以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〔遊技機の基本構成〕
図1は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100の概略正面図である。
同図に示す遊技機の一例としてのパチンコ遊技機100は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたものである。このパチンコ遊技機100は、遊技球が打ち出される遊技盤110と、遊技盤110を囲む枠部材150とを備えている。遊技盤110は、枠部材150に着脱自在に取り付けられている。
遊技盤110は、前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域111と、下方から発射された遊技球が上昇して遊技領域111の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材112と、遊技領域111の右側に遊技球を案内する案内部材113とを備えている。
本実施の形態では、遊技者により視認され易い遊技領域111の位置に、演出のための各種の画像を表示する画像表示部114が配設されている。この画像表示部114は、液晶ディスプレイ等による表示画面を備え、遊技者によるゲームの進行に伴い、例えば、図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知するための装飾図柄を表示したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による演出画像を表示したりする。
また、本実施の形態では、画像表示部114の上方に、各種の演出に用いられる、装飾物500を備えている。装飾物500は、ベルトのバックルの形状をしており、その中央部には、回転軸の周囲に複数の羽根が取り付けられた羽根車500aが設けられている。また、各種の演出のために、装飾物500の前面で羽根車500aを隠しつつ装飾文字を完成させたり、遊技者に見え難い位置まで退避したりする可動役物115を備えている。この可動役物115については後で詳述する。
また、本実施の形態では、遊技盤110の前面に、各種の演出に用いられる盤ランプ116を備えている。盤ランプ116は、発光することで光による各種の演出を行う。
遊技領域111には、遊技球が落下する方向に変化を与えるための図示しない遊技くぎおよび風車等が配設されている。また、遊技領域111には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。また、遊技領域111には、遊技領域111に打ち出された遊技球のうち入賞口に入賞しなかったものを遊技領域111の外に排出する排出口117が配設されている。
本実施の形態では、入賞や抽選に関する種々の役物として、遊技球が入ると入賞して特別図柄抽選(大当たり抽選)が始動する第1始動口121および第2始動口122と、遊技球が通過すると普通図柄抽選(開閉抽選)が始動するゲート124と、が遊技盤110に配設されている。ここにいう第1始動口121および第2始動口122とは、予め定められた1の特別図柄表示器を作動させることとなる遊技球の入賞に係る入賞口をいう。
第2始動口122は、チューリップの花の形をした一対の羽根が電動ソレノイドにより開閉すると共に点灯する普通電動役物としての電動チューリップ123を備えている。電動チューリップ123は、羽根が閉じていると、遊技球が第2始動口122へ入り難い一方で、羽根が開くと第2始動口122の入口が拡大して遊技球が第2始動口122へ入り易くなるように構成されている。そして、電動チューリップ123は、普通図柄抽選に当選すると、点灯ないし点滅しながら羽根が規定時間(例えば6秒間)および規定回数(例えば3回)だけ開く。
なお、パチンコ遊技機100は、所定の条件下で、特別図柄抽選において大当たりに当選する大当たり確率が変動する場合(低確状態(例えば300分の1)から高確状態(例えば30分の1)への変動)がある。また、パチンコ遊技機100は、所定の条件下で、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間が短縮されたり、普通図柄抽選時の当選する確率が高まったり、普通図柄抽選時の普通図柄変動時間が短縮されたり、電動チューリップ123の羽根の開時間が延長されたり、電動チューリップ123の羽根が開く回数が増えたりする場合がある。
また、本実施の形態では、入賞や抽選に関するその他の役物として、特別図柄抽選の結果に応じて開放する特別電動役物としての大入賞口125と、遊技球が入賞しても抽選が始動しない普通入賞口126と、が遊技盤110に配設されている。
なお、本実施の形態では、遊技領域111に第1始動口121および第2始動口122が配設されているが、いずれか一方のみを配設する構成例やさらに他の始動口を配設する構成例も考えられる。また、本実施の形態では、遊技領域111に大入賞口125が1つ配設されているが、大入賞口125を複数配設する構成例も考えられる。
本実施の形態では、遊技盤110の右下の位置に、抽選結果や保留数に関する表示を行う表示器130が配設されている。
また、遊技盤110の裏面には、内部抽選および当選の判定等を行う遊技制御基板、演出を統括的に制御する演出制御基板、画像および音による演出を制御する画像制御基板、各種のランプおよび可動役物115による演出を制御するランプ制御基板などの図示しない各種の基板等が取り付けられる。また、遊技盤110の裏面には、供給された24VのAC電源をDC電源に変換して各種の基板等に出力するスイッチング電源(不図示)が配設されている。
枠部材150は、遊技者がハンドル151に触れてレバー152を時計方向に回転させる操作を行うとその操作角度に応じた打球力にて遊技球を予め定めた時間間隔(例えば1分間に100個)で電動発射する発射装置(不図示)を備えている。また、枠部材150は、遊技者のレバー152による操作と連動したタイミングで発射装置に遊技球を1つずつ順に供給する供給装置(不図示)と、供給装置が発射装置に供給する遊技球を一時的に溜めておく皿153と、を備えている。この皿153には、例えば払い出しユニットによる払出球が払い出される。
また、枠部材150は、発射装置のハンドル151に遊技者が触れている状態であっても遊技球の発射を一時的に停止させるための停止ボタン154と、皿153に溜まっている遊技球を箱(不図示)に落下させて取り出すための取り出しボタン155と、を備えている。
なお、本実施の形態では、皿153を上下皿一体で構成しているが、上皿と下皿とを分離する構成例も考えられる。また、ハンドル151を所定条件下で発光させる構成例も考えられる。
また、枠部材150は、発射装置のハンドル151に遊技者が触れている状態であっても遊技球の発射を一時的に停止させるための停止ボタン154と、皿153に溜まっている遊技球を箱(不図示)に落下させて取り出すための取り出しボタン155と、を備えている。
また、枠部材150は、パチンコ遊技機100の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりするスピーカ156および枠ランプ157を備えている。スピーカ156は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行い、また、枠ランプ157は、点灯点滅によるパターンや発光色の違い等で光による各種の演出を行う。なお、枠ランプ157については、光の照射方向を変更する演出を行うことを可能にする構成例が考えられる。
また、枠部材150は、遊技盤110を遊技者と隔てるための透明板(不図示)を備えている。
図2は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100を説明する図であり、(a)は、遊技盤110の右下に配設された表示器130の一例を示す拡大図であり、(b)は、パチンコ遊技機100の部分平面図である。
パチンコ遊技機100の表示器130は、図2の(a)に示すように、第1始動口121の入賞に対応して作動する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122の入賞に対応して作動する第2特別図柄表示器222と、ゲート124の通過に対応して作動する普通図柄表示器223と、を備えている。第1特別図柄表示器221は、第1始動口121の入賞による特別図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。第2特別図柄表示器222は、第2始動口122の入賞による特別図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。普通図柄表示器223は、遊技球がゲート124を通過することにより普通図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222および普通図柄表示器223の各々は、LED表示装置で構成され、その点灯態様によって各抽選結果を表す図柄が表示される。
また、表示器130は、第1特別図柄表示器221での保留に対応して作動する第1特別図柄保留表示器218と、第2特別図柄表示器222での保留に対応して作動する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄表示器223での保留に対応して作動する普通図柄保留表示器220と、を備えている。第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220の各々は、LED表示装置で構成され、その点灯態様によって保留数が表示される。
ここで、保留について説明する。特別図柄や普通図柄の変動表示動作中(入賞1回分の変動表示が行なわれている間)にさらに他の遊技球による入賞があると、その入賞した遊技球に対する図柄の変動表示動作は、先に入賞した遊技球に対する変動表示動作が終了するまで、規定個数(例えば4個)を限度に保留される。このような保留がなされていることおよびその保留の数(未抽選数)が、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220に表示される。
パチンコ遊技機100の枠部材150は、遊技者が演出に対する入力を行うための入力装置を備えている。図2の(b)に示すように、本実施の形態では、入力装置の一例として、演出ボタン161と、演出ボタン161に隣接し、略十字に配列された複数のキーからなる演出キー162と、が枠部材150に配設されている。演出キー162は、その中央に1つの中央キーを配置し、また、中央キーの周囲に略同一形状の4つの周囲キーを配置して構成されている。遊技者は、4つの周囲キーを操作することにより、画像表示部114に表示されている複数の画像のいずれかを選ぶことが可能であり、また、中央キーを操作することにより、選んだ画像を情報として入力することが可能である。
〔制御ユニットの構成〕
次に、パチンコ遊技機100での動作制御や信号処理を行う制御ユニットについて説明する。
図3は、制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、制御ユニットは、メイン制御手段として、内部抽選および当選の判定等といった払い出す賞球数に関する各種制御を行う遊技制御部200を備えている。また、サブ制御手段として、演出を統括的に制御する演出制御部300と、画像および音響を用いた演出を制御する画像/音響制御部310と、各種のランプおよび可動役物115を用いた演出を制御するランプ制御部320と、払出球の払い出し制御を行う払出制御部400と、を備えている。
前述したように、遊技制御部200、演出制御部300、画像/音響制御部310、ランプ制御部320、および払出制御部400各々は、遊技盤110の後面に配設されたメイン基板としての遊技制御基板、サブ基板としての演出制御基板、画像制御基板、ランプ制御基板、および払出制御基板において個別に構成されている。
〔遊技制御部の構成・機能〕
遊技制御部200は、内部抽選および当選の判定等といった払い出し賞球数に関連する各種制御を行う際の演算処理を行うCPU201と、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM202と、CPU201の作業用メモリ等として用いられるRAM203と、を備えている。
遊技制御部200は、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞すると特別図柄抽選を行い、特別図柄抽選での当選か否かの判定結果を演出制御部300に送る。また、特別図柄抽選時の当選確率の変動設定(例えば300分の1から30分の1への変動設定)、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間の短縮設定、および普通図柄抽選時の普通図柄変動時間の短縮設定を行い、設定内容を演出制御部300に送る。
さらに、遊技制御部200は、電動チューリップ123の羽根の開時間の延長、および電動チューリップ123の羽根が開く回数の設定、さらには羽根が開く際の開閉動作間隔の設定を制御する。また、遊技球が連続的に第1始動口121または第2始動口122へ入賞したときの未抽選分の限度個数(例えば4個)までの保留や、遊技球が連続的にゲート124を通過したときの未抽選分の限度個数(例えば4個)までの保留を設定する。
また、遊技制御部200は、特別図柄抽選の結果に応じて、大入賞口125が所定条件(例えば30秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態を維持するラウンドを所定回数だけ繰り返すように制御する。さらには、大入賞口125が開く際の開閉動作間隔を制御する。
さらに、遊技制御部200は、第1始動口121、第2始動口122、大入賞口125および普通入賞口126に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように、払出制御部400に対する指示を行う。例えば、第1始動口121に遊技球が入賞すると3個の賞球、第2始動口122に遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口125に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口126に遊技球が入賞すると10個の賞球をそれぞれ払い出すように、払出制御部400に指示命令(コマンド)を送る。なお、ゲート124を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは払出制御部400に指示しない。
払出制御部400が遊技制御部200の指示に従って賞球の払い出しを行った場合には、遊技制御部200は、払い出した賞球の個数に関する情報を払出制御部400から取得する。それにより、払い出した賞球の個数を管理する。
遊技制御部200には、図3に示すように、第1始動口121への遊技球の入賞を検出する第1始動口検出部(第1始動口スイッチ(SW))211と、第2始動口122への遊技球の入賞を検出する第2始動口検出部(第2始動口スイッチ(SW))212と、電動チューリップ123を開閉する電動チューリップ開閉部213と、ゲート124への遊技球の通過を検出するゲート検出部(ゲートスイッチ(SW))214と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、大入賞口125への遊技球の入賞を検出する大入賞口検出部(大入賞口スイッチ(SW))215と、大入賞口125を閉状態と突出傾斜した開状態とに設定する大入賞口開閉部216と、普通入賞口126への遊技球の入賞を検出する普通入賞口検出部(普通入賞口スイッチ(SW))217と、が接続されている。
また、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選(大当たり抽選)の未抽選分の保留個数を限度個数内(例えば4個)で表示する第1特別図柄保留表示器218と、第2始動口122への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の未抽選分の保留個数を限度個数内で表示する第2特別図柄保留表示器219と、ゲート124への遊技球の通過により始動した普通図柄抽選(開閉抽選)が始動する未抽選分の保留個数を限度個数内で表示する普通図柄保留表示器220と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の結果を表示する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の結果を表示する第2特別図柄表示器222と、普通図柄抽選の結果を表示する普通図柄表示器223と、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224と、が接続されている。
そして、第1始動口スイッチ211、第2始動口スイッチ212、ゲートスイッチ214、大入賞口スイッチ215および普通入賞口スイッチ217にて検出された検出信号が、遊技制御部200に送られる。また、遊技制御部200からの制御信号が、電動チューリップ開閉部213、大入賞口開閉部216、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219、普通図柄保留表示器220、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222、普通図柄表示器223および状態表示器224に送られる。それにより、遊技制御部200は、上記した払い出し賞球数に関連する各種制御を行う。
さらに、遊技制御部200には、ホールに設置されたホストコンピュータ(不図示)に対して各種の情報を送信する盤用外部情報端子基板250が接続されている。そして、遊技制御部200は、払出制御部400から取得した払い出した賞球数に関する情報や遊技制御部200の状態等を示す情報を、盤用外部情報端子基板250を介してホストコンピュータに送信する。
〔演出制御部の構成・機能〕
次に、演出制御部300は、演出を制御する際の演算処理を行うCPU301と、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM302と、CPU301の作業用メモリ等として用いられるRAM303と、日時を計測するリアルタイムクロック(RTC)304と、を備えている。
演出制御部300は、例えば遊技制御部200から送られる特別図柄抽選での当選か否かの判定結果に基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン等(演出ボタン161および演出キー162)を用いたユーザからの操作入力を受けて、操作入力に応じた演出内容を設定する場合もある。この場合、例えば演出ボタン等のコントローラ(不図示)から操作に応じた信号(操作信号)を受け付け、この操作信号により識別される操作内容を演出の設定に反映させる。また、遊技が所定期間中断された場合には、演出の一つとして客待ち用の画面表示の設定を指示する。
さらには、遊技制御部200が特別図柄抽選時の当選確率を変動させた場合、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間を短縮させた場合、および普通図柄抽選時の普通図柄変動時間を短縮させた場合には、演出制御部300は設定された内容に対応させて演出内容を設定する。
また、演出制御部300は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送る。
〔画像/音響制御部の構成・機能〕
画像/音響制御部310は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行うCPU311と、CPU311にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM312と、CPU311の作業用メモリ等として用いられるRAM313と、を備えている。
そして、画像/音響制御部310は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、画像表示部114に表示する画像およびスピーカ156から出力する音響を制御する。
具体的には、画像/音響制御部310のROM312には、画像表示部114において遊技中に表示する図柄画像や背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、遊技者に予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等といった画像データが記憶されている。さらには、画像データと同期させて、または画像データとは独立にスピーカ156から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等といった各種音響データが記憶されている。CPU311は、ROM312に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。さらには、読み出した画像データを用いて背景画像表示、図柄画像表示、図柄画像変動、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理と、読み出した音響データを用いた音声処理とを行う。
そして、画像/音響制御部310は、画像処理された画像データにより画像表示部114での画面表示を制御する。また、音声処理された音響データによりスピーカ156から出力される音響を制御する。
〔ランプ制御部の構成・機能〕
ランプ制御部320は、盤ランプ116や枠ランプ157の発光、および可動役物115の動作を制御する際の演算処理を行うCPU321と、CPU321にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM322と、CPU321の作業用メモリ等として用いられるRAM323と、を備えている。
そして、ランプ制御部320は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ116や枠ランプ157の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、可動役物115の動作を制御する。
具体的には、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた盤ランプ116や枠ランプ157での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU321は、ROM322に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、ランプ制御部320は、読み出した発光パターンデータにより盤ランプ116や枠ランプ157の発光を制御する。
また、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた可動役物115の動作パターンデータが記憶されている。CPU321は、可動役物115に対しては、読み出した動作パターンデータによりその動作を制御する。 ランプ制御部320には、図3に示すように、後述するフォトインターラプタセンサ520と、接合センサ530とが接続されており、フォトインターラプタセンサ520、接合センサ530にて検出された検出信号が、ランプ制御部320に送られる。
〔払出制御部の構成・機能〕
払出制御部400は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行うCPU401と、CPU401にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM402と、CPU401の作業用メモリ等として用いられるRAM403と、を備えている。
そして、払出制御部400は、遊技制御部200から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。
具体的には、払出制御部400は、遊技制御部200から、遊技球が入賞した場所(第1始動口121等)に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部411を制御する。ここでの払出駆動部411は、遊技球の貯留部から遊技球を送り出す駆動モータで構成される。
また、払出制御部400には、払出駆動部411により遊技球の貯留部から実際に払い出された賞球の数を検出する払出球検出部412と、貯留部(不図示)での遊技球の貯留の有無を検出する球有り検出部413と、遊技者が遊技する際に使用する遊技球や払い出された賞球が保持される皿153が満タン状態に有るか否かを検出する満タン検出部414と、が接続されている。
払出制御部400は、払出球検出部412、球有り検出部413および満タン検出部414にて検出された検出信号を受け取り、これらの検出信号に応じた所定の処理を行う。例えば、払出制御部400は、払出球検出部412から取得した信号を基に払出駆動部411から皿153の方へ供給された、言い換えれば払い出された遊技球の個数を計数する。そして、払出球検出部412が検出した遊技球の数が指定された数となったら払出駆動部411の駆動を停止する。また、払出制御部400は、指定された数の遊技球を払い出し終える前であっても、球有り検出部413が遊技球の貯留が無いことを検出した場合には、払い出すのに十分な遊技球が存在しないと判断し、払出駆動部411の駆動を停止する。また、払出制御部400は、満タン検出部414が予め定められた数の遊技球が皿153に溜められた状態となる満タン状態であることを検出した場合には、払出駆動部411の駆動を停止するとともに、発射制御部に皿満タン信号を出力する。
さらに、払出制御部400には、ホールに設置されたホストコンピュータに対して各種の情報を送信する枠用外部情報端子基板450が接続されている。そして、払出制御部400は、例えば払出駆動部411に対して払い出すように指示した賞球数に関する情報や払出球検出部412にて検出された実際に払い出された賞球数に関する情報等を枠用外部情報端子基板450を介してホストコンピュータに送信する。また、遊技制御部200に対しても、同様の情報を送信する。
〔遊技制御部の機能構成〕
続いて、遊技制御部200の機能構成を説明する。
図4は、遊技制御部200の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、遊技制御部200は、各種抽選処理を実行する機能部として、特別図柄抽選部231と、普通図柄抽選部232と、特別図柄変動制御部233と、特別図柄抽選結果判定部234と、普通図柄制御部237と、を備えている。
また、遊技制御部200は、特別図柄変動に伴う処理を実行する機能部として、変動パターン選択部235と、遊技進行制御部236と、を備えている。
さらに、遊技制御部200は、各種役物の動作制御や賞球等に関するデータ処理を実行する機能部として、大入賞口動作制御部238と、電動チューリップ動作制御部239と、賞球処理部240と、出力制御部241と、乱数制御部242と、を備えている。
特別図柄抽選部231は、第1始動口121や第2始動口122に遊技球が入賞した場合に、特別図柄の抽選を行う。
普通図柄抽選部232は、ゲート124を遊技球が通過した場合に、普通図柄抽選を行う。
特別図柄変動制御部233は、特別図柄の抽選が行われた場合に、その抽選結果に応じて特別図柄の変動を制御する。
特別図柄抽選結果判定部234は、特別図柄の抽選が行われた場合に、その抽選結果が「大当たりか否か」、「大当たりに当選した場合の大当たりの種類」、「大当たりに当選していない場合での小当たりかはずれか」を判定する。
ここで、「大当たり」は、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態に応じて複数の種類に分けられる。具体的には、特別図柄の変動時間が短縮される時短遊技状態の有無および大当たりの当選確率が高確率に変動した確変遊技状態の有無の組み合わせによって大当たりの種類が決まる。すなわち、大当たりの種類としては、大当たり遊技の終了後に、時短遊技状態および確変遊技状態の両方が発生する大当たり、時短遊技状態のみが発生する大当たり、確変遊技状態のみが発生する大当たり、時短遊技状態および確変遊技状態のいずれも発生しない大当たりが有り得る。以下、これらの大当たりを区別する場合は、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態に基づき、「時短有り」、「時短無し」、「確変有り」、「確変無し」等と記載して区別する。これらの大当たりは、各々個別の特別図柄に対応付けられており、特別図柄抽選において当選した特別図柄の種類に応じて大当たりの種類が確定する。
また、「大当たり」は、大当たり遊技の時間が長く多量の遊技球の払い出しが期待できる大当たりと、大当たり遊技の時間が短く遊技球の払出がほとんど期待できない大当たりとに分けられる場合がある。前者は「長当たり」と呼ばれ、後者は「短当たり」と呼ばれる。例えば、「長当たり」では、大入賞口125の開状態が所定条件(例えば一定時間経過または一定個数の遊技球の入賞)を満たすまで維持されるラウンドが所定回数繰り返される。また、「短当たり」では、一定時間だけ大入賞口125が開状態となるラウンドが所定回数繰り返される。通常、大当たり遊技の終了後に時短遊技状態が発生する(時短有り)大当たりは長当たりとなり、時短遊技状態が発生しない(時短無し)大当たりは短当たりとなる。
なお、大当たり遊技の終了後に確変遊技状態が発生する(確変有り)大当たりは「確変大当たり」とも呼ばれ、確変遊技状態が発生しない(確変無し)大当たりは「通常大当たり」とも呼ばれる。また、遊技の態様によっては、大当たり遊技の終了後に確変遊技状態のみが発生し、時短遊技状態が発生しない(確変有り+時短無し)大当たりは「潜伏確変大当たり」、「突然確変(突確)大当たり」等とも呼ばれる。さらに、「確変大当たり」において、大入賞口125が開状態となるラウンド数に基づき、「15ラウンド(15R)確変大当たり」、「2ラウンド(2R)確変大当たり」等のように区別される場合もある。
また、大当たりに当選していない場合の「小当たり」は、例えば大入賞口125の開閉が所定回数行われる小当たり遊技が行われ、終了した後においても小当たり当選時の遊技状態を継続する当たりである。すなわち、小当たり当選時の遊技状態が確変遊技状態である場合には、小当たり遊技の終了後においても確変遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。同様に、小当たりの当選時の遊技状態が確率変動も時間短縮もしていない通常の遊技状態(通常遊技状態)である場合には、小当たり遊技の終了後においても通常遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。
また、「はずれ」では、「大当たり」でも「小当たり」でもなく、遊技者に有利となる上記の遊技状態の何れも設定されない。
変動パターン選択部235は、特別図柄の抽選結果が「大当たり」であった場合に、第1特別図柄表示器221や第2特別図柄表示器222にて表示する特別図柄の変動パターン(変動時間)を選択する。また、「リーチ演出を行うか否か」を判定する。ここでの「リーチ演出」とは、遊技者に大当たりを期待させるための画像表示部114等にて行われる演出である。
遊技進行制御部236は、各遊技状態において遊技の進行を制御する。
普通図柄制御部237は、普通図柄の抽選が行われた場合に、普通図柄の抽選結果が「当選かはずれであるか」を判定する。また、その抽選結果に応じて普通図柄の変動を制御する。この普通図柄抽選の当選確率は、主に時短遊技状態において行われる、電動チューリップ123の開放による第2始動口122への入賞サポート(いわゆる電チューサポート)がある場合には高くなる。
「当選」と判定された場合には、電動チューリップ123を規定時間および規定回数だけ開放し、第2始動口122への遊技球の入賞確率が高まる状態を発生させる。上記の入賞サポート(電チューサポート)時には、この規定回数や規定時間が増える。また、「はずれ」と判定された場合には、電動チューリップ123のこのような開放状態は発生しない。
大入賞口動作制御部238は、大入賞口125の開放動作を制御する。
電動チューリップ動作制御部239は、電動チューリップ123の開放動作を制御する。
賞球処理部240は、入賞や抽選に関する種々の役物への入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しを制御する。
出力制御部241は、遊技制御部200から演出制御部300および払出制御部400へ制御用コマンドの出力を制御する。
乱数制御部242は、メイン制御手段やサブ制御手段による処理で用いられる各種の乱数値の更新を制御する。
〔遊技機の基本動作〕
次に、上記のように構成されたパチンコ遊技機100の基本動作を説明する。
パチンコ遊技機100の基本的な動作は、メイン制御手段である遊技制御部200により行われる。そして、この遊技制御部200の制御の下、サブ制御手段である演出制御部300により遊技上の演出の制御が行われ、払出制御部400により賞球の払い出しの制御が行われる。
図5は、遊技制御部200の主要動作を示すフローチャートである。
遊技制御部200は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図5に示す各処理を一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行する。図5を参照すると、乱数更新処理、スイッチ処理、図柄処理、電動役物処理、賞球処理、出力処理が順次実行される(ステップ501〜506)。
乱数更新処理(ステップ501)では、遊技制御部200の乱数制御部242は、メイン制御手段やサブ制御手段による処理で用いられる各種の乱数の値を更新する。乱数の設定および乱数値の更新の詳細については後述する。
スイッチ処理(ステップ502)としては、始動口スイッチ処理、ゲートスイッチ処理が行われる。
始動口スイッチ処理では、遊技制御部200の特別図柄抽選部231は、図3の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、特別図柄抽選のための処理を実行する。
ゲートスイッチ処理では、遊技制御部200の普通図柄抽選部232は、図3のゲートスイッチ214の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、普通図柄抽選のための処理を実行する。
これらのスイッチ処理の詳細な内容については後述する。
図柄処理(ステップ503)としては、特別図柄処理、普通図柄処理が行われる。
特別図柄処理では、遊技制御部200の特別図柄変動制御部233、特別図柄抽選結果判定部234、変動パターン選択部235、および遊技進行制御部236により、特別図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理が行われる。
普通図柄処理では、遊技制御部200の普通図柄制御部237により、普通図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理が行われる。
これらの図柄処理の詳細な内容については後述する。
電動役物処理(ステップ504)としては、大入賞口処理、電動チューリップ処理が行われる。
大入賞口処理では、遊技制御部200の大入賞口動作制御部238は、所定の条件に基づいて大入賞口125の開放動作を制御する。
電動チューリップ処理では、遊技制御部200の電動チューリップ動作制御部239は、所定の条件に基づいて電動チューリップ123の開放動作を制御する。
これらの電動役物処理の詳細な内容については後述する。
賞球処理(ステップ505)では、遊技制御部200の賞球処理部240は、入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しを制御する。
出力処理(ステップ506)では、遊技制御部200の出力制御部241は、演出制御部300および払出制御部400へ制御用コマンドを出力する。制御用コマンドは、ステップ505までの各処理において生成され、RAM203にセットされており、この出力処理で出力される。
〔遊技制御部での始動口スイッチ処理〕
図6は、図5のステップ502に示したスイッチ処理のうちの始動口スイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
この始動口スイッチ処理は、第1始動口121における入賞に対する処理と、第2始動口122における入賞に対する処理とが順次行われる。図6を参照すると、遊技制御部200の特別図柄抽選部231は、まず、第1始動口121に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ211がONとなったか否かを判断する(ステップ601)。第1始動口スイッチ211がONとなったならば、次に特別図柄抽選部231は、第1始動口121の入賞における未抽選分の保留数U1が上限値未満か否かを判断する(ステップ602)。図6に示す例では、上限値を4個としている。保留数U1が上限値に達している場合は(ステップ602でNo)、それ以上未抽選分の入賞を保留することができないので、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。
一方、保留数U1が上限値未満である場合(ステップ602でYes)、次に特別図柄抽選部231は、保留数U1の値を1加算する(ステップ603)。そして、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(ステップ604)。ここでは、第1始動口121の入賞なので、特別図柄抽選のための乱数値が取得される。このとき取得される乱数値は、ステップ501の乱数更新処理で更新された値である。そして、この乱数値により特別図柄抽選の結果が確定される。ここにいう乱数値としては、大当たり、小当たりまたはハズレを決定する大当たり乱数値、大当たりの種類(大当たり遊技の終了後における時短遊技状態の有無、確変遊技状態の有無、長当たり、短当たり)を決定する図柄乱数値(大当たり図柄乱数値)、図柄変動における変動パターンを特定するための変動パターン乱数、リーチ有り演出をするか否かを決定するリーチ乱数値、等が含まれる。
次に、特別図柄抽選部231は、特別図柄の変動表示動作が保留されている(すなわち未抽選の)入賞球(保留球)に対して、抽選結果の予告演出を行うための事前判定処理を行う(ステップ605)。この事前判定処理は、抽選結果の判定を図柄変動開始時ではなく始動口入賞時に(すなわちステップ605において)行うものである。なお、抽選結果の予告演出を行わない遊技機においては、この事前判定処理を省略する場合がある。
この後、特別図柄抽選部231は、ステップ603による保留数U1の増加を演出制御部300に通知するための保留数U1増加コマンドをRAM203にセットし(ステップ606)、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。ステップ605の事前判定処理が行われた場合は、保留数U1増加コマンドには、ステップ605で得られた事前判定の判定結果の情報が含まれる。
次に、第2始動口122における入賞に対する処理が行われる。図6を参照すると、次に特別図柄抽選部231は、第2始動口122に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ212がONとなったか否かを判断する(ステップ607)。第2始動口スイッチ212がONとなったならば、次に特別図柄抽選部231は、第2始動口122の入賞における未抽選分の保留数U2が上限値未満か否かを判断する(ステップ608)。図6に示す例では、上限値を4個としている。保留数U2が上限値に達している場合は(ステップ608でNo)、それ以上未抽選分の入賞を保留することができないので、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。
一方、保留数U2が上限値未満である場合(ステップ608でYes)、次に特別図柄抽選部231は、保留数U2の値を1加算する(ステップ609)。そして、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(ステップ610)。ここでは、第2始動口122の入賞なので、上記のステップ604と同様に、特別図柄抽選のための乱数値(大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数など)が取得される。このとき取得される乱数値は、ステップ501の乱数更新処理で更新された値である。そして、この乱数値により特別図柄抽選の結果が確定される。
次に、特別図柄抽選部231は、特別図柄の変動表示動作が保留されている(すなわち未抽選の)入賞球(保留球)に対して、抽選結果の予告演出を行うための事前判定処理を行う(ステップ611)。この事前判定処理の内容は、上記のステップ605と同様である。この事前判定処理も、抽選結果の予告演出を行わない遊技機においては、この事前判定処理を省略する場合がある。
この後、特別図柄抽選部231は、ステップ609による保留数U2の増加を演出制御部300に通知するための保留数U2増加コマンドをRAM203にセットし(ステップ612)、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。ステップ611の事前判定処理が行われた場合は、保留数U2増加コマンドには、ステップ611で得られた事前判定の判定結果の情報が含まれる。
〔遊技制御部でのゲートスイッチ処理〕
図7は、図5のステップ502に示したスイッチ処理のうちのゲートスイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
このゲートスイッチ処理において、遊技制御部200の普通図柄抽選部232は、まず、ゲート124を遊技球が通過してゲートスイッチ214がONとなったか否かを判断する(ステップ701)。ゲートスイッチ214がONとなったならば、次に普通図柄抽選部232は、未抽選分の保留数Gが上限値未満か否かを判断する(ステップ702)。図7に示す例では、上限値を4個としている。保留数Gが上限値に達している場合は(ステップ702でNo)、それ以上未抽選分の入賞を保留することができないので、ゲートスイッチ処理を終了する。
一方、保留数Gが上限値未満である場合(ステップ702でYes)、次に普通図柄抽選部232は、保留数Gの値を1加算する(ステップ703)。そして、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(ステップ704)。ここでは、ゲート124の入賞なので、普通図柄抽選のための乱数値(当たり乱数など)が取得される。
〔遊技制御部での特別図柄処理〕
図8は、図5のステップ503に示した図柄処理のうちの特別図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この特別図柄処理において、遊技制御部200の特別図柄変動制御部233は、まず、RAM203においてセットされるフラグの設定(以下、フラグ設定)において当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ801)。ここで、当たり遊技フラグは、特別図柄抽選の結果が大当たりまたは小当たりである場合に、これらの当たりに応じた遊技状態であることを識別するためにセットされるフラグである。当たりの種類に応じて、長当たり遊技フラグ、短当たり遊技フラグ、小当たり遊技フラグのいずれかがセットされる。本実施の形態では、これらを総称して当たり遊技フラグと呼ぶ。
当たり遊技フラグがONである場合、既にパチンコ遊技機100は何らかの当たりによる遊技状態(特別図柄が選択されて停止している状態)であるので、特別図柄変動を開始することなく特別図柄処理を終了する(ステップ801でYes)。一方、当たり遊技フラグがOFFである場合(ステップ801でNo)、次に特別図柄変動制御部233は、パチンコ遊技機100の現在の状態が特別図柄変動中か否かを判断する(ステップ802)。特別図柄変動中でない場合(ステップ802でNo)、次に特別図柄変動制御部233は、特別図柄の未抽選分の保留数U1、U2(図6参照)に関する処理を行う(ステップ803〜806)。本実施の形態では、第1始動口121の入賞に係る保留数U1と第2始動口122の入賞に係る保留数U2とを区別しているので、この処理も対応する始動口ごとに個別に行う。
具体的には、特別図柄変動制御部233は、まず第2始動口122の入賞に係る保留数U2が1以上か判断する(ステップ803)。保留数U2が1以上である場合(ステップ803でYes)、特別図柄変動制御部233は、保留数U2の値を1減算する(ステップ804)。一方、保留数U2=0である場合は(ステップ803でNo)、特別図柄変動制御部233は、次に第1始動口121の入賞に係る保留数U1が1以上か判断する(ステップ805)。保留数U1が1以上である場合(ステップ805でYes)、特別図柄変動制御部233は、保留数U1の値を1減算する(ステップ806)。一方、保留数U1=0である場合は(ステップ805でNo)、特別図柄の抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、特別図柄変動を開始せず、別ルーチンの客待ち設定処理を実行して処理を終了する(ステップ816)。
ステップ804またはステップ806で保留数U1または保留数U2を減算した後、特別図柄変動制御部233は、RAM203のフラグ設定においてセットされた客待ちフラグをOFFとする(ステップ807)。客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためのフラグであり、客待ち設定処理においてセットされる。
次に、特別図柄変動制御部233は、別ルーチンによる大当たり判定処理および変動パターン選択処理を実行する(ステップ808、809)。詳しくは後述するが、この大当たり判定処理および変動パターン選択処理によって、演出制御部300に送られる変動開始コマンドに含まれる設定情報(図柄、遊技状態、変動パターン等)が決定される。
この後、特別図柄変動制御部233は、大当たり判定処理および変動パターン選択処理で決定された設定内容に基づき、図2に示す第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222により表示される特別図柄の変動を開始する(ステップ810)。そして、この設定内容を示す設定情報(図柄、遊技状態、変動パターン等)を含んだ変動開始コマンドを生成し、RAM203にセットする(ステップ811)。ステップ811でセットされた変動開始コマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
ステップ802で特別図柄変動中と判断された場合(ステップ802でYes)、またはステップ811で変動開始コマンドがセットされた後、特別図柄変動制御部233は、変動時間を経過したか否かを判断する(ステップ812)。すなわち、ステップ810で特別図柄の変動を開始してからの経過時間がステップ809の変動パターン選択処理で設定された変動時間に達したか否かが判断される。変動時間を経過していなければ(ステップ812でNo)、特別図柄変動が継続されるので、そのまま特別図柄処理が終了する。
一方、変動時間を経過した場合(ステップ812でYes)、特別図柄変動制御部233は、まず、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222における特別図柄の変動を停止し(ステップ813)、変動停止コマンドをRAM203にセットする(ステップ814)。そして、別ルーチンの停止中処理を実行する(ステップ815)。停止中処理の内容については後述する。ステップ814でセットされた変動停止コマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
〔遊技制御部による大当たり判定処理〕
図9は、大当たり判定処理(図8のステップ808)の内容を示すフローチャートである。
この大当たり判定処理において、遊技制御部200の特別図柄抽選結果判定部234は、まず、今回の特別図柄抽選における大当たり乱数の判定を行い(ステップ901)、大当たりまたは小当たりしたか否かを判断する(ステップ902、905)。大当たりまたは小当たりしたか否かは、図6のステップ604またはステップ610で取得した大当たり乱数の値が、大当たりの当選値として設定された値または小当たりの当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(図17(a)参照)。
ステップ901の乱数判定の結果が大当たりだった場合(ステップ902でYes)、次に特別図柄抽選結果判定部234は、大当たり図柄乱数の判定を行う(ステップ903)。この判定の結果に応じて、大当たりの種類(確変有り+時短有り、確変有り+時短無し、確変無し+時短有り、確変無し+時短無しのいずれか)が決定される。いずれの大当たりとなるかは、図6のステップ604で取得した大当たり図柄乱数の値が、大当たりの種類ごとに予め設定された値のうちのいずれと一致したかによって決定される(図17(b)参照)。
以上の判定の後、特別図柄抽選結果判定部234は、大当たり図柄乱数の判定により決定された大当たりの種類を表す図柄(大当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(ステップ904)。
ステップ901の乱数判定の結果が小当たりだった場合(ステップ902でNo、ステップ905でYes)、次に特別図柄抽選結果判定部234は、小当たりであることを表す図柄(以下、小当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(ステップ906)。
ステップ901の乱数判定の結果が大当たりでも小当たりでもない場合(ステップ902、ステップ905でNo)、次に特別図柄抽選結果判定部234は、抽選にはずれたことを表す図柄(以下、はずれ図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(ステップ907)。
〔遊技制御部による変動パターン選択処理〕
図10は、変動パターン選択処理(図8のステップ809)の内容を示すフローチャートである。
この変動パターン選択処理において、遊技制御部200の変動パターン選択部235は、まず、今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(ステップ1001)。この判断は、大当たり判定処理(図9)のステップ901、902と同様である(ステップ902の判断結果を用いても良い)。そして、大当たりだった場合(ステップ1001でYes)、変動パターン選択部235は、大当たり用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップ1002)。
一方、大当たりしなかった場合(ステップ1001でNo)、次に変動パターン選択部235は、遊技者に大当たりを期待させるためのいわゆるリーチ演出を行うか否かを決定するための乱数の判定を行う(ステップ1003)。リーチ演出を行うか否かは、図6のステップ604、610で取得したリーチ乱数の値が予め設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(図17(c)参照)。
乱数を用いた判定の結果、リーチ演出を行う場合(ステップ1004でYes)、変動パターン選択部235は、リーチ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップ1005)。また、リーチ演出を行わない場合(ステップ1004でNo)、変動パターン選択部235は、はずれ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップ1006)。
ここで、変動パターンテーブルとは、予め用意されている複数の変動パターン(変動時間10秒、30秒、60秒、90秒など)と変動パターン乱数の値とを対応付けたテーブルである。
次に、変動パターン選択部235は、図6のステップ604またはステップ610で取得した変動パターン乱数およびステップ1002、1005、1006でセットされた変動パターンテーブルを用いて、変動パターン乱数の判定を行う(ステップ1007)。すなわち、変動パターン選択部235は、RAM203にセットされた変動パターンテーブルを参照し、変動パターン乱数の乱数値に応じた変動パターンを選択する。したがって、同じ乱数値が取得された場合でも、特別図柄抽選の結果が、大当たりしたか否か、大当たりしていない場合はリーチ演出を行うか否か、といった状態の違いに応じて参照される変動パターンテーブルが異なるので、決定される変動パターンが異なる場合がある。
この後変動パターン選択部235は、ステップ1007で選択した変動パターンを設定情報としてRAM203にセットする(ステップ1008)。ステップ1008でセットされた変動パターンの設定情報は、図8のステップ811でセットされる変動開始コマンドに含まれ、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
〔遊技制御部による停止中処理〕
図11は、停止中処理(図8のステップ815)の内容を示すフローチャートである。
この停止中処理において、遊技制御部200の遊技進行制御部236は、まず、RAM203のフラグ設定において時短フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1101)。時短フラグとは、パチンコ遊技機100の遊技状態が時短遊技状態であることを識別するためのフラグである。時短フラグがONである場合(ステップ1101でYes)、遊技進行制御部236は、時短遊技状態での抽選回数(変動回数)Jの値を1減算し(ステップ1102)、抽選回数Jが0になったか否かを調べる(ステップ1103)。そして、抽選回数J=0であれば(ステップ1103でYes)、時短フラグをOFFにする(ステップ1104)。なお、時短フラグをONにする操作と、抽選回数Jの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で行われる。
時短フラグがOFFであった場合(ステップ1101でNo)またはステップ1104で時短フラグをOFFにした後、あるいは抽選回数Jの値が0でない場合(ステップ1103でNo)、次に遊技進行制御部236は、RAM203のフラグ設定において確変フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1105)。確変フラグとは、パチンコ遊技機100の遊技状態が確変遊技であることを識別するためのフラグである。なお、この確変フラグと先の時短フラグが共にONである場合は、一般に、長当たりの後に行われるような確変および時短が付いた遊技状態であり、確変フラグがONであり時短フラグがOFFである場合は、一般に、短当たりのあとに行われるような確変はしているが時短は付かない遊技状態である。
確変フラグがONである場合(ステップ1105でYes)、遊技進行制御部236は、確変遊技状態での抽選回数(変動回数)Xの値を1減算し(ステップ1106)、抽選回数Xが0になったか否かを調べる(ステップ1107)。そして、抽選回数X=0であれば(ステップ1107でYes)、確変フラグをOFFにする(ステップ1108)。なお、確変フラグをONにする操作と、抽選回数Xの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で行われる。
確変フラグがOFFであった場合(ステップ1105でNo)またはステップ1108で確変フラグをOFFにした後、あるいは抽選回数Xの値が0でない場合(ステップ1107でNo)、次に遊技進行制御部236は、今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(ステップ1109)。そして、大当たりだった場合(ステップ1109でYes)、次に遊技進行制御部236は、大当たりの種類が長当たりか否かを判断する(ステップ1110)。
これらの判断は、大当たり判定処理(図9)で設定情報にセットされた図柄の種類に基づいて判断することができる。例えば、後述する図17(b)の図表に示す図柄のうち、通常図柄Aまたは確変図柄Aがセットされている場合は、大当たりの種類が長当たりであると判断される。また、通常図柄B、確変図柄Bまたは潜確図柄がセットされている場合は、大当たりの種類が短当たりであると判断される。したがって、設定情報に通常図柄Aまたは確変図柄Aがセットされているならば、ステップ1109、1110の両方でYesである。通常図柄B、確変図柄Bまたは潜確図柄がセットされているならば、ステップ1109でYes、ステップ1110でNoである。はずれ図柄または小当たり図柄がセットされているならば、ステップ1109でNoである。なお、これらの判断は大当たり判定処理(図9)のステップ902、903、905と概ね同様であるので、ステップ902、903、905の判断結果を用いても良い。
大当たりの種類が長当たりであった場合(ステップ1110でYes)、遊技進行制御部236は、長当たり遊技フラグをONにする(ステップ1111)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が、大当たりの種類が長当たりである大当たり遊技状態(長当たり遊技状態)となる。なお、ここでは長当たりにおいて、確率変動の有無を区別していない。確率変動の有無は、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で該当するフラグをONにすることによって特定される。
大当たりの種類が長当たりでなかった場合(ステップ1110でNo)、遊技進行制御部236は、短当たり遊技フラグをONにする(ステップ1112)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が、大当たりの種類が短当たりである大当たり遊技状態(短当たり遊技状態)となる。
ステップ1111またはステップ1112で当たり遊技フラグをONにした後、遊技進行制御部236は、抽選回数J、Xの値を初期化する(ステップ1113)。すなわち、特別図柄抽選で大当たりした(ステップ1109)のであるから、抽選回数J、Xの値を0に戻して新たに数え直す。また、遊技進行制御部236は、ステップ1101において時短フラグがONであって、ステップ1103において抽選回数Jが0でなかった場合に、時短フラグをOFFにする(ステップ1114)。同様に、ステップ1105において確変フラグがONであって、ステップ1107において抽選回数Xが0でなかった場合に、確変フラグをOFFにする(ステップ1114)。
一方、今回の特別図柄抽選の結果が大当たりでなかった場合(ステップ1109でNo)、次に遊技進行制御部236は、今回の特別図柄抽選の結果が小当たりであったか否かを判断する(ステップ1115)。小当たりでなかった場合は(ステップ1115でNo)、停止中処理を終了する。
一方、小当たりであった場合(ステップ1115でYes)、遊技進行制御部236は、小当たり遊技フラグをONにする(ステップ1116)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が小当たり遊技状態となる。
ステップ1113で抽選回数J、Xの値を初期化した後、またステップ1116で小当たり遊技フラグをONにした後、遊技進行制御部236は、オープニング動作を開始する(ステップ1117)。ここで、オープニング動作の内容は、ステップ1111、1112、1116のいずれで当たり遊技フラグがONとなったかに応じて異なる。すなわち、当たり遊技フラグの状態に応じて、長当たり遊技、短当たり遊技、小当たり遊技の各遊技状態において設定されたオープニング動作のいずれかが行われることとなる。
この後、遊技進行制御部236は、演出制御部300において当たり遊技フラグに応じたオープニング動作における演出を行うためのオープニングコマンドをRAM203にセットして(ステップ1118)、停止中処理を終了する。このオープニングコマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
〔遊技制御部による客待ち設定処理〕
図12は、客待ち設定処理(図8のステップ816)の内容を示すフローチャートである。
この客待ち設定処理において、遊技制御部200の遊技進行制御部236は、まず、RAM203のフラグ設定において客待ちフラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1201)。ここで、客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためにセットされるフラグである。
客待ちフラグがONである場合、パチンコ遊技機100は客待ち状態であるので、そのまま処理を終了する(ステップ1201でYes)。一方、客待ちフラグがOFFである場合、遊技進行制御部236は、客待ちコマンドを生成してRAM203にセットし(ステップ1202)、客待ちフラグをONにする(ステップ1203)。ステップ1202でセットされた客待ちコマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
〔遊技制御部による普通図柄処理〕
図13は、図5のステップ503に示した図柄処理のうちの普通図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この普通図柄処理において、遊技制御部200の普通図柄制御部237は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1301)。ここで、補助遊技フラグは、普通図柄抽選で当選した場合に、これに応じた遊技状態(補助遊技状態)であることを識別するためにセットされるフラグである。補助遊技状態では、電動チューリップ123が後述の電動チューリップ処理(図16)にしたがって開放され、第2始動口122に入賞し易くなる(補助される)。
補助遊技フラグがONである場合、既に普通図柄が選択されて停止している状態なので、普通図柄変動を開始することなく普通図柄処理を終了する(ステップ1301でYes)。一方、補助遊技フラグがOFFである場合(ステップ1301でNo)、次に普通図柄制御部237は、パチンコ遊技機100の現在の状態が普通図柄変動中か否かを判断する(ステップ1302)。普通図柄変動中でない場合(ステップ1302でNo)、次に普通図柄制御部237は、普通図柄の未抽選分の保留数G(図7参照)が1以上か判断する(ステップ1303)。保留数G=0である場合は(ステップ1303でNo)、普通図柄の抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、普通図柄変動を開始せずに処理を終了する。
これに対し、保留数Gが1以上である場合(ステップ1303でYes)、普通図柄制御部237は、保留数Gの値を1減算し(ステップ1304)、今回の普通図柄抽選における当たり乱数の判定を行って、普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(ステップ1305)。当選したか否かは、図7のステップ704で取得した当たり乱数の値が当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される。
次に、普通図柄制御部237は、普通図柄抽選の結果に応じて普通図柄の設定を行う(ステップ1306)。すなわち、普通図柄抽選に当選した場合は、当選したことを表す図柄(以下、当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする。一方、普通図柄抽選に当選しなかった場合は、抽選にはずれたことを表す図柄(以下、はずれ図柄)を設定情報としてRAM203にセットする。
次に、普通図柄制御部237は、普通図柄の変動時間の設定を行う(ステップ1307)。この変動時間は、図11におけるステップ1104、1114、後述の図15におけるステップ1506等の処理で設定される時短フラグに基づいて設定される。すなわち、ステップ1307による設定の際に時短フラグがONである場合は、短時間(例えば1.5秒)に設定され、時短フラグがOFFである場合は、長時間(例えば4.0秒)に設定される。この設定の後、普通図柄制御部237は、ステップ1307の設定内容に基づき、図2に示す普通図柄表示器223における普通図柄の変動を開始する(ステップ1308)。
ステップ1308で普通図柄の変動を開始した後、またはステップ1302で普通図柄変動中と判断された場合(ステップ1302でYes)、普通図柄制御部237は、変動時間を経過したか否かを判断する(ステップ1309)。すなわち、ステップ1308で普通図柄の変動を開始してからの経過時間がステップ1307で設定された変動時間に達したか否かが判断される。変動時間を経過していなければ(ステップ1309でNo)、普通図柄変動が継続されるので、そのまま普通図柄処理が終了する。
一方、変動時間が終了した場合(ステップ1309でYes)、普通図柄制御部237は、普通図柄表示器223における普通図柄の変動を停止する(ステップ1310)。そして、普通図柄制御部237は、停止した普通図柄に基づき普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(ステップ1311)。当選したならば(ステップ1311でYes)、補助遊技フラグをONにする(ステップ1312)。一方、抽選にはずれたならば(ステップ1311でNo)、補助遊技フラグをONにすること無く普通図柄処理を終了する。
〔遊技制御部による大入賞口処理〕
図14は、図5のステップ504に示した電動役物処理のうちの大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。
この大入賞口処理において、遊技制御部200の大入賞口動作制御部238は、まず、RAM203のフラグ設定において当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1401)。当たり遊技フラグがOFFである場合、大入賞口125への入賞はないので、大入賞口処理を終了する(ステップ1401でNo)。一方、当たり遊技フラグがONである場合(ステップ1401でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、パチンコ遊技機100が停止中処理(図11)で開始された大当たり時の動作制御におけるオープニング動作の最中か否かを判断する(ステップ1402)。
パチンコ遊技機100がオープニング中である場合(ステップ1402でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、予め設定されたオープニング動作が行われるべき時間(オープニング時間)を経過したか否かを判断する(ステップ1403)。オープニング時間を経過していないならば、大入賞口125でのオープニング動作が継続されるので、大入賞口処理を終了する(ステップ1403でNo)。一方、オープニング時間を経過したならば(ステップ1403でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、大入賞口125の作動設定を行い(ステップ1404)、入賞個数Cを初期化(C=0)し(ステップ1405)、大入賞口125のラウンド数Rの値を現在の値から1加算して(ステップ1406)、大入賞口125を作動開始(開放)する(ステップ1407)。
ステップ1404の作動設定では、大入賞口125の作動パターンと、その作動パターンで作動させるラウンド数(作動ラウンド数)とが設定される。大入賞口125が作動する場合としては、特別図柄抽選で、長当たりまたは短当たりの大当たりであった場合と、小当たりであった場合がある。作動パターンおよびラウンド数は、これらの当たりの種類に応じて様々に設定される。長当たりの場合、例えば、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは29.5秒の開放を1回行う。短当たりの場合、例えば、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは0.1秒の開放を1回行う。小当たりの場合、例えば、1ラウンド(1R)作動させ、この1ラウンドで0.1秒の開放を15回行う。ここで、短当たりでの作動と小当たりでの作動を上記の例で比較すると、共に0.1秒の開放が15回行われることとなる。すなわち、遊技者から見える大入賞口125の動作は、短当たりの場合と小当たりの場合とで同じであり、遊技盤110上の大入賞口125の動作のみから短当たりと小当たりとを区別することはできない。
また、別の例としては、長当たりでは、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは29.5秒の開放を1回行い、短当たりでは、2ラウンド(2R)作動させ、1ラウンドでは0.9秒の開放を2回行い、小当たりでは、1ラウンド(1R)作動させ、この1ラウンドで0.9秒の開放を2回行う。この場合も、短当たりでの作動と小当たりでの作動を比較すると、共に0.9秒の開放が2回行われることとなり、遊技者から見える大入賞口125の動作は、短当たりの場合と小当たりの場合とで同様となる。
なお、小当たりの際には、大入賞口125の開放累積時間が1.8秒以内に設定されなければならないことが法令により定められている。一方で、大当たり(長当たりまたは短当たり)の際には、大入賞口125を複数回連続開放させなければならない。そこで、上記のように小当たりでの作動と短当たりでの作動を外見上区別し難くしようとする場合、小当たりでは、1作動での開放累積時間が1.8秒以内を満たす範囲で、大入賞口125が2回以上開放する作動形態が設定され、短当たりでは、小当たりの開放回数と同数のラウンド数が設定される。
次に、大入賞口動作制御部238は、ステップ1404で設定された作動パターンにおける開放時間を経過したか否かを判断する(ステップ1408)。大入賞口125での開放状態が開放時間を経過していない場合(ステップ1408でNo)、次に大入賞口動作制御部238は、大入賞口125への入賞個数Cが規定の個数(例えば9個)以上か否かを判断する(ステップ1409)。開放時間を経過しておらず、かつ入賞個数Cが規定個数未満である場合は、大入賞口125の作動状態(開放状態)が継続されるので、大入賞口処理を終了する(ステップ1409でNo)。一方、開放時間を経過したか(ステップ1408でYes)、または入賞個数Cが規定個数に達した場合(ステップ1409でYes)、大入賞口動作制御部238は、大入賞口125を作動終了(閉口)する(ステップ1410)。
次に、大入賞口動作制御部238は、大入賞口125の作動のラウンド数Rがステップ1404で設定された最大値に達したか否かを判断する(ステップ1411)。そして、最大値に達していないならば、残りの作動が行われるため、大入賞口処理を終了する(ステップ1411でNo)。
大入賞口125の作動のラウンド数Rが最大値に達したならば(ステップ1411でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、エンディング動作を開始する(ステップ1412)。ここで、エンディング動作の内容は、長当たり遊技、短当たり遊技、小当たり遊技の各遊技状態において設定されたエンディング動作のうち、当たり遊技フラグの状態に対応するものとなる。
この後、大入賞口動作制御部238は、演出制御部300において当たり遊技フラグに応じたエンディング動作における演出を行うためのエンディングコマンドをRAM203にセットする(ステップ1413)。このエンディングコマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
次に、大入賞口動作制御部238は、大入賞口125の作動のラウンド数Rを0にリセットした後(ステップ1414)、エンディング動作の開始からの経過時間が予め設定されたエンディング動作が行われるべき時間(エンディング時間)を経過したか否かを判断する(ステップ1417)。エンディング時間を経過していないならば、エンディング動作が継続されるので、大入賞口処理を終了する(ステップ1417でNo)。一方、エンディング時間を経過したならば(ステップ1417でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、遊技状態設定処理を行った後(ステップ1418)、当たり遊技フラグをOFFにして、大入賞口処理を終了する(ステップ1419)。遊技状態設定処理の内容については後述する。
ステップ1402で、パチンコ遊技機100がオープニング中ではないと判断した場合(ステップ1402でNo)、次に大入賞口動作制御部238は、エンディング中か否かを判断する(ステップ1415)。そして、エンディング中であるならば(ステップ1415でYes)、上記ステップ1417以降の動作を実行する。
一方、パチンコ遊技機100がエンディング中でもないならば(ステップ1415でNo)、次に大入賞口動作制御部238は、大入賞口125が作動(開放)中か否かを判断する(ステップ1416)。そして、作動中でないならば(ステップ1416でNo)、上記ステップ1405以降の動作を実行し、作動中であるならば(ステップ1416でYes)、上記ステップ1408以降の動作を実行する。
〔遊技状態設定処理〕
エンディング時間が経過した場合(ステップ1417でYes)に実行される遊技状態設定処理(ステップ1418)の内容を図15に示す。
図15に示すように、大入賞口動作制御部238は、まず、図14のステップ1401で当たり遊技フラグがONとなっているので、その当たりの種類を判断する(ステップ1501、1502、1503、1506)。これらの判断は、例えば大当たり判定処理(図9)でRAM203に設定情報としてセットされた図柄の種類に基づいて判断することができる。なお、これらの判断は大当たり判定処理(図9)のステップ902、903、905と概ね同様であるので、ステップ902、903、905の判断結果を用いても良い。
当たりの種類が小当たりである場合(ステップ1501でYes)、遊技状態(パチンコ遊技機100の内部状態)は変更しないので、遊技状態設定処理を終了する。
当たりの種類が確変無し+時短有りの大当たりである場合(ステップ1501でNo、ステップ1502、1503でYes)、大入賞口動作制御部238は、時短フラグをONにする(ステップ1504)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が時短遊技状態となる。また、大入賞口動作制御部238は、抽選回数Jの初期値を設定し(ステップ1505)、遊技状態設定処理を終了する。抽選回数Jの初期値は、図示の例では100回である。したがって、時短遊技状態における抽選が100回行われたならば、時短遊技状態が終了する。
一方、当たりの種類が確変無し+時短無しの大当たりである場合(ステップ1501でNo、1502でYes、ステップ1503でNo)、大入賞口動作制御部238は、時短フラグ、確変フラグともONにせずに処理を終了する。したがって、この大当たりの後の遊技に対するRAM203の遊技状態の設定は、時短遊技状態にも確変遊技状態にもならない。
当たりの種類が確変有り+時短有りの大当たりである場合(ステップ1501、1502でNo、ステップ1506でYes)、大入賞口動作制御部238は、時短フラグをONにし(ステップ1507)、抽選回数Jの初期値を設定する(ステップ1508)。この場合の抽選回数Jの初期値は、図示の例では10000回である。また、大入賞口動作制御部238は、確変フラグをONにし(ステップ1509)、抽選回数Xの初期値を設定する(ステップ1510)。抽選回数Xの初期値は、図示の例では10000回である。これにより、RAM203の遊技状態の設定が時短付き確変遊技状態となる。そして、この時短付き確変遊技状態における抽選が10000回行われたならば、時短付き確変遊技状態は終了する。
一方、当たりの種類が確変有り+時短無しの大当たりである場合(ステップ1501、1502、ステップ1506でNo)、大入賞口動作制御部238は、確変フラグのみをONにし(ステップ1509)、抽選回数Xの初期値(10000回)を設定する(ステップ1510)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が時短の付かない確変遊技状態となる。そして、この時短無し確変遊技状態における抽選が10000回行われたならば、時短無し確変遊技状態は終了する。
〔遊技制御部による電動チューリップ処理〕
図16は、図5のステップ504に示した電動役物処理のうちの電動チューリップ処理の内容を示すフローチャートである。
電動チューリップ処理において、遊技制御部200の電動チューリップ動作制御部239は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1601)。補助遊技フラグがOFFである場合、電動チューリップ123は開放しないため、電動チューリップ処理を終了する(ステップ1601でNo)。一方、補助遊技フラグがONである場合(ステップ1601でYes)、次に電動チューリップ動作制御部239は、電動チューリップ123が作動中か否かを判断する(ステップ1602)。
電動チューリップ123が作動中でない場合(ステップ1602でNo)、電動チューリップ動作制御部239は、電動チューリップ123の作動パターンの設定を行い(ステップ1603)、設定した作動パターンで電動チューリップ123を作動させる(ステップ1604)。ここで、作動パターンは、図11におけるステップ1104、1114、図15におけるステップ1503、1506等の処理で設定される時短フラグに基づいて設定される。例えば、ステップ1603による設定の際に時短フラグがOFFである場合は、0.15秒の開放時間で1回開放する作動パターンが設定され、時短フラグがONである場合は、1.80秒の開放時間で3回開放する作動パターンが設定される。このように、通常、時短フラグがONであるとき(時短遊技状態のとき)は、電動チューリップ123が長時間、複数回開放され、第2始動口122に入賞し易くなる入賞サポート(電チューサポート)が行われる。
ステップ1602で電動チューリップ123が作動中と判断された場合(ステップ1602でYes)、またはステップ1604で電動チューリップを作動させた後、電動チューリップ動作制御部239は、設定されている作動パターンにおける開放時間が経過したか否かを判断する(ステップ1605)。開放時間を経過していなければ、電動チューリップ123の作動状態(開放状態)が継続されるので、電動チューリップ処理を終了する(ステップ1605でNo)。一方、開放時間を経過したならば(ステップ1605でYes)、電動チューリップ動作制御部239は、補助遊技フラグをOFFとして、電動チューリップ処理を終了する(ステップ1606)。
〔乱数による判定の手法〕
ここで、大当たり判定処理(図9)、変動パターン選択処理(図10)、普通図柄処理(図13)等で行われる、乱数による判定の手法について詳細に説明する。
図17は、本実施の形態で用いられる乱数の構成例を示す図である。
図17(a)には大当たり乱数の構成例、図17(b)には大当たり図柄乱数の構成例、図17(c)にはリーチ乱数の構成例、図17(d)には当たり乱数の構成例が、それぞれ示されている。
図17(a)を参照すると、大当たり乱数は、パチンコ遊技機100の遊技状態が確変のない通常時の大当たりと確変時の大当たりの2種類と、小当たりとが設定されている。乱数(大当たり乱数)の値の範囲はいずれも0〜299の300個である。通常時の特別図柄抽選(大当たり抽選)の場合、当選値は1つだけが設定され、当選確率は1/300である。また確変時の特別図柄抽選の場合、当選値は10個設定され、当選確率は10/300(=1/30)である。すなわち図示の例では、確変時に始動口121、122に入賞し特別図柄抽選が行われると、通常時に特別図柄抽選が行われる場合に比べて、当選確率が10倍となる。また、小当たりの当選値は、確変か否かに関わらず3個設定され、当選確率は3/300(=1/100)である。
図17(b)を参照すると、大当たり図柄には、通常図柄A、通常図柄B、確変図柄A、確変図柄B、潜確図柄の5種類が用意されている。ここで、通常図柄Aおよび通常図柄Bは、確変無しの大当たりであることを表す図柄であり、このうち通常図柄Aは長当たり(時短有り)、通常図柄Bは短当たり(時短無し)をそれぞれ表す。確変図柄Aおよび確変図柄Bは、確変有りの大当たりであることを表す図柄であり、このうち確変図柄Aは長当たり(時短有り)、確変図柄Bは短当たり(時短無し)をそれぞれ表す。潜確図柄は、確変有り+時短無しの大当たりであることを表す図柄である。したがって、確変図柄Bと潜確図柄とは大当たり遊技後の遊技状態が同じであるが、潜確図柄は、確変潜伏演出を行う条件とするために確変図柄Bとは分けて設けられている。乱数の値の範囲は0〜249の250個である。また、大当たり図柄乱数では、特別図柄抽選が行われる契機となる第1始動口121と第2始動口122の各々について当選値が設定される。
通常図柄Aでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として35個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に通常図柄Aでの当選(確変無し+時短有り)となる確率は、35/250(=7/50)である。
通常図柄Bでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として15個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に通常図柄Bでの当選(確変無し+時短無し)となる確率は、15/250(=3/50)である。
確変図柄Aでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に確変図柄Aでの当選(確変有り+時短有り)となる確率は、25/250(=1/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として175個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に確変図柄Aでの当選(確変有り+時短有り)となる確率は、175/250(=7/10)である。
確変図柄Bでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として75個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に確変図柄Bでの当選(確変有り+時短無し)となる確率は、75/250(=3/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に確変図柄Bでの当選(確変有り+時短無し)となる確率は、25/250(=1/10)である。
潜確図柄では、第1始動口121に入賞した場合の当選値として100個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に潜確図柄での当選(確変有り+時短無し)となる確率は、100/250(=2/5)である。
一方、第2始動口122には潜確図柄での当選値が割り当てられておらず、第2始動口122に入賞した場合に潜確図柄での当選となることはない。
以上のように、図17(b)に示す例では、第1始動口121に入賞した場合の大当たりは、確変有り+時短無しの大当たり(確変図柄B、潜確図柄)となる確率が高く、第2始動口122に入賞した場合の大当たりは、確変有り+時短有りの大当たり(確変図柄A)となる確率が高い。このように、第1始動口121に入賞した場合と第2始動口122に入賞した場合における大当たりの種類の当選確率を相違させることにより、様々な遊技性を持たせることができる。また、遊技盤110における第1始動口121と第2始動口122の配置を工夫し、特定の状態(モード)では第1始動口121と第2始動口122のいずれか一方を狙い易くなるように構成することによって、遊技者にさらに積極的な遊技への参加を促すことも可能である。
図17(c)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜249の250個であり、リーチ演出を行う抽選結果(リーチ有)に22個の乱数値が割り当てられ、リーチ演出を行わない抽選結果(リーチ無)に228個の乱数値が割り当てられている。すなわち図示の例では、特別図柄抽選で大当たりしなかった場合に、22/250(=11/125)の確率でリーチ演出が行われる。
図17(d)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜9の10個であり、時短フラグOFFのときの当選値として1個の値が割り当てられ、時短フラグONのときの当選値として9個の値が割り当てられている。したがって、時短遊技状態が発生していないときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選(開閉抽選)が行われると、1/10の確率で当選する。これに対し、時短遊技状態が発生しているときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選(開閉抽選)が行われると、9/10の確率で当選する。
これらの乱数値は、所定の初期値から始まって、図5に示す乱数更新処理(ステップ501)が行われるたびに1ずつ加算される。そして、各抽選が行われた時点の値が始動口スイッチ処理(図6)およびゲートスイッチ処理(図7)で取得され、特別図柄処理(図8)や普通図柄処理(図13)で使用される。なお、この乱数値のカウンタは無限ループカウンタであり、設定されている乱数の最大値(例えば大当たり乱数では299)に達した後は再び0に戻る。また、乱数更新処理は一定時間ごとに行われるため、各乱数の初期値が特定されてしまうと、これらの情報に基づいて当選値が推定される恐れがある。そこで、一般に、適当なタイミングで各乱数の初期値をランダムに変更する仕組みが導入されている。
〔演出制御部の動作〕
次に、演出制御部300の動作を説明する。
図18は、遊技制御部200からコマンドを受信した際の演出制御部300の動作を示すフローチャートである。
演出制御部300の動作は、図18(a)に示すメイン処理と、図18(b)に示す割り込み処理とからなる。図18(a)を参照すると、演出制御部300は、まず起動時に初期設定を行い(ステップ1801)、CTC(Counter/Timer Circuit)の周期設定を行った後(ステップ1802)、設定された周期にしたがって、演出制御において用いられる乱数を更新しながら(ステップ1803)、割り込み処理を受け付ける。
割り込み処理は、ステップ1802で設定された周期にしたがって定期的に行われる。図18(b)を参照すると、この割り込み処理において、演出制御部300は、遊技制御部200からのコマンドを受信してコマンド受信処理を行う(ステップ1811)。このコマンド受信処理において、演出パターンが選択される。また、演出制御部300は、遊技者による演出ボタン等の操作を受け付けるための演出ボタン処理を行う(ステップ1812)。この後、演出制御部300は、選択した演出パターンの情報を含むコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送信するコマンド送信処理を行う(ステップ1813)。これにより、画像表示部114への画像表示や音響出力、可動役物115の動作、盤ランプ116や枠ランプ157の発光等による演出が行われる。
〔演出制御部によるコマンド受信処理〕
図19は、コマンド受信処理(図18(b)のステップ1811)の内容を示すフローチャートである。
このコマンド受信処理において、演出制御部300は、まず、受信したコマンドが保留数を増加するためのコマンド(保留数増加コマンド)か否かを判断する(ステップ1901)。この保留数増加コマンドは、遊技制御部200において、図6に示した始動口スイッチ処理においてセットされ(ステップ606、612)、図5に示した出力処理(ステップ506)で演出制御部300へ送信される。保留数増加コマンドであった場合(ステップ1901でYes)、演出制御部300は、RAM303に保持されている保留数の値を1加算し(ステップ1902)、加算後の保留数の値を示す保留数コマンドをRAM303にセットする(ステップ1903)。
受信したコマンドが保留数増加コマンドでない場合(ステップ1901でNo)、またはステップ1903の保留数増加コマンドのセット後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが変動開始コマンドか否かを判断する(ステップ1904)。この変動開始コマンドは、遊技制御部200において、図8に示した特別図柄処理においてセットされ(ステップ811)、図5に示した出力処理(ステップ506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドが変動開始コマンドであった場合(ステップ1904でYes)、演出制御部300は、演出選択処理を実行する(ステップ1905)。演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンドでない場合(1901およびステップ1904でNo)、またはステップ1905の演出選択処理の実行後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが変動停止コマンドか否かを判断する(ステップ1906)。この変動停止コマンドは、遊技制御部200において、図8に示した特別図柄処理においてセットされ(ステップ814)、図5に示した出力処理(ステップ506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドが変動停止コマンドであった場合(ステップ1906でYes)、演出制御部300は、変動演出終了中処理を実行する(ステップ1907)。変動演出終了中処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンドおよび変動停止コマンドでない場合(ステップ1901、ステップ1904およびステップ1906でNo)、またはステップ1907の変動演出終了中処理の実行後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが大当たり演出におけるオープニングを開始するためのオープニングコマンドか否かを判断する(ステップ1908)。このオープニングコマンドは、図11に示した停止中処理においてセットされ(ステップ1118)、図5に示した出力処理(ステップ506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドがオープニングコマンドであった場合(ステップ1908でYes)、演出制御部300は、当たり演出選択処理を実行する(ステップ1909)。当たり演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンド、変動停止コマンドおよびオープニングコマンドでない場合(ステップ1901、ステップ1904、ステップ1906およびステップ1908でNo)、またはステップ1909の当たり演出選択処理の実行後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが大当たり演出におけるエンディングを開始するためのエンディングコマンドか否かを判断する(ステップ1910)。このエンディングコマンドは、図14に示した大入賞口処理においてセットされ(ステップ1413)、図5に示した出力処理(ステップ506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドがエンディングコマンドであった場合(ステップ1910でYes)、演出制御部300は、エンディング演出選択処理を実行する(ステップ1911)。エンディング演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンド、変動停止コマンド、オープニングコマンドおよびエンディングコマンドでない場合(ステップ1901、ステップ1904、ステップ1906、ステップ1908およびステップ1910でNo)、またはステップ1911のエンディング演出選択処理の終了後にコマンドを受信した場合、次に演出制御部300は、受信したコマンドが客待ち状態に移行するための客待ちコマンド受信処理を実行する(ステップ1912)。客待ちコマンド受信処理の詳細については後述する。
図20は、モードフラグの設定例を示す図である。
演出制御部300により演出が行われる場合、特別図柄抽選の抽選結果に応じて設定される動作モードに基づき、種々の演出パターンが選択されて実行される。この動作モードは、演出制御部300のRAM303にセットされるモードフラグによって決定される。図20に示す例では、AモードからEモードまでの5種類のモードが設定され、各モードに対してモードフラグの値0〜4が割り当てられている。また、Bモードには確変図柄Aの大当たりが、Cモードには通常図柄Aの大当たりが、Dモードには確変図柄Bおよび通常図柄Bの大当たりが、Eモードには潜確図柄の大当たりおよび小当たりが、それぞれ割り当てられている。ここで、これらの図柄の種類は、図17(b)に示したものと同様である。Aモードには何れの当たりも割り当てられていない。さらに、図20に示す例では、変動演出終了中処理で用いられるパラメータM(M値)が、Aモードを除く各モードに対して個別に設定されている。
図21は、図19の演出選択処理(ステップ1905)の内容を示すフローチャートである。
この演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信した変動開始コマンドを解析する(ステップ2101)。また、演出制御部300は、RAM303の設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照し(ステップ2102)、RAM303に保持されている保留数の値を1減算する(ステップ2103)。そして、演出制御部300は、変動開始コマンドの解析結果から得られる各種の設定情報(大当たりの種類、大当たり遊技後の遊技状態、変動パターン等の情報)およびモードフラグにより決定される動作モードに基づき、その動作モードで画像表示部114に表示する画像による図柄変動の演出パターン(変動演出パターン)を選択する(ステップ2104)。最後に、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出の実行開始を指示する変動演出開始コマンドをRAM303にセットして、演出選択処理を終了する(ステップ2105)。
図22は、図19の変動演出終了中処理(ステップ1907)の内容を示すフローチャートである。
この変動演出終了中処理において、演出制御部300は、まず受信した変動停止コマンドを解析する(ステップ2201)。また、演出制御部300は、RAM303の設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照する(ステップ2202)。そして、演出制御部300は、変動停止コマンドの解析の結果から得られる特別図柄変動が停止した際の図柄の種類を示す情報に基づいて特別図柄抽選の抽選結果が当たり(大当たりまたは小当たり)か否かを判断する(ステップ2203)。何らかの当たりである場合は(ステップ2203でYes)、その当たりの種類に応じて、図20に示した設定例に基づきRAM303にセットされているモードフラグを変更する(ステップ2204)。
一方、特別図柄抽選の抽選結果が当たりでない場合(ステップ2203でNo)、次に演出制御部300は、モードフラグの値が0か否かを調べる(ステップ2205)。モードフラグが0でない場合(ステップ2205でNo)、演出制御部300は、パラメータMを1減算し(ステップ2206)、Mの値が0になったか否かを調べる(ステップ2207)。Mの値が0になったならば(ステップ2207でYes)、演出制御部300は、モードフラグを0に設定する(ステップ2208)。
ステップ2205でモードフラグが0であった場合(ステップ2205でYes)、ステップ2207でパラメータMの値が0にならなかった場合(ステップ2207でNo)、またはステップ2208でモードフラグを0に設定した後、あるいはステップ2204でモードフラグを変更した後、演出制御部300は、図柄変動の演出の終了を指示するための変動演出終了コマンドをRAM303にセットして、変動演出終了中処理を終了する(ステップ2209)。ここで、図20を参照すると、ステップ2204でモードフラグを変更した場合は、変動演出終了後の動作モードは当たりの種類に応じた動作モードとなる。また、ステップ2205でモードフラグが0であった場合およびステップ2208でモードフラグを0に設定した場合は、変動演出終了後の動作モードはAモードとなる。また、ステップ2207でパラメータMの値が0にならなかった場合は、これまでの動作モードが継続される。
図23は、図19の当たり演出選択処理(ステップ1909)の内容を示すフローチャートである。
この当たり演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したオープニングコマンドを解析し(ステップ2301)、解析結果から得られたオープニング動作の内容に応じて演出のパターン(当たり演出パターン)を選択する(ステップ2302)。そして、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示する当たり演出開始コマンドをRAM303にセットして、当たり演出選択処理を終了する(ステップ2303)。この当たり演出を、オープニング演出とも呼ぶ。
図24は、図19のエンディング演出選択処理(ステップ1911)の内容を示すフローチャートである。
このエンディング演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したエンディングコマンドを解析し(ステップ2401)、RAM303の設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照する(ステップ2402)。次に、演出制御部300は、エンディングコマンドの解析結果から得られたエンディング動作の内容に応じて演出のパターン(エンディング演出パターン)を選択する(ステップ2403)。そして、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示するエンディング演出開始コマンドをRAM303にセットして、エンディング演出選択処理を終了する(ステップ2404)。
図25は、図19の客待ちコマンド受信処理(ステップ1912)の内容を示すフローチャートである。
演出制御部300は、客待ち状態に移行するための客待ちコマンドを受信したか否かを判断する(ステップ2501)。客待ちコマンドを受信した場合(ステップ2501でYes)、演出制御部300は、経過時間の計測を開始し(ステップ2502)、RAM303において計測フラグをONにする(ステップ2503)。一方、受信したコマンドが客待ちコマンドでなかった場合(ステップ2501でNo)、RAM303に保持されている計測フラグがONになっているか否かを判断する(ステップ2504)。計測フラグがOFFであれば(ステップ2504でNo)、客待ちコマンド受信処理を終了する。
計測フラグがONである場合(ステップ2504でYesまたはステップ2503でONにした後)、次に演出制御部300は、計測時間があらかじめ定められたタイムアップ時間に達したか否かを判断する(ステップ2505)。タイムアップしていない場合(ステップ2505でNo)、客待ちコマンド受信処理を終了する。一方、タイムアップした場合(ステップ2505でYes)、演出制御部300は、RAM303に保持されている計測フラグをOFFにし(ステップ2506)、客待ち演出を行うための客待ち演出コマンドをRAM303にセットして客待ちコマンド受信処理を終了する(ステップ2507)。
以上のようにしてコマンド受信処理が完了すると、演出制御部300のRAM303には、変動演出開始コマンド、変動演出終了コマンド、当たり演出開始コマンド、エンディング演出開始コマンド、客待ち演出コマンドのいずれかがセットされている。
〔演出制御部による演出ボタン処理〕
図26は、演出ボタン処理(図18(b)のステップ1812)の内容を示すフローチャートである。
この演出ボタン処理において、演出制御部300は、まず遊技者による演出ボタン等の操作があったか否かを判断する(ステップ2601)。ここで、演出ボタン等の操作とは、演出ボタン161が押下されてONとなること、演出キー162の中央キーや周囲キーが押下されてONとなることを含む。また、タッチパネル等、演出ボタン161および演出キー162以外の操作用デバイスがパチンコ遊技機100に設けられている場合は、そのデバイスの操作を検知したことを含む。演出制御部300は、これらのデバイスのコントローラから操作信号を受け付けて、操作が行われたことを検知する。
演出ボタン等が操作されたならば(ステップ2601でYes)、演出制御部300は、演出ボタン等の操作内容を示す情報を含む演出ボタンコマンドをRAM303にセットして演出ボタン処理を終了する(ステップ2602)。
次に、可動役物115について説明する。
可動役物115は、閉じることで羽根車500aを隠す装飾位置に存在し、互いに逆方向に移動することで開いて装飾位置から退避した退避位置に存在する一対の装飾部材501を有する。
図27は、一対の装飾部材501が装飾位置に存在しているときの図である。図1は、一対の装飾部材501が退避位置に存在しているときの図である。
一対の装飾部材501は、正面から見た場合に左側に位置して、退避位置から装飾位置へ移動する際に右方向へ移動する左側装飾部材501aと、正面から見た場合に右側に位置して、退避位置から装飾位置へ移動する際に左方向へ移動する右側装飾部材501bとから構成される。
左側装飾部材501aには、「世界」という装飾文字が付されており、右側装飾部材501bには、「征服」という装飾文字が付されており、一対の装飾部材501が装飾位置に存在するときに「世界征服」という単語が完成する。
図28は、可動役物115の概略構成を示す斜視図であり、一対の装飾部材501が装飾位置に存在しているときの図である。図29は、可動役物115の概略構成を示す斜視図であり、一対の装飾部材501が退避位置に存在しているときの図である。また、図30は、可動役物115を上から見た上視図であり、一対の装飾部材501が装飾位置に存在しているときの図である。図31は、可動役物115を上から見た上視図であり、一対の装飾部材501が退避位置に存在しているときの図である。なお、図30および図31においては、後述するモータ510は示しておらず、また、フォトインターラプタセンサ520の突出部521のみを示している。
図に示すように、可動役物115は、左側装飾部材501aが取り付けられ、左側装飾部材501aを支持した状態で回転することで、左側装飾部材501aを移動させる左側支持部材502と、右側装飾部材501bが取り付けられ、右側装飾部材501bを支持した状態で回転することで、右側装飾部材501bを移動させる右側支持部材503とを有している。
左側支持部材502および右側支持部材503は、遊技盤110に取り付けられた装飾フレーム550(図30参照)に回転可能に支持されている。
左側支持部材502には、左側ギア504が取り付けられている。そして、左側支持部材502と左側ギア504とは左側回転軸505に固定され、一体として左側回転軸505の軸心を回転中心として装飾フレーム550、ひいては遊技盤110に対して回転する。また、左側支持部材502には、左側ローラ502aが装着されており、この左側ローラ502aが装飾フレーム550に形成された平坦面550a(図30参照)に接触して転がることで、左側支持部材502は、装飾フレーム550上を円滑に移動することが可能になっている。
右側支持部材503には、左側ギア504と噛み合う右側ギア506が取り付けられている。そして、右側支持部材503と右側ギア506とは右側回転軸507に固定され、一体として右側回転軸507の軸心を回転中心として装飾フレーム550、ひいては遊技盤110に対して回転する。また、右側支持部材503には、右側ローラ503aが装着されており、この右側ローラ503aが装飾フレーム550に形成された平坦面550b(図30参照)に接触して転がることで、右側支持部材503は、装飾フレーム550上を円滑に移動することが可能になっている。
可動役物115は、遊技盤110に取り付けられたフレーム(不図示)に固定されたモータ510と、このモータ510の回転軸に取り付けられたギア511とを有している。モータ510は、入力パルス信号の数(ステップ数)に応じて回転角度が定まるステッピングモータであることを例示することができる。ギア511は、右側ギア506と噛み合っており、モータ510の回転駆動力を右側ギア506に伝達する。
以上のように構成された可動役物115においては、一対の装飾部材501が退避位置に存在している図1および図29に示した状態のときには、左側装飾部材501aと右側装飾部材501bとは正面から見え難くなっている。かかる状態を、以下では「全開状態」と称する場合もある。そして、この全開状態から、モータ510が上から見た場合に反時計回転方向に回転することで、図28に示すように右側支持部材503が時計回転方向に回転するとともに左側支持部材502が反時計回転方向に回転する。そして、これにより一対の装飾部材501が閉じる方向(閉方向)に動き、装飾文字が現れてくる。
左側装飾部材501aと右側装飾部材501bとが互いに近づき、左側装飾部材501aの端部と右側装飾部材501bの端部とがくっつくことで、一対の装飾部材501は装飾位置に存在することとなる。かかる状態を、以下では「全閉状態」と称する場合もある。一対の装飾部材501が全閉状態であるとき、装飾文字「世界征服」が完成する。そして、この全閉状態から、モータ510が上から見た場合に時計回転方向に回転することで、図29に示すように右側支持部材503が反時計回転方向に回転するとともに左側支持部材502が時計回転方向に回転する。そして、これにより一対の装飾部材501が開く方向(開方向)に動く。
また、一対の装飾部材501は、退避位置と装飾位置との間の位置で、モータ510が、図28で上から見た場合に、時計回転方向の回転と反時計回転方向の回転とを短期間に繰り返すことで、一対の装飾部材501に開方向の移動と閉方向の移動とを短期間に繰り返させる往復動を行う。
ここで、可動役物115は、フレーム(不図示)に固定され、受発光素子からなるフォトインターラプタセンサ520(以下、単に「フォトセンサ520」と称する場合もある。)を有している。フォトセンサ520は、センサ本体に下向きに形成された2つの突出部521(図29参照)と、突出部521のそれぞれに設けられた発光素子(不図示)と受光素子(不図示)とから構成されている。そして、発光素子から発光された光を受光素子が受けるか否かで、発光素子と受光素子とが対向する対向部522(図29参照)における物体の通過や存在を読み取る。なお、フォトセンサ520は、発光素子から発光された光の光軸の延長線が左側回転軸505の軸心を通るように配置されている(図30参照)。
一方、左側支持部材502には、フォトセンサ520により形成された対向部522を通り、この対向部522に介在することでフォトセンサ520の発光素子からの光を遮る遮光板525が取り付けられている。ゆえに、左側支持部材502が回転して遮光板525が回転すると、遮光板525が対向部522に介在したり介在しなかったりする。
遮光板525は、円周方向に所定の角度に亘って形成されており、図30に示すように、一対の装飾部材501が装飾位置に位置しているときには、遮光板525は対向部522に介在し、図31に示すように、一対の装飾部材501が退避位置に位置しているときには、遮光板525は対向部522に介在しない。
そして、一対の装飾部材501が装飾位置から退避位置の方へ、つまり開方向へ移動する過程で、遮光板525の円周方向の端面525a(図28参照)がフォトセンサ520の発光素子から発光された光を遮らなくなると、フォトセンサ520が遮光状態から受光状態となり、その情報が検出信号としてランプ制御部320に入力されるようになっている。
他方、一対の装飾部材501が退避位置から装飾位置の方へ、つまり閉方向へ移動する過程で、遮光板525の端面525aが発光素子から発光された光を遮るようになると、フォトセンサ520が受光状態から遮光状態となり、その情報が検出信号としてランプ制御部320に入力されるようになっている。
また、可動役物115は、左側装飾部材501aに設けられ、左側装飾部材501aの端部と右側装飾部材501bの端部とがくっついて接触した接触状態と、両者が接触していない非接触状態とを検出する接合センサ530(図3参照)を備えている。接合センサ530は、左側装飾部材501aの端部と右側装飾部材501bの端部とがくっついた時に機械的接点がオン状態となり、くっついていない時に機械的接点がオフ状態となる。接合センサ530が出力するオン状態であるかオフ状態であるかの信号はランプ制御部320へ送られる。ランプ制御部320は、接合センサ530がオン状態であるときに左側装飾部材501aと右側装飾部材501bとが接触状態であると把握し、接合センサ530がオフ状態であるときに左側装飾部材501aと右側装飾部材501bとが非接触状態であると把握する。
以上のように構成された可動役物115の動作は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、ランプ制御部320が制御する。
ランプ制御部320は、一対の装飾部材501を、非演出時には全開状態とし、所定の演出時には全閉状態にしたり往復動を行わせたりする。そして、ランプ制御部320は、一対の装飾部材501を全閉状態にする際には、接合センサ530の検出値に基づいてモータ510を制御する。また、ランプ制御部320は、一対の装飾部材501を閉じた状態から全開状態に戻す際には、フォトセンサ520の検出信号に基づいてモータ510を制御する。同様に、ランプ制御部320は、往復動を行わせる際にも、フォトセンサ520の検出信号に基づいてモータ510を制御する。
以下に、一対の装飾部材501を全閉状態にする制御について説明する。
ランプ制御部320は、一対の装飾部材501を全閉状態に戻すべき旨の指示を受けたときには、一対の装飾部材501を閉方向に移動させるべくモータ510に対してパルス信号を出力する。そして、ランプ制御部320は、接合センサ530がオン状態になったらモータ510の駆動を停止する。ただ、接合センサ530がオン状態になったときにモータ510の駆動を停止したとしても、左側装飾部材501aの端部と右側装飾部材501bの端部とが接触した後に、接触した反動で両者が開方向に移動して非接触状態となるおそれがある。そこで、ランプ制御部320は、モータ510の駆動を停止した後に接合センサ530がオン状態であるか否かを判別し、オン状態ではない場合には、再度接合センサ530がオン状態となるまで一対の装飾部材501を閉方向に移動させるべくモータ510に対してパルス信号を出力する。また、2度目も左側装飾部材501aの端部と右側装飾部材501bの端部とが接触した後に、接触した反動で両者が開方向に移動して非接触状態となるおそれがあることから、再度、モータ510の駆動を停止した後に接合センサ530がオン状態であるか否かを判別し、オン状態ではない場合には、再度接合センサ530がオン状態となるまで一対の装飾部材501を閉方向に移動させるべくモータ510に対してパルス信号を出力する。これを複数回(例えば3回)繰り返す。
このように、接合センサ530がオン状態になったときにモータ510の駆動を停止した後に、接合センサ530がオン状態であるか否かを判別し、オン状態ではない場合には、再度接合センサ530がオン状態となるまで一対の装飾部材501を閉方向に移動させることを複数回繰り返すことで、より精度高く一対の装飾部材501を全閉状態にすることが可能となる。
次に、一対の装飾部材501が全開状態ではない状態から全開状態に戻す際のランプ制御部320の制御を、モータ510がステッピングモータであるとしてより具体的に説明する。
ここで、一対の装飾部材501の駆動領域を、遮光板525の端面525aがフォトセンサ520の発光素子から発光された光を遮光するかしないかの境界線、言い換えれば、フォトセンサ520の発光素子から発光された光の光軸と左側回転軸505の軸心とを通る線(以下、「境界線L0」と称する。)を境として、以下の2つの領域に分ける。すなわち、上から見た場合に一対の装飾部材501が装飾位置に位置するときの端面525aと左側回転軸505の軸心とを結ぶ線を第1の線L1(図30参照)とし、一対の装飾部材501が退避位置に位置するときの端面525aと左側回転軸505の軸心とを結ぶ線を第2の線L2(図31参照)として、端面525aが境界線L0と第1の線L1との間に存在するときの一対の装飾部材501の駆動領域を第1の駆動領域(図30参照)、端面525aが境界線L0と第2の線L2との間に存在するときの一対の装飾部材501の駆動領域を第2の駆動領域(図31参照)とする。
そして、ランプ制御部320は、一対の装飾部材501を全開状態に戻すべき旨の指示を受けたときに、先ず、一対の装飾部材501が第1の駆動領域に存在するのか否かを判別する。これは、フォトセンサ520の受光素子が発光素子から発光された光を受光しているか否かの情報を得ることにより判別するものであり、受光素子が受光していない(フォトセンサ520の検出信号が遮光状態である)場合には一対の装飾部材501が第1の駆動領域に位置し、受光素子が受光している(フォトセンサ520の検出信号が受光状態である)場合には一対の装飾部材501が第2の駆動領域に位置していると判定する。
そして、ランプ制御部320は、一対の装飾部材501が第1の駆動領域に存在すると判定した場合には以下のように制御する。すなわち、ランプ制御部320は、一対の装飾部材501を開方向に移動させるべくモータ510に対してパルス信号を出力する。そして、フォトセンサ520の検出信号が受光状態となったら、一対の装飾部材501を、進行方向である開方向に所定の距離だけ移動させる。所定の距離とは、モータ510が所定の第1追加ステップ数回転駆動することにより移動する距離である。すなわち、ランプ制御部320は、フォトセンサ520の検出信号が受光状態となったら、一対の装飾部材501を開方向に移動させる方向に、モータ510を所定の第1追加ステップ数、回転駆動させる。所定の第1追加ステップ数とは、例えば、5ステップ〜20ステップであることを例示することができる。
そして、フォトセンサ520の検出信号が受光状態となり、一対の装飾部材501を開方向に移動させるべくモータ510を所定のステップ数回転駆動させた後、一対の装飾部材501が第2の駆動領域に存在するか否かを判別する。これも、フォトセンサ520の受光素子が発光素子から発光された光を受光しているか否かの情報を得ることにより判別するものであり、受光素子が受光している(フォトセンサ520の検出信号が受光状態である)場合には一対の装飾部材501が第2の駆動領域に位置し、受光素子が受光していない(フォトセンサ520の検出信号が遮光状態である)場合には一対の装飾部材501が第1の駆動領域に位置していると判定する。
そして、一対の装飾部材501が第2の駆動領域に存在すると判定された場合、一対の装飾部材501を全開状態、つまり退避位置へ移動させるべくモータ510に対して、第1の駆動指示を与える。この第1の駆動指示は、ランプ制御部320が、一対の装飾部材501を開方向に予め定めた角度回転させるべくモータ510に対して予め定めた数のパルス信号を出力し、モータ510を第1のステップ数(例えば、100ステップ)回転駆動させる指示である。
第1のステップ数は、遮光板525の端面525aが境界線L0を超えて第1の駆動領域から第2の駆動領域へ所定の距離入った位置に位置していることを前提に、この位置から退避位置までの移動に要するステップ数とすることが好適である。
他方、ランプ制御部320は、フォトセンサ520の検出信号が受光状態となり、一対の装飾部材501を開方向に移動させるべくモータ510を所定の第1追加ステップ数回転駆動させた後に、一対の装飾部材501が第2の駆動領域に存在すると判定されない場合には、再度フォトセンサ520の検出信号が受光状態となったら、一対の装飾部材501を開方向に移動させるべくモータ510を所定の第1追加ステップ数回転駆動させた後に、一対の装飾部材501が第2の駆動領域に存在するか否かを判別する。そして、これを予め定めた回数(例えば、4回)繰り返しても一対の装飾部材501が第2の駆動領域に存在すると判定されない場合には、強制的に、一対の装飾部材501を全開状態、つまり退避位置へ移動させるべくモータ510に対して第2の駆動指示を与える。この第2の駆動指示は、ランプ制御部320が、一対の装飾部材501を開方向に予め定めた角度回転させるべくモータ510に対して予め定めた数のパルス信号を出力し、モータ510を上記した第1のステップ数より多い第2のステップ数(例えば、105ステップ)回転駆動させる指示である。
第2のステップ数は、遮光板525の端面525aが境界線L0を超えずに境界線L0の近傍の第1の駆動領域に位置していると考えられることから、このことを前提に、この位置から退避位置までの移動に要するステップ数とすることが好適である。
一方、ランプ制御部320は、一対の装飾部材501を全開状態に戻すべき旨の指示を受けたときに、一対の装飾部材501が第2の駆動領域に存在すると判定した場合には以下のように制御する。すなわち、ランプ制御部320は、一対の装飾部材501を閉方向に移動させるべくモータ510に対してパルス信号を出力する。そして、フォトセンサ520の検出信号が遮光状態となったら、一対の装飾部材501を、進行方向である閉方向に所定の距離だけ移動させる。所定の距離とは、モータ510が所定の第2追加ステップ数回転駆動することにより移動する距離である。すなわち、ランプ制御部320は、フォトセンサ520の検出信号が遮光状態となったら、一対の装飾部材501を閉方向に移動させる方向に、モータ510を所定の第2追加ステップ数、回転駆動させる。所定の第2追加ステップ数とは、例えば、5ステップ〜20ステップであることを例示することができる。
そして、フォトセンサ520の検出信号が遮光状態となり、一対の装飾部材501を閉方向に移動させるべくモータ510を所定の第2追加ステップ数回転駆動させた後、一対の装飾部材501が第1の駆動領域に存在するか否かを判別する。これも、フォトセンサ520の受光素子が発光素子から発光された光を受光しているか否かの情報を得ることにより判別するものである。そして、一対の装飾部材501が第1の駆動領域に存在すると判定された場合には、ランプ制御部320が一対の装飾部材501を全開状態に戻すべき旨の指示を受けたときに一対の装飾部材501が第1の駆動領域に存在するのと判定した場合と同様の制御を行う。
他方、ランプ制御部320は、フォトセンサ520の検出信号が遮光状態となり、一対の装飾部材501を閉方向に移動させるべくモータ510を所定の第2追加ステップ数回転駆動させた後に、一対の装飾部材501が第1の駆動領域に存在すると判定されない場合には、再度フォトセンサ520の検出信号が遮光状態となり、一対の装飾部材501を閉方向に移動させるべくモータ510を所定の第2追加ステップ数回転駆動させた後に、一対の装飾部材501が第1の駆動領域に存在するか否かを判別する。そして、これを予め定めた回数(例えば、4回)繰り返しても一対の装飾部材501が第1の駆動領域に存在すると判定されない場合には、強制的に、一対の装飾部材501を全開状態、つまり退避位置へ移動させるべくモータ510に対して第3の駆動指示を与える。この第3の駆動指示は、ランプ制御部320が、一対の装飾部材501を開方向に予め定めた角度回転させるべくモータ510に対して予め定めた数のパルス信号を出力し、モータ510を第3のステップ数(例えば、105ステップ)回転駆動させる指示である。
第3のステップ数は、遮光板525の端面525aが境界線L0を超えずに境界線L0の近傍の第2の駆動領域に一対の装飾部材501が位置していると考えられることから、このことを前提に、この位置から退避位置までの移動に要するステップ数とすることが好適である。
以下、フローチャートを用いて、ランプ制御部320が行う一対の装飾部材501の開き処理について説明する。
図32は、ランプ制御部320が行う開き処理の手順を示すフローチャートである。
ランプ制御部320は、先ず、現在の一対の装飾部材501の位置が第1の駆動領域であるか否かを判別する(ステップ3201)。そして、一対の装飾部材501の位置が第1の駆動領域である場合(ステップ3201でYES)、一対の装飾部材501を開方向に移動させるべくモータ510に対してパルス信号を出力する(ステップ3202)。その後、フォトセンサ520の検出信号が受光状態となったか否かを判別する(ステップ3203)。
そして、フォトセンサ520の検出信号が受光状態となった場合には(ステップ3203でYES)、一対の装飾部材501を開方向に移動させる方向に、モータ510を所定の第1追加ステップ数、回転駆動させる(ステップ3204)。
その後、ランプ制御部320は、一対の装飾部材501の位置が第2の駆動領域であるか否かを判別する(ステップ3205)。そして、一対の装飾部材501の位置が第2の駆動領域である場合(ステップ3205でYES)、モータ510に対して上述した第1の駆動指示を与え(ステップ3206)、本処理の実行を終了する。
他方、一対の装飾部材501の位置が第2の駆動領域ではない場合(ステップ3205でNO)、ステップ3205の判別処理を予め定めた回数行ったか否かを判別する(ステップ3207)。そして、ステップ3207にて肯定判定された場合には、モータ510に対して上述した第2の駆動指示を与え(ステップ3208)、本処理の実行を終了する。一方、ステップ3207にて否定判定された場合には、ステップ3201以降の処理を再度行う。
また、一対の装飾部材501の位置が第1の駆動領域ではない場合(ステップ3201でNO)、一対の装飾部材501を閉方向に移動させるべくモータ510に対してパルス信号を出力する(ステップ3209)。その後、フォトセンサ520の検出信号が遮光状態となったか否かを判別する(ステップ3210)。そして、フォトセンサ520の検出信号が遮光状態となった場合には(ステップ3210でYES)、一対の装飾部材501を閉方向に移動させる方向に、モータ510を所定の第2追加ステップ数、回転駆動させる(ステップ3211)。その後、ステップ3201の判別処理を予め定めた回数行ったか否かを判別する(ステップ3212)。そして、予め定めた回数行った場合(ステップ3212でYES)、モータ510に対して上述した第3の駆動指示を与え(ステップ3213)、本処理の実行を終了する。一方、予め定めた回数行っていない場合(ステップ3212でNO)、ステップ3201以降の処理を再度行う。
このように、ランプ制御部320がかかる開き処理を実行することで、開き処理開始時点に一対の装飾部材501が第1の駆動領域に位置している場合には(ステップ3201でYES)、モータ510に、一対の装飾部材501を開方向に移動させる駆動指示が与えられ(ステップ3202)、フォトセンサ520の検出信号が受光状態となった後に(ステップ3203でYES)、さらに一対の装飾部材501を進行方向(開方向)に移動させる方向にモータ510を所定の第1追加ステップ数分回転駆動させる(ステップ3204)。その後、一対の装飾部材501が第1の駆動領域から第2の駆動領域に移動したことを確認した後に(ステップ3205でYES)、第1の駆動指示が与えられることとなる。
また、開き処理開始時点では一対の装飾部材501が第2の駆動領域に位置していた場合には(ステップ3201でNO)、モータ510に、一対の装飾部材501を閉方向に移動させる駆動指示が与えられ(ステップ3209)、フォトセンサ520の検出信号が遮光状態となった後に(ステップ3210でYES)、さらに一対の装飾部材501を進行方向(閉方向)に移動させる方向にモータ510を所定の第2追加ステップ数分回転駆動させる(ステップ3211)。そして、一対の装飾部材501が第1の駆動領域に位置していることを確認した後に(ステップ3201でYES)、モータ510に、一対の装飾部材501を開方向に移動させる駆動指示が与えられる(ステップ3202)。その後、フォトセンサ520の検出信号が受光状態となった後に(ステップ3203でYES)、さらに一対の装飾部材501を進行方向(開方向)に移動させる方向にモータ510を所定の第1追加ステップ数分回転駆動させ(ステップ3204)、一対の装飾部材501が第1の駆動領域から第2の駆動領域に移動したことを確認した後に(ステップ3205でYES)、第1の駆動指示が与えられることとなる。
それゆえ、一対の装飾部材501が開き処理開始時点でいずれの駆動領域に位置していたとしても、より精度高く、かつより早く一対の装飾部材501を全開状態にすることができる。
例えば、ランプ制御部320が、一対の装飾部材501を第1の駆動領域から第2の駆動領域に移動させるべく一対の装飾部材501を開方向に移動させる駆動指示をモータ510に与え、フォトセンサ520の検出信号が受光状態となったら、その駆動指示を止め、その後、一対の装飾部材501が第2の駆動領域に存在することを確認する構成と比較する。一対の装飾部材501の重心位置、大きさによっては、一対の装飾部材501が振動しながら移動する。そのため、フォトセンサ520の検出信号が受光状態となってすぐに駆動指示を止めると、モータ510の駆動が停止した後に一対の装飾部材501が重力あるいは慣性力に従って動き、フォトセンサ520の検出信号が遮光状態となる位置で停止するおそれがある。かかる場合、フォトセンサ520の検出信号が受光状態となってモータ510の駆動指示を止めたにもかかわらず、フォトセンサ520の検出信号が遮光状態となることから、一対の装飾部材501は第1の駆動領域に存在すると判別し、再度フォトセンサ520の検出信号が受光状態となるまで一対の装飾部材501を開方向に移動させる駆動指示をモータ510に与えることとなる。
これに対して、本実施の形態に係るランプ制御部320においては、フォトセンサ520の検出信号が受光状態となった後に、さらに一対の装飾部材501を進行方向(開方向)に移動させる方向にモータ510を所定の第1追加ステップ数分回転駆動させる。それゆえ、一対の装飾部材501が振動しながら移動してモータ510の駆動が停止した後に重力あるいは慣性力に従って動いたとしても、フォトセンサ520の検出信号が受光状態となる位置で一対の装飾部材501が停止し易くなる。所定の第1追加ステップ数を、モータ510の駆動が停止した後に重力あるいは慣性力に従って動いたとしてもフォトセンサ520の検出信号が受光状態となる位置で一対の装飾部材501が確実に停止する数に設定することで、一対の装飾部材501が、フォトセンサ520の検出信号が受光状態となる位置でより確度高く停止し易くなる。
また、本実施の形態に係るランプ制御部320においては、フォトセンサ520の検出信号が遮光状態となった後に、さらに一対の装飾部材501を進行方向(閉方向)に移動させる方向にモータ510を所定の第2追加ステップ数分回転駆動させる。それゆえ、一対の装飾部材501が振動しながら移動してモータ510の駆動が停止した後に重力あるいは慣性力に従って動いたとしても、フォトセンサ520の検出信号が遮光状態となる位置で一対の装飾部材501が停止し易くなる。所定の第2追加ステップ数を、モータ510の駆動が停止した後に重力あるいは慣性力に従って動いたとしてもフォトセンサ520の検出信号が遮光状態となる位置で一対の装飾部材501が確実に停止する数に設定することで、一対の装飾部材501が、フォトセンサ520の検出信号が遮光状態となる位置でより確度高く停止し易くなる。
したがって、本実施の形態に係るランプ制御部320によれば、一対の装飾部材501が開き処理開始時点でいずれの駆動領域に位置していたとしても、より精度高く、かつより迅速に一対の装飾部材501を全開状態にすることができる。
それゆえ、本実施の形態に係る可動役物115は、演出時などに一対の装飾部材501を精度高く装飾位置に存在させることができ、非演出時など、一対の装飾部材501を前面から退避させるべきときには精度高く退避位置に存在させることができる。
このように本実施の形態に係る可動役物115が精度高く装飾位置に存在することから、可動役物115が装飾位置に存在することと連動させて、一対の装飾部材501にて形成した装飾文字の周囲の画像表示部114に、例えば青色、黄色、赤色あるいは虹色などでフラッシュ演出を施すことで演出効果を高めることができる。また、一対の装飾部材501が一旦閉じても精度高く全開状態となり、装飾物500が精度高く出現することから、可動役物115が全開状態となるのに連動させて、装飾物500の周囲の画像表示部114に、例えば青色、黄色、赤色あるいは虹色などでフラッシュ演出を施すことで演出効果を高めることができる。また、羽根車500aの回転に連動させる演出を施すことで演出効果を高めることができる。
次に、一対の装飾部材501が開方向の移動と閉方向の移動とを短期間に繰り返す往復動の制御を、モータ510がステッピングモータであるとしてより具体的に説明する。
ランプ制御部320は、一対の装飾部材501に往復動させるべき旨の指示を受けたときに、先ず、一対の装飾部材501が第1の駆動領域に存在するのか否かを判別する。これは、上述したようにフォトセンサ520の受光素子が発光素子から発光された光を受光しているか否かの情報を得ることにより判別するものである。
そして、ランプ制御部320は、一対の装飾部材501が第1の駆動領域に存在すると判定した場合(フォトセンサ520の検出信号が遮光状態)には以下のように制御する。すなわち、ランプ制御部320は、一対の装飾部材501を開方向に移動させるべくモータ510に対してパルス信号を出力する。そして、フォトセンサ520の検出信号が受光状態となったら、一対の装飾部材501を、進行方向である開方向に所定の距離だけ移動させる。所定の距離とは、モータ510が所定の第3追加ステップ数回転駆動することにより移動する距離である。すなわち、ランプ制御部320は、フォトセンサ520の検出信号が受光状態となったら、一対の装飾部材501を開方向に移動させる方向に、モータ510を所定の第3追加ステップ数、回転駆動させる。所定の第3追加ステップ数とは、例えば、5ステップ〜20ステップであることを例示することができる。
その後、一対の装飾部材501を閉方向に移動させるべくモータ510に対してパルス信号を出力する。そして、フォトセンサ520の検出信号が遮光状態となったら、一対の装飾部材501を、進行方向である閉方向に所定の距離だけ移動させる。所定の距離とは、モータ510が所定の第4追加ステップ数回転駆動することにより移動する距離である。すなわち、ランプ制御部320は、フォトセンサ520の検出信号が遮光状態となったら、一対の装飾部材501を閉方向に移動させる方向に、モータ510を所定の第4追加ステップ数、回転駆動させる。所定の第4追加ステップ数とは、例えば、5ステップ〜20ステップであることを例示することができる。
その後、ランプ制御部320は、一対の装飾部材501を開方向に移動させるべくモータ510に対してパルス信号を出力する。そして、フォトセンサ520の検出信号が受光状態となったら、一対の装飾部材501を、進行方向である開方向に所定の距離だけ移動させる。所定の距離とは、モータ510が上述した所定の第3追加ステップ数回転駆動することにより移動する距離である。すなわち、ランプ制御部320は、フォトセンサ520の検出信号が受光状態となったら、一対の装飾部材501を開方向に移動させる方向に、モータ510を所定の第3追加ステップ数、回転駆動させる。
このように、ランプ制御部320は、一対の装飾部材501に往復動させるべき旨の指示を受けたときに一対の装飾部材501が第1の駆動領域に存在する場合には、一対の装飾部材501を開方向へ移動させるためのモータ510への駆動指示および閉方向へ移動させるためのモータ510への駆動指示を予め定められた回数繰り返す。
一方、ランプ制御部320は、一対の装飾部材501に往復動させるべき旨の指示を受けたときに一対の装飾部材501が第2の駆動領域に存在すると判定した場合(フォトセンサ520の検出信号が受光状態)には以下のように制御する。すなわち、ランプ制御部320は、一対の装飾部材501を閉方向に移動させるべくモータ510に対してパルス信号を出力する。そして、フォトセンサ520の検出信号が遮光状態となったら、一対の装飾部材501を、進行方向である閉方向に所定の距離だけ移動させる。所定の距離とは、モータ510が所定の第4追加ステップ数回転駆動することにより移動する距離である。すなわち、ランプ制御部320は、フォトセンサ520の検出信号が遮光状態となったら、一対の装飾部材501を閉方向に移動させる方向に、モータ510を所定の第4追加ステップ数、回転駆動させる。
その後、ランプ制御部320は、一対の装飾部材501を開方向に移動させるべくモータ510に対してパルス信号を出力する。そして、フォトセンサ520の検出信号が受光状態となったら、一対の装飾部材501を、進行方向である開方向に所定の距離だけ移動させる。所定の距離とは、モータ510が所定の第3追加ステップ数回転駆動することにより移動する距離である。すなわち、ランプ制御部320は、フォトセンサ520の検出信号が受光状態となったら、一対の装飾部材501を開方向に移動させる方向に、モータ510を所定の第3追加ステップ数、回転駆動させる。
その後、ランプ制御部320は、一対の装飾部材501を閉方向に移動させるべくモータ510に対してパルス信号を出力する。そして、フォトセンサ520の検出信号が受光状態となったら、一対の装飾部材501を、進行方向である閉方向に所定の距離だけ移動させる。所定の距離とは、モータ510が所定の第4追加ステップ数回転駆動することにより移動する距離である。すなわち、ランプ制御部320は、フォトセンサ520の検出信号が受光状態となったら、一対の装飾部材501を閉方向に移動させる方向に、モータ510を所定の第4追加ステップ数、回転駆動させる。
このように、ランプ制御部320は、一対の装飾部材501に往復動させるべき旨の指示を受けたときに一対の装飾部材501が第2の駆動領域に存在する場合には、一対の装飾部材501を閉方向へ移動させるためのモータ510への駆動指示および開方向へ移動させるためのモータ510への駆動指示を予め定められた回数繰り返す。
以下、フローチャートを用いて、ランプ制御部320が行う一対の装飾部材501の往復動処理について説明する。
図33は、ランプ制御部320が行う往復動処理の手順を示すフローチャートである。
ランプ制御部320は、先ず、現在の一対の装飾部材501の位置が第1の駆動領域であるか否か、言い換えればフォトセンサ520の検出信号が遮光状態であるか否かを判別する(ステップ3301)。そして、一対の装飾部材501の位置が第1の駆動領域である場合(ステップ3301でYES)、一対の装飾部材501を開方向に移動させるべくモータ510に対してパルス信号を出力する(ステップ3302)。その後、フォトセンサ520の検出信号が受光状態であるか否かを判別する(ステップ3303)。そして、フォトセンサ520の検出信号が受光状態である場合には(ステップ3303でYES)、一対の装飾部材501を開方向に移動させる方向に、モータ510を所定の第3追加ステップ数、回転駆動させる(ステップ3304)。
その後、ランプ制御部320は、一対の装飾部材501を閉方向に移動させるべくモータ510に対してパルス信号を出力する(ステップ3305)。その後、フォトセンサ520の検出信号が遮光状態であるか否かを判別する(ステップ3306)。そして、フォトセンサ520の検出信号が遮光状態である場合には(ステップ3306でYES)、一対の装飾部材501を閉方向に移動させる方向に、モータ510を所定の第4追加ステップ数、回転駆動させる(ステップ3307)。その後、往復動を予め定めた回数行ったか否かを判別する(ステップ3308)。そして、予め定めた回数行った場合(ステップ3308でYES)、本処理の実行を終了する。一方、予め定めた回数行っていない場合(ステップ3308でNO)、ステップ3302以降の処理を再度行う。
一方、ランプ制御部320は、一対の装飾部材501の位置が第1の駆動領域ではない場合(ステップ3301でNO)、一対の装飾部材501を閉方向に移動させるべくモータ510に対してパルス信号を出力する(ステップ3309)。その後、フォトセンサ520の検出信号が遮光状態であるか否かを判別する(ステップ3310)。そして、フォトセンサ520の検出信号が遮光状態である場合には(ステップ3310でYES)、一対の装飾部材501を閉方向に移動させる方向に、モータ510を所定の第4追加ステップ数、回転駆動させる(ステップ3311)。
その後、ランプ制御部320は、一対の装飾部材501を開方向に移動させるべくモータ510に対してパルス信号を出力する(ステップ3312)。その後、フォトセンサ520の検出信号が受光状態であるか否かを判別する(ステップ3313)。そして、フォトセンサ520の検出信号が受光状態である場合には(ステップ3313でYES)、一対の装飾部材501を開方向に移動させる方向に、モータ510を所定の第3追加ステップ数、回転駆動させる(ステップ3314)。その後、往復動を予め定めた回数行ったか否かを判別する(ステップ3315)。そして、予め定めた回数行った場合(ステップ3315でYES)、本処理の実行を終了する。一方、予め定めた回数行っていない場合(ステップ3315でNO)、ステップ3309以降の処理を再度行う。
このように、ランプ制御部320がかかる往復動処理を実行することで、往復動処理開始時点に一対の装飾部材501が第1の駆動領域に位置している場合には(ステップ3301でYES)、モータ510に、一対の装飾部材501を開方向に移動させる駆動指示が与えられ(ステップ3302)、フォトセンサ520の検出信号が受光状態となった後に(ステップ3303でYES)、さらに一対の装飾部材501を進行方向(開方向)に移動させる方向にモータ510を所定の第3追加ステップ数分回転駆動させる(ステップ3304)。その後、一対の装飾部材501を閉方向に移動させる駆動指示が与えられ(ステップ3305)、フォトセンサ520の検出信号が遮光状態となった後に(ステップ3306でYES)、さらに一対の装飾部材501を進行方向(閉方向)に移動させる方向にモータ510を所定の第4追加ステップ数分回転駆動させる(ステップ3307)。そして、これらの処理が繰り返されて往復動が予め定めた回数行われる。
また、往復動処理開始時点では一対の装飾部材501が第2の駆動領域に位置していた場合には(ステップ3301でNO)、モータ510に、一対の装飾部材501を閉方向に移動させる駆動指示が与えられ(ステップ3309)、フォトセンサ520の検出信号が遮光状態となった後に(ステップ3310でYES)、さらに一対の装飾部材501を進行方向(閉方向)に移動させる方向にモータ510を所定の第4追加ステップ数分回転駆動させる(ステップ3311)。その後、一対の装飾部材501を開方向に移動させる駆動指示が与えられ(ステップ3312)、フォトセンサ520の検出信号が受光状態となった後に(ステップ3313でYES)、さらに一対の装飾部材501を進行方向(開方向)に移動させる方向にモータ510を所定の第3追加ステップ数分回転駆動させる(ステップ3314)。そして、これらの処理が繰り返されて往復動が予め定めた回数行われる。
それゆえ、一対の装飾部材501が往復動処理開始時点でいずれの駆動領域に位置していたとしても、より精度高く一対の装飾部材501に往復動を行わせることができる。
例えば、ランプ制御部320が、一対の装飾部材501を第1の駆動領域から第2の駆動領域に移動させるべくフォトセンサ520の検出信号が受光状態となるまで一対の装飾部材501を開方向に移動させる駆動指示をモータ510に与え、その後フォトセンサ520の検出信号が遮光状態となるまで一対の装飾部材501を閉方向に移動させる駆動指示をモータ510に与え、その後フォトセンサ520の検出信号が受光状態となるまで一対の装飾部材501を開方向に移動させる駆動指示をモータ510に与えることを繰り返すことで一対の装飾部材501を往復動させる構成と比較する。一対の装飾部材501の重心位置、大きさによっては、一対の装飾部材501が振動しながら移動する。そのため、フォトセンサ520の検出信号が遮光状態から受光状態となってすぐに開方向に移動させるための駆動指示を止めると、モータ510の駆動が停止した後に一対の装飾部材501が重力あるいは慣性力に従って動き、フォトセンサ520の検出信号が遮光状態となる位置で停止するおそれがある。かかる場合、すでにフォトセンサ520の検出信号が遮光状態であることから、一対の装飾部材501を開方向に移動させる駆動指示をモータ510に与えた後に一対の装飾部材501を閉方向に移動させる駆動指示をモータ510に与えることなしに、一対の装飾部材501を開方向に移動させる駆動指示をモータ510に与えることになる。その結果、一対の装飾部材501が所定の往復動を行わなくなってしまう。
これに対して、本実施の形態に係るランプ制御部320においては、フォトセンサ520の検出信号が遮光状態から受光状態となったら、さらに一対の装飾部材501を進行方向(開方向)に移動させる方向にモータ510を所定の第3追加ステップ数分回転駆動させる。それゆえ、一対の装飾部材501が振動しながら移動してモータ510の駆動が停止した後に重力あるいは慣性力に従って動いたとしても、フォトセンサ520の検出信号が受光状態となる位置で一対の装飾部材501が停止し易くなる。所定の第3追加ステップ数を、モータ510の駆動が停止した後に重力あるいは慣性力に従って動いたとしてもフォトセンサ520の検出信号が受光状態となる位置で一対の装飾部材501が確実に停止する数に設定することで、一対の装飾部材501が、フォトセンサ520の検出信号が受光状態となる位置でより確度高く停止し易くなる。
また、本実施の形態に係るランプ制御部320においては、フォトセンサ520の検出信号が受光状態から遮光状態となったら、さらに一対の装飾部材501を進行方向(閉方向)に移動させる方向にモータ510を所定の第4追加ステップ数分回転駆動させる。それゆえ、一対の装飾部材501が振動しながら移動してモータ510の駆動が停止した後に重力あるいは慣性力に従って動いたとしても、フォトセンサ520の検出信号が遮光状態となる位置で一対の装飾部材501が停止し易くなる。所定の第4追加ステップ数を、モータ510の駆動が停止した後に重力あるいは慣性力に従って動いたとしてもフォトセンサ520の検出信号が遮光状態となる位置で一対の装飾部材501が確実に停止する数に設定することで、一対の装飾部材501が、フォトセンサ520の検出信号が遮光状態となる位置でより確度高く停止し易くなる。
したがって、本実施の形態に係るランプ制御部320によれば、一対の装飾部材501が往復動処理開始時点でいずれの駆動領域に位置していたとしても、より精度高く一対の装飾部材501に往復動を行わせることができる。
このように本実施の形態に係る可動役物115が精度高く所定の位置(第1の駆動領域と第2の駆動領域の境界近辺)で往復動することから、可動役物115の往復動と連動させて、往復動する所定の位置の周囲の画像表示部114に、例えば青色、黄色、赤色あるいは虹色などでフラッシュ演出を施すことで演出効果を高めることができる。
なお、上述したランプ制御部320が行う往復動処理の代わりに以下のようにしてもよい。すなわち、往復動処理開始時点に一対の装飾部材501が第1の駆動領域に位置している場合には、モータ510に、一対の装飾部材501を開方向に移動させる駆動指示を与え、フォトセンサ520の検出信号が受光状態となった後に、さらに一対の装飾部材501を進行方向(開方向)に移動させる方向にモータ510を所定の第3追加ステップ数分回転駆動させる。その後は、一対の装飾部材501を閉方向に移動させる方向にモータ510を所定の往復用ステップ数分回転駆動させ、その後、一対の装飾部材501を開方向に移動させる方向にモータ510を所定の往復用ステップ数分回転駆動させる。このように、その後は、一対の装飾部材501を閉方向に移動させる方向の所定の往復用ステップ数分の回転駆動と開方向に移動させる方向の所定の往復用ステップ数分の回転駆動とを繰り返すことで、往復動を予め定めた回数繰り返してもよい。所定の往復用ステップ数は、第1の駆動領域と第2の駆動領域の境界を中心に往復動を行うように定めるステップ数であり、例えば、10ステップ〜40ステップであることを例示することができる。