLに溶解させた。市販の次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素濃度5%)5mLを添加し、室温で10分間撹拌した。余った次亜塩素酸ナトリウムを分解させるために、エタノールを最大5mLまでの範囲で添加して反応を終了させた。
50mLの塩化メチレンを用いた抽出を3回繰り返して無機塩以外の成分を抽出した後、エバポレーターで塩化メチレンを留去し、250mLの温エタノールに溶解させてから冷凍庫(−4℃)中に一晩おいて、PEG‐カルボン酸のみを抽出させ、回収し、乾燥した。
上記調製したPEG‐カルボン酸3g及びα‐シクロデキストリン(α‐CD)12gをそれぞれ別々に用意した70℃の温水50mLに溶解させ、双方を混合し、よく振り混ぜた後、冷蔵庫(4℃)中に一晩静置した。クリーム状に析出した包接錯体を凍結乾燥して、回収した。
上記調製した包接錯体14gをジメチルホルムアミド/ジメチルスルホキシド(DMF/DMSO)混合溶媒(体積比75/25)20mLに分散させた。
一方、室温でDMF10mLにベンゾトリアゾール‐1‐イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP試薬)3g、1‐ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)1g、アダマンタンアミン1.4g、ジイソプロピルエチルアミン1.25mLをこの順番に溶解させた。この溶液を上記調製した分散液に添加し、すみやかによく振り混ぜた。
スラリー状になった試料を冷蔵庫(4℃)中に一晩静置した。一晩静置した後、DMF/メタノール混合溶媒(体積比1/1)50mLを添加し、混合し、遠心分離して、上澄みを捨てた。上記のDMF/メタノール混合溶液による洗浄を2回繰り返した後、更にメタノール100mLを用いた洗浄を同様の遠心分離により2回繰り返した。
得られた沈殿を真空乾燥で乾燥させた後、50mLのDMSOに溶解させ、得られた透明な溶液を700mLの水中に滴下してポリロタキサンを析出させた。析出したポリロタキサンを遠心分離で回収し、真空乾燥又は凍結乾燥させた。
上記のDMSOに溶解、水中で析出、回収、乾燥のサイクルを2回繰り返し、最終的に精製ポリロタキサンを得た。
上記調製したポリロタキサン500mgを1mol/LのNaOH水溶液50mLに溶解し、プロピレンオキシド3.83g(66mmol)を添加し、アルゴン雰囲気下、室温で一晩撹拌した。1mol/LのHCl水溶液で中和し、透析チューブにて透析した後、凍結乾燥し、回収した。
上記調製したヒドロキシプロピル化ポリロタキサン500mgにモレキュラーシーブで乾燥させたε‐カプロラクトン10mLを添加し、室温で30分間撹拌し、浸透させた。2‐エチルへキサン酸スズ0.2mLを添加し、100℃で1時間反応させた。
反応終了後、試料を50mLのトルエンに溶解させ、撹拌した450mLのヘキサン中に滴下して析出させ、回収し、乾燥して、本例の疎水性修飾ポリロタキサンを得た。
得られた疎水性修飾ポリロタキサンは、1H−NMR及びGPCで同定し、所望のポリロタキサンであることを確認した。なお、α−CDの包接量は0.06であり、カプロラクトンによる修飾基である(−CO(CH2)5OH)基による修飾度は0.02であった。
(1)PEGのTEMPO酸化によるPEG‐カルボン酸の調製
ポリエチレングリコール(PEG)(分子量5000)10g、TEMPO(2,2,6,6‐テトラメチル‐1‐ピペリジニルオキシラジカル)100mg、臭化ナトリウム1gを水100mLに溶解させた。市販の次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素濃度5%)5mLを添加し、室温で10分間撹拌した。余った次亜塩素酸ナトリウムを分解させるために、エタノールを最大5mLまでの範囲で添加して反応を終了させた。
50mLの塩化メチレンを用いた抽出を3回繰り返して無機塩以外の成分を抽出した後、エバポレーターで塩化メチレンを留去し、250mLの温エタノールに溶解させてから冷凍庫(−4℃)中に一晩おいて、PEG‐カルボン酸のみを抽出させ、回収し、乾燥した。
上記調製したPEG‐カルボン酸3g及びα‐シクロデキストリン(α‐CD)12gをそれぞれ別々に用意した70℃の温水50mLに溶解させ、双方を混合し、よく振り混ぜた後、冷蔵庫(4℃)中に一晩静置した。クリーム状に析出した包接錯体を凍結乾燥して、回収した。
室温でDMF10mLにBOP試薬3g、HOBt1g、アダマンタンアミン1.4g、ジイソプロピルエチルアミン1.25mLをこの順番に溶解させた。これに上記調製した包接錯体14gを添加し、すみやかによく振り混ぜた。
スラリー状になった試料を冷蔵庫(4℃)中に一晩静置した。一晩静置した後、DMF/メタノール混合溶媒(体積比1/1)50mLを添加し、混合し、遠心分離して上澄みを捨てた。上記のDMF/メタノール混合溶液による洗浄を2回繰り返した後、更にメタノール100mLを用いた洗浄を同様の遠心分離により2回繰り返した。
得られた沈殿を真空乾燥で乾燥させた後、50mLのDMSOに溶解させ、得られた透明な溶液を700mLの水中に滴下してポリロタキサンを析出させた。析出したポリロタキサンを遠心分離で回収し、真空乾燥又は凍結乾燥させた。
上記のDMSOに溶解、水中で析出、回収、乾燥のサイクルを2回繰り返し、最終的に精製ポリロタキサンを得た。
上記調製したポリロタキサン500mgを1mol/LのNaOH水溶液50mLに溶解し、プロピレンオキシド3.83g(66mmol)を添加し、アルゴン雰囲気下、室温で一晩撹拌した。1mol/LのHCl水溶液で中和し、透析チューブにて透析した後、凍結乾燥し、回収した。
上記調製したヒドロキシプロピル化ポリロタキサン500mgにモレキュラーシーブで乾燥させたε‐カプロラクトン10mLを添加し、室温で30分間撹拌し、浸透させた。2‐エチルへキサン酸スズ0.2mLを添加し、100℃で1時間反応させた。
反応終了後、試料を50mLのトルエンに溶解させ、撹拌した450mLのヘキサン中に滴下して析出させ、回収し、乾燥して、本例の疎水性修飾ポリロタキサンを得た。
得られた疎水性修飾ポリロタキサンは、1H−NMR及びGPCで同定し、所望のポリロタキサンであることを確認した。なお、α−CDの包接量は0.61であり、カプロラクトンによる修飾基である(−CO(CH2)5OH)基による修飾度は0.02であった。
(1)PEGのTEMPO酸化によるPEG‐カルボン酸の調製
ポリエチレングリコール(PEG)(分子量10万)10g、TEMPO(2,2,6,6‐テトラメチル‐1‐ピペリジニルオキシラジカル)100mg、臭化ナトリウム1gを水100mLに溶解させた。市販の次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素濃度5%)5mLを添加し、室温で10分間撹拌した。余った次亜塩素酸ナトリウムを分解させるために、エタノールを最大5mLまでの範囲で添加して反応を終了させた。
50mLの塩化メチレンを用いた抽出を3回繰り返して無機塩以外の成分を抽出した後、エバポレーターで塩化メチレンを留去し、250mLの温エタノールに溶解させてから冷凍庫(−4℃)中に一晩おいて、PEG‐カルボン酸のみを抽出させ、回収し、乾燥した。
上記調製したPEG‐カルボン酸3g及びα‐シクロデキストリン(α‐CD)12gをそれぞれ別々に用意した70℃の温水50mLに溶解させ、双方を混合し、よく振り混ぜた後、冷蔵庫(4℃)中に一晩静置した。クリーム状に析出した包接錯体を凍結乾燥して、回収した。
上記調製した包接錯体14gをジメチルホルムアミド/ジメチルスルホキシド(DMF/DMSO)混合溶媒(体積比75/25)20mLに分散させた。
一方、室温でDMF10mLにベンゾトリアゾール‐1‐イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP試薬)3g、1‐ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)1g、アダマンタンアミン1.4g、ジイソプロピルエチルアミン1.25mLをこの順番に溶解させた。この溶液を上記調製した分散液に添加し、すみやかによく振り混ぜた。
スラリー状になった試料を冷蔵庫(4℃)中に一晩静置した。一晩静置した後、DMF/メタノール混合溶媒(体積比1/1)50mLを添加し、混合し、遠心分離して、上澄みを捨てた。上記のDMF/メタノール混合溶液による洗浄を2回繰り返した後、更にメタノール100mLを用いた洗浄を同様の遠心分離により2回繰り返した。
得られた沈殿を真空乾燥で乾燥させた後、50mLのDMSOに溶解させ、得られた透明な溶液を700mLの水中に滴下してポリロタキサンを析出させた。析出したポリロタキサンを遠心分離で回収し、真空乾燥又は凍結乾燥させた。
上記のDMSOに溶解、水中で析出、回収、乾燥のサイクルを2回繰り返し、最終的に精製ポリロタキサンを得た。
上記調製したポリロタキサン500mgを1mol/LのNaOH水溶液50mLに溶解し、プロピレンオキシド3.83g(66mmol)を添加し、アルゴン雰囲気下、室温で一晩撹拌した。1mol/LのHCl水溶液で中和し、透析チューブにて透析した後、凍結乾燥し、回収した。
上記調製したヒドロキシプロピル化ポリロタキサン500mgにモレキュラーシーブで乾燥させたε‐カプロラクトン10mLを添加し、室温で30分間撹拌し、浸透させた。2‐エチルへキサン酸スズ0.2mLを添加し、100℃で1時間反応させた。
反応終了後、試料を50mLのトルエンに溶解させ、撹拌した450mLのヘキサン中に滴下して析出させ、回収し、乾燥して、本例の疎水性修飾ポリロタキサンを得た。
得られた疎水性修飾ポリロタキサンは、1H−NMR及びGPCで同定し、所望のポリロタキサンであることを確認した。なお、α−CDの包接量は0.06であり、カプロラクトンによる修飾基である(−CO(CH2)5OH)基による修飾度は0.02であった。
(1)PEGのTEMPO酸化によるPEG‐カルボン酸の調製
ポリエチレングリコール(PEG)(分子量10万)10g、TEMPO(2,2,6,6‐テトラメチル‐1‐ピペリジニルオキシラジカル)100mg、臭化ナトリウム1gを水100mLに溶解させた。市販の次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素濃度5%)5mLを添加し、室温で10分間撹拌した。余った次亜塩素酸ナトリウムを分解させるために、エタノールを最大5mLまでの範囲で添加して反応を終了させた。
50mLの塩化メチレンを用いた抽出を3回繰り返して無機塩以外の成分を抽出した後、エバポレーターで塩化メチレンを留去し、250mLの温エタノールに溶解させてから冷凍庫(−4℃)中に一晩おいて、PEG‐カルボン酸のみを抽出させ、回収し、乾燥した。
上記調製したPEG‐カルボン酸3g及びα‐シクロデキストリン(α‐CD)12gをそれぞれ別々に用意した70℃の温水50mLに溶解させ、双方を混合し、よく振り混ぜた後、冷蔵庫(4℃)中に一晩静置した。クリーム状に析出した包接錯体を凍結乾燥して、回収した。
室温でDMF10mLにBOP試薬3g、HOBt1g、アダマンタンアミン1.4g、ジイソプロピルエチルアミン1.25mLをこの順番に溶解させた。これに上記調製した包接錯体14gを添加し、すみやかによく振り混ぜた。
スラリー状になった試料を冷蔵庫(4℃)中に一晩静置した。一晩静置した後、DMF/メタノール混合溶媒(体積比1/1)50mLを添加し、混合し、遠心分離して上澄みを捨てた。上記のDMF/メタノール混合溶液による洗浄を2回繰り返した後、更にメタノール100mLを用いた洗浄を同様の遠心分離により2回繰り返した。
得られた沈殿を真空乾燥で乾燥させた後、50mLのDMSOに溶解させ、得られた透明な溶液を700mLの水中に滴下してポリロタキサンを析出させた。析出したポリロタキサンを遠心分離で回収し、真空乾燥又は凍結乾燥させた。
上記のDMSOに溶解、水中で析出、回収、乾燥のサイクルを2回繰り返し、最終的に精製ポリロタキサンを得た。
上記調製したポリロタキサン500mgを1mol/LのNaOH水溶液50mLに溶解し、プロピレンオキシド3.83g(66mmol)を添加し、アルゴン雰囲気下、室温で一晩撹拌した。1mol/LのHCl水溶液で中和し、透析チューブにて透析した後、凍結乾燥し、回収した。
上記調製したヒドロキシプロピル化ポリロタキサン500mgにモレキュラーシーブで乾燥させたε‐カプロラクトン10mLを添加し、室温で30分間撹拌し、浸透させた。2‐エチルへキサン酸スズ0.2mLを添加し、100℃で1時間反応させた。
反応終了後、試料を50mLのトルエンに溶解させ、撹拌した450mLのヘキサン中に滴下して析出させ、回収し、乾燥して、本例の疎水性修飾ポリロタキサンを得た。
得られた疎水性修飾ポリロタキサンは、1H−NMR及びGPCで同定し、所望のポリロタキサンであることを確認した。なお、α−CDの包接量は0.61であり、カプロラクトンによる修飾基である(−CO(CH2)5OH)基による修飾度は0.02であった。
(1)PEGのTEMPO酸化によるPEG‐カルボン酸の調製
ポリエチレングリコール(PEG)(分子量5000)10g、TEMPO(2,2,6,6‐テトラメチル‐1‐ピペリジニルオキシラジカル)100mg、臭化ナトリウム1gを水100mLに溶解させた。市販の次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素濃度5%)5mLを添加し、室温で10分間撹拌した。余った次亜塩素酸ナトリウムを分解させるために、エタノールを最大5mLまでの範囲で添加して反応を終了させた。
50mLの塩化メチレンを用いた抽出を3回繰り返して無機塩以外の成分を抽出した後、エバポレーターで塩化メチレンを留去し、250mLの温エタノールに溶解させてから冷凍庫(−4℃)中に一晩おいて、PEG‐カルボン酸のみを抽出させ、回収し、乾燥した。
上記調製したPEG‐カルボン酸3g及びα‐シクロデキストリン(α‐CD)12gをそれぞれ別々に用意した70℃の温水50mLに溶解させ、双方を混合し、よく振り混ぜた後、冷蔵庫(4℃)中に一晩静置した。クリーム状に析出した包接錯体を凍結乾燥して、回収した。
上記調製した包接錯体14gをジメチルホルムアミド/ジメチルスルホキシド(DMF/DMSO)混合溶媒(体積比75/25)20mLに分散させた。
一方、室温でDMF10mLにベンゾトリアゾール‐1‐イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP試薬)3g、1‐ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)1g、アダマンタンアミン1.4g、ジイソプロピルエチルアミン1.25mLをこの順番に溶解させた。この溶液を上記調製した分散液に添加し、すみやかによく振り混ぜた。
スラリー状になった試料を冷蔵庫(4℃)中に一晩静置した。一晩静置した後、DMF/メタノール混合溶媒(体積比1/1)50mLを添加し、混合し、遠心分離して、上澄みを捨てた。上記のDMF/メタノール混合溶液による洗浄を2回繰り返した後、更にメタノール100mLを用いた洗浄を同様の遠心分離により2回繰り返した。
得られた沈殿を真空乾燥で乾燥させた後、50mLのDMSOに溶解させ、得られた透明な溶液を700mLの水中に滴下してポリロタキサンを析出させた。析出したポリロタキサンを遠心分離で回収し、真空乾燥又は凍結乾燥させた。
上記のDMSOに溶解、水中で析出、回収、乾燥のサイクルを2回繰り返し、最終的に精製した本例のポリロタキサンを得た。
得られたポリロタキサンは、1H−NMR及びGPCで同定し、所望のポリロタキサンであることを確認した。なお、α−CDの包接量は0.06であった。
(1)PEGのTEMPO酸化によるPEG‐カルボン酸の調製
ポリエチレングリコール(PEG)(分子量5000)10g、TEMPO(2,2,6,6‐テトラメチル‐1‐ピペリジニルオキシラジカル)100mg、臭化ナトリウム1gを水100mLに溶解させた。市販の次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素濃度5%)5mLを添加し、室温で10分間撹拌した。余った次亜塩素酸ナトリウムを分解させるために、エタノールを最大5mLまでの範囲で添加して反応を終了させた。
50mLの塩化メチレンを用いた抽出を3回繰り返して無機塩以外の成分を抽出した後、エバポレーターで塩化メチレンを留去し、250mLの温エタノールに溶解させてから冷凍庫(−4℃)中に一晩おいて、PEG‐カルボン酸のみを抽出させ、回収し、乾燥した。
上記調製したPEG‐カルボン酸3g及びα‐シクロデキストリン(α‐CD)12gをそれぞれ別々に用意した70℃の温水50mLに溶解させ、双方を混合し、よく振り混ぜた後、冷蔵庫(4℃)中に一晩静置した。クリーム状に析出した包接錯体を凍結乾燥して、回収した。
室温でDMF10mLにBOP試薬3g、HOBt1g、アダマンタンアミン1.4g、ジイソプロピルエチルアミン1.25mLをこの順番に溶解させた。これに上記調製した包接錯体14gを添加し、すみやかによく振り混ぜた。
スラリー状になった試料を冷蔵庫(4℃)中に一晩静置した。一晩静置した後、DMF/メタノール混合溶媒(体積比1/1)50mLを添加し、混合し、遠心分離して上澄みを捨てた。上記のDMF/メタノール混合溶液による洗浄を2回繰り返した後、更にメタノール100mLを用いた洗浄を同様の遠心分離により2回繰り返した。
得られた沈殿を真空乾燥で乾燥させた後、50mLのDMSOに溶解させ、得られた透明な溶液を700mLの水中に滴下してポリロタキサンを析出させた。析出したポリロタキサンを遠心分離で回収し、真空乾燥又は凍結乾燥させた。
上記のDMSOに溶解、水中で析出、回収、乾燥のサイクルを2回繰り返し、最終的に精製した本例のポリロタキサンを得た。
得られたポリロタキサンは、1H−NMR及びGPCで同定し、所望のポリロタキサンであることを確認した。なお、α−CDの包接量は0.61であった。
(1)PEGのTEMPO酸化によるPEG‐カルボン酸の調製
ポリエチレングリコール(PEG)(分子量10万)10g、TEMPO(2,2,6,6‐テトラメチル‐1‐ピペリジニルオキシラジカル)100mg、臭化ナトリウム1gを水100mLに溶解させた。市販の次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素濃度5%)5mLを添加し、室温で10分間撹拌した。余った次亜塩素酸ナトリウムを分解させるために、エタノールを最大5mLまでの範囲で添加して反応を終了させた。
50mLの塩化メチレンを用いた抽出を3回繰り返して無機塩以外の成分を抽出した後、エバポレーターで塩化メチレンを留去し、250mLの温エタノールに溶解させてから冷凍庫(−4℃)中に一晩おいて、PEG‐カルボン酸のみを抽出させ、回収し、乾燥した。
上記調製したPEG‐カルボン酸3g及びα‐シクロデキストリン(α‐CD)12gをそれぞれ別々に用意した70℃の温水50mLに溶解させ、双方を混合し、よく振り混ぜた後、冷蔵庫(4℃)中に一晩静置した。クリーム状に析出した包接錯体を凍結乾燥して、回収した。
上記調製した包接錯体14gをジメチルホルムアミド/ジメチルスルホキシド(DMF/DMSO)混合溶媒(体積比75/25)20mLに分散させた。
一方、室温でDMF10mLにベンゾトリアゾール‐1‐イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP試薬)3g、1‐ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)1g、アダマンタンアミン1.4g、ジイソプロピルエチルアミン1.25mLをこの順番に溶解させた。この溶液を上記調製した分散液に添加し、すみやかによく振り混ぜた。
スラリー状になった試料を冷蔵庫(4℃)中に一晩静置した。一晩静置した後、DMF/メタノール混合溶媒(体積比1/1)50mLを添加し、混合し、遠心分離して、上澄みを捨てた。上記のDMF/メタノール混合溶液による洗浄を2回繰り返した後、更にメタノール100mLを用いた洗浄を同様の遠心分離により2回繰り返した。
得られた沈殿を真空乾燥で乾燥させた後、50mLのDMSOに溶解させ、得られた透明な溶液を700mLの水中に滴下してポリロタキサンを析出させた。析出したポリロタキサンを遠心分離で回収し、真空乾燥又は凍結乾燥させた。
上記のDMSOに溶解、水中で析出、回収、乾燥のサイクルを2回繰り返し、最終的に精製した本例のポリロタキサンを得た。
得られたポリロタキサンは、1H−NMR及びGPCで同定し、所望のポリロタキサンであることを確認した。なお、α−CDの包接量は0.06であった。
(1)PEGのTEMPO酸化によるPEG‐カルボン酸の調製
ポリエチレングリコール(PEG)(分子量10万)10g、TEMPO(2,2,6,6‐テトラメチル‐1‐ピペリジニルオキシラジカル)100mg、臭化ナトリウム1gを水100mLに溶解させた。市販の次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素濃度5%)5mLを添加し、室温で10分間撹拌した。余った次亜塩素酸ナトリウムを分解させるために、エタノールを最大5mLまでの範囲で添加して反応を終了させた。
50mLの塩化メチレンを用いた抽出を3回繰り返して無機塩以外の成分を抽出した後、エバポレーターで塩化メチレンを留去し、250mLの温エタノールに溶解させてから冷凍庫(−4℃)中に一晩おいて、PEG‐カルボン酸のみを抽出させ、回収し、乾燥した。
上記調製したPEG‐カルボン酸3g及びα‐シクロデキストリン(α‐CD)12gをそれぞれ別々に用意した70℃の温水50mLに溶解させ、双方を混合し、よく振り混ぜた後、冷蔵庫(4℃)中に一晩静置した。クリーム状に析出した包接錯体を凍結乾燥して、回収した。
室温でDMF10mLにBOP試薬3g、HOBt1g、アダマンタンアミン1.4g、ジイソプロピルエチルアミン1.25mLをこの順番に溶解させた。これに上記調製した包接錯体14gを添加し、すみやかによく振り混ぜた。
スラリー状になった試料を冷蔵庫(4℃)中に一晩静置した。一晩静置した後、DMF/メタノール混合溶媒(体積比1/1)50mLを添加し、混合し、遠心分離して上澄みを捨てた。上記のDMF/メタノール混合溶液による洗浄を2回繰り返した後、更にメタノール100mLを用いた洗浄を同様の遠心分離により2回繰り返した。
得られた沈殿を真空乾燥で乾燥させた後、50mLのDMSOに溶解させ、得られた透明な溶液を700mLの水中に滴下してポリロタキサンを析出させた。析出したポリロタキサンを遠心分離で回収し、真空乾燥又は凍結乾燥させた。
上記のDMSOに溶解、水中で析出、回収、乾燥のサイクルを2回繰り返し、最終的に精製した本例のポリロタキサンを得た。
得られたポリロタキサンは、1H−NMR及びGPCで同定し、所望のポリロタキサンであることを確認した。なお、α−CDの包接量は0.61であった。
上記各例の疎水性修飾ポリロタキサン及びポリロタキサンの特徴を表1に示す。
(溶解度試験)
上記各例の疎水性修飾ポリロタキサン及びポリロタキサンの有機溶剤への溶解性を下記の条件下で試験した。得られた結果を表1に併記する。
なお、表1中の「○」は、透明、且つ固形分なしを、「×」は透明だが、固形物ありを意味する。
50℃に加温した有機溶剤(トルエン、酢酸エチル)に、徐々に添加して溶解性を確認した。
よって、実施例1〜4の疎水性修飾ポリロタキサンは、有機溶剤に可溶な塗膜ポリマーを用いる塗料、接着剤及び油脂などへ適用可能なものである。
3、3’ ポリマー
5 疎水性修飾ポリロタキサン
6 直鎖状分子
7 環状分子(シクロデキストリン)
7a カプロラクトンによる修飾基である(−CO(CH2)5OH)基
8 封鎖基
9 架橋点
Claims (8)
- 環状分子と、この環状分子を串刺し状に包接する直鎖状分子と、この直鎖状分子の両末端に配置され上記環状分子の脱離を防止する封鎖基とを有するポリロタキサンにおいて、
上記環状分子がシクロデキストリンであり、当該シクロデキストリンの水酸基の一部または全部が修飾基で修飾され、その修飾基がカプロラクトンによる修飾基である(−CO(CH2)5OH)基であることを特徴とする疎水性修飾ポリロタキサン。 - 環状分子と、この環状分子を串刺し状に包接する直鎖状分子と、この直鎖状分子の両末端に配置され上記環状分子の脱離を防止する封鎖基とを有するポリロタキサンにおいて、
上記環状分子がシクロデキストリンであり、当該シクロデキストリンの水酸基の一部または全部が、カプロラクトンによる修飾反応を活性化する活性基となる化合物に修飾されて形成された水酸基からなる残基を有し、その残基がカプロラクトンによる修飾基である(−CO(CH2)5OH)基で修飾されたことを特徴とする疎水性修飾ポリロタキサン。 - 上記シクロデキストリンのカプロラクトンによる修飾基である(−CO(CH2)5OH)基による修飾度は、当該シクロデキストリンの水酸基が修飾され得る最大数を1とすると、0.02以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の疎水性修飾ポリロタキサン。
- 上記シクロデキストリンが、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン及びγ−シクロデキストリンから成る群より選ばれた少なくとも1種のものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の疎水性修飾ポリロタキサン。
- 上記シクロデキストリンの包接量は、上記直鎖状分子がシクロデキストリンを包接する最大量である最大包接量を1とすると、0.06〜0.61であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の疎水性修飾ポリロタキサン。
- 上記直鎖状分子がポリエチレングリコール及び/又はポリカプロラクトンであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の疎水性修飾ポリロタキサン。
- 請求項1に記載の疎水性修飾ポリロタキサンを製造するに当たり、
(1)シクロデキストリンの水酸基を修飾する際にε−カプロラクトンで修飾し、
(2)修飾されたシクロデキストリンと直鎖状分子とを混合し、シクロデキストリンの開口部を直鎖状分子で串刺し状に貫通して直鎖状分子にシクロデキストリンを包接させ、
(3)得られた擬ポリロタキサンの両末端である上記直鎖状分子の両末端を封鎖基で封鎖して、環状分子が串刺し状態から脱離しないように調整する、
ことを特徴とする疎水性修飾ポリロタキサンの製造方法。 - 請求項2に記載の疎水性修飾ポリロタキサンを製造するに当たり、
(1)シクロデキストリンと直鎖状分子とを混合し、シクロデキストリンの開口部を直鎖状分子で串刺し状に貫通して直鎖状分子にシクロデキストリンを包接させ、
(2)得られた擬ポリロタキサンの両末端である上記直鎖状分子の両末端を封鎖基で封鎖して、環状分子が串刺し状態から脱離しないように調整し、
(3)得られたポリロタキサンのシクロデキストリンの水酸基を修飾する際にカプロラクトンによる修飾反応を活性化する活性基となる化合物に修飾されて形成された水酸基からなる残基を修飾する際にε−カプロラクトンで修飾する、
ことを特徴とする疎水性修飾ポリロタキサンの製造方法。
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