JP5463055B2 - フタルイミド誘導体及びそれらの製造方法 - Google Patents

フタルイミド誘導体及びそれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、医農薬や機能性材料合成の製造中間体として利用可能なフタルイミド誘導体及びそれらの製造方法に関する。
Wacker酸化反応は、酸素雰囲気中において塩化銅(II)等の酸化剤の共存下、触媒量の塩化パラジウムを用いて、末端アルケン化合物に水を付加させケトン類を製造する方法として古くから知られている。しかしながら、本発明に係る、末端に二重結合を持つN−アルケニルフタルイミドまたはN−アルケニルオキシフタルイミド類をWacker酸化に付し、N−{(ω−1)オキソアルキル}フタルイミド誘導体またはN−{(ω−1)オキソアルキルオキシ}フタルイミド誘導体を製造する方法に関する報告例はない。一方、非特許文献1には、N−{(ω−1)オキソアルキル}フタルイミド誘導体を製造する方法として、ω−ブロモアルキルフタルイミドとアセト酢酸エステルを塩基存在下に反応させて得られる2−(フタルイミドアルキル)アセト酢酸エステルの加水分解、次いで脱炭酸させる方法が開示されている。また、非特許文献2には、塩基存在下にて1−ブロモヘキサン−5−オンをフタルイミドと反応させ、N−(5−オキソヘキサン−1−イル)フタルイミドを製造する方法が記載されている。さらに、非特許文献3には、N−ヒドロキシフタルイミドとクロロアセトンとを塩基存在下に反応させ、N−(2−オキソプロピルオキシ)フタルイミドが合成できることが記載されている。しかしながら、本発明の一般式(3)で表されるN−{(ω−1)オキソアルキルオキシ}フタルイミド誘導体の製造に関する記載はない。
N−{(ω−1)オキソアルキル}フタルイミド誘導体またはN−{(ω−1)オキソアルキルオキシ}フタルイミド誘導体の公知の製造方法において、非特許文献1の方法は、反応工程が長く、特にアルキル基の炭素鎖長によっては数段の反応工程を必要とする。また、脱炭酸工程は炭素資源の無駄であり、必ずしも工業的に有利な方法とはいえない。非特許文献2及び3の方法は、塩基性条件下の反応でありながら、塩基に対して不安定なハロケトン類を原料に用いており、収率向上にはアルドール縮合などの副反応の抑制が重要であり、反応条件の制御が必ずしも容易ではない。また、合成例としてはN−(2−オキソプロピルオキシ)フタルイミドしか示されておらず、本発明の一般式(3)で表されるN−{(ω−1)オキソアルキルオキシ}フタルイミド誘導体の合成に前記非特許文献の方法が適用できるかどうかは明らかではない。
Journal of Medicinal Chemistry,30(5),894−899(1987) Journal of Organic Chemistry,70(6),2067−2074(2005) Ultrasonics Sonochemistry,15(1),33−36(2008)
本発明の課題は、医農薬や機能性材料合成のための製造中間体として利用可能なフタルイミド誘導体及びそれらの簡便な製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明の下記一般式(2)で示されるフタルイミド誘導体の簡便な製造方法を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、一般式(1)
Figure 0005463055
(式中、Xはメチレン基または酸素原子を表し、Yは水素原子、ハロゲン原子または炭素数1から10のアルキル基を表し、mは1から4の整数を表す。nはXがメチレン基の場合は0から10の整数を表し、Xが酸素原子の場合はnは1から10の整数を表す。)で表されるフタルイミド誘導体を酸素雰囲気中、パラジウム触媒及び酸化剤存在下にて水と反応させて、一般式(2)
Figure 0005463055
(式中、X、Y、m及びnは前記と同じ意味を表す。)で示されるフタルイミド誘導体を製造する方法に関するものである。
また、本発明は、一般式(3)
Figure 0005463055
(式中、Y及びmは前記と同じ意味を表し、pは2から10の整数を表す。)で示される(ω−1)オキソアルコキシフタルイミド誘導体に関するものである。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
Figure 0005463055
(式中、X、Y、m及びnは前記と同じ意味を表す。)
一般式(1)、(2)及び(3)で示されるフタルイミド誘導体において、Yで示されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子があげられる。Yで示される炭素数1から10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、オクチル基、デシル基等をあげることができる。
本発明の製造方法は、パラジウム触媒存在下にて反応を行なうことが必須である。パラジウム触媒としては、いわゆるWacker酸化反応に用いることのできるパラジウム触媒であれば特に制限はなく、例えば、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、硫酸パラジウム等を使用することができるが、目的物の収率が良い点で塩化パラジウムが好ましい。パラジウム触媒の使用量はいわゆる触媒量であれば特に制限はないが、収率が良い点で、原料であるフタルイミド誘導体(1)に対して0.01から30モル%が好ましく、1から20モル%がさらに好ましい。
本発明の製造方法は、酸化剤存在下にて反応を行なうことが必須である。酸化剤としては、塩化銅(I)や塩化銅(II)等の銅化合物、塩化鉄(III)等の鉄化合物、二酸化マンガン、ヘテロポリ酸、過酸化水素、有機過酸化物、亜硝酸アルキル等を使用することができるが、目的物の収率が良い点で塩化銅が好ましい。酸化剤の使用量に特に制限はなく、原料であるフタルイミド誘導体(1)に対して1から10当量が好ましく、2から5当量がさらに好ましい。
本発明の製造方法は、酸素存在下にて反応を行なうことが必須である。酸素の添加方法に特に制限はなく、常圧あるいは加圧の酸素雰囲気下で反応を実施することにより目的物を得ることができるが、収率が良い点で酸素ガスを反応溶液中にバブリングさせて反応を行なうことが好ましい。
また、本発明の製造方法は、水存在下にて反応を行なうことが必須である。水の使用量に特に制限はなく、原料であるフタルイミド誘導体(1)に対して1から50当量を使用することが好ましく、目的物の収率が良い点で、2から20当量の使用がさらに好ましい。
更に、本発明の製造方法は、溶媒中で実施することが好ましく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、酪酸エチル、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル等のエステル類、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン等のアミド類、ジメチルスルホキシド、あるいはこれらの混合溶媒を使用することができる。中でも収率が良い点でDMFを用いて反応を実施することが好ましい。
本発明の製造方法は、−40℃から反応溶媒の還流温度の範囲より適宜選ばれた反応温度で実施することができるが、0℃から溶媒還流温度の範囲より適宜選ばれた反応温度で実施することが収率が良い点で好ましい。反応終了後は、通常の後処理操作により目的物を得ることができるが、必要であればカラムクロマトグラフィーあるいは再結晶等により精製することもできる。
上記の工程にて製造されたフタルイミド誘導体(2)は、例えば参考例1及び2に示す方法により、タンパク質、特に免疫グロブリンGの精製用リガンドとして有用なチアゾール誘導体を合成することができる。さらに、前記チアゾール誘導体が固定化できる活性化基を有するマトリックスに固定することで、タンパク質、特に免疫グロブリンGの精製分離剤として用いることができる。活性化基としては、スクシンイミドオキシカルボニル基、ホルミル基、カルボキシル基、2,2,2−トリフルオロエチルスルホニルオキシ基(トレシル基)、塩化スルホニル基、トシル基、ビニルスルホニル基、エポキシ基を例示することができる。また、チアゾール誘導体を固定化できるマトリックスの材質としては特に限定はなく、例えば、架橋結合アルブミンなどのポリペプチドまたはタンパク質、アガロース、アルギネート、カラゲナン、キチン、セルロース、デキストリン、デキストラン、澱粉などの多糖、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリアクロレイン、ポリビニルアルコール、ポリメタクリレート、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリウレタンなどの合成高分子、シリカ、ガラス、多孔質珪藻土、アルミナ、ジルコニア、酸化鉄または他の金属酸化物などの無機化合物、上記物質を2つまたはそれ以上任意に組み合わせて構成される共重合体などのマトリックスをあげることができる。さらにそれらは、液相分配で使用されるデキストラン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコールまたは加水分解澱粉などの水溶性の高分子を包含するマトリックス、またはエマルジョンを形成するのに使用されるペルフルオロデカリンなどの化合物を包含するマトリックスも含まれる。また、マトリックスは、粒状物または非粒状物、水性溶媒に対して可溶性または不溶性、多孔性または非多孔性、いずれであってもよい。
本発明の製造方法により得られたフタルイミド誘導体は医農薬や機能性材料合成の製造中間体として有用である。特に本発明のフタルイミド誘導体は、各種有用タンパク質(特に免疫グロブリンG)の分析/精製に有効なアフィニティークロマトグラフィー用リガンドを製造するために有用な中間体である。
参考例2で合成したチアゾ−ル誘導体を固定化したアガロースゲルを用いたタンパク質のクロマトグラフィー結果。
以下、実施例及び参考例をあげて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
Figure 0005463055
塩化パラジウム(II)(823mg,4.64mmol)のDMF(50mL)溶液に、水(7mL)及び塩化銅(I)(2.99g,30.2mmol)を加え、酸素ガスをバブリングしながら、反応液が黒色から緑色に変化するまで2時間撹拌した。反応液にN−(4−ペンテニル)フタルイミド(5.00g,23.2mmol)のDMF溶液(5mL)をゆっくりと加え、更に酸素ガスをバブリングしながら5時間攪拌した。反応終了後、反応液を減圧濃縮し、1M塩酸(50mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で2回抽出した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し、濾液から溶媒を減圧留去することにより油状物を得た。油状物を自動設定中圧カラムクロマトグラフィーシステム(山善)で精製し、N−(4−オキソペンチル)フタルイミドの白色固体(4.44g,83%)を得た。m.p.:62から64℃;H−NMR(CDCl,TMS,ppm):δ 1.91から2.01(m,2H),2.14(s,3H),2.51(t,J=7.5Hz,2H),3.71(t,J=7.5Hz,2H),7.70から7.87(m,4H)。
実施例2
Figure 0005463055
塩化パラジウム(II)(576mg,3.24mmol)のDMF(63mL)溶液に、水(9mL)、塩化銅(I)(3.23g,32.6mmol)を加え、酸素ガスをバブリングしながら、反応液が黒色から緑色に変化するまで2時間撹拌した。反応液にN−(5−ヘキセニル)フタルイミド(7.80g,32.5mmol)のDMF溶液(5mL)をゆっくりと加え、更に酸素ガスをバブリングしながら5時間攪拌した。反応終了後、反応液を減圧濃縮し、1M塩酸(100mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で2回抽出した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し、濾液から溶媒を減圧留去することにより油状物を得た。油状物を自動設定中圧カラムクロマトグラフィーシステム(山善)で精製し、N−(5−オキソヘキシル)フタルイミドの白色固体(8.06g)を定量的に得た。m.p.:59から62℃;H−NMR(CDCl,TMS,ppm):δ 1.16から1.68(m,4H),2.13(s,3H),2.49(t,J=7.5Hz,2H),3.69(t,J=7.5Hz,2H),7.69から7.86(m,4H)。
実施例3
Figure 0005463055
塩化パラジウム(II)(0.49g,2.76mmol)のDMF(63mL)溶液に、水(9mL)、塩化銅(I)(3.23g,32.6mmol)を加え、酸素ガスをバブリングしながら、反応液が黒色から緑色に変化するまで2時間撹拌した。反応液にN−(7−オクテニル)フタルイミド(8.86g,32.4mmol)のDMF溶液(5mL)をゆっくりと加え、更に酸素ガスをバブリングしながら5時間攪拌した。反応終了後、反応液を減圧濃縮し、1M塩酸(50mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で2回抽出した。有機層を飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し、濾液から溶媒を減圧留去することにより油状物を得た。油状物を自動設定中圧カラムクロマトグラフィーシステム(山善)で精製し、N−(7−オキソオクチル)フタルイミドの白色固体(4.38g,68%)を得た。m.p.:44から46℃;H−NMR(CDCl,TMS,ppm):δ 1.29から1.38(m,4H),1.53から1.76(m,4H),2.13(s,3H),2.42(t,J=7.5Hz,2H),3.68(t,J=7.5Hz,2H),7.69から7.86(m,4H)。
実施例4
Figure 0005463055
塩化パラジウム(II)(1.34g,7.72mmol)のDMF(300mL)溶液に、水(63mL)、塩化銅(I)(31.0g,313mmol)を加え、酸素ガスをバブリングしながら、反応液が黒色から緑色に変化するまで2時間撹拌した。反応液にN−[(4−ペンテニル)オキシ]フタルイミド(35.9g,156mmol)のDMF(100mL)溶液を滴下し、更に酸素ガスをバブリングしながら一晩攪拌した。反応終了後、反応液を減圧濃縮し、1M塩酸(900mL)を加え、酢酸エチル(400mL)で3回抽出した。有機層を水(800mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し、濾液から溶媒を減圧留去することにより茶色液体のN−(4−オキソペンチルオキシ)フタルイミド(25.5g,66.4%)を得た。H−NMR(CDCl,TMS,ppm):δ 1.97から2.07(m,2H),2.22(t,J=7.5Hz,2H),2.23(s,3H),4.23(t,J=7.5Hz,2H),7.73から7.85(m,4H)。
実施例5
Figure 0005463055
塩化パラジウム(II)(1.34g,151mmol)のDMF(300mL)溶液に、水(63mL)、塩化銅(I)(30.0g,303mmol)を加え、酸素ガスをバブリングしながら、反応液が黒色から緑色に変化するまで2時間撹拌した。反応液にN−(5−ヘキセニルオキシ)フタルイミド(37.1g,151mmol)のDMF(100mL)溶液を滴下し、更に酸素ガスをバブリングしながら一晩攪拌した。反応終了後、反応液を減圧濃縮し、1M塩酸(800mL)を加え、酢酸エチル(800mL)で2回抽出した。有機層を更に1M塩酸(800mL×2)と飽和食塩水(800mL)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し、濾液から溶媒を減圧留去することにより茶色液体のN−(5−オキソヘキシルオキシ)フタルイミド(36.5g,93%)を得た。H−NMR(CDCl,TMS,ppm):δ 1.78から1.84(m,4H),2.17(s,3H),2.57(t,J=7.5Hz,2H),3.69(t,J=7.5Hz,2H),7.69から7.86(m,4H)。
実施例6
Figure 0005463055
塩化パラジウム(II)(268mg,1.51mmol)のDMF(50mL)溶液に、水(11mL)、塩化銅(I)(6.00g,61mmol)を加え、酸素ガスをバブリングしながら、反応液が黒色から緑色に変化するまで2時間撹拌した。反応液にN−(9−デセニルオキシ)フタルイミド(11.2g,30.4mmol)のDMF(10mL)溶液を滴下し、更に酸素ガスをバブリングしながら一晩攪拌した。反応終了後、反応液を減圧濃縮し、1M塩酸(200mL)を加え、酢酸エチル(300mL)で2回抽出した。有機層を1M塩酸(200mL×2)と飽和食塩水(300mL)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾別し、濾液から溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物を自動設定中圧カラムクロマトグラフィーシステム(山善)で精製することにより淡黄色液体のN−(9−オキソデシルオキシ)フタルイミド(3.18g,35%)を得た。H−NMR(CDCl,TMS,ppm):δ 1.33から1.63(m,10H),1.73から1.82(m,2H),2.14(s,3H),2.42(t,J=7.5Hz,2H),4.20(t,J=7.5Hz,2H),7.73から7.86(m,4H)。
参考例1
Figure 0005463055
N−(5−オキソヘキシル)フタルイミド(1.0g,3.83mmol)のTHF(15mL)溶液に臭化銅(II)(1.71g,7.66mmol)を加え、2時間加熱還流した。反応液をセライト濾過により固体を瀘別し、濾液から溶媒を減圧留去して油状物を得た。得られた油状物をDMF(20mL)に溶解し、4−メチルベンゾイルチオウレア(0.79g,4.07mmol)を加え、80℃で8時間反応させた。反応終了後、溶媒を減圧留去して得られた粗生成物に1M塩酸(30mL)と酢酸エチル(30mL)を加え固体を析出させた。固体を瀘別し、酢酸エチルとエーテルによって充分洗浄し、N−[4−メチル−5−{3−(フタルイミド)プロピル}チアゾ−ル−2−イル]−4−メチルベンズアミド(0.684g,収率:40%)を得た。白色固体:m.p.178から180℃;H−NMR(CDCl,TMS,ppm):δ 1.89から1.98(m,2H),2.21(s,3H),2.39(s,3H),2.74(t,J=5.0Hz,2H),3.65(t,J=7.5Hz,2H),7.34(d,J=7.5Hz,2H),7.69(d,J=7.5Hz,2H),7.80から7.89(m,4H),12.3(br s,1H)。
参考例2
Figure 0005463055
4−メチル−N−[4−メチル−5-{3−(フタルイミド)プロピル}チアゾール−2−イル]ベンズアミド(0.69g,1.63mmol)に0.5Mヒドラジン一水和物含有エタノール溶液(16mL)を加え3時間した。反応終了後、反応溶液を留去し、残渣に1M塩酸(5mL)を加え、撹拌した。析出した固体を濾別し、濾液を減圧留去した。得られた固体を熱エタノール及びアセトンを用いて洗浄することにより3−{2−(4−メチルベンゾイルアミノ)−4−メチルチアゾ−ル−5−イル}プロピルアミン塩酸塩の白色固体(0.20g,収率:38%)を得た。白色固体:H−NMR(DMSO−d,DMSO,ppm):δ 1.81から1.87(m,2H),2.24(s,3H),2.39(s,3H),2.75から2.83(m,4H),7.34(d,J=7.5Hz,2H),7.86(br s,3H),7.97(d,J=7.5Hz,2H)。アミドのプロトンは帰属できなかった。
参考例3
Figure 0005463055
N−(5−オキソヘキシルオキシ)フタルイミド(1.0g,3.83mmol)のTHF(15mL)溶液に臭化銅(II)(1.71g,7.66mmol)を加え、2時間加熱還流した。反応液からセライト濾過により固体を瀘別し、濾液から溶媒を減圧留去して油状物を得た。得られた油状物をDMF(20mL)に溶解し、3,4−ジメトキシベンゾイルチオウレア(0.92g,3.83mmol)を加え、80℃で8時間反応させた。反応終了後、溶媒を減圧留去して得られた粗生成物に1M塩酸(30mL)と酢酸エチル(30mL)を加え固体を析出させた。固体を瀘別し、酢酸エチルとエーテルによって充分洗浄し、灰色固体の3,4−ジメトキシ−N−[4−メチル−5−{3−(フタルイミドオキシ)プロピル}チアゾール−2−イル]ベンズアミド(0.57g,31%)を得た。m.p.:211から215℃;H−NMR(CDCl,TMS,ppm):δ2.10(m,2H),2.51(s,3H),3.13(t,J=7.5Hz,2H),3.97(s,3H),4.04(s,3H),4.26(t,J=7.5Hz,2H),7.02(d,J=7.5Hz,1H),7.76から7.88(m,5H),7.99(dd,J=2.5Hz and 7.5Hz,1H)。アミドのプロトンは帰属できなかった。
参考例4 チアゾール誘導体のアガロースゲルへの固定化(その1)
参考例2の方法で合成されたチアゾール誘導体を40μmol/mLになるようDMSOに溶解し、これに等量の0.5M NaClを含む0.2M炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH8.3)を加えて濃度20μmol/mLのチアゾール誘導体溶液を調製した。N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)にて活性化されたアガロースゲル(HiTrap NHS−activated HP 1mL(商品名、GEヘルスケアバイオサイエンス);以下HiTrapカラムと略記する)に前記チアゾール誘導体溶液を2mL通液することによって固定化を行なった。未反応のスクシンイミドオキシカルボニル基のブロッキングは、非特許文献(はじめてのリガンドカップリングハンドブック、アマシャムバイオサイエンス株式会社刊、2005)に記載された方法に従い行なった。
参考例5 チアゾール誘導体のアガロースゲルへの固定化(その2)
参考例2の方法で合成されたチアゾール誘導体を20μmol/mL、トリエチルアミンを40μmol/mL含むDMSO溶液を調製した。HiTrapカラムをDMSOで置換後、これに前記チアゾール誘導体−トリエチルアミンのDMSO溶液を2mL通液した。1時間放置した後、HiTrapカラムに3mLのDMSOを通液して、さらに5mLの0.5M NaClを含む0.2M炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH8.3)を通液することによって固定化した。未反応のスクシンイミドオキシカルボニル基のブロッキングは、非特許文献(はじめてのリガンドカップリングハンドブック、アマシャムバイオサイエンス株式会社刊、2005)に記載された方法に従い行なった。
参考例6 チアゾール誘導体固定化アガロースゲルを用いたタンパク質の吸脱着(その1)
参考例4または5に記載の方法にて調製したチアゾール誘導体固定化HiTrapカラムをクロマトグラフィー装置(AKTAprime plus(商品名)、GEヘルスケアバイオサイエンス)に取り付け、0.7M硫酸ナトリウムを含む10mMリン酸ナトリウム−10mMクエン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)(以下平衡化緩衝液と呼ぶ)を20mL通液し平衡化した。AKTAprime plusを流速1mL/minで自動運転し、平衡化緩衝液を10mL通液後、同緩衝液に溶解したヒト血漿由来免疫グロブリン製剤(化血研、本製剤の免疫グロブリンは免疫グロブリンGである)0.5mg(OD280=0.7)を添加してカラムに通液した。さらに平衡化緩衝液を10mL通液後、平衡化緩衝液から10mMリン酸ナトリウム−10mMクエン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)への硫酸ナトリウムに関する直線濃度勾配クロマトグラフィーを行なった。免疫グロブリンのカラムからの溶出は280nmにおける吸光度をモニターして検出した。溶出液は1mLずつ分画し、各フラクションの280nmにおける吸光度をU−2900スペクトロフォトメーター(日立製作所)で測定した。チアゾール誘導体を固定化したHiTrapカラムを用いて行なったクロマトグラフィーの結果を図1に示す。
参考例7 チアゾール誘導体固定化アガロースゲルを用いたタンパク質の吸脱着(その2)
参考例4または5に記載の方法にて調製したチアゾール誘導体固定化HiTrapカラムをクロマトグラフィー装置(AKTAprime plus(商品名)、GEヘルスケアバイオサイエンス)に取り付け、前記平衡化緩衝液を20mL通液し平衡化した。AKTAprime plusを流速1mL/minで自動運転し、平衡化緩衝液を10mL通液後、同緩衝液に溶解したウシ血清アルブミン(SIGMA)0.5mg(OD280=0.3)を添加してカラムに通液した。さらに平衡化緩衝液を10mL通液後、平衡化緩衝液から10mMリン酸ナトリウム−10mMクエン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)への硫酸ナトリウムに関する直線濃度勾配クロマトグラフィーを行なった。ウシ血清アルブミンのカラムからの溶出は280nmにおける吸光度をモニターして検出した。溶出液は1mLずつ分画し、各フラクションの280nmにおける吸光度をU−2900スペクトロフォトメーター(日立製作所)で測定した。各種チアゾール誘導体を固定化したHiTrapカラムを用いて行なったクロマトグラフィーの結果を図1に示す。ウシ血清アルブミンは10番目の画分までに溶出しており、カラムへの吸着はほとんど見られなかった。

Claims (3)

  1. 一般式(1)
    Figure 0005463055
    (式中、Xは酸素原子を表し、Yは水素原子、ハロゲン原子または炭素数1から10のアルキル基を表し、mは1から4の整数を表す。nはから10の整数を表す。)で表されるフタルイミド誘導体を酸素雰囲気中、パラジウム触媒及び酸化剤存在下にて水と反応させることを特徴とする一般式(2)
    Figure 0005463055
    (式中、X、Y、m及びnは前記と同じ意味を表す。)で示されるフタルイミド誘導体の製造方法。
  2. パラジウム触媒が塩化パラジウムであり、酸化剤が塩化銅である請求項1の製造方法。
  3. 一般式(3)
    Figure 0005463055
    (式中、Yは水素原子、ハロゲン原子または炭素数1から10のアルキル基を表し、mは1から4の整数を表し、pは2から10の整数を表す。)で示されるフタルイミド誘導体。
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