本発明の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。以下の説明では、図1の手前側、奥側、上側、下側、左側、および右側を、それぞれ、パチンコ機1の前側(正面側)、後側(背面側)、上側、下側、左側、および右側とする。
図1及び図2を参照し、パチンコ機1の概略構成を説明する。パチンコ機1には、遊技盤2が設けられている。遊技盤2は、正面視で略正方形の板状であり、透明なガラス板を保持した前面枠13によって前面を保護されている。遊技盤2の下部には上皿5が設けられている。上皿5は、遊技球発射装置(図示略)に遊技球(図示外)を供給し、且つ賞球を受ける。上皿5の上部中央には、遊技者によって操作される操作ボタン9が設けられている。上皿5の直下には、賞球を受ける下皿6が設けられている。下皿6の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。前面枠13の上部の左右の角には、スピーカ48がそれぞれ設けられている。
遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。遊技球発射装置(図示略)によって発射された遊技球は、遊技領域4内を流下する。遊技領域4の略中央に、枠状の装飾枠11が配設されている。装飾枠11の中央下側に、特別図柄始動入賞口15が設けられている。特別図柄始動入賞口15の下側に、遊技領域4の中央下端部まで流下した遊技球を回収するアウト口16が設けられる。特別図柄始動入賞口15の右方には、アタッカー17が配設されている。アタッカー17が備える開閉部材が開放された場合にのみ、遊技球はアタッカー17に入賞する。
遊技盤2の後面側には、表示面27を有する画像表示装置28が設けられている。表示面27は、正面視で装飾枠11の内側に設けられており、例えばLCD等によって構成される。表示面27は、例えば、大当たり判定の結果を遊技者に報知する演出用の図柄である演出図柄を表示する。パチンコ機1は、複数(本実施形態では3つ)の演出図柄を変動させる図柄変動を表示した後に、大当たり判定の結果を示す演出図柄の組合せを確定表示する報知演出を実行することで、大当たり判定の結果を遊技者に報知する。遊技領域4の右斜め下部には図柄表示部24が設けられている。図柄表示部24は、特別図柄表示部、普通図柄表示部、特別図柄記憶数表示LED、および普通図柄記憶数表示LEDを備える。
装飾枠11の後側、且つ表示面27の前側には、演出装置800(図3参照)が設けられる。演出装置800は、下装飾体180、左下装飾体150、右下装飾体250、上装飾体480、左上装飾体450、及び右上装飾体550を夫々動作させる機構である。演出装置800の構成の詳細は、後述する。
遊技盤2の後面側には、制御部90が設けられる。制御部90は、主基板(図示外)及びサブ基板(図示外)等を含む。主基板はパチンコ機1の主制御を司る。主基板には、各種の演算処理を実行するCPU、データを一時的に記憶するRAM、および制御プログラム等を記憶したROMが設けられている。サブ基板は、主基板と電気的に接続されている。サブ基板は、主基板と同様に、CPU、RAM、およびROMが設けられている。サブ基板は、演出装置800と電気的に接続する。サブ基板は、主基板から送信されるコマンドに従って、演出装置800等を動作させ、演出に関する総合的な制御を実行する。本実施形態では、遊技球が、特別図柄始動入賞口15に入賞すると、制御部90は大当り判定を実行する。制御部90は、大当たりであると判定すると、大当たり遊技を実行し、アタッカー17の開閉部材を開放する。制御部90は、アタッカー17に入賞した遊技球に応じて、賞球を払い出す。
図3〜図11を参照し、演出装置800の構成を説明する。演出装置800は、下演出装置100及び上演出装置400を備える。下演出装置100は、下装飾体180、左下装飾体150、及び右下装飾体250を動作させる装置である。上演出装置400は、上装飾体480、左上装飾体450、及び右上装飾体550を動作させる装置である。以下の説明では、下装飾体180、左下装飾体150、右下装飾体250、上装飾体480、左上装飾体450、及び右上装飾体550を総称する場合、「装飾体」と称する。
図3〜図8を参照し、下演出装置100の構成を説明する。下演出装置100は、正面視で略矩形状の固定板102を備える。固定板102は、装飾枠11(図2参照)の下部の後方に固定される。固定板102の前面の左上部には、駆動源の一例であるモータ103が設けられる。本実施形態のモータ103は、一例としてパルスモータである。モータ103の出力軸は固定板102を貫通しており、モータ103のモータギヤ103A(図4参照)は、固定板102の後側に配置される。
図4に示すように、モータギヤ103Aの右方には、八つのギヤ部材が並んで設けられる。八つのギヤ部材は、左方から順に、ギヤ104、連結ギヤ105、第一回転部材117、四つの連結ギヤ106、及び第二回転部材118である。これら八つのギヤ部材では、隣接し合う二つのギヤ部材が、互いに噛み合う。また、ギヤ104はモータギヤ103Aとも噛み合う。従って、モータ103の動力は、第一回転部材117と第二回転部材118とに伝達される。本実施形態では、第一回転部材117は、モータ103の動力が第二回転部材118に伝達される動力伝達経路上にある。従って、モータ103の動力は、第二回転部材118よりも第一回転部材117に効率良く伝達される。尚、連結ギヤ105と、四つの連結ギヤ106は、互いに同一形状(即ち同一歯数)である。さらに、四つの連結ギヤ106は、同じ高さに配置されている。
図4及び図5に示すように、第一回転部材117は、前後方向に延びる第一回転軸線57を中心に回転可能な部材である。第一回転部材117は、柱状部117A、アーム部117B(図5参照)、及びブッシュ117C(図5参照)を備える。柱状部117Aは、固定板102を貫通して前後方向に延びる。柱状部117Aの外周面の後部に形成された歯部が、連結ギヤ105と、最も左方にある連結ギヤ106とに噛み合う。アーム部117Bは、柱状部117Aの外周面の前部から、第一回転軸線57と直交して延びる。ブッシュ117Cは、アーム部117Bの先端部に設けられる。
第二回転部材118は、前後方向に延びる第二回転軸線58を中心に回転可能な部材である。第二回転部材118は、第一回転部材117と同一形状であると共に、第一回転部材117と同じ高さに設けられる。第二回転部材118は、柱状部118A、アーム部118B(図5参照)、及びブッシュ118C(図5参照)を備える。柱状部118Aは柱状部117Aに対応する。同様に、アーム部118Bはアーム部117Bに、ブッシュ118Cはブッシュ117Cに、夫々対応する。
固定板102の前方には、正面視で略矩形状の上下動板121が設けられる。上下動板121は、上下方向に延びるスライドレール119を介して固定板102に連結する。スライドレール119は、固定板102と上下動板121の夫々の左右方向中央部に連結する。スライドレール119の固定レールは、固定板102の前面に設けられ、スライドレール119の可動レールは、上下動板121の後面に設けられる。可動レールは、複数の転動体(図示略)を介して、固定レールに上下動可能に連結する。これにより、上下動板121は、固定板102によって上下動可能に支持される。尚、第一回転部材117と第二回転部材118は、スライドレール119を基準に左右対称である。
上下動板121の前面の上部には、下装飾体180が設けられる。下装飾体180は、人の顔の下半分を模った装飾部182を備える。装飾部182は、前方に向けて湾曲する板状であり、上下動板121の前面に隙間を空けて対向する。装飾部182は透光性を有する樹脂材料によって形成される。装飾部182と上下動板121との間には、前面にLED(図示略)が取り付けられた下基板(図示略)が設けられる。下基板は、制御部90(図示外)のサブ基板と電気的に接続する。下基板のLEDが放つ光は、装飾部182を通過して前方へ向かう。これにより、下装飾体180は発光する。
装飾部182の左下部には左切欠孔183(図6参照)が設けられ、装飾部182の右下部には右切欠孔(図示外)が設けられる。左切欠孔183と右切欠孔は、いずれも、装飾部182の後端を前方に向けて切り欠くと共に、装飾部182を厚さ方向に貫通する。
上下動板121の左下部には第一長穴127が形成され、上下動板121の右下部には第二長穴128が形成される。第一長穴127と第二長穴128は、いずれも、左右方向に長く、上下動板121を前後方向に貫通する。また、第一長穴127と第二長穴128は、下装飾体180の下側で、スライドレール119を基準に左右対称である。
第一長穴127には、ブッシュ117Cが摺動可能に嵌り、第二長穴128には、ブッシュ118Cが摺動可能に嵌る。換言すると、第一回転部材117は第一長穴127に摺動可能に連結し、第二回転部材118は第二長穴128に摺動可能に連結する。従って、モータ103の駆動に伴って第一回転部材117と第二回転部材118が夫々回転すると、ブッシュ117C,118Cが夫々第一長穴127と第二長穴128とに対して摺動する。ブッシュ117Cは第一長穴127の壁部を上方に付勢し、ブッシュ118Cは第二長穴128の壁部を上方に付勢する。故に、上下動板121は上下動できる。この場合、スライドレール119が、上下動板121の上下動を案内する。
図6に示すように、上下動板121の上部には、上下動板121を前後方向に貫通する傾斜孔125,126が形成されている。傾斜孔125は第一長穴127の上方に位置し、傾斜孔126は第二長穴128の上方に位置する。傾斜孔125,126は、スライドレール119を基準に、互いに左右対称である。傾斜孔125,126は、下方に向かうにつれて互いに離隔するように、直線状に延びる。
また、傾斜孔125,126のそれぞれの上部は、下装飾体180の装飾部182の後方に配置される。傾斜孔125の延設方向の中央部は、下装飾体180の左切欠孔183の後方に位置し、傾斜孔126の延設方向の中央部は、下装飾体180の右切欠孔(図示略)の後方に位置する。傾斜孔125には左下ラック146が摺動可能に嵌り,傾斜孔126には右下ラック147が摺動可能に嵌る。左下ラック146と右下ラック147は、上下動板121によって移動可能に支持される。左下ラック146は、下装飾体180の左切欠孔183を通過可能であり、右下ラック147は、下装飾体180の右切欠孔(図示外)を通過可能である。
図4及び図6に示すように、左下ラック146は、歯部146A、連結部146B、及び連結孔146Cを備える。歯部146Aは、傾斜孔125と平行に延びる略板状であり、傾斜孔125の後方にある(図4参照)。尚、図6では図面を見易くする都合、歯部146Aを傾斜孔125の前方に配置している。連結部146Bは傾斜孔125に摺動可能に嵌る。連結部146Bは、螺子(図示略)によって、歯部146Aに固定される。傾斜孔125の短手方向において、歯部146Aと連結部146Bは、いずれも、傾斜孔125よりも長い。よって、左下ラック146は、傾斜孔125によって、前後方向に変位するのを規制される。連結孔146Cは、連結部146Bの左下部を前後方向に貫通する。連結孔146Cは、傾斜孔125の短手方向に長い長孔である。換言すると、連結孔146Cは左下ラック146の移動方向と直交する方向に長い。
図4及び図5に示すように、右下ラック147は、左下ラック146に対して左右対称である。右下ラック147は、歯部147A、連結部147B、及び連結孔147Cを備える。歯部147Aは左下ラック146の歯部146Aに、連結部147Bは連結部146Bに、連結孔147Cは連結孔146Cに、夫々対応する。連結部147Bは傾斜孔126に摺動可能に嵌る。右下ラック147は、傾斜孔126によって、前後方向に変位するのを規制される。
図4及び図7に示すように、上下動板121の前面の左上部には、駆動源の一例として駆動モータ131が設けられる。駆動モータ131は、左下装飾体150と右下装飾体250との夫々に動力を付与するパルスモータである。駆動モータ131は、第一長穴127と第二長穴128のうち第一長穴127に近い位置で、上下動板121によって支持される。また、駆動モータ131は、第一長穴127と上下方向に並ぶ。駆動モータ131の出力軸は、上下動板121を前後方向に貫通しており、駆動モータ131のモータギヤ131Aは、上下動板121の後側に位置する。
上下動板121の後面には、動力伝達機構140が設けられる。動力伝達機構140は、駆動モータ131の動力を、左下装飾体150と右下装飾体250とに伝達する機構である。動力伝達機構140は、モータギヤ131Aの右方で、五つのギヤ部材を備える。五つのギヤ部材は、左方から順に、駆動ギヤ141、噛合ギヤ142、連結ギヤ143、及びギヤ144,145である。これら五つのギヤ部材では、隣接し合う二つのギヤ部材が互いに噛み合う。駆動ギヤ141は、連結ギヤ143、ギヤ144,145の夫々よりも後側にある。連結ギヤ143、ギヤ144,145は、左下ラック146の歯部146Aと略同じ前後方向位置にある。連結ギヤ143は、左下ラック146の可動範囲から退出した位置にある。噛合ギヤ142は、上記五つのギヤ部材のうちで最も前後方向に厚い。
駆動ギヤ141は、左下ラック146の歯部146Aの後方で、モータギヤ131Aと噛み合う。噛合ギヤ142は、一段ギヤであり、左下ラック146の可動範囲から退出した位置にある。噛合ギヤ142は、前後方向に延びる回転軸線59を基準とした周方向に沿って延びる歯部142Aを有する。噛合ギヤ142の歯部142Aの後部は、駆動ギヤ141と噛み合い、歯部142Aの前部は、連結ギヤ143及び左下ラック146の歯部146Aと噛み合う。さらに、ギヤ145は、右下ラック147の歯部147Aと噛み合う。よって、駆動モータ131が駆動すると、駆動モータ131の動力は、左下ラック146と右下ラック147の夫々に伝達される。
図6及び図7を参照し、左下移動機構170を説明する。左下移動機構170は、左下ラック146移動力によって、左下装飾体150を動作させる機構である。左下移動機構170は、固定部材132、可動部材135、左下装飾体150、及び変換機構160を備える。固定部材132は、駆動モータ131を前方から覆うように上下動板121の左上部に固定された箱状である。可動部材135は、固定部材132の前面に摺動可能に設けられた、略矩形状の板状である。可動部材135は、固定部材132の右方を通過して前後方向に延びる棒状部136(図6参照)を備える。棒状部136の後端部は、上述した左下ラック146の連結孔146Cに摺動可能に嵌る。故に、可動部材135は、左下ラック146に従動して移動可能である。
可動部材135の後面には、左右方向に間隔を空けて並ぶ二本のリブ137(図6参照)が設けられる。二本のリブ137は、可動部材135の後面から後方に突出すると共に、互いに平行に直線状に延びる。また、二本のリブ137の後端である突出端は、夫々、円弧状に形成されており、且つ、固定部材132の前面に接触する。
左下装飾体150は、可動部材135の前面に固定される。即ち、左下装飾体150は、駆動モータ131の前方に位置すると共に、可動部材235を介して左下ラック146に摺動可能に連結する。本実施形態では、左下装飾体150は「ゲイ」の文字を模った装飾体である。左下装飾体150は、上下動板121の第一長穴127の少なくとも左部と上下方向に並ぶ。
左下装飾体150は、左下基板151、左下枠体152、及び左下装飾部153を含む。左下基板151は、正面視で略逆U字状である。左下基板151の前面には、発光体の一例であるLEDが複数設けられる。左下基板151は、制御部90のサブ基板と電気的に接続する。左下枠体152は、一例として、非透光性の樹脂部材によって形成されており、前後方向に開口する。左下装飾部153は、透光性の樹脂材料によって形成された、後方に向けて開口する箱状である。左下装飾部153は、左下枠体152に嵌め込まれ、且つ、左下基板151を前方から覆う。左下基板151のLEDが前方に向けて放つ光は、左下装飾部153を通過する。これにより、左下装飾体150は発光する。
図7で示される変換機構160は、左下装飾体150を固定部材132に移動可能に連結させる機構であり、且つ、左下ラック146の移動力を左下装飾体150の移動力に変換する機構である。以下、演出装置800が後述の初期状態(図3、図6〜図8等参照)である場合を基準に、変換機構160の構成を説明する。
変換機構160は、摺動部161、接離部163、及び連結長孔168を備える。摺動部161と接離部163は、固定部材132から前方に向けて突出する略柱状である。摺動部161と接離部163は、間隔を空けて並ぶ。摺動部161と接離部163が並ぶ方向は、上下動板121の傾斜孔125(図6参照)と平行である。
連結長孔168は、可動部材135を前後方向に貫通する孔であると共に、摺動部161と接離部163が夫々摺動可能に嵌る孔である。連結長孔168の後端部169は、二本のリブ137(図6参照)と同様、固定部材132の前面に接触する。連結長孔168(即ち可動部材135)は、摺動部161と接離部163によって、下側から支持される。従って、変換機構160は、可動部材135と左下装飾体150を移動可能に支持する支持機構としても機能する。また、連結長孔168は、摺動部161の前端部と接離部163の前端部によって、前方への移動を規制される。
連結長孔168は、第一壁部168A、第二壁部168B、連結壁部168C、第三壁部168D、及び第四壁部168Eを含む。第一壁部168Aと第二壁部168Bは、摺動部161と接離部163を間にして直線状に延びる。第一壁部168Aと第二壁部168Bは、摺動部161と接離部163が並ぶ方向(即ち傾斜孔125が延びる方向)と平行に延びる。連結壁部168Cは、第一壁部168Aと第二壁部168Bの夫々の下端部を連結する。連結壁部168Cは左下方に向けて湾曲する。図7の状態では、連結壁部168Cは摺動部161に接触する。第三壁部168Dは、第一壁部168Aの上端から、摺動部161を中心に正面視で反時計回り側へ湾曲して延びる。第四壁部168Eは、第二壁部168Bの上端から、摺動部161を中心に正面視で反時計回り側へ湾曲して延びる。
図6、図8、及び図13を参照し、右下移動機構270を説明する。右下移動機構270は、右下ラック147の移動力によって、右下装飾体250を動作させる機構である。右下移動機構270は、左下移動機構170と略左右対称な機構であるので、以下、左下移動機構170と同様の構成については説明を簡略化する。
右下移動機構270は、固定部材232、可動部材235、右下装飾体250、及び変換機構260を備える。固定部材232は、左下移動機構170の固定部材132に対応する。同様に、可動部材235は可動部材135に、右下装飾体250は左下装飾体150に、変換機構260は変換機構160に、夫々対応する。
固定部材232は、上下動板121の前面の右上部に固定された箱状である。可動部材235は、固定部材232の前面に摺動可能に設けられる。可動部材235の後面には、可動部材135の二本のリブ137(図6参照)と左右対称な、二本のリブ(図示略)が設けられる。可動部材235の棒状部236の後端部は、固定部材232の左方で、右下ラック147の連結孔147Cに摺動可能に嵌る。
右下装飾体250は、可動部材235の前面に固定される。右下装飾体250は、第二長穴128と上下方向に並ぶ。本実施形態では、右下装飾体250は「シャ」の文字を模った装飾体である。右下装飾体250は、右下基板、右下枠体、及び右下装飾部を含む。右下基板は左下基板151に、右下枠体は左下枠体152に、右下装飾部は左下装飾部153に、夫々対応する。本実施形態では、左下装飾体150と右下装飾体250は、一体的な意匠を形成する。換言すると、左下装飾体150と右下装飾体250は、「ゲイシャ」という特定の概念を遊技者に想起させる。
変換機構260は、右下装飾体250を固定部材232に移動可能に連結させる機構であり、且つ、右下ラック147の移動力を右下装飾体250の移動力に変換する機構である。変換機構260は変換機構160と左右対称である。変換機構260は、摺動部261、接離部263、及び連結長孔268を備える。摺動部261は摺動部161に、接離部263は接離部163に、連結長孔268は連結長孔168に、夫々対応する。
図13に示すように、連結長孔268は、第一壁部268A、第二壁部268B、連結壁部268C、第三壁部268D、及び第四壁部268Eを含む。第一壁部268Aは第一壁部168Aに、第二壁部268Bは第二壁部168Bに、連結壁部268Cは連結壁部168Cに、第三壁部268Dは第三壁部168Dに、第四壁部268Eは第四壁部168Eに、夫々対応する。
図3、図4、及び図9〜図12を参照し、上演出装置400の構成を説明する。図3及び図4に示すように、上演出装置400は、正面視で略矩形状の固定板401を備える。固定板401の右上部には、駆動源の一例としてモータ403が設けられる。本実施形態のモータ403は、パルスモータである。モータ403の出力軸は前後方向に沿う。モータ403の出力軸には、モータギヤ403Aが固定される。
モータギヤ403Aの下方には、上方から下方に向けて順に、ギヤ404、405、及び回転ギヤ406が設けられる。ギヤ404は、モータギヤ403Aとギヤ405とに噛み合う。ギヤ405と回転ギヤ406は、互いに噛み合う。回転ギヤ406の回転軸線407は、前後方向に延びる。回転ギヤ406は、駆動するモータ403の動力を得ることで、回転軸線407を中心に回転する。回転ギヤ406は、アーム406Aと回転体406Bを備える。アーム406Aは、回転軸線407と直交して延びる。回転体406Bは、回転軸線407とは反対側のアーム406Aの端部に設けられる。回転体406Bは、一例としてブッシュである。
回転ギヤ406の回転に伴って、回転体406Bは、初期回転位置(図3参照)と稼働回転位置(図12参照)との間を、回転する。初期回転位置は、回転体406Bの回転範囲のうち正面視で時計回り側の端にある。図3の拡大領域V1内において、最も右方にある回転体406B(二点鎖線によって図示)が、初期回転位置にある。稼働回転位置は、回転体406Bの回転範囲のうち正面視で反時計回り側の端にある。図12の拡大領域V2内において、最も右方にある回転体406B(二点鎖線によって図示)が、稼働回転位置にある。稼働回転位置は、初期回転位置よりも低い回転位置である。初期回転位置から稼働回転位置までの角度は、略200度である。
以下、回転体406Bの回転範囲の上端を「上回転位置」(図3参照)と称す。上回転位置は、初期回転位置よりも僅かに正面視で反時計回り側にある。また、上回転位置よりも正面視で反時計回り側にあり、且つ初期回転位置と同じ高さの回転位置を、「特定回転位置」(図3参照)と称す。図3の拡大領域V1内において、中央にある回転体406B(実線によって図示)が、上回転位置にあり、最も左方にある回転体406B(二点鎖線によって図示)が、特定回転位置にある。さらに、回転体406Bの回転範囲の下端を「下回転位置」(図12参照)と称す。下回転位置は、稼働回転位置よりも僅かに正面視で時計回り側にある。図12の拡大領域V2内において、左方にある回転体406B(実線によって図示)が、下回転位置にある。
図12に示すように、固定板401の前面には、左右方向に長い略箱状の上下動部421が、スライドレール419を介して連結している。スライドレール419は、下演出装置100のスライドレール119と上下方向に並ぶ。スライドレール419は、下演出装置100のスライドレール119と同様の構成であり、上下動部421の上下動を案内する。スライドレール419の固定レール419Aは、固定板401の前面の左右方向中央部に固定され、スライドレール419の可動レール419Bは、上下動部421の後面の左右方向中央部に固定される。
図3に示すように、上下動部421の右下部には、左右方向に長い右長穴428が形成されている。右長穴428は、上下動部421を前後方向に貫通する。右長穴428には、回転ギヤ406の回転体406Bが摺動可能に嵌っている。右長穴428は、左右方向に直線状に延びる一対の壁部428Aと、一対の壁部428Aの夫々の右端部を接続する壁部である規制部428Bとを備える。一対の壁部428Aは、上下方向の両側から回転体406Bを挟んで対向する。回転ギヤ406の回転に伴って、回転体406Bが一対の壁部428Aに対して摺動することで、上下動部421は上下動する。また、初期回転位置又は稼働回転位置にある回転体406Bは、規制部428Bに対して接触する(図3、図12参照)。
図9に示すように、上下動部421の前壁421Aには、上装飾体480が設けられる。上装飾体480は下装飾体180(図3参照)と上下方向に並ぶ。上装飾体480は、人の顔の上半分を模った装飾部482を備える。装飾部482の下縁部482A(図3参照)は、下装飾体180の装飾部182の上縁部182A(図3参照)よりも後側となる前後方向位置にある。装飾部482は、前方に向けて湾曲する板状であり、前壁421Aに隙間を空けて対向する。装飾部482は、透光性を有する樹脂材料によって形成される。装飾部482と前壁421Aの間には、前面にLED(図示略)が取り付けたられた上基板(図示略)が設けられる。上基板は、制御部90(図示外)のサブ基板と電気的に接続する。上基板のLEDが放つ光は、装飾部482を通過して前方へ向かう。これにより、上装飾体480は発光する。
上下動部421の前壁421Aには、傾斜孔425,426が形成されている。傾斜孔425,426は、スライドレール419の可動レール419B(図3参照)を基準に左右対称であると共に、上方向に向かうにつれて互いに離隔するように直線状に延びる。傾斜孔425は、下演出装置100の傾斜孔125(図4参照)に対して上下略対称であり、傾斜孔426は、下演出装置100の傾斜孔126(図4参照)に対して上下略対称である。傾斜孔425,426の夫々の下部は、上装飾体480の装飾部482の後方に配置される。
図4に示すように、上下動部421には、駆動機構440が設けられる。駆動機構440は、左上装飾体450と右上装飾体550とをそれぞれ動作させる機構である。駆動機構440は、駆動モータ441(図3参照)、ギヤ群442、左上ラック443、及び右上ラック444を含む。駆動モータ441は、上下動部421の前壁421Aの前面に固定されたパルスモータである。駆動モータ441は、右長穴428の一対の壁部428Aと、上下方向に並ぶ。駆動モータ441の出力軸は、前壁421Aを貫通しており、駆動モータ441のモータギヤ441Aは、上下動部421の内部に位置する。
ギヤ群442は、モータギヤ441Aと噛み合うギヤ部材を含む、複数の動力伝達部材によって構成される。左上ラック443は傾斜孔425(図9参照)に摺動可能に嵌り、右上ラック444は傾斜孔426(図9参照)に摺動可能に嵌る。左上ラック443は、下演出装置100の左下ラック146と略上下対称であり、右上ラック444は、右下ラック147と略上下対称である。左上ラック443と右上ラック444の詳細な説明は省略する。左上ラック443の歯部443Aと、右上ラック444の歯部444Aは、夫々、ギヤ群442に連結する。従って、左上ラック443と右上ラック444は、夫々、駆動モータ441の動力を、ギヤ群442を介して得ることにより、傾斜孔425,426に沿って移動できる。
図9及び図12に示すように、上下動部421には、左上移動機構470が設けられる。左上移動機構470は、駆動機構440(図4参照)の動力によって、左上装飾体450を動作させる機構である。左上移動機構470は、左下移動機構170(図7参照)と略上下対称な機構であるので、以下、左下移動機構170と同様の構成については説明を簡略化する。
左上移動機構470は、固定部材432(図9参照)、可動部材435、左上装飾体450、及び変換機構460を備える。固定部材432は、左下移動機構170の固定部材132に対応する。同様に、可動部材435は可動部材135に、左上装飾体450は左下装飾体150に、変換機構460は変換機構160に、夫々対応する。
固定部材432は、前壁421Aの前面の左上部を覆って、上下動部421に固定された箱状である。可動部材435は、固定部材432の前面に摺動可能に設けられる。可動部材435が備える棒状部436の後端部は、固定部材432の右方で、左上ラック443に摺動可能に連結する。従って、可動部材435は、左上ラック443に従動して移動可能である。左上装飾体450は、「ロ」の文字を模った装飾体である。左上装飾体450は、左下基板151(図7参照)に対応する左上基板(図示略)を備える。左上基板は、制御部90のサブ基板と電気的に接続する。
変換機構460(図12参照)は、左上装飾体450を固定部材432に移動可能に連結させる機構であり、且つ、左上ラック443の移動力を左上装飾体450の移動力に変換する機構である。変換機構460は、摺動部461、接離部463、及び連結長孔468を備える。摺動部461は摺動部161に、接離部463は接離部163に、連結長孔468は連結長孔168に、夫々対応する。連結長孔468は、第一壁部468A、第二壁部468B、連結壁部468C、第三壁部468D、及び第四壁部468Eを含む。第一壁部468Aは第一壁部168Aに、第二壁部468Bは第二壁部168Bに、連結壁部468Cは連結壁部168Cに、第三壁部468Dは第三壁部168Dに、第四壁部468Eは第四壁部168Eに、夫々対応する。
上下動部421には、右上移動機構570が設けられる。右上移動機構570は、右下移動機構270と上下対称な機構である。右上移動機構570は、固定部材532、可動部材535、右上装飾体550、及び変換機構560を備える。固定部材532は固定部材232に、可動部材535は可動部材235に、右上装飾体550は右下装飾体250に、変換機構560は変換機構260に、夫々対応する。
右上装飾体550は、「ボ」の文字を模った装飾体である。右上装飾体550は、前面にLED(図示略)が取り付けられた右上基板を備える。変換機構560は、摺動部561、接離部563、及び連結長孔568を備える。摺動部561は摺動部261(図7参照)に、接離部563は接離部263に、連結長孔568は連結長孔268に、夫々対応する。連結長孔568は、第一壁部568A、第二壁部568B、連結壁部568C、第三壁部568D、及び第四壁部568Eを備える。第一壁部568Aは第一壁部268Aに、第二壁部568Bは第二壁部268Bに、連結壁部568Cは連結壁部268Cに、第三壁部568Dは第三壁部268Dに、第四壁部568Eは第四壁部268Eに、夫々対応する。
左上装飾体450と右上装飾体550は、一体的な意匠を形成する。換言すると、左上装飾体450と右上装飾体550は、「ロボ」という特定の概念を遊技者に想起させる。さらに、本実施形態では、左上装飾体450、右上装飾体550、左下装飾体150、右下装飾体250は、一体的な意匠を形成し、「ロボゲイシャ」という特定の概念を遊技者に想起させる。
図10及び図11を参照し、上演出装置400が備える保持機構50を説明する。図10は、図9の領域W1内にある部材を拡大した正面図である。本実施形態の保持機構50は、磁性体の磁力によって上下動部421を所定の位置にて保持する機構である。
保持機構50は、保持部60、第一磁性体81、非磁性体83、第二磁性体82、及び螺子85を備える。保持部60は、固定板401の上端部に設けられた、正面視で略逆U字状である。保持部60の内側空間は、前後方向に開放されている。
保持部60は、平板61、規制部63、一対の側壁65、及び円筒68を備える。平板61は、平面視で略矩形状である。規制部63は、平板61の前端から下方に向けて突出する。一対の側壁65は、平板61の左右両端部から下方に向けて延出する。一対の側壁65の先端部65Aは、夫々、互いに近接する方向へ突出する。一対の先端部65Aは、規制部63よりも下側にある。円筒68は、平板61の上面の後部に設けられると共に、前後方向に延びる。円筒68の後端は、平板61と一体的に形成されており、後方に向けて開口する。
第一磁性体81は、保持部60の内側空間に収容される板状である。第一磁性体81は、一対の先端部65Aによって下方から保持されると共に、規制部63によって前方への移動を規制される。第一磁性体81のうち、一対の先端部65Aの間にある下面は、下方に向けて露出する。第一磁性体81は、スライドレール419(図4参照)と上下方向に並ぶ。
非磁性体83は、上下動部421の上壁部と一体的に形成された、上方に向けて凸状になった板である。非磁性体83は、上下動部421と一体的に上下動することで、下方へ露出する第一磁性体81に接離する。第二磁性体82は、非磁性体83の下面に取り付けられた板状である。
可動範囲の上端にある非磁性体83は、第一磁性体81の下面に接触する。この場合、第一磁性体81と第二磁性体82は、非磁性体83を挟み込んで、互いに引きつけられる。これにより、上下動部421は、第一磁性体81と第二磁性体82との磁力によって、保持される。
螺子85は、円筒68の内側に締結される。螺子85は頭部85Aを備える。頭部85Aは、平板61の後面と第一磁性体81の後面とに対して接触する。故に、螺子85は、第一磁性体81が後方へ移動するのを規制する。本実施形態では、パチンコ機1の組立作業者は、第一磁性体81を後方から保持部60の内側空間に挿入した後に、螺子85を円筒68に締結する。これにより、組立作業者は、第一磁性体81を保持部60に容易に取り付けることができる。
図3に示すように、保持機構50の左方(即ちスライドレール419の左方)には、弾性部材490が設けられる。本実施形態の弾性部材490は、固定板401の左端部と上下動部421の左端部とを連結する引張スプリングである。非磁性体83が第一磁性体81に接触している場合、弾性部材490は弾性変形していない自然状態である。一方、非磁性体83が第一磁性体81から下方に離隔した場合、弾性部材490は弾性変形し、上下動部421を上方に向けて付勢する。
保持機構50の右方、且つ、駆動モータ441の上方には、検知機構580が設けられる。検知機構580は、検知部582と被検知板585を備える。検知部582は、固定板401の上端部の右部に設けられ、モータ403の左方に位置する。本実施形態の検知部582は、前後方向に隙間を空けて並ぶ発光体と受光体とを備えたフォトインタラプタである。検知部582は、制御部90のサブ基板に電気的に接続する。被検知板585は、上下動部421から上方に向けて突出すると共に、正面視で略矩形状である。
非磁性体83が第一磁性体81に接触している場合、被検知板585は、検知部582の発光体と受光体の間の隙間を通過して、被検知板585から上方に突出する(図3参照)。この場合、被検知板585が、検知部582の発光体から受光体に向けて照射される光を遮断し、検知部582は被検知板585を検知する。一方、非磁性体83が第一磁性体81から下方に離隔している場合、被検知板585は、検知部582よりも下方に位置する。この場合、検知部582の受光体は、発光体が照射する光を受光し、検知部582は被検知板585を検知しない。
図3、図12〜図15を参照し、演出装置800の動作方法を説明する。図12〜図14では、左下装飾体150、右下装飾体250、左上装飾体450、及び右上装飾体550の図示を省略する。本実施形態では、一例として、演出装置800は、大当たり遊技に伴って動作する。演出装置800が動作前の初期状態である場合、下装飾体180、左下装飾体150、及び右下装飾体250は、夫々、可動範囲の下端位置にある。さらに、上装飾体480、左上装飾体450、及び右上装飾体550は、夫々、可動範囲の上端位置にあり、回転ギヤ406は初期回転位置にある。尚、図3では、初期状態の演出装置800を図示するが、図面を見易くする都合、上演出装置400の回転体406Bを、初期回転位置ではなく、上回転位置に配置している。
また、演出装置800が初期状態である場合、変換機構160,260,460,560は、いずれも、第一状態(図12,図13参照)にある。変換機構160が第一状態である場合、第一壁部168Aと第二壁部168Bは、いずれも、摺動部161と接離部163との夫々に対して接触し、連結壁部168Cは摺動部161に接触する。また、棒状部136は連結孔146Cの右下部に接触し、左下ラック146の右上部は、下装飾体180の後方に配置される。変換機構260が第一状態である場合、第一壁部268Aと第二壁部268Bは、いずれも、摺動部261と接離部263との夫々に対して接触し、連結壁部268Cは摺動部261に接触する。また、棒状部236は連結孔147Cの左下部に接触し、右下ラック147の左上部は、下装飾体180の後方に配置される。変換機構460,560が第一状態である場合も夫々同様であるので、詳細な説明を省略する。
演出装置800が動作する場合に制御部90(図2参照)が実行する処理の概要を説明する。制御部90は、第一駆動処理、第二駆動処理、発光処理、及び復帰処理を順に実行する。第一駆動処理は、制御部90がモータ103,403を駆動制御する処理である。第二駆動処理は、制御部90が駆動モータ131,441を駆動制御する処理である。発光処理は、制御部90が下基板、左下基板151、右下基板、左上基板、上基板、及び右上基板の夫々のLEDを制御する処理である。復帰処理は、制御部90が、駆動モータ131,441を駆動制御した後に、モータ103,403を駆動制御して、演出装置800を初期状態に戻す処理である。以下、各処理の実行に伴う演出装置800の動作の詳細を説明する。
図3、図12、及び図15(a),(b)を参照し、第一駆動処理を説明する。制御部90が下演出装置100のモータ103を駆動制御することで、第一回転部材117は正面視で反時計回りに回転し、第二回転部材118は正面視で時計回りに回転する。上下動板121は、スライドレール119によって案内されながら上昇する。下装飾体180、左下装飾体150、及び右下装飾体250は、表示面27(図2参照)の下部の前方を通って、一体的に上昇する。
制御部90は、モータ103と同時に上演出装置400のモータ403を駆動制御する。回転体406Bは、回転ギヤ406と共に正面視で反時計回りに回転する。回転体406Bが、初期回転位置から上回転位置を経由して特定回転位置に到達するまでの間、回転体406Bの高さ位置は、僅かに変化する。つまり、回転体406Bは、右長穴428を僅かに上下動させる。ここで、スライドレール419の固定レール419Aと可動レール419Bとの間には、微小な隙間がある。従って、回転体406Bが特定回転位置に到達するまでの間、右長穴428が上下動することで、上下動部421は、可動レール419Bと共に、固定レール419Aを支点に僅かに回動する。
特に、本実施形態では、回転体406Bが上回転位置から特定回転位置に向けて回転する間に、上下動部421の回転角度は大きくなる。上下動部421は、正面視で時計回り(図3の矢印A方向)に回動する。この場合、非磁性体83(図10参照)は、第一磁性体81に対して右方へ摺動する。非磁性体83は第一磁性体81に接触した状態を維持し、上下動部421は、第一磁性体81と第二磁性体82との磁力によって保持された状態を維持する。従って、弾性部材490は、弾性変形することなく自然状態を維持する。また、検知機構580の被検知板585は、上下動部421の回転に伴って下方に変位するが、検知部582の発光体と受光体の隙間に位置した状態を維持する。従って、回転体406Bが特定回転位置に到達するまでの間、検知部582は被検知板585を検知し続ける。
回転体406Bが特定回転位置を通過した場合、非磁性体83は第一磁性体81から下方に離隔し、上下動部421はスライドレール419によって案内されながら下降する。また、被検知板585は検知部582よりも下方に移動し、検知機構580の検知部582は、被検知板585を検知しなくなる。弾性部材490は、自然状態から上下方向に引き伸ばされて弾性変形する。上装飾体480、左上装飾体450、及び右上装飾体550は、表示面27(図2参照)の上部の前方を通って、一体的に下降する。
上下動板121が可動範囲の上端位置に到達すると同時に、回転体406Bは稼働回転位置に到達し、上下動部421は可動範囲の下端近傍に到達する(図12参照)。制御部90は、モータ103,403を駆動停止し、第一駆動処理を終了する。尚、図12で示される回転体406Bは下回転位置に位置するが、実際の回転体406Bは稼働回転位置に位置する(図13,図14も同様)。
制御部90が第一駆動処理を終了したとき、下装飾体180の上縁部182Aは、上装飾体480の下縁部482Aの前方に配置される(図15(b)参照)。下装飾体180と上装飾体480は、表示面27(図2参照)の中心部の前方で、人の顔を模った一体的な意匠を形成する。以下、第一駆動処理終了時における演出装置800の状態を、「第一稼働状態」と称す(図12参照)。演出装置800が第一稼働状態である場合、下装飾体180と上装飾体480は、左下装飾体150、右下装飾体250、左上装飾体450、及び右上装飾体550によって、前方から覆われている。従って、下装飾体180と上装飾体480は、視認困難である。
図4、図5、図9、図13、及び図15(b),(c)を参照し、第二駆動処理を説明する。制御部90は、駆動モータ131,441を同時に駆動する。換言すると、駆動モータ131,441は、互いに連動して駆動する。
駆動モータ131の駆動に伴い、左下ラック146は、下装飾体180の左切欠孔183を通過しながら傾斜孔125に沿って下降し、右下ラック147は、下装飾体180の右切欠孔を通過しながら傾斜孔126に沿って下降する。左下ラック146と右下ラック147は、互いに連動して左右対称に直線移動する。同時に、駆動モータ441の駆動に伴い、左上ラック443は傾斜孔425に沿って上昇し、右上ラック444は傾斜孔426に沿って上昇する。左上ラック443と右上ラック444は、互いに連動して左右対称に直線移動する。また、左下ラック146と左上ラック443の動きは、互いに上下対称であり、右下ラック147と左上ラック443の動きは、互いに上下対称である。
移動する左下ラック146は、第一壁部168Aと第二壁部168Bの延設方向と略平行に、可動部材135の棒状部136を付勢する。変換機構160が第一状態であるので、第一壁部168Aと第二壁部168Bは、摺動部161と接離部163との夫々に接触している。従って、可動部材135と左下装飾体150は、棒状部136を連結孔146Cの右下部に接触させたまま、左下ラック146に従動して下降する。可動部材135と左下装飾体150は、第一壁部168Aと第二壁部168Bの延設方向に沿って下降する。即ち、第一状態の変換機構160は、左下ラック146の移動力を、左下装飾体150を直線移動させる力に変換する。故に、左下装飾体150は、左下ラック146と一体的に左下方に直線移動する。尚、可動部材135が動作する場合、連結長孔168の後端部169と二本のリブ137は、固定部材132の前面に対して摺動し、第一壁部168Aと第二壁部168Bは夫々、摺動部161と接離部163とに対して摺動する。
同様に、第一状態の変換機構260は、右下ラック147の移動力を、右下装飾体250が直線移動する力に変換する。第一状態の変換機構460は、左上ラック443の移動力を、左上装飾体450が直線移動する力に変換し、第一状態の変換機構560は、右上ラック444の移動力を、右上装飾体550が直線移動する力に変換する。故に、右下装飾体250は右下ラック147と一体的に右下方に直線移動し、左上装飾体450は左上ラック443と一体的に左上方に直線移動し、右上装飾体550は右上ラック444と一体的に右上方に直線移動する。
図13に示すように、制御部90は、駆動モータ131,441(図3、図5参照)の夫々に、所定パルス数のパルス信号を入力する結果、接離部163は、第一壁部168Aと第二壁部168Bの夫々の上端部に接触する。同様に、接離部263は、第一壁部268Aと第二壁部268Bの夫々の上端部に、接離部363は、第一壁部468Aと第二壁部468Bの夫々の上端部に、接離部463は、第一壁部568Aと第二壁部568Bの夫々の上端部に接触する。以下、このときの演出装置800の状態を、「第二稼働状態」(図13参照)と称す。
演出装置800が第二稼働状態になった後も、制御部90は駆動モータ131,441の夫々にパルス信号を入力し続ける。結果、接離部163は、第一壁部168Aと第二壁部168Bに代えて、第三壁部168Dと第四壁部168Eとに接触する(図14参照)。同様に、接離部263は、第三壁部268Dと第四壁部268Eとに接触し、接離部363は、第三壁部468Dと第四壁部468Eとに接触し、接離部463は、第三壁部568Dと第四壁部568Eとに接触する(図14参照)。以下、このときの変換機構160,260,460,560の状態を夫々、「第二状態」と称す。
変換機構160が第二状態になった場合、摺動部161は、第一壁部168Aと第二壁部168Bとに接触し続ける一方、接離部163は、第一壁部168Aと第二壁部168Bから離隔して、第三壁部168Dと第四壁部168Eとに接触する。これにより、左下ラック146によって付勢される可動部材135と左下装飾体150は、摺動部161を中心に、正面視で時計回りに回転する。また、棒状部136は、連結孔146Cに対して、左上方へ摺動する。接離部163が、第三壁部168Dと第四壁部168Eとに対して摺動することで、左下装飾体150は回転を案内される。換言すると、第二状態の変換機構160は、左下ラック146の移動力を、左下装飾体150が摺動部161を中心に正面視で時計回りに回転する力に変換する。故に、左下装飾体150は、左下ラック146に従動しながら、正面視で時計回りに回転する。
同様に、第二状態の変換機構260は、右下ラック147の移動力を、右下装飾体250が摺動部261を中心に正面視で反時計回りに回転する力に変換する。第二状態の変換機構460は、左上ラック443の移動力を、左上装飾体450が摺動部461を中心に正面視で反時計回りに回転する力に変換する。第二状態の変換機構560は、右上ラック444の移動力を、右上装飾体550が摺動部561を中心に正面視で時計回りに回転する力に変換する。故に、右下装飾体250は右下ラック147に従動しながら正面視で反時計回りに回転し、左上装飾体450は左上ラック443に従動しながら正面視で反時計回り回転し、右上装飾体550は右上ラック444に従動しながら正面視で時計回りに回転する。
制御部90は、所定のタイミングで、駆動モータ131,441の夫々に対するパルス信号の入力を停止する。左下装飾体150、右下装飾体250、左上装飾体450、及び右上装飾体550は、夫々の回転を停止する(図15(d)参照)。以下、このときの演出装置800の状態を、「第三稼働状態」(図14参照)と称す。尚、図2では、演出装置800が第三稼働状態における装飾体を、二点鎖線によって図示する。
図15(b)〜(d)に示すように、演出装置800が、第一稼働状態から、第二稼働状態及び三稼働状態に順に切り替わる間、左下装飾体150と右下装飾体250は互いに左右対称に動作(即ち直線移動と回転移動)し、左上装飾体450と右上装飾体550は互いに左右対称に動作する。また、左下装飾体150の動作と、左上装飾体450の動作は、互いに上下対称であり、右下装飾体250の動作と右上装飾体550の動作は、互いに上下対称である。更に、本実施形態では、左下装飾体150、右下装飾体250、左上装飾体450、及び右上装飾体550は、制御部90による第一駆動処理と第二駆動処理の実行に伴って、互いに離隔する方向へ動作する。
左下装飾体150、右下装飾体250、左上装飾体450、及び右上装飾体550が上記の動作を実行することで、下装飾体180と上装飾体480は、前方に向けて徐々に露出する。そして、演出装置800が第三稼働状態になったときには、下装飾体180と上装飾体480は、視認容易となっている。
図15(d)を参照し、発光処理を実行する。制御部90は、下基板、左下基板151(図7参照)、右下基板、上基板、左上基板、及び右上基板のLEDを駆動制御して発光させる。演出装置800の装飾体が所定時間の間だけ発光した後、制御部90はLEDの発光を停止する。
最後に、制御部90は復帰処理を実行する。制御部90は、駆動モータ131,441を夫々逆転駆動した後、モータ103,403を夫々逆転駆動する。これにより、演出装置800は、第三稼働状態、第二稼働状態、第一稼働状態、及び初期状態の順に切り替わる。変換機構160,260,460,560は、夫々、第二状態から第一状態に切り替わる。尚、回転体406Bが稼働回転位置から特定回転位置に向けて回転する場合、弾性部材490は、上下動部421の上方への移動を補助する。
以上説明したように、左下装飾体150は、モータ103と駆動モータ441の夫々の駆動に応じて、移動する。これにより、左下装飾体150の動作が多様化するので、パチンコ機1は装飾体を動作させる演出効果を向上できる。また、駆動モータ441は、第一長穴127と第二長穴128とのうち第一長穴127に近い位置に設けられる。これにより、上下動板121、左下装飾体150、及び駆動モータ441を集合体として捉えた場合の重心は、第一長穴127に近くなる。従って、ブッシュ117Cと第一長穴127を介して上下動板121に伝達される、モータ103の動力は、上下動板121を上下動させ易い。さらに上述したように、モータ103は、第一回転部材117と第二回転部材118とを比べると、第一回転部材117に効率良く動力を伝達できる。よって、パチンコ機1は、モータ103の動力によって、左下装飾体150を効率良く動作させることができる。さらに、モータ103の動力は、ブッシュ118Cと第二長穴128を介して、上下動板121に伝達される。モータ103の動力が上下動板121に伝達される位置が、左右方向に二つ並ぶので、上下動板121の上下動は安定化する。以上より、装飾体を効率良く且つ安定して動作させると共に、装飾体を動作させる演出効果を向上させたパチンコ機1が実現される。
スライドレール119が設けられることによって、上下動板121の上下動は、更に安定化する。第一長穴127と第二長穴128は、スライドレール119を間にして左右方向に並んで設けられる。また、第一駆動処理では、ブッシュ117Cが第一長穴127の壁部を上方に付勢すると共に、ブッシュ118Cが第二長穴128の壁部を上方に付勢する。ブッシュ117C,118Cが、スライドレール119を中心に上下動板121を回転させようとする向きは、互いに反対方向である。従って、ブッシュ117Cによる付勢に起因してスライドレール119に加わる力と、ブッシュ118Cによる付勢に起因してスライドレール119に加わる力は、互いに相殺し易い。従って、上下動板121の上下動に伴ってスライドレール119に加わる力が低減するので、パチンコ機1は、上下動板121の上下動を更に安定化できる。
左下装飾体150に加えて右下装飾体250が、上下動板121に設けられる。モータ103と駆動モータ131との動力によって動作する装飾体の個数が増えるので、パチンコ機1は装飾体を動作させる演出効果を、向上できる。また、右下装飾体250は、スライドレール119に対して左下装飾体150とは反対側に設けられ、左下装飾体150と左右対称に動作する。従って、左下装飾体150の動作に伴って、スライドレール119を中心に上下動板121を回転させようとする力と、右下装飾体250の動作に伴って、スライドレール119を中心に上下動板121を回転させようとする力は、互いに反対方向を向き、相殺し易い。従って、モータ103と駆動モータ131の夫々の駆動に伴ってスライドレール119に加わる力が更に低減するので、パチンコ機1は、上下動板121の上下動を更に安定化できる。
左下装飾体150は、第一長穴127の少なくとも左部と上下方向に並ぶ位置に設けられる。この場合、上下動板121、左下装飾体150、及び駆動モータ131を集合体として捉えた場合の重心は、第一長穴127に近くなる。また、左下装飾体150は、駆動モータ131に対して前方から並ぶ位置に設けられる。従って、上下動板121、左下装飾体150、及び駆動モータ131を集合体として捉えた場合の重心は、第一長穴127に更に近くなる。よって、モータ103の動力は、上下動板121に更に効率良く伝達される。
第一状態の変換機構160は、左下ラック146の移動力を、左下装飾体150を直線移動させる力に変換する。第二状態の変換機構160は、左下ラック146の移動力を、左下装飾体150を回転移動させる力に変換する。左下装飾体150が、直線移動と回転移動を順に実行することで、パチンコ機1は左下装飾体150の動きを多様にできる。また、左下装飾体150は、単一の駆動源である駆動モータ131によって動作するので、左下装飾体150を動作させる機構は、簡易になる。換言すると、左下装飾体150を直線移動させるモータと、左下装飾体150を回転移動させる別のモータとを備えた機構を採用した場合に比べて、左下装飾体150を動作させる機構は、簡易になる。以上より、簡易な機構で、装飾体の動作を多様化させたパチンコ機1が実現される。
また、左下装飾体150を動作させる機構が簡易になるので、左下装飾体150を動作させる機構の軽量化が実現される。従って、モータ103が上下動板121を上昇させる場合において、モータ103に加わる負荷は低減し、モータ103の脱調は防止される。従って、パチンコ機1は、モータ103による下装飾体180、左下装飾体150、及び右下装飾体250の上下動を安定化できる。
変換機構160が第一状態である場合、第一壁部168Aと第二壁部168Bが、摺動部161と接離部163とに対して摺動することで、左下装飾体150は直線移動する。そして、変換機構160が第二状態である場合、接離部163が第一壁部168Aと第二壁部168Bから離隔することによって、左下装飾体150は、摺動部161を中心に回転する。変換機構160の第一状態と第二状態との間における切り替わりは、接離部163の第一壁部168Aと第二壁部168Bとに対する接離によって実現される。よって、変換機構160の構成は、更に簡易になる。
また、変換機構160が第一状態である場合、摺動部161と接離部163は、いずれも、第一壁部168Aと第二壁部168Bとの夫々に対して摺動する。これにより、可動部材135の、傾斜孔125の短手方向に沿った変位が制限されるので、パチンコ機1は左下装飾体150の直線移動を安定化できる。
制御部90が第一駆動処理と第二駆動処理を実行する場合、左下装飾体150と右下装飾体250の移動に伴って、下装飾体180は前方に徐々に露出する。左下装飾体150と右下装飾体250の動作に伴って、下装飾体180の見栄えが大きく変化するので、パチンコ機1は、装飾体の動作に伴う演出効果を向上できる。さらに、右下装飾体250を移動させる左下ラック146が、下装飾体180の左切欠孔183を通過して、下装飾体180の後側を移動できる。同様に、右下装飾体250を移動させる右下ラック147が、下装飾体180の右切欠孔(図示外)を通過して、下装飾体180の後側を移動できる。これにより、装飾部182と上下動部421との間にある空間が、左下ラック146と右下ラック147の移動領域に活用できる。故に、パチンコ機1は、装飾体を動作させる機構の配置スペースをコンパクト化できる。
可動部材135が左下ラック146に従動して移動する場合、連結長孔168の後端部169と二本のリブ137とが、固定部材132の前面に対して摺動する。可動部材135と固定部材132との接触面積が低減するので、可動部材135の固定部材132に対しての摺動摩擦は、低減する。よって、駆動モータ131に加わる負荷は低減する。尚、同様の理由によって、可動部材235と固定部材232との摺動摩擦、可動部材435と固定部材432との摺動摩擦、及び可動部材535と固定部材532との摺動摩擦は、夫々低減する。
駆動ギヤ141、左下ラック146、及び連結ギヤ143は、噛合ギヤ142と噛み合う。また、左下ラック146と連結ギヤ143とのうち、左下ラック146が、前後方向に駆動ギヤ141と並ぶ。よって、ギヤ部材及びラック部材等の動力伝達部材の個数が低減する結果、動力伝達機構140の配置スペースが小さくなる。故に、モータ103の動力を左下装飾体150と右下装飾体250に伝達する動力伝達機構140を小型化したパチンコ機1が、実現される。
左下ラック146と連結ギヤ143は、いずれも、駆動ギヤ141よりも前側に設けられる。この場合、左下ラック146と連結ギヤ143が、前後方向において、駆動ギヤ141を間にして並ぶ場合に比べ、動力伝達機構140が配置されるスペースは、前後方向に小さくなる。また、駆動ギヤ141は、更に、モータ103のモータギヤ103Aと噛み合う。従って、駆動ギヤ141とモータギヤ103Aとの間に他のギヤ部材を設ける場合に比べて、動力伝達機構140が備える動力伝達部材の個数は、更に低減する。以上より、パチンコ機1は動力伝達機構140を更に小型化できる。
左下ラック146は、傾斜孔125によって前後方向の変位を規制される。従って、パチンコ機1は、左下ラック146が駆動ギヤ141に接触するのを防止しつつ、左下ラック146の移動を傾斜孔125で案内できる。よって、左下ラック146の移動は、更に安定化できる。
変換機構160,260が第一状態である場合において、左下装飾体150と右下装飾体250は、互いに離隔する方向に左右対称に直線移動する。これにより、装飾体の動きは、多様化しつつも一定の統一感を有する。よって、パチンコ機1は、複数の装飾体を動作させる演出効果を向上できる。
駆動モータ131,441の駆動に伴って、左下装飾体150と左上装飾体450は、互いに同じタイミングで、直線移動した後に回転移動する。これにより、装飾体の動きは、多様化しつつも一定の統一感を有する。よって、パチンコ機1は複数の装飾体を動作させる演出効果を向上できる。
制御部90が第一駆動処理を実行する場合、モータ103の動力を得た上下動板121は、上側に移動し、モータ403の動力を得た上下動部421は、下側に移動する。これにより、左下装飾体150と左上装飾体450が夫々、互いに近接する方向に直線移動するので、装飾体の動作は、多様化する。よって、パチンコ機1は、装飾体を動作させる演出効果を向上できる。特に本実施形態では、制御部90が第一駆動処理と第二駆動処理を順に実行する。従って、左下装飾体150と左上装飾体450は、互いに近接する方向に直線移動した後に、互いに離隔する方向に直線移動する。更に、一体的な意匠を形成している下装飾体180と上装飾体480が、左下装飾体150と左上装飾体450が互いに離隔することで、視認容易となる。故に、第一駆動処理と第二駆動処理が順に実行されることで、本実施形態では装飾体の見栄えの変化は、極めて大きくなり、演出効果は極めて向上する。
左下装飾体150と左上装飾体450は、左下ラック146と左上ラック443の直線移動に伴って、互いに上下対称に移動する。これにより、左下装飾体150と左上装飾体450の動作は、多様化しつつも統一感を帯びる。よって、パチンコ機1は、装飾体を動作させる演出効果を向上できる。
第一駆動処理と第二駆動処理では、左下装飾体150と左上装飾体450に加えて、右下装飾体250と右上装飾体550が動作する。従って、パチンコ機1は、装飾体の動作を更に多様化できる。また、これら四つの装飾体は、互いに同じタイミングで直線移動と回転移動を実行する。そして、左下装飾体150と右下装飾体250との動きは、互いに左右対称であり、左上装飾体450と右上装飾体550との動きは、互いに左右対称である。さらに、左下装飾体150の動作と、左上装飾体450の動作は、互いに上下対称であり、右下装飾体250の動作と、右上装飾体550の動作は、互いに上下対称である。故に、複数の装飾体の動作は、多様化しつつも統一感を帯びる。よって、パチンコ機1は、複数の装飾体を動作させる演出効果を更に向上できる。
左下装飾体150、左上装飾体450、右下装飾体250、及び右上装飾体550は、互いに離隔する方向に直線移動して、互いに離隔する方向に回転する。この場合、これら四つの装飾体の動作は、多様化しつつも統一感が生じる。よって、パチンコ機1は装飾体を動作させる演出効果を更に向上できる。
右上装飾体550は、モータ403の駆動に応じて上下方向に移動すると共に、駆動モータ441の駆動に応じて直線移動と回転移動を順に実行する。つまり、右上装飾体550は、モータ403と駆動モータ441の夫々の駆動に応じて移動する。右上装飾体550の動作が多様化するので、パチンコ機1は装飾体を動作させる演出効果を向上できる。また、駆動モータ441は、右長穴428の一対の壁部428Aと上下方向に並ぶ。従って、上下動部421、右上装飾体550、及び駆動モータ441を集合体と捉えた場合の重心位置は、一対の壁部428Aに近くなる。モータ403の動力が、回転体406Bと右長穴428を経由して、上下動部421に伝達されるので、上下動部421は、モータ403の動力を得て、右上装飾体550と共に効率良く上下動できる。以上より、装飾体を効率良く動作させると共に、装飾体を動作させる演出効果を向上させたパチンコ機1が実現される。
制御部90が復帰処理を実行する場合において、回転体406Bが、稼働回転位置から下回転位置に向けて下側へ回転する。従って、復帰処理の実行直後におけるモータ403に加わる負荷は、低減する。また、回転体406Bが稼働回転位置から特定回転位置に向かう間、弾性部材490は、上下動部421が上昇するのを補助する。よって、モータ403の脱調は発生しにくい。また、回転体406Bが稼働回転位置で停止している間(例えば第二駆動処理が実行されている間)において、上方を向く突発的な力が、上下動部421に加わる虞がある。上方を向く突発的な力は、例えば、第二駆動処理の実行に伴って、左上装飾体450と右上装飾体550が上側へ移動することで、発生する。この場合であっても、回転体406Bは、右長穴428の規制部428Bに接触しているので、正面視で反時計回りへの回転を制限される。よって、上下動部421は、上方への移動が制限される。よって、回転体406Bが稼働回転位置で停止している間において、パチンコ機1は上下動部421を安定して保持できる。
制御部90が第一駆動処理を実行する前において、回転体406Bは初期回転位置で停止している。この場合において、下方を向く突発的な力が上下動部421に加わっても、回転体406Bは、右長穴428の規制部428Bに接触しているので、正面視で時計回りへの回転を制限される。よって、上下動部421は下方への移動を制限される。よって、回転体406Bが初期回転位置で停止している間において、パチンコ機1は上下動部421を安定して保持できる。
回転体406Bが上回転位置から特定回転位置まで回転する間、第一磁性体81と第二磁性体82が非磁性体83を挟み込んで引きよせられたまま、上下動部421は回動する。従って、回転体406Bが上回転位置を通過して回転する場合であっても、上下動部421は、第一磁性体81と第二磁性体82との磁力によって安定して保持される。
スライドレール419は、第一磁性体81と上下方向に並ぶ。従って、上下動部421がスライドレール419を支点に回転する場合において、第一磁性体81に対して摺動する非磁性体83の上下方向における移動量は、小さくなる。よって、回転体406Bが、初期回転位置から特定回転位置に到達するまでの間、非磁性体83は、第一磁性体81から離隔しにくく、上下動部421は、第一磁性体81と第二磁性体82の磁力によって保持され易い。
回転体406Bが、初期回転位置と特定回転位置との間を回転する間、被検知板585は検知部582から突出した状態を維持して、検知部582は被検知板585を検知できる。一方、回転体406Bが特定回転位置よりも下回転位置側へ回転すると、被検知板585は検知部582から下方に離隔し、検知部582は被検知板585を検知しなくなる。検知機構580は、スライドレール419よりも右側に配置される。検知機構580、駆動モータ441、及びモータ403は、いずれも、スライドレール419に対して右側に集約して配置できる。従って、検知機構580、駆動モータ441、及びモータ403の夫々を、制御部90のサブ基板に接続するハーネスは、集約され易くなり、上下動部421の後面の右上部に設けたクランプ(図示略)によって、束ね易くなる。
上記実施形態において、パチンコ機1は、本発明の「遊技機」の一例である。モータ103は、本発明の「第一駆動源」の一例である。上下動板121は、本発明の「移動体」の一例である。左下装飾体150は、本発明の「第一装飾体」の一例である。駆動モータ441は、本発明の「第二駆動源」の一例である。上下動板121は、本発明の「移動体」の一例である。左下装飾体150は、本発明の「第一装飾体」の一例である。固定板102は、本発明の「支持部材」の一例である。スライドレール119は、本発明の「案内手段」の一例である。左下装飾体150は、本発明の「第二装飾体」の一例である。左右方向は、本発明の「第一回転軸線が延びる方向と上下方向とに交差する方向」、「前記第一回転部材から前記第二回転部材に向かう方向と平行な方向」の一例である。
本発明は、上記実施形態に限定されず種々の変形が可能である。表示面27は、遊技盤2の後方に配置される代わりに、例えば、遊技盤2の前方に配置されてもよい。この場合、表示面27には、遊技盤2が視認可能となるように、例えば半透過型のLCDが採用される。左下装飾体150と右下装飾体250は、特定の文字が連なった有意な意匠を形成する代わりに、例えば、建造物、景観、動植物、物品、又は記号等を模った一体的な意匠を形成してもよい。下装飾体180と上装飾体480、及び、左上装飾体450と右上装飾体550についても同様である。
モータ103,403と駆動モータ131,441は、それぞれ、パルスモータである代わりに、サーボモータ、ソレノイド、又はエアシリンダ等であってもよい。例えば、モータ103に代えてソレノイドが設けられた場合、ソレノイドの駆動に伴って上下動板121を上下動させる機構が、採用される。
演出装置800は、下演出装置100と上演出装置400との何れか一方のみを備えていてもよい。例えば、演出装置800は、上演出装置400だけを備えていてもよい。この場合、上演出装置400は、左上装飾体450を備えず、右上装飾体550のみを備えていてもよい。さらに、右上装飾体550は、第二駆動処理に伴って左下から右上に直線移動する代わりに、例えば、前斜め上方から後斜め下方に直線移動してもよい。つまり、傾斜孔126は、前上方から後下方に延びていてもよい。
また、左下ラック146と連結ギヤ143とのうち、連結ギヤ143が、前後方向に駆動ギヤ141と並んでもよい。この場合であっても、駆動ギヤ141、左下ラック146、及び連結ギヤ143が、噛合ギヤ142と噛み合うので、動力伝達機構140は小型化する。
連結長孔168が、可動部材135に代えて固定部材132に設けられ、且つ、摺動部161と接離部163が、固定部材132に代えて可動部材135に設けられてもよい。本変形例では、連結長孔168と、摺動部161及び接離部163とのうちで、摺動部161及び接離部163が、左下装飾体150及び可動部材135と一体的に移動する。変換機構160が第一状態である場合、摺動部161と接離部163が、可動部材135の移動に伴って、連結長孔168の第一壁部168Aと第二壁部168Bとに摺動する。これにより、可動部材135と左下装飾体150は、直線移動する。一方、変換機構160が第二状態である場合、摺動部161と接離部163とのうちで、摺動部161のみが、第一壁部168Aと第二壁部168Bとに対して摺動する。これにより、可動部材135と左下装飾体150は、回転する。
変換機構160は、第二壁部168B、連結壁部268C、第三壁部168D、及び第四壁部168Eを備えなくてもよい。つまり、変換機構160は、連結長孔168に代えて、第一壁部168Aだけを備えていてもよい。この場合であっても、変換機構160が第一状態である場合において、左下ラック146の左下方への直線移動に伴って、第一壁部168Aが摺動部161と接離部163との夫々に対して摺動することで、可動部材135と左下装飾体150は、直線移動できる。また、変換機構160が第二状態である場合において、第一壁部168Aが、摺動部161と接離部163とのうち接離部163から離隔すれば、可動部材135は摺動部161を中心に回転できる。
非磁性体83は、第二磁性体82に対して接触した状態で設けられなくてもよい。例えば、非磁性体83は、第二磁性体82から僅かに上方に離隔して設けられてもよい。この場合であっても、回転体406Bが初期回転位置と特定回転位置との間にある場合において、非磁性体83が、第一磁性体81と第二磁性体82との磁力によって、第一磁性体81の下面に押圧されていれば、上下動部421は安定して保持される。また、非磁性体83は、第一磁性体81の下面に接触して設けられていてもよい。この場合、上下動部421の上下動に伴って、第二磁性体82が非磁性体83に対して接離する構成が、採用される。
尚、制御部90は、第一駆動処理と第二駆動処理を夫々実行している間に、演出装置800が備えるLEDを発光させてもよい。この場合、制御部90は、発光処理を実行しなくてもよい。また、制御部90は、第一駆動処理が開始されてから終了するまでの間に、第二駆動処理を開始してもよい。この場合、制御部90は、モータ103,403、駆動モータ131,441を同時に駆動制御する。
上演出装置400は、スライドレール419に代えて、長穴開口部と摺動連結部とを備えてもよい。この場合、長穴開口部は、上下方向に長く、固定板102と上下動部421との何れか一方に設けられる。摺動連結部は、固定板102と上下動部421との何れか他方に設けられると共に、長穴開口部に摺動可能に連結する。
尚、請求項、明細書および図面に記載される全ての要素(例えば、図柄表示装置、大入賞装置、始動入賞口等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、前記要素につけられた名称(要素名)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。 従って、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「演出装置」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。
更には、上記全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、何れも当業者であれば容易に考えられる事項であり、敢えて明細書等において全パターンを記載しなくても何れのパターンも想定範囲内であることは明らかであることから、特許請求の範囲等においてそれらを明確に除外している旨の記載がない限りは、それら全てについて本発明に係る権利範囲に含まれることは言うまでもない。従って、その程度の範囲内での構成上の差異を、本実施例に記載がなされていないことを理由に遊技機に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはあたらない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施例から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。