次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、実施例では、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技を行なうパチンコ機を例に挙げて説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機について)
図1に示すように、実施例に係るパチンコ機10は、矩形枠状に形成されて、遊技店の図示しない設置枠台に固定される固定枠としての外枠11を備えている。また、パチンコ機10には、後述する遊技盤36(図4参照)が着脱可能に保持される本体枠としての中枠12が、外枠11の開口前面側に開閉および着脱可能に組み付けられている。更に、パチンコ機10では、遊技盤36の裏側に対して、各種図柄を変動表示可能な図柄表示装置13が着脱し得るよう配設されている(図5参照)。中枠12の前面側には、遊技盤36を透視保護するガラス板14aを備えた装飾枠としての前枠14が開閉可能に組付けられると共に、前枠14の下方にパチンコ球(遊技球)を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組付けられる(図1参照)。なお、実施例では、前枠14の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿16が一体的に組付けられており、前枠14の開閉に合わせて上球受け皿16も一体的に開閉するよう構成される。
(中枠について)
図3に示すように、前記中枠12は、上縁をなす上枠部材17と、下縁をなし、スピーカ33や打球発射装置34、操作ハンドル35等が設置された下枠部材18と、左側縁をなす左枠部材19と、右側縁をなす右枠部材20とから構成されている。中枠12は、上下左右の枠部材17,18,19,20を組付けた際に、全体が外枠11の開口に整合する矩形枠状に形成される。そして、上下左右の枠部材を組付けた際に前後に開口する開口部分が、遊技盤36を設置する遊技盤保持部22として機能する。ここで、中枠12は、外枠11の左上端部および左下端部に設けられた支軸(図示せず)を介して枢支され、左側端部を中心として中枠12を回転させることで、外枠11に対して中枠12を開閉し得るようになっている。
図3に示すように、左枠部材19の開口内側(遊技盤保持部22側)には、上下に離間する位置に、遊技盤36の左側端部を回転および着脱可能に保持する回転保持具23,23が複数設けられている。また、上下の枠部材における右端部(右枠部材20側)には、固定位置および固定解除位置に回転可能な固定具24,24が夫々設けられており、該固定具24,24により遊技盤36の右側上下端部を中枠12に固定し得るようになっている。パチンコ機10では、遊技盤36の左側端部を回転保持具23,23で保持した状態で、遊技盤36の右側端部を押し込んで遊技盤36の左側端部(回転保持具23,23)を中心に回動させて遊技盤36の全体を遊技盤保持部22に臨ませて、固定具24,24を固定位置に回転変位させて遊技盤36の右側上下端部が支持固定される。このように、遊技盤36は、その周縁部の裏面が前記上下および左の各枠部材17,18,19,20に当接支持された状態で、回転保持具23,23および固定具24,24で対応箇所の前面が当接支持されて、前後方向の移動が規制される。そして、この状態の遊技盤36の前面(後述する板部材38の前面)は、中枠12に組付けられている前枠14のガラス板14aに対して予め設定された距離だけ離間する位置に臨むよう構成されている。
図3に示すように、前記上枠部材17の裏側には、設置枠台等に設けられた外部球供給設備から供給されるパチンコ球を貯留する球タンク25が、上枠部材17の左右幅の略全幅に亘って設けられている。この球タンク25は、遊技盤保持部22に配設された遊技盤36の裏側上部に重なるよう形成されており、遊技盤36の上下寸法を最大限大きくし得るようになっている。また、下枠部材18の裏側には、上下の球受け皿15,16に連通する球供給路および設置枠台に設けた球回収樋に連通する球排出路(何れも図示せず)が夫々形成されたセット部材26が配設されている(図2参照)。なお、球タンク25とセット部材26とは、両部材間に架設された球通路ユニット27を介して連通接続されており、該球通路ユニット27に配設された球払出し装置27aの駆動により球タンク25に供給されたパチンコ球を上下の球受け皿15,16へ給出するよう構成されている。
前記セット部材26には、図2に示すように、パチンコ機10の電源制御を行なう電源装置28、球通路ユニット27に配設した球払出し装置27aを駆動制御する払出し制御装置29、前記打球発射装置34を駆動制御する発射制御装置30、外部端末に接続されるインターフェース基板31等が配設されている。なお、これらの各装置28,29,30,31は、遊技盤36の裏側に配設される主制御装置32に配線接続され、該主制御装置32からの制御信号に基づいて所定の制御を実行するようになっている。
(遊技盤について)
図4に示すように、前記前記遊技盤36は、前面(盤面)にパチンコ球が流下可能な遊技領域37が画成される板部材38と、該板部材38の裏面に組付けられる裏ユニット39とから基本的に構成される(図6〜図10参照)。裏ユニット39には、後側に図柄表示装置13が着脱可能に配設されると共に、複数の可動演出装置100,200,300,400が配設されている(図12参照)。遊技盤36では、裏ユニット39に形成された前後に開口する裏ユニット開口部39aを介して図柄表示装置13の表示面を前面側から視認し得るよう構成されている。なお、板部材38は、合板等の木製で平板状に形成されている。裏ユニット開口部39aは、図13に示す如く、該裏ユニット39の上下および左右幅の大部分が開口する大型の開口部分であって、この裏ユニット開口部39aの内側に図柄表示装置13による図柄変動ゲームが行われる表示部40が設けられる。そして、裏ユニット39には、裏ユニット開口部39aの周囲に可動演出装置100,200,300,400が配設されている。なお、実施例の板部材38は、一定の厚み寸法(10mm)の平板状に形成される。
(板部材について)
図1または図4に示すように、前記板部材38の前面には、円弧状に形成した案内レール44が配設されると共に、案内レール44の右方位置に、左端縁が右方に凹む円弧状に形成した第1盤面飾り部材45aが配設されている。そして、案内レール44および第1盤面飾り部材45aにより遊技領域37が略円形状に画成される。また、板部材38の前面には、案内レール44の左方(遊技領域37の外側)の上下位置に第2盤面飾り部材45bが夫々が配設されている。更に、板部材38の遊技領域37には、裏ユニット39に形成された裏ユニット開口部39aの前側に位置させて、前後に貫通する表示貫通口38aが形成されている(図6または図7参照)。すなわち、表示貫通口38aの内側には、表示部40が設けられる。
前記表示貫通口38aは、矩形状の板部材38において、上下方向において上側に若干偏倚した領域に開設されており、板部材38には、表示貫通口(表示開口部)38aの下側中央部に後述する入賞装置46,47が配設される入賞装置貫通口41が貫通形成されている(図11参照)。また、板部材38には、表示貫通口38aの下側に位置して、入賞装置貫通口41の左側に後述する第4発光装置470の前側および普通入賞口60aの後側に整合する左下貫通口(貫通口)42が貫通形成されている。更に、板部材38には、表示貫通口38aの下側に位置して、入賞装置貫通口41の右側に後述する普通入賞口60aの後側に整合する右下貫通口43が貫通形成されている。そして、板部材38には、表示貫通口38aに対して、後述する前後に開口する枠状の装飾枠部材(装飾部材)54が配設される。
前記板部材38には、表示貫通口38a(表示貫通口38aに嵌め合わせた装飾枠部材54)の下方位置に、遊技領域37を流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞装置46や特別入賞装置47が配設されている(図4,図6〜8参照)。また、板部材38には、特別入賞装置47の左右両側に、後述する普通入賞口60aが夫々設けられている。
図4に示す如く、前記始動入賞装置46は、板部材38の前面にネジ固定される第1取付ベース板46aの前面側に、遊技領域37を流下するパチンコ球が入賞可能な上下の始動入賞口(入賞口)46b,46cが設けられる。パチンコ機10では、始動入賞装置46の始動入賞口46b,46cへ入賞したパチンコ球が始動入賞センサ48(図17参照)で検出されることで、図柄表示装置13の表示面で図柄変動が開始されると共に、所定数(例えば5個)のパチンコ球が賞球として上下の球受け皿15,16に払い出されるようになっている。なお、下側の始動入賞口46cを挟む左右位置には、相互に近接および離間するよう揺動可能な一対の羽根部材(図示せず)が設けられている。始動入賞装置46は、第1取付ベース板46aの後面側に固定された装置本体50(図7または8参照)に設けた図示しないソレノイドにより羽根部材を揺動することで、下側の始動入賞口46cが開閉される。
前記特別入賞装置47は、板部材38の前面にネジ固定される第2取付ベース板47aに、前後に開口する横長の特別入賞口47bが開設されると共に、該第2取付ベース板47aの後面側に、該特別入賞口47bを介してパチンコ球が入賞可能な入賞空間が形成された装置本体(本体部)51(図7または図8参照)が設けられている。また、特別入賞装置47は、特別入賞口47bを開閉自在に閉成する開閉扉52を備え、この開閉扉52を装置本体51に設けた図示しないソレノイドにより開閉することで、特別入賞口47bが開閉されるようになっている。パチンコ機10では、図柄表示装置13で行なわれる図柄変動演出の結果、該図柄表示装置13に所定の図柄組み合わせ(例えば同一図柄の三つ揃い等)で図柄が停止表示されることで所謂「大当り」が発生する。これにより、パチンコ機10では、特別入賞装置47の特別入賞口47bが開放され、特別入賞口47bに入賞したパチンコ球が特別入賞センサ53(図17参照)で検出されることで、多数の賞球が上下の球受け皿15,16に払い出されるよう構成される。なお、始動入賞装置46の装置本体50および特別入賞装置47の装置本体51は、板部材38に穿設された入賞装置貫通口41を介して板部材38の後方に突出し、両装置本体50,51が裏ユニット39に装置本体50,51に対応して形成された収容部68に収容されるようになっている。
前記板部材38の前面には、装飾枠部材54の左側に臨む遊技領域37に、該遊技領域37を流下するパチンコ球が通過可能な球通過ゲート21が配設されている(図4参照)。なお、実施例の遊技盤36では、装飾枠部材の左側方に球通過ゲート21が一体的に設けられている(図14または図15)。球通過ゲート21には、該球通過ゲート21を通過するパチンコ球を検出した際に、図示しない普通図柄表示装置における普通図柄の変動表示の契機となる入球検知信号を出力する普通図柄入球検出手段(図示せず)が配設されている。この普通図柄入球検出手段は、主制御装置32に電気的に接続され、該主制御装置32は、球通過ゲート21を通過するパチンコ球を普通図柄入球検出手段が検出したことを条件として、始動入賞装置46の羽根部材を開放するか否かの抽選を行なうよう設定されている。
(装飾枠部材について)
図6または図7に示すように、前記板部材38には、表示貫通口38aに対して、前後に開口する枠状の装飾枠部材54が配設されている。装飾枠部材54は、略円形の枠状部材であって、前後に開口する窓口54aが内側に画成されている(図14参照)。また、装飾枠部材54は、表示貫通口38aの外周に対応する形状に形成されて、板部材38の前面に当接して該板部材38へのネジ止め部位となる設置片部54bと、この設置片部54bの後面に後方に突出形成されて、表示貫通口38aの内周縁に合わせて延在する嵌合片部54cと、設置片部54bの前面から前方に突出形成されて、該装飾枠部材54の上縁部から左右両縁部に亘って延在する円弧状の庇状部54dとを備えている(図14〜図16参照)。また、装飾枠部材54は、窓口54aの左側に位置する庇状部54dに、遊技領域37を流下するパチンコ球を枠内に案内する球通路部55と、窓口54aの下側に位置する下辺部に設けられ、球通路部55を介して枠内に取込まれたパチンコ球を左右に転動可能なステージ56とを備えている。装飾枠部材54は、嵌合片部54cを表示貫通口38aに挿入して設置片部54bを介してネジ止めすることで取り付けられ、窓口54aが裏ユニット開口部39aに整合して図柄表示装置13の表示面で展開される図柄変動演出を前側から視認し得るようになっている。すなわち、遊技盤36では、裏ユニット開口部39aおよび窓口54aの内側に表示部40が画成される。
前記装飾枠部材54は、嵌合片部54cが表示貫通口38aに嵌合することで、遊技盤面に沿う上下左右方向の移動が規制されており(図9または図10参照)、庇状部54dによって遊技領域37に打ち出されたパチンコ球が窓口54aを横切って流下するのを規制している。また、装飾枠部材54は、ステージ56から遊技領域37にパチンコ球を排出する排出通口56aが始動入賞口46b,46cの上方に配置されて(図4参照)、排出通口56aから排出されたパチンコ球が、始動入賞口46b,46c、特別入賞装置47の特別入賞口47bまたは普通入賞口60a等に入賞可能に構成される。装飾枠部材54には、右下部の一部領域を覆って装飾被覆部57が、設置片部54b間に設けられている。装飾被覆部57は、裏ユニット39の右下部に設けられる第1発光装置170の前側に位置するよう配置され(図10参照)、該装飾被覆部57に所要形状で開設された開口部を覆う光透過カバー57aが第1発光装置170により発光演出されるようになっている。なお、光透過カバー57aは、光透過性を有して光拡散処理が施された部材であって、パチンコ機10のモチーフに合わせて形成された開口部(実施例では文字形状を含んでいる)を覆うように装飾被覆部57の後側から取り付けられている。
ここで、本願で云う光拡散処理とは、例えば光透過性を有する部材の表面に凹凸を形成するような表面加工や、光反射性を有する微粒子を含有する光拡散インクを種々の濃度分布で光透過性を有する部材の表面に印刷または塗布等する加工や、部材を構成する樹脂自体に光反射性を有する微粒子を分散させる例えばラメ加工や、透過する光の屈折率を変える加工等を指し、1つの加工だけであっても、複数の加工を組み合わせてもよい。なお、表面加工の具体例としては、溝加工、ダイヤモンドカット加工、シボ加工、ブラスト加工などが挙げられ、光の屈折率を変える加工としては、部材の表面に該部材と屈折率が異なる微細な凹凸を設けたシートレンズの如きものが挙げられる。
前記装飾枠部材54は、嵌合片部54cの後側に突出する嵌合部としての突片58を複数(実施例では4ヶ所)備えている。嵌合片部54cは、表示貫通口38aの内側に整合する装飾枠部材54の内周部分であって、板部材38の厚みと略同一に設定された嵌合片部54cの後面から後方に突出する突片58は、装飾枠部材54を板部材38に取り付けた際に、板部材38の後面から突出している。ここで、突片58は、環状に延在する嵌合片部54cにおいて、第1可動演出装置100に対応する右下部分と、第2可動演出装置200に対応する右上部分と、第3可動演出装置300に対応する左上部分とに設けられている。そして、各突片58は、対応の可動演出装置100,200,300のカバー部材110,210,210に設けられた位置合わせ部としての孔部115,214,302c,310dに夫々挿入される。これにより、各可動演出装置100,200,300は、板部材38の表示貫通口38aに嵌合片部54cが嵌合することで位置決めされた装飾枠部材54を介して板部材38または装飾枠部材54に対して位置決めされる。
(普通入賞口について)
前記板部材38には、装飾枠部材54の下方位置に、特別入賞装置47を挟む左右両側に普通入賞口60aが夫々設けられている。実施例では、図4に示す如く、特別入賞装置47を挟む左側および右側の夫々に、2つの普通入賞口60a,60aが、階段状となるよう上下および左右に離間して設けられている。そして、パチンコ機10では、普通入賞口60aに入賞したパチンコ球を、裏ユニット39の球通路80,81に設けた普通入賞センサ88(図5または図17参照)が検出することで、所定数(例えば10個)の賞球が上下の球受け皿15,16に払い出されるようになっている。
前記特別入賞装置47の左側に設けられる普通入賞口60aは、前面側に所要の装飾が施されて板部材38に配設される左装飾体61に形成されている。この左装飾体61は、図4に示す如く、案内レール44の内側に沿って延在する大型の部品であって、板部材38の対応する位置に形成された左下貫通口42を塞ぐように前面にネジ止めされている。2つの普通入賞口60a,60aは、左装飾体61の下部側において上下2段で形成されており、各左普通入賞口60aに対応して左装飾体61の裏面に突設された樋部62(図7または図11参照)が左下貫通口42に挿通されている。そして、各左普通入賞口60aは、裏ユニット39に形成されている左球通路80に樋部62を介して連通するよう構成される。
前記左装飾体61では、2つの左普通入賞口60a,60bの下側に形成された開口部が、光透過性を有する発光用装飾部品63で覆われている。この発光用装飾部品63は、板部材38の左下貫通口42内に臨んで配置される第4発光装置470からの光が透過することで、左側の普通入賞口60a,60aの下側を発光により装飾し得るよう構成してある。また、左装飾体61における上側に位置する普通入賞口60aより上側の部分には、裏側からの光を透過可能な光透過部61aが設けられ、該光透過部61aの後方に臨む第4発光装置470の発光により遊技領域37を装飾し得るようになっている。
前記特別入賞装置47の右側に設けられる普通入賞口60a,60aは、前面側に所要の装飾が施されて板部材38に配設される右装飾体64に形成されている(図6参照)。右装飾体64は、図4に示す如く、案内レール44の内側に沿って延在し、左装飾体61より小型の部品であって、板部材38の対応する位置に形成された右下貫通口43を塞ぐように板部材38の前面にネジ止めされている。2つの右普通入賞口60a,60aは、右装飾体64に上下2段で形成されており、各右普通入賞口60aに対応して右装飾体64の裏面に突設された樋部65(図7または図11参照)が、右下貫通口43に挿通されている。そして、各右普通入賞口60a,60bは、裏ユニット39に形成されている右球通路81に樋部62を介して連通するよう構成される。なお、実施例では、左装飾体61に形成される2つの普通入賞口60a,60aと、右装飾体64に形成される2つの普通入賞口60a,60aとは、特別入賞装置47を挟んで対称となる位置に設けられている。
前記右装飾体64は、2つの右普通入賞口60a,60aの下側に臨む位置に開設された開口部を有し、この開口部が光透過性を有する発光用装飾部品63で覆われている。この発光用装飾部品63は、板部材38の右下貫通口43に臨んで、右下発光装置72からの光が透過することで、右普通入賞口60a,60aの下側を発光により装飾し得るよう構成してある。
前記遊技盤36には、遊技領域37の最下部、すなわち特別入賞装置47の下側には、始動入賞口46b,46c、特別入賞口47bおよび各普通入賞口60aに入賞することなく流下したパチンコ球を機裏側に排出するアウト口66が形成されている。
前記遊技盤36(裏ユニット39)の裏面に着脱可能に配設される図柄表示装置13の裏面には、図2または図5に示す如く、該図柄表示装置13の表示を制御する演出表示制御装置78が配設されている。また、図柄表示装置13の裏面には、後述する可動演出装置100,200,300,400を可動制御したり、各種発光装置72,170,228,229,243,270,329,370,470を発光制御したり、スピーカ33の効果音出力制御等を行なう統括制御装置79が、演出表示制御装置78に隣接して配設されている。パチンコ機10では、制御装置同士または制御装置と遊技部品である可動演出装置100,200,300,400、発光装置72,170,228,229,243,270,329,370,470、図柄表示装置13、スピーカ33、始動入賞センサ48、特別入賞センサ53および普通入賞センサ88等が配線または後述する中継基板83,84,85(図5参照)を介して電気的に接続される。
前記主制御装置32には、始動入賞口46b,46cに入賞したパチンコ球を検出した始動入賞センサ48からの検出信号や、特別入賞口47bに入賞したパチンコ球を検出した特別入賞センサ53からの検出信号や、普通入賞口60aに入賞したパチンコ球を検出した普通入賞センサ88からの検出信号が入力される。主制御装置32は、制御動作を所定の手順で実行することができる主制御用CPU、主制御用CPUの制御プログラムを格納する主制御用ROMおよび必要なデータの書き込みおよび読み出しができる主制御用RAM等の電子部品(何れも図示せず)を備えている。
前記主制御装置32は、大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数や変動パターン振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を主制御用RAMの設定領域に記憶(設定)することで更新前の値を書き換えており、乱数更新処理(乱数生成処理)を実行するようになっている。例えば、主制御装置32では、始動入賞センサ48から検出信号が入力されると、主制御用CPUが主制御用ROMから大当り判定用乱数を取得し、この大当り判定用乱数と主制御用RAMの大当り判定値とを比較し、大当りとするか否かの大当り抽選(大当り判定)を行なう。また主制御装置32では、前記大当り判定の結果が大当りの場合には、大当り演出のみが含まれる変動パターンテーブルから大当り演出を決定する。これに対して、前記大当り判定の結果がはずれの場合には、はずれ演出のみが含まれる変動パターンテーブルからはずれ演出を決定する。大当り演出およびはずれ演出の決定は、前記大当り判定と同様に、主制御用CPUが主制御用ROMから取得した乱数により行なう。なお、変動パターンテーブルから決定される大当り演出およびはずれ演出の変動パターンは、少なくとも図柄変動ゲームの変動時間および演出内容を特定するものである。そして、パチンコ機10では、主制御装置32の抽選結果に応じて出力された統括制御装置79の制御信号に基づいて、演出表示制御装置78が図柄表示装置13に所定の演出表示を行なわせると共に、主制御装置32の制御により出力された払出し制御装置29の制御信号に基づいて、球払出し装置27aによって所定数の賞球が払い出される。また、パチンコ機10では、統括制御装置79の制御信号に基づいて、可動演出装置100,200,300,400を作動させたり、各発光装置72,170,228,229,243,270,329,370,470を発光させたり、スピーカ33から効果音を出力するようになっている。
(裏ユニットについて)
図12または図13に示す如く、前記裏ユニット39は、合成樹脂材から形成されて前側に開口する箱枠状の箱状本体67を有し、該箱状本体67の略中央位置に裏ユニット開口部39aが開設されている。箱状本体67の下および左右の3辺の前端には、外方または内方に向けて板部材38と平行に延在する複数のフランジ部67aが夫々形成されている。裏ユニット39は、箱状本体67の下および左右のフランジ部67aを板部材38の後面に当接させた状態で該板部材38に取付けられて、板部材38の後面と箱状本体67の後壁部分前面との間に所要の設置空間を画成するよう構成してある。そして、板部材38と箱状本体67との間に画成される設置空間に、複数の可動演出装置100,200,300,400が配置されて、遊技盤36を装飾するようになっている。
(可動演出装置について)
実施例の遊技盤36には、4つの可動演出装置100,200,300,400が裏ユニット39に配設されている。各可動演出装置100,200,300,400は、可動体120,220,320,420とこの可動体120,220,320,420を動かす駆動部150,250,350,450を有し、駆動部150,250,350,450が設けられる装置本体部が裏ユニット39において表示部40の外側に配設される。各可動演出装置100,200,300,400は、可動体120,220,320,420が表示部40の前側に位置する動作位置とこの動作位置から表示部40の外側に向けて移動した待機位置との間で往復移動可能に構成され(図18参照)、可動体120,220,320,420による演出動作を行わない停止時に可動体120,220,320,420が待機位置で保持されるようになっている(図12参照)。ここで、遊技盤36には、表示部40の右下側に装置本体部を取り付けて第1可動演出装置100が設けられ、表示部40の右上側に装置本体部を取り付けて第2可動演出装置200が設けられ、表示部40の左側に装置本体部を取り付けて第3可動演出装置300が設けられ、表示部40の左下側に装置本体部を取り付けて第4可動演出装置400が設けられている(図12参照)。
前記遊技盤36では、第1可動演出装置100の第1可動体120が表示部40の下側に位置する待機位置から上方に変位し、第2可動演出装置200の第2可動体220が表示部40の右横側に位置する待機位置から左方に変位し、第3可動演出装置300の第3可動体320が表示部40の上側に位置する待機位置から下方に変位し、第4可動演出装置400の第4可動体420が表示部40の下側に位置する待機位置から上方に変位するよう構成される。なお、遊技盤36は、第1および第4可動演出装置100,400を裏ユニット39に取付けた際に、装置本体部の前面が箱状本体67の前端(フランジ部67aの前面)と同一位置に臨むよう設定されて、板部材38に裏ユニット39を取り付けた際に、これらの装置本体部の前面が板部材38の後面に当接するよう構成される。
(第1可動演出装置)
図12に示すように、前記第1可動演出装置100は、裏ユニット39における裏ユニット開口部39a下側を画成する辺部(下辺部)において右側の角隅部に設置されている。図19〜図28に示すように、第1可動演出装置100は、該第1可動演出装置100を構成する部材の設置基盤となる第1ベース部材(ベース部材)102と、所定の演出動作を行う第1可動体(可動体)120と、この第1可動体120を往復動させる第1駆動部(駆動部)150と、第1ベース部材102の前側を覆う第1カバー部材110とから基本的に構成される。第1可動演出装置100では、第1ベース部材102と第1カバー部材110とから第1駆動部150が設けられる装置本体部が構成され、内部に部材の収容空間を有するケース状の装置本体部単位で第1可動体120および第1駆動部150を含めて裏ユニット39に対して一体的に着脱可能なユニット構造になっている。また、第1可動演出装置100は、第1ベース部材102が裏ユニット39の下辺部と右辺部とが交わる角隅部に合わせて形成されて、装置本体部が表示部40の外側に配置されると共に、装置本体部の左側部(中央側)から第1可動体120の意匠部分が外方に臨んでいる。そして、第1可動演出装置100では、裏ユニット39の下辺部の前側に位置して表示部40の外側に退避している待機位置と、待機位置から上方変位して表示部40の前側に臨む動作位置との間で、第1可動体120が往復移動するようになっている(図18または図29参照)。
前記第1ベース部材102は、裏ユニット39の設置面となる後壁前面に当接する板状部分の周縁部から前方へ壁が立ち上がり、前方に開口する箱状に形成されている。また、第1ベース部材102には、左壁に可動体用凹部102aが形成されると共に、下壁に配線用凹部102bが形成されている(図22または図23参照)。なお、第1ベース部材102は、透明な合成樹脂素材から形成されている。
前記第1カバー部材110は、第1ベース部材102の前部開口を被覆可能な形状の板状部分を本体とし、左側縁に第1ベース部材102の可動体用凹部102aに対応して後方に突出形成された左壁片111を有している。なお、第1カバー部材110は、透明な合成樹脂素材から形成されている。第1カバー部材110には、第1ベース部材102の板状部分から立設されたカバー固定用ボス103(図23参照)のネジ孔に対応して通孔が開設されると共に、カバー固定用ボス103を嵌合収容可能なボス受部(図示せず)が後面に通孔110aを囲んで突設されている。第1カバー部材110は、ボス受部にカバー固定用ボス103を嵌合すると共に、通孔110aを介して前側からネジをネジ孔に螺挿することで、第1ベース部材102に対して固定される。そして、第1可動演出装置100は、第1ベース部材102に第1カバー部材110を取り付けた際に、可動体用凹部102aと左壁片111との間に第1可動体120の後述する可動本体122が挿通される可動体挿通口104が画成される(図22参照)。ここで、可動体挿通口104は、前後寸法が可動本体122の前後寸法と略同一に設定されると共に、上下寸法が可動体本体122の変位を許容し得る幅に設定され、可動体挿通口104に挿通した可動本体122の上下方向の変位を許容しつつ前後方向のぶれを抑制し得るようになっている。
前記第1ベース部材102には、裏ユニット39における第1ベース部材102の設置部位に突設されたケース固定用ボス39bに対応して(図13参照)、該ケース固定用ボス39bを嵌合収容可能なボス受部105およびケース固定用ボス39bの前端に当接するフランジ部106が設けられている(図23参照)。第1ベース部材102には、ボス受部105の内側に連通する通孔105aが開設されており(図23参照)、第1ベース部材102の通孔に合わせて第1カバー部材110にネジの頭より大径のネジ通過孔110bが開設されている(図21参照)。また、第1ベース部材102のフランジ部106にも、通孔106aが開設されている。第1カバー部材110は、第1ベース部材102のフランジ部106の前側に対応する部分が切り欠かれており、第1カバー部材110を第1ベース部材102に取り付けてもフランジ部106に対して前側からアクセス可能になっている。そして、第1可動演出装置100の装置本体部は、第1カバー部材110のネジ通過孔110bおよび第1ベース部材102の通孔105a,106aを介して前側からネジをケース固定用ボス39bに設けたネジ孔に螺挿することで、裏ユニット39に対して固定される。このように、第1可動演出装置100の装置本体部は、第1カバー部材110のネジ通過孔110bから第1ベース部材102を固定するネジにアクセス可能であり、第1可動演出装置100を構成する第1カバー部材110等の部材が第1ベース部材102に取り付けられる構成であるので、第1カバー部材110やその他の部材を取り外すことなく、裏ユニット39の前側から裏ユニット39に対して着脱することができる。
前記装置本体部には、第1可動体120に当接可能な当接部107が、該装置本体部の左側に延出する第1可動体120の意匠部分が動作位置から待機位置に向けて変位する側に設けられている(図19または図20参照)。実施例の当接部107は、第1ベース部材102において可動体用凹部102aが設けられる左壁の下部から左側(中央側)に延出するよう形成されて(図23参照)、可動体用凹部102aにより画成される可動体挿通口104から左方に延出する第1可動体120の意匠部分の下側に延在するよう構成される。すなわち、当接部107は、往復移動する第1可動体120に対して動かない固定側(遊技盤36側)に設けられ、第1可動体120の待機位置において意匠部分の下端部に上面が当接するよう設定される(図29参照)。なお、第1カバー部材110は、第1ベース部材102の当接部107の前側に整合する形状で形成されている(図19参照)。
図27または図28に示すように、前記第1可動体120は、第1ベース部材102に軸支されて、第1駆動部150によって待機位置と動作位置との間を往復動する可動本体122と、この可動本体122に対して該可動本体122の往復移動方向に往復変位可能に設けられた可動部材130とから基本的に構成されている。可動本体122は、左端部が装置本体部の外左方に位置すると共に右端部が第1ベース部材102に軸支されて、装置本体部の可動体挿通口104を通って長手が左右方向に延在するように配設されている(図23参照)。第1可動体120は、第1ベース部材102に軸支された支持部位を中心に可動本体122が往復移動するように構成され、可動本体122の往復移動につれて意匠部分が表示部40の下側(外側)に退避した待機位置とこの待機位置から上方に変位して表示部40の前側に臨む動作位置との間で往復移動される(図29参照)。
前記可動本体122の左端部前側には、上部に上部意匠部123が固定されると共に、可動部材130が上部意匠部123の下側に位置して、上部意匠部123に対して接離するよう往復変位可能に取り付けられている(図19参照)。そして、第1可動体120では、上部意匠部123と可動部材130とによって意匠部分が構成されている。第1可動体120の意匠部分は、パチンコ機10のモチーフに合わせた人型であって、上部意匠部123が人の上あごから上部分となり、可動部材130が人の下あごから下部分を構成している。すなわち、第1可動体120は、可動部材130が上部意匠部123に対して接離するように往復変位することで、人型の意匠部分の口があたかも開閉するようになっている(図29参照)。
前記第1可動体120において、可動本体122への可動部材130の取付構造について説明する。可動本体122の左端部には、該可動本体122の往復移動方向に長手が延在する2つの溝部124,124が設けられている(図21参照)。ここで、可動本体122の左端部は、右端部を中心として左右方向の変位より上下方向の変位が大きな円弧軌跡で揺動するので、待機位置にある可動本体122において溝部124の長手が上下方向におおよそ沿って延在している。2つの溝部124,124は、待機位置にある可動本体122において上下方向に離間して配置され、何れの溝部124,124も可動本体122を前後方向に貫通するよう形成されている。
これに対して、可動部材130には、2つの溝部124,124に夫々対応して取付片131が上下に離間して後面に突設されている(図28参照)。各取付片131は、溝部124の短手幅と略同一の外径で形成された丸棒状の部位であって、溝部124の長手辺に当接して該溝部124の短手方向への移動が規制されるようになっている。可動部材130は、2つの溝部124,124に対して取付片131,131を前側から夫々挿入し、溝部124,124を介して可動本体122の後側に臨む取付片131,131に対して後側から抜止片125を取り付けることで、溝部124,124の長手方向にスライド変位可能に保持される。抜止片125は、溝部124より大きな板状の部材であって、上下の端部に通孔125a,125aが形成されている。抜止片125は、取付片131のネジ孔に通孔125aを夫々合わせて後側からネジ止め固定することで、上下2つの取付片131,131の間に亘って取り付けられる。なお、可動本体122の各溝部124は、下端部(待機位置側の端部)および上端部(動作位置側の端部)が丸棒状の取付片131に合わせて半円状に形成されている(図23参照)。
前記第1可動体120では、可動部材130が該可動部材130の往復変位方向における待機位置側に向けて付勢されている。ここで、可動部材130は、前述の如く可動本体122にぶら下げられる構成であって、重力の作用下に常に下方に付勢されている。すなわち、可動部材130は、付勢手段として自重が用いられ、待機位置側となる下方(可動本体122の上部意匠部123から離間する方向)に向けて力が加わっている。
実施例の第1可動体120では、可動部材130を自重により付勢する構成であるが、ばね等の弾性部材によって上部意匠部123より離間する方向に積極的に付勢する構成も採用できる。このように、弾性部材を設ける構成であれば、第1可動体を上側の待機位置から下降して動作位置に変位したり、第1可動体を横側の待機位置から左右方向に変位する構成も採用できる。
前記第1可動演出装置100では、第1可動体120における可動部材130の下端部(待機位置側の端部)と第1ベース部材102の当接部107とが、第1可動体120の動作における所定範囲で当接するよう構成されている。具体的には、第1可動演出装置100は、第1可動体120の待機位置から可動本体122が動作位置側に前記溝部124の長手幅上昇するまでに亘って、可動部材130の下端部が当接部107の上面に当接するようになっている。そして、第1可動体120は、付勢方向前側に延在する当接部107に可動部材130が当接することで、可動本体122に対する可動部材130の付勢方向の変位が規制される。また、第1可動体120は、可動部材130が可動本体122に対して該可動本体122の往復移動方向に変位可能に取り付けてあるので、可動部材130が当接部107に当接して可動部材130の下方変位が当接部107に規制された状態において、溝部124の長手幅の範囲において可動本体122を可動部材130と独立して往復移動することができる。すなわち、第1可動体120は、可動部材130の下端部を当接部107に当接したもとで可動本体122を往復動することで、可動部材130を停止したまま可動本体122を独立して変位できるようになっている。
前記第1可動体120は、待機位置において可動部材130と当接部107との当接下に溝部124の上端部(動作位置側の端部)に取付片131が位置して、上部意匠部123の下端と可動部材130の上端とが当接するよう構成される。このとき、第1可動体120では、人型の意匠部分の口が閉じた状態になる。また、第1可動体120は、待機位置より動作位置側に変位した可動部材130と当接部107とが当接している範囲において、可動本体122だけが上下に移動されて、上部意匠部123の下端が可動部材130の上端から離間した状態で上部意匠部123が可動部材130に対して接離するようになっている。すなわち、第1可動体120では、開いた状態にある意匠部分の口が開閉するような演出動作を行うことができる。
一方、第1可動体120は、可動部材130が当接部107から離間すると、溝部124の下端部に取付片131が係止されて、可動本体122の往復移動につれて可動部材130が一体的に変位されるようになっている。すなわち、第1可動体120は、可動部材130が当接部107より離れた動作範囲において、可動本体122の上下移動につれて可動部材130が一体的に上下変位されて、上部意匠部123の下端と可動部材130の上端との離間幅が最大になっている。このとき、第1可動体120は、人型の意匠部分の口が大きく開いた状態になっている。
前記第1駆動部150は、第1モータ(モータ)152と、この第1モータ152および可動本体122を連繋して、第1モータ152の回転を可動本体122の揺動動作に変換する第1伝達部126,153,154,155とから構成されている(図25または図26参照)。実施例では、第1モータ152として、サブ統括制御装置の制御下に駆動または駆動停止されるステッピングモータが用いられている。第1モータ152は、第1ベース部材102の後面に取り付けられ(図20参照)、裏ユニットの下辺部に開設されたモータ挿通口39c(図13参照)に挿通されて裏ユニット39の後側に臨んでいる(図5参照)。第1ベース部材102の後面には、第1モータ152の外形に合わせてモータ用位置決め片108が突設され、このモータ用位置決め片108の内側に第1モータ152が出力軸152aを前側に臨ませた状態で嵌合されている。
前記第1伝達部は、第1モータ152の出力軸152aに固定された駆動歯車153と、第1ベース部材102の前側に回転可能に軸支され、駆動歯車153にかみ合う従動歯車(回転板)154と、この従動歯車154の前側に突設された伝達軸155とを備えている(図23および図25参照)。伝達軸155は、丸棒状に形成されると共に、従動歯車154の回転中心から偏心した位置(偏心位置)に設けられている。伝達軸155は、可動本体122の右端部下側(軸支部位側)に開設された伝達溝126に後側から挿入されている(図23参照)。第1可動演出装置100では、おおよそ矩形状の第1ベース部材において左下部分に第1モータ152が配置されて、第1ベース部材102の中央部に従動歯車154が軸支されている。また、可動本体122は、第1ベース部材102の右上側に偏倚した部分に右端部上側が軸支されており、該可動本体122の支持部位と駆動歯車153の回転中心とを結んだライン上に従動歯車154の回転中心が配置されている。すなわち、可動本体122において装置本体部の内側に位置する右端部下側は、従動歯車154の前側に配置されており、伝達溝126に挿入された伝達軸155が従動歯車154の回転につれて変位することで、伝達溝126と伝達軸155との係合下に可動本体122が揺動するようになっている。
前記第1可動演出装置100では、第1モータ152の同一方向への回転が第1伝達部153,154,155により第1可動体120の可動本体122の揺動運動に変換される。ここで、第1可動演出装置100は、従動歯車154の一回転で第1可動体120が待機位置から動作位置まで上昇し、動作位置から待機位置まで下降するようになっている。
前記第1可動演出装置100は、第1可動体120の位置を判定する第1検知手段としての第1フォトセンサ160を備えている(図26参照)。第1フォトセンサ160は、統括制御装置79に電気的に接続され、この第1フォトセンサ160の信号が統括制御装置79に入力されるようになっている。第1フォトセンサ160は、従動歯車154の後側に位置して第1ベース部材102に設置された検知基板161に設けられている(図23または図25参照)。また、第1可動演出装置100では、従動歯車154の後面(伝達軸155の形成面と反対側の面)に設けられた第1検知片156が、第1フォトセンサ160における対向する検知部の間を通過するよう配置されている。第1検知片156は、一部領域を切り欠いた環状に形成されている。第1フォトセンサ160は、第1検知片156の有無により第1可動体120の位置を判定し、実施例では、第1検知片156の切欠部分中央が第1可動体120の待機位置に対応するように設定されている。
前記第1可動演出装置100は、第1可動体120の動作時(第1モータ152の駆動時)に第1フォトセンサ160による検知状態にある第1検知片156が非検知状態に移行してから所定時間経過して第1モータ152を停止するように、統括制御装置79によって制御される。そして、第1可動体120は、第1モータ152を停止するタイミングで取付片131が溝部124の上端部(動作位置側の端部)に当接するよう構成される。第1可動演出装置100は、第1モータ152としてステッピングモータが採用されているので、第1モータ152に与えるパルス信号の制御によって第1モータ152の回転角度(ステップ)を決めることができる。すなわち、実施例の第1可動演出装置100では、第1モータ152の駆動時に第1フォトセンサ160が第1検知片156の検知状態から非検知状態に移行してから所定のステップ(実施例では8ステップ)だけ進む時間だけ遅延させて第1モータ152を停止することで、第1フォトセンサ160の検知部間に第1検知片156の切欠部分中央が位置するようになっている。すなわち、実施例では、第1検知片156の切欠部分が第1モータ152の16ステップ分の回転角度に対応する幅で形成されている。
前記第1ベース部材102は、前面に突設された配線区画壁109を有している(図23参照)。第1ベース部材102には、右壁と第1伝達部(駆動歯車153および従動歯車154)との間に形成された配線区画壁109によって、第1伝達部153,154および可動本体122の動作スペースと区切られて、装置本体部の下部に開口する配線用凹部102bに連通する配線スペースが右側部分に設けられている。すなわち、検知基板161の前面右側に設けられて右側に開口が臨むソケット162に接続する配線は、前記配線スペースを通って配線用凹部102bを介して装置本体部の外側に引き出され、裏ユニット39の後面下右側に設置された右下中継基板83に接続されている。これにより、配線は、装置本体部の内部において第1伝達部153,154および可動本体122に干渉することなく配設することができ、配線の噛み込みによる第1可動体120の動作不良や断線等の不具合を回避し得る。なお、配線区画壁109の前端には、右壁に向けて突出形成された配線保持片109aが設けられ、配線スペースを通る配線が前側に抜け出さないように保持している(図23参照)。
前記第1可動演出装置100は、第1カバー部材110の前側に第1発光装置170を備えている。第1発光装置170は、発光体としてのLEDを備えた第1発光基板171からなり、装飾枠部材54の装飾被覆部57の後側に配置されている。すなわち、第1発光装置170は、統括制御装置79の制御下にLEDから光を照射することで、光透過カバー57aを明輝させて、第1可動体120の演出動作と合わせてまたは独立して発光による演出も行い得るようになっている。第1発光基板171は、該第1発光基板171の外形におおよそ整合する形状で第1カバー部材110の前面に設けられた基板支持片112(図21参照)に支持されて、第1カバー部材110の前面から離して設置されている。第1カバー部材110には、基板支持片112の内側にカバー取付用ボス113が複数突設されている。第1発光基板171の前側には、透明な合成樹脂素材からなるトレイ形状の第1基板カバー(基板カバー)114が取り付けられる。ここで、第1基板カバー114は、第1発光基板171に嵌合すると共に、第1発光基板171に開設された通孔を介して該第1発光基板171の前側に臨むカバー取付用ボス113のネジ孔に対してネジ止め固定される。なお、基板支持片112は、下部の一部が切り欠かれており、第1発光基板171の後面に設けられたソケットおよび右下中継基板83に接続する配線が当該切欠部分を介して配設される。
前記第1基板カバー114は、装飾枠部材54における装飾被覆部57を囲う嵌合片部54cの右下部分に整合する形状に形成されて、裏ユニット39を板部材38に取り付けることで、第1基板カバー114が嵌合片部54cの内側に嵌合するよう構成される。すなわち、第1可動演出装置100は、装飾枠部材54の嵌合部として機能する嵌合片部54cと、位置合わせ部として機能する第1基板カバー114との嵌合下に、板部材38に対して位置決めされるようになっている。また、第1カバー部材110には、位置合わせ部としての孔部115が基板支持片112の下側に設けられ、裏ユニット39を板部材38に取り付けることで、装飾枠部材54の嵌合片部54cから後方に突設された嵌合部としての突片58が挿入されて、孔部115と突片58との嵌合下に第1可動演出装置100が板部材38に対して位置決めされる。
前記第1可動演出装置100は、通常状態において第1可動体120が待機位置にあり、表示部40で行われる図柄表示ゲームに連動してまたは独立して、第1可動体120が待機位置と動作位置との間で往復動される。具体的には、第1可動演出装置100は、第1モータ152が駆動されて第1伝達部126,153,154,155を介して可動本体122が上方へ変位される。可動本体122が動作位置に向けて上昇すると、待機位置において当接部107との当接下に可動部材130の上端に接していた上部意匠部123が、該可動部材130から離間する一方、可動部材130は、自重により可動本体122の動作にかかわらず停止したままである。更に、可動本体122が動作位置に向けて上昇して可動部材130の取付片131が溝部124の上端部に係合すると、可動部材130が可動本体122に吊り下げられて上昇する。このとき、可動本体122の上部意匠部123と可動部材130とが離間した状態にある。
前記第1可動体120は、動作位置に到来すると、動作向きが変わり待機位置に向けて下降する。第1可動体120は、可動部材130の下端部が当接部107に当接するまで可動本体122の下降につれて可動部材130が下降し、可動部材130の下端部が当接部107に当接して下方変位が規制されると、可動部材130が停止して可動本体122だけが下降する。これにより、第1可動体120では、可動部材130に対して上部意匠部123が近接する。そして、第1フォトセンサ160が第1検知片156の検知状態より非検知状態に移行してから所定のタイミングで第1モータ152を停止することで、上部意匠部123と可動部材130とが当接した状態で第1可動体120が待機位置で停止される。
前記第1可動演出装置100は、従動歯車154が1回転することで、第1フォトセンサ160に臨む第1検知片156の切欠部分が1回転して第1フォトセンサ160に再度臨み、第1可動体120が待機位置から動作位置まで変位して待機位置に戻る一往復する1サイクルの動作を行うことができる。第1可動演出装置100は、第1可動体120の動作を1サイクルだけ行う態様であっても、連続して複数サイクル行う態様の何れであってもよい。また、第1可動演出装置100は、第1モータ152を正逆駆動することで、第1可動体120を待機位置と動作位置の手前の途中位置との間で往復動したり、待機位置と動作位置との間の途中で往復動(所謂振動)することもできる。
前記第1可動演出装置100は、第1可動体120の可動部材130と当接部107との当接によって、可動部材130に対して可動本体122を独立して動作させることができる。また、第1可動体120は、可動部材130が当接部107から離れることで、可動本体122と可動部材130とを一体的に動作させることができる。すなわち、第1可動演出装置100は、可動本体122に吊り下げられた可動部材130と当接部107との接離といった簡単な構成によって、可動本体122を動作させるだけで第1可動体120の全体としての動作パターンを変えることができる。すなわち、第1可動演出装置100は、可動部材130を動作させるために、可動部材130の駆動源や動力伝達機構を必要とせず、第1駆動部150の構成を簡略にすることができ、これにより装置本体部をコンパクトにできる。このように、第1可動演出装置100は、簡単な構造で第1可動体120の意匠部分を構成する上部意匠部123と可動部材130の動作パターンを可動本体122の揺動動作の中で変えることができるので、第1可動体120による演出効果を向上できる。
前記第1可動演出装置100は、第1モータ152が停止するタイミングで溝部124の上端部に取付片131が当接する構成であるので、溝部124の上端部に取付片131が押さえ付けられることはなく、第1モータ152の過負荷を回避できる。しかも、第1可動体120は、溝部124の上端部に取付片131が当接することで、上部意匠部123と可動部材130とが当接するので、上部意匠部123と可動部材130とが過剰に押し付けられることを回避でき、また待機位置において上部意匠部123と可動部材130が離間することを悟られにくくすることができる。
(第2可動演出装置)
前記第2可動演出装置200は、図12に示すように、裏ユニット39における裏ユニット開口部39aの上側を画成する辺部(上辺部)において右側の角隅部に設置されている。図30〜図42に示すように、第2可動演出装置200は、該第2可動演出装置200を構成する部材の設置基盤となる第2ベース部材(ベース部材)202と、この第2ベース部材202に動作可能に支持されて、所定の演出動作を行う第2可動体(可動体)220と、この第2可動体220を動作させる第2駆動部(駆動部)250とを備えている。第2可動演出装置200は、第2可動体220の第2ベース部材202への支持部位を挟んで第2ベース部材202の前側に取り付けられた第2カバー部材210を備え、第2カバー部材210によって第2ベース部材202の前側が覆われている(図36または図37参照)。
前記第2可動演出装置200では、第2ベース部材202と第2カバー部材210とから第2駆動部250が設けられる装置本体部が構成され、第2カバー部材210を取り外すことで第2ベース部材単位で第2可動体220および第2駆動部250を含めて裏ユニット39に対して一体的に着脱可能なユニット構造になっている。また、第2可動演出装置200は、第2ベース部材202が裏ユニット39の上辺部と右辺部とが交わる角隅部に合わせて形成されて、装置本体部が表示部40の外側に配置されると共に、装置本体部の下側(中央側)から第2可動体220の意匠部分が外方に臨んでいる。そして、第2可動演出装置200では、裏ユニット39の右辺部の前側に位置して表示部40の外側に退避している待機位置と、待機位置から左方変位して表示部40の前側に臨む動作位置との間で、第2可動体220が往復移動するようになっている(図18または図43参照)。
前記第2ベース部材202は、透明な合成樹脂素材からなり、裏ユニット39の上辺部に当接する板状部分と、板部分より前側に立ち上がり、第2カバー部材210を板部分から離間させて支持する立ち上がり部分とが一体的に形成されている(図36または図37参照)。また、第2ベース部材202は、裏ユニット39の上辺部と右辺部とが交わる角隅部に対応して、正面視において略L字形状に形成されている(図31,図39または図40参照)。ここで、実施例の第2ベース部材202は、板状部分の上縁の一部および裏ユニット39の右辺部に対応する部位に立ち上がり部分が設けられ、板状部分における裏ユニット39の上辺部に対応する部位に、第2可動体202の支持部位および第2駆動部250の第2伝達部252,253,254が配設されている。
前記第2ベース部材202は、裏ユニット39における第2ベース部材202の設置部位に突設されたケース固定用ボス39bに対応して(図13参照)、該ケース固定用ボス39bを嵌合収容可能なボス受部202a(図40参照)を立ち上がり部分に有している。また、第2ベース部材202は、ボス受部202aの内側および板状部分に開設された通孔202bを有し、ケース固定用ボス39bをボス受部202aに嵌合したもとで、前側から通孔202bを介してケース固定用ボス39bまたは裏ユニット39の上辺部に設けられたネジ孔に螺挿することで固定される。
前記第2カバー部材210は、第2ベース部材202の前側を覆うだけでなく、裏ユニット39の上辺部中央を覆う左側部分が装飾部分(以下、上中央装飾部211という。)を構成すると共に、裏ユニット39の上辺部右側を覆う右側部分が右上装飾部280の設置部分となる。第2カバー部材210は、第2ベース部材202の立ち上がり部分右側に突設されたカバー位置決め用ボス202cに対して後面に設けた位置決め受部210a(図32参照)を嵌合させて、ケース位置決め用ボス202cの内側に設けた通孔210bを介してケース位置決め用ボス202cのネジ孔に対して前側からネジ止め固定されている。
前記第2カバー部材210の上中央装飾部211は、第3可動演出装置300における第3可動体320が待機位置にある際に、第3可動体320の後述する可動体意匠部324の後側に位置し、第3可動体320(可動体意匠部324)が動作位置に向けて変位することで、前側に露出する部位である。上中央装飾部211には、略円形の可動体意匠部324に合わせて下方に開放した円弧状の意匠体収容部211aが設けられ、待機位置にある可動体意匠部324が意匠体収容部211aに収容されて、裏ユニット39の上辺部に設けられた右上装飾部280等の装飾と一体となっている(図12参照)。そして、遊技盤36では、可動体意匠部324が動作位置に向けて変位することで、意匠体収容部211aに施された装飾が表れるので装飾態様を変えることができる。
前記第2可動体220は、第2ベース部材202および第2カバー部材210の間に変位可能に支持されて、第2駆動部250により遊技盤面に沿って往復動する可動基体222と、この可動基体222の動作側に設けられて、可動基体222に対して変位可能に支持された可動部240とから構成される(図43または図44参照)。可動部240は、駆動手段としての可動部ソレノイド256に連結する連繋部258によって揺動変位される(図36または図37参照)。ここで、可動基体222の動作側とは、該可動基体222の第2ベース部材202への支持部位から遊技盤面に沿う方向に離間した部位で、かつ可動基体222の動作により表示部40の前側に変位可能な部位をいう。実施例の可動基体222は、上端部が第2ベース部材202に支持されて、動作側が下端部側となっている。第2可動体220は、表示部40の上側に取り付けた第2ベース部材202に可動基体222の上端部が回転可能に軸支されているので、可動基体222の支持部位が表示部40の外側に位置している。
前記可動基体222は、細長い柱状の部材であって、第2ベース部材202への支持部位から可動部240が設けられる動作側に沿って長手が延在するように配設されている(図31参照)。すなわち、第2可動体220では、可動部240が可動基体222の支持部位から該可動基体222の長手方向に離間した端部に設けられている。可動基体222は、上部に前後に貫通形成された軸孔に、第2ベース部材202に固定された支持軸203を嵌め合わせて回転可能に支持されている。支持軸203は、可動基体222の前面から突出して、この突出部分が第2ベース部材202の前側に取り付けられる第2カバー部材210に形成された軸受凹部212に収容されるようになっている(図33参照)。このように、可動基体222を第2ベース部材と第2カバー部材との間で支持することで、可動基体222を安定して動作させることができる。
前記可動基体222は、第2ベース部材202への支持部位を中心として揺動するよう構成され、動作側(可動部240の取付側)が表示部40の前側に位置する動作位置と動作側(可動部240の取付側)が表示部40の右横側(外側)に位置する待機位置との間で、第2ベース部材202に設けられた第2駆動部250によって往復移動される。実施例の可動基体222は、上端部が表示部40の上方において右側に偏倚して支持されており、待機位置で長手が表示部40の右側に沿って上下方向に延在する一方(図4または図43(a)参照)、動作位置で長手が上から下に向かうにつれて左側に傾くように延在する傾斜した姿勢となる(図43(b)参照)。更に、可動基体222には、前述の如く可動部240が設置されるだけでなく、この可動部240を動作させるための可動部ソレノイド256およびこの可動部ソレノイド256と可動部240とを連結する連繋部258が設置される。
前記可動部240は、中間部位が可動基体222の下端部に回転可能に軸支されて、当該軸支部分を中心として揺動し得るようになっている(図44参照)。可動基体222の下端部には、可動部240の軸支部分を挟んで該可動基体222の前側に基体意匠部223が取り付けられ、この基体意匠部223によって可動部240の軸支部分が覆われている(図31または図35参照)。そして、第2可動体220では、基体意匠部223と可動部240(後述する可動部240の可動意匠部242)とによって1つの意匠部分が構成されている(図30参照)。第2可動体220の意匠部分は、パチンコ機のモチーフに合わせた人型であって、基体意匠部223が人型の頭部となり、可動部240が人型の体部分およびこの体部分から突き出た棒状部分(実施例では人型が手にしている竹刀)を構成している。このように、第2可動体220では、第2ベース部材202への支持部位と可動部240との位置関係が、可動基体222の長手方向において最も離間するように設定されている。このように、第2可動体220は、可動基体222の揺動において最も動きが大きくなる部位に意匠部分を設けることで、意匠部分が遊技者の目を惹き、加えて可動部240が動作するので、可動部240の動作による演出効果が高い。
前記可動部240は、全体として一方(待機位置での左右方向)の幅より他方(待機位置での上下方向)の幅が長い外形であって、その待機姿勢において可動基体222の長手に沿って長手が延在するように構成される(図30または図31参照)。実施例の可動部240は、体部分の上部が可動基体222の下端部に支持されて、体部分から上方に突き出てた棒状部分が、その待機姿勢において可動基体222の長手辺の右横側に位置している(図44(a)参照)。また、可動部240は、可動部ソレノイド256によって変位する連繋部258に連動して、待機姿勢とこの待機位置から少なくとも一部が右側(可動基体222が動作位置から待機位置へ向かう側)に変位した動作姿勢(図44(b)参照)との間で揺動するようになっている。すなわち、可動部240は、待機姿勢から可動基体222への軸支部位を中心に時計回りに変位することで動作姿勢になり、動作姿勢から反時計回りに変位することで待機姿勢に戻るようになっている。そして、第2可動体220は、可動部240が可動基体222に対して揺動することで、人型の意匠部分があたかも竹刀を振っているように動作する。なお、第2可動演出装置200では、可動基体222の待機位置で可動部240が待機姿勢にある状態を、第2可動体220の待機位置とし(図(43(a)参照)、可動基体222の動作位置で可動部240が待機姿勢または動作姿勢にある状態を、第2可動体220の動作位置としている(図44参照)。
前記可動基体222についてより具体的に説明する。可動基体222は、後側に開口する箱状に形成された本体部224と、この本体部224の内側に収容される発光装置としての可動基体発光基板228と、この可動基体発光基板228の後側に位置させて本体部224に収容される区画板230と、この区画板230と間隔をあけて本体部224の後面に取り付けられたカバー部232とを備えている(図36または図37参照)。本体部224は、透明な合成樹脂素材で形成されており、前壁部分に所要形状で開口部224aが開設されている(図36参照)。本体部224の前側には、開口部224aの形状に合わせて形成された光透過性を有する部位が設けられた基体装飾カバー225が、光透過部位を開口部224aに整合させて取り付けられている。なお、基体装飾カバー225は、本体部224において第2カバー部材210の下側より露出する部位から基体意匠部223の上側の領域を覆っている。基体装飾カバー225は、後面に突設されたカバー固定用ボス226を複数備えており、実施例のカバー固定用ボス226は、基体装飾カバー225の長手方向に離間して2ヶ所に設けられている(図37参照)。
前記可動基体発光基板228は、本体部224の長手方向に延在する左右の側壁間の形状に合わせて外形が形成されて、本体部224の後側から該本体部224の内側に収容することで左右の側壁間に嵌合するようになっている。可動基体発光基板228は、発光体としてのLED228aを前面に複数備えており、統括制御装置79の制御下にLED228aが発光される。ここで、本体部224の後面には、リブ片224bが複数設けられており、このリブ片224bの後端に可動基体発光基板228の前面が当接して、本体部224の開口部224aに合わせてLED228aを臨ませた状態で本体部224の前壁部分と可動基体発光基板228との間隔が保持される(図35参照)。また、可動基体発光基板228には、基体装飾カバー225のカバー固定用ボス226に対応して、カバー固定用ボス226の挿通を許容する挿通口228bが設けられている。なお、実施例の基体装飾カバー225は、光透過部位が文字を構成しており、可動基体発光基板228のLED228aの点滅に応じて文字部分を明暗させる発光演出が行われる。
前記区画板230は、本体部224の長手方向に延在する左右の側壁間の形状に合わせて外形が形成されて、本体部224の後側から該本体部224の内側に収容することで、可動基体発光基板228の後側を覆った状態で左右の側壁間に嵌合するようになっている。また、区画板230には、後面に当接片231が複数(実施例では2ヶ所)突設されており、区画板230の長手方向に離間配置された当接片231は、区画板230とカバー部232との間に収容される連繋部258の本体部分の前後寸法(直径)より大寸に設定されている(図37参照)。すなわち、区画板230とカバー部232との間には、当接片231によって連繋部258の本体部分を収容するスペースが確実に確保され、区画板230およびカバー部232に対する連繋部258の摺接負荷を軽減し得る。なお、当接片231は、区画板230の後側に設けられる連繋部258の配設スペースを避けて配置されている。可動基体222では、基体装飾カバー225のカバー固定用ボス226を本体部224の前壁部分に開設した通孔224cおよび可動基体発光基板228の挿通口228bに挿通することで、これらの部材が互いに位置決めされる。そして、可動基体222は、可動基体発光基板228の後側に臨むカバー固定用ボス226のネジ孔に対して区画板230の後側からネジ止め固定することで、本体部224の前壁部分と区画板230との間に可動基体発光基板228が挟持されるようになっている(図35参照)。
前記可動基体のカバー部232は、本体部224の長手方向に延在する左右の側壁間の形状に合わせて外形が形成されて、区画板230との間に連繋部258を挟んで本体部224の前壁後面に突設されたカバー部用ボス224dのネジ孔に対して後側からネジ止め固定されている(図36または図37参照)。カバー部232は、区画板230の後面に突設された当接片231の後端に前面が当接することで、区画板230から離間した状態で保持されて、区画板230とカバー部232との間に連繋部258の配設スペースが適切に画成される。
前記本体部224には、下端部に基体意匠部223の取付部位となる固定板部227が前壁部分から横方向に延出して一体形成され、この固定板部227において左側壁の左側に延出する部分後面に保護側壁227aが突設されている(図36または図37参照)。保護側壁227aは、本体部224の左側壁に連設されて、本体部224の下端部には左側壁と保護側壁227aとの間に、意匠部分に設けられる発光装置(基体意匠部223に設けられる基体意匠部発光基板229および可動部240に設けられる可動部発光基板243)に接続する配線の挿通スペースが設けられる(図32,図36または図37参照)。本体部224の下端部前側には、後側に開口する箱状に形成された基体意匠部223が固定板部227に取り付けられて、固定板部227と基体意匠部223との間に位置して基体意匠部発光基板229が設置されている(図35参照)。
前記基体意匠部発光基板229は、前側に発光体としてのLED229aを備え、このLED229aを基体意匠部223に形成された光透過部223aに合わせて該基体意匠部223の後側に固定されている。ここで、人型の頭部をなす基体意匠部223において、光の透過を許容する光透過部223aが頭部の目に対応する部分に設けられると共に、他の部分が光を透過しないようになっている。基体意匠部発光基板229は、統括制御装置79の制御下にLED229aを発光することで、基板意匠部223を光による演出を行うようになっている。
前記可動部240は、上部が可動基体222における本体部224の下端部に回転可能に軸支された可動部基盤244と、この可動部基盤244の前側に取り付けられた可動意匠部242とから構成される(図36または図37参照)。また、第2可動体220には、可動基体222の本体部224と可動部基盤244との間に付勢手段としてのねじりばね248が介装されている。ねじりばね248は、可動部基盤244の軸支部分を囲繞したコイル部分から延出する一端を本体部224に係合する一方、コイル部分から延出する他端を可動部基盤244に係合して取り付けられている。可動部240は、ねじりばね248によって可動部基盤244が動作姿勢から待機姿勢側(反時計回り)に向けて付勢されて、可動体ソレノイド256の停止状態(非励磁状態)において待機姿勢で姿勢保持される。
前記可動意匠部242は、後側に開口する箱状の部材であって、可動部基盤244において基体意匠部223の下側に突出する部分を、意匠部分において体部分となる下半体の内側に収容して該可動部基盤244に固定されている(図34参照)。また、可動意匠部242は、意匠部分において棒状部分となる上半体が光透過性を有する半透明な素材で形成されており、この上半体の内側に整合して可動部発光基板243が取り付けられている。可動部発光基板243は、前側に発光体としてのLED243aを備え、統括制御装置79の制御下にLED243aを発光することで、可動意匠部242の上半体(棒状部分)を発光演出できるようになっている。
前記第2可動演出装置200において、第2可動体220の可動基体222を動かす機構について具体的に説明する。第2駆動部250は、第2モータ(モータ)251と、この第2モータ251および可動基体222を連繋して、第2モータ251の回転を可動基体222の揺動動作に変換する第2伝達部252,253,254とから構成されている(図42参照)。実施例では、第2モータ251として、統括制御装置79の制御下に駆動または駆動停止されるステッピングモータが用いられている。第2モータ251は、第2ベース部材202の後面に出力軸251aを前側に臨ませた状態で取り付けられ、裏ユニット39の上辺部に開設されたモータ挿通口39cに挿通されて裏ユニット39の後側に臨んでいる(図5参照)。 第2伝達部は、第2モータ251の出力軸251aに固定された駆動歯車252と、第2ベース部材202の前側に回転可能に軸支され、駆動歯車252にかみ合う従動歯車(回転板)253と、この従動歯車253および可動基体222を連結するリンクバー254とを備えている。
前記第2モータ251は、可動基体222の第2ベース部材202への支持部位より左側(中央側)に配置されて、この支持部位と第2モータ251との間に従動歯車253が配置されている(図39または図40参照)。リンクバー254は、従動歯車253の前面と可動基体222の前面との間に架設されており、一端が従動歯車253の回転中心から偏心した位置(偏心位置)に回転可能に連結されると共に、他端が可動基体222の本体部224に回転可能に連結されている(図42参照)。ここで、リンクバー254の他端は、本体部224において第2カバー部材210に覆われる領域で、かつ可動基体222の上端部にある支持部位より動作側で本体部224に連結される。また、リンクバー254の他端には、リンク突部254aが前側に突設されて、このリンク突部254aが、第2カバー部材210において後側に開口するよう凹設されたリンク溝部(ガイド溝部)213に収容されてガイド部として機能するようになっている(図33参照)。なお、リンク溝部213は、リンクバー254の変位に伴うリンク突部254aの変位軌跡に合わせて下側が凸になる円弧状に形成されている。可動基体222には、リンク突部254aの下側に位置して当接突部222aが設けられている。この当接突部222aは、第2カバー部材210の後面に当接して、可動基体222の前後のぶれ止めとして機能し、第2可動体220の安定した動作に寄与している。
このように、第2可動演出装置200は、リンク突部254aをリンク溝部213に収容することで、可動基体222の支持部位を中心として揺動するリンク突部254aが、該リンク突部254aの変位方向に交差する遊技盤面に沿う方向にぶれるのをリンク溝部213によって抑制することができる。すなわち、第2可動体220は、可動基体222の下端部に可動部240が設けられて表示部40の右横側から表示部の中央まで大きく動かされるが、可動基体222をぶれなく安定して動作させることができる。
前記第2可動演出装置200では、第2モータ251による従動歯車253の回転につれてリンクバー254が左右方向に変位することで、可動基体222が揺動するようになっている(図43参照)。すなわち、第2駆動部250では、第2モータ251の同一方向への回転が第2伝達部252,253,254により第2可動体220における可動基体222の揺動運動に変換されるよう構成される。ここで、第2可動演出装置200では、従動歯車253の一回転で第2可動体220が待機位置から動作位置まで動作し、動作位置から待機位置まで戻るようになっている。
前記第2可動演出装置200において可動部240を動かす機構は、可動基体222に設けられて該可動基体222と共に往復動する可動部ソレノイド(駆動手段)256と、可動部ソレノイド256および可動部240を連結して、可動部ソレノイド256の駆動を可動部に伝達する連繋部258とから構成される(図44参照)。可動部ソレノイド256は、統括制御装置79の制御下に、励磁または非励磁状態に移行することで、本体部分から突出するプランジャー256aが本体部分に対して出没するように往復動するよう構成される。可動部ソレノイド256は、可動基体222の本体部224に設けられた設置部224eに収容されて、プランジャー256aを可動基体222の支持部位側(上側)に突出させて設置されている。設置部222eは、可動部ソレノイド256の本体部分に合わせて本体部224における左右の側壁間を拡開形成した部分であって、本体部224において可動基体222の支持部位側(上側)の右側に設けられている(図34参照)。このように、可動部ソレノイド256は、可動基体222の長手における上端に設けられる支持部位側に偏倚した部位に位置して、長方体形状の本体部分の長手を可動基体222の長手に沿わせて設置される(図32参照)。
前記可動部ソレノイド256は、プランジャー256aの先端に連結片257が取り付けられ、この連結片257と本体部分との間にプランジャー256aを囲繞してコイルばね259が介挿されている(図32参照)。可動部ソレノイド256では、コイルばね259によってプランジャー256aが突出する方向に付勢されて、該ソレノイド256が励磁されることで、プランジャー256aがコイルばね259の付勢に抗して本体部分側に引き込まれる。連結片257は、右端がプランジャー256aの先端に接続して可動基体222の短手方向に延在し、左端が可動部ソレノイド256の左側面を越えて本体部224の略中央部に臨んでいる。
前記連繋部258は、金属製の棒状体であって、遊技盤面に沿わせて設置される本体部分に対して上端部が後側に向けて屈曲される一方、下端部が前側に向けて屈曲されている(図36または図37参照)。連繋部258は、前述した可動基体222の区画板とカバー部232との間のスペースに可動基体222の長手に沿って往復動可能に配設されて、支持部位側の上端部が、連結片257の左端部に前後方向に貫通形成された係止孔257aに引っ掛けられている(図32参照)。また連繋部258は、可動基体222の動作側にある下端部が固定板部227に開設された挿通口227bを介して基体意匠部223の後側に突出し、この下端部が可動部240の可動部基盤244に接続される(図35参照)。ここで、連繋部258の下端部は、可動部基盤244の軸支部分から半径方向外側に離間した部位に接続されており、実施例では軸支部位の右側に接続されている。カバー部232の下部前面には、可動基体222の短手方向に離間して対面する一対のガイド片233,233が設けられ(図36参照)、これらのガイド片233,233が連繋部258の配設スペースに臨んでいる。そして、連繋部258は、一対のガイド片233,233の間に動作側が挟まれて該連繋部258の往復変位方向と交差する左右方向の変位が規制されて、可動部240の揺動変位に伴う左右方向のぶれが防止される。
前記第2可動体220は、可動部ソレノイド256の励磁によりプランジャー256aが本体部分側(下方)に変位するに伴って連繋部258が可動基体222の長手方向に沿って下方に変位し、連繋部258に押されて可動部基盤244が時計回りに変位することで、可動部240が待機姿勢から動作姿勢に向けて動作される(図44(b)参照)。そして、第2可動体220は、可動部ソレノイド256の非励磁によりプランジャー256aおよび連繋部258がコイルばね259により上方に押し上げられると共に、ねじりばね248による付勢によって可動部基盤244が反時計回りに変位されることで、可動部240が動作姿勢から待機姿勢に向けて動作される。
前記第2可動演出装置200は、第2可動体220における可動基体222の位置を判定する第2検知手段としての第2フォトセンサ260を備えている(図42参照)。第2フォトセンサ260は、統括制御装置79に電気的に接続され、この第2フォトセンサ260の信号が統括制御装置79に入力されるようになっている。第2フォトセンサ260は、従動歯車253の後側に位置して第2ベース部材202に設置された検知基板261に設けられ、第2ベース部材202に開設された開口を介して裏ユニット39の後側に突出するソケットに配線が接続される。第2伝達部は、従動歯車253の後面(リンクバー254の接続面と反対側の面)に設けられた第2検知片255が、第2フォトセンサ260における対向する検知部の間を通過するよう配置されている。ここで、第2検知片255は、一部領域を切り欠いた環状に形成されている。第2フォトセンサ260は、第2検知片255の有無により第2可動体220(可動基体222)の位置を判定し、実施例では、第2検知片255の切欠部分中央が第2可動体220の待機位置に対応するように設定されている。
前記第2可動演出装置200の配線保持構造について説明する。第2可動体220では、可動部ソレノイド256、可動基体222に設けた可動基体発光基板228、基体意匠部223の後側に設けた基体意匠部発光基板229および可動部240に設けた可動部発光基板243の夫々に配線が接続されている。これらの配線は、可動基体222の支持部位側から第2ベース部材202および裏ユニット39の上辺部に開設された配線挿通部(挿通部)204(図39または図40参照),39d(図13参照)を介して裏ユニット39の前側から後側に取り回されて、裏ユニット39の左側部に設けられる左横中継基板84(図5参照)に接続されている。第2可動体220は、カバー部232の後面に設けられた配線保持部(配線の保持部)234を有し、基体意匠部発光基板229および可動部発光基板243に接続する配線をカバー部232の後側で配線保持部234によって保持し得るようになっている(図32参照)。配線保持部234は、可動基体222の長手方向に沿って延在するようにカバー部232の後面に形成されて、対向配置された一対の案内壁235,235と、これら案内壁235,235の後端に設けられて、対向する案内壁235に向けて延出する保持片236とから構成されている。すなわち、配線は、対向する案内壁235,235の間に収容されると共に、カバー部232の後面と保持片236との間に挟まれて、カバー部232の後側で保持される。なお、保持片236は、可動基体222の長手方向に離間して複数箇所設けられている。
前記可動基体222は、カバー部232の上端部(第2可動体220の支持部位側)に前後方向に貫通する筒状に形成された集線部237と、この集線部237の下側(動作側)に連設されて、カバー部232の後面より後側に延在する受片238とを備えている(図32参照)。集線部237は、筒部分の一部が前後方向に亘って切り欠かれて正面視で略C形状を呈し、この切欠部分を介して横側から集線部237の内部に配線を挿脱可能になっている。ここで、集線部237の切欠部分は、可動基体222における可動部ソレノイド256が設けられる側部(右側部)と反対側(左側)に開口しており、集線部237の右側に配置される連結片257と連繋部258との連結部分側に配線が抜け出さないように、集線部237で保持される。配線保持部234で遊技盤面に沿って保持される配線を、集線部237によって前後に方向を変えて導く構成であるが、配線の曲がり部分内周側を受片238で押さえることで、当該曲がり部分とこの曲がり部分の後側に延在する第2ベース部材202との干渉を防止することができる。第2ベース部材202に設けられる配線挿通部204は、可動基体222の動作に伴う集線部237の変位軌跡に対応して下側に凸になる円弧状に開設され、配線挿通部204において集線部237に保持された配線の揺動が許容される(図39または図40参照)。なお、裏ユニット39の上辺部に設けられる配線挿通部39dは、第2ベース部材202の配線挿通部204より大きく形成されている。
前記可動基体222には、可動基体発光基板228の上部左側に位置して後面に設けられたソケット228cに対応して、区画板230およびカバー部232に切欠部230a,232aが設けられ、該切欠部230a,232aを介して後側に臨むソケット228cに配線が接続されている(図32または図38参照)。この配線は、配線保持部234の上部領域において、基体意匠部発光基板229および可動部発光基板243の配線とまとめられて、該配線保持部234に保持されて可動基体222の支持部位側に取り回される。基可動体発光基板228に接続する配線を、基体意匠部発光基板229および可動部発光基板243に接続する配線とまとめてカバー部232の後面に配線保持部234によって保持することで、配線と他の部材との干渉を回避できる。
前記可動基体222の本体部224には、基体意匠部発光基板229に接続する配線用の上側の配線通口227cと可動部発光基板243に接続する配線用の下側の配線通口227dとが上下の関係で、下端部に位置する固定板部227に開設され、上下の配線通口227c,227dの間が固定板部227の後面に突設された隔離片227eによって仕切られている(図34参照)。また、可動基体222は、カバー部232の下部左側縁から左側に突設された配線締結片239を有している。基体意匠部発光基板229の配線は、上側の配線通口227cを介して基体意匠部発光基板229の後面に設けられたソケット229bに接続されて、配線保持部234から基体意匠部発光基板229に向けて湾曲する部分が配線締結片239に対して結束バンドで固定されている。可動部発光基板243の配線は、下側の配線通口227dを介して可動部基盤244に前後に貫通形成された保持切欠245に保持されて、配線保持部234から前側に向けて湾曲する部分が配線締結片239に対して結束バンドで固定されている。なお、保持切欠245は、可動部基盤244の左側に位置して左側が開口するよう切り欠き形成されている。可動部発光基板243の配線は、可動部基盤144の上部前面に左右に離間して形成された一対のガイド壁244a,244a(図36参照)の間および可動部基盤244の可動意匠部242で覆われた部位を通って、可動部発光基板243の下側に設けられたソケット243bに接続されている。可動部発光基板243の配線は、保持切欠245に保持されて可動部基盤244の揺動につれて変位するが、下側の配線通口227dが可動部基盤244の揺動範囲に合わせて形成されているので、配線の干渉を防止することができる。
前記第2カバー部材210の前側に設けられる右上装飾部280は、第2発光装置270を備えており、第2発光装置270の発光によって発光演出し得るようになっている(図41参照)。右上装飾部280は、第2カバー部材210に固定される装飾基体281と、この装飾基体281と第2カバー部材210との間に配設される第2発光装置270の第2後発光基板271と、装飾基体281の前側に取り付けられ、複数の飾りが設けられる装飾被覆体282と、この装飾被覆体282と装飾基体281との間に配設される第2発光装置270の第2前発光基板272とから構成される。装飾基体281には、第2カバー部材210において前側に凸状に隆起したリンク溝部213に嵌合する嵌合枠部281aが設けられ、リンク溝部213と嵌合枠部281aとの嵌合により、装飾基体281が第2カバー部材210に対して位置決めされる。第2後発光基板271および第2前発光基板272は、右上装飾部280を発光演出する発光体としてのLEDを有し、第2前発光基板272には、右上装飾部の前面に臨む7セグメント表示器が設けられている(図30参照)。なお、装飾基体281および装飾被覆体282は、光透過性を有する半透明の合成樹脂素材から形成されている。
前記第2カバー部材210には、位置合わせ部としての孔部214が右上装飾部280から露出する右側部に設けられ、裏ユニット39を板部材38に取り付けることで、装飾枠部材54の嵌合片部54cから後方に突設された嵌合部としての突片58が挿入されて、孔部214と突片58との嵌合下に第2可動演出装置200が板部材38に対して位置決めされる。
前記第2可動演出装置200は、通常状態において第2可動体220が待機位置(可動部240は待機姿勢)にあり、表示部40の図柄表示ゲームに連動してまたは独立して、統括制御装置79の制御下に第2可動体220が待機位置と動作位置との間で往復動される。具体的には、第2可動演出装置200は、第2モータ251が駆動されて第2伝達部252,253,254を介して可動基体222が動作され、意匠部分が表示部40の右横側か左側へ向けて変位される(図43(b)参照)。第2可動演出装置200は、第2可動体220の意匠部分が表示部40の中央部に到来する可動基体222の動作位置に至ると、可動部ソレノイド256の駆動に応じて連繋部258によって可動部240が待機姿勢から動作姿勢に向けて変位されて、動作姿勢から待機姿勢に戻す往復動作を所定回数繰り返される(図44参照)。なお、可動部240の動作は、可動基体222の変位範囲の途中で行ってもよい。そして、第2可動演出装置200は、可動基体222を動作位置から待機位置に戻すように動作し、第2フォトセンサ260が第2検知片255の検知状態より非検知状態に移行してから所定のタイミングで第2モータ251を停止することで、第2可動体220の意匠部分が表示部40の右横側に退避した待機位置で停止される。
前記第2可動演出装置200は、従動歯車253を1回転することで、第2フォトセンサ260に臨む第2検知片255の切欠部分が1回転して第2フォトセンサ260に再度臨み、第2可動体220が待機位置から動作位置まで変位して待機位置に戻る一往復する1サイクルの動作を行うことができる。第2可動演出装置200は、第2可動体220の動作を1サイクルだけ行う態様であっても、連続して複数サイクル行う態様の何れであってもよい。また、第2可動演出装置200は、第2モータ251を正逆駆動することで、第2可動体220を待機位置と動作位置の手前の途中位置との間で往復動したり、待機位置と動作位置との間の途中で往復動(所謂振動)することもできる。
前記第2可動演出装置200は、第2可動体220のベースとなる可動基体222に、該可動基体222と独立して動作可能な可動部240を設けてあり、第2可動体220の意匠部分が表示部40の上側を支点として左右方向に揺動する動きと、更に意匠部分が可動基体222を支点として揺動する動きとの2つの動作を行うことができる。すなわち、第2可動演出装置200は、可動基体222の動作と可動部240の動作を組み合わせることで、第2可動体220全体として複数の動作パターンで意匠部分を動作演出することができ、動作による演出効果を向上し得る。また、第2可動体220は、意匠部分が表示部40の右外側にある待機位置から表示部40の中央部となる動作位置まで動作する構成であるので、表示部40の中央領域で行われている図柄変動ゲームを通常注視している遊技者の視界の隅から第2可動体220が表れるから、遊技者に対して第2可動体220の動作によるインパクトを好適に与えることができる。更に、第2可動体220は、可動基体222が支持部位と意匠部分との離間方向に長手が延在する形状であり、可動基体222の支持部位から該可動基体222の長手方向に離間する端部に意匠部分が設けられているので、意匠部分を表示部40の前側で大きく動かすことができ、意匠部分が可動基体222の最も大きく動く端部に設けてあるから、遊技者の注意を惹くことができる。従って、第2可動体220の動作による演出効果をより向上し得る。
前記第2可動体220は、可動基体222が上端部が支持されて揺動するのに対し、可動部240が中間部位を可動基体222に支持されて全体として揺動変位する構成である。すなわち、可動基体222の動作と可動部240の動作とが完全に一致せず、可動部240において特に目を惹く上半体が可動基部の円弧軌跡と異なる円弧軌跡を描くによう変位するので、可動基体222の動作方向と可動部240の動作方向とが相乗して演出効果を向上し得る。
前記第2可動演出装置200は、可動部240を動かす可動部ソレノイド256を可動基体222に設けてあるが、可動部ソレノイド256を可動基体222の支持部位側に配設してあるので、該支持部位から離間した動作側の端部が過剰に重たくなることを回避できる。すなわち、第2可動演出装置200では、可動基体222を動かす第2駆動部250への負荷を抑えることができ、第2モータ251や第2伝達部252,253,254の破損や大型化等を避けることができる。第2可動体220では、可動部ソレノイド256と可動部240とを連繋する連繋部258を棒状の部材で構成する簡易な機構であるので、第2可動体220を軽量化でき、第2駆動部250への負荷をより低減できる。また、連繋部258を一対のガイド片233,233で保持しているので、可動部240を円滑に動作することができる。
前記第2可動演出装置200は、可動部240を動かす連繋部258を可動基体222の本体部224において、区画板230とカバー部232との間に収容し、基体意匠部発光基板229、基体意匠部発光基板229および可動部発光基板243に接続する配線をカバー部232の後面に配線保持部234によって保持する構成であるので、連繋部258と配線との干渉を回避できる。そして、配線保持部234では、一対の案内壁235,235の間に配線を収容することで、保持片236で一対の案内壁235,235からの配線の抜け出しを防止できる。また、第2可動演出装置200では、配線において可動基体222側から裏ユニット39側へ受け渡す部分を集線部237で保持しているので、可動基体222が動作しても配線が他の部材に干渉することを回避し得る。
(第3可動演出装置)
前記第3可動演出装置300は、図12に示すように、裏ユニット39における裏ユニット開口部39a左側部を画成する辺部(左辺部)に設置されている。図45〜図63に示すように、第3可動演出装置300は、該第3可動演出装置300を構成する部材の設置基盤となる第3ベース部材(ベース部材)302と、所定の演出動作を行う第3可動体(可動体)320と、この第3可動体を往復動する第3駆動部(駆動部)350と、第3ベース部材302の前側を覆う第3カバー部材310とから基本的に構成される。第3可動演出装置300は、第3ベース部材302と第3カバー部材310とから第3駆動部350の第3伝達部352,353および第3可動体320の支持機構を収容するケース状の装置本体部が構成され、この装置本体部単位で第3可動体320および第3駆動部350を含めて裏ユニット39に対して一体的に着脱可能なユニット構造になっている。また、第3可動演出装置300は、第3ベース部材302が裏ユニット39の左辺部と上辺部とが交わる角隅部に合わせて形成されて、装置本体部が表示部40の外側に配置されると共に、装置本体部の右側から第3可動体320の意匠部分(後述する可動体意匠部324)が該装置本体部の外方に臨んでいる。そして、第3可動演出装置300では、第3可動体320が裏ユニット39の上辺部中央の前側に位置して表示部40の外側に退避した待機位置と、この待機位置から下方変位して表示部40の前側に臨む動作位置との間で往復動するようになっている。
前記第3ベース部材302は、裏ユニット39の設置面に当接する板状部分の周縁部から前方へ壁が立ち上がる前方に開口する箱状体であって、透明な合成樹脂素材から形成されている(図45または図46参照)。第3ベース部材302は、正面視で略L字形状に形成されて、上下方向に延在する縦部分が裏ユニット39の左辺部の略全体を占めて設置され、左右方向に延在する横部分が裏ユニット39の上辺部の左側領域に設置される。また、第3ベース部材302には、右壁に可動体用凹部302aが形成されている(図51または図52参照)。更に、第3ベース部材302は、支持機構が配設される縦部分の右側領域を囲う壁が左側領域を囲う壁より高く形成されている。
前記第3カバー部材310は、透明な合成樹脂素材から形成されている。第3カバー部材310は、第3ベース部材302の前部開口を被覆可能な板状体であって、第3ベース部材302の右側領域の壁が左側領域より高いのに応じて、左右方向に段違いになる階段状に形成されている(図51,図52,図60または図61参照)。すなわち、第3カバー部材310は、該第3カバー部材310において表示部40と離間した左側領域を領域を覆う左面部(第1面部)311と、この左面部311に連設されて、該左面部311から前側に延出する延出部312と、この延出部312に連設されて、該第3カバー部材310において表示部側の右側領域を覆う右面部(第2面部)313とを備えている。実施例の第3カバー部材310において、延出部312は、該第3カバー部材310の上下全体に亘って左右方向中央部に延在するよう形成されている。
前記第3カバー部材310には、第3ベース部材302の板状部分から立設されたカバー固定用ボス303(図54参照)に対応して通孔310aが開設されている。第3カバー部材310は、この通孔310aを介してカバー固定用ボス303のネジ孔に対して前側からネジを螺挿することで第3ベース部材302に固定される。第3可動演出装置300は、第3ベース部材302に第3カバー部材310を取り付けた際に、可動体用凹部302aによって第3カバー部材310との間に第3可動体320の後述する腕部323が挿通される可動体挿通口304が画成される。ここで、可動体挿通口304は、前後寸法が腕部323の前後寸法と略同一に設定されると共に、上下寸法が腕部323の上下変位を許容し得る幅に設定され、可動体挿通口304に挿通した腕部323の上下方向の変位を許容しつつ前後方向のぶれを抑制し得るようになっている。
前記第3ベース部材302には、裏ユニット39における第3ベース部材302の設置部位に突設されたケース固定用ボス39bに対応して(図13参照)、該ケース固定用ボス39bを嵌合収容可能なボス受部305およびケース固定用ボス39bの前端に当接するフランジ部306が設けられている(図54参照)。第3ベース部材302には、ボス受部305の内側に連通する通孔305aが開設されており(図54参照)、第3ベース部材302の通孔に合わせて第3カバー部材310にネジの頭より大径のネジ通過孔310bが開設されている(図60参照)。また、第3ベース部材302のフランジ部306にも、通孔306aが開設されている。そして、第3可動演出装置300の装置本体部は、第3カバー部材310のネジ通過孔310bおよび第3ベース部材302の通孔305a,306aを介して前側からネジをケース固定用ボス39bに設けたネジ孔に螺挿することで、裏ユニット39に対して固定される。このように、第3可動演出装置300の装置本体部は、第3カバー部材310のネジ通過孔310bから第3ベース部材302を固定するネジにアクセス可能であり、第3可動演出装置300を構成する第3カバー部材310等の部材が第3ベース部材302に取り付けられる構成であるので、第3カバー部材310やその他の部材を取り外すことなく、裏ユニット39の前側から裏ユニット39に対して着脱することができる。
前記第3ベース部材302は、第3可動体320を待機位置で停止するのを補助する保持手段としての磁石308を備えている(図54参照)。なお、実施例では、磁石108として永久磁石が採用されている。磁石308は、第3ベース部材302において上辺部に位置する横部分(表示部40の上側に延在する部位)に設置され、第3可動体320の後述する腕部323の上側に位置している(図53参照)。磁石308は、第3ベース部材302の上側部位において下面を構成する下壁と、第3ベース部材302の内側に前側に向けて立設された縦リブおよび横リブとに挟まれて、下壁に当接した状態で取り付けられている。
前記第3可動体320は、支持機構としての転がり軸受340に対する取付部位となる可動基部322と、この可動基部322に転がり軸受340による移動許容方向と交差する横方向に向けて可動基部322から延出するよう形成された腕部323と、この腕部323の先端に設けられた可動体意匠部324とを備えている(図55または図56参照)。第3可動体320は、第3ベース部材302と第3カバー部材310からなる装置本体部の内部に可動基部322が配設されて、表示部40の左横側に位置する装置本体部から腕部323が可動体挿通口304を介して表示部40の中央側に向けて延出し、表示部40の左右方向中央に位置する腕部323の右端に可動体意匠部324が設けられている(図12参照)。第3可動体320において、可動基部322および腕部323は、可動体意匠部324が取り付けられ、転がり軸受340に支持されて第3ベース部材302に対して往復動可能な可動体ベース325と、この可動体ベース325の前面に設けられ、可動体ベース325の前側を覆う可動体カバー326とから構成されている(図51または図52参照)。
前記可動体ベース325は、上下方向に長手が延在するベース基部325aと、このベース基部325aの右側部から延出して、左右方向に延在するベース腕部325bと、ベース腕部325bの右端部に設けられて可動体意匠部324の設置部分となるベース取付部325cとが一体形成されている(図51または図52参照)。可動体ベース325は、ベース基部325aとベース腕部325bとが直交または略直交する関係で、かつベース基部325aにおける上下方向の中間部にベース腕部325bが接続するように形成され、全体として正面視で略T字形状を呈している。なお、実施例の可動体ベース325は、ベース腕部325bがベース基部325aの上側に偏倚して配置されている。ベース取付部325cは、略円形の可動体意匠部324に合わせて略円形に形成されている。また、可動体ベース325は、ベース基部325aおよびベース腕部325bが前側に開口する箱状に形成されている。そして、ベース基部325aおよびベース腕部325bの内側には、ベース腕部325bに設けられる後述する配線収容部328に対応する領域を除いて補強用のリブが複数設けられている(図53参照)。
前記可動体ベース325には、被保持手段としての金属片327がベース腕部325bに取り付けられている(図53参照)。金属片327は、第3ベース部材302に設けた磁石308に対して上下の関係で可動体ベース325のベース腕部325bに設置され、第3可動体320の待機位置において磁石308に金属片327が相対し、磁石308と金属片327とが引っ付いたもとで第3可動体320が待機位置で保持される。なお、金属片327としては、磁石につく鉄等の強磁性体が用いられている。金属片327は、金属の板材を略コ字状に折曲して形成され、ベース腕部325bの上面を構成する上壁を対向する片部間に挟んで前側から取り付けられている(図52参照)。金属片327は、上壁の上側に位置する片部が、可動体カバー326の上面に設けた切欠326aを介して腕部323の上面を構成すると共に、上壁の下側に位置する片部が、可動体ベース325の後面を構成する後壁に開設された開口を介して後側に突出し、金属片327の開放端部が後壁の後側に突出している(図57参照)。
前記第3可動体320は、可動体ベース325の前側に可動体カバー326が取り付けられ、ベース取付部325cを除くベース基部325aおよびベース腕部325bの前側が可動体カバー326で覆われるようになっている(図52または図53参照)。可動体カバー326は、後側に開口する箱状の部材であって、ベース基部325aおよびベース腕部325bの外形に相似する形状で該ベース基部325aおよびベース腕部325bより一回り大きく形成されている。すなわち、可動体カバー326は、可動体ベース325と同様に正面視で略T字形状に形成されている。
前記第3可動体320では、可動体カバー326の上下に延在する部位をベース基部325aに嵌め合わせて可動基部322が構成されると共に、可動体カバー326の左右に延在する部位をベース腕部325bに嵌め合わせて腕部323が構成される。また、第3可動体320は、可動基部322を転がり軸受340に対してネジ固定することで、可動体ベース325と可動体カバー326とが互いに固定される。なお、可動体カバー326は、可動体ベース325に取り付けることで、ベース腕部325bの上壁を片部で挟んで前側から取り付けた金属片327の前側への抜け出しを阻むようになっている。
前記可動体意匠部324は、該可動体意匠部324を発光演出する可動体発光装置329を備えている(図51,図52,図62または図63参照)。実施例の可動体発光装置329は、発光体としてのLED329aを前面に備えた可動体発光基板329であって、円形に形成されている。可動体発光基板329は、円形のベース取付部325cの前側に配置される。可動体発光基板329は、後面に設けられた抵抗(図示せず)が、この抵抗に合わせてベース取付部325cに前後方向に貫通形成された抵抗開口325eに整合するよう取り付けられ、この抵抗開口325eを介して抵抗で生じる熱を放熱し得るようになっている。
前記可動体意匠部324は、可動体発光基板329の前側を覆う装飾カバー体330と、可動体発光基板329との間に、外光透過部331、内光透過部332および区画部333を収容して構成されている(図62または図63参照)。なお、可動体意匠部324は、前側から装飾カバー体330、内光透過部332、外光透過部331、区画部333、可動体発光基板329、ベース取付部325cの順に並んで、装飾カバー体330をベース取付部325cに取り付けることで、内光透過部332、外光透過部331、区画部333および可動体発光基板329についても位置決めされる(図51および図52参照)。装飾カバー体330は、前後の面が開口した短尺の円筒形を基本として、前面に所要の枠状装飾330aが前端縁間に架設されている。なお、実施例の枠状装飾330aは、パチンコ機のモチーフに合わせた文字の外形を縁取るように形成されている。ここで、装飾カバー体330は、光を通さない部材であって、実施例では遊技者側に臨む外面に光反射処理が施されている。また、装飾カバー体330には、枠状装飾330aの後面に位置決め用ボス330bが後側に向けて複数突設され、可動体発光基板329に設けられた位置決め孔329bに夫々整合するようになっている。
前記外光透過部331は、光透過性を有する合成樹脂素材から形成されて、所要の光拡散処理が施されている。外光透過部331は、装飾カバー体330の内側に整合する円形に形成されて、枠状装飾330aより一回り小さい寸法で開口する内開口部331aが、枠状装飾330aの後側に合わせて設けられている(図62または図63参照)。そして、外光透過部331は、装飾カバー体330の内側に嵌め合わせることで、装飾カバー体330の前端縁と枠状装飾330aとの間の開口を塞ぐようになっている。
前記内光透過部332は、光透過性を有する合成樹脂素材から形成されて、所要の光拡散処理が施されている。なお、実施例の内光透過部332は、外光透過部と異なる色に設定されると共に(例えば、外光透過部331が乳白色であるのに対し、内光透過部332が赤色とする。)、外光透過部331と異なる光拡散処理が施されている。内光透過部332には、外光透過部331の内開口部より一回り大きな形状で形成されると共に、枠状装飾330aの内側形状に対応して、前側に突出する突状部332aが設けられている(図62または図63参照)。また、内光透過部332には、装飾カバー体330の位置決め用ボス330bと略同一寸法で、該位置決め用ボス330bに対応する位置に位置決め孔332bが開設されている。そして、内光透過部332は、位置決め孔332bに対応する位置決め用ボス330bを差し込んで、装飾カバー体330の内側に収容することで、枠状装飾330aの内側の開口を対応の突状部332aが整合して後側から塞ぐと共に、内開口部331aの開口縁に当接して該内開口部331aの前側を塞ぐようになっている。
前記区画部333は、光透過性を有していない合成樹脂素材からなり、外光透過部331の内開口部331aより一回り大きな形状で形成されている(図62または図63参照)。また、区画部333には、枠状装飾330aで縁取られる文字形状の一つ一つを区切る区切り片333aが前面に前側に向けて突設されると共に、該区画部333の後側に配置されるLED329aの前側に対応する部位にLED用開口333bが開設されている。更に、区画部333には、装飾カバー体330の位置決め用ボス330bと略同一寸法で、該位置決め用ボス330bに対応する位置に位置決め孔333cが開設されている。そして、区画部333は、位置決め孔333cに対応する位置決め用ボス330bを差し込んで、装飾カバー体330の内側に収容することで、区切り片333aが内光透過部332の後面に当接すると共に、内開口部331aの開口縁に当接して該内開口部331aの後側を塞ぐようになっている。
前記可動体意匠部324は、装飾カバー体330の内側に外光透過部331を嵌合すると共に、装飾カバー体330の位置決め用ボス330bに位置決め孔329b,332b,333cを挿入して内光透過部332、区画部333および可動体発光基板329を互いに位置決めしたもとで、ベース取付部325aの後側から位置決め用ボス330bのネジ孔および装飾カバー体330の外周縁に設けられたネジ孔に対してネジ止め固定される。これにより、可動体意匠部324は、文字形状に対応するLED329aを点灯することで、区画部333の区切り片333aによって他の文字形状を光らせることなく独立して当該文字形状のみを光らせることができる。
前記転がり軸受340は、第3ベース部材302に対して固定された外受部341と、この外受部341の内側に転動体342を介して上下方向に往復動可能に支持された中受部343と、外受部341と中受部343との間に保持されて中受部343の内側に臨む転動体342によって、上下方向に往復動可能に支持された内受部344とから構成されている(図49,図50または図54参照)。転がり軸受340は、内受部344に第3可動体320の可動基部322が取り付けられて、該第3可動体320を上下方向に往復移動可能に支持している。実施例では、外受部341、中受部343および内受部344が金属素材から形成されると共に、転動体342として金属球が用いられており、転がり軸受として所謂ボール軸受構造が採用されている。
前記転がり軸受340は、第3ベース部材302の縦部分において表示部40側となる右側領域に設置されて(図53参照)、第3ベース部材302と第3カバー部材(仕切板)310との間に収納されている(図49または図50参照)。すなわち、転がり軸受340の前側は、第3カバー部材310の右面部313で覆われており、該転がり軸受340の左側部が延出部312の後側におおよそ整合している。なお、転がり軸受340は、第3ベース部材302の縦部分において上側に偏倚して配置されている。
前記外受部341は、中受部343を案内するレールとして機能し、外受部341は、第3ベース部材302への当接部位となる板状体の両側縁に前側に向けて外保持片341aが夫々延出した断面略コ字形状に形成されている(図49または図50参照)。外受部341は、各外保持片341aが板状体の長手辺に亘って設けられ、第3ベース部材302の縦部分の右側領域にその長手辺を上下に延在させた状態で取り付けられている(図53参照)。実施例の外受部341は、第3ベース部材302の上下幅の2/3程度を占める寸法に設定されて、第3ベース部材302の縦部分右側領域の上下に設けられた外受部位置決めリブ309に上下を挟まれて位置決めされている。外受部341は、各外保持片341aが外側が凸になる湾曲形状に形成されて、他方の外保持片341aに対向する面が転動体342の外形に合わせた凹状になっている。外受部341は、上端縁および下端縁に前側に突設された停止片341bを有し、両外保持片341a,l341aの間に配設される中受部343および内受部344の上側の停止片341bを越えた上方の移動を規制し得る一方、中受部343および内受部344の下方の下側の停止片341bを越えた下方の移動を規制し得るようになっている。
前記中受部343は、内受部344を案内するレールとして機能し、板状体の対向する側縁に前側に延出形成された中保持片343aを複数備え、複数の中保持片343aは、該側縁の延在方向に互いに離間して配置されている(図54参照)。中受部343は、各中保持片343aが板状体の長手辺に沿って設けられ、外受部341における左右の外保持片341a,341a間に、その長手辺を上下に延在させると共に各中保持片343aを対応する側の外保持片341aに対向させた状態で配設されている。また、中受部343は、左右方向の中央部が前側に凸状に隆起しており(図49または図50参照)、この隆起部分343bが上下方向に亘って形成されている。
各中保持片343aには、転動体342の直径より小径に設定された円形の中保持孔が開設されおり、中保持片343aとこれに対向する外保持片341aとの間に配設した転動体342を中保持孔に回転可能に一部収容するようになっている。すなわち、転動体342は、外保持片341aおよび中保持片343aとによって左右方向の移動が規制されると共に、中保持孔によって中保持片343aからの上下方向の移動を規制されつつ回転可能になっている。中受部343は、その上下寸法が外受部341の上下寸法より短く設定されて、左右の転動体342を介して左右の外保持片341a,341aの間に支持されたもとで、外受部341における上下の停止片341b,341b間で上下方向に往復移動可能になっている。なお、中受部343は、隆起部分343bの上端縁および下端縁に前側に突設された停止突起(図示せず)を有し、両中保持片343a,343aの間に配設される内受部344の所定幅を越えた上下方向の移動を停止突起により規制し得るようになっている。
前記内受部344は、板状体の両側縁に後側に向けて内保持片344aが夫々延出形成されされて、断面略コ字形状に形成されている(図49または図50参照)。内受部344は、各内保持片344aが板状体の長手辺に亘って設けられ、中受部343における左右の中保持片343a,343a間に、その長手辺を上下に延在させると共に各内保持片344aを対応する側の中保持片343aに対向させた状態で配設されている。なお、内受部344は、その上下寸法が中受部343の上下寸法より短く設定されている。内受部344は、各内保持片344aが他方の内保持片344aに対向する内側が凸になる湾曲形状に形成されて、中保持片343aに対向する外面が転動体342の外形に合わせた凹状になっている。内受部344は、中保持孔を介して中保持片343aの内側に臨む転動体342が内保持片344aの外面に収まり、転動体342と中受部343の隆起部分343bとの間に内保持片344aが挟まれている。すなわち、内受部344は、転動体342と中受部343の隆起部分343bとによって左右方向の移動が規制されつつ上下方向に移動可能に支持されており、外受部341に対して上下移動可能な中受部343と独立して該中受部343に対して上下移動可能に構成される。なお、内受部344は、板状体の上端部および下端部に後側に突設された停止突部(図示せず)を有し、この停止突部が中受部343の停止突起に係止することで上方または下方への移動が規制されるようになっている。
前記第3可動体は、可動基部322を転がり軸受340における内受部344の前面に取り付けることで、可動基部322が前側を第3カバー部材310の右面部に覆われた状態で装置本体部に収納されている。また、可動基部322の左側面は、第3カバー部材310の延出部312の内側に沿って延在すると共に、可動基部322の左面前側部分が延出部312に相対するよう構成されている。すなわち、可動基部322の左面前側部分は、第3カバー部材310の左面部313より前側に突き出ており、延出部312の上側領域に開設された配線通口314に、可動基部322の左面に開設された配線引出口334が臨むようになっている(図49参照)。
前記第3駆動部350は、第3モータ(モータ)351と、この第3モータ351および第3可動体320の可動基部322を連繋して、第3モータ351の回転を第3可動体320の動作に変換する第3伝達部352,353とから構成されている(図53参照)。実施例では、第3モータ351として、統括制御装置79の制御下に駆動または駆動停止されるステッピングモータが用いられている。第3モータ351は、第3ベース部材302の後面に取り付けられ(図46参照)、裏ユニット39の左辺部に開設されたモータ挿通口39cに挿通されて裏ユニット39の後側に臨んでいる(図5参照)。第3モータ351は、第3ベース部材302の縦部分における左側領域において上下方向の略中央に配置されており、左側領域の中で右側領域に配置された転がり軸受340(可動基部322)側に偏倚している。第3ベース部材302の後面には、第3モータ351の外形に合わせてモータ用位置決め片302bが連設され、このモータ用位置決め片302bの内側に第3モータ351が出力軸351aを前側に臨ませて嵌合している。
前記第3伝達部は、第3モータ351の出力軸351aに固定された駆動歯車(ピニオン)352と、可動基部322の左側縁に設けられ、駆動歯車352にかみ合うラック部(ラック)353とから構成され、駆動歯車352の正逆回転を可動基部322の直線運動に変換する所謂ラックアンドピニオン構造になっている(図53参照)。すなわち、駆動歯車352の前側は、第3カバー部材310の左面部311で覆われている。また、第3駆動部350は、第3モータ351および第3伝達部352,353が、第3ベース部材302おける腕部323の延出側と転がり軸受340を挟んで反対側に設けられているので、第3駆動部350が腕部323の動作に邪魔にならず、第3可動体320を安定して動作できる。
前記第3可動演出装置300は、第3モータ351の停止時(非通電時)に、該第3モータ351自体の機械的な保持トルクによって、第3可動体320の重量を第3伝達部352,353を介して支持して、第3可動体320を待機位置で停止し得るよう構成されている。すなわち、第3可動演出装置300において、第3モータ351の停止時の保持トルクだけで第3可動体320を待機位置で保持することが可能であり、磁石308と金属片327との磁着によって第3可動体320を待機位置で保持する構成は補助的な手段となっている。このように、第3可動演出装置300は、遊技盤36の振動やその他の予定しない力が第3可動体320に加わった際であっても、磁石308による保持構造を設けてあるので、第3可動体320が待機位置から下降することを防止できる。
ここで、遊技盤36は、表示部40の上側中央と表示部40の中心部との間で動く第3可動体320の往復移動経路と、表示部40の右横側と表示部40の中心部との間で動く第2可動体220の往復移動経路とが交差するよう構成されている(図18参照)。仮に、第2可動体220の動作の最中に、待機位置にある第3可動体320が振動等により下降してしまうと、第2可動体220にぶつかって両可動体220,320が破損してしまうおそれがある。前述の如く、第3可動体320は、待機位置において磁石308によって補助的に保持されているので、意図しない動作を行う可能性が低く、第2可動体220との干渉を回避できる。
前記第3可動演出装置300は、第3可動体320の位置を判定する第3検知手段としての第3フォトセンサ360を備えている。第3フォトセンサ360は、統括制御装置79に電気的に接続され、この第3フォトセンサの信号が統括制御装置79に入力されるようになっている。第3フォトセンサ360は、第3ベース部材302の左側部分前側において駆動歯車352の下側に設置された検知基板361に設けられ(図53または図54参照)、第3ベース部材302に開設された開口を介して裏ユニット39の後側に突出するソケットに配線が接続される。第3フォトセンサ360は、該第3フォトセンサ360における対向する検知部間を通過するように配置された第3可動体320の第3検知片321の有無によって、第3可動体320(可動基部322)の位置を判定するようになっている。第3検知片321は、第3可動体320の可動基部322の下端部に設けられ、可動基部322から左側に延出した支持片部321aの後面から後側に向けて突出形成されている(図52参照)。実施例では、第3可動体320の待機位置において第3検知片321が第3フォトセンサ360の検知部間に位置するよう設定され、第3フォトセンサ360による第3検知片321の存在によって待機位置にある第3可動体320を確認し得るよう構成される。
前記第3可動演出装置300の配線保持構造について説明する。第3可動演出装置300では、第3可動体320の可動体意匠部324に設けた可動体発光基板329に配線が接続されている。この配線は、第3可動体320の可動基部322より装置本体部を介して裏ユニット39の前側から後側に取り回されて、裏ユニット39の左側部に設けられる左横中継基板84(図5参照)に接続されている。第3可動体320は、可動体ベース325が前述の如く前側に開口する箱状に形成されて、可動体ベース325のベース腕部325bに配線を収容可能な配線収容部328が、該ベース腕部325bの長手方向に沿って設けられている(図53参照)。実施例の配線収容部328は、ベース腕部325bの上壁とこの上壁に対向して該ベース腕部325bの内側に長手方向に沿って延在するリブとの間に画成され、リブの前端に上壁(上方)に向けて延出する配線保持片328aによって配線収容部328に収容した配線の抜け出しが防止されるようになっている。また、ベース腕部325bの前面には、可動体カバー326が取り付けられるので、この可動体カバー326に配線収容部328が被覆されて、配線収容部328に収容した配線が露出しない。
前記可動基部322は、ベース腕部325bの配線収容部328の延長ライン上に位置するベース基部325aの左壁部が凹状に切欠形成される一方、可動体カバー326のベース基部325aに対応する左縁部に後側に突設された突部が凹状の切欠に嵌合して、切欠と凹部との間に配線引出口334が画成されている。第3可動体320に配設される可動体発光基板329の配線は、配線引出口334から引き出される。このように、第3可動体320は、配線収容部328に配線を収容することで、腕部323を介して可動基部322と可動体意匠部324との間を取り回す配線を適切に保持できる。
前記可動体ベース325において、ベース腕部325bの右端部とベース取付部325cとの間は、前後方向に延在する接続壁部325dによって接続されており、接続壁部325dの上下に離間する壁面の間に、配線収容部328に連通する案内路335が設けられている。接続壁部325dは、ベース取付部325cの前側に取り付けた可動体発光基板329の後面に設けられて、ベース取付部325cの後側に臨むソケット329cを覆うように形成されて、可動体発光基板329のソケット329cに接続された配線が、案内路335を前後に取り回されて配線収容部328に案内されるようになっている。このように、第3可動体320は、腕部323に比べて可動体意匠部324が前側に位置しており、腕部323と可動体意匠部324との渡りの部分において配線が曲がるものの、案内路335で配線が案内される構成であるので、配線が遊技者から見えるように外方に露出することはなく、配線への負荷を軽減し得る。
前記第3ベース部材302には、縦部分の左側領域に配線挿通口(挿通口)307が開設されており(図46参照)、この配線挿通口307は、裏ユニット39の左辺部に設けたモータ挿通口39cに繋がって開口する配線挿通部39d(図13参照)に整合するようになっている。配線挿通口307は、第3モータ351の上左側に配置され、第3ベース部材302において第3モータ351を挟んで第3可動体320の可動基部322と反対側であって、装置本体部の右側にある表示部40から離間した左側部に設けられる。配線挿通口307は、第3ベース部材302の上下中央より上側(第3可動体320の待機位置側)に偏倚した位置に設けられる。第3カバー部材310には、左面部311に第3ベース部材302の配線挿通口307に重なる配線開口315を底に有し、可動基部322側の開口縁から配線開口315に向けて窄まる傾斜形状に形成された配線案内部316が設けられている(図60または図61参照)。すなわち、配線案内部316は、左面部311において第3駆動部350を挟んで表示部40と反対側に設けられている。また配線案内部316は、前側の開口部分が配線開口315より大きく形成されており、前側に開口する凹状に後側に向けて凹設されて、配線開口315が開設される底部分が駆動歯車352およびラック部353の前後位置より第3ベース部材302の板状部分側(後側)に位置している(図47参照)。なお、駆動歯車352およびラック部353は、装置本体部の内部おいて左面部311の後面側に偏倚して配置されている。
前記第3カバー部材310には、第3可動体320の可動基部322に開口する配線引出口334の上下変位範囲に対応して、延出部312に左右方向に貫通形成された配線通口314が設けられている(図49または図52参照)。すなわち、配線通口314は、可動基部322の往復動に伴う配線の上下変位を許容するよう形成される。また、第3カバー部材310は、延出部312における配線通口314の上側位置および下側位置に連設されて、配線案内部316の前側の開口部分を囲うように延在する収容壁部317を有している(図60参照)。すなわち、収容壁部317は、上部が延出部312における配線通口314の上側に接続されると共に、下部が延出部312における配線通口314の下側に接続され、配線案内部316の前側開口部分の左側を通るように連設されて、正面視において略「く」字状に延在している。これにより、左面部311の前側には、収容壁部317と延出部312に囲われた配線の収容路が設けられ、第3可動体320の配線引出口334から配線通口314を介して左面部311の前側に引き出した配線が案内される。そして、第3可動演出装置300は、可動体発光基板329に接続する配線を、可動基部322において左面部311より前側部位に位置する配線引出口334から配線通口314を介して左面部311の前側に引き出し、配線案内部316、配線開口315、配線挿通口307および配線挿通部39dを介して裏ユニット39の後側に取り出すよう構成されている。
前記配線案内部316は、可動基部322側の前側開口縁半周分から配線開口315に向けて窄まるよう形成されると共に、可動基部322の配線引出口334の上下往復範囲の略中央に対応する部位に設けられている。すなわち、配線案内部316は、第3可動体320から引き出されて左面部311の前側を遊技盤面に沿って延在する配線が前後方向に曲がる部分を案内し、配線の曲がり部分内周を傾斜面で保持しているので、配線の曲がり部分の曲げ半径を大きくすることができ、配線への負荷を軽減し得る。また、配線は、第3可動体320の上下動に伴って配線開口315を略中心として上下に揺動するが、配線案内部316の傾斜面が配線の揺動範囲に亘って設けられて該傾斜面で案内されるので、配線が変位しても摺接負荷が増大することを回避し得る。更に、配線は、収容路に延在しているので、第3カバー部材310等に取り付けられる他の部材との干渉はない。ここで、第3可動体320は、待機位置にある時間が演出動作を行っている時間より長いので、第3可動体320から配線案内部316に渡る配線が、待機位置にある第3可動体320に対応した状態で長い時間保持されることになる。第3可動演出装置300は、第3ベース部材302の上下中央より上側に偏倚した位置に設けられた配線挿通口307に対応して配線案内部316が設けられており、配線案内部316は、第3ベース部材302の上下において中央より待機位置側に配置されている。すなわち、配線案内部316と待機位置にある第3可動体320の配線引出口334との上下の離間寸法が、配線案内部316を第3ベース部材302の下半分に対応する部位に設ける場合と比べて短くなり、第3可動体320の待機位置に対応した姿勢の配線にかかる負荷が小さくなる。
前記配線案内部316は、底部分に後側に突出した配線結合片318が形成されている(図61参照)。配線結合片318は、配線案内部316の底部分における配線開口315左側に設けられ、配線開口315に挿通した配線を配線結合片318に結束バンドで固定することで、配線をまとめている。このように、配線開口315において第3可動体320から離間した側に設けた配線結合片318に配線を固定することで、配線案内部316の第3可動体320側の開口縁と配線結合片318による配線の固定部分とが、左面部311前側の配線の延在方向(左右方向)に離間することになり、配線の曲げ半径を大きくすることができる。しかも、裏ユニット39の後面に引き出された配線は、配線案内部316の下側に設置された第3モータ351の左側を介して第3モータ351の下側に配置された左横中継基板85に接続されるので、配線結合片318により配線開口315の左側に固定することで、裏ユニット39の後面での配線の取り回しが容易になる。
前記第3可動演出装置300は、仕切板として機能する第3カバー部材310の左面部311の前側に配線を通すことにより第3伝達部352,353に対する配線の干渉を防止できる。ここで、可動体発光基板329に接続する配線において、例えば腕部323の内部に設けた配線収容部328に収容された部分は、第3可動体320の動作によっても変形することはなく、配線が腕部323から脱落しない構成であれば足りるものの、第3可動体320から引き出した部分は、第3可動体320の上下動につれて変形するので、配線への負荷を軽減することが求められる。ここで、第3可動演出装置300は、第3カバー部材310を挟んで第3伝達部352,353の前側のスペースを、第3可動体320の往復動作に伴う配線の変位許容空間として用いることができるので、第3可動体320の往復動に際して配線にかかる負荷を軽減することができる。また、配線を裏ユニット39の後側に案内する配線案内部316は、第3可動体320側の開口縁から配線開口315に向けて窄まる傾斜形状に形成されているので、配線の曲げ半径が大きくなり、当該曲がり部分にかかる負荷を抑えることができる。そして、配線案内部316の傾斜形状は、配線の変位方向に合わせて形成されているので、配線に対する負荷をより軽減し得る。ここで、配線案内部316は、第3カバー部材310において配線引出口334より遠くなる部位に設けられているので、左面部311の前側での配線の延在寸法を長くとることができ、配線の変位に際して配線が折れ曲がったりすることを回避し得る。
前記配線案内部316は、可動基部322の配線引出口334の上下往復範囲の略中央に対応する部位に設けられているので、配線の配線案内部316に対する変位幅を最小限に抑えることができるので、配線に対する負荷を軽減し得る。第3カバー部材310は、第3伝達部352,353の前側だけでなく、転がり軸受340および可動基部322の前側も覆っているので、転がり軸受340および可動基部322への配線の噛み込みを防止できる。また、第3カバー部材310において、転がり軸受340および可動基部322の前側を覆う右面部313を、後述する第3発光装置370の第3発光基板371の配設スペースとして有効利用できる。
前記第3可動演出装置300は、第3カバー部材310の前側に第3発光装置370を備えている(図51または図52参照)。第3発光装置370は、発光体としてのLED372を備えた第3発光基板371から構成されて、表示部40の左横側に配置される。すなわち、第3発光装置370は、統括制御装置79の制御下にLED372から光を照射することで、表示部40の左横側領域を明輝させて、第3可動体320の演出動作と合わせてまたは独立して発光による演出を行い得るようになっている。第3発光基板371は、第3カバー部材310の縦部分右側領域および横部分におおよそ整合する形状で形成され、第3カバー部材310の前側にネジ止め固定されている。
前記第3発光基板371の前側には、透明な合成樹脂素材からなるトレイ形状の第3基板カバー(基板カバー)319が取り付けられる。ここで、第3基板カバー319は、第3発光基板371に嵌合されると共に、第3カバー部材310ネジ孔に対してネジ止め固定される。第3基板カバー319は、第3カバー部材310の縦部分右側領域および横部分におおよそ整合する形状で形成されると共に、収容壁部317で左面部311に画成される収容路の前側を少なくとも塞ぐように形成されている(図45,図58または図59参照)。すなわち、第3可動演出装置300は、収容路に延在する配線の前側への抜け出しを第3基板カバー319によって防止することができる。また、第3基板カバー319には、第3発光基板371のLED372に対応する位置の夫々に、凸レンズ状のレンズ状光透過部(透過部)319aが設けられ、このレンズ状のレンズ状光透過部によってLED372から照射した光を適切に拡散することができる。
前記第3ベース部材302には、位置合わせ部としての孔部302cが横部分上側に設けられている。また、第3カバー部材310および第3基板カバー319には、この孔部302cに対応する位置に、該孔部302cに整合する大きさで位置決め開口310c(図60参照),319b(図58参照)が開設されている。更に、第3カバー部材310には、第3ベース部材302の縦部分右側領域に対応する部位の下部に、位置合わせ部としての孔部310dが設けられている。遊技盤36は、裏ユニット39を板部材38に取り付けることで、装飾枠部材54の嵌合片部54cから後方に突設された嵌合部としての突片58が位置決め開口310c,319bを介して孔部302cに挿入されると共に、突片58が第3カバー部材310の孔部310dに挿入されて、孔部302c,310dと突片58との嵌合下に第3可動演出装置300が板部材38に対して位置決めされる。
前記第3可動演出装置300は、通常状態において第3可動体320が待機位置にあり、表示部40で行われる図柄表示ゲームに連動してまたは独立して、第3可動体320が待機位置と動作位置との間で往復動される。具体的には、第3可動演出装置300は、第3モータ351が駆動されて第3伝達部352,353を介して第3可動体320が下方へ変位される。これにより、第3可動体320は、転がり軸受340に支持されたもとで下降し、表示部40の上側中央に位置していた可動体意匠部324が表示部40の中央の動作位置まで到来する。第3可動体320は、動作位置に到来すると、第3モータ351の駆動向きが変わり待機位置に向けて上昇する。そして、第3フォトセンサ360が第3検知片321の検知状態より非検知状態に移行してから所定のタイミングで第3モータ351を停止することで、可動体意匠部324が表示部40の上側に退避した待機位置で停止される。
前記第3可動演出装置300は、第3モータ351の正逆駆動によって第3可動体320が待機位置からから動作位置まで変位して待機位置に戻る一往復する1サイクルの動作を行うことができる。第3可動演出装置300は、第3可動体320の動作を1サイクルだけ行う態様であっても、連続して複数サイクル行う態様の何れであってもよい。また、第3可動演出装置300は、第3モータ351を正逆駆動することで、第3可動体320を待機位置と動作位置との間の途中で往復動(所謂振動)することもできる。
前記第3可動演出装置300は、固定側の第3ベース部材302に対して第3可動体320の可動基部322が、滑り軸受構造と比べて摺動負荷が低い転がり軸受340を介して支持されているので、第3可動体320を円滑に動作させることができると共に、第3駆動部350に対する負荷を軽減できる。第3可動演出装置300では、可動基部322から横方向に延びる腕部323の先端に、可動体発光基板329を備えて比較的重量のある可動体意匠部324が設けられるので、可動基部322に対して斜め下方向に可動体意匠部324および腕部323の重量がかかる。しかしながら、転がり軸受340は、内受部344および中受部343が、転動体342によって左右から挟まれて支持されており、変位方向と交差する方向へ荷重かかっても傾き難いので、第3可動体320の重量が斜めにかかっても転がり軸受340によって第3可動体320の上下動を円滑に行い得る。
前記第3可動演出装置300における第3可動体320の動作制御についてより具体的に説明する。統括制御装置79は、第3可動体320を待機位置から動作位置まで下降する際に、金属片327を磁石308から引き離し得る第1のトルクで駆動開始するように第3モータ351を制御し、第1のトルクより小さく設定した第2のトルクを少なくとも経て、第2のトルクより小さく設定されて最小のトルクとなる第3のトルクまで段階的に減少するように第3モータ351を制御して、第3可動体320の下降速度を増速するよう構成される。その後、統括制御装置79は、第3のトルクより大きく設定した第4のトルクを少なくとも経て、第4のトルクより大きく設定された第5のトルクまで段階的に増大するように第3モータ351を制御して、第3可動体320の下降速度を減速し、第3可動体を動作位置で停止するよう構成される。すなわち、第3可動演出装置300は、第3可動体320の待機位置からの動き出しに際して、第3モータ351を第1のトルクで所定ステップ数だけ正転駆動することで、磁石308の磁力に抗して金属片327を引き離し、第3可動体320を下降することができる。そして、第3可動演出装置300は、第3モータ351が第1のトルクより所定ステップの第2のトルクを経て第3のトルクまで段階的に減少するように正転駆動することで、第3モータ351による制動作用が低減するから、第3可動体320の自重によって落下スピードが上がる。
前記第3可動演出装置300は、第3モータ351を第3のトルクで所定ステップだけ正転駆動した後、所定ステップの第4のトルクを経て第5のトルクまで段階的に増加するように正転駆動することで、第3モータ351による制動作用が増大するから、第3可動体320の落下スピードが落ちる。そして、第3可動演出装置300は、第3モータ351を第3のトルクで所定ステップだけ正転駆動した後、第3モータ351を励磁固定することで、第3可動体320が動作位置で停止される。なお、励磁固定とは、第3モータ351において電流を流す巻き線を変えないで出力軸351aに繋がる回転子を電気的に固定することをいう。
実施例の第3可動演出装置300は、第1のトルク(例えば、周波数166pps:ステップ数12)から第2のトルク(例えば、周波数250pps:ステップ数12)を経て第3のトルク(例えば、周波数500pps:ステップ数132)まで順に三段階でトルクが減少するように第3モータ351が正転駆動され、第3のトルクから第4のトルク(例えば、周波数250pps:ステップ数12)を経て第5のトルク(例えば、周波数166pps:ステップ数12)まで順に三段階でトルクが増大するように第3モータ351が正転駆動される。なお、第3モータ351において、周波数とトルクとは反比例の関係にある。このように、第3可動演出装置300では、前記第1のトルクと第5のトルクとが同一に設定されると共に、前記第2のトルクと第4のトルクとが同一に設定されている。これにより、統括制御装置79の制御負荷を軽減しつつ、第3可動体320を合理的に動作制御することができる。
なお、第1のトルクと第2のトルクの間および/または第2のトルクと第3のトルクとの間において、別のトルクで第3モータ351を駆動する段階を設けてもよいが、第1のトルクから第3のトルクに向かうにつれて、トルクが段階的に減少するように設定される。同様に、第3のトルクと第4のトルクの間および/または第4のトルクと第5のトルクとの間において、別のトルクで第3モータ351を駆動する段階を設けてもよいが、第3のトルクから第5のトルクに向かうにつれて、トルクが段階的に増大するように設定される。
前記統括制御装置79は、第3モータ351を励磁固定して第3可動体320を動作位置で所定時間(実施例では500ステップ分)停止した後、第3モータ351を逆転駆動するよう制御し、第3可動体320が上昇される。ここで、統括制御装置79は、第3可動体320の上昇に際して、前記第2のトルクと同一のトルク(周波数250pps:ステップ数180)で第3モータ351を逆転駆動するように制御している。すなわち、統括制御装置は、第3可動体320を動作位置から待機位置まで上昇する際に、第1のトルクより小さくかつ第3のトルクより大きく設定された一定のトルクで、第3モータ351を駆動制御するよう設定されている。これは、第3可動体320が転がり軸受340で支持されて摺動負荷が低いため、第3可動体320の上昇に必要とされるトルクを小さくし得るから、第1のトルクの如き大きな力を必要としない。第3可動演出装置300は、第3モータ351を所定時間(実施例では、180ステップ分)逆転駆動することで、第3可動体320が動作位置から待機位置に戻るようになっている。
前記第3可動演出装置300では、第3可動体320が待機位置と動作位置の間で大きく往復移動する通常動作と別に、第3可動体320が待機位置と動作位置との間の一部範囲で上下方向に往復動する振動動作を行うよう構成されている。統括制御装置79は、第3可動体320の振動動作において、第3モータ351を下降時のトルクと上昇時のトルクとが同じになるよう駆動制御している。第3可動演出装置300は、金属片327が磁石308の影響を受けない範囲において第3可動体320が上下に往復動されて、このときのトルクが前記第2のトルクと同一に設定される。なお、第3可動演出装置300は、第3可動体320の振動動作において、下降時の第3モータ351の駆動ステップ数と上昇時の駆動ステップ数とが同じに設定される。すなわち、第3可動演出装置300は、第3可動体320が抵抗が小さい転がり軸受340で支持されているので、振動動作において下降時のトルクと上昇時のトルクを同一に設定しても、目視で確認できる程の下降変位を抑制することができる。
前記第3可動演出装置300は、待機位置で金属片327が磁石308で保持されるので、遊技盤36等が振動等しても第3可動体320の誤動作を防止できるようになっている。第3可動体320の動作に際して、統括制御装置79は、待機位置から下降開始時に第3モータ351のトルクが磁石308の保持力より大きくなるよう駆動制御するので、磁石308から金属片327を適切に引き離すことができる。その後、第3モータ351のトルクを段階的に減少することで、第3可動体320が抵抗が小さい転がり軸受340で支持されているので、大型で可動体発光基板329等が設けられて比較的重量がある第3可動体320の落下スピードを重力の作用下に上げることができる。このように、第3可動演出装置300は、第3モータ351の空転を防止しつつ第3可動体320の迅速に落下させることができ、意外感があり第3可動体320の落下動作による興趣を向上し得る。そして、統括制御装置は、第3モータ351のトルクを段階的に増加するよう駆動制御して、第3可動体320を減速するので、最下点となる動作位置で他の部材との衝突による衝撃を抑えることができる。すなわち、第3可動演出装置300は、第3可動体320を停止するまえに第3モータ351のトルク制御によって予め制動がかけられているので、停止に際する第3モータ351への負荷を軽減し得る。また、第3モータ351のトルク制御は、大きなトルクと小さなトルクだけの2段階で変化するものではなく、少なくとも最大トルクと最小トルクとの間に中間トルクがある段階的な変化であるから、第3モータ351の急激なトルク変化を避けて第3モータ351への負荷を軽減し得る。更に、第3可動演出装置300は、第3モータ351の励磁固定によって動作位置で第3可動体320を停止する構成であるから、第3可動体320を他の部材と衝突させて停止する必要がなく、第3可動体320に対する負担を回避し得る。
(第4可動演出装置)
第4可動演出装置400は、第4可動体420の意匠部分を除く構成が第1可動演出装置100とほぼ同一になっている。図12に示すように、第4可動演出装置400は、裏ユニット39における裏ユニット開口部39a下側を画成する辺部(下辺部)において左側の角隅部に設置されている。図65〜図69に示すように、第4可動演出装置400は、該第4可動演出装置400を構成する部材の設置基盤となる第4ベース部材(ベース部材)402と、所定の演出動作を行う第4可動体(可動体)420と、この第4可動体420を往復動する第4駆動部(駆動部)450と、第4ベース部材402の前側を覆う第4カバー部材410とから基本的に構成される。第4可動演出装置400では、第4ベース部材402と第4カバー部材410とから第4駆動部450が設けられる装置本体部が構成され、内部に部材の収容空間を有するケース状の装置本体部単位で第4可動体420および第4駆動部450を含めて裏ユニット39に対して一体的に着脱可能なユニット構造になっている。また、第4可動演出装置400は、第4ベース部材402が裏ユニット39の下辺部と左辺部とが交わる角隅部に合わせて形成されて、装置本体部が表示部40の外側に配置されると共に、装置本体部の右上部から第4可動体420の意匠部分(意匠部材430)が外方に臨んでいる。そして、第4可動演出装置400では、裏ユニット39の下辺部の前側に位置して表示部40の外側に退避している待機位置と、待機位置から上方変位して表示部40の前側に臨む動作位置との間で、第4可動体420が往復移動するようになっている(図18または図69参照)。
前記第4ベース部材402は、裏ユニット39の設置面となる後壁前面に当接する板状部分の周縁部から前方へ壁が立ち上がり、前方に開口する箱状に形成されている。また、第4ベース部材402には、上壁の右側領域に可動体用凹部402aが形成されている(図67または図68参照)。なお、第4ベース部材402は、透明な合成樹脂素材から形成されている。第4ベース部材402は、裏ユニット39における第4ベース部材402の設置部位に突設されたケース固定用ボス39bに対応して(図13参照)、壁の前端部に外方に延出するフランジ部403を備えている。第4ベース部材402は、フランジ部403の通孔403aを介してケース固定用ボス39bのネジ孔に前側からネジを螺挿することで裏ユニット39に固定される。
前記第4カバー部材410は、第4ベース部材402の前部開口を被覆可能な形状の板状部分を本体としている(図67または図68参照)。なお、第4カバー部材410は、透明な合成樹脂素材から形成されている。第4カバー部材410には、第4ベース部材402の板状部分から立設されたカバー固定用ボス404(図67参照)のネジ孔に対応して通孔411が開設されている。第4カバー部材410は、通孔411を介して前側からネジをネジ孔に螺挿することで、第4ベース部材402に対して固定される。第4可動演出装置400の装置本体部は、第4カバー部材410やその他の部材を取り外すことなくフランジ部403を止めたネジにアクセス可能である、裏ユニット39の前側から裏ユニット39に対して着脱することができる。
図67または図68に示すように、前記第4可動体420は、第4ベース部材402に軸支されて、第4駆動部450によって待機位置と動作位置との間を往復動する可動本体部材422と、この可動本体部材422に設けられた意匠部材430とから基本的に構成されている。可動本体部材422は、右端部が装置本体部の外左方に位置すると共に左端部が第4ベース部材402に軸支されて、装置本体部の可動体用凹部402aを通って長手が左右方向に延在するように配設されている。第4可動体420は、第4ベース部材402に軸支された支持部位を中心に可動本体部材422が往復移動するように構成され、可動本体部材422の往復移動につれて意匠部材430が表示部40の下側(外側)に退避した待機位置とこの待機位置から上方に変位して表示部40の前側に臨む動作位置との間で往復移動される(図69参照)。可動本体部材422の右端部前側には、意匠部材430が取り付けられている(図69参照)。第4可動体420の意匠部材430は、パチンコ機10のモチーフに合わせた人型である。
前記第4駆動部450は、第4モータ(モータ)452と、この第4モータ452および可動本体部材422を連繋して、第4モータ452の回転を可動本体部材422の揺動動作に変換する第4伝達部453,454,455とから構成されている(図69参照)。実施例では、第4モータ452として、統括制御装置79の制御下に駆動または駆動停止されるステッピングモータが用いられている。第4モータ452は、出力軸452aを前側に臨ませた状態で第4ベース部材402の後面に取り付けられ(図66参照)、裏ユニット39の下辺部に開設されたモータ挿通口39c(図13参照)に挿通されて裏ユニット39の後側に臨んでいる(図5参照)。
前記第4伝達部は、第4モータ452の出力軸452aに固定された駆動歯車453と、第4ベース部材402の前側に回転可能に軸支され、駆動歯車453にかみ合う従動歯車454と、この従動歯車454の前側に突設された伝達軸455とを備えている(図67または図68参照)。伝達軸455は、丸棒状に形成されると共に、従動歯車454の回転中心から偏心した位置(偏心位置)に設けられている。伝達軸455は、可動本体部材422の中央部に開設された伝達溝426に後側から挿入されている。すなわち、第4可動演出装置400は、伝達溝426に挿入された伝達軸455が従動歯車454の回転につれて変位することで、伝達溝426と伝達軸455との係合下に可動本体部材422が揺動するようになっている。
前記第4可動演出装置400では、第4モータ452の同一方向への回転が第4伝達部453,454,455,456により第4可動体420の可動本体部材422の揺動運動に変換される。ここで、第4可動演出装置400は、従動歯車454の一回転で第4可動体420が待機位置から動作位置まで上昇し、動作位置から待機位置まで下降するようになっている。
前記第4可動演出装置400は、第4可動体420の位置を判定する第4検知手段としての第4フォトセンサ460を備えている(図67参照)。第4フォトセンサ460は、統括制御装置79に電気的に接続され、この第4フォトセンサ460の信号が統括制御装置79に入力されるようになっている。第4フォトセンサ460は、従動歯車454の後側に位置して第4ベース部材402に設置された検知基板461に設けられている。また、第4可動演出装置400では、従動歯車454の後面(伝達軸455の形成面と反対側の面)に設けられた第4検知片454aが、第4フォトセンサ460における対向する検知部の間を通過するよう配置されている。第4検知片454aは、一部領域を切り欠いた環状に形成されている。第4フォトセンサ460は、第4検知片454aの有無により第4可動体420の位置を判定し、実施例では、第4検知片454aの切欠部分中央が第4可動体420の待機位置に対応するように設定されている。
前記第4可動演出装置400は、第4可動体420の動作時(第4モータ452の駆動時)に第4フォトセンサ460による検知状態にある第4検知片454aが非検知状態に移行してから所定時間経過して第4モータ452を停止するように、統括制御装置79によって制御される。
前記第4可動演出装置400は、第4カバー部材410の前側に第4発光装置470を備えている。第4発光装置470は、発光体としてのLED472を備えた第4発光基板471からなり、左装飾体61の後側に配置されている(図9参照)。すなわち、第4発光基板471は、統括制御装置79の制御下にLED472から光を照射することで、左装飾体61を明輝させて、第4可動体420の演出動作と合わせてまたは独立して発光による演出も行い得るようになっている。第4発光基板471は、第4カバー部材410の前面に設けられた基板支持片412(図67参照)に支持されて、第4カバー部材410の前面から離して設置されている。第4カバー部材410には、基板支持片412の内側にカバー取付用ボス413が複数突設されている。第4発光基板471の前側には、透明な合成樹脂素材からなるトレイ形状の第4基板カバー(基板カバー)414が取り付けられる。ここで、第4基板カバー414は、第4発光基板471に嵌合すると共に、第4発光基板471に開設された通孔を介して該第4発光基板471の前側に臨むカバー取付用ボス413のネジ孔に対してネジ止め固定される。
前記第4基板カバー414は、板部材38の左下部に開設された左下貫通口42に整合する形状に形成されて、裏ユニット39を板部材38に取り付けることで、第4基板カバー414が左下貫通口42の内側に嵌合するよう構成される。すなわち、第4可動演出装置400は、板部材38の嵌合部として機能する左下貫通口42と、嵌合部に整合する位置合わせ部として機能する第4基板カバー414との嵌合下に、板部材38に対して位置決めされるようになっている。
前記第4可動演出装置400は、通常状態において第4可動体420が待機位置にあり、表示部40で行われる図柄表示ゲームに連動してまたは独立して、第4可動体420が待機位置と動作位置との間で往復動される。具体的には、第4可動演出装置400は、第4モータ452が駆動されて第4伝達部453,454,455,456を介して可動本体部材422が上方へ変位される。可動本体部材422が動作位置に向けて上昇すると、意匠部材430も上昇する。第4可動体420は、動作位置に到来すると、動作向きが変わり待機位置に向けて下降する。そして、第4フォトセンサ460が第4検知片454aの検知状態より非検知状態に移行してから所定のタイミングで第4モータ452を停止される。
前記第4可動演出装置400は、従動歯車454が1回転することで、第4フォトセンサ460に臨む第4検知片456の切欠部分が1回転して第4フォトセンサ460に再度臨み、第4可動体420が待機位置から動作位置まで変位して待機位置に戻る一往復する1サイクルの動作を行うことができる。第4可動演出装置400は、第4可動体420の動作を1サイクルだけ行う態様であっても、連続して複数サイクル行う態様の何れであってもよい。また、第4可動演出装置400は、第4モータ452を正逆駆動することで、第4可動体420を待機位置と動作位置の手前の途中位置との間で往復動したり、待機位置と動作位置との間の途中で往復動(所謂振動)することもできる。
前述した如く、第1〜第4可動演出装置100,200,300,400は、少なくともベース部材102,202,302,402を基準として、可動体120,220,320,420および駆動部150,250,350,450を含めて裏ユニット39に対して着脱可能な構造である。また、各可動演出装置100,200,300,400は、板部材38または該板部材38に位置決め固定された装飾枠部材54に設けられた嵌合部42,54c,58と嵌合する位置合わせ部114,115,224,302c,414を有している。そして、各可動演出装置100,200,300,400は、裏ユニット39を板部材38に取り付けた際に嵌合部42,54c,58と対応する位置合わせ部114,115,224,302c,414との嵌合により板部材38に対して位置決めされるよう構成されている。このように、可動体120,220,320,420を備えた各可動演出装置100,200,300,400は、裏ユニット39に位置決めされるだけでなく、嵌合部42,54c,58と位置合わせ部114,115,224,302c,414との嵌合によって板部材に対しても位置決めすることができる。これにより、可動体120,220,320,420と裏ユニット39の後側に保持される図柄表示装置13の表示面との間の相対的な位置精度を向上し得ると共に、可動体120,220,320,420と板部材38およびこの板部材38に取り付いた装飾枠部材54との間の相対的な位置精度を向上し得る。
第1可動演出装置100および第4可動演出装置400は、前記カバー部材110,410の前面の少なくとも一部が板部材38の後面に当接するよう構成されている。すなわち、第1可動演出装置100および第4可動演出装置400は、カバー部材110,410が板部材38の後面に当接するので、裏ユニット39と板部材38との間で装置本体部を前後方向に位置決めすることができる。
前記遊技盤36では、第1可動演出装置100の第1可動体120が表示部40の右下側(第2可動体220の待機位置に偏倚した側)を支点として、意匠部分が表示部40の右下側の待機位置とこの待機位置から上方変位して表示部40の前側右下領域に臨む動作位置との間で揺動し、第2可動演出装置200の第2可動体220が表示部40の右上側を支点として、意匠部分が表示部40の右横側の待機位置とこの待機位置から左方変位して表示部40の前側中央部に臨む動作位置との間で揺動し、第3可動演出装置300の第3可動体320の意匠部分が、表示部40の上側中央の待機位置とこの待機位置から下方変位して表示部40の前側中央部に臨む動作位置との間で上下動するよう構成される。そして、遊技盤36では、第2可動体220の往復移動経路に対して、第1可動体120および第3可動体320の往復移動経路が重なるよう構成されると共に、第1可動体120の往復移動経路と第3可動体320の往復移動経路が重ならないようになっている(図18参照)。
前記パチンコ機10は、第1〜第3可動演出装置100,200,300の可動体120,220,320を動作させる駆動部150,250,350のモータ152,251,351を制御する動作制御手段としての統括制御装置78を備えている。第1〜第3可動演出装置100,200,300は、可動体120,220,320の位置を判定する手段としてフォトセンサ160,260,360を備えており、統括制御装置79では、フォトセンサ160,260,360からの信号によって可動体120,220,320の位置を判定している(図17参照)。
前記統括制御装置79は、第1可動演出装置100の演出動作開始時に、第2可動体220が第2フォトセンサ260の判定により待機位置にあることおよび第2駆動部250の第2モータ251が駆動していないことを条件として、第1駆動部150の第1モータ152を駆動して第1可動体120を動作させる。一方、統括制御装置79は、第1可動演出装置100の演出動作開始時に、第2可動体220が待機位置にない若しくは第2モータ251が駆動している異常判定において、第2モータ251を停止すると共に第1駆動部の第1モータ152の駆動を開始しないよう制御する。なお、実施例では、第1可動演出装置100の演出動作開始の条件として、第2可動体220が待機位置にあることおよび第2モータ251が駆動していないことの2つを設定したが、第2可動体220が待機位置にあることのみを条件としてもよい。
前記統括制御装置79は、第2可動演出装置200の演出動作開始時に、第1可動体120が第1フォトセンサ160の判定により待機位置にあることおよび第3可動体320が第3フォトセンサ360の判定により待機位置にあることと、第1駆動部150の第1モータ152および第3駆動部350の第3モータ351が駆動していないこととを条件として、第2駆動部250の第2モータ251を駆動して第2可動体220を動作させる。一方、統括制御装置79は、第1可動体120および第3可動体320が待機位置にない若しくは第1駆動部150の第1モータ152および第3駆動部350の第3モータ351が駆動している異常判定において、駆動している第1駆動部150の第1モータ152若しくは第3駆動部350の第3モータ351を停止すると共に第2駆動部250の第2モータ251の駆動を開始しないように制御する。なお、実施例では、第2可動演出装置200の演出動作開始の条件として、第1可動体120および第3可動体320が待機位置にあることおよび第1モータ152および第3モータ351が駆動していないことを設定したが、第1可動体120および第3可動体320が待機位置にあることのみを条件としてもよい。
前記統括制御装置79は、第3可動演出装置300の演出動作開始時に、第2可動体220が第2フォトセンサ260の判定により待機位置にあることおよび第2駆動部250の第2モータ251が駆動していないことを条件として、第3駆動部350の第3モータ351を駆動して第3可動体320を動作させる。一方、統括制御装置79は、第3可動演出装置100の演出動作開始時に、第2可動体220が待機位置にない若しくは第2モータ251が駆動している異常判定において、第2モータ251を停止すると共に第3駆動部の第3モータ351の駆動を開始しないよう制御する。なお、実施例では、第3可動演出装置300の演出動作開始の条件として、第2可動体220が待機位置にあることおよび第2モータ251が駆動していないことの2つを設定したが、第2可動体220が待機位置にあることのみを条件としてもよい。
前記統括制御装置79は、前記異常判定時に、第1可動体120および第3可動体320が待機位置にあるか否かを対応のフォトセンサ160,360により判定し、これらの可動体120,320が待機位置にないときに対応の駆動部150,350のモータ152,351を駆動して該可動体120,320を待機位置に戻す復帰動作を行うように制御する。また、統括制御装置は、第1可動体120および第3可動体320が待機位置にあることを条件として、第2フォトセンサ260により待機位置にないと判定された第2可動体220を待機位置に戻す復帰動作を行うよう制御する。
実施例の第1〜3可動演出装置100,200,300の制御について、図70〜図82のフローチャート図を参照して具体的に説明する。先ず、第1可動演出装置100と第3可動演出装置300は、干渉防止制御の判定フローが同じであるので(図70参照)、第1可動演出装置100を例に挙げて説明する。統括制御装置79は、第1可動演出装置100の動作開始コマンド(信号)が入力されると(ステップS1)、第1可動体120を動かす前に、該第1可動体120の往復移動経路に重なる動作を行う第2可動体220の状態を判定する。すなわち、統括制御装置79は、第2可動体220を動かす第2モータ251が駆動されているか否かについて判定し(ステップS2)、第2モータ251が駆動されていなければ(ステップS2:NO)、第2可動体220が待機位置にあるか否かを判定する(ステップS3)。第2フォトセンサ260によって第2検知片255の有無を判定し、第2検知片255を検知しなければ、第2可動体220は待機位置にあるので(ステップS3:YES)、第1モータ152を駆動して第1可動体120の動作を開始する(ステップS4)。そして、統括制御装置79は、第1可動体120の所定の演出動作が終了すると(ステップS5)、第1可動体120を待機位置に戻すように第1モータ152を駆動制御する(ステップS6)。第1フォトセンサ160が第1検知片156の非検知状態に移行してから所定のタイミングで第1モータ152を停止することで、第1可動体120の動作が正常に終了される。
これに対して、第1可動体120の動作開始信号が入力された際に、第2可動体220が動作している(第2モータ251が駆動中)場合には(ステップS2:YES)、統括制御装置79は、第2可動体220が異常であると判定し(異常判定)、干渉防止制御を行う。すなわち、統括制御装置79は、第3モータ351が駆動していれば停止し、第2モータ251を停止し、第1モータ152が駆動していれば停止して(ステップS8)、第1〜第3可動体120,220,320の動作を終了するようになっている(ステップS9)。また、ステップS3において、第2可動体220が待機位置にない場合にあっても(ステップS3:NO)、統括制御装置79は、第2可動体220が異常であると判定し(異常判定)、干渉防止制御を行う。すなわち、統括制御装置79は、第3モータ351が駆動していれば停止し、第2モータ251が駆動していれば停止し、第1モータ152が駆動していれば停止して(ステップS8)、第1〜第3可動体120,220,320の動作を終了する(ステップS9)。このように、異常判定をした場合には、第1〜第3可動体120,220,320の位置にかかわらず、直ちに第1〜第3可動体120,220,320を停止することで、互いの干渉を回避している。なお、第2可動体220の位置判定ステップ(ステップS3)と第2モータ251の駆動判定ステップ(ステップS2)を入れ替えてもよい。
次に、第2可動演出装置200の干渉防止制御の判定フローについて説明する(図71参照)。統括制御装置79は、第2可動演出装置200の動作開始コマンド(信号)が入力されると(ステップS10)、第2可動体220を動かす前に、該第2可動体220の往復移動経路に重なる動作を行う第1可動体120および第3可動体320の両方について状態を判定する。統括制御装置79は、第3可動体320を動かす第3モータ351が駆動されているか否かについて判定し(ステップS11)、第3モータ351が駆動されていなければ(ステップS11:NO)、第3可動体320が待機位置にあるか否かを判定する(ステップS12)。第3フォトセンサ360によって第3検知片321の有無を判定し、第3検知片321を検知しなければ、第3可動体320は待機位置にあるので(ステップS12:YES)、第1可動体120の状態判定に移行する。統括制御装置79は、第1可動体120を動かす第1モータ152が駆動されているか否かについて判定し(ステップS13)、第1モータ152が駆動されていなければ(ステップS13:NO)、第1可動体120が待機位置にあるか否かを判定する(ステップS14)。第1フォトセンサ160によって第1検知片156の有無を判定し、第1検知片156を検知しなければ、第1可動体120は待機位置にあるので(ステップS14:YES)、第2モータ251を駆動して第2可動体220の動作を開始する(ステップS15)。そして、統括制御装置79は、第2可動体220の所定の演出動作が終了すると(ステップS16)、第2可動体220を待機位置に戻すように第2モータ251を駆動制御する(ステップS17)。第2フォトセンサ260が第2検知片255の非検知状態に移行してから所定のタイミングで第2モータ251を停止することで、第2可動体220の動作が正常に終了される。なお、実施例では、第3可動体320の判定ステップ(ステップS11,S12)を第1可動体120の判定ステップ(ステップS13,S14)より先に行う例を挙げたが、第1可動体120の判定ステップを先に行ってもよい。また、可動体120,320の位置判定ステップ(ステップS12,S14)とモータ152,351の駆動判定ステップ(ステップS11,S13)を入れ替えてもよい。
これに対して、第2可動体220の動作開始信号が入力された際に、第3可動体320が動作している(第3モータ351が駆動中)場合には(ステップS11:YES)、統括制御装置79は、第3可動体320が異常であると判定し(異常判定)、干渉防止制御を行う。すなわち、統括制御装置79は、第3モータ351を停止し、第2モータ251が駆動していれば停止し、第1モータ152が駆動していれば停止して(ステップS19)、第1〜第3可動体120,220,320の動作を終了するようになっている(ステップS20)。また、ステップS12において、第3可動体320が待機位置にない場合にあっても(ステップS12:NO)、統括制御装置79は、第3可動体320が異常であると判定し(異常判定)、干渉防止制御を行う。すなわち、統括制御装置79は、第3モータ351が駆動していれば停止し、第2モータ251が駆動していれば停止し、第1モータ152が駆動していれば停止して(ステップS19)、第1〜第3可動体120,220,320の動作を終了する(ステップS20)。
同様に、ステップS13において、第1可動体120が動作している(第1モータ152が駆動中)場合には(ステップS13:YES)、統括制御装置79は、第1可動体120が異常であると判定し(異常判定)、干渉防止制御を行う。すなわち、統括制御装置79は、第3モータ351が駆動していれば停止し、第2モータ251が駆動していれば停止し、第1モータ152を停止して(ステップS19)、第1〜第3可動体120,220,320の動作を終了するようになっている(ステップS20)。また、ステップS14において、第1可動体120が待機位置にない場合にあっても(ステップS14:NO)、統括制御装置79は、第1可動体120が異常であると判定し(異常判定)、干渉防止制御を行う。すなわち、統括制御装置79は、第3モータ351が駆動していれば停止し、第2モータ251が駆動していれば停止し、第1モータ152が駆動していれば停止して(ステップS19)、第1〜第3可動体120,220,320の動作を終了する(ステップS20)。このように、異常判定をした場合には、第1〜第3可動体120,220,320の位置にかかわらず、直ちに第1〜第3可動体120,220,320を停止することで、互いの干渉を回避している。
図72に示すように、前述した異常判定を行った場合、所定のタイミング(例えば、大当り時、デモ画面切り替え時または電源投入時等)または使用者の復帰命令入力に基づいて、可動体復帰動作開始信号が入力される(ステップS21)。これにより、統括制御装置79は、先ず第3可動体320が待機位置にあるか否かを判定する(ステップS22)。第3フォトセンサ360によって第3検知片321の有無を判定し、第3検知片321を検知しなければ、第3可動体320は待機位置にあるので(ステップS22:YES)、第1可動体120の状態判定に移行する。統括制御装置79は、第1可動体120が待機位置にあるか否かを判定する(ステップS23)。第1フォトセンサ160によって第1検知片156の有無を判定し、第1検知片156を検知しなければ、第1可動体120は待機位置にあるので(ステップS23:YES)、第2可動体220の状態判定に移行する。統括制御装置79は、第2可動体220が待機位置にあるか否かを判定する(ステップS24)。第2フォトセンサ260によって第2検知片255の有無を判定し、第2検知片255を検知しなければ、第2可動体220は待機位置にあり(ステップS24:YES)、第1〜第3可動体120,220,320は全て待機位置にあるので、復帰動作を終了する(ステップS25)。
これに対して、ステップS22において、第3可動体320が待機位置にないと判定された場合は(ステップS22:NO)、第3モータ351を駆動して第3可動体320を待機位置に戻す復帰動作を行う(ステップS26)。ここで、第3可動体320の復帰動作は、第3可動体320が待機位置に戻るまで(第3フォトセンサ360による第3検知片321の非検知)行われ(ステップS27:NO)、第3可動体320が待機位置に戻ったことが判定されると(ステップS27:YES)、第1可動体120の状態判定に移行する。
ステップS23において、第1可動体120が待機位置にないと判定された場合は(ステップS23:NO)、第1モータ152を駆動して第1可動体120を待機位置に戻す復帰動作を行う(ステップS28)。ここで、第1可動体120の復帰動作は、第1可動体120が待機位置に戻るまで(第1フォトセンサ160による第1検知片156の非検知)行われ(ステップS29:NO)、第1可動体120が待機位置に戻ったことが判定されると(ステップS29:YES)、第2可動体220の状態判定に移行する。
ステップS24において、第2可動体220が待機位置にないと判定された場合は(ステップS24:NO)、第2モータ251を駆動して第2可動体220を待機位置に戻す復帰動作を行う(ステップS30)。ここで、第2可動体220の復帰動作は、第2可動体220が待機位置に戻るまで(第2フォトセンサ260による第2検知片255の非検知)行われ(ステップS31:NO)、第2可動体220が待機位置に戻ったことが判定されると(ステップS31:YES)、第1〜第3可動体120,220,320は全て待機位置にあるので、復帰動作を終了する(ステップS25)。すなわち、実施例のパチンコ機10では、第3可動体320、第1可動体120、第2可動体220の順に優先順位を設けて復帰動作が行われる。なお、実施例では、第3可動体320を第1可動体120より先に復帰させたが、第1可動体120から先に復帰動作を行ってもよい。
このように、パチンコ機10では、複数の可動体120,220,320が往復移動経路が重なる構成であっても、干渉する可能性のある可動体120,220,320が待機位置にあることを条件として他の可動体120,220,320が動作されるので、可動体120,220,320同士の干渉を回避することができる。すなわち、パチンコ機10では、可動体120,220,320同士の干渉を回避し得るので、表示部40の前側領域を大きく変位するように複数の可動体120,220,320を配設することができ、可動体の動作による演出効果を向上し得る。また、可動体120,220,320が異常停止した場合であっても、干渉する可能性のある可動体120,220,320が待機位置にあることを条件として他の可動体120,220,320が動作されるので、異常停止状態からの復帰に際して可動体120,220,320同士の干渉を回避することができる。しかも、干渉対象となる可動体120,220,320の待機位置の判定だけでなく、干渉対象となる可動体120,220,320を動作させる駆動部150,250,350の駆動の有無によっても異常判定することで、より確実に可動体120,220,320同士の干渉を回避することができる。
前記遊技盤36には、第1可動体120と離間して表示部40の下側に支持されて、第1〜第3可動体120,220,320の往復移動経路と重ならないように往復動される第4可動体420を備えた第4可動演出装置400が設けられている。しかし、第4可動体420は、第4可動体420が第1〜第3可動体120,220,320と干渉しないので、第1〜第3可動演出装置100,200,300の異常判定とは独立して統括制御装置79によって動作制御することで、統括制御装置79の制御負荷を軽減し得る。
(変更例)
本願は前述した実施例の構成に限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
(1)遊技盤を構成する板部材は、木製に限らず、アクリルやポリカーボネート等の光透過性の合成樹脂材からなる透明板であってもよい。そして、板部材を透明板で構成した場合は、貫通口を設けることなく該透明板自体を透かして図柄表示装置の表示部を前側から視認可能とし得る。
(2)遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やパチンコ球を用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。
(3)各可動演出装置の可動体の動作態様について実施例の態様に限られず、揺動や回転や直線動等を適宜採用することができる。
(4)可動演出装置の配置についても適宜変更可能である。
(5)転がり軸受としては、第3ベース部材に対して固定された外受部と、この外受部の内側に配設された中受部と、中受部の内側に転動体を介して上下方向に往復動可能に支持された内受部とから構成し、中受部と内受部との間に保持されて中受部の外側(中受部と外受部との間)に臨む転動体によって、中受部を外受部に対して上下方向に往復動可能に支持してもよい。