JP5462846B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関のピストンの裏側に向けて潤滑油を噴射する潤滑油供給装置を制御する制御装置に関する。
特許文献1には、燃料カットの実行中において、オイルジェットからの潤滑油の噴射量を少なくすることで、ピストン周辺から燃焼室に多量の潤滑油が吸い込まれることに起因して潤滑油が消費されることを抑制する、潤滑油供給装置が開示されている。
特開2010−150987号公報
ところで、減速運転時の燃料カットに伴う未燃燃料の流入によって排気浄化触媒の温度が増大することを抑制し、また、減速運転時の燃料カットに伴うトルクの急変によるショックを軽減するなどの目的のため、燃料カット条件が成立した時点から遅延時間だけ遅らせて燃料カットを実行させる場合がある。
このように、燃料カットの実行が遅延される内燃機関において、燃料カット中に潤滑油の噴射を停止させる場合、燃料カット開始までの遅延期間においては、オイルジェットからの潤滑油の噴射を継続させることになる。
しかし、燃料カットの遅延期間中(減速初期)は機関回転速度が高く、筒内負圧が大きいため、オイルジェットから噴射させた潤滑油が燃焼室内に吸い込まれ、潤滑油の消費量が増大してしまう。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、減速運転時の燃料カットの実行が遅延される内燃機関において、減速運転時における潤滑油の消費量を低減できる、制御装置を提供することを目的とする。
そのため、本願発明では、減速運転の開始から燃料カットの実行までの間に、オイルジェットへの潤滑油の供給圧を、オイルジェットの開弁圧を下回る圧力にまで低下させ、燃料カットの実行中にオイルジェットによる潤滑油の噴射を停止させるようにした。
上記発明によると、減速運転時における潤滑油の消費量を低減できる。
本願発明の実施形態におけるエンジンのシステム図である。 オイルジェットの潤滑油噴射の制御を示すフローチャートである。 図2のフローチャートに従って制御を行った場合の燃料カット制御と潤滑油噴射との相関を示すタイムチャートである。 オイルジェットの潤滑油噴射の制御を示すフローチャートである。 図4のフローチャートに従って制御を行った場合の燃料カット制御と潤滑油噴射との相関を示すタイムチャートである。 オイルジェットの潤滑油噴射の制御を示すフローチャートである。 図6のフローチャートに従って制御を行った場合の燃料カット制御と潤滑油噴射との相関を示すタイムチャートである。 オイルジェットの潤滑油噴射の制御を示すフローチャートである。 エンジン回転速度と初期カット時用目標圧との相関を示すグラフである。 図8のフローチャートに従って制御を行った場合の燃料カット制御と潤滑油噴射との相関を示すタイムチャートである。
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明に係る制御装置を含む、車両用エンジンのシステム図である。
図1に示すエンジン(内燃機関)1は、吸気通路2に燃料噴射弁3を備え、燃料噴射弁3は吸気バルブ4に向けて燃料を噴射する。
燃料噴射弁3が噴射した燃料は、空気と共に吸気バルブ4を介して燃焼室5内に吸引され、点火プラグ6による火花点火によって着火燃焼する。燃焼室5内の燃焼ガスは、排気バルブ7を介して排気通路8に排出される。
吸気通路2の燃料噴射弁3が配設される部分よりも上流側には、スロットルモータ9で開閉される電子制御スロットル10が配され、この電子制御スロットル10の開度によってエンジン1の吸入空気量を調整する。
また、エンジン1は、燃料タンク11内の燃料を燃料ポンプ12によって燃料噴射弁3(エンジン1)に向けて供給する燃料供給装置13を備えている。
燃料供給装置13は、燃料タンク11、燃料ポンプ12、燃料ギャラリー配管14、燃料供給配管15、燃料フィルタ16を含んで構成される。
燃料ポンプ12は、モータでポンプインペラを回転駆動する電動式流体用ポンプであり、燃料タンク11内に配置される。
また、燃料ポンプ12は、吐出燃料の逆流を阻止するためのチェックバルブ(逆止弁)12a、及び、燃料ポンプ12の吐出圧(燃料供給圧)が上限圧を上回った場合に開弁し、燃料ポンプ12が吐き出した燃料を燃料タンク11内にリリーフするリリーフバルブ12b、を内蔵している。
燃料ポンプ12の吐出口には燃料供給配管15の一端が接続され、燃料供給配管15の他端は燃料ギャラリー配管14に接続される。
燃料供給配管15の途中の燃料タンク11内に位置する部分には、燃料をろ過する燃料フィルタ16を設けてある。
燃料ギャラリー配管14には、各気筒の燃料噴射弁3がそれぞれ接続される。
また、エンジン1は、潤滑油供給装置20を備えている。
潤滑油供給装置20は、エンジン1のオイルパン1a内の潤滑油を、オイルストレーナ21を介して吸い込んで吐出するオイルポンプ22と、オイルポンプ22が吐出した潤滑油をろ過するオイルフィルタ23と、オイルフィルタ23を通過した潤滑油をピストン18の裏側に向けて噴射するオイルジェット(制御弁)24と、を含む。
オイルポンプ22から吐出された潤滑油は、オイルジェット24に供給されると共に、シリンダヘッドなどに潤滑油を供給するためのメインギャラリM/Gに供給される。
オイルポンプ22は、エンジン1で駆動される可変容量型の流体ポンプであり、ソレノイド22aの通電制御によって容量が調整される。
尚、オイルポンプ22として電動式の流体ポンプを用い、供給電力の制御によって吐出流量を制御することができる。
オイルジェット24は、オイルポンプ22から供給される潤滑油の圧力が開弁圧を超えると開弁し、潤滑油をピストン18の裏側(スカート部内)に向けて噴射し、ピストン18を冷却する。
ここで、各気筒に設けられる一対のオイルジェット24は、相互に開弁圧が同じオイルジェットの組み合わせとすることができ、また、相互に開弁圧の異なるオイルジェットの組み合わせとすることもできる。
一対のオイルジェット24の開弁圧が相互に同じ場合、潤滑油の供給圧の制御によって、双方のオイルジェットが共に閉弁状態を保持して潤滑油を噴射しない状態と、双方のオイルジェットが共に開弁して潤滑油を噴射する状態とに切り替えることができる。
また、一対のオイルジェット24の開弁圧が相互に異なる場合、潤滑油の供給圧の制御によって、双方のオイルジェットが共に閉弁状態を保持して潤滑油を噴射しない状態と、片方のオイルジェットだけが開弁して潤滑油が噴射する状態と、双方のオイルジェットが共に開弁して潤滑油を噴射する状態とに切り替えることができる。
尚、オイルジェット24は、各気筒に1本、又は、3本以上備えることができる。
燃料噴射弁3による燃料噴射、点火プラグ6による点火、電子制御スロットル10の開度、オイルポンプ22の容量などを制御するエンジン制御ユニットとして、コンピュータを備えるECM(エンジン・コントロール・モジュール)31を設けてある。
また、燃料ポンプ12を駆動する燃料ポンプ制御ユニットとして、コンピュータを備えるFPCM(フューエル・ポンプ・コントロール・モジュール)30を設けてあり、ECM31とFPCM30とは相互に通信可能に構成される。
尚、ECM31が、FPCM30としての機能を兼ね備えることができる。
ECM31は、燃料ギャラリー配管14内の燃圧FUPR検出する燃圧センサ33、図外のアクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)ACCを検出するアクセル開度センサ34、エンジン1の吸入空気流量QAを検出するエアフローセンサ35、エンジン1の回転速度NEを検出する回転センサ36、エンジン1の冷却水温度TW(エンジン温度)を検出する水温センサ37、エンジン排気中の酸素濃度に応じてエンジン1における空燃比を検出する空燃比センサ38などからの検出信号を入力する。
そして、ECM31は、前述の各種センサの検出信号に基づいて、燃料噴射弁3による燃料噴射量及び噴射タイミング、点火プラグ6による点火時期、電子制御スロットル10の開度、オイルポンプ22の容量などを制御する。
ECM31は、燃料噴射弁3による燃料噴射量を以下のようにして算出する。
まず、エアフローセンサ35の出力信号に基づき吸入空気流量QAを検出し、また、回転センサ36の出力信号に基づきエンジン回転速度NEを検出し、これら吸入空気流量QA、エンジン回転速度NEに基づき、燃料の供給圧が基準圧であるときに対応する基本噴射パルス幅TP(基本燃料噴射量)を算出する。
また、燃圧センサ33で検出した燃圧に基づき、単位時間当たりの噴射量の変化に対応するための補正係数を算出し、水温センサ37で検出した冷却水温度TWに基づき、冷機時に燃料噴射量を増量するための補正係数を算出し、更に、空燃比センサ38で検出される空燃比を目標空燃比に近づけるための補正係数を算出する。
そして、基本噴射パルス幅TPを前述した各種補正係数で補正して、最終的な燃料噴射パルス幅TIを算出し、各気筒における噴射タイミングにおいて、燃料噴射パルス幅TIの噴射パルス信号を燃料噴射弁3に出力する。
また、ECM31は、エンジン1の減速運転時に、燃料噴射弁3による燃料噴射を停止させる燃料カット(減速燃料カット)を実行する。
燃料カットは、エンジン回転速度、スロットル開度、燃料噴射パルス幅TI(エンジン負荷)などのエンジン運転条件から、エンジン1の減速運転状態であって燃料噴射を停止できる条件(カット条件)が成立しているか否かを判断し、カット条件が成立すれば燃料噴射弁3による燃料噴射を停止させる制御である。そして、燃料噴射を停止させた後は、燃料噴射を再開させる条件(リカバリ条件)が成立しているか否かを判断し、リカバリ条件が成立すれば燃料噴射弁3による燃料噴射を再開させる。
例えば、スロットル開度が全閉若しくは全閉付近の低開度で、かつ、エンジン回転速度がカット回転速度を上回っている減速状態を判定すると、燃料噴射を停止させ、その後、エンジン回転速度がリカバリ回転速度(リカバリ回転速度<カット回転速度)まで低下するか、及び/又は、スロットルが開操作されると、燃料噴射を再開させる。尚、カット条件及びリカバリ条件を上記に限定するものではなく、公知のカット条件及びリカバリ条件に応じて燃料カットを行う燃料カットを適宜採用できる。
尚、スロットル開度が、全閉若しくは全閉付近の低開度であるか否かは、スロットル開度の変化に応じて出力がリニアに変化するスロットルセンサを用いて検出できる他、スロットル開度の全閉位置でオンとなるアイドルスイッチを用いて検出できる。
また、カット条件の成立に対して燃料カットの開始を遅らせるようになっており、ECM31は、カット条件が成立した時点から遅延時間が経過した後に、燃料噴射弁3による噴射を停止させる燃料カットを実行する。
燃料カットの遅延は、燃料カットに伴って排気浄化触媒の温度が上昇したり、燃料カットに伴ってトルクが急変し運転者にショックを与えたりすることを抑制するために行われる。
従って、燃料カットの開始を遅延させる遅延時間は、触媒の温度上昇及びショックの発生を十分に抑制できる時間として予め設定されている。また、遅延時間は、カット条件成立時におけるエンジン負荷などのエンジン運転条件に応じて可変に設定できる。
また、ECM31は、冷却水温度TW(エンジン温度)、エンジン回転速度、エンジン負荷などのエンジン運転条件に基づき、ピストン冷却に必要なオイルジェット24からの潤滑油の噴射量を判断し、ソレノイド22aの通電制御を介してオイルポンプ22の容量を制御する。
オイルポンプ22は、エンジン1で駆動されるため、エンジン回転速度が高くなるに従ってオイルジェット24への潤滑油の供給圧が高くなるが、オイルポンプ22の容量を可変に制御することで、同じエンジン回転速度のときに得られる供給圧を変えられるようになっており、例えばエンジン回転速度が同じでもエンジン負荷に応じて潤滑油の噴射量を変えられるようになっている。
そして、ECM31は、冷却水温度TW(エンジン温度)、エンジン回転速度、エンジン負荷などのエンジン運転条件に応じてオイルポンプ22の容量を変化させることで、オイルジェット24への潤滑油の供給圧を制御し、オイルジェット24による潤滑油の噴射/停止を制御し、更に、開弁圧の異なるオイルジェット24の組み合わせを用いる場合には、潤滑油の噴射を行うオイルジェット24の数を制御する。
尚、オイルポンプ22の容量制御による供給圧の制御においては、エンジン回転速度(ポンプ回転速度)とポンプ容量と供給圧との相関に基づき、そのときのエンジン回転速度で目標の供給圧になるポンプ容量を設定し、このポンプ容量に従ってソレノイド22aを制御させることができる他、実供給圧を圧力センサで検出して、検出圧力(実供給圧)と目標の供給圧とから、ポンプ容量(ソレノイド22a)を制御することができる。
また、燃料カットが行われる減速運転時には、筒内負圧が大きく、オイルジェット24から噴射した潤滑油が燃焼室内に吸い込まれて消費されてしまう可能性がある一方、潤滑油によるピストン冷却の要求が低く、オイルジェット24からの潤滑油の噴射を停止させても、ピストン温度が許容最大温度を超えて上昇することを抑制できる。
そこで、ECM31は、後述するようにして、減速運転時にオイルジェット24からの潤滑油の噴射を停止させる制御を行い、潤滑油の消費を抑制する。
図2のフローチャートは、ECM31が実施する、オイルジェット24の噴射停止制御の一例を示す。
図2のフローチャートに示すルーチンは、設定時間毎に割り込み実行され、まず、ステップS101では、燃料カット中(減速運転時の燃料噴射停止状態)であるか否かを判断する。
そして、ステップS101で燃料カット中ではないと判断した場合には、ステップS102へ進む。
ステップS102では、カット条件成立後から燃料カット開始までの遅延期間中であるか否か、換言すれば、カット条件が成立した時点から遅延時間が未だ経過していない状態であるか否かを判断する。
ステップS102で、燃料カット開始の遅延期間内であると判断した場合には、ステップS103へ進み、オイルジェット24に対する潤滑油の供給圧の目標を、オイルジェット24の開弁圧を下回るカット時用目標圧に設定することで、実際の供給圧が開弁圧を下回ってオイルジェット24が閉弁し、オイルジェット24による潤滑油の噴射が停止するようにする。
尚、燃料カット条件の成立前から、オイルジェット24の噴射を停止させていた場合には、係る制御における目標圧の設定を優先させ、目標圧をカット時用目標圧に切り替えないものとする。
また、オイルジェット24として、開弁圧が異なる複数のオイルジェットを備える場合、ステップS103では、複数のオイルジェットのうちで最も低い開弁圧を下回る供給圧をカット時用目標圧に設定する。
ここで、潤滑油の供給圧を開弁圧から大きく低下させると、オイルジェット24による潤滑油の噴射を再開させる指令に対して、供給圧が開弁圧を超えるようになるまでの遅れが大きくなって、ピストン冷却の開始が遅れてしまう。
特に、燃料カット状態からアクセルが踏み込まれ、加速に移行する場合には、燃料噴射の再開に伴ってピストン温度が急に上昇することになるため、ピストン温度の上昇を抑えるためには、オイルジェット24からの潤滑油の噴射再開を応答よく行わせることが要求される。
そこで、減速運転時に、オイルジェット24からの潤滑油の噴射を停止させる場合のカット時用目標圧を、オイルジェット24の開弁圧を僅かに下回る供給圧に設定し、潤滑油の噴射再開指令に対して、供給圧を応答よく開弁圧付近にまで昇圧できるようにする。
エンジン1のアイドル運転時や冷機時において、オイルジェット24による潤滑油の噴射を停止させる場合には、潤滑油の噴射による冷却が停止され、かつ、燃焼が行われてもピストン温度が過度に上昇しない条件であるから、潤滑油の噴射を再開させるときに高い応答性は要求されない。これに対し、減速途中で加速に移行するような場合には、ピストン温度が比較的高い状態のまま加速に移行することで、ピストン温度が急激に増加する可能性があるため、潤滑油の噴射を再開させるときに高い応答性が要求される。
従って、減速運転時にオイルジェット24による潤滑油の噴射を停止させる場合には、アイドル運転時や冷機時などの非減速運転時にオイルジェット24による潤滑油の噴射を停止させる場合に比べて、噴射再開の応答性を高くすることが望まれる。
このため、減速運転時にオイルジェット24による潤滑油の噴射を停止させる場合には、アイドル運転時や冷機時などの非減速運転時にオイルジェット24による潤滑油の噴射を停止させる場合に比べて、オイルジェット24に対する潤滑油の供給圧の目標を高くする。
上記のように、減速燃料カットの遅延期間から、換言すれば、減速運転の開始から燃料カットの実行までの間に、オイルジェット24に対する潤滑油の供給圧を、開弁圧を下回る圧力にまで低下させ、オイルジェット24による潤滑油の噴射を停止させる。
そして、遅延期間が経過して燃料カットが開始され、ステップS101で燃料カット中であると判断すると、引き続きステップS103へ進むことで、オイルジェット24に対する潤滑油の供給圧を、オイルジェット24の開弁圧を下回る状態(カット時用目標圧)に保持させ、オイルジェット24による潤滑油の噴射を停止状態に維持させる。
また、ステップS102で燃料カット開始の遅延期間内ではないと判断した場合、換言すれば、燃料カット中ではなく、かつ、燃料カット開始の遅延期間内でもない場合には、そのまま本ルーチンを終了させることで、エンジン温度、エンジン負荷、エンジン回転速度などに基づく、オイルポンプ22の容量制御を実施させる。
図3のタイムチャートは、図2のフローチャートに示したルーチンに従ってオイルジェット24による潤滑油の噴射(オイルポンプ22からの潤滑油の供給圧)を制御した場合における、スロットル開度、燃料噴射、オイルジェット24への潤滑油の供給圧、オイルジェット24からの潤滑油の噴射量、筒内負圧の変化の一例を示す。
図3において、スロットルが開状態から略全閉になり、カット条件が成立した時点t1から、遅延時間TDLが経過した時点t2で、減速燃料カットが開始される。ここで、時点t1から時点t2までの遅延期間及びその後の減速燃料カット中においては、スロットル開度が全閉付近でかつエンジン回転速度がリカバリ回転速度よりも高いため、筒内負圧がアイドル運転時よりも大きくなる。
このように、筒内負圧が大きくなる減速運転時に、カット条件の成立時である時点t1(遅延期間の始期)からオイルジェット24による潤滑油の噴射を停止させる制御、換言すれば、オイルジェット24への潤滑油の供給圧を、開弁圧を下回る圧力にまで低下させる制御を開始し、供給圧が開弁圧を下回る圧力になると、その圧力をその後の遅延期間及び燃料カット中において維持させ、遅延期間から燃料カット中にわたってオイルジェット24による潤滑油の噴射を停止させる。
そして、燃料カット状態から燃料噴射を再開させる場合に、ソレノイド22aによりポンプ容量を増大させることで、オイルジェット24への潤滑油の供給圧を、開弁圧を超える圧力にまで昇圧させて、オイルジェット24による潤滑油の噴射を再開させる。
燃料カットの遅延期間は、燃料カットは実施されないものの、減速燃料カット実行時よりもエンジン回転速度が高いため、減速燃料カット中と同程度乃至より大きな筒内負圧が発生する場合があり、このときにオイルジェット24による潤滑油の噴射を行わせると、噴射した潤滑油が燃焼室内に吸い込まれて消費される可能性がある。
そこで、減速燃料カット開始前の遅延期間から、オイルジェット24による潤滑油の噴射を停止させる制御(オイルジェット24に対する潤滑油の供給圧を開弁圧未満に低下させる制御)を行わせ、遅延期間に引き続き燃料カット中においてオイルジェット24による潤滑油の噴射を停止させる。
これにより、燃料カット開始前の遅延期間、及び、燃料カット中において、オイルジェット24から噴射された潤滑油が燃焼室内に吸い込まれて消費されることを抑制できる。
また、減速運転時に運動エネルギーを電気エネルギーに変換してバッテリに蓄える回生制御が行われるハイブリッド車両などでは、燃料カット開始前の遅延期間、及び、燃料カット中において、オイルジェット24からの潤滑油の噴射を停止させるべく潤滑油の供給圧を低下させるから、オイルポンプ22の駆動負荷が軽減され、その分電気エネルギーとして回収できるエネルギー量が増して、エンジン1の燃費性能を改善できる。
更に、燃料カット開始前の遅延期間、及び、燃料カット中において、オイルジェット24の開弁圧を僅かに下回る供給圧に保持させることで、リカバリ条件が成立した場合に、潤滑油の供給圧を、開弁圧を上回る圧力にまで応答よく上昇させて、速やかにオイルジェット24からの潤滑油の噴射を再開させることができる。従って、燃料噴射の再開に伴うピストン温度の上昇を潤滑油の噴射で抑え、ピストン温度が過度に上昇してしまうことを抑制できる。
尚、図2のフローチャートに示した制御では、カット条件の成立によって燃料カットを実行するまでの遅延期間に入ったときに、カット時用目標圧に向けた供給圧の制御を開始させたが、カット時用目標圧に設定しても直ちに実供給圧が開弁圧を下回ることはなく、目標圧のステップ的な変化に対し遅れて実供給圧が低下することになる。
そして、上記の供給圧変化の遅れによって、遅延期間の初期にオイルジェット24による潤滑油の噴射が行われてしまい、このときに噴射された潤滑油が燃焼室内に吸い込まれて、潤滑油が消費されてしまう可能性がある。
従って、カット時用目標圧への切り替えは、なるべく早期に行わせることが好ましく、そのために、ECM31は、図4のフローチャートに示すようにして、潤滑油の供給圧の制御を行うことができる。
図4のフローチャートに示すルーチンは、設定時間毎に割り込み実行され、まず、ステップS151では、エンジン1の減速運転状態であるか否かを判断する。
ここで、エンジン1の減速運転には、スロットル開度(アクセル開度)が設定速度以上で減少している状態、及び、スロットル開度(アクセル開度)が全閉でかつエンジン回転速度が燃料カットのリカバリ回転を上回っている状態を含むものとする。
スロットル開度(アクセル開度)の減少速度判定における設定速度は、アクセルペダルから足を離して、スロットル開度(アクセル開度)が全閉に戻る場合の変化速度であるか否かを判断するための閾値である。換言すれば、設定速度以上の速度でスロットル開度(アクセル開度)が減少変化している場合には、その後の燃料カットの実施を推定できることになる。
換言すれば、ステップS151における減速運転には、燃料カット条件の成立に至る前の減速運転状態が含まれることになる。
また、スロットル開度(アクセル開度)が全閉でかつエンジン回転速度が燃料カットのリカバリ回転を上回っている状態は、燃料カットの実行条件が成立している状態に相当し、ステップS151で判定する減速運転には、更に、燃料カットの遅延期間と燃料カット実行状態とが含まれることになる。
従って、アクセルペダルから足を離した時点から、スロットル開度(アクセル開度)が全閉になるまでの期間、スロットル開度(アクセル開度)が全閉になったことでカット条件が成立した後の遅延期間、更に、遅延期間後の燃料カット期間において、ステップS151で減速判定される。
ステップS151で減速判定を行うと、ステップS152へ進み、オイルジェット24への潤滑油の供給圧の目標を、オイルジェット24の開弁圧を下回るカット時用目標圧(開弁圧を僅かに下回る供給圧)に設定する処理を行い、少なくとも燃料カットが実行されるようになるまでに、オイルジェット24への供給圧がカット時用目標圧に到達し、オイルジェット24の噴射が停止されるようにする。
これにより、アクセルペダルから足を離した時点、換言すれば、スロットル開度(アクセル開度)が全閉に向けて変化し始めた時点で、オイルジェット24への潤滑油の供給圧の目標がカット時用目標圧に設定され、オイルジェット24の噴射を停止させるための処理が開始されることになる。
そして、その後に続く遅延期間及び燃料カットの実行期間においても、継続してカット時用目標圧を保持するから、実際の供給圧がカット時用目標圧に到達してオイルジェット24の噴射が停止されると、その後の遅延期間及び燃料カットの実行期間で、オイルジェット24が噴射停止状態に保持される。
ここで、カット時用目標圧の設定を、スロットルが全閉になる前、換言すれば、燃料カット条件が成立する前に開始させるから、カット条件の成立時(遅延期間の始期)からカット時用目標圧に設定する場合に比べて、オイルジェット24の噴射が停止される時期を早めることができる。
図5のタイムチャートは、図4のフローチャートに示したルーチンに従ってオイルジェット24による潤滑油の噴射(オイルポンプ22からの潤滑油の供給圧)を制御した場合における、スロットル開度、燃料噴射、オイルジェット24への潤滑油の供給圧、オイルジェット24からの潤滑油の噴射量、筒内負圧の変化の一例を示す。
この図5のタイムチャートに示すように、時点t1で、スロットル開度の減少を判断すると、オイルジェット24への潤滑油の供給圧の目標を、カット時用目標圧に切り替えることで、オイルジェット24の噴射を停止させるようにする。
実際の供給圧の減少には応答遅れがあり、カット時用目標圧に切り替えた時点から遅れて、実際の供給圧がオイルジェット24の開弁圧を下回るようになってオイルジェット24の噴射が停止することになる。
しかし、カット時用目標圧への切り替えをカット条件の成立前に行わせるので、カット条件の成立時(遅延期間の始期:時点t2)にカット時用目標圧への切り替えを行わせる場合に比べて、カット時用目標圧への切り替え時期が早まり、その分、オイルジェット24の噴射が停止する時期が早まるから、遅延期間において潤滑油の噴射がなされてしまうことを抑制でき、潤滑油の消費を抑制できる。
即ち、図4のフローチャートに示した制御を行った場合には、図2のフローチャートに示した制御を行う場合と同様な効果を奏すると共に、遅延期間における潤滑油の消費をより一層低減できるという効果を奏する。
ところで、燃料カットの開始を遅延させる遅延時間が短く、かつ、オイルジェット24に対する潤滑油の供給圧力の制御応答が遅い場合には、減速運転を検出して供給圧を低下させる制御を開始しても、遅延時間が経過するまでに開弁圧を下回る圧力にまで供給圧を低下させることができずに、減速燃料カットが潤滑油の噴射状態で開始されてしまう可能性がある。
減速燃料カットでは大きな筒内負圧が発生するから、上記のようにして、潤滑油の噴射状態で減速燃料カットを開始すると、潤滑油の噴射を停止させることによる潤滑油の消費量の低減効果が損なわれてしまう。
そこで、ECM31によるオイルジェット24の噴射停止制御及び減速燃料カット制御を、図6のフローチャートに示すようにして行わせることができる。
図6のフローチャートに示すルーチンは、設定時間毎に割り込み実行され、まず、ステップS201では、ステップS151と同様に、スロットル開度(アクセル開度)が設定速度以上で減少している状態、及び、スロットル開度(アクセル開度)が全閉でかつエンジン回転速度が燃料カットのリカバリ回転を上回っている状態を含む、エンジン1の減速運転状態であるか否かを判断する。
そして、減速運転状態でない場合は、そのまま本ルーチンを終了させることで、エンジン温度、エンジン負荷、エンジン回転速度などに基づく、オイルポンプ22の容量制御を実施させる。
一方、減速運転状態であれば、ステップS202へ進み、オイルジェット24への潤滑油の供給圧の目標を、オイルジェット24の開弁圧を僅かに下回るカット時用目標圧に設定する。
カット時用目標圧が設定されると、ソレノイド22aを制御することで、オイルポンプ22の容量を低下させ、オイルポンプ22からオイルジェット24に供給される潤滑油の供給圧を、カット時用目標圧に近づける。
次いで、ステップS203では、燃料カットの遅延期間が経過したか否かを判断し、遅延期間が経過していない場合には、ステップS202へ戻って、供給圧の目標をカット時用目標圧とする状態を保持させる。尚、遅延期間が経過していない状態には、遅延期間に入る前の状態、及び、遅延期間の途中が含まれる。
一方、燃料カットの遅延期間が経過すると、ステップS204へ進み、オイルジェット24に対する潤滑油の供給圧が、実際に開弁圧を下回る圧力にまで低下し、オイルジェット24の噴射が停止しているか否かを判断する。
供給圧が実際に開弁圧を下回る圧力にまで低下し、オイルジェット24の噴射が停止しているか否かの判断は、潤滑油の供給圧を検出する圧力センサ41の検出結果と、開弁圧又はカット時用目標圧に相当する閾値とを比較することで行える他、オイルジェット24の開閉状態を検出するスイッチ42の信号に基づき判断することができ、更には、ソレノイド22aによるポンプ容量の低下制御から、実際に潤滑油の供給圧が開弁圧を下回るようになるまでの応答遅れ時間を推定し、この応答遅れ時間が経過したか否かに基づき、噴射の停止(供給圧<開弁圧)を判断することができる。
ここで、実際の供給圧が開弁圧を上回っていて、オイルジェット24が開弁して潤滑油を噴射している場合は、予め設定されている減速燃料カットの遅延期間は経過しているものの、減速燃料カットを実行することなく、ステップS202へ戻る。
一方、実際の供給圧が開弁圧を下回っていて、オイルジェット24が閉弁して潤滑油を噴射していない場合には、ステップS205へ進み、燃料カットを開始させる。
尚、燃料カット中も、カット時用目標圧の設定状態を保持させ、オイルジェット24による噴射の停止を継続させる。
上記のように、図6のフローチャートに示す制御では、予め設定されている燃料カットの遅延期間が経過し、かつ、実際の供給圧が開弁圧を下回っていてオイルジェット24による噴射が停止している場合に、燃料カットを開始させる。
従って、予め設定されている燃料カットの遅延期間が経過する前に、オイルジェット24による噴射が停止していれば、遅延期間が経過した時点で燃料カットが開始されることになるが、予め設定されている燃料カットの遅延期間が経過した時点で、オイルジェット24による噴射が停止していない場合には、噴射が停止するまで(供給圧が開弁圧を下回るようになるまで)更に待って燃料カットを開始させる。
図7のタイムチャートは、図6のフローチャートに示したルーチンに従ってオイルジェット24による潤滑油の噴射(オイルポンプ22からの潤滑油の供給圧)及び減速燃料カットの開始を制御した場合における、スロットル開度、燃料噴射、オイルジェット24への潤滑油の供給圧、オイルジェット24からの潤滑油の噴射量、筒内負圧の変化の一例を示す。
図7において、時点t1で、スロットル開度の減少を判断すると、オイルジェット24への潤滑油の供給圧の目標を、カット時用目標圧に切り替えることで、オイルジェット24の噴射を停止させるようにする。
その後、スロットルが開状態から略全閉になってカット条件が成立した時点t2から、予め設定された遅延時間TDLが経過した時点t3では、オイルジェット24への潤滑油の供給圧が開弁圧を上回っているので、燃料カットを開始しない。
そして、時点t3から更に時間が経過した時点t4で、潤滑油の供給圧がオイルジェット24の開弁圧を下回り、オイルジェット24による潤滑油の噴射が停止したと判断すると、燃料カットを開始させ、燃料カット中は、オイルジェット24による潤滑油の噴射を停止状態に保持させる。
これにより、遅延時間TDLが経過するまでに、潤滑油の供給圧がオイルジェット24の開弁圧を下回る圧力にまで低下しなかった場合でも、オイルジェット24による潤滑油の噴射が行われている状態で、燃料カットが行われてしまうことを抑制できる。
従って、筒内負圧が大きくなる燃料カット中に、オイルジェット24から潤滑油が噴射されることで、燃焼室内に潤滑油が吸い込まれ、潤滑油が消費されてしまうことを抑制できる。
即ち、図6のフローチャートに示した制御を行った場合には、図4のフローチャートに示した制御を行う場合と同様な効果を奏すると共に、更に、潤滑油の供給圧の低下速度が遅い場合であっても、オイルジェット24から潤滑油が噴射されている状態で燃料カットが行われてしまうことを抑制でき、潤滑油の消費量をより一層低減できるという効果を奏する。
ここで、オイルポンプ22からオイルジェット24に供給される潤滑油の圧力を、オイルジェット24の開弁圧を下回る圧力にまで応答よく低下させることができれば、遅延期間においてオイルジェット24から噴射される潤滑油の量を極力少なくして、潤滑油の消費量をより少なくすることができる。
そこで、ECM31は、図8のフローチャートに示すようにしてオイルポンプ22を制御することで、オイルポンプ22からの潤滑油の供給圧の低下を速め、遅延期間内での潤滑油の消費量のより一層の低減を図る。
図8のフローチャートに示すルーチンは、設定時間毎に割り込み実行され、まず、ステップS301では、ステップS151と同様に、スロットル開度(アクセル開度)が設定速度以上で減少している状態、及び、スロットル開度(アクセル開度)が全閉でかつエンジン回転速度が燃料カットのリカバリ回転を上回っている状態を含む、エンジン1の減速運転状態であるか否かを判断する。
減速運転状態であれば、ステップS302へ進み、オイルポンプ22からの潤滑油の供給圧を、オイルジェット24の開弁圧を下回る圧力にまで応答よく低下させるための初期カット時目標圧の設定を行う設定時間が、減速運転に移行した時点から経過しているか否かを判断する。
そして、減速に移行してからの時間が設定時間に達していない場合には、ステップS303へ進み、オイルポンプ22からの潤滑油の供給圧を、オイルジェット24の開弁圧を下回る圧力にまで応答よく低下させるための初期カット時用目標圧の設定を行う。
ステップS302では、初期カット時目標圧を、開弁圧を僅かに下回るカット時用目標圧(収束目標圧)よりも低い圧力に設定することで、カット時用目標圧まで実際の供給圧を応答よく低下させる。
即ち、供給圧の低下させる制御の開始時からカット時用目標圧に向けて供給圧を制御する場合に比べて、より低い初期カット時用目標圧を設定することで、より大きくポンプ容量を減らす制御が行われることになり、その結果、供給圧がカット時用目標圧に向けて低下する応答が速くなり、結果、オイルジェット24からの潤滑油の噴射が停止する時期が早まる。
ここで、初期カット時用目標圧に基づく制御を設定時間だけ継続することで、実供給圧がカット時用目標圧を下回ることがなく、かつ、当初からカット時用目標圧に向けて制御する場合よりも、実供給圧の低下が速くなるような初期カット時用目標圧を、予め実験やシミュレーションに基づき設定しておく。
尚、初期カット時用目標圧は、固定値として予め記憶させておくことができる。
但し、減速運転時は、吸気バルブ4からスロットル10までの間に充填されている空気がエンジン1に吸引されてから筒内負圧が発生するため、1サイクルの時間が短いエンジン回転速度が高いほど筒内負圧の発生時期が早くなり、筒内負圧の発生時期が早いほど、より早期にオイルジェット24からの潤滑油の噴射を停止させることが要求されるため、減速判定した時点でのエンジン回転速度に応じて初期カット時用目標圧を可変に設定することができる。
具体的には、図9に示すように、エンジン回転速度が高く、筒内負圧の発生時期が早くなる場合ほど、初期カット時用目標圧としてより低い供給圧を設定することで、カット時用目標圧に向けた圧力低下を速めるようにする。
一方、初期カット時用目標圧を設定した状態を設定時間だけ継続すると、ステップS302からステップS304へ進み、オイルポンプ22の容量制御における目標圧を、初期カット時用目標圧から、開弁圧を僅かに下回るカット時用目標圧にまで増大変化させ、実際の供給圧が、オイルジェット24の開弁圧よりも僅かに低いカット時用目標圧付近になるように、オイルポンプ22の容量を制御し、オイルジェット24からの潤滑油の噴射を停止させる。
初期カット時用目標圧に応じたオイルポンプ22の容量制御を過剰に長い期間行わせると、実際の供給圧が収束目標であるカット時用目標圧を下回り、カット時用目標圧に向けて実供給圧を増大させる制御が必要になって、カット時用目標圧への収束がかえって遅れてしまうことになる。
そこで、初期カット時用目標圧に応じた制御を行わせる設定時間は、実供給圧がカット時用目標圧を下回ることがなく、かつ、当初からカット時用目標圧を目標とした場合よりも、実供給圧がカット時用目標圧にまで低下するのに要する時間が可及的に短くなるような時間に設定する。
尚、初期カット時用目標圧に基づき制御する設定時間を、エンジン回転速度が高いほど長くすることができ、この場合、初期カット時用目標圧を固定値として設定時間をエンジン回転速度に応じて可変とすることができ、また、初期カット時用目標圧と設定時間との双方を、エンジン回転速度に応じて可変とすることができる。
また、ステップS301で減速運転状態でないと判断した場合には、本ルーチンをそのまま終了させることで、エンジン温度、エンジン負荷、エンジン回転速度などに基づく、オイルポンプ22の容量制御を実施させる。
図10のタイムチャートは、図8のフローチャートに示したルーチンに従ってオイルジェット24による潤滑油の噴射(オイルポンプ22からの潤滑油の供給圧)を制御した場合における、スロットル開度、燃料噴射、オイルジェット24への潤滑油の供給圧、オイルジェット24からの潤滑油の噴射量、筒内負圧の変化の一例を示す。
図10において、時点t1で、スロットル開度の減少を判断すると、オイルジェット24への潤滑油の供給圧の目標を、初期カット時用目標圧(初期カット時用目標圧<カット時用目標圧<開弁圧)に切り替えることで、オイルジェット24への潤滑油の供給圧が応答よく低下するようにする。
初期カット時用目標圧を目標圧とする状態を設定時間だけ継続した時点t2において、目標圧を、初期カット時用目標圧からカット時用目標圧に切り替え、カット時用目標圧に実際の供給圧を収束させるようにする。
初期カット時用目標圧を目標圧とする状態を設定時間だけ継続することで、実際の供給圧が減速判定時(減速に移行した時点)から応答よく低下し、オイルジェット24の噴射停止時期が早まるので、燃料カットの遅延期間においてオイルジェット24から噴射される潤滑油の量を少なくして、潤滑油の消費量を低減できる。
換言すれば、初期カット時用目標圧の設定によって、非減速時にオイルジェット24の噴射を停止させる場合よりも速い応答で、供給圧を低下させる。
即ち、図8のフローチャートに示した制御を行った場合には、図4のフローチャートに示した制御を行う場合と同様な効果を奏すると共に、潤滑油の供給圧の低下速度を積極的に高めて、潤滑油の消費量をより一層低減できるという効果を奏する。
以上、好ましい実施形態を具体的に説明したが、当業者であれば、種々の変形態様を採り得ることは自明である。
ここで、上記実施形態から把握し得る請求項以外の技術的思想について、以下に効果と共に記載する。
(イ)請求項1又は2記載の内燃機関の制御装置において、
前記オイルジェットへの潤滑油の供給圧を、前記オイルジェットの開弁圧を下回る圧力にまで低下させる制御を、減速判定に基づいて開始する、内燃機関の制御装置。
上記発明によると、オイルジェットへの潤滑油の供給圧が、開弁圧を下回る圧力にまで低下する時期を早め、遅延期間及び燃料カット中に重なる噴射期間を短くして、遅延期間及び燃料カット中に噴射される潤滑油の量を少なくでき、潤滑油の消費量を一層低減できる。
(ロ)請求項1又は2記載の内燃機関の制御装置において、
前記オイルジェットによる潤滑油の噴射が停止してから、燃料カットを実行する、内燃機関の制御装置。
上記発明によると、オイルジェットへの潤滑油の供給圧の低下が遅れても、オイルジェットによる潤滑油の噴射が行われている状態で、燃料カットが行われることを抑制できる。
(ハ)請求項1又は2記載の内燃機関の制御装置において、
前記オイルジェットへの潤滑油の供給圧を、前記オイルジェットの開弁圧を下回る圧力にまで低下させる制御の初期の設定時間で、前記開弁圧を下回る初期目標圧に向けて前記オイルジェットへの潤滑油の供給圧を制御し、その後、前記開弁圧を下回りかつ初期目標圧よりも高い目標圧に向けて前記オイルジェットへの潤滑油の供給圧を制御する、内燃機関の制御装置。
上記発明によると、オイルジェットの噴射を停止させるための供給圧制御の初期に、収束させたい圧力よりも低い目標設定を行うことで、供給圧の低下応答を早め、遅延期間において噴射されてしまう潤滑油の量を減らし、潤滑油の消費量を低減すことができる。
(ニ)請求項(ハ)記載の内燃機関の制御装置において、
前記初期目標圧を、内燃機関の回転速度が高い場合ほどより低い圧力に設定する、内燃機関の制御装置。
上記発明によると、筒内負圧の発生が早まる、エンジン回転速度の高い場合に、供給圧の低下速度を速くして、筒内負圧の発生状態で潤滑油が噴射されてしまうことを抑制できる。
(ホ)請求項1又は2記載の内燃機関の制御装置において、
減速運転時に、前記オイルジェットによる潤滑油の噴射を停止させる場合に、非減速時における供給圧の応答速度に比べて速い速度で供給圧を低下させる、内燃機関の制御装置。
上記発明によると、減速運転時にオイルジェットによる潤滑油の噴射を停止させる場合には、非減速時よりも速い速度で供給圧を低下させることで、遅延期間に噴射されてしまう潤滑油の量を減らし、潤滑油の消費量を低下させることができる。
1…エンジン(内燃機関)、2…吸気通路、3…燃料噴射弁、4…吸気バルブ、18…ピストン、31…ECM(エンジン・コントロール・モジュール)、22…オイルポンプ、24…オイルジェット

Claims (2)

  1. 減速運転時に、燃料カット条件の成立に対して燃料カットの開始を遅らせる内燃機関において、
    潤滑油の供給圧が開弁圧を超えると開弁して、潤滑油をピストンの裏側に向けて噴射するオイルジェットを含む潤滑油供給装置を制御する制御装置であって、
    減速運転の開始から燃料カットの実行までの間に、前記オイルジェットへの潤滑油の供給圧を、前記オイルジェットの開弁圧を下回る圧力にまで低下させ、燃料カットの実行中に前記オイルジェットによる潤滑油の噴射を停止させる、内燃機関の制御装置。
  2. 減速運転時に前記オイルジェットによる潤滑油の噴射を停止させる場合に、前記オイルジェットへの潤滑油の供給圧を、前記開弁圧よりも低く、かつ、非減速運転時に前記オイルジェットによる潤滑油の噴射を停止させる場合の供給圧よりも高くする、請求項1記載の内燃機関の制御装置。
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